◆−依頼と忠告と復讐と 〜ゼフィーリアからの刺客〜−すちゃらか侍 (2009/1/30 10:16:08) No.33917 ┗Re:依頼と忠告と復讐と 〜ゼフィーリアからの刺客〜 初めまして!−のこもこ (2009/1/31 17:03:18) No.33924 ┗Re:依頼と忠告と復讐と 〜ゼフィーリアからの刺客〜 初めまして!−すちゃらか侍 (2009/2/1 04:55:37) No.33929
33917 | 依頼と忠告と復讐と 〜ゼフィーリアからの刺客〜 | すちゃらか侍 | 2009/1/30 10:16:08 |
依頼と忠告と復讐と 〜ゼフィーリアからの刺客〜 「ファイヤー・ボール!」 深い森の中、開けた一角に在った盗賊団のアジト。 そこに紅蓮の花が咲いた。 赤く燃える炎が暗く闇に沈む森の木々を照らしだし、爆音が眠りについていた動物たちを叩き起こす。 あたしが無造作に放った呪文は手に手に武器を持って突撃してきた盗賊達を吹き飛ばしていた。 5人ほどの男たちが黒く焦げてパタリと倒れ、それを見た他の盗賊達が数歩後ずさる。 後ずさった中の一人が震える足で一歩踏み出し、あたしに向かって言う。 「つ、ついに現れやがったなリナ・インバース。俺ぁこの時をずっと待っていたんだ」 その言葉にあたしは眉をひそめた。 あたしに襲われるのを待っていた? あたしの盗賊いびりのターゲットになるという事は、攻撃呪文で吹き飛ばされる事とイコールで結べる。 それを待ち望んでいたという事はひょっとして特殊な性癖の持ち主なんだろうか。 反応のないあたしをどう思ったのか、その盗賊はナイフを抜き放ち、言葉を紡ぐ。 「覚えているか?俺の顔を?2か月前にお前に壊滅させられたダーク・ウルフのリーダーさ」 「いやぜんっぜん覚えてないわ。ていうかあたし吹っ飛ばすときにいちいち顔確認しないし」 正直に言ったあたしの言葉にそいつは顔をゆでダコの様に真っ赤に染めた。 怒りに震える声で続ける。 「お、俺はあの時以来、ずっと復讐を胸に生きて来た。そしてついにその時が来たんだ!」 言って、ナイフを構えて油断なく近づいてくる 油断なくと言っても戦士にして魔道士たるこのあたし、リナ・インバースから見れば隙だらけの動きなのだが。 そもそも魔道士相手にとろとろ近づくというのは下策だと思うのだが、きちんと剣術を修めているわけでもない盗賊には解らないのだろう。 「メガ・ブランド」 ずどぉぉぉぉぉん 噴き上がる土砂が盗賊の体を打ち上げた。 数m吹き飛んで落ちて来た盗賊は気絶しているらしくピクリとも動かない。 あたしが残った盗賊達に視線を向けると盗賊達は更に数歩後ずさった。 「く、くそ!やっぱり俺たちじゃあ『ドラまた』にはかなわねえんだよ」 「うるせぇ!奴に復讐しようって言いだしたのはお前じゃねえかよ」 口々にののしり合いながらあたしから距離を離していく。 どうやらこの盗賊団、あたしが前に壊滅させた盗賊団の生き残りが集まってできたものらしいが、無論あたしとしては知ったこっちゃない。 あたしにとって重要なのはこいつ等がどれぐらいお宝を溜めこんでいるか、である。 「静まれぇい!」 一喝が夜のしじまを裂き、浮足立った盗賊達をぴしゃりと打ちすえた。 盗賊達の後ろからスキンヘッドの見るからに頭目という感じの大男が歩み出る。 スキンヘッドは周りの盗賊達を一瞥すると、嘆息した。 「ったく。なに浮足立ってやがる。こんな時の為に用心棒を雇ったんだろうが」 その言葉に周りの盗賊の顔に希望の光が差す。 余程その用心棒とやらの実力を信じているのか、中には既に勝ち誇った笑みを浮かべているものまで居た。 スキンヘッドは自信に満ちた笑みを浮かべると声を張り上げた。 「先生!頼みますぜ!」 呼びかけに応じ一人の男が現れる。 ぴったりした黒い上着に黒いズボンをはいた闇色の男だ。 ざんばらな黒髪に野性的なハンサムと言っていい顔立ち。 更に手に持った槍まで漆黒である。 服の上からでもよく鍛えられた体つきが見て取れて、周りの盗賊とは一線を画したプロであることがうかがえる。 だが、残念ながら相手が悪い。 攻撃呪文をばかばかぶっ放している印象が強いようだが、こう見えてあたしは剣の方も使える。 新米兵士の一ダースぐらいなら軽くあしらえる自信がある。 そのあたしから見て、用心棒とやらはなかなかの実力者だが勝てない相手ではない。 足運びは中途半端に武術をかじった様な動きだし、槍を構える姿にもところどころ隙がある。 戦士としては中の上といったところだろう。 一流には少し届かないレベルだ。 「まあ、これもお仕事でね。うらみっこなしで頼むぜリナ・インバース」 「仕事ねぇ。一つ忠告してあげるけど、あんた依頼人は選んだほうがいいわよ」 呆れたように言うあたしに男はカラカラと笑うと気持のいい笑みを浮かべた。 「ハハハハハハ、違いない」 男はひとしきり笑うと一転して真剣な表情であたしを睨み据えた。 あたしもそれに答えてショートソードを引き抜く。 「じゃあ、行くぜ」 「どーぞ。言っとくけど手加減はしてあげないからね」 男はあたしの言葉に不敵な笑みを浮かべると 「要らんさ」 地を蹴った。 爆発の様な激しい踏み込み音が耳をつんざき、次の瞬間には男の姿が目の前に在った。 「なっ」 驚愕の声を上げるあたしの眼前から男の姿がかき消える。 後ろに回り込まれた! その事にあたしが気付いた瞬間、強烈な衝撃が頭部を襲う。 ブラックアウトしていく視界。 意識が閉ざされていく中、男の声が響く。 「盗賊の用心棒なんかやってる半端モノには絶対負けない。心のどっかにそんな思い込みがあったのさ。今後はもっと警戒心を強く持つことを勧めるよ。敵にも自分にもね」 油断した。 完全にだまされた。 不完全な足運びも隙のある構えも全て男の己の実力を隠す演技だったのだ。 そのことに気づき心が悔恨に染まる。 だが悔やんでいても仕方無い、だまされたのはあたしなのだ。 だが、このままでは終わらない。 次に会ったら絶対ぶっ飛ばす。 胸の内で固く誓ってあたしは意識を手放したのだった。 後書き はじめましてすちゃらか侍です。 やってしまった。 というか何をやってるんだ僕は。 プロローグでいきなりリナを敗北させるなんて。 スレイヤーズにあるまじき展開。 受け入れてもらえるかは不安極まりないです。 この小説はリナがぶっ飛んだ連中に振り回される話にしようと思っています。 よってそういうのが嫌という人やリナが最強でないと嫌という人は読まない方がいいかもしれません。 それでもいい。つきあってやろうという心の広い方がいらっしゃれば拙作ですが是非ともお付き合いください。 今後ともよろしくお願いします。 |
33924 | Re:依頼と忠告と復讐と 〜ゼフィーリアからの刺客〜 初めまして! | のこもこ | 2009/1/31 17:03:18 |
記事番号33917へのコメント はじめましてすちゃらか侍さん!のこもこです! >依頼と忠告と復讐と >〜ゼフィーリアからの刺客〜 なにやら意味深なタイトル・・・ >「つ、ついに現れやがったなリナ・インバース。俺ぁこの時をずっと待っていたんだ」 > >あたしの盗賊いびりのターゲットになるという事は、攻撃呪文で吹き飛ばされる事とイコールで結べる。 分をわきまえるということを知らないんでしょうかね!?そんな連中だから盗賊やってるのかもしれないけど >それを待ち望んでいたという事はひょっとして特殊な性癖の持ち主なんだろうか。 > 吹き飛ばされるのに快感を得る趣味・・・ >「覚えているか?俺の顔を?2か月前にお前に壊滅させられたダーク・ウルフのリーダーさ」 > をや?ダーク・ウルフ? はやってるんでしょうか?それともポピュラーな名前なのかしらん? >「いやぜんっぜん覚えてないわ。ていうかあたし吹っ飛ばすときにいちいち顔確認しないし」 > >正直に言ったあたしの言葉にそいつは顔をゆでダコの様に真っ赤に染めた。 こういう反応するってことは原作のすぺしゃる一巻に出てきたのとは無関係? >どうやらこの盗賊団、あたしが前に壊滅させた盗賊団の生き残りが集まってできたものらしいが、無論あたしとしては知ったこっちゃない。 >あたしにとって重要なのはこいつ等がどれぐらいお宝を溜めこんでいるか、である。 ぶらぼー!パチパチパチ!!(拍手喝采) 現実主義なリナらしいお考え! > >「静まれぇい!」 > >一喝が夜のしじまを裂き、浮足立った盗賊達をぴしゃりと打ちすえた。 >盗賊達の後ろからスキンヘッドの見るからに頭目という感じの大男が歩み出る。 >スキンヘッドは周りの盗賊達を一瞥すると、嘆息した。 > >「ったく。なに浮足立ってやがる。こんな時の為に用心棒を雇ったんだろうが」 > 用心棒? >スキンヘッドは自信に満ちた笑みを浮かべると声を張り上げた。 > >「先生!頼みますぜ!」 > >呼びかけに応じ一人の男が現れる。 >ぴったりした黒い上着に黒いズボンをはいた闇色の男だ。 >ざんばらな黒髪に野性的なハンサムと言っていい顔立ち。 >更に手に持った槍まで漆黒である。 >服の上からでもよく鍛えられた体つきが見て取れて、周りの盗賊とは一線を画したプロであることがうかがえる。 うみゅ?一瞬アニメの高いところから登場したゼルを思い浮かべた! >足運びは中途半端に武術をかじった様な動きだし、槍を構える姿にもところどころ隙がある。 >戦士としては中の上といったところだろう。 >一流には少し届かないレベルだ。 > >「まあ、これもお仕事でね。うらみっこなしで頼むぜリナ・インバース」 > >「仕事ねぇ。一つ忠告してあげるけど、あんた依頼人は選んだほうがいいわよ」 > >呆れたように言うあたしに男はカラカラと笑うと気持のいい笑みを浮かべた。 > >「ハハハハハハ、違いない」 盗賊に雇われたのに、リナに勝負を挑むなんて >地を蹴った。 >爆発の様な激しい踏み込み音が耳をつんざき、次の瞬間には男の姿が目の前に在った。 > >「なっ」 > >驚愕の声を上げるあたしの眼前から男の姿がかき消える。 >後ろに回り込まれた! >その事にあたしが気付いた瞬間、強烈な衝撃が頭部を襲う。 >ブラックアウトしていく視界。 ぎゃあああああ!!? リナが!リナちんがああああ!?(混乱中) >意識が閉ざされていく中、男の声が響く。 > >「盗賊の用心棒なんかやってる半端モノには絶対負けない。心のどっかにそんな思い込みがあったのさ。今後はもっと警戒心を強く持つことを勧めるよ。敵にも自分にもね」 > >油断した。 >完全にだまされた。 >不完全な足運びも隙のある構えも全て男の己の実力を隠す演技だったのだ。 >そのことに気づき心が悔恨に染まる。 >だが悔やんでいても仕方無い、だまされたのはあたしなのだ。 > >だが、このままでは終わらない。 >次に会ったら絶対ぶっ飛ばす。 >胸の内で固く誓ってあたしは意識を手放したのだった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうなるんでしょうか? ああああああああああああああ!そんなことよりその後のリナの運命はいかに!!? >後書き >はじめましてすちゃらか侍です。 >やってしまった。 >というか何をやってるんだ僕は。 >プロローグでいきなりリナを敗北させるなんて。 故郷の姉ちゃんならこの用心棒君におくれをとらなかった? そもそも敗北したことを姉ちゃん知ったら・・・・・・リナ危うし!!!(いろんな意味で) >スレイヤーズにあるまじき展開。 >受け入れてもらえるかは不安極まりないです。 > 衝撃的でしたけど、のこもこてきには全然オーケー!! >この小説はリナがぶっ飛んだ連中に振り回される話にしようと思っています。 >よってそういうのが嫌という人やリナが最強でないと嫌という人は読まない方がいいかもしれません。 生け捕りにされたリナちん・・・・・・いつかのキメラオタクのように、キメラの材料にされてしまうのか!? それとも本物のピコピコリナちゃん(略してピコリナ)着せ替え人形みたいな展開になるのか!!? >それでもいい。つきあってやろうという心の広い方がいらっしゃれば拙作ですが是非ともお付き合いください。 >今後ともよろしくお願いします。 今後の展開楽しみにしています!! 以上!息抜き&ハイテンションなレス要員でもあるのこもこでした!!! |
33929 | Re:依頼と忠告と復讐と 〜ゼフィーリアからの刺客〜 初めまして! | すちゃらか侍 | 2009/2/1 04:55:37 |
記事番号33924へのコメント はじめましてのこもこ様。 アウチ! ダーク・ウルフって原作に出てましたか! てきとうに考えた名前だったので、原作に出て来たのとは関係ない単なる同名だという事にしてください。 どうやら受け入れてもらえたようで嬉しいです。 遅筆ですがこれからも書いていきたいのでどうぞよろしくお願いします。 |