◆−突発ゼロリナ−みい (2008/5/30 02:44:51) No.33583
 ┗Re:突発ゼロリナ−ぽき (2008/7/21 22:39:18) No.33609
  ┗ありがとうございます!−みい (2008/8/22 02:46:06) No.33653


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33583突発ゼロリナみい 2008/5/30 02:44:51


いやー。スレイヤーズって良いですよね!
どうもこんばんは、みいです!
はじめましての方ははじめまして!
お久しぶりの方はどうも!
ありがとうアニメ4期! ってことで適当にざかざか書いてみます。
この書き方も久々だなー。
現時点で、ゼロリナってことしか決まってません(笑
さて、現在時刻はおよそ1時40分。
どれだけかかるやらー。


 * * * * *


  雨のち、雨


 欠けてしまった魔血玉の魔呪符は、それでもそのまま着け続けている。
「おう嬢ちゃん、その魔呪符、新しいのと交換しねぇかい?」
「折角だけどいいわ。お守りだから。」
「へぇん。全部ちょっとずつ欠けちまってるのにかい?
 嬢ちゃん、色んなところにジュエルズ・アミュレットも付けてるじゃねえ。
 直せるんじゃねーんかい?」
「それがちょっと難しいのよねー。
 ジュエルズアミュレットと言えば、在庫いっぱいあるけど。
 どう? 買わない? おっちゃんには特別安くしてあげるからさっ」
 酒場にいた旅の魔道士から路銀を調達し、あたしは自分の部屋へと戻った。
 まだ午前中だが、外は大降りでとても出かける気にはなれない。
 これが、ガウリイやゼル、アメリアがいたら違ったんだろうか。
 ルークやミリーナ、ミルさんにメフィでもいい。
 誰か隣にいたら、こんな雨でも町の中をうろうろするくらいはしただろう。
 けれど今は、あたし一人。
 元々、そうではあったけれど。
 少し寂しいと感じるくらいには彼らと同じ時間を過ごしすぎたし、
 寂しいと認められるくらいには、あたしは成長できたのだろうか。
「ねえ、ゼロス。あんたはどう思う?」
 寂しいとき、あたしは決まって魔呪符を指でいじる。
 それはあたしがもっと強くなれるマジックアイテムであり、そして。
 一番会いたい奴との、繋がりの証だ。
 一番いとしいと感じてしまう、なのに人ではない存在(モノ)。
「お呼びですか?」
 だからこれは幻聴で、窓に半分埋もれるように腰掛けているアイツの姿は幻覚。
「あたしは成長したのかしら?
 こんなにも、寂しくて仕方ない……」
 幻覚だからこそ、弱い部分も見せてしまえ。
「珍しいですね、リナさんがそんなこと言うの」
「そう? あたしだってか弱い乙女だもの。
 メランコリーに浸りたい時だってあるわ」
「か弱い乙女、ねえ……」
 幻覚なら、さらっと流してくれればいいのに。
 でも、こうじゃなきゃゼロスじゃないか。
「ならリナさん、これでどうです?」
 そう言ってゼロスは、窓枠からとんっと床に下りてベッドに近づく。
 きし、と小さく木の軋む音が聞えたが、上の部屋からだろうか。
 あたしはきっと情けない表情のままベッドから起き上がり、幻のゼロスをじっと見つめる。
「本当にらしくないですね。熱でもあるんじゃないですか?」
 いつもの能面に苦味を混ぜて、ゼロスはゆっくりとあたしの額に手を伸ばし。

 触れた。

「っ」
「ふむ。ないようですね。
 で、さっきの話ですけど、リナさんがか弱い乙女でメランコリーに浸っているなら」
 ぎしり、と今度は遠くではなくこのベッドが軋む。
 腰の横につかれた片膝、衣擦れの音、ゆっくりと背中にまわる腕、人よりも低い体温。
 ――ああ、どうして。
 全てが幻ではないのだと、頭に訴えてくる。
「ぜろす……」
「はい。落ち込んでる女性には、親しい男性がぎゅっと抱き締めてあげるんですよね?」
「………知らないわよ」
 ああ、もう。
 「親しい」の一言に、このお遊びの行動に、舞い上がってしまう。
 やめて、こんなの痛いだけの筈なのに。
 辛いよゼロス。どうして、
「すきなのに」
「はい?」
「ねえゼロス、どうして来たの?」
「はあ、近くに仕事に来ていたもので。
 未だにつけてるんですねぇ、魔呪符」
「ええ」
 ルークをこの手で屠ったことが辛すぎて、あたしはあの後ガウリイと別れた。
 思い出してしまわないように、なんて勝手な理由だったけれど、
ガウリイは黙って頭を撫でてくれた。
 痛いほど苦しかったけれど、それでも今はルークやミリーナを思い出すことが減ったし、
そして寂しさを感じる以外はおおむね以前のようにやれている。
 でも、魔呪符だけは外せなかった。
 どうしても、あの時の証拠を持っていなければと思ったし。
 ゼロスとの繋がりを、簡単に捨て去れるほど生易しい感情を持っているわけではなかったから。
「ねえ、ゼロス」
「なんです?」
「もっと強く、……ぎゅってして」
 最後の方はほとんど声になっていなかったと思う。
 それでも、ゼロスはリクエスト通りに強く抱いてくれた。
 あたしはただ腕以外の力を抜いてゼロスに体を預けて。
 ……痛みはもちろんある。
 この体温が人ではないと警鐘を鳴らしているし、ルークのことも脳裏をよぎるし、魔族がどんな存在なのかを忘れることなんてできなくて。あたしは今なんてことをしているんだろうと思うし、姉ちゃんには殺されるかもしれなくて、アメリア辺りには涙ながらに説教されるかもしれない。
 それでも。
 愛しい存在の腕の中で、幸せを感じない人なんているんだろうか。
 体温もない、体臭もない、鼓動も聞えない。
 それなのに、だからこそゼロスを感じられる。
 あたしは今ゼロスに抱き締められている。
 それだけで、パンクしそう。
 次から次へと何かが溢れてきて、でも、だって、相手は魔族なのに……!
「ゼロス」
「はい」
「ゼロス」
「はい?」
「ゼロス、ゼロスゼロスぜろすっ……!」
「リナさん?」
 この声が、どうしてこんなに心地いいんだろう!
 どうして、どうしてっ……
「好き、なの」
 涙が止まらないのは、報われぬ恋だから?
 人としての道を踏み外してしまったから?
 ねえ金色の魔王。どうして……
「あたしはあんたのことが、好きなのに!」
「………」
「あんたはこの感情を理解できないッ!!」
 快不快くらいはあるだろう。
 けれど、感情なんてもの、魔族が持っているんだろうか。
「もう、嫌いになれたら楽なのに……!」
 そうしてずっと、会わずにいられたら。
 会ったとしても、すぐに殺し合いだったなら。
「いっそ、壊れてしまえたら!」
 ゼロスへの痛すぎる気持ちも、感じずに済むのに。
「リナさん」
 ぎゅう、と。顔面をゼロスの胸部に押し付けらて、何もかもが停止する。
「リナさん、リナさん。
 そんなこと言わないで下さい」
「………」
「あなたは魔族じゃないでしょう?
 だから、知らないはずですよ」
「なに、」
「魔族が、感情をもつことも。
 いらない感情をもった魔族は、不良品扱いされることも」
「………、それ」
「ねえリナさん。
 内緒話をしましょう。
 ここだけの秘密です。
 二人だけの秘密です。」
 体を離し、涙でぐしょぐしょの顔を拭われて、ゼロスに顔を包まれる。
 まっすぐに見上げたゼロスの顔は、いつもの能面ではなくて。
 真剣だけど、どこか優しさを帯びた、とてもぎこちない微笑み。
「僕も、――」
 脳内に直接響いたこの声を、あたしはもうきっと忘れることができないんだろう。
 その後泣き出したあたしを見てゼロスは困っていたけれど。
 そんなの、仕方ないじゃない。
 ゼロスが、あたしを泣かせたのよ。



 * * * * *
はい。2時40分。
ジャスト一時間でお届けします(笑
いや、推敲これからですけど。
ではでは、駄文を丸投げしてひっそりと寝たいと思います(笑
アニメ化と一切関係なくてごめんなさい!
おやすみなさいー。

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33609Re:突発ゼロリナぽき 2008/7/21 22:39:18
記事番号33583へのコメント

ゼロリナ大好きです〜♪
また、読みにきまーす

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33653ありがとうございます!みい 2008/8/22 02:46:06
記事番号33609へのコメント


はじめまして、ぽきさん。
みいと申します。

最後まで読んで頂き、そしてレスまで……!
貴重なお時間頂きましてありがとうございます!


>ゼロリナ大好きです〜♪
とのことで! うはぁ、仲間ですね!

>また、読みにきまーす
これは僕のをまた読んでくださるということでしょうか?
とても嬉しいです!

レス、本当にありがとうございました。
またお会いできることを祈っております。
ではでは、みいでした。