◆−原作版でゼルアメ 再会前編−ゆみ (2007/5/27 13:30:24) No.33146 ┗再会 中編−ゆみ (2007/5/27 14:26:51) No.33147
33146 | 原作版でゼルアメ 再会前編 | ゆみ | 2007/5/27 13:30:24 |
ゼルガディスは自分の手を見る。 岩の肌ではなく、白い肌。 キメラではなく人間。 何より望んだその姿を手に入れたのはほんの数日前。 ゼルガディスは見事に望みを叶えた。 次の課題は何をするかだ。 人間に戻るという目的を果たした彼は、新たな目的を求めていた。 リナやガウリィなら気ままに旅を続けているだろう。 アメリアはセイルーンにいるんだろうな。 アメリアか。 リナと旦那が組むため、アメリアと組むことが多かった。 めちゃくちゃなお姫様だったが、実力は確かだ。 それに彼女は姫のくせに、普通じゃない俺にも人間として、仲間として扱ってくれた。 彼女の隣は居心地は良かった。 自分はアメリアに好意を抱いていたのかもしれない。 あの頃は気付かなかったが。 あの頃は何かと大変だったが、一番充実していた。 ドォーン。 森に爆発音が響く。 何事かとか? 特にやることもないゼルガディスはそこに向かった。 騒ぎを起こしていたのは黒い男たち、恐らく暗殺者だ、と一人の女だった。 男たちの半分はすでに黒髪の女によって倒されていた。 黒いつややかな髪をなびかせて、女は舞うように戦っていた。 女の蹴りが暗殺者の腹をに当たる。 残りは後、5人。 暗殺者はけして弱くないが、女が強いのだ。 ゼルガディスは今、女がアメリアだということに気づいた。 短かった髪は、長く伸ばされていたし、身長も高くなり、あどけなさを残していた容姿は美しくなっていた。 服装も巫女服ではなかったため、すぐには気づかなかったのだ。 「火炎球」 ゼルガディスは魔法を放つ。 残りの暗殺者が吹っ飛んだ。 突然の乱入者にアメリアは目を丸くした。 そして戦闘体勢を崩さないまま、アメリアは聞く。 「何者?」 彼女は彼に気づいていないらしい。 当然と言えば当然か。 「久しぶりだな、アメリア」 「その声はゼルガディスさん?」 山を降り、二人は食堂で食事をとることにした。 「ゼルガディスさん、人間に戻れたんですね。」 大人び、美人の範囲に十分にはいるようになったアメリア。笑顔は昔と変わらないかった。 「ああ」 「やっぱり正義は勝つのよ!」 「…相変わらずだな」 相変わらずの正義オタクか。 「で、なんでこんな所にいる?そして何故暗殺者に襲われていたんだ」 アメリアの表情が変わる。 王位継承者としての顔だ。 「部外者には教えられません」 「そうか。無理にとは言わん」 国家秘密か。 「ゼルガディスさん。今は何をしてるんですか?」 「次の目的を探している」 「つまり、今はあてもなくフラフラしてるってこと?」 「そうだ」 「じゃあ、私に雇われませんか?」 アメリアは、元気爆発正義オタク娘の顔ではなく、王族としての顔のままだ。 「第2王女アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンの護衛をしてくれませんか? 報酬はいいと思いますよ」 セイルーンの王女自らが動く出来事だ。 なかなか楽しめそうだ。 「いいだろう。」 ゼルガディスは短く答える。 契約は交わされた。 |
33147 | 再会 中編 | ゆみ | 2007/5/27 14:26:51 |
記事番号33146へのコメント 王女として生きるのは私の義務。 でも私にはちょっと窮屈なねよね。 そういう時は正義を広げる旅にでる。 今回は、ある町で神隠し事件に関わった。 そこで、この町の領主ラックが人体実験をしていることに気付いた。 これがセイルーンに知られるのを恐れたラックに私は命を狙われてた。 そこに現れたのは、かつての仲間ゼルガディスさん。 なんと人間に戻ってたのだ。 「それで、これからその領主を倒しに行こうってのか?」 「そうです。天に変わって正義の鉄槌をきだすのよ!」 立ち上げり拳を振り上げる。 「そうか。いいから座れ」 冷静な口調でいう。 相変わらずクールよね。 美しい銀髪の青年がゼルガディスさんってわかった時はびっくりした。 元からかっこ良かったけど。 「どうした、アメリア?」 「ゼルガディスさんって美人よね。男にはもったいないわ。」 「…そうか」 誉めたのにちっとも嬉しそうじゃないわ。 「もしかして実はゼルガディスさんって女性だった?」 「んなわけあるか。」 「今のは冗談ですよ、冗談」 流石のゼルガディスさんもこれはちょっと嫌だったみたい。 「性格悪くなったんじゃないか?」 「リナほどじゃないわ」 これだけは断言できる。 「善は急げ!さっそく行きましょう」 「火炎球!」 私たちはラックの屋敷に潜入した。 約束のように出てくる手下たち。 ゼルガディスさんは剣を抜いた。 速い! 今までよりずっと速い! 当然か、彼の体はもう岩ではないのだから、その分速いのだ。 私もがんばらないと。 |