◆−勝手に獣将軍さん(ビミョ〜〜なBL入ってるかも)−優美象・静 (2006/12/13 19:15:40) No.32943
 ┗勝手に獣将軍さん2−優美象・静 (2006/12/15 19:02:39) No.32946
  ┣Re:勝手に獣将軍さん2−麻緒 (2006/12/15 19:55:12) No.32947
  ┃┗ども☆−優美象・静 (2006/12/15 21:27:24) No.32948
  ┣Re:勝手に獣将軍さん2−誠 (2006/12/16 22:16:34) No.32950
  ┣Re:勝手に獣将軍さん2−キノ (2006/12/17 14:43:34) No.32954
  ┣勝手に獣将軍さん3−優美象・静 (2006/12/21 14:35:21) No.32957
  ┃┣Re:勝手に獣将軍さん3−キノ (2006/12/22 19:45:40) No.32958
  ┃┗勝手に獣将軍さん4−優美象・静 (2006/12/31 11:14:44) No.32964
  ┣勝手に獣将軍さん5−優美象・静 (2007/1/4 12:45:20) No.32965
  ┃┗Re:勝手に獣将軍さん5−キノ (2007/1/4 13:19:41) No.32966
  ┃ ┗Re:勝手に獣将軍さん5−優美象・静 (2007/1/5 08:12:58) No.32968
  ┣勝手に獣将軍さん6−優美象・静 (2007/1/5 10:05:13) No.32969
  ┗勝手に獣将軍さん7−優美象・静 (2007/2/8 16:42:40) No.32988


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32943勝手に獣将軍さん(ビミョ〜〜なBL入ってるかも)優美象・静 E-mail URL2006/12/13 19:15:40


えーと、お久しぶりの静です。
スレイヤーズNEXTくいずを進めている途中で、この変なネタが思いつきました。
気まぐれに読んでくだされば幸いです。


それは、雪の降るある日のこと――

 「ゼールーガーディースーさーーん♪」
 馴れ馴れしく合成獣の青年に近づいてきたのは、この世界では超有名な神官、ゼロス=メタリオム。
見た目はゴキブリっぽいが、獣王(グレーター・ビースト)ゼラス=メタリオムに使える獣神官(プリースト)だったりするのだ。
 「……何だ」
 合成獣の青年――ゼルガディスは不機嫌そうな顔で振り向いた。
 「何だ、はないでしょ〜?せっかくこうして会いに来てあげたんですから〜」
 「会いに来てくれと頼んだ覚えはないが」
 「またまた〜。ゼルガディスさんってば照れ屋さんなんだからv」
 ゼロスはゼルガディスの頭を軽く小突いた。
 「……で……何の用なんだ?くだらん用事なら、俺は帰るぞ」
 「やだなぁ。くだらなくないですよ。雪が降ってますねって言おうとしたんです」
 「……くだらん。帰る」
 「え!?ちょっ……ゼルガディスさぁぁぁん!!」
 スタスタと歩き始めるゼルガディスを、ゼロスは慌てて追った。
 「待ってくださいよぉ」
 「……だから何なんだ。雪が降ってるって言おうとしただけなんだろ?」
 「それだけじゃないんですよ」
 ゼロスはゼルガディスの腕を掴んで、空を見上げた。
 「……じゃあ何だ」
 「寒いですね」
 「冬だから当たり前だ。そもそもお前は寒さなんぞ感じないだろう」
 「感じようと思えば感じます」
 「何だそりゃ……」
 2人(?)はしばらく空を見上げていた。
 「綺麗ですね」
 「何が?」
 「雪」
 「……そうか?」
 ゼロスは目の前に落ちてきた雪を手で掴んだ。
 「雪って不思議ですよね。こんなにも地面に積もってるのに、手で触るとすぐに溶けてしまう……」
 「お前は体温なんてないだろうが」
 「そうなんです。だからおもしろくないんですよ。ゼルガディスさんの身体に染みこんでいく雪を見てると、本当にそう思います。僕が雪を触っても、溶けないで残っている……」
 ゼロスは手のひらを開いてゼルガディスに見せた。
 その手のひらには、先ほどの雪が溶けずに乗っかっている。
 「ゼルガディスさん、触ってみてください」
 「……俺が触ったら溶けるだろ」
 「大丈夫、ゼルガディスさんはよーく冷えてるから溶けません」
 「……イヤミか、それは」
 なんだかんだ言いながらも、ゼルガディスはゼロスの手のひらから雪をつまんだ。
 小さな小さな雪の粒は、彼の手に触れた途端、溶けて消えた。
 「……溶けたぞ?」
 「じゃあゼルガディスさん、僕と2人きりだから体温が上がっちゃったんですねv」
 「……誰がだ!」
 すると、その時。
 「……魔族も落ちたものね。人間と一緒にいて楽しむとは……。情けないとは思わないの、ゼロス?」
 背後から声がした。
 低くはないがあまり高くもない、大人びた女性の声――。
 「……フローラさんですか」
 ゼロスは半分恨めしそうな顔で振り向いた。
 つられてゼルガディスも振り向くと、そこには1人の女性が立っていた。
 ゼロスとよく似た色の、暗い紫色の髪。鋭い灰色の目、獣のようにとがった耳。
 真冬だというのに、素肌の上に黒い半袖の上着を着て、下は黒いスカートと黒いホットパンツのみである。
 腰の辺りまでの短い黒マント、黒いブーツ、トゲがついた簡単な作りのショルダー・ガード、そして腰にさした剣――。
 「……ゼロス……知ってるのか……?」
 「ゼルガディスさんは初めてお会いするかもしれませんね……。
  紹介します。我が王、獣王(グレーター・ビースト)ゼラス=メタリオム様が作られた獣将軍(ジェネラル)、フローラさんです」
 嫌そうに紹介するゼロスを、その女性は鼻で笑った。
 「……あらあら。ずいぶんと嫌われたものね。人間とつきあってる獣神官(プリースト)にそんな扱いを受ける筋合いはないと思うけど」
 ゼロスの態度を見て、フローラは苦笑した。
 「ジェネ……ラル……!?」
 そしてただ1人、ゼルガディスのみが、自分の置かれた状況を未だに理解できぬまま、雪の中に立ちつくしているのだった。

                        〜続く〜

  アトガキ(優美象・静、ゼルガディス、ゼロス、フローラ)

Y:どうもぉぉっ!スレイヤーズNEXTくいずでお世話になってます、作者のYです!今回は珍しくシリアスに挑戦してみましたが……いかがだったでしょうか。
Z:いいのかお前、また新しい作品投稿して?どうせ長続きしないんじゃないのか?
Y:うぐっ……!いいの!どうせ2、3話で終わらせるつもりなんだから!
X:別に決意するほどのことでもないと思いますけど……
Y:うるさーい!
H:にしてもアンタ、どーゆーつもりよ?タイトルが「勝手に獣将軍さん」のくせに、あたし後半にしか出てないじゃない。後はほとんどこいつらのBL絡みで。
Y:だから忠告しといたでしょ。ビミョ〜〜なBL入ってるって。
H:そーゆー問題じゃなくてさ……あくまでもメインはあたしってことでしょ?だったらあたしをもっと出しなさいよ!
Y:それは2話で。
Z:……逃げたな……。
X:まあ、それは仕方ないですよ。だってHさんはYさんのオリジナルキャラですし、この前某サイトのオエビで描いてた想像グラウシェラー様とは違って作られてすらいなかったんですから。出番がないのもうなずけますよね。
H:な〜に生意気なこと言ってるのよ。ゴキブリのくせして。
Y:そこっ!ケンカしない!とゆーわけで皆様、こんなつたない小説ですが、次回作をお楽しみにっ!
Z:いつになるかは分からんがな……
X:ひょっとしたら来年になるかもしれませんね。
Y:そこっ!余計なこと言わない!つーかいくらなんでもそこまでかからんから!ではでは〜。
                     アトガキ・おわり

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32946勝手に獣将軍さん2優美象・静 E-mail URL2006/12/15 19:02:39
記事番号32943へのコメント

第2話〜〜対立〜〜


 「獣将軍(ジェネラル)……フローラ……!?」
 ゼルガディスはゼロスとフローラを交互に見つめた。
 「……一体何の用なんですか、フローラさん」
 「それはこっちのセリフよ。ゼラス様のところに1ヶ月も戻ってこないから何をしてたかと思えば、人間と遊んでたってわけ?」
 「遊んでたわけじゃありません。僕はちゃんとした任務を果たしにきただけです」
 「ちょっと待て!任務って何のことだ!?そもそもこいつは……」
 「ゼル〜〜〜!!」
 ゼルガディスがゼロスに問いかけようとすると、向こうから見覚えのある姿が走ってきた。
 「……リナ!アメリア、ガウリイ!」
 「もう、こんな雪の中で何してるんですかゼルガディスさん。風邪引きますよ」
 「ところでゼル。こいつ誰なんだ?」
 「……俺にも……分からん」
 「へえ、珍しいわね。ゼルにも分からないことがあるなんて」
 そう言ってリナはフローラを見た。
 「んで?あんたは誰よ?何でゼロスと一緒にいるの?」
 「……まいったわね。まさか仲間がいたなんて」
 「仲間?仲間って何のことです?」
 アメリアが問いかけると、フローラは鼻で笑った。
 「笑わせてくれるわね……あんたたちもそこのゼロスの仲間なんでしょう?」
 「仲間じゃないですよ!私たちをこんな害虫以下のシロモノと一緒にしないで下さい!」
 「……アメリアさん……それはそれでひどいんですけど……」
 ゼロスのセリフには、誰も耳を傾けようとしなかった。
 「で、あんた結局誰なの?」
 「……そーいやまだ名前も言ってなかったわね」
 フローラは前髪をかき上げた。
 「あたしの名はフローラ。簡単に言や、獣王(グレーター・ビースト)ゼラス=メタリオム様に仕える獣神官(ジェネラル)よ」
 『獣将軍(ジェネラル)っ!?』
 リナとアメリアの声がハモった。
 「なあ……それ……何だ?」

 どて。

 ガウリイのいつも通りの反応に、慣れているはずの3人はこけた。
 「……まいったわね……ゼラス様の名は有名だと思ってたんだけど」
 「ガウリイ……それ……本気じゃないわよね……」
 「本気だが……?」
 リナはため息混じりに説明した。
 「……つまり早い話が、ゼラス=メタリオムってのは赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥの部下で、獣将軍(ジェネラル)やら獣神官(プリースト)ってのはそいつに仕えてる中間管理職のパシリ魔族ってことよ」
 「……ものすごい説明ね……」
 「つまりこのフローラさんは、位で言えばゼロスさんと同レベル。強さで言ってもゼロスさんと互角にやりあえるはずです」
 「ちょっと待って」
 アメリアの説明に、フローラが待ったをかけた。
 「勘違いしないでね。あたしとゼロスが戦ったら、30分とせずに決着がつくわ」
 「ほぅ……言ってくれますね。じゃあ一戦交えてみます……?」
 「おもしろいじゃない……」
 にらみ合う2人(?)を、4人は呆然と見つめていた。
                                 〜続く〜


 アトガキ

Y:やっとできたっ!「かってに獣将軍さん」第2話「対立」!
Z:ほぅ。思ったより早かったじゃないか。
Y:まぁーね!
X:でも、タイトルと話の内容があまり合ってないんじゃないですか?
Y:うぐっ……そこは突っ込んじゃダメよ。
H:しっかし……せっかくシリアス保ってたのに、あのガウリイとかいう男のせいでぶち壊しになったわね。
Y:まあ、ガウリイはあーゆー奴だから。それではっ!また次回お会いしましょう!

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32947Re:勝手に獣将軍さん2麻緒 2006/12/15 19:55:12
記事番号32946へのコメント

はじめまして。
フローラさん最高です。
どうやら同じ獣王に仕えるもの同士でも、気が合わないのですね。
なんだか、楽しそうなことになりそうで、目が離せません。
次回を楽しみにしています!!


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32948ども☆優美象・静 E-mail URL2006/12/15 21:27:24
記事番号32947へのコメント

初めまして麻緒さん。
楽しみにしてくださってありがとうございます!!
期待を裏切らないように頑張ろうと思います。

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32950Re:勝手に獣将軍さん2URL2006/12/16 22:16:34
記事番号32946へのコメント

どうも〜w誠です。
久しぶりにのぞいてみたら素敵な作品がっw
フローラさんいいキャラですねw
自分的にアニメ版ゼラス様みたいな雰囲気がしますね
最初のゼロスさんとゼルさんのいちゃいちゃぶりも物凄くつぼでしたw
僕と2人きりだから体温が上がっちゃったんですねっていうのが
本当にきゅぅんって・・キャーw(死)
静さんの小説って形容の仕方がとても綺麗ですね
本当そう思いますよ
こうなんでしょうかね自分の小説は見てても何もこないんですけど
他の人が書いてると自分も描きたくなってくるんですよね!
そんな活力をくれてありがとうございます!

さぁて・・ギャグも考えてることですし
ここらへんで失礼させていただきます誠でしたぁ〜

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32954Re:勝手に獣将軍さん2キノ 2006/12/17 14:43:34
記事番号32946へのコメント

い、いつの間にか新作が・・・の、乗り遅れた・・・。
それはさておき、オリジナルキャラの登場ですか〜。おもしろいです!もう忙しい嵐のような時期は過ぎ去ったので、ちょくちょく覘きに来ようと思います!楽しみに待ってま〜す!

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32957勝手に獣将軍さん3優美象・静 E-mail URL2006/12/21 14:35:21
記事番号32946へのコメント

第3話〜〜決闘〜〜

 長いのか短いのかよく分からない沈黙の後、フローラは腰の剣を抜いた。
 「さ、準備はOKよ。どこからでも来なさい」
 「じゃあ……お言葉に甘えて」
 がぎぃんっ!
 フローラが振り下ろした剣を、ゼロスは錫杖1本で受け止める。
 「ちょ……ちょっと待ちなさいよあんたたち!同じ獣王(グレーター・ビースト)に仕える者同士が何で争ってるのよ!」
 リナが叫ぶと、フローラは憎しみのこもった目でゼロスを見た。
 「……邪魔なのよ。こいつが。
  こいつが作られたから、あたしの力は半減した……!
  ゼラス様はあたしの力を半分ゼロスに分け与えた。でもそれがよくなかったの!こいつのせいで、あたしは力の半分を失ったのよ!
  ……こいつが憎いの。あたしの力を奪ったこいつが……!」
 フローラは剣を握りしめた。
 「だからあたしはゼロスを倒して、力を取り戻す!いても邪魔な奴なら、いっそ倒すだけよ!」
 「ちょっと待ってください!正気ですか!?いくら力を失ったからって、自分の仲間を殺すなんて!」
 「……あなた……誰よ?」
 「アメリア。アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです」
 「そう。じゃあアメリア。あんたに1つ言っておくわ。こいつは仲間じゃない!あたしの力を半分奪った奴が、仲間なわけない!ゼロスはあたしの敵!あたしにとって、敵以外の何者でもないわ!」
 「……その言葉、そっくりそのままお返ししますよ、フローラさん。僕だってあなたが邪魔なんですよ。あなたがいなくなれば、僕の力は今より強くなる……。ならばあなたを倒してしまえば済む話ですしね」
 再び戦闘が始まった。
 フローラの剣がゼロスの肩口を捕らえたが、気づくとゼロスがフローラの後ろに回り、青白いエネルギー光を放った。
 「……ふーん。お得意のトカゲのシッポ切りってやつね」
 「まあ、僕もこのぐらいの芸はしますからね。フローラさんこそ、さっきの攻撃、一部を残して本体だけ逃げたでしょ?」
 「あら、知ってたなら話は早いわ。じゃあおとなしく倒されてもらうわね」
 リナたちは、自分の目に映っている光景が信じられなかった。
 フローラの剣は確かにゼロスの身体を薙いだと思ったのに、ゼロスはフローラに攻撃を仕掛け、その攻撃をフローラは軽々とかわす。
 「リナさん……いいんですか?止めないで……」
 「だって……あたしにはどうにもできないわよ。悔しいけど、今のあたしにはあいつらを止める力はない」
 リナは自分の声が震えているのがよく分かっていた。
 「あんたたち……どういうつもりよ……?そんな本気で戦わなくても……」
 「あなたには分からないわ」
 フローラが悲しそうな声で言った。
 「あなたたちには……分からないわよ。あたしの気持ちは。後からのこのこ作られた奴に……力を奪われたあたしの気持ちは!」
 フローラの剣が再びゼロスの身体を薙ぐ。
 ゼロスはまた一部を残して、フローラの後ろに回った。
 「フローラさん。1つ忠告しておきます。あなたは絶対に僕に勝つことはできません。なぜなら――」
 刹那。
 フローラの脇腹から、どす黒い液体が噴き出した。
 リナたちが、それが魔族の血であることを理解するには数秒の時間を要した。
 「ゼラス様が僕に分け与えた力は、あなたよりも若干多い……つまりあなたには僕を倒すことなどできないからです」
 脇腹から黒い血を流したまま、フローラはゆっくりと地面に倒れた。

                                  〜続く〜


 アトガキ

Y:ふ〜、やっとできた〜!やっと第3話できたよー!
Z:……今回、俺の出番妙に少ないような気がするんだが……
Y:うぐっ……まあまあ、気にしない気にしない。もともとフローラがメインだし、最後あたりにはあんた出してあげるからさ。
X:今回はかなりのシリアスに挑戦したつもりなんですよね?
Y:うーみゅ……シリアスのつもりなんだけどな……
H:ってか、どーしてあたしが倒されてんの?
Y:まあまあ、そうしないと次回のネタがないからさ。え〜と、以下はレス返しです〜。

誠さん>>ども!こちらではお久しぶりです!
    フローラさんはマジでアニメ版ゼラス様をモデルに作ってみました。
    そして1話のゼロゼルは妙にこだわったところです(笑)
    おおぅ!ギャグ考えてるんですか!
    またここで誠さんの素晴らしい小説を見られることを期待してます!

キノさん>>いやいやいや、新作っつーかネタ切れにつき気分転換です(なんぢゃそりゃ)
     いや〜、オリジナルキャラってもともと作るつもりはなかったんですが、適当に考えてたらできちゃいました(笑)
     クイズの方も少しずつ進めていきますので!


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32958Re:勝手に獣将軍さん3キノ 2006/12/22 19:45:40
記事番号32957へのコメント

気分転換でもすごくイイと思いますよ。この小説。今回はゼロスとフローラの一騎打ち!次回の展開が楽しみです。
クイズの方にはレスをもう出しましたから、また時間がある時に見てください。

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32964勝手に獣将軍さん4優美象・静 E-mail URL2006/12/31 11:14:44
記事番号32957へのコメント

第4話〜〜怒り〜〜

 沈黙が流れ、フローラがゆっくりと倒れ伏した。
 彼女の脇腹からはどす黒い血が流れ続け、地面は文字通り血の海と化した。
 「マジかよ……ゼロスって……こんな奴だったか……?」
 ガウリイが重い口を開くと、ゼロスは「氷のような」としか表現できない笑みを浮かべて言った。
 「おや?ガウリイさん、お忘れですか……僕は魔族なんですよ」
 そしてゼロスはゆっくりとフローラに近づいた。
 「これでお分かりでしょう、フローラさん。あなたには僕を倒すことなんてできないってことが」
 「う……あ」
 フローラの口から、弱々しい悲鳴が漏れる。
 そして彼女の口から黒い液体が噴き出した。
 「フローラさん、喋ると身体に障りますよ。……まあ……僕としてはその方が有難いですけどね」
 「……ゼロス……」
 リナがうつむき加減で言った。
 「……何ですか、リナさん」
 「これが……あんたたち魔族の性ってわけ?……あまりにも……残酷な……」
 「そうです」
 さらっと答えるゼロス。その目は明後日の方向を向いている。
 「……ちゃんと人の目ェ見て答えなさいよ!!
  いくらなんでもこれは……これはあんまりだわ……
  仲間同士で争うなんて……!」
 「リナさん。これだけははっきりと言っておきます。
  魔族というのは、滅ぼされるために創られた存在なのですよ。たとえそれが仲間同士であろうと、何であろうと。
  セイルーンだって、アルフレッドさんが反発してクリストファさんに殺されたんじゃないんですか?」
 「そ……それは……」
 アメリアが悲しそうな顔をした。
 王族同士での殺し合いが起こった、セイルーンのお家騒動事件――。
 「セイルーンでの1件は関係ないでしょ!!」
 リナの顔が険しくなった。
 「あたしはねぇ!どちらかが人間の味方、どちらかが魔王の味方になってるとかで争うならともかく、そういうわけじゃないのに自分勝手な理由で味方同士争ってるっていうのがおかしいって言ってるのよ!」
 「人間の方には分からないだけですよ。僕たち魔族の気持ちは」
 「分かんないわ」
 低く、しかしきっぱりと、リナは言った。
 「あたしは人間だから、あんたたち魔族の気持ちなんて微塵も分かんない。もしもあたしがあんたの立場だったら、やっぱりフローラに力を取られてるわけだから、少しは彼女を憎んだかもしれない。
  ……けど……
  だからってあたしは、絶対に味方同士で争ったりなんかしない!!それで争うなんて間違ってる!!」
 「リナさん。何度も言いますけど、フローラさんは僕と同じ獣王軍なだけです。味方ではありません」
 「うるさいわね!あんたたちが味方であろうがなかろうが、どうでもいいわ!あんたみたいな卑劣な奴、許すわけにはいかない……!」
 「ほう……許さないというのなら……どうするんです?」
 「あたしがあんたを倒す!!」
 リナはびしっとゼロスを指さした。
 「……ちょっとリナさん!正気ですか!?ゼロスさんの強さは、リナさんも充分知ってるでしょう!」
 「……分かってるわよアメリア。けど、どうしても許せないの。
  ……異界黙示録(クレアバイブル)の写本(コピー)の元へあたしたちを導いてくれて……あたしの魔力が奪われたときには助けてくれて……
  それでいて、セイグラムや人形使いジョーからあたしを護ってくれたのに……
  いい奴だと思ってたのに、あの姿はまったくの嘘だったの!!
  本当のゼロスは、自分の目的のために仲間ですら平気で殺す、むごい奴……!
  あたしは2つの意味でこいつを許せないの。
  1つは、自分の仲間を滅ぼそうとしたこと。
  そしてもう1つは、あたしの前で素顔を隠していたことよ!!」
 リナはゼロスを睨み付け、2人は戦闘モードに入った。
 そんなリナを、ガウリイも、ゼルガディスも、アメリアも、止めることはできなかったのである。

                                 〜続く〜


  アトガキ

Y:だ〜〜!!結局大晦日までかかってしまった!お待たせしてしまい大変申し訳ございません!!
Z:土下座して謝れ。
Y:ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!
X:今回はかなり時間かかりましたね。
Y:おうよ!かな〜り考えに考え抜いたモンだからね!!
Z:……ただ単に時間がなくて制作を先延ばしにしてただけなんじゃないのか……?
Y:うぐっ……!それは言わないで……!
Z:……図星かよ……
X:こーなったら、第5話も早いところ仕上げないといけませんね。
Y:うーみゅ……年明けになっちゃうかも。
Z:今日は夜更かしするつもりなんだろ?夜中に仕上げろ。
Y:うわぁぁぁぁぁぁんっっっ!!(涙)
Z:じゃ、そーゆーことで。

                          アトガキ:おひまい
 
(※フローラさんはゼロスとの戦いで怪我しちゃいましたので、今回のアトガキには出席できませんでした☆てへ☆)←そーゆー雰囲気じゃないだろ……

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32965勝手に獣将軍さん5優美象・静 E-mail URL2007/1/4 12:45:20
記事番号32946へのコメント

第5話〜〜リナVSゼロス〜〜


 「さあゼロス……準備はいい?」
 「いつでもどうぞ」
 ゼロスの返事が戦いの合図となり、リナの呪文詠唱の声が風に流れた。
 「烈閃槍(エルメキア・ランス)!!」
 リナの放った魔力の槍が、ゼロスに直撃した。
 だが、ゼロスは顔色1つ変えずに平然とたたずんでいた。
 「やっぱりこの程度じゃダメージ与えられないわね」
 「ええ。レッサーデーモンなんかの下級魔族ならともかく、僕程度の魔族となれば、そんなものが1発直撃したところで痛くもかゆくもありませんよ。――まとめて来られたら少しやっかいですけどね……」
 「ゼルやアメリアを巻き込むつもりなの?……悪いけどそうはいかないわ。あんたはあたしが1人で倒してみせる。あんたのやったことがどれほど卑劣なことか、身を持って思い知らせてあげる……!」
 「面白いですね。やれるものならやってみればよいでしょう。できればの話ですがね……」
 リナは再び呪文を唱えた。
 「螺光衝霊弾(フェルザレード)!!」
 リナの手から放たれた魔力光を、ゼロスは素手で受け止め、無造作に握りつぶした。
 「どうしました、こんなものですか?」
 「……少しあんたを甘く見ていたわ」
 「そうでしょうね。でも忘れていたわけじゃないでしょう?僕が降魔戦争でドラゴンたちを全滅させたことを……」
 「まあ、少しはね。けど、あんたも忘れてたんじゃないでしょうね?あたしは天才美少女魔道士、リナ=インバースよ。シャブラニグドゥやザナッファー、覇王(ダイナスト)グラウシェラーも倒したこのあたしが、獣神官(プリースト)ごときに負けるわけないわ」
 「ほう……ならば試してみますか?」
 言うなり、ゼロスは精神世界(アストラルサイド)へ逃げ込んだ。
 「逃がすもんですか!」
 リナが呪文を唱えると、突然上からゼロスが魔力光を放ってきた。
 「どぅわっ!?」
 慌てて避けるリナ。魔力光はそのまま地面に落下し、ものすごい音をたてて爆発した。
 「……命拾いしましたね、リナさん」
 上空からゼロスがつぶやいた。魔力光の当たった地面は、まるで竜破斬(ドラグ・スレイブ)を放った後のようにぽっくりとえぐられていた。
 「へぇ……ちょっとはやるようね」
 「本気になってくださいよリナさん。つまらない死に方をしたくはないでしょう」
 「ちょ……ちょっとゼロスさん!?まさか、リナさんを殺すつもりなんですか!?」
 「……1度戦ったからには相手を殺す……それが僕ら魔族の使命です」
 「ふざけるな!だからって、何も関係のないリナまで殺すのか!?」
 「やめて、ガウリイ!」
 ガウリイが光の剣を抜こうとすると、リナは振り向かずに叫んだ。
 「あたしは絶対に負けたりしない。こいつなんかに殺されたりしない。だから安心してよ、ガウリイ」
 「リナ……けど……」
 「あたしはね、むしろガウリイやゼルやアメリアを巻き込みたくはない。大丈夫、あたしは必ず勝つ。勝利はあたしのためにあるんだから」
 そう言うと、リナは再びゼロスを睨み付けた。
 「さあ、あんたが望むなら、あたしも本気になってあげるけど?」
 「ご自由に」
 「……後悔しないわね?」
 不敵に微笑み、リナは呪文を唱え始めた。

 ――黄昏よりも昏き存在(もの) 血の流れより赤き存在(もの)――

 「この呪文……竜破斬(ドラグ・スレイブ)!?」
 アメリアが叫んだ。

 ――時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において――

 リナの手の中に、赤い魔力光が生まれる。

 ――我ここに闇に誓わん 我らが前に立ち塞がりし
   全ての愚かなる存在(もの)に 我と汝が力もて
   等しく滅びを与えんことを――

 アメリアとゼルガディスは、とっさに防御呪文を唱えた。
 「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!!」
 リナの声が響き、辺りは赤い光に包まれた――。

                                  〜〜続く〜〜


 アトガキ

Y:ふい〜〜!!皆さんお待たせしました!勝手に獣将軍さん第2話「リナVSゼロス」をお届けします!
Z:……俺最後にしか出てないじゃないか。
Y:うぐっ……!いいじゃないの!出してあげただけマシだと思いなさい!
Z:(小声で)何を偉そうに……(ぶつぶつ)
X:でもここまで来ると、獣将軍とか関係なくなってませんか?
Y:ぎっくぅぅぅぅぅ!!
Z:ものすごく動揺したな、今……。
Y:えーっと……それは……あっ、そうそう、次回出すの!フローラさん次回出すの!
X:その「そうそう」って何ですか……?
Y:まーまー。細かいことは気にしない!ではでは、この辺で〜!

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32966Re:勝手に獣将軍さん5キノ 2007/1/4 13:19:41
記事番号32965へのコメント

明けましておめでとうございます!←もう遅いって!
>Y:えーっと……それは……あっ、そうそう、次回出すの!フローラさん次回出すの!
>X:その「そうそう」って何ですか……?
(^^)毎回楽しませてもらってます。特に最後のコメント。←えっ!?本編は?
さて、ひとりツッコミはそろそろやめにして、前の勝手に獣将軍さん4にレスがつけれなくてすみませんでした。親にパソをとられて・・・・。
まぁそれは置いといて、今年もよろしくお願いします!

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32968Re:勝手に獣将軍さん5優美象・静 E-mail URL2007/1/5 08:12:58
記事番号32966へのコメント

改めて、明けましておめでとうございます!(だから遅いよ)
毎回楽しんでくださってありがとうございます!!
作者としてはすっごく嬉しいですv
レスは全然気にしなくていいですよ!誰だって事情がありますし。
私も以前、パソコンがいきなりぶっ壊れて1ヶ月ぐらい修理に出してて触れませんでしたから(笑)
こちらこそ今年もよろしくお願いします!

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32969勝手に獣将軍さん6優美象・静 E-mail URL2007/1/5 10:05:13
記事番号32946へのコメント

第6話〜〜本気〜〜


 「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!!」
 リナの声が響き、辺りは赤い光に包まれた。
 煙と砂埃が舞い、アメリア達はむせこんだ。
 「な……何が起こってるんですか!?」
 「くっ……前が見えん……!」
 「リナ……リナぁーーー!!」
 ガウリイが叫ぶと同時に、視界が晴れた。
 そこにあったのは、術を放ってたたずむリナと、攻防で凹んだ大地のみ……。
 「やった……のか……?」
 ガウリイはリナに近づいた。
 「リナ……」
 「ガウリイっ、離れて!」
 「へ?」
 アメリアとゼルガディスがとっさにガウリイを引き戻し、リナは防御呪文を唱えた。
 「空断壁(エア・ヴァルム)!」
 リナが風の防御結界を張ると、ゼロスの放った魔力弾が防御結界にぶつかり、すさまじい音をたてた。
 「な……何ですか、あれ……」
 アメリアの額に、汗が一筋流れた。
 「ゼロス、あんた……」
 「本気で来てくれるんでしょう?だから僕も遠慮なしでやったまで……何か問題でも?」
 ――そうか……。
 リナはようやく理解した。
 ――ゼロス……あんたも本気なんだ……。
 「……ちょっとあんたを甘く見てたようね……」
 「何だったら少し手加減してあげましょうか?」
 「結構よ。あたしも本気でやるから」
 そう言うと、再び呪文を唱え始めた。
 ――竜破斬(ドラグ・スレイブ)は避けられた……もう1発放ったとしても、また同じように避けられるだろう……。だったら……!

 ――悪夢の王の一欠けよ 天空(そら)の戒め解き放たれし
   凍れる黒き虚ろの刃よ――

 「この呪文……神滅斬(ラグナ・ブレード)!?」
 「竜破斬(ドラグ・スレイブ)は効かないということか……!?」

 ――そうだよ……アメリア……ゼル……!
   この呪文なら当てることぐらいは……!

 「ほぅ……神滅斬(ラグナ・ブレード)ですか……」
 ゼロスが不敵に微笑んだ。

 ――我が力 我が身となりて 共に滅びの道を歩まん
   神々の魂すらも打ち砕き――

 リナの両手に、暗黒の刃が生まれる。
 「神滅斬(ラグナ・ブレード)!!」
 「――面白い!」
 リナは闇の刃を携え、ゼロスに斬りかかった。
 「滅びよ!闇に生きる者よ!」
 闇の刃が、ゼロスの身体に突き刺さった。
 「や……った……?」
 「リナさん!」
 「リナ!」
 3人が駆け寄ってくる。リナは肩で息をして、その場に座り込んだ。
 「さすがに完全版の神滅斬(ラグナ・ブレード)は……魔力の消耗が……」
 リナがそう言った矢先だった。
 「いやー、さすがですねリナさん。まさか完全版で来るとは思いませんでしたよ」
 「ま……まさか……!」
 4人が振り向くと、ゼロスが空中に浮きながら悠々と笑っていた。
 「でも、さすがに完全版の神滅斬(ラグナ・ブレード)では魔力の消耗が激しすぎたみたいですねえ」
 「貴様……何をいけしゃあしゃあと……!」
 「ガウリイ!やめてったら……!」
 リナは光の剣を抜こうとしたガウリイの手を振り払った。
 「こいつは……あたしが最後まで自分1人で倒してやるって決めたんだから……!」
 「無茶を言ってはいけませんよ、リナさん!」
 アメリアがびしっとゼロスを指さした。
 「確かにゼロスさんは今までいい人を装っていましたが、それが全て裏の姿だと分かった以上、私もこれ以上見逃すわけにはいきません!ましてやリナさん1人だけを犠牲にはさせませんよ!」
 「アメリア……」
 と、そのときである。
 後ろから、ゼロスに魔力光が放たれた。
 「……なぜ……復活したのです……?」
 ゼロスが忌々しそうにリナたちの後ろを見た。
 「え……?」
 そこに立っていたのは、見覚えのある姿。
 全身を黒で包んだ、戦士姿の女性――。
 『フローラ!?』
 4人の声が重なった。

                                   〜〜続く〜〜


 アトガキ

H:ぷりちぃHちゃんのあとがきコーナー!やっと復活したみんなのアイドル、Hちゃんで〜す!!これでアトガキが独占できるってもんよ、うひひひひひふふふははははははは!!
Y:何を抜かす貴様ぁぁぁぁぁ!!(がすっ!)
H:はうっ!何するのよ!人間風情が生意気な!
Y:そーゆー問題じゃなぁぁぁい!何勝手にアトガキ占領しよーとしてんのよっ!
H:うううっ!いいじゃないの!久々に出演できたんだから!Hちゃん復活記念ってとこだよ!
Y:どーゆー記念だ、それは。
H:何しろタイトルが「勝手に獣将軍さん」だし、あたしが出ないと意味ないじゃない?だからやっぱりこーゆーのは記念するべきよ!
Y:……まあ……記念として「Hのサイン入り割り箸」ぐらいなら販売してもらっても……。
H:しょぼっ!何それ悲しい!
Y:だってHの復活記念なんてそんな大したことじゃないし。
H:ぬぁぁぁんですってぇぇぇぇ!?何よ何よ!あたしこれでも主人公なんだからね!本編なら主人公のリナがちょっと出てくるだけで大騒ぎになるのに、このあたしが復活したら何の記念にもならないなんておかしいわよガミガミガミガミ!
Y:……とりあえずここではやめよう……。
H:あー!逃げる気!?
Y:では皆さん、さよーならぁぁぁぁ!!
H:待てぇぇぇぇぇ!!

Z&X:俺(僕)の出番は…………?


                                

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32988勝手に獣将軍さん7優美象・静 URL2007/2/8 16:42:40
記事番号32946へのコメント

第7話〜〜復活〜〜


 「なぜ……復活したのです……?」
 少しふらつきながらもしっかりとたたずむその姿を見て、ゼロスは忌々しそうに言った。
 「さっきのはなかなか効いたけど……一撃必殺とまではいかなかったみたいね……」
 その声には、聞き覚えがあった。
 「……フローラ!?あんた……いつの間に!?」
 リナが驚きの色を隠せないまま問うと、フローラは苦笑した。
 「……このあたしが……あの程度の攻撃でそう簡単に滅びると思って……?まあさすがに痛かったけど……それでも滅びるわけにはいかないわ」
 肩で息をしながら、フローラは低い声で言った。やはりあの攻撃は応えたようである。
 「下手な強がりはよした方がいいですよ、フローラさん。けっこうダメージあるみたいですし」
 「……笑わせてくれるわね。あなたこそ、我慢してるんでしょう?その傷……」
 「……気づいてたんですか……」
 ゼロスが軽く力を抜くと、肩から黒い血がどくどくと流れ出した。
 その異様な光景に、アメリアは思わず目をそらす。
 「まあね。もしも本気のあんたなら、そこの人間を30分もせずに倒せるはずでしょ。なのにあたしが復活するまでの間、未だに決着がついてないってことは、あんたが実力を出し切れてないっていう証拠よ」
 「……なるほど……少しあなたを甘く見ていたようですね……」
 リナはやっと意味が分かった。
 なぜゼロスが自分と戦っているとき、あの「黒い錐」の姿――ゼロスの本性にならなかったのか。
 彼はフローラと戦ったときに負った傷を充分に癒せず、傷口を軽く塞ぐことに力をいれ、それどころではなかったのだ。
 そしてフローラ自身は、ダウンしたふりをしてあの脇腹の傷を癒していたのだ。
 「……思ったより役者なんですね……フローラさん。まさかこの僕があなたに騙されるとは思っていませんでしたよ」
 「そりゃどうも。けど、こうしてあたしが出てきたってことは……どういう意味か分かるわよね?」
 「――ええ」
 フローラはリナを押しのけた。
 「あなたは退ってなさい」
 「……え……けど……」
 「これはあたしとゼロスの問題。人間が下手に手を出すと、命を亡くすわよ。それでもいいなら勝手にしなさい」
 リナはしぶしぶ後退した。
 「いいのか、リナ?あいつに見せ場を譲っちまって」
 ガウリイが聞くと、リナは軽くうなずいた。
 「……仕方ないわよ。彼女の言う通り、これはフローラとゼロスだけの問題で、あたしなんかの出る幕じゃないわ……」
 こうして、再び決闘が始まった。
 フローラは全く動きが鈍っていない。それどころか、先ほどよりも動きが冴えていた。
 そしてそれはゼロスも同じで、フローラの振る剣の1撃1撃を華麗な動きで避けた。
 「……なかなかやるじゃない」
 「あなたもね。けど、これが避けられますか……?」
 そう言ったかと思うと、ゼロスは精神世界(アストラル・サイド)に身を隠し、かなりの大きさの魔力光を放った。
 避けられる距離ではない。
 「フローラっ……!」
 リナが叫ぶと共に、まばゆい光が辺りを包み込んだ。

 しばらくして、リナはゆっくりと目を開けた。
 しかしよっぽど眩しかったのか、まだ目が充分に開かない。
 そして彼女は目の前の光景を疑った。
 フローラが、動揺の汗を額に浮かべて立っている。
 リナは彼女の前で防御結界を張っている白い姿に気が付いた。
 「……ゼル……?」
 「あ……あんたは……」
 フローラが問いかけると、ゼルガディスはゆっくりと振り向いた。
 「大丈夫か……?」
 「何で……?何であたしを助けるの……?」
 すると、ゼルガディスはフローラを抱えて歩き出した。
 「え……ちょ……ちょっと……!どうして……」
 「……まだ本調子じゃないんだろう……?」
 フローラの言葉をさえぎり、ゼルガディスは問いかけた。
 「あ……う……うん……」
 「アメリア。復活(リザレクション)を」
 「あ、はい」
 アメリアはなんとなくゼルガディスの意志を理解し、フローラの傷口に手をかざして復活(リザレクション)の呪文を唱えた。
 「あんた……アメリア……だったわね。どうしてあたしを……?」
 「ゼルガディスさんは、ゼロスさんと決着をつけるつもりですよ」
 「なッ……!そんな無茶な……!止めなさいよ!本気のあいつと戦ったら……冗談抜きで死ぬわよ!?」
 アメリアは、そんなフローラの言葉を微笑みで返した。
 「……ゼルガディスさんは……。本気のゼルガディスさんは、そう簡単に魔族にやられたりしませんよ」
 「でも……」
 「フローラさんだって、まだ完全に回復してないんでしょう……?後は任せて、ゆっくり休んで下さい」
 「けど、何であのゼ……ゼルガディスとかいう人は、あたしを助けたのよ……?」
 「分かりませんか。愛の力ってやつです」
 「あ……あああああ愛!?」
 慌てて彼の方を見ると、まともに目が合った。
 「………………(///)」
 「フローラさん、これで分かったでしょう。ゼルガディスさんが……どうしてあなたを助けたか」
 「あ……うん」
 フローラはようやく理解した。
 なぜ、自分を見る彼の瞳が温かく感じたのか。
 なぜ、ゼロスに対して憎悪のオーラを放っているのか。
 「……あたしは……」
 魔族であるはずのフローラの瞳から、1粒の涙がこぼれ落ちた。
 「あたしは……魔族だから……人間の愛なんてよく分からないけど……何だか胸が熱くなるような感じがするよ……あたしに……心臓なんて……ないのに……」
 「それはきっと、フローラさんが気づいたからですよ」
 「何に……?」
 「フローラさんが、自分を大切にしてくれる人がいるんだって気づいたからですよ」
 フローラは再度、ゼロスと向き合うゼルガディスを見た。
 彼の憎悪のオーラは殺気となって、辺りの空気を変える。
 「……もう少し命をお大事にした方がいいですよ……ゼルガディスさん」
 「黙れ。貴様なんぞに忠告される筋合いはない」
 「おやおや……では、僕と本気で戦うつもりですか……?」
 「ああ。貴様が勝つとは限らんがね」
 「なるほど、そういうことですか……。では、後悔することになりますよ……」
 そう言うと、ゼロスは再び精神世界(アストラル・サイド)へ入り込んだ。
 ゼルガディスの呪文が風と共に流れ、彼の手にした剣が赤い光を放つ。
 それが、戦いの合図となった。

                                    〜続く〜


 アトガキ

Y:書けたーーー!!やっと書けたよーーー!!とゆーわけで皆様、お待たせ致しました!ずいぶんと放置してましたが、「勝手に獣将軍さん」第7話「復活」を!今ここに!お届けします!!
Z:……本気で遅かったな……。
Y:……だってぇ、テスト週間で忙しかったんだもん。
H:テスト週間とか言っときながらこうして書いてるの誰よ……?
Y:……ごめんなさい。正直に言います。ネタがなかったんですごめんなさい。
X:まあいいですけど……なんか僕、悪役になってません……?
Y:いいのいいの。どーせ魔族なんて元々悪役なんだから。
X:そりゃそうですけど……。
Z:で?次はいつ書くんだ?
Y:そうねえ……とりあえず明日か明後日あたりかな。予定では、8話を書く前に「勝手に獣将軍さん」の番外編である「勝手に獣将軍さんSS」を書く予定だから。
H:……まさかネタ切れが理由じゃないでしょうね……。
Y:……ぎくっ。
Z:図星か……。
Y:な……何はともあれ、また次回お会いしましょぉぉぉ!!