◆−『麗しき人』(イリス、ルナ、ゼロス登場ギャグ100%・登場人物とあらすじ)−和泉 (2007/4/9 17:34:51) No.33079 ┣『麗しき人』(第1話)−和泉 (2007/4/9 17:49:26) No.33080 ┣『麗しき人』(第2話)−和泉 (2007/4/16 19:29:31) No.33090 ┣『麗しき人』(第3話・今回から本題に入ります)−和泉 (2007/4/23 18:19:46) No.33096 ┣『麗しき人』(第4話)−和泉 (2007/5/7 20:51:58) No.33103 ┗『麗しき人』(第5話)−和泉 (2007/5/14 18:14:29) No.33110
33079 | 『麗しき人』(イリス、ルナ、ゼロス登場ギャグ100%・登場人物とあらすじ) | 和泉 | 2007/4/9 17:34:51 |
(登場人物) @ルナ・インバース:あのお方です。 Aゼロス:細い目のあいつです。 Bイリス・レヴィ(ワードッグ): ★容姿(人間形態)= 「この女性、見かけは19か20歳、ローザとほぼ同じ年齢。 冷酷さすら感じる切れ長の瞳、その眼差し(まなざし)はするどく、口元だけがやさしく微笑みを浮かべている。 腰まで伸ばした金の髪も、絹糸のようなつややかさ。ローザとは違い、妖艶(ようえん)な大人の風格を漂わせていた。」 「その妖しい女(イリスの人間形態)は、ローザと同じデザイン・・・しかし色違いの、薄紫色のローブ、ブーツ、手袋を着用している。 これがまた、やけに似合っている・・ローザのように、かなりの美貌(びぼう)の持ち主でないと、このデザインは似合わないのだが・・・」 ★(特徴) 半人半犬のワードッグという種族の女性。 犬形態では、ローザの肩に乗るほど、小さくてかわいい子犬。 人間形態では、ローザをして『私よりかわいいからむかつく』と言わしめるほどの美女。 ハークレイン公国でローザに拾われて、そのまま飼われているローザのペットである。 魔力によって人間形態に変身でき、人間でいる時は魔道士として広い範囲の呪文を使いこなす。 はっきし言って、飼主のローザより強くて、頼りになる。 キレて野獣と化したキルヴァさんを、ビーストインプリンティングで自由に操ることができる。 ど変態黄金竜ルシフェリア(♀)に力の限り惚れられた。 ★(寸評) リナと接する機会が多かったので、いつの間にか、リナのお気に入りの存在になっている。 魔力は強いわ、呪文は多いわ、世話好きだわ、腰低いわで、魔力を使いすぎると犬になってしまう以外におよそ欠点が見つからない。 黒魔法、白魔法だけではなく催眠術やらビーストインプリンティングやら、あげくにドラグスレイヴまで使えることが判明した。 芸幅は限りなく広く、潜在能力は底が知れない。 なぜか、悪ガキに殺されかけたり、普通の犬と子供を作らせられかけたり、単身で敵に乗り込んでいったり、刹那的な性格がある。 現在、ネイル達3匹の部下とルナ様を従えてリナの命令を遂行中。 Cセリー・セルフィニアス(ワーキャット): ★(容姿) 「細身の身体に黒のワンピースはなかなかセクシー(リナより)である。 でも、裏地が赤い黒マント、革製のひじまである黒手袋にブーツはちょっと暑苦しい。」 「目が猫っぽいし、夜とか光りそう。それ以外の外見は、人間そのものではある。 背中まで伸ばした黒髪はつやつやサラサラでとってもきれい・・若さだね♪・・・」 「ワンピースが似合う細身の身体。見た目10歳くらいなのに15歳のリナ様よりもスタイルが良かったりする。背もリナ様と同じくらい。 愛嬌のある顔で、猫目だけど逆にそれが可愛らしさを引き立てている。いわゆるリナ様やローザ様のようなコミカルな癒し系の顔である。 あたしやナーガ様のような、凛々しい系の顔に猫目だとひたすら怖いだけなのだが、コミカル系だけに、お得な奴である。」 ★(特徴) 半人半猫のワーキャット。猫が100年以上生きて魔力が生じ、人間に変身する能力を持ったという魔獣である。 魔力は強いが、イリスに出会うまで呪文は全く知らなかった。 イリスのことを師匠と仰ぎ、呪文を習ったが、まともにマスターする所まではいかなかった。 ★(寸評) 魔力はイリス並に強いので、きっかけさえつかめば将来性は明るい。 でも、まだ魔道士としては半人前。 当分は得意の体術でリーダーで魔道の師匠であるイリスをサポートする。 Dネイル・スニード(リリム): ★(容姿) 「少女の身体にコウモリの羽・・・要はリリムである。」 「豊満な胸を誇示するかのように胸を張った立ち姿、背中まで伸ばした青みかかった髪、対面する者を誘い込むような青い瞳・・・とにかくリリムである。」 「つややかな唇に整った目鼻立ち、童顔なのに女王のような貫禄がある物腰・・・やっぱしリリムである。」 「蛍光色のような青いぴったりした青い服に同系色のひじまである手袋、宙に浮いているから足ははだし・・・そんな感じのリリムである。」 「今は白いローブの上から、ゼクセン親衛隊のユニフォームである白鎧を着ている・・・でもやっぱしリリムである。」 ★(特徴) リリムなりに魔力は強く呪文を使うこともできるが、空中を音速で移動することができるのでむしろ物理攻撃の方が得意。 リリスと同じく、伝承の中ではヒワイの象徴のように書かれているが本人は至って普通で背中に羽がある以外は人間の女の子と変わらない。むしろ人間の若い女の子より礼儀正しくていいコだったりする。 キルヴァさんにスカウトされ、ゼクセンの親衛隊に入隊。 現在、イリスとともに仕事のお手伝い中。 ★(寸評) 背中のこうもりのような羽で、空中を高速移動できる。 一通りの呪文を使うことができるが、剣術は素人。 彼女自身は実体が希薄で、浄化呪文をやられると浄化されてしまう。気をつけるべし。 Eルシフェリア・レンブラッド(黄金竜): ★(容姿) 「イリスと似たような金髪の少し影のある美女。 聞けば、グループではナンバーワンの女の子だという。確かに、そう言われても納得してしまうほどの美貌である。」 ★(特徴) 正体は黄金竜のめす。 筋金入りの同性愛者。俗にいう、れず。 悪徳学生グループに入って、人間の若者と一緒に遊んでいたが、彼らの犯罪にも加担していたため役人に突き出された。 男装したイリスに一目ぼれして、そのままイリスのストーカーに近い存在となる。 キルヴァさんにスカウトされて、ゼクセンの親衛隊に入隊。 現在、大好きなイリスとともにお仕事ちう♪ ★(寸評) 黄金竜に変身すると、便利な乗り物に変わる。 呪文も一通り使えるが、浄化呪文などの白魔法が得意。 当然腕っぷしは強く、身体能力は人間の比ではない。 (あらすじ) リナ達とは別の場所で仕事をこなす、イリス達4人(4匹?)。 旅の途中に出会ったルナを引き入れ(というか強制的に入ってきて)、頼んでもいないのについて来るゼロスも加えて、今回も難事件に挑む。 |
33080 | 『麗しき人』(第1話) | 和泉 | 2007/4/9 17:49:26 |
記事番号33079へのコメント (ネイルの一人称から始めます) り〜ん♪・・り〜ん♪・・・がささささっ・・・・ 鈴虫さんが鳴いている・・・木々の揺れる音、涼やかな風・・・・・ その風に乗ってやってくる土と木の葉の匂いがここちうい♪・・・・やっぱ、田舎っていいよね・・・ 涼やかで乾いた風の吹く・・・ここは高地にある、一軒のお宿の庭。 さらさらとなびく髪を軽くかきあげながら、あたしは風情のある静けさに耳を傾けていた。 そよそよさらさら・・・・ あたしの名はネイル・・・・ネイル・スニード・・・ この名前は、先に生まれたあたしの姉イルミナがつけてくれた。 あたしとイルミナ・・・そしてもう一人の姉アーリー・・・・・ 3人は同じ場所で産み落とされた。そしてそのまま捨てられてしまったのである。 と、ここまで話すとすんごいかわいそくてとほほな過去があったっぽいけど、別に大したことではない。 あたしは人間の捨て子ではない・・・リリムなのだ。 リリム・・・・・妖魔女君リリス(人間名カミュラ)が産み落とした妖魔なのである。 背中に生えたこうもり羽と、変な色の瞳。それ以外の外見は人間の女の子と全く同じ。 かつてリリスは一日に100人ものリリムを生みまくりその場で捨てまくり、だったから別にあたしの生まれたいきさつなんて大して珍しいものではない。 昔のリリスは人間を食べるわ、リリムを産みまくるわ、んでそのリリムがまた人間を食べるわで、とんでもない状況だった。 しかし今は違う。リリスはリリムを産むことをやめ、人間と夫婦になった。 今生きているリリム達も、みなそれぞれ頑張って生きている。 根源のリリスが性格が丸くなったせいか、彼女が産んだリリム達もみんな丸くなったといわれている。 確かにベリアードの町で出会ったリリスは、『カミュラ』と名前を変えて人間のように生活をし、優しくて穏やかでリナさんやキルヴァ様とも仲が良くて。 かつての人間の天敵というイメージは全くなかった。 あたしは、生まれた瞬間から成人の身体だった。 食事も人間の精気や動物の肉、野菜や雑草や木の皮など・・・結局、何食べても生きていけたりするからはっきし言って生活に困ることはなかった。 イルミナ、アーリー姉ちゃん・・・そして、今のルナさん達。 あたしのそばには常に仲間がいてくれた。だから寂しく思ったこともない。 そんな自分が幸せだと思ったりもする。 あたしは運が良かったかもしれない・・・同じ場所で生まれたお姉ちゃん達がいて。 聞くところによると、一人ぼっちで産み落とされたリリム達は悲惨な目にあってるという。 突然何もない所に捨てられて一人で何をするかわからず、とりあえず自分の食欲を満たそうとし。 生まれて最初に会った人間の精気を吸い尽くし、その肉をむさぼる・・・なんてことをやってしまうのである。 人間を食べてしまったリリムは、いつしか害獣扱いされ人間の魔道士達と戦い・・・・そして、浄化され・・・・・・ 人間を食べてはいけない・・・そう教えてくれる誰かがいなければ、あたしもそんなかわいそうなリリム達のように害獣扱いされて消されてしまわなければならなかった。 イルミナ姉ちゃんがそう教えてくれなければ・・・イルミナ姉ちゃんやアーリー姉ちゃんにはけっこうイジメられたけど、姉ちゃん達がいてくれてよかった。 んでも、お腹すいちゃったなあ・・・・ イリス、ルナさん、セリーは、宿の中ですやすやと眠っている。 庭では黄金竜ルシフェリアがぐうぐういびきをかいて眠っている。 あたしはあまりの空腹に目が覚めちゃって、外に出てきたのである。 夕食はみんなと同じものを食べた・・・人間の食べるものと同じ穀物と野菜とわずかな魚や肉・・・・ でも、あれじゃ足りない・・・・穀物なんておいしくもなんともないし・・・・・ あたし達リリムは雑食なのであるが、もちろん味覚がある。野菜や穀物は確かに食べるけどおいしくもなんともない。 お肉が食べたい・・・でも人間が食べる焼いた肉など、食べてもおいしくないし少ない。 だから、夜はいつもお腹がすく・・・・生肉が食べたい。 生肉の中では一番おいしいのは人間の肉らしいけど、さすがにそういうわけにはいかない。 そんなものを食べたら、あたしはイリス達に見捨てられてしまう。 お尋ね者になってしまえば、せっかくあたしを拾ってくれたキルヴァ王妃様の顔を汚してしまうことにもなる。 そんなことになったら生きていけないから、替わりに時々こうして外に出て夜食を食べることにしているのである。 あたしの目の前には鬱蒼(うっそう)と繁る森・・・・その森の闇に向かってあたしは目を見開いた。 きぃぃぃん・・・・・・ あたしの目から金属をこするような音が発せられる。 あたし達リリムの得意技、傀儡催眠である・・・見開いた目から発した魔力を闇の中に溶かし込み、森の中にいる小動物をあたしの目の前におびき出す。 一斉に森がざわざわと騒ぎ出し、現れたのは。 のそのそ・・・・・と、一匹の大きな野ねずみ。 ネイル:『ごめんね・・・野ネズミさん・・・・』 一言つぶやき、あたしはその野ネズミをそっと拾い上げる・・・・おもむろに。 がぶっ・・・・ぶちぶちぶちっ・・・・・ぼりぼりくちゃくちゃ・・・ 丸かじりして食べ始めたのである。 イリス達には絶対に見せられない、この姿・・・あのコ達に今のあたしの姿を見られたら、あたしはきっと嫌われて見捨てられてしまう。 だから、夜食はいつも隠れてしなければいけない。 野ネズミの丸かじり・・・人間がマネをすれば、野ネズミの持つ病原菌でたちまち死んでしまうだろう。 でもあたしはこの太った野ネズミが大好物なのだ。体毛も内臓も骨も、とっても新鮮で。 ぼりぼりもぎゅもぎゅ・・・・・ ちゅるんっ・・・・・くちゃくちゃ・・・ごきゅ・・・・ と最後にしっぽを飲み込んで夜食は終了・・・・ああ、おいしかった♪・・・・・・ (今回は前フリだけです・・・ってことで、つづく) |
33090 | 『麗しき人』(第2話) | 和泉 | 2007/4/16 19:29:31 |
記事番号33079へのコメント (引き続きリリムのネイルの一人称から) 一匹の野ねずみはすでにあたしの胃の中に納まっていた。骨も皮も体液もしっぽまで。 大好物の野ねずみを丸かじりで平らげたのである。 いつもの夜食を終え、あたしは宿に戻ろうとした。 水浴びしなきゃ・・・・そう思いながら、くるりと宿に向くと。 がさがさっ・・・・ん?・・・・・・ 何やら、別の小動物が歩く音・・・・おや・・・・・・ あたしの足元には、もう一匹の何かがいた・・・・野ねずみ・・・・・かな?・・・・ 暗くてよく見えない・・・ でも、変だな・・・警戒心の強いはず野ねずみが、自分から近づいてくるなんて。 そう、思ったが良く見ると、その野ねずみ・・・さっき食べたのより丸々と太って、おいしそう。 じゅるっ・・・・あたしは、思わずよだれをたれそうになり、慌ててすすった。 うう、おいしそう・・・・・でも、さっき一匹食べちゃったし、食べ過ぎるのはよくない・・・・でも、おいしそう・・・・・・ うみゅ・・・・食べちゃえ♪・・・・・・ ひょい・・・と、あたしはその大きな野ねずみさんを拾い上げておもむろに、かぶりつこうとした。 たむっ(飛びっ)・・・・・・くるくるくるくる・・・・ごみゅ☆!(頭突き)・・・・・・・ ネイル:『きゃん!・・・』 思わず変な声あげて、あたしは尻もちをついてしまった。食べようとした野ねずみさんが反撃してきたのである。 飛び上がって空中で回転を加えながら体当たり・・・・この技は、まさか・・・・・・・ ぽむっ(変身)・・・・・ その小さな動物が変身した。 野ねずみじゃなかった・・・暗くてよく見えなかったけど。 立っていたのは、薄紫色の魔道服を着た金髪の女性・・・・・って・・・ ネイル(こぶ):『・・わわっ、イリス!・・・・・あんただったの!?・・・ ごめ〜ん、暗くてわかんなかったの〜!・・・ひ〜ん、あたしが野ねずみ食べてたことみんなに言わないで!(へこへこ)・・・・ ってか、そんなに怖い顔しないでよ〜!・・・わざとあんたを食べようとしたわけじゃないから・・・・ ねえねえ、黙ってないでなんか言ってよ!・・・・・』 その切れ長の目をさらに細めて、ぎんっとイリスはあたしを睨みつけてきた。 その目は明らかに憎悪に染まっている・・・殺意むき出しの憎悪・・・・・ ごくり・・・・・背すじに冷たいものを感じ、あたしは思わず固唾を飲み込み。 ネイル:『・・・・・イリス・・・・・・なの?・・・』 イリス?:『ディルブランド・・・』 づどごぉぉぉおおおおおん☆!!(爆)・・・・・ 来ていたパジャマがボロボロになって、あたしはイリスの足元に倒れた。 あたしの問いに答える替わりに、イリスはためらいもなく攻撃呪文を発動した。 ・・・・イリス・・・・・何で?・・・・・・いくら怒ってるからって、今までならこういう場合はスリッパでしばく程度だったのに・・・・ もしかしてあたし・・・・野ねずみ食べてるとこ見られて・・・・・あたし、イリスに見捨てられた?・・・・・・・ ・・・そんな・・・・・やだよ・・・・・・ ゆっくりと起き上がりながら、あたしに近づいてくるイリスを見上げた。 イリスは、なおも殺意に満ちた目であたしを見下ろしてくる。 ・・イリス?・・・こいつ、本当にイリスなの・・・・ イリス?:『・・リリムでしょ、あんた?・・・・ゼクセンの親衛隊のネイルとかいう?・・・・・』 ・・・は?・・・・ ありえない言葉・・・・イリスがあたしの名前を訊いてきた。 ・・・あたしの顔を、知らない?・・・・・ってか、ゼクセンの親衛隊だということだけ知ってる・・・ イリス?:『・・・その程度のウデで、務まるわけ?・・・・あの国の親衛隊が・・・』 口に手をあててせせら笑う・・・イリスに似てるけど、イリスじゃないそいつ・・・・ ぶっち(キレっ)・・・・ イリス?:『うおっ・・・・』 がしっ!・・・・ ・・・あたしは、一瞬でキレた・・・・イリスと同じ姿のその女の言葉に・・・・・ あたしはそいつの足首をがしっとつかんみ。 ぶぉん!・・・・ と、腕力に任せてそいつの身体をカシの木にたたきつけようとしたが。 ふわり・・・・と、そいつは風の呪文を自分の身体にかけて、衝撃を和らげる。 やるわね・・・呪文詠唱が早い・・・・ しかし、そいつが油断した代償はまだ続く。 どうっ!・・・・・と、あたしはそのまま身体ごとそいつにぶつかり、左腕でそいつの首を木に押さえつけ拘束する。 ネイル:『あんたイリスじゃないでしょ!?・・・イリスに化けてあたし達をねらったわね!・・・・・』 右腕で首をぎうぅと押さえつけると、そいつは少し苦しそうな顔をしたが、すぐに持ち直し。 イリス?:『・・・やはり未熟ね・・・・魔道士相手に無駄口は命取りだってこと、知らないの?・・・・・』 言って、そいつはあたしの右手首をつかみ。 ・・・しまった!・・・・・ イリス?:『エルメキアランス・・・・』 どぅふ!・・・・・どさり・・・・ やられた・・・姿がイリスだから、一気に倒すことができなかった。 イリス?:『・・・さすがリリムね・・・・そこらの妖魔なら、今の呪文でケシズミに変わっているわ・・・・・』 至近距離からのエルメキアランス。おなかにもろにくらった。 ぴくりとも動けなくなったあたしを見下ろし、そのイリスそっくりのそいつは言い放つ。 イリス?:『あたしの名はアイリス・・・イリスに化けてるわけじゃないわ・・・・ シャドウリフレクターから生まれたイリスのシャドウよ・・・・ イリスに伝えなさい!・・・あんたの仲間にリナ・インバースの姉がいるわよね・・・・ そいつとあたしを勝負させなさい、と・・・・・』 ネイル:『・・り・・・リナさんの姉・・・・ ルナさんと・・・・・なんで?・・・・』 アイリス:『リナと決着を付けたいのだが、ヤツの仲間が強すぎて勝てそうもない・・・・ だから、リナが恐れているというその姉に勝って、ヤツに自慢するのよ・・・・』 ・・・・あ・・・・・・・ あたしはどうにかよろけながらも、起き上がり。 ネイル:『・・・あんた、それってちょっと哀しくない?・・・・・』 アイリス:『ほっとけ・・・・』 ちょっと顔を赤らめるそいつ・・・・アイリス。 そうか・・・リナさんを付けねらって命をねらう奴がいるって言ってたけど、こいつね・・・・・ 強くて残虐だけど、基本的にはギャグキャラっていう・・・・ ネイル:『ってか、無理っ!・・・ルナさんに勝つなんて、絶対むりっ!・・・・・』 アイリス:『何でよ!・・・成せばなる、って言うじゃん!・・・・』 ネイル:『成らないことだってあるのっ!・・・・』 アイリス:『あんたリリムのクセに、何でそんなに現実的なのよ!・・・・』 ネイル:『現実的言うなっ!・・・確かに、今まで買った物の領収書とか大切に取ってたりするけど・・・・』 アイリス:『ナンでそんなもん保管してんのっ!・・・・』 ネイル:『だって経費で落ちるかもしんないじゃん!・・・流用とかもできるし!・・・・』 アイリス:『その公務員感覚を捨てんかいっ!・・・しかも、領収書の流用ってちょっと脱税だし!・・・・』 ネイル:『公務員感覚言うな!・・・堅実と言え堅実とっ!・・・・ あと、脱税っていうな!・・・・』 ぎゃーぎゃー!(言い合い)・・・・ ネイル対アイリス・・・しょうもない言い合い対決はしばらくつづき。 数分後・・・・ アイリス:『はっ・・・こんなことしてる場合じゃなかったわ!・・・・・ うにょれ、公務員!・・・税金を無駄使いしおってからにっ!・・・・・』 ネイル:『ちょっと待て(汗)・・・あんた怒る動機間違ってるし、そういうキャラじゃないでしょ!・・・・・』 アイリス:『やかましい!・・・こうしてくれる・・・・・』 服ぬぎぬぎ。 ネイル:『ちょちょちょ・・・ちょっと待って・・・・・こうしてくれる、って何で服ぬぐのっ!?・・・・ ・・・いや、あんた・・・それって、まさか・・・・・』 じたばたもがいて逃げようとしたが、あたしはさっきのダメージでうまく動けない。 上半身だけ裸になったアイリスは、あたしに覆いかぶさりながら。 アイリス:『をほほほほほ!・・・イタぁぁぁあああああす!!!・・・・・・』 ネイル:『ひぃぃぃいいいいい!!!・・・そのキャラはルシフェリアのバカだけでじゅ・・・う・・・・ぶん・・・・・・・・・・ん・・・・・あう・・・・』 がっくし(失神)・・・・・・ ち〜ん♪(なむ〜)・・・・・ (すみませぬっ、笑って許してくだされ・・・・ってことで、つづく) |
33096 | 『麗しき人』(第3話・今回から本題に入ります) | 和泉 | 2007/4/23 18:19:46 |
記事番号33079へのコメント (ここからはイリス(本物♪)の一人称に変わります) 翌朝・・・ ちゅんちゅん♪(すずめ) がちゃり(扉開けっ)。 イリスです〜♪・・・今日も犬でスタートです〜♪・・・・・ しかも、今日は早起きしてみたです♪・・・早起きは3文の得っていうです・・・・ 3文って何でせうか?・・・・まあいいか、です♪・・・・・ イリス(犬):『きゅわわぁ〜(あくび)・・・・あう〜・・・・・』 よく寝たです〜♪・・・・ 眠い目を前足でこしこししながら、あたしはがちゃりとお宿のドアを開けた。 お宿の庭に出たあたしは、さっそく芝生の上をころころと転がってみる。 気持ちいいです〜♪・・・・天気もいいし、ぽかぽかと暖かくて、そよそよと気持ちよい風が吹いてきて。 すずめさんの声・・・風の音・・・・カシの木の葉の緑が目にも鮮やか・・・・・そこに吊るされたネイルのバカ・・・ 全てがあいまって絶妙のコントラストを見せてる、です・・・・ まさに快晴のよき日です♪・・・さあ、さっそく散歩に出かけるです!・・・・・ とことこ(歩)。 ・・・・・・・・・・・ん?・・・・・・・・・・あり?・・・・・ねいる?・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・はっ(気付きっ)・・・・・ ぽむっ!(変身)・・・・ あたしは、人間に変身した。よく寝たから魔力の補充は十分。すでに着替えも完了している。 そして、慌てて引き返し。 イリス:『・・・んねねねねねねね、ネイルっ!・・・・大丈夫ですかっ!・・・・・』 そのお宿には、樹齢100年とかいうでっかいカシの木があった。 そこに縄でぐるぐる巻きにされて吊るされていたのは、パジャマ姿のまま何者かにボコボコにされたネイルだったのである。 あたしは急いでネイルの縄をほどいてやり、抱き上げてみると。 イリス:『起きろです、ねいる!・・・』 ネイル:『・・・・ぅ・・・・・・・・・・・』 イリス:『ひ〜ん、しっかりしろです〜!・・・・ これでもかこれでもか、です!・・・・・』 ごすごすげみげみ☆!(顔面頭突き)・・・・ ネイル:『・・いたひ・・・・』 イリス:『・・はっ・・・・気が付いたです、生きてるです!・・・・・ 良かったです〜!(抱きっ)・・・ 待ってろです、すぐ治療してやるです!・・・』 言ってあたしはネイルを抱え上げて、すぐに宿の中に運んだ。 ルナ様とユカイな便利アイテム達集合♪・・・ ゼロス:『随分とやられちゃいましたね〜、ネイルさん・・・・』 ネイル:『・・うぎゅ・・・・』 ソーニア:『大したケガじゃないからしっかりしなさいよ、ネイル・・・ってか、あんたってケガしないし・・・・・ まあ、ちょっと魔力が弱くなってるけど休めば平気ね・・・・』 ベッドの上でちょっぴし泣いてるネイル。その治療に当たるのは、ルナ様のしもべ5人衆のサキュバス達。 彼女達にはあたしが治療呪文を教えてあげた。さすがに攻撃呪文は教えられないけど。 みんなそれなりに魔力は強いから、高度な治療呪文まであっさりと覚えてしまい、ますます便利な奴らになった。 前回、サキュバス達はみんなベフィモスに飲み込まれて服がボロボロになったけど今は真新しい魔道服を身につけている。 ルナ様が選んだみたいだけど、なかなかセンスのいい服である。 サラスが赤、シズルが青、スウィニーが黄色、セラーノが桃色、ソーニアが白。 5色基調のローブに、手足の保護用のブーツや手袋に髪飾り。 鮮やかな5色の魔道服であるが、5人揃うとなんとか戦隊みたいです・・・・ ルナ:「どうでもいいんだけど、何であんたがいるのよゼロス?・・・もう依頼終わったんだから用はないでしょ・・・・ さっさと獣王のとこ帰りなさいよ!・・・・」 ゼロス:『はあ・・・いや、最近働きづめだったものですから、獣王様にお願いしてお休みをいただいたんですよ・・・・』 ルナ:「だから何?・・・なんで、休暇中なのにここにいるのよ?・・・・」 ゼロス:『・・・いや、それは・・・・ いざ休みをいただいてみると、なんか全然やることなくて・・・ごろごろしてるのもナンですから、皆さんのところに遊びに来たんです・・・ 遊んでくださいよ・・・・』 セリー:『週末の独身サラリーマンみたいですにゃ・・・ゼロス、お前も彼女くらい作れにゃ!・・・・』 ゼロス:『・・彼女・・・っつっても・・・・う〜ん・・・ ボクは獣王様ひとすじだし・・・』 天の声:『にゃうっ!・・・・』 ぱりりりりっ☆!・・・・ぷすぷす・・・・・・ 部屋の中なのにまたゼロスに雷が落ちた・・・獣王さん、またテレ隠ししちゃってるです・・・・ かわうい魔王さんです♪・・・・ ルナ:「大変ねゼロス・・・相変わらずゼラスに監視されて・・・・ ゼラスも休みの日くらいゼロスを放っといてやんなよ〜・・・・ ま、いいか・・・・ ネイル、いつまでも泣いてないで言ってみなさいよ・・・一体、何があったの!?・・・・」 ルナ様の目は輝いていた・・・きっとまた、新たなバトルの火種です。 あたし達、『ルナ様とユカイな便利アイテム達』にケンカ売ったやつが現れた、です。 ルナ様はそれが嬉しくてしょうがない、です。困ったお嬢さんです。 嬉しそうなルナ様とは対照的に、ネイルは目に涙を浮かべつつ。 ネイル:『うう・・・汚されちゃったんです・・・・・』 ルナ:「汚された?・・・って、それって・・・・・あんまし聞きたくないけど、汚されたって何を?・・・」 ネイル:『(ピー♪:放送禁止語)なことや、(ピー♪)なことされた上に、(ピー♪)やられて、あとなすがまま・・・・』 ルナ:「なりゅほど・・・・」 どごごすばきげみごりゅ☆!(タコ殴り)・・・ぴくぴく・・・・・ ルナ:「はあはあ(息切れ)・・・ ・・・つ・・・・ついに越えちゃいけない一線を越えたわね、ルシフェリア!(ふみふみ)・・・・」 タコ殴りにされた上にふみふみされるのは、変態黄金竜ルシフェリア。 女同士でそんなことやるのは、こやつしかいないはず。 ルシフェリア:『・・・ち・・・・違いまする・・・あたしは合意のもとでなきゃ、そんなことやんないし(ぴくぴく)・・・・』 全員:『合意したらやるんかいっ!!・・・・』 シズル:『・・・うう・・・・ルシフェリア様、あたしじゃご不満なんですね・・・・・』 ぴくぴくルシフェリアと、その背中に寄り添って『よよよ』と泣くのはサキュバスのシズル。 そういえばこいつもいた。 ルシフェリアとシズル・・・・もちろん2人とも女なんだけど、こやつらのエンガチョな関係は続いていた。 ネイル:『違いますよ、ルナさん・・・犯人はルシフェリアじゃない・・・・です・・・うっ・・・・』 ソーニア:『動いちゃだめよ、ネイル・・・』 ソーニアに促されて、ネイルは再び横になる。どこかが痛むのか、ネイルは声が少し弱い。 ルナ:「大丈夫?・・・犯人はルシフェリアじゃないの?・・・・・ そんなヨゴレキャラが他にもいるのかしら・・・・」 顔をしかめつつ、ネイルは弱弱しくも言葉を搾り出す。 ネイル:『ルシフェリアじゃなくて・・・・えっと・・・・・ 犯人は・・・・ぁ・・・・ぃ・・・・・・・・いり・・・す・・・・』 ・・んな、ですっ!・・・・ どごげすべしげこめりょ☆!(タコ殴り)・・・・ぴくぴく・・・・・・ ルナ:「イリス、あんたってコわぁっ!(ふみふみ)・・・・・」 ルシフェリア:『イリスさま!・・・そんなにお寂しいのなら、ルシフェリアめに言ってくださいまし!・・・・』 シズル:『シズルめも、いつでもお相手いたしまする!・・・・』 何の相手だ、何のっ!・・・ イリス:『ケッパクです〜!・・・あたしにそんな趣味はないです〜!・・・・ お前らやめろ、です!・・・だいたいあたしはローザ様一筋・・・・って、そういう意味じゃなくて!・・・・ ひ〜、です!・・・服を脱がされるです〜!・・・・』 シズル:『いたしませういたしませう♪・・・・』 ルシ:『をほほほほ!・・・無駄な抵抗はおよしなさいませ、イリス様!・・・・ 黄金竜であるわたくしめに腕力で逆らうことなど』 ルナ:「セリー、つっこみ・・・・」 セリー:『ディルぶらんどにゃ・・・・』 ちょごぉぉぉおおおおおおおん☆!!!・・・・・ぴくぴく・・・・・・ (ネイルを襲ったエンガチョな犯人はイリスっ!・・・なわけないけどとりあえず、つづく) |
33103 | 『麗しき人』(第4話) | 和泉 | 2007/5/7 20:51:58 |
記事番号33079へのコメント (ワードッグのイリスの一人称です) いつも誰かにボコられているかわいそうな女の子ネイルが、今回も何者かにボコボコにされて、庭にカシの木に吊るされていた。 しかも今回はヒワイないたずらまでされて・・・・。 さすがの不死身のリリムも、こんなひどい目に合って虫の息・・・そして急いで治療を施す。 サキュバス達が献身的な魔道治療によりネイルもやっと元気になり、ことの成り行きを話し始めたのであった。 一体、ネイルを襲った敵とわっ!?・・・・ 治療を終え、サキュバス達はルナ様の影の中に戻った。 あらためて、ルナ様がネイルに犯人を問うと。 ルナ:「ほんとにイリスにやられたの、あんた?・・・・」 ネイル:『いや・・・イリスじゃなくて・・・・・っていうか、ツッコミの前にちゃんと話しを最後まで聞いてくださいよ!・・・・ あたしがやられたのは、イリスじゃなくてアイリスという・・・ 名前は似てるけど姿もイリスにそっくしなやつで、イリスのシャドウだとか言ってましたけど・・・・』 セリー:『んにゃあ!・・・イリス師匠のシャドウって!・・・・』 イリスのシャドウ・・・・・その名前に反応したのはワーキャットのセリー。 ルナ:「しゃどう?・・・ナニそれ?・・・・セリー、知ってんの?・・・・・」 ルナ様はあたしのシャドウには出会ったことはない。 当たり前である・・・・あたしのシャドウは、リナ様の大きな恨みを抱き、リナ様達にしつこく付きまとって困らせている奴である。 リナ様を追いかけているアイリスが、なぜこんなところに?・・・・ セリー:『アイリスというのは、シャドウリフレクターっていう鏡から生まれたイリス師匠の分身ですにゃ!・・・・ 姿とか魔力とかはイリス師匠と全く同じで、性格が全く逆という変な生き物ですにゃ!・・・・』 ルナ:「ふ〜ん・・・イリスと魔力が同じ・・・・そりゃ結構やっかいね・・・・・ でも、イリスと性格が全然違う・・・ってことは、バカでふにゃふにゃでスベリまくりのイリスと比べて、アイリスってのは結構しっかりしてるってことね・・・・・」 ゼロス:『へえ・・・イリスさんと実力が同じ・・・・それは興味ありますねえ(のほ〜ん♪)・・・』 イリス(こぶ):『・・・あうう・・・・すごい言われようです(ぴくぴく)・・・・・』 ちなみにあたしと黄金竜ルシフェリアとサキュバスのシズルは、前回のセリーのツッコみによって床に突っ伏したままだったりする。 セリー:『確かそいつは、リナ様のことすっごいムカついてて追い掛け回してるやつですにゃ・・・・』 シャドウイリス・・・・・どうやらアイリスと名前を変えたらしい。 ローザ様からの手紙では、最近もリナ様ご一行を追い掛け回しているけど、一度はリナ様達を助けたらしい。 ローザ様ともお友達になったということも聞いている。 でも、ローザ様とは仲いいけどリナ様のこと凄く嫌っていて、ずっとリナ様の命をねらっていたみたい。 リナ様達のところではなくこちらに現れたということは、あたしやセリーがねらいか・・・あたしやセリーもあいつと戦って一度は勝っているし・・・・ そういうのをネに持つ奴だから、きっと仕返しにきた、です!・・・・ ルナ:「シャドウを作るなんて、そんな鏡があるんだ?・・・面白いわね・・・・ じゃ、ゼロスのシャドウなんて作ったら、さっぱりしたさわやか系のにいちゃんができちゃうのね〜・・・・」 ゼロス:『・・・なんか、オリジナルのボクが凄いねっちょりした奴みたいですけど(汗)・・・・ でも、どうするんですかルナさん?・・・そのアイリスさんとやらはまた襲ってきますよ・・・・・』 ルナ:「もちろん・・・ネイルをこんなひどい目に合わせた奴を、このあたしが許すわけないわ!・・・・ 安心してね、ネイル・・・あたしがあんたのカタキを取ってあげるから(なでなで)・・・・」 ネイル:『ルナさん!(うるっ♪)・・・・』 ルナ様の言葉にネイルがちょっぴし感激してる、です。 ルナ様・・・さすが手下のココロをつかむのがうまいです・・・・でも・・・・・・ ゼロス:『・・・あの・・・・カタキはいいですけど、ネイルさんよりひどい目に合ってる人達もいるような気がするんですけど・・(ぽそり)・・・』 何やら同情を目を、足元のあたし達に向けながらゼロス。 魔族に同情されたことにちょっとヘコみつつ、あたし達も。 イリス(こぶ):『・・・同意・・・・で・・・・・・す・・(ぴくぴく)・・・』 ルシ(こぶ):『・・右に同じ・・・・く・・(ぴくぴく)』 シズル(こぶ):『・・・・以下・・・・同・・・文・・(ぴくぴく)』 ルナ様のばいおれんす、です〜!・・・・ そんなあたし達を完全にほったらかしてルナ様は。 ルナ:「ふみゅ・・・んでネイル、そのアイリスってのはいつごろ攻めてくんの?・・・・」 ネイル:『さあ・・・そこまでは言ってなかったですけど・・・・・』 ゼロス:『攻めるとか言っておいて、ずっと攻めてこないなんてこともあるんじゃないですかね・・・・ 精神攻撃とか言いながら・・・・』 ルナ:「むう・・・なんか、ゼロスみたいにヤな奴ね・・・・」 ゼロス:『うう・・・ボクってそんなにウザいですか?(ヘコみ)・・・・・』 セリー:『大丈夫ですにゃ・・・好戦的なアイリスが、そんなコスいことはしませんにゃ・・・・ そうですにゃ〜・・・きっと、古典的に矢文(やぶみ)とかで挑戦状を叩き付けて来ると思いますにゃ・・・・』 ルナ:「あはははは♪・・・バカね、セリー・・・・ 今日び矢文なんて古臭いことやるやつなんて』 とすっ(刺さりっ)・・・・ ゼロス:『はうっ・・・』 ルナ:「ああっ!・・・・」 セリー:『矢文ですにゃっ!・・・・』 ゼロス:『・・いたひ・・・・』 そう矢文(やぶみ)・・・・矢に挑戦状とかくくりつけて送りつける超古典的なやり方である。 その矢には、羊皮紙がくくりつけられており、この宿の部屋に窓から放たれたのである。 その矢は見事にゼロスのおでこに直撃したのだった・・・・ないす!・・・ じゃなかった、さっそくアイリスが攻めて来たです!・・・・ ルナ様が、さっそく矢文を開いてみると。 ルナ:「えっと、なになに・・・・『あたしと勝負しろ、ルナ・イーンバス』・・・・」 ゼロス:『名前まちがえてますね・・・・』 セリー:『しかも、きったない字ですにゃ〜!・・・・』 アイリス:『なんだとこのやろぉぉおおお!!・・・・・』 ル・セ・ゼ:『うわ、いたぁっ!・・・・』 いきなし登場・・・その姿。 腰まで伸ばしたさらさら金髪に眼光するどいキレ長の瞳。薄紫色の魔道服を身に包んだ。 早い話があたしと全く同じ外見・・・なのに徹底的に品のない女、極悪フェイク(偽者)アイリスである。 ルナ様とセリーの話にキレて、窓の外から文句言ってきたのである・・・片手に矢文用の弓を持って。 (ついにルナ様の前にアイリスが現れたですっ!・・・命知らずのアイリスの運命は、やっぱし死?・・・・ ってなわけで、つづく・・・・) |
33110 | 『麗しき人』(第5話) | 和泉 | 2007/5/14 18:14:29 |
記事番号33079へのコメント (イリスの一人称です) アイリスが窓の外から襲来ですっ!・・・先制の矢文攻撃は、見事にゼロスのおでこを捉えたですっ・・・・ アイリス:『いや・・・攻撃したつもりはないんだけどね・・・・・』 ともかく、ルナ様とその便利アイテム勢ぞろいのところに襲来してくるとは、いい度胸ですっ!・・・・ セリー:『そんなに近くにいるなら、別に矢文はいらないと思う今日この頃ですにゃ・・・・』 アイリス:『やかましい!・・・こういうのは雰囲気よ雰囲気!・・・・』 ゼロス:『雰囲気でヒト?のおでこに矢刺さないでください!・・・』 アイリス:『・・・リナの姉ルナというのは誰なの!?・・・・』 その場には、ルナ様をはじめ、あたしイリス、ゼロス、セリー、ネイル、ルシフェリアと5匹のサキュバス。(キャラ多すぎたか・・・) 全員揃っていた。 でも、全くびびることもなくいつものように座った目であたし達を見回す。 そしてアイリスは、一人に目を止めて。 アイリス:『リナよりも強いらしいわね、ルナ・・・・』 ルシフェリア:『いや・・・あたしじゃないんだけど・・・・』 ルナ:「は〜い、ルナちゃんはあたしで〜す♪・・・」 アイリス:『・・・・・・・』 ・・・・・引いた・・・・・・・・ どうやらアイリスは、ルシフェリアのことをルナ様だと思ったらしい。確かにルシフェリアは背が高くて一番強そうに見える。 ルナ様はリナ様より強い・・・・ただ、それだけで勘違いしたようだ。 ユカイに返事をしたルナ様を軽く見下ろすと、アイリスはさらに。 アイリス:『ウソをつけ・・・あのリナをいぢめ倒したというルナが、お前のような子供なわけないわ・・・・』 ルナ:「あ?(怒りっ)・・・・」 ゼロス:『まあまあ、ルナさん・・・・』 ぷちっとキレかけたルナ様の前に、ゼロスが手を差し出して留め。 ゼロス:『アイリスさん・・・確かにこの人がルナさんですよ・・・・ 見かけは小さいですけど、この中では一番強いですから怒らせない方がいいと思いますけど・・・・』 言われてまだ疑いが晴れないのか、少し怪訝そうな顔でアイリスは。 アイリス:『ふ〜ん、こいつがね・・・なるほど、ムネがなくて背が低いところは妹に似てるのかもしれないわね・・・・・』 ぅごごごごごご(怒)・・・・ ルナ様の顔が、みるみる怒りに染まっていく・・・言ってはならないことを・・・・・ 「子供」はまだいいけど、「ムネない」は絶対禁句です・・・ こうなるとあたし達は手を出せない、です・・・手出したらぶっとばされる、です・・・・ ルナ:「ソーニア、あたしのフライパンよこしなさい!・・・・・」 ルナ様・・・・自分のしもべ、サキュバスのソーニアに武器を渡すように命令する。 サキュバス達に太刀持ちまでやらせてるようだ。 その命令に応えて、ルナ様の影から白い手袋に覆われた女の手がにゅっと現れる・・・が、その手にはフライパンは持ってなかった。 現れたのは、サキュバスのソーニア・・・サキュバス5人衆の中では、一番身体が大きくてパワーのある奴である。 ソーニア:『お待ちくださいルナ様・・・そいつの相手は私にやらせていただけませんか?・・・・』 ルナ:「なんですって?・・・・」 ぎろりとソーニアを睨みつける・・・かなりキレているようだが、そんなルナ様にびびることなくソーニアは。 ソーニア:『お怒りはごもっともです、ルナ様・・・しかし、そいつはイリス様と姿がそっくり・・・・ ルナ様の手にかかり殺してしまうのはあたし達にとっても気が引けます・・・どうか、ここはわたくしめにお任せいただけませんか・・・・・』 結構冷静な奴です・・・しかも、前回助けてあげたあたしのことまで『イリス様』なんて呼んでくれて義理固い奴・・・・ ちょっと、テレるです・・・・ ソーニアは、サキュバス達のまとめ役的な存在。しかもルナ様の暴走を止めることも平気でやるなかなかの人格者なのである。 他のサキュバス達と比べると頭一つ大きいし、ほかのコと見下ろしながら話をする姿はまるでかっこいいお姉さんといった風情だ。 あたし達に立ち向かってきた時にはバカっぽかったけど。 一方ルナ様も乱暴なおヒトだけど、逆らう者は皆殺し♪・・・などという無茶な乱暴者ではない。 ソーニアに言い返されると逆らうことができなかったりするのである。 ルナ:「そう・・・じゃ任せるわ、ソーニア・・・・」 ソーニア:『恐縮です、ルナ様(ぺこり)・・・ それじゃアイリス、外に出るのよ!・・・・』 アイリス:『いいわ、サキュバスごときが上等じゃないの!・・・・』 そういうと、アイリスはくるりと振り向き窓から外に出る。 それに続いてソーニアも・・・んで、あたし達やじうまもぞろぞろと窓から・・・・ って、別に窓からじゃなくてもいいんだけどね・・・・・ 庭にて。 アイリス:『大した自信ね、サキュバス・・・浄化してあげるわ・・・・ でもあんた達って、魔力は強いけどアタマ悪くていつも人間に負けちゃってるらしいじゃない・・・・ そんなのが、あたしに勝てると思うの?・・・』 むむむ・・・相変わらずムカつくやつ、です!・・・・ 小バカにされたソーニアだが特に表情を変えるまでもなく、軽く髪をかきあげて。 ソーニア:『じゃ、試してみるといいわ・・・・』 アイリス:『そのつもりよ!・・・・』 言って、アイリスが口の中で呪文を唱える。 対するソーニアは腕を組んだまま、その足元にアイリスは呪文を炸裂させる。 アイリス:『ディルブランド!・・・』 どごぉぉおおおおん☆!!!・・・・ 期せずしてアイリス対ソーニア・・・タイマン勝負が始まった。 (つづく、ですっ!・・・) |