-とりあえずご挨拶-松原ぼたん(7/16-17:03)No.3424
 ┣小説もどき『魔物』-松原ぼたん(7/16-17:20)No.3425
 ┃┗Re:小説もどき『魔物』-ふぉお(7/16-20:45)No.3426
 ┃ ┗ふぉおさん有り難う御座います。-松原ぼたん(7/17-13:59)No.3433
 ┣小説もどき『人間になる薬』-松原ぼたん(7/17-14:00)No.3434
 ┃┗Re:小説もどき『人間になる薬』-ふぉお(7/18-00:21)No.3443
 ┃ ┗ふぉおさんいつも有り難う御座います。-松原ぼたん(7/18-15:58)No.3448
 ┣Re:とりあえずご挨拶-ひなた(7/18-14:33)No.3447
 ┃┗ひなた様-松原ぼたん(7/18-16:13)No.3450
 ┃ ┗うわーい♪-ひなた(7/23-07:07)No.3554
 ┣小説もどき『言ってはいけないこと』-松原ぼたん(7/18-15:58)No.3449
 ┃┗Re:小説もどき『言ってはいけないこと』-ふぉお(7/19-01:39)No.3453
 ┃ ┗ふぉおさんいつも有り難う御座います-松原ぼたん(7/19-13:31)No.3472
 ┣小説もどき『悪夢』-松原ぼたん(7/19-13:32)No.3473
 ┃┗Re:小説もどき『悪夢』-ふぉお(7/19-18:52)No.3475
 ┃ ┗ふぉおさんいつも有り難う御座います-松原ぼたん(7/20-18:55)No.3492
 ┣小説もどき『眠れる???』-松原ぼたん(7/20-18:56)No.3493
 ┃┣Re:小説もどき『眠れる???』-ふぉお(7/21-00:20)No.3494
 ┃┃┗ふぉおさんいつも有り難う御座います-松原ぼたん(7/21-18:48)No.3511
 ┃┗Re:小説もどき『眠れる???』-千恵風味(7/21-17:21)No.3505
 ┃ ┗千恵風味さん有り難う御座います-松原ぼたん(7/21-18:49)No.3512
 ┣小説もどき『かえる場所』-松原ぼたん(7/21-18:49)No.3513
 ┃┗Re:小説もどき『かえる場所』-ふぉお(7/22-01:02)No.3519
 ┃ ┗ふぉおさんいつも有り難う御座います-松原ぼたん(7/22-16:21)No.3530
 ┣小説もどき『古の契約』-松原ぼたん(7/22-16:22)No.3531
 ┃┣Re:小説もどき『古の契約』-ライム(7/22-22:03)No.3544
 ┃┃┗ライムさん有り難う御座います-松原ぼたん(7/23-16:56)No.3566
 ┃┣Re:小説もどき『古の契約』-ふぉお(7/23-00:26)No.3549
 ┃┃┗ふぉおさんいつも有り難う御座います-松原ぼたん(7/23-16:56)No.3567
 ┃┣小説もどき『滅びの中』-松原ぼたん(7/23-16:56)No.3569
 ┃┗小説もどき『決断』-松原ぼたん(7/23-16:56)No.3570
 ┣Re:とりあえずご挨拶(再掲示リクエスト)-(7/23-12:35)No.3558
 ┃┗-松原ぼたん(7/23-16:56)No.3568
 ┃ ┣再掲示『創造(つく)りし手』-松原ぼたん(7/23-17:31)No.3572
 ┃ ┣再掲示『創造(つく)られしもの』-松原ぼたん(7/23-17:32)No.3573
 ┃ ┣再掲示『創造(つく)られし世界』-松原ぼたん(7/23-17:32)No.3574
 ┃ ┣再掲示『創造(つく)られし意志』-松原ぼたん(7/23-17:32)No.3575
 ┃ ┣再掲示『創造(つく)られし命』-松原ぼたん(7/23-17:32)No.3576
 ┃ ┗再掲示-松原ぼたん(7/23-17:33)No.3577
 ┣小説もどき『遠き日々』-松原ぼたん(7/23-16:57)No.3571
 ┃┗Re:小説もどき『遠き日々』-ふぉお(7/23-23:47)No.3582
 ┃ ┣ひやあぁぁ。うえのはまちがいです。-ふぉお(7/24-00:38)No.3584
 ┃ ┗ひいい。上のはミスです。-ふぉお(7/24-00:40)No.3585
 ┃  ┗ふぉおさん有り難う御座います-松原ぼたん(7/24-06:57)No.3588
 ┣Re:とりあえずご挨拶-ゆかり(7/24-01:33)No.3586
 ┃┗ゆかり様-松原ぼたん(7/24-06:57)No.3589
 ┃ ┗松原様へ-ゆかり(7/25-01:28)No.3598
 ┣小説もどき『感情 揺れる』-松原ぼたん(7/24-06:58)No.3590
 ┃┗Re:小説もどき『感情 揺れる』-ふぉお(7/25-00:03)No.3597
 ┃ ┗ふぉおさん、いつも有り難う御座います-松原ぼたん(7/25-14:05)No.3603
 ┣小説もどき『過去』-松原ぼたん(7/25-14:05)No.3604
 ┣再掲示『腕輪物語』-松原ぼたん(7/25-14:06)No.3605
 ┣再掲示『赤の竜神の慈悲』-松原ぼたん(7/25-14:06)No.3606
 ┣再掲示『リナのゆううつ』-松原ぼたん(7/25-14:07)No.3607
 ┣再掲示『夢を見るように』-松原ぼたん(7/25-14:07)No.3608
 ┗再掲示『夢幻』-松原ぼたん(7/25-14:08)No.3609


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3424とりあえずご挨拶松原ぼたん E-mail URL7/16-17:03

 どうも松原です。お久しぶりor初めまして。
 最近あまり書いていませんが、松原は一応小説もどき書きだったりします。すでに忘れている人、知らない人が多そうですね(^^;)。
 新しいツリーなんてどれくらいぶりでしょうか。
 しかしスランプはなおってないので半再掲示みたいなものになると思います。すみません。
 もし、再掲示をご希望なさるのならhttp://www.nmt.ne.jp/~lemon20/list.htm
にあるリストを見て、現在掲示場所がないものを言って下されば一部を除き再掲示致します。

 では、よろしればお付き合い下さいませ。

P.S.
 掲示板の方には書きましたが、http://www.nmt.ne.jp/~lemon20/shotyuukani.htmlに8月末(予定)まで暑中見舞いもどきがあります。小説もどきが2本ついてますのでよろしければどうぞ。

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3425小説もどき『魔物』松原ぼたん E-mail URL7/16-17:20
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。
 例のごとく訳の分からない代物ですが、よろしければどうぞ。

 『魔物』

「本来ならこんなことはさせたくはないんだけど・・・・」
 彼女は独りごちた。
「獣王様?」
 跪いている部下が怪訝そうに尋ねる。
「たいしたことじゃないわ」
 肩をすくめる。
「とにかく話は分かったわね?」
 それから部下に念を押す。
「冥王の考えは気に入らないでしょうけど、しょうがないわ」
「・・・・分かりました」
 部下が一礼する。
「くれぐれも油断しない様に」
「何に、ですか?」
 彼女が言った言葉に部下がおもしろそうに言葉を返す。
「魔竜王に? それとも冥王様に?」
「いいえ」
 その言葉を彼女は否定する。
「リナ=インバースに」
「はい?」
 部下は思わず間抜けな返事を返した。
「あの方の力を借りた呪文が使えるとは言え、たかが人間ごとき。どうしてそこまで気にかけるのです?」
「女だからよ」
 彼女の答えは部下にはさっぱり要領を得ないものだった。
「気をつけなさい。女は魔物よ。魔族よりも怖い、ね」
 言いながら、彼女は座っていた椅子から立ち上がった。
 部下の方へ歩いてくる。
「立ちなさい」
 わけが分からないまま、その言葉に従う部下。
「例えは抱きつくふりをして・・・・」
 部下の首に手を回す。
「・・・・首を締めるかもしれないわ」
 言ってから部下の髪をほんの少し指で梳く。
「或いは・・・・」
 すっと部下から腕を外す。
 代わりに片手で部下の顎を持ち上げ口づけた」
「・・・・口づけるふりをして喉元に短剣を突き付けるかもしれないわ」
 唇を離して耳元でささやく。
 その言葉どおり、もう一方の手は短剣を持ち、喉元に突き付けていた。
「お戯れを」
 部下が言い、その剣の刃を無造作に握った。
「こんなものが我々に効くはずがないでしょう?」
「そうね。これは効かないわね」
 彼女の言葉と同時に短剣は姿を消した。
「けれど、もし魔剣だったら? 或いは術を唱えられたら?」
 尚も彼女は言う。
「いいえ、それならまだいいわ。もし・・・・」
 そこまで言って彼女は我に返ったように口を閉じた。
「どうかなさいましか?」
 訝しげに部下が問うた。
「いいえ」
 言いながら彼女は一歩後ろに下がった。
「とにかく気をつけなさい」
「分かりました」
 今度は部下も反論しなかった。
「行きなさい」
 彼女の言葉に一礼すると部下の姿はその場からかき消えた。
「・・・・どうかしてるわ」
 そう独りごちて彼女は椅子に座り直した。
 疲れ果てたかの様に背もたれに体重を預ける。
 軽く髪をかきあげる。
「・・・・女は魔物。心を奪われないように・・・・」
 そうつぶやいた彼女の言葉を聞いたものは誰もいなかった。

 これは某友人(要するにM(仮名)なんだけど)と「絵で見たら美しいゼラゼロとはなにか」と言うシュミに走りまくった話をしていたときに思いついたものです。あたしのゼラス様のイメージって一番は手なんですけどね。どうしてこういう話になったのかは謎です(爆)。
 で友人に見せたところ「ゼラゼロでもあるけどゼロリナともとれるね」と言われました。
 なんでもゼラスの言葉でリナがゼロスに抱きついたりキスをしたりが想像ではるとのこと(刺すかどうかはとにかく)。どうでしょう?

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3426Re:小説もどき『魔物』ふぉお E-mail 7/16-20:45
記事番号3425へのコメント
おせわさまです。ふぉおです。ただいま参上仕りました(意味不明)

>「くれぐれも油断しない様に」
>「何に、ですか?」
> 彼女が言った言葉に部下がおもしろそうに言葉を返す。
>「魔竜王に? それとも冥王様に?」

そんなの相手に油断するわけないじゃないですか。あっはっはー。というゼロスの心の声が私に届きました(笑)

>「いいえ」
> その言葉を彼女は否定する。

冥王や魔竜王に油断するような部下なんて創造ってないでしょうから。

>「リナ=インバースに」
>「はい?」
> 部下は思わず間抜けな返事を返した。

フェイントですね。

>「お戯れを」
> 部下が言い、その剣の刃を無造作に握った。

ゼラス様にあんなとされて、このリアクション。・・・いちいち動じていたら仕事にならないことを悟ってます?

>「いいえ、それならまだいいわ。もし・・・・」
> そこまで言って彼女は我に返ったように口を閉じた。

うあ・・・気になります。その続き。

> で友人に見せたところ「ゼラゼロでもあるけどゼロリナともとれるね」と言われました。
> なんでもゼラスの言葉でリナがゼロスに抱きついたりキスをしたりが想像ではるとのこと(刺すかどうかはとにかく)。どうでしょう?

でもゼラゼロ、ゼラゼロ♪(←ただ単に趣味で決めているらしい)

ゼラス様素敵(はあと)ゼラス様のような上司だったら仕事、楽しくできるんですけどね(笑)
そんなゼラス様に愛されている、ゼロスは幸せものです。

それでは、次回を楽しみにしてます♪

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3433ふぉおさん有り難う御座います。松原ぼたん E-mail URL7/17-13:59
記事番号3426へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>そんなの相手に油断するわけないじゃないですか。あっはっはー。というゼロスの心の声が私に届きました(笑)
 なるほど(笑)。確かに油断しそうもないですね。
>冥王や魔竜王に油断するような部下なんて創造ってないでしょうから。
 なるほど(再笑)。確かに創造らないでしょうからねぇ。
>フェイントですね。
 確かに普通はこうはこないでしょう。
>ゼラス様にあんなとされて、このリアクション。・・・いちいち動じていたら仕事にならないことを悟ってます?
 ちょっと悟ってます(笑)。
>うあ・・・気になります。その続き。
 「もし、心を奪われでもしたら」ですね。言えませんよ、こんな事(笑)。
>でもゼラゼロ、ゼラゼロ♪(←ただ単に趣味で決めているらしい)
 人間、趣味で生きるのが一番楽しいです。
>ゼラス様素敵(はあと)ゼラス様のような上司だったら仕事、楽しくできるんですけどね(笑)
 本当にそう思う? 一歩間違えると結構怖い気もしますけど。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3434小説もどき『人間になる薬』松原ぼたん E-mail URL7/17-14:00
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。
 出し惜しみしてもしょうがないのでさくさく行きましょう。さー、何日持つかな(爆)。
 よろしければお付き合いくださいませ。

 『人間になる薬』

「はぁ」
 ゼロスはリナの事を考えていた。
「あらゼロス、どうかして?」
 部下のため息を耳ざとくゼラスが聞きつける。
「いえ、人間になる方法はないかなぁと思いまして」
 ついうっかり、本当の事を言ってしまい、慌てて上司の顔色をうかがうゼロス。
「あら、あるわよ」
 しかし気にしていないのかゼラスはあっさり言った。
「あるって・・・・」
 初耳だった。
「で、どうやったら出来るんです?」
 出来る限りさりげなく聞こえるように注意して、ゼロスが尋ねる。
「簡単よ。火蜥蜴の尻尾と・・・・」
 言われた材料を書き留めるゼロス。
「・・・・を、大きな瓶に入れて三日三晩煮込めばいいの。そうすれば人間になる薬ができるから」
 三日三晩とはいえ、魔族には大したことではない。
「失礼します」
 急いで材料を集めに行くゼロス。
 ゼラスはそれを不思議な笑みを浮かべて見送った。

「集まったの?」
 集まったもなにも、ちょうどゼロスが瓶に材料を入れたところでゼラスは声をかけた。
「じゅ、獣王様!?」
「研究熱心ね」
 言いながら瓶をのぞき込む。
「あら、一番大事な材料を言うのを忘れてたわ」
「一番大事な、ですか?」
「そう」
 聞き返すゼロスにゼラスはあっさりと答えた。
「その時一番優秀な魔道士を一緒に煮込まなければならないのよ」
「一番優秀な魔道士といいますと・・・・」
 ゼロスは嫌な予感がした。
「例えばレイ=マグナス様ですか?」
 その名が出ぬように違う名前をいう。
「ダメよ、あの方は赤眼の魔王様だもの。たとえ連れてきたとしても薬は出来ないわね」
 そうね、とゼラスはつぶやく。
「リナ=インバースが適当かしら?」
 しかしリナが死んでしまっては人間になる意味はなくなってしまう。
 呆然とするゼロスをよそに、ゼラスはひらひらと手を振ってその場を去っていった。

「まったく」
 ゼラスが自室でワイングラスの中身を転がしながらつぶやく。
「私が知らないとでも思ってるのかしら」
 人間になる薬の話は嘘だった。
 本当にその方法はあるのかもしれないが、少なくともゼラスは知らない。
 ただ、リナ=インバースの事で頭がいっぱいの部下をちょっと苛めて見たくなったのだ。
 ゼラスは軽く嗤った。
 自嘲的な微笑だった。

 某友人曰く「ゼラス様、一歩間違えると『シンデレラ』の継母みたい」受けましたね、はっきり言って。「例えば『リナ=インバースが適当かしら?』の後で『貴方に出来て?』とか言って高笑いでもすれば完璧ね」高笑い・・・・ゼラス様が? ・・・・うーん(^^;)。そもそもあんたの『シンデレラ』のイメージってなに?
 あ、前回の『魔物』とは特に関連はありません。念のため。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3443Re:小説もどき『人間になる薬』ふぉお E-mail 7/18-00:21
記事番号3434へのコメント
お世話様です。ふぉおです♪

>「あらゼロス、どうかして?」
> 部下のため息を耳ざとくゼラスが聞きつける。

どんな時でも部下の心配をする上司っていいですね。でも、かすかに「いじめるネタを見つけたわ」という心の声が(笑)

>「いえ、人間になる方法はないかなぁと思いまして」
> ついうっかり、本当の事を言ってしまい、慌てて上司の顔色をうかがうゼロス。

めずらしいですね。ついうっかり口を滑らすなんて。

>「で、どうやったら出来るんです?」
> 出来る限りさりげなく聞こえるように注意して、ゼロスが尋ねる。
>「簡単よ。火蜥蜴の尻尾と・・・・」
> 言われた材料を書き留めるゼロス。

>「失礼します」
> 急いで材料を集めに行くゼロス。

さりげなく聞いてますけど、行動がうらぎってませんか?(笑)

>「リナ=インバースが適当かしら?」
> しかしリナが死んでしまっては人間になる意味はなくなってしまう。
> 呆然とするゼロスをよそに、ゼラスはひらひらと手を振ってその場を去っていった。

うわ・・・・ゼラス様素敵すぎ(笑)ゼロスは瓶をかかえたまま立ち尽くしてるんでしょうね。

> ただ、リナ=インバースの事で頭がいっぱいの部下をちょっと苛めて見たくなったのだ。

嫉妬・・・・ですか?

> 某友人曰く「ゼラス様、一歩間違えると『シンデレラ』の継母みたい」受けましたね、はっきり言って。「例えば『リナ=インバースが適当かしら?』の後で『貴方に出来て?』とか言って高笑いでもすれば完璧ね」高笑い・・・・ゼラス様が?

私は意地悪なお姉さんをイメージしてしまいましたが・・・。

それでは、次回作お待ちしてます♪

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3448ふぉおさんいつも有り難う御座います。松原ぼたん E-mail URL7/18-15:58
記事番号3443へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>どんな時でも部下の心配をする上司っていいですね。でも、かすかに「いじめるネタを見つけたわ」という心の声が(笑)
 をを、確かに聞こえる(笑)。
>めずらしいですね。ついうっかり口を滑らすなんて。
 なんかショックな事でもあったんでしょう(笑)。
>さりげなく聞いてますけど、行動がうらぎってませんか?(笑)
 なんかショックな事でも・・・・(以下略)。
>うわ・・・・ゼラス様素敵すぎ(笑)ゼロスは瓶をかかえたまま立ち尽くしてるんでしょうね。
 うーん、自分でかいといて何だけど、ゼロス気の毒だわ。
>嫉妬・・・・ですか?
 ええ、おもっきり。
>私は意地悪なお姉さんをイメージしてしまいましたが・・・。
 あ゛、そうかも。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3447Re:とりあえずご挨拶ひなた E-mail 7/18-14:33
記事番号3424へのコメント
こんにちは♪ひなたです。

> 最近あまり書いていませんが、松原は一応小説もどき書きだったりします。すでに忘れている人、知らない人が多そうですね(^^;)。

あたしはしっかり知ってますよ〜♪
いろんなところで松原さんの小説見かけるので・・・・。

> もし、再掲示をご希望なさるのならhttp://www.nmt.ne.jp/~lemon20/list.htm
>にあるリストを見て、現在掲示場所がないものを言って下されば一部を除き再掲示致します。

『White Day IN SLAYERS』1〜6までみたいです(^^)
再掲示お願いできないでしょうか???よろしくです(__)
>
> では、よろしればお付き合い下さいませ。

はい♪お付き合いさせていただきます☆

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3450ひなた様松原ぼたん E-mail URL7/18-16:13
記事番号3447へのコメント
>こんにちは♪ひなたです。
 どうも松原です。こんにちは。
>あたしはしっかり知ってますよ〜♪
 有り難う御座います。
>いろんなところで松原さんの小説見かけるので・・・・。
 ・・・・そうでしたっけ?(爆)
>『White Day IN SLAYERS』1〜6までみたいです(^^)
>再掲示お願いできないでしょうか???よろしくです(__)
 えっと、時期ものなのですみませんが、直接ここに再掲示すると言うわけには行かないんです。
 お望みならばメールなり私書箱なりに送りますが・・・・。
 本当にすみません。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3554うわーい♪ひなた E-mail 7/23-07:07
記事番号3450へのコメント

こんにちは。お返事おそくなってすいませんー(T_T)
何か学校の方が忙しくって・・・・。(いい訳(^^;))

>>いろんなところで松原さんの小説見かけるので・・・・。
> ・・・・そうでしたっけ?(爆)

そうですよぅ(笑)さてわ自覚ないですね?(笑)

>>『White Day IN SLAYERS』1〜6までみたいです(^^)
>>再掲示お願いできないでしょうか???よろしくです(__)
> えっと、時期ものなのですみませんが、直接ここに再掲示すると言うわけには行かないんです。
> お望みならばメールなり私書箱なりに送りますが・・・・。

あ、メールでお願いできますか???
よろしくです。

> 本当にすみません。

こちらこそ、おくれまくっってすいませんー_(._.)_

でわでわ♪

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3449小説もどき『言ってはいけないこと』松原ぼたん E-mail URL7/18-15:58
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。すでに意味不明ですねぇ(爆)。
 よろしければどうぞ。

 『言ってはいけないこと』

「何よ、所詮魔族のあんたなんかにあたしの気持ちが理解できるわけないじゃない!!」
 あたしがそういった後、ゼロスが浮かべた悲しげな表情が未だに瞼の裏に焼き付いている。
 今なら言ってはいけないことを言ったのかもとほんの少し思う。
 けれど、その時あたしは頭に血が上っていた。
「あたしの気持ちが分かるって言うのなら人間にでもなって来なさいよ!!」
 その言葉が終わると同時にゼロスは姿を消した。
 あたしは涙を止めることは出来なかった。

 事の起こりは実のところゼロスとは何の関係もない。
 数日前、長雨に降られ、あたし達はとある村の宿屋に滞在した。
 その時、そこの若奥さんであるリデルさんと仲良くなった。
 リデルさんは姉ちゃんの優しいときにちょっと似ていて、一応あたしにも里心などど言うものがあったのか、一瞬本当の姉のように思えてしまった。
 だから、リデルさんが死んだと知ったとき悲しかった。
 村を出て半日ほどした後、妙な予感がしてあたしは振り返った。
 村の方が赤く色づいていた。
 異変を感じ、あたし達が村へ戻ったときにはすでに遅かった。
 家々は燃え、辺りに人影は見えず、いや、人と思えるものは見えず、屍だけがあちこちに横たわっていた。
 そして我が物顔で存在するレッサーデーモン数匹。
 ・・・・レッサーデーモンを倒すのは簡単とまで行かなくとも出来ないことはない。
 その後、生存者を探したが村のどこにも見あたらなかった。
 リデルさんは宿の焼け跡から見つかった。
 信じられないぐらい死に顔は綺麗で、それだけ見ていたなら今すぐにでも生き返ってきそうだった。
 けれど彼女の下半身は完全に炭になっていた。
 それを知ったときのあたしの悲しみは未だにどう表現していいか分からない。
 人の死に立ち会ったことも、自分の手で人を殺したこともある。
 けれど、そのどの悲しみともどこか違っていた。
 あの家族だから、今まで仮定したこともなかったが、それを失った時の悲しみに一番似ているのかもしれない。
 あたしは余裕を失っていた。

 その夜、焼け跡で野宿をすることとなった。
 けれど、あたしは眠れず、かといって焼け跡を眺める気にもなれずあたしは村はずれの野原にいた。
 ここまではレッサーデーモンはやってこなかったらしく、草の匂いと長雨の名残が辺りに立ちこめていて、それが妙に心地よかった。
 変わらない場所と変わってしまったもの。
 必要以上に落ち込んでいるのは理解していたが、それをどうかする気にはなれなかった。
 そこへゼロスが現れた。

 今なら単に八つ当たりをしていただけだと分かる。
 あたしはレッサーデーモンの事についてゼロスを責めた。
 やってないと言う言葉さえ、ろくに聞いていなかった。
 ゼロスはあたしを慰めてくれたって事は分かっている。
「リナさんの気持ちも分かりますが・・・・」
 その言葉が妙に気にさわった。
 次の瞬間、あたしは後先考えず叫んでいた。

 本当に他の人の気持ちが分かる人は誰もいないんだろう。
 あたしだって分かったような気になっているに過ぎない。
 なのにあたしは『魔族だから』という言葉でゼロスを切り捨てた。
 確かにゼロスは魔族だけど、そのこと自体はゼロスに責任があるわけじゃない。
 ゼロスの気持ちを無駄にしてしまった。
 今度、ゼロスに会ったとき、ちゃんと謝れるだろうか?
 辺りにはあの日と同じように草の匂いが立ちこめていた。
 ・・・・ゼロスはまた、来てくれるだろうか。

 えっとこれはネタのリサイクルです(意味不明)。何をリサイクルしたかは秘密です(笑)。うーん、行き当たりばったりでやってますねぇ、あたしゃ。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3453Re:小説もどき『言ってはいけないこと』ふぉお E-mail 7/19-01:39
記事番号3449へのコメント
お世話様です。ふぉおです♪

>「あたしの気持ちが分かるって言うのなら人間にでもなって来なさいよ!!」
> その言葉が終わると同時にゼロスは姿を消した。
リナがそう言ったからもしかして、ゼロスは・・・・。

> あの家族だから、今まで仮定したこともなかったが、それを失った時の悲しみに一番似ているのかもしれない。
> あたしは余裕を失っていた。
よほどショックだったんですね。

> 今なら単に八つ当たりをしていただけだと分かる。
> あたしはレッサーデーモンの事についてゼロスを責めた。
> やってないと言う言葉さえ、ろくに聞いていなかった。
本当に余裕を失ってますね。

> ゼロスはあたしを慰めてくれたって事は分かっている。
めちゃくちゃいい魔族ですよね。ゼロスって。

> ゼロスの気持ちを無駄にしてしまった。
> 今度、ゼロスに会ったとき、ちゃんと謝れるだろうか?
謝れますよ。自分のしたことがわかってるんですから。

> ・・・・ゼロスはまた、来てくれるだろうか。
立ち直ったらきっと。

この話って、もしかして「人間になる薬」にリンクしてます?
だとしたら、好きな人二人にひどいこといわれたゼロスが哀れ(笑)
なんだか、言いたいことのほとんどはリナがわかってたみたいなので省略しました。
でも、頭で分かってても感情が納得できないというのがありますからね。きっと、ゼロスもわかってくれるでしょう。(くれるといいな)

では、次回作楽しみにしています♪

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3472ふぉおさんいつも有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/19-13:31
記事番号3453へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>リナがそう言ったからもしかして、ゼロスは・・・・。
 秘密です(笑)。
>よほどショックだったんですね。
 うーん、やっぱり無理がありました?
>本当に余裕を失ってますね。
 です。
>めちゃくちゃいい魔族ですよね。ゼロスって。
 ちょっと妄想も入ってますし(笑)。
>謝れますよ。自分のしたことがわかってるんですから。
 うーん、それが難しいのよねぇ(笑)。
>この話って、もしかして「人間になる薬」にリンクしてます?
 リンクと言うよりリサイクル(笑)。レス返しの時ショックとか書いてて「一体何がショックだったんだろう?」から連想したという。まぁ、なんてインスタント(爆)。
>だとしたら、好きな人二人にひどいこといわれたゼロスが哀れ(笑)
 あ、言えてる(笑)。
>なんだか、言いたいことのほとんどはリナがわかってたみたいなので省略しました。
 不自然?
>でも、頭で分かってても感情が納得できないというのがありますからね。きっと、ゼロスもわかってくれるでしょう。(くれるといいな)
 そうですよね、くれるといいですよね。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3473小説もどき『悪夢』松原ぼたん E-mail URL7/19-13:32
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。また意味不明なモノを(笑)。
 よろしければどうぞ。

 『悪夢』

「ねぇ、リナさん。魔族って一体どれくらいまで使役出来るんでしょう?」
「はい?」
 アメリアの言葉にリナが怪訝そうな反応を返す。
 見るとアメリアは手に分厚い本を抱きかかえている。
「ゼルガディスさんと魔道書を探していて見つけたんです。高位魔族を使役する方法」
 本当だとしたらとんでもないことである。
 レッサーデーモンならまだしも高位魔族などを悪人に使役されてはとんでもないことになる。
「リナさん、実験してみましょう!!」
「・・・・あのねぇ、アメリア。そんなことしてどうするのよ?」
「もちろん、使役した高位魔族をやっつけて世界を平和にするんですっ」
 世間一般ではそれをだまし討ちという。
「・・・・まぁ、いいけど」
 金儲けになるかもしれないとリナは話に乗った。
「魔法陣とかはあたしが書きますから、リナさん呪文お願いしますね」
 言いながらアメリアが準備をする。
「ところで何を使役するの?」
「手頃なところでゼロスさんにしましょう」
 何がどう手頃なのかは分からないが、とにかくゼロスを使役することにする。
 魔法陣の前に立ち、リナが呪文を唱える。
 もわ〜んと白い煙が立ちこめる。
「え゛!?」
 出てきたのは・・・・小さなゼロスだった。
「何なのよ、一体!?」
「あたしにはわかりません!?」
 それだけならまだしもミニゼロスはどんどん魔法陣から現れる。
「どうにかしてよっ」

 リナは暗闇で目を開いた。
「夢・・・・!?」
 そう呟いて、ふと視線を枕元に向ける。
 無数のミニゼロスがリナの顔を覗き込んでいた。
 リナは現実逃避に成功した。

「あら、こんなところにいたの?」
 リナが気絶した室内で、不意にこんな声が聞こえた。
「急にゼロスがいなくなったかと思ったらこんなところで分裂してるんだからしょうがないわね」
 呟きながらゼラスは辺りを見回す。
「まだ、こんなものが残ってたの?」
 魔法書を手に取る。
「これで本当に成功するのはレイ=マグナス様ぐらいなのに」
 それは過去にレイ=マグナスが書いたものの模写だった。
「さぁ、ゼロス。帰るわよ」
 ミニゼロスがそれに従った。

「・・・・ねぇ、リナさん」
「・・・・なぁに、アメリア」
「・・・・なんかあたし妙にゼロスさんの笑顔が怖いんですけど」
「・・・・あたしもよ」
 テーブルの向こうでゼロスは平然と香茶を飲んでいた。
 果たしてどこまでが夢だったのだろうか。

 これは前に某友人と「あったら怖いスレイヤーズ(笑)」と言う話をしてまして(日々、虚しく過ごしてるなぁ・笑)その時に「夜中に目が覚めてゼロスが複数野顔を覗きこんで『秘密です』とかハモられたら怖い」という話がありまして(ゼロスでなくても怖いわっ)それに適当な設定を足した話です。適当な設定の方が強くなっている気がしますが(笑)。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3475Re:小説もどき『悪夢』ふぉお E-mail 7/19-18:52
記事番号3473へのコメント
ふぉおです。お世話様です♪

>「・・・・あのねぇ、アメリア。そんなことしてどうするのよ?」
>「もちろん、使役した高位魔族をやっつけて世界を平和にするんですっ」
> 世間一般ではそれをだまし討ちという。
正義の名のもとにおいては、それは正しいことなのです!
・・・でも、ひどいですね、アメリア(笑)

>「ところで何を使役するの?」
>「手頃なところでゼロスさんにしましょう」
> 何がどう手頃なのかは分からないが、とにかくゼロスを使役することにする。
お手頃魔族(笑)

> 魔法陣の前に立ち、リナが呪文を唱える。
> もわ〜んと白い煙が立ちこめる。
>「え゛!?」
> 出てきたのは・・・・小さなゼロスだった。
やん♪かわいい(はあと)

>「何なのよ、一体!?」
>「あたしにはわかりません!?」
> それだけならまだしもミニゼロスはどんどん魔法陣から現れる。
きあああああああああああああ(はあと)一つくださいぃぃぃ(壊れた)

>「どうにかしてよっ」
しないでっ!!!!!(笑)

> そう呟いて、ふと視線を枕元に向ける。
> 無数のミニゼロスがリナの顔を覗き込んでいた。
> リナは現実逃避に成功した。
かわいい♪・・・・ちょっと恐いですけど。

>「急にゼロスがいなくなったかと思ったらこんなところで分裂してるんだからしょうがないわね」
分裂(笑)

>「さぁ、ゼロス。帰るわよ」
> ミニゼロスがそれに従った。
わらわらわらわらわらわらわらわらわらわら・・・・う・・・・想像するだけで脳みそが沸騰しました。

>「・・・・ねぇ、リナさん」
>「・・・・なぁに、アメリア」
>「・・・・なんかあたし妙にゼロスさんの笑顔が怖いんですけど」
>「・・・・あたしもよ」
> テーブルの向こうでゼロスは平然と香茶を飲んでいた。
> 果たしてどこまでが夢だったのだろうか。
もし、すべてが現実であったなら、あんな事をされて、それでも平然としているゼロスが恐すぎます(笑)

>その時に「夜中に目が覚めてゼロスが複数野顔を覗きこんで『秘密です』とかハモられたら怖い」という話がありまして(ゼロスでなくても怖いわっ)
でも、ちょっとしあわせ・・・・(笑)

それでは♪

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3492ふぉおさんいつも有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/20-18:55
記事番号3475へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>正義の名のもとにおいては、それは正しいことなのです!
 正義ってそんなものなのね(笑)。
>お手頃魔族(笑)
 けど、この辺の(笑)より融通ききそうだとおもいません。
>やん♪かわいい(はあと)
 まぁ、確かに。
>きあああああああああああああ(はあと)一つくださいぃぃぃ(壊れた)
 そのままだったらあげることも出来たかもしれないんだけどねぇ。
>しないでっ!!!!!(笑)
 ゼロスだけのハーレム(?)状態と化しますよ(笑)。
>かわいい♪・・・・ちょっと恐いですけど。
 ホントに可愛いですか? 暗闇ですよ。
>分裂(笑)
 器用ですねぇ(そういう問題じゃないって)。
>わらわらわらわらわらわらわらわらわらわら・・・・う・・・・想像するだけで脳みそが沸騰しました。
 確かに・・・・(^^;)。
>もし、すべてが現実であったなら、あんな事をされて、それでも平然としているゼロスが恐すぎます(笑)
 日常だったりして。ゼラス様が暇になったら「ゼロス、分裂して」とか言ってたりして(笑)。
>でも、ちょっとしあわせ・・・・(笑)
 幸せすぎて昇天しても知りませんよ(笑)。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3493小説もどき『眠れる???』松原ぼたん E-mail URL7/20-18:56
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。なんとかいまんとこ再掲示せずすんでますね、崖っぷちですか。
 ただし「内容はないよー」的な内容になってますけど(しーん)。
 よろしければどうぞ。

 『眠れる???』

「・・・・遅いわねぇ、ガウリイ」
 あたしは朝食のテーブルでいらいらしながらガウリイを待っていた。
 ・・・・まぁ、料理はすでになかったりはするんだけど。
「いくら何でも遅すぎないか?」
 と、香茶を飲んでいたゼル。
「寝過ごすにしてもいくら何でも。このところ平穏で疲れがたまってる訳じゃないだろう?」
「風邪でも引いたんじゃ・・・・」
 と、心配げにアメリア。
「・・・・な、何よその目は」
「別に」
「何でもありません」
 ・・・・見てくればいいんでしょ、見てくれば。
「行って来る」
 立ち上がると2階へ上がっていった。

「どうでした?」
「どうもこうもないわよ、寝てたわわよ。起こしても起きないぐらいすぴょすぴょと」
 尋ねたアメリアに投げやりに答えた。
 ガウリイは、言葉どおりであった。
 ノックをしても返事がないので、おそるおそるドアを開けると――ガウリイは眠っていた。
 呼ぼうが叩こうが起きやしない。
 次第に腹が立ってくる。
 ・・・・呪文をつかうのはさすがに思いとどまったけど。
「急ぐ訳でなし、今日は足止めだな」
 ゼルの言葉が結論になった。

「まだ寝てるんですか?」
 心配げにアメリアが呟いた。
「何かあったのかもな・・・・? 魔法医も原因が分からないと言ってたし・・・・」
 難しい顔のゼル。
 あの後、あたし達は宿屋のおばちゃんに伝言を頼んで、出かけていた。
 ゼルは魔法書でもないか探しに、あたし達は買い物である。
 夕方、一足先に帰ってきたゼルが、まだガウリイが起きてないのを知り魔法医を呼んだらしいけど・・・・。
「何がなんなんだか?」
 寝ている人を起こす呪文なんか知らない。
 魔法医が出来ないのならアメリアでも無理だろう。
「様子をみるしかないか・・・・、この状況が続くとまずいことになるが」
 だからってどーすればいいのよ!?
「今晩はリナさん」
 不意に後ろ気配が現れる。
「何よ?」
 振り返りもせず尋ねる。
「ここ2、3日現れないかと思ったら・・・・・」
 あることに思いついてあたしは振り返った。
「あんたがやったんじゃないでしょうねぇ、ゼロスっ!?」
 ゼロスの首を締める。
「やってませんってば〜」
 ナサケナイ声出すんじゃない。
 手を離す。
「そうじゃなくて目を覚ます方法を教えて差し上げようかと・・・・」
 そういったゼロスの首を再び締めた。
「はきなさいっ!!」
「リナさん、話さないとはなせませんよ」
 アメリアに言われ、しぶしぶ手を離す。
 ちぃぃ、もう少しだったのに・・・・ぢゃなくて。
「アメリア、魔族の首を絞めたところで効かないんだが」
 ゼルがぼそっとつっこんだ。
「だからってもう一度締めようとしないで下さい。話ませんよ」
 ゼロスの言葉にのばしかけた腕を引っ込める。ちぃぃ。
「どこかのおとぎ話に、眠り続けたお姫様は王子様の口づけで目を覚ますという話がありまして・・・・」
「それが何の関係があるのよ」
「ぶっちゃげた話、誰かがキスすればガウリイさんは目を覚まします」
 ああ、そう・・・・って!?
「・・・・キス? ガウリイに?」
「そうです」
 一瞬、何とも言えない沈黙がおとずれる。
「な、何よ、その目は!?」
「非常事態ですし・・・・」
「この際はずかしがってる場合じゃないだろう?」
 アメリア!? ゼル!?
 一体何が言いたいのよっ!?
「な、何で、あたしが・・・・!? そうよっ、言い出しっぺがするべきよ。ゼロス女装さして」
「リーナーさーんー」
 アメリア、怖い。
「僕としてはそれでもかまわないのですが・・・・」
 かまわないのか?
「やはり女性の方の方がいいと思いますよ」
 言うなりゼロスは姿を消した。
「逃げるなぁー」
 やっぱりかまうんじゃないかっ!?
「リナさん、恥ずかしいならあたし達下に行ってますから・・・・」
「決心がついたらガウリイを起こしてやれ」
 あんたら妙な気を回すんじゃないっ!!
 が、アメリア達は部屋から出てしまう。
 薄暗い部屋でガウリイと二人っきり・・・・。
 こんな状況にのんきに寝ているガウリイが恨めしい。
 ガウリイと・・・・。

「みんなガウリイ起きたわよ」
 あたしの言葉と同時にみんなこっちを向く。
「おはよー」
 後から来た、まだ寝ぼけているらしいガウリイの顔に、いつの間にか戻ってきていたゼロスを含め、みんなの視線が集中する。
「・・・・リナ、お前さん何を考えた?」
 しばらくの絶妙な沈黙の後、ゼルが何とも言えない様な表情で尋ねてきた。
「ガウリイに化粧して、鏡とキスさせた」
 ちなみにガウリイの化粧は未だに落ちてなかったりする。
「まさか、それで目覚めたんですか?」
 驚いた表情のゼロス。実に珍しい。
「・・・・そうだけど」
 おー、ゼロスが固まっとる。面白い。
「この分じゃゼロスさんが女装しても大丈夫だったかもしれませんね」
 アメリアの言葉にとどめでも刺されたのか、ゼロスは何も言わずにその場から消えた。
 ガウリイの姿以上に周りのお客が驚いている。
 ・・・・まぁ、いいけど。
「なんなんだ?」
 と、相変わらず分かっていないガウリイ。
「・・・・とりあえず顔を洗ってこい」
 ゼルが苦虫をかみつぶしたような様な顔で言う。何か嫌なことでも思い出したらしい。
 よく分からないながらも、その言葉に従うガウリイ。
 とりあえず一件落着である。
 ・・・・何が原因なのかは分からないものの。

     *    *    *

「獣王様、どうなってるんです!?」
 群狼の島に帰るなり、ゼロスは上司にそう尋ねた。
「どうって、何が?」
 ゼラスがあでやかに微笑む。
「・・・・さっきはさっきで眠るのがリナさんじゃなくガウリイさんになっていましたし」
「そのことについてはもういいでしょう? さっき言ったじゃない。面白そうだったから、と」
「それはもういいです。いえ、本当は良くありませんけど・・・・」
 ぶつぶつと呟くゼロス。
「どうして鏡とキスすれば目覚めるなんて言う莫迦な設定になってるんです?」
「あら?」
 心底意外そうにゼラス。
「そんなわけないでしょう?」


     *    *    *

「ところでリナさん」
 ふと、思い出したようにアメリアが言った。
「どうしてリナさんも口紅つけてるんですか?」
 しっ、知らないわよ、そんなの。

 最初は最近出番のなかった(笑)ガウリイを出すのが目的だったはずなのに、ずーっと寝ててほとんど動いてませんね。失敗、失敗。
 ・・・・いいんでしょうかね、こんなん書いて。容量をおもっきり無駄にしているような・・・・、再掲示するよりはましかもしれないけど。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3494Re:小説もどき『眠れる???』ふぉお E-mail 7/21-00:20
記事番号3493へのコメント
お世話様です。ふぉおです。あいかわらず、ペース早いですね♪

>「・・・・な、何よその目は」
目は口ほどに物を言うといいますからね。

>「別に」
>「何でもありません」
> ・・・・見てくればいいんでしょ、見てくれば。
>「行って来る」
> 立ち上がると2階へ上がっていった。
結局、心配なんですね?

> 呼ぼうが叩こうが起きやしない。
> 次第に腹が立ってくる。
> ・・・・呪文をつかうのはさすがに思いとどまったけど。
大人になりましたね。リナも(笑)

>「今晩はリナさん」
> 不意に後ろ気配が現れる。
>「何よ?」
> 振り返りもせず尋ねる。
なんだか、少し殺気立ってませんか?

>「そうじゃなくて目を覚ます方法を教えて差し上げようかと・・・・」
> そういったゼロスの首を再び締めた。
>「はきなさいっ!!」
リナが切れかけてる〜。

>「リナさん、話さないとはなせませんよ」
> アメリアに言われ、しぶしぶ手を離す。
> ちぃぃ、もう少しだったのに・・・・ぢゃなくて。
もう少しって・・・・・(^^;;;)ほ・・本気でまさか?

>「アメリア、魔族の首を絞めたところで効かないんだが」
> ゼルがぼそっとつっこんだ。
>「だからってもう一度締めようとしないで下さい。話ませんよ」
> ゼロスの言葉にのばしかけた腕を引っ込める。ちぃぃ。
リナ・・・・・もしかして、どさくさに紛れてゼロスを亡き者に・・・(笑)

>「な、何で、あたしが・・・・!? そうよっ、言い出しっぺがするべきよ。ゼロス女装さして」
いや・・・・それは、起きたガウリイが気の毒かと・・・(笑)

>「みんなガウリイ起きたわよ」
> あたしの言葉と同時にみんなこっちを向く。
>「おはよー」
おはようぢゃないような・・・・・。(笑)

>「・・・・リナ、お前さん何を考えた?」
> しばらくの絶妙な沈黙の後、ゼルが何とも言えない様な表情で尋ねてきた。
>「ガウリイに化粧して、鏡とキスさせた」
おお、そんな手があったとは。・・・・って、そこまでしますか?

> ちなみにガウリイの化粧は未だに落ちてなかったりする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(なにか怪しいものを想像してしまったらしい)

>「この分じゃゼロスさんが女装しても大丈夫だったかもしれませんね」
> アメリアの言葉にとどめでも刺されたのか、ゼロスは何も言わずにその場から消えた。
精神攻撃(笑)

> ガウリイの姿以上に周りのお客が驚いている。
それはそうでしょうねー・・・・・。

>「・・・・とりあえず顔を洗ってこい」
> ゼルが苦虫をかみつぶしたような様な顔で言う。何か嫌なことでも思い出したらしい。
私もいろいろと思い出しました(笑)

>「・・・・さっきはさっきで眠るのがリナさんじゃなくガウリイさんになっていましたし」
ああ、ゼラス様の仕業でしたか。

>「それはもういいです。いえ、本当は良くありませんけど・・・・」
> ぶつぶつと呟くゼロス。
ところで、リナが眠りつづけていた場合、彼女を起こす役目は誰だったんでしょうね?(少し邪推している)

>「どうして鏡とキスすれば目覚めるなんて言う莫迦な設定になってるんです?」
>「あら?」
> 心底意外そうにゼラス。
>「そんなわけないでしょう?」
えっと・・・・では、なぜ????

>「ところでリナさん」
> ふと、思い出したようにアメリアが言った。
>「どうしてリナさんも口紅つけてるんですか?」
> しっ、知らないわよ、そんなの。
・・・と、いうことは♪

> ・・・・いいんでしょうかね、こんなん書いて。
いいんです。(←おまえが言うな)

ひさびさに松原様の正義の仲良し4人組みが見れて、うれしかったりします。
次回楽しみにしてます♪

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3511ふぉおさんいつも有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/21-18:48
記事番号3494へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>お世話様です。ふぉおです。あいかわらず、ペース早いですね♪
 もうすぐ息切れします(笑)。
>目は口ほどに物を言うといいますからね。
 そうそう。余計なことまで伝わって困ってしまふ(笑)。
>結局、心配なんですね?
 そりゃあもう(笑)。
>大人になりましたね。リナも(笑)
 ですよねー。立派になって・・・・(笑)。
>なんだか、少し殺気立ってませんか?
 非常事態ですから。
>リナが切れかけてる〜。
 そりゃあもう(笑)。
>もう少しって・・・・・(^^;;;)ほ・・本気でまさか?
 八つ当たりですね、完全に。
>リナ・・・・・もしかして、どさくさに紛れてゼロスを亡き者に・・・(笑)
 この手のストレスになれてないんでしょう、リナは。だかに八つ当たりがいつもより直接的になっているんでしょう。
>いや・・・・それは、起きたガウリイが気の毒かと・・・(笑)
 大丈夫よ、寝ぼけてて気づかないだろうから(はぁと)。
>おはようぢゃないような・・・・・。(笑)
 ガウリイは単に寝てただけですから。
>おお、そんな手があったとは。・・・・って、そこまでしますか?
 します(きっぱり・笑)。
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(なにか怪しいものを想像してしまったらしい)
 想像するのは自由ですから。
>精神攻撃(笑)
 ええ、もう大ダメージ(笑)。
>それはそうでしょうねー・・・・・。
 フツーは滅多に見られるものじゃありませんからねー。
>私もいろいろと思い出しました(笑)
 あたしも(笑)。
>ああ、ゼラス様の仕業でしたか。
 大概の事はこの方の仕業にしてしまえばすむので、楽と言えば楽です。
>ところで、リナが眠りつづけていた場合、彼女を起こす役目は誰だったんでしょうね?(少し邪推している)
 ご遠慮なく邪推して下さい(はぁと)。
>えっと・・・・では、なぜ????
 何故って、ふふふ。
>・・・と、いうことは♪
 と、言うことです(笑)。
 ただそのままガウリイを起こしたら「リナはガウリイとキスをした」とアメリア達に言って歩いている様な物ですから(笑)。とりあえず理由を考えて化粧してから(起きてからやればいくらクラゲ頭でも不思議におもうでしょうから)、と言うわけです(笑)。
>いいんです。(←おまえが言うな)
 そうですか、それは良かった(笑)。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3505Re:小説もどき『眠れる???』千恵風味 7/21-17:21
記事番号3493へのコメント


> ノックをしても返事がないので、おそるおそるドアを開けると――ガウリイは眠っていた。
 キンチョーの一瞬。

>「様子をみるしかないか・・・・、この状況が続くとまずいことになるが」
> だからってどーすればいいのよ!?
 いやぁ、。心配心配。

>「やってませんってば〜」
> ナサケナイ声出すんじゃない。
> 手を離す。
>「そうじゃなくて目を覚ます方法を教えて差し上げようかと・・・・」
 なんで知ってんのかなぁー?んっんっんっ。

> が、アメリア達は部屋から出てしまう。
> 薄暗い部屋でガウリイと二人っきり・・・・。
 やっちまえぇ!・Byランツ。

>「みんなガウリイ起きたわよ」
> あたしの言葉と同時にみんなこっちを向く。
 みんな、期待してます。 どきどき。・・・わくわく?
>「ガウリイに化粧して、鏡とキスさせた」
> ちなみにガウリイの化粧は未だに落ちてなかったりする。
 うーみゅ。あの美貌じゃ・なぁ・・・
 リナ、考えたね。

>「・・・・さっきはさっきで眠るのがリナさんじゃなくガウリイさんになっていましたし」
>「そのことについてはもういいでしょう? さっき言ったじゃない。面白そうだったから、と」
>「それはもういいです。いえ、本当は良くありませんけど・・・・」
 んっんっんっん。
 どーするつもりだったのかなあ?
>
>「ところでリナさん」
> ふと、思い出したようにアメリアが言った。
>「どうしてリナさんも口紅つけてるんですか?」
> しっ、知らないわよ、そんなの。
 きゃーきゃーきゃー!!

> 最初は最近出番のなかった(笑)ガウリイを出すのが目的だったはずなのに、ずーっと寝ててほとんど動いてませんね。失敗、失敗。
 いえ、じゅーぶんあったって。
 うまいですねぇ。
ほんっと、美味しいです。 隠し味はゼロス・サイドですか?にこにこ。
 アメリアは密かにゼルと『でえと』しちゃってるしー(主に図書館、故にあまり色気はないが・・・)。

 美味しかったです!できればまた、味見させてくださいな。  
                             千恵



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3512千恵風味さん有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/21-18:49
記事番号3505へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

> なんで知ってんのかなぁー?んっんっんっ。
 決まってるぢゃないですか(笑)。
> みんな、期待してます。 どきどき。・・・わくわく?
 やっぱちょっとは(笑)。
> うーみゅ。あの美貌じゃ・なぁ・・・
> リナ、考えたね。
 考えました、いろいろと(笑)。
> どーするつもりだったのかなあ?
 決まってるぢゃないですか(笑)。
> きゃーきゃーきゃー!!
 そう、その通り(笑)。
> アメリアは密かにゼルと『でえと』しちゃってるしー(主に図書館、故にあまり色気はないが・・・)。
 確かに色気はイマイチだすね。
> 美味しかったです!できればまた、味見させてくださいな。  
 有り難う御座います。味にたとえるとなんかえっちくさいですね(笑)。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3513小説もどき『かえる場所』松原ぼたん E-mail URL7/21-18:49
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。崖っぷちです。やばすぎます。まぁ、何の害もないんですけど。
 よろしければどうぞ。

 『かえる場所』

「竜破斬!!」
 ちゅどーん!!
 景気のいい音を立て、盗賊のアジトはつぶれていった。
「リナさん、やりすぎじゃないですが?」
 横でアメリアが心配そうにいう。
「何言ってるの、こんなアジトが残ったらここを拠点にまた悪がはびこるかもしれないわ。ここを潰すのはいわば正義なのよっ」
「そうですね、さすがリナさん」
 アメリアは納得したようだった。
 ・・・・けっして、お宝少なかったからって八つ当たりしてる訳じゃないわよ。
「けど、もし人が巻き込まれでもしたら大事でしたね」
「大丈夫よ、盗賊達はそこに積み上げてあるし・・・・」
 言葉は途中で止まった。
「リナさん、あそこに倒れてるの女の人じゃありません?」
 アメリアがおそるおそる言う。
 確かにその通りだった。
 しかもどうやら盗賊団にはまるで関係ないような・・・・、どうみてもその辺の村娘その1という感じである。。
「やばい」
 アメリアが近づいて彼女に復活をかける。結構やばい状況らしい。
「どうなの?」
「とりあえず怪我は治しましたから大丈夫でしょうけど、ショックのせいか気絶してますね」
「ど、どうしよう?」
 思わずアメリアと顔を見合わせた。

「うーん」
「あ、気がついたみたいです」
 彼女の顔をのぞき込んでいたアメリアが嬉しそうにそういった。
 その後あのまま逃げようかとも思ったのだが、アメリアがそれはいけないと主張し、とりあえずあたし達が泊まっている宿屋に連れてきたんだが・・・・。
「大丈夫ですか?」
 そう尋ねるアメリアに彼女はきょとんとした視線を向けた。
「あの、あたし・・・・」
「大変だったわね。貴方は不幸な事故に巻き込まれたのよ」
 あたしの言いようにアメリアが非難の視線を向けてきたが、当然無視である。
 そう、あれは不幸な事故だったのだ。
「あの・・・・」
 まだ呆然としている彼女。
「その、有り難う御座います。それであたし・・・・帰りたいんですけど」
 をを、話が早い。
 あっさりと帰ってくれれば面倒がなくていい。
「大丈夫そうですね。で、どっちに向かうんです」
 アメリアの言葉に彼女は再びきょとんとした表情になり・・・・。
「あの、あたしどこに帰ればいいんでしょう?」
 はぁ?
 あんたはガウリイかっ。

「・・・・自分の名前すら分からないとはな」
 食堂で彼女の話を聞いたゼルは難しい表情で言った。
「まったく、やっかいなものを背負い込んだもんだな」
「すみません」
 ゼルの言葉に彼女が慌てて謝った。
 不安なのか香茶のカップを包み込むように持っている。
「いや、お前さんの事じゃなくってな・・・・」
 をを、ゼルが慌ててる。珍しい。
「あたしは帰りたいんです。それだけなんです」
 ぽつりと彼女が呟く。
「と、言われても場所が分からないんじゃどうしようもないですし・・・・」
 アメリアの言葉は実に正論だった。
「そのうち思い出すんじゃないか?」
 妙にお気楽なガウリイ。
「あんたの物忘れと一緒にするんじゃないの・・・・」
 はぁー、頭いたい。
「おや?」
 例のごとくいきなり気配が現れた。
 ・・・・また、やっかい事が増えた。
「何でリナさん達がここにいるんです?」
「あんた・・・・あたし達にちょっかい出しに来た訳じゃないの?」
 意外だわ。
「それも悪くないのですが、残念ながらこちらの方に用がありまして・・・・」
 と、彼女に近づく。
「参りましょう」
「はい?」
 彼女の反応を見てゼロスの笑顔がひきつった。
「あのー、リナさん、これはどういう・・・・」
「あたしがしたみたいに言わないでよ。彼女は記憶喪失なの」
「はい?」
 ゼロスがかなり間抜けな顔をする。
「それより、彼女に用ってどういう事なのよ?」
 その問いにゼロスは答えなかった。
「失礼します」
 彼女に何かしたらしい。
「あの・・・・!?」
 彼女はパニック寸前だった。
「・・・・困りましたね」
 言葉通りの表情をするゼロス。本気で困っているらしい。
「何なんです!?」
 彼女はとうとうパニックを起こしたらしい。ヒステリックに叫んだ。
「どうしてこんな事になったの!?あたしはただ帰りたいだけなのに・・・・」
 どうしたらいいか分からなかった。
「・・・・分かりました」
 ゼロスが厳かともとれる口調でそういった。
 次の瞬間、ゼロスの錫杖が彼女の胸に突き刺さっていた。
 食堂が沈黙に満ちる。
 次の瞬間、パニックが辺りに広まった。
「ゼロスさん、いきなり何を!」
 アメリアが叫ぶ。
「帰してあげたんですよ、望み通りに」
 一方ゼロスはひたすら冷静だった。
「帰すというのは殺すと言うことなのか?」
 戦闘態勢のゼル。
「殺す? いいえ返したんです、混沌の海に」
 言ったゼロスはなぜかどこが腹立たしげだった。
「魔族の基準で物を考えるんじゃない!!」
「何を言うんですリナさん?」
 心底不思議そうにゼロスが問う。
「あの方は赤眼の魔王様ですよ」
 あたしは返す言葉を失った。
「もう少しで覚醒するはずだから迎えに行くこと。それが今回の僕の仕事です」
 ゼロスが淡々と話す。
「記憶を失うなど、まだ人間の意識に引きずられていたんですね」
 確かに事故に巻き込まれて記憶を失う高位魔族の話など聞いたことがない。
「あの方の望みは魔族にとって絶対。おひとりで混沌の海に返られるなんて・・・・」
 ・・・・そうか。
 それがゼロスのいらだちの原因なんだ。
 いつの間にか彼女の姿は塵となり消えていった。
 それが何よりも彼女の素性を物語っていた。
 何も言わずゼロスは姿を消した。
 辺りはまだざわめいていた。
 あたしはどう動いていいか分からず、そこに立ちつくしていた。

 この話はかなりつっこみが出来ますね。こんな魔族いたら・・・・面白いかもしんない(爆)。
 あ、ゼロスに倒されたのは完全に覚醒してない上に記憶をなくしているからです。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3519Re:小説もどき『かえる場所』ふぉお E-mail 7/22-01:02
記事番号3513へのコメント
お世話様です。ふぉおです。がけっぷち・・・・・・そろそろ、私も他人事じゃなくなります(謎)

>「竜破斬!!」
> ちゅどーん!!
> 景気のいい音を立て、盗賊のアジトはつぶれていった。
・・・い・・・いきなり(^^;;;)

>「何言ってるの、こんなアジトが残ったらここを拠点にまた悪がはびこるかもしれないわ。ここを潰すのはいわば正義なのよっ」
>「そうですね、さすがリナさん」
> アメリアは納得したようだった。
それで納得するのがアメリアのアメリアたる所以ですね。

>「大変だったわね。貴方は不幸な事故に巻き込まれたのよ」
> あたしの言いようにアメリアが非難の視線を向けてきたが、当然無視である。
> そう、あれは不幸な事故だったのだ。
そうです。流れ弾に当たったようなものです。それに、そもそも、あんなところをうろうろしているほうが悪いんです。

>「その、有り難う御座います。それであたし・・・・帰りたいんですけど」
> をを、話が早い。
> あっさりと帰ってくれれば面倒がなくていい。
お金にならないことになると、あっさりとしてますね。

>「あの、あたしどこに帰ればいいんでしょう?」
> はぁ?
> あんたはガウリイかっ。
ガウリイ2号(笑)

>「いや、お前さんの事じゃなくってな・・・・」
> をを、ゼルが慌ててる。珍しい。
ぷぷぷ。アメリアには弱いゼル♪

>「そのうち思い出すんじゃないか?」
> 妙にお気楽なガウリイ。
>「あんたの物忘れと一緒にするんじゃないの・・・・」
ガウリイひどいいわれよう(笑)

>「あんた・・・・あたし達にちょっかい出しに来た訳じゃないの?」
> 意外だわ。
>「それも悪くないのですが、残念ながらこちらの方に用がありまして・・・・」
> と、彼女に近づく。
悪くないって(笑)暇なら絶対にちょっかいかけてましたね(笑)

>「あのー、リナさん、これはどういう・・・・」
>「あたしがしたみたいに言わないでよ。彼女は記憶喪失なの」
・・・・・リナのせいじゃないんですか?

>「・・・・困りましたね」
> 言葉通りの表情をするゼロス。本気で困っているらしい。
ものすごくめずらしいですね。

>「何を言うんですリナさん?」
> 心底不思議そうにゼロスが問う。
>「あの方は赤眼の魔王様ですよ」
・・・・・・・え?

> あたしはどう動いていいか分からず、そこに立ちつくしていた。
この後のフォローって・・・・。

> この話はかなりつっこみが出来ますね。こんな魔族いたら・・・・面白いかもしんない(爆)。
かなり楽な戦いになるでしょう。(笑)

でも、ルビーアイ様が、まさか自分を源とした術で、よりによって記憶喪失って(笑)

それでは次回作、楽しみにしています♪

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3530ふぉおさんいつも有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/22-16:21
記事番号3519へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>がけっぷち・・・・・・そろそろ、私も他人事じゃなくなります(謎)
 お互い大変ですねぇ(大変の度合いが違うって)。
>・・・い・・・いきなり(^^;;;)
 リナですから(笑)。
>それで納得するのがアメリアのアメリアたる所以ですね。
 アメリアですから(笑)。
>そうです。流れ弾に当たったようなものです。それに、そもそも、あんなところをうろうろしているほうが悪いんです。
 をを、リナ化している・。
>お金にならないことになると、あっさりとしてますね。
 ここで「あたしをこんな目に遭わした犯人を捜して下さい、お礼はします」とかいったらどうなったんだろう(笑)。事故を信じてるのならそうはならないですけど。
>ガウリイ2号(笑)
 増殖ガウリイ(意味不明)。
>ガウリイひどいいわれよう(笑)
 酷いですね、確かに。一応ガウリイは真剣ですから(笑)。
>悪くないって(笑)暇なら絶対にちょっかいかけてましたね(笑)
 そりゃあもう(笑)。
>・・・・・リナのせいじゃないんですか?
 さっ、さぁ(^^;)。
>ものすごくめずらしいですね。
 ですね。
>この後のフォローって・・・・。
 リナ達は逃げました(笑)。
>かなり楽な戦いになるでしょう。(笑)
 うん(はぁと)。
>でも、ルビーアイ様が、まさか自分を源とした術で、よりによって記憶喪失って(笑)
 術が原因じゃなくてそれでとんだ石が頭にぶつかって・・・・(笑)。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3531小説もどき『古の契約』松原ぼたん E-mail URL7/22-16:22
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。さらに訳のわかんない話です。
 それでもよろしければどうぞ。

 『古の契約』

(ヴォルフィードめ・・・・)
(異世界に送り込むとは)
(我らは武器形態を取るように創造られている)
(こんなところでは満足に動くことも出来ない)
(おまけに封印などと・・・・)
「ゴルンノヴァよ」
(この世界の住人・・・・間なるものか。何故我の名を知っている?)
「この姿をとっているとはいえ、人間とはかぎらんよ。ダークスターの部下である汝が武器形態をとるように」
(・・・・魔族か。何者だ?)
「シャブラニグドゥ」
(・・・・この世界の魔王か。何故そんな姿をとる?)
「こっちもいろいろあったのだ。スィーフィードに7つに分けられ、人間に封印された。その欠片の一つだよ。もともと人間の姿をとるのは好きではあったがね」
(ヴォルフィードの様な事を言う・・・・)
「神族などど一緒にされてはかなわないがまあいい。それよりもこちらの用件を言おう」
(何だ!?)
「しばらく我が一族に仕えてみぬか」
(!? 仕えるとは・・・・!?)
「先の戦争でこちらの魔族も疲弊している。魔王の意識が復活しても気づかぬぐらいにな・・・・」
(ならば、自ら伝えればいい)
「私も疲れているのだ。意識はもどれど力は戻らぬ。ただその辺の人間よりほんの少し強いと言うだけでな」
(それで何がしたい?)
「私はこの一族の血の中に潜み、力をためよう。汝はその間血脈を守ってくれればいい。力の戻った暁には汝を元の世界に帰すと約束しよう」
(取引か、悪くない。だが分かっているだろう、我は満足に動くこともできん。いずれは封印の効力で意識すらもまともに保てなくなるだろう。残念だっなた)
「いや、それでもかまわぬ」
(かまわない、だと?)
「そうだとしても汝がこの世界の最高級の武器であることには変わりあるまい。汝は受け継がれるときに私が潜む血の方を選んでくれさえすればいい。それで充分じゃよ」
(・・・・なるほどな。好きにするがいい)
「よろしく頼む」
(・・・・・・・・・)
「もう意識をなくしたか。・・・・私も少々疲れた。後はこの一族が魔族の体に適すのをゆっくりと待つとしよう・・・・」

 えっと時期としては・・・・何時ぐらいになるんでしょう? スィーフィードが滅びる原因となった戦いってなんて言いましたっけ? とにかく大昔です(爆)。
 なぜ『光の剣』のみ人の手にああもわかりやすく(笑)あったんだろうという事から始まりました。
 もっともこのまま行くと『ガウリイ=シャブラニグドゥ説』とか出てきそうですけどガウリイはおそらく違うでしょうね。あれだけ冥王と接触してるんですからもしそうだったら気づいたでしょう、たぶん。・・・・あ、面白いかも(笑)。今度やってみよう。
 もっともそもそも血に潜むなんて出来ないと思いますけどね。
 この設定、もう一つぐらい話が出来そうです。今のところ収集がつかないので書きませんが。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3544Re:小説もどき『古の契約』ライム E-mail 7/22-22:03
記事番号3531へのコメント

> どうも松原です。さらに訳のわかんない話です。
> それでもよろしければどうぞ。

 松原さんだ〜。こんにちは〜。(なれなれしい・・・。)

> 『古の契約』
>
>(ヴォルフィードめ・・・・)
>(異世界に送り込むとは)
>(我らは武器形態を取るように創造られている)
>(こんなところでは満足に動くことも出来ない)
>(おまけに封印などと・・・・)
>「ゴルンノヴァよ」

 ゴルンノヴァ様っ!!

>(この世界の住人・・・・間なるものか。何故我の名を知っている?)
>「この姿をとっているとはいえ、人間とはかぎらんよ。ダークスターの部下である汝が武器形態をとるように」
>(・・・・魔族か。何者だ?)
>「シャブラニグドゥ」
>(・・・・この世界の魔王か。何故そんな姿をとる?)
>「こっちもいろいろあったのだ。スィーフィードに7つに分けられ、人間に封印された。その欠片の一つだよ。もともと人間の姿をとるのは好きではあったがね」
>(ヴォルフィードの様な事を言う・・・・)

 ロリキャナル?アダルト?(笑)

>「神族などど一緒にされてはかなわないがまあいい。それよりもこちらの用件を言おう」
>(何だ!?)
>「しばらく我が一族に仕えてみぬか」
>(!? 仕えるとは・・・・!?)
>「先の戦争でこちらの魔族も疲弊している。魔王の意識が復活しても気づかぬぐらいにな・・・・」
>(ならば、自ら伝えればいい)
>「私も疲れているのだ。意識はもどれど力は戻らぬ。ただその辺の人間よりほんの少し強いと言うだけでな」
>(それで何がしたい?)
>「私はこの一族の血の中に潜み、力をためよう。汝はその間血脈を守ってくれればいい。力の戻った暁には汝を元の世界に帰すと約束しよう」
>(取引か、悪くない。だが分かっているだろう、我は満足に動くこともできん。いずれは封印の効力で意識すらもまともに保てなくなるだろう。残念だっなた)
>「いや、それでもかまわぬ」
>(かまわない、だと?)
>「そうだとしても汝がこの世界の最高級の武器であることには変わりあるまい。汝は受け継がれるときに私が潜む血の方を選んでくれさえすればいい。それで充分じゃよ」
>(・・・・なるほどな。好きにするがいい)
>「よろしく頼む」
>(・・・・・・・・・)
>「もう意識をなくしたか。・・・・私も少々疲れた。後はこの一族が魔族の体に適すのをゆっくりと待つとしよう・・・・」
>
> えっと時期としては・・・・何時ぐらいになるんでしょう? スィーフィードが滅びる原因となった戦いってなんて言いましたっけ? とにかく大昔です(爆)。

 5000年くらい前でしたっけ?

> なぜ『光の剣』のみ人の手にああもわかりやすく(笑)あったんだろうという事から始まりました。

 私の場合だと『ガブリエフの人間に惚れたから。』という、
 訳の分からない理由なんですが(笑)。

> もっともこのまま行くと『ガウリイ=シャブラニグドゥ説』とか出てきそうですけどガウリイはおそらく違うでしょうね。あれだけ冥王と接触してるんですからもしそうだったら気づいたでしょう、たぶん。・・・・あ、面白いかも(笑)。今度やってみよう。

 赤ガウリイだ(にやり)

> もっともそもそも血に潜むなんて出来ないと思いますけどね。
> この設定、もう一つぐらい話が出来そうです。今のところ収集がつかないので書きませんが。
>
> お付き合い有り難う御座いました。
> ではまた、ご縁がありましたなら。

 ゴルンノヴァいいです〜。ゴルンノヴァ×ガウリイ…。
 嬉しかったです。お話、ありがとうございました。

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3566ライムさん有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/23-16:56
記事番号3544へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

> 松原さんだ〜。こんにちは〜。(なれなれしい・・・。)
 こんにちはー。
> ゴルンノヴァ様っ!!
 好きですね、ゴルンノヴァ。
> ロリキャナル?アダルト?(笑)
 アダルト、かな?
> 5000年くらい前でしたっけ?
 うーん。
> 私の場合だと『ガブリエフの人間に惚れたから。』という、
 をを、なるほどっ。
> 赤ガウリイだ(にやり)
 なるほど、赤なのね。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3549Re:小説もどき『古の契約』ふぉお E-mail 7/23-00:26
記事番号3531へのコメント
お世話様です。ふぉおです。一日1話三日で三話ですね♪(意味不明)

>「この姿をとっているとはいえ、人間とはかぎらんよ。ダークスターの部下である汝が武器形態をとるように」
>(・・・・魔族か。何者だ?)
>「シャブラニグドゥ」
わ♪ルビーアイ様♪

>(・・・・この世界の魔王か。何故そんな姿をとる?)
>「こっちもいろいろあったのだ。スィーフィードに7つに分けられ、人間に封印された。その欠片の一つだよ。もともと人間の姿をとるのは好きではあったがね」
エビカニ姿よりは動きやすそうですし。

>「先の戦争でこちらの魔族も疲弊している。魔王の意識が復活しても気づかぬぐらいにな・・・・」
だれかきずいてあげてください〜・・・・って、ルビーアイ様が7枚おろしになったぐらいですから、その部下たちも疲弊というより、半死状態ですね、きっと。

>「私はこの一族の血の中に潜み、力をためよう。汝はその間血脈を守ってくれればいい。力の戻った暁には汝を元の世界に帰すと約束しよう」
約束は・・・・ある意味では果たされましたね。

> なぜ『光の剣』のみ人の手にああもわかりやすく(笑)あったんだろうという事から始まりました。
そう言われてみれば確かに。

> もっともこのまま行くと『ガウリイ=シャブラニグドゥ説』とか出てきそうですけどガウリイはおそらく違うでしょうね。あれだけ冥王と接触してるんですからもしそうだったら気づいたでしょう、たぶん。・・・・あ、面白いかも(笑)。今度やってみよう。
ぜひぜひ♪で、リナも魔王の1部だったりすると、すごいことになりそうですけど。

> もっともそもそも血に潜むなんて出来ないと思いますけどね。
でも、魔族ですから。

> この設定、もう一つぐらい話が出来そうです。今のところ収集がつかないので書きませんが。
では、収集がつきましたらぜひ(はあと)

武器になったり、宇宙船になったり、ゴルンノヴァさんも大変ですね。

それでは♪

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3567ふぉおさんいつも有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/23-16:56
記事番号3549へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>お世話様です。ふぉおです。一日1話三日で三話ですね♪(意味不明)
 ちょーっと、ペース狂いましたねー。
>わ♪ルビーアイ様♪
 アイキャッチのが一番好きです(はぁと)。
>エビカニ姿よりは動きやすそうですし。
 いや、なれれば・・・・。
>だれかきずいてあげてください〜・・・・って、ルビーアイ様が7枚おろしになったぐらいですから、その部下たちも疲弊というより、半死状態ですね、きっと。
 疲れてるでしょうねぇ。
>約束は・・・・ある意味では果たされましたね。
 イレギュラーですけどね。
>そう言われてみれば確かに。
 ですよね。
>ぜひぜひ♪で、リナも魔王の1部だったりすると、すごいことになりそうですけど。
 そりゃなりますけど・・・・ガウリナがナルシズムの変形との区別が付かなくなりますが。
>でも、魔族ですから。
 うーん、便利な言葉。
>武器になったり、宇宙船になったり、ゴルンノヴァさんも大変ですね。
 あ、言えてる(笑)。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3569小説もどき『滅びの中』松原ぼたん E-mail URL7/23-16:56
記事番号3531へのコメント
 どうも松原です。
> もっともこのまま行くと『ガウリイ=シャブラニグドゥ説』とか出てきそうですけどガウリイはおそらく違うでしょうね。あれだけ冥王と接触してるんですからもしそうだったら気づいたでしょう、たぶん。・・・・あ、面白いかも(笑)。今度やってみよう。
 そういう話です(爆)。ちょっと違いますが・・・・。
 よろしければどうぞ。

 『滅びの中』

 僕が滅びる・・・・。
 そんな莫迦な・・・・。
 まだ、世界を滅ぼしていないのに・・・・。
 僕が滅ぶだなんて・・・・。
 重破斬の結果がこれ・・・・。
 反則だよ、あの方が出てくるなんて。
 かなうはずがないじゃないか・・・・。
 まぁ、いいさ。いずれれ世界は滅びるんだから。
 間近で対峙して分かったよ。
 まだ覚醒めていないけれど間違いはない。
 悔やめばいい、リナ=インバース。
 君が世界を滅ぼしてでも守ろうとした男は赤眼の魔王様なんだ。
 いずれ世界は彼と北の魔王様によって滅ぼされるんだ。
 それでも戦える?
 それともまだ世界を見捨てる?
 最後に笑うのはこの僕なんだ。
 僕が味わった恐怖と絶望を味わえばいい。
 僕は混沌の海でそれを見物させてもらうよ。
 さようなら、リナ=インバース・・・・。

 と、言うわけでフィブリゾの滅ぶ間際の独白です。
 しかしこの理論で行くと、覚醒してないとはいえ上司を利用したことになりますね。彼はどのみち上に滅ぼされる運命を持っていたんでしょう(笑)。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3570小説もどき『決断』松原ぼたん E-mail URL7/23-16:56
記事番号3531へのコメント
 どうも松原です。
> この設定、もう一つぐらい話が出来そうです。
 そういう話です(ちょっと違う)。
 よろしければどうぞ。

 『決断』

 今日、妹が家に男を連れて来た。
 将来その人と結婚したいという。
 常々、妹が連れてくる相手なら間違いはないだろうと思って反対はしないつもりだった。
 事実、相手は多少ぽやっとしているものの好青年で、人格的にはなにも問題は内容に見えた。
 別に外見が悪いという訳ではない。そんな些細な事は問題じゃない。
 どうしてよりによって彼を選んだのだろう?
 話にだけ聞いたことがある、シャブラニグドゥに選ばれた一族があると。
 その一族の中でかけらが目覚めると比較にならないほど強い力を有すると。
 一目見て分かった。彼がその一族のものだと。
 彼がそうだという訳ではない。
 けど、どうしよう。もし妹と彼が結婚し、子供が生まれたら・・・・。
 ほぼ間違いなくシャブラニグドゥとして目覚めてしまう。
 もともと妹の中のかけらを封じ込めたのは私だった。
 分かった時点で殺してしまうべきところを妹可愛さのあまりそうしなかった。
 もし、彼の血が混じった器に気づいたなら、間違いなくかけらはそちらに移るだろう。
 そしてそれに呼応して彼の血の中に潜むものも・・・・。
 7つのうち2つ分の力を持つシャブラニグドゥに私たちは勝てるだろうか?
 妹は・・・・子供を殺すことはできるだろうか?
 あの日私は妹を殺せなかった。
 決断は間違っていたんだろうか?
 こうしてまた決断を迫られる。
 まだ魔族でも連れて来たほうがましだった。
 どうなるか分かっていても祝福するべきなの?
 それとも悲しむと分かっていながら反対すべきなの?
 私は・・・・甘いの?

 郷里の姉ちゃんの独白です。独白形式は書くの多少楽ですねー(笑)。
 いや、実のところまとまらないところをさけてます。そういう事です。
 笑ってごまかせ、はははははは・・・・・・。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3558Re:とりあえずご挨拶(再掲示リクエスト) 7/23-12:35
記事番号3424へのコメント
こんにちは。いつも松原さまの小説(主にゼラス様が出てくるもの・笑)を
読ませていただいている、と申します。

リストのほう、見させていただきました★つきましては、
『創造』シリーズ全6話を読ませていただきたいので、再掲示して貰えると嬉しいのですが・・・。
どこかで説明みたいなものをお見かけして以来、読みたくて読みたくてたまらなかったんです。

松原さまの書かれるゼラス様が大好きなんです♪どこでも言っているのですが私はゼラゼロ狂なので(苦笑)
しっとりとした、でも底冷えするような艶やかなゼラス様が大好きです♪
『魔物』はなんだか、ゼラス様やるせなくって最高でした・・・(感涙)ああ・・・キスシーンだ・・・きす・・(狂喜)
本編にも出てきませんかね・・・ゼラスさま・・・

私は学校のPCからネットしているので、完璧に夏休みに入ってしまうと、実は
次はいつここに来れるかも判らないのですが(大汗)
そんな私にでもよろしければ、ぜひ『創造』シリーズを・・・

それではこの辺にて。暑いですね、海に行きたいなあ。

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3568松原ぼたん E-mail URL7/23-16:56
記事番号3558へのコメント
>こんにちは。いつも松原さまの小説(主にゼラス様が出てくるもの・笑)を
>読ませていただいている、と申します。
 どうも、松原です。
>『創造』シリーズ全6話を読ませていただきたいので、再掲示して貰えると嬉しいのですが・・・。
 了解しました。
>どこかで説明みたいなものをお見かけして以来、読みたくて読みたくてたまらなかったんです。
 そんな大したものぢゃないですよ。
>しっとりとした、でも底冷えするような艶やかなゼラス様が大好きです♪
 素敵ですよねー。
>本編にも出てきませんかね・・・ゼラスさま・・・
 出てきたら出てきたで「イメージがー」ってわめくんでしょうね(笑)。
>私は学校のPCからネットしているので、完璧に夏休みに入ってしまうと、実は
>次はいつここに来れるかも判らないのですが(大汗)
 学校ですが。お金がかからないのはいいですけど、休みの時は大変ですね。

 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3572再掲示『創造(つく)りし手』松原ぼたん E-mail URL7/23-17:31
記事番号3568へのコメント
 再掲示です。よろしければどうぞ。

 『創造(つく)りし手』

 僕が最初に見たものは白い綺麗な一対の手でした。
 細くのびた指、爪は神経質に見えるほど形が整っていて白く艶のあるマニキュアが塗られていました。
 それが視界を覆っていたのです。
 ぼんやりとした意識がはっきりはっきりしてきた頃、その手がすっとどけられ、僕はそのお姿を見たのです。
「起きなさいゼロス。私の獣神官」
 それが最初に聞いたお言葉でした。
 僕がゆっくりと身を起こすのを獣王様はじっと待っておられました。
 そして向かい合う形になったとき獣王様は言ったのです。
「私はゼラス=メタリオム。獣王であり貴方の母なるものです」
 正直僕は戸惑いました。
 僕たち魔族は生まれた時から、いいえ、生まれる前から知っているのですから。
 魔族の宿命、あの方のこと、何方に創造られたか、その方がどういう地位でありどういう役目を担っているか、そしてその方に絶対服従であることも。
 つまり僕の母であり、上司でもある獣王様は部下に対して挨拶も説明もする必要はないのです。
 後で聞いた事ですが生まれたとたんに命令をされたなどと言う話もいくらでもあるらしいのですから。
 僕の戸惑いが出ていたのか獣王様はどこかおかしそうに微笑されました。
「ゼロス。確かに私は貴方を創造り出しました。何も言わずとも貴方は私に従ってくれるでしょう。しかし私はそれを望みません。もし貴方が私に仕える以外の生き方を望むのならそうしなさい。私は貴方の上司である前に貴方の母なのですから」
 その考えは魔族にとってかなり奇異なものでした。
 魔族に向かって生き方など・・・・獣王様以外の魔族が言ったならせせら笑っていた事でしょう。
 しかし、このとき僕は喜びに打ちふるえました。
 獣王様にお仕え出来る事に。
 獣王様と共に魔族として生きられる事に。
 それは紛れもなく僕の意思でした。
 僕はその場に膝を付くと恭しく一礼しました。
 獣神官ゼロスとして。

 これはスレパロとしてはかなり初期に書いたものですね。ああ、文章力が上がってない(^^;)。
 あたしの「ゼラス様のイメージは手」がおそらく一番顕著に現れてます。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3573再掲示『創造(つく)られしもの』松原ぼたん E-mail URL7/23-17:32
記事番号3568へのコメント
 再掲示です。よろしければどうぞ。

『創造(つく)られしもの』

「ゼロス、冥王が貴方を貸してくれるように、と言ってきました」
「はい?」
 獣王様のそのお言葉に僕は首を傾げました。
「何故ですか?」
 思わずそう尋ねると獣王様はこうおっしゃいました。
「冥王の部下はとっくに滅んでいますから」
 それは僕も知っている事です。
「ある計画のために手足となるものがほしいとのこと。本来ならばこの様な要請を受ける必要はないのですけど、こちらにも事情があります」
 まだ冥王様が細かい事を言い始めたのだろうという予想は僕でもつきます。
 あの人の考えることは魔族の中でも飛び抜けてすばらしいですから。
「何を考えているのです?」
「いいえ、何も」
 皮肉を考えている場合ではありませんでしたね。
「それで」
 言いながら獣王様は足を組み替えられました。
 これは獣王様の・・・・癖ですね。
「ゼロス、お願いできて?」
「もちろんです」
 僕は即答しました。
 いくら個人的に冥王様が気に入らなくとも、それが獣王様の意に従わぬ理由になるはずはありません。
「そうでしょうね。貴方ならそう言うでしょうね」
 獣王様はどこか悲しそうに微笑なされました。
「何故そんな顔をなさるのです?」
「いいえ、何でもありません。それより今回の冥王の計画の全容ですが・・・・」
 計画を聞いて僕は何故そんな表情をなされたのか理解しました。
 今度の計画は消滅の危険性をともなうものでした。
 滅びはすべての魔族が望むものです。
 無論、僕も例外ではありません。
 しかし、まだ僕は滅びるわけにはいかないのです。
 獣王様とともに世界が滅びるのを見届けるまで。
「行って参ります獣王様」
 僕は一礼すると精神世界に飛びました。
 言葉にしなくとも結果で示せば良いのですから。

 ここのゼラス様は『足』ですね(笑)。要するにOPと最終回に影響を受けまくっているという。
 某友人に「おみ足が・・・」とかいってたら「あんた性別は?」とつっこまれました。

 お付き合い有り難う御座いました。
 だはまた、ご縁がありましたなら。

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3574再掲示『創造(つく)られし世界』松原ぼたん E-mail URL7/23-17:32
記事番号3568へのコメント
 再掲示です。よろしければどうぞ。

 『創造(つく)られし世界』

 あの方がお創造りになった世界はなんと退屈なものなのでしょう。
 魔族でいる以上、あの方には絶対服従。
 他のいきとし生けるもの。
 純魔族を見ればおびえるしか出来ない弱いもの。
 そんな世界を何故お創造りになったのでしょう。
 世界を滅ぼす日まで、この退屈は続くのでしょうか。

 人間。
 弱く、おびえるしか出来ないもの。
 そう、ずっと思っていました。
 魔竜王が人間と融合し、反乱を起こしたと知るまで。
 おびえる事しか出来ないもの。
 従うことしか出来ないもの。
 その二つが融合して、どうして反乱を起こすなどと思えましょうか。
 僕はその時、初めて糧でしかないと思っていた人間に興味を覚えました。

 人間の中に混じって過ごした事もありました。
 人間は親切で優しくて狡くて自分勝手な生き物でした。
 しかし、僕が魔族と知ったときの反応は皆同じでした。
 怯えるという感情は虚しいものですね。
 いくらそんなことをしても虚しいだけだというのに。
 所詮、結果は同じなのです。
 あなた方はいずれ滅びるのですから。

 これは『創造』シリーズ的には外伝に当たります。なぜならゼラス様が出ていないから(笑)。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3575再掲示『創造(つく)られし意志』松原ぼたん E-mail URL7/23-17:32
記事番号3568へのコメント
 再掲示です。よろしければどうぞ。

 『創造(つく)られし意志』

「それは本当ですか? 北の魔王様」
 僕は獣王様の横に従いながらその言葉をぼんやりと聞いていました。
「諄い。間違いなくリナ=インバースは私の一部。シャブラニグドゥ7分の1の欠片の一つだ」
 リナさんが赤眼の魔王様の欠片の一つ・・・・、つまりは魔族と言うことですか・・・・。
 僕がその時の心情を一体どう表せばいいのでしょう。
「あの方の憑依、魔族との戦い、そんな中で既にリナ=インバースの封印は弱まっている。今なら少し介入すれば簡単に破れるはずだ。少しはグラウシェラーも役に立ったようだな」
 そう、北の魔王様が仰るのを聞きながら、僕は多少、感情というものを多少持て余していた。

「リナさん、失礼します」
 運良く一人で居たリナさんを捕まえた僕は、早速彼女の意識を眠らせました。
 獣王様の元に連れていきます。
「ゼロス、ご苦労様」
 獣王様は僕にそう言うとゆっくりと、横になったまま宙に浮かび、微動だにしないリナさんに近づきました。
 そっと獣王様の指がリナさんの額にふれると、彼女の身体がびくん、と弓なりになり、そしてその状態からゆっくりと地面に降り立つと、その両目を開きました。
 その赤い眼は、どんなリナさんの眼でもありませんでした。
 獣王様が膝を付くのを見て僕も慌ててそれに倣います。
「ゼラスか・・・、久しいな。我はどのくらい眠っていたのだろうか・・・・」
 姿形は違えども、それは北の魔王様と同じ赤眼の魔王様のものでした。
 僕は正直失望を覚えました。
 そして同時に安堵もしていたのです。
 リナさん自身は魔族ではなかったのだと。
「お久しぶりに御座います、赤眼の魔王様」
 特に何の感慨も抱いていないのか、北の魔王様と同じように獣王様は接しています。
「北の魔王様の命により、貴方様の覚醒を促しました。これからどうなさいますか?」
「どう、か」
 リナさんの姿をした赤眼の魔王様はしばし沈思黙考なさいました。
「我は再びこの娘の中で眠りにつこうと思う」
「はぁ?」
 僕は間抜けにもそう聞き返しました。
「どういうことなのでしょうか?」
 獣王様は不思議なほど落ち着いておられました。
「あの時、赤の竜神が人間の心に我が欠片を封じたのは何のためだった?」
「では、人間ごときに浄化されたと?」
 僕は思わずそう叫びました。
 人間が侮れないと言うことは分かっています。
 しかし魔王様の欠片が浄化されるかどうかとなれば、話は別です。
「人間ごとき、か。・・・・我も今、人間ぞ」
 赤眼の魔王様はどこかおかしそうに笑いました。
「それに分かるのだ。リナ=インバースという人間はなかなか面白い。この人間として生きてみるのも一興だろう」
「例え、私たちと戦うことになってもですか?」
 獣王様がどこか挑むような調子で尋ねられました。
「無論。我が欠片がそれを望むなら」
 僕はそれを聞いて何故か嬉しくなりました。
 リナさんは魔王様の欠片に影響を与えるほど確固たる自分自身を創造ったのです。
「この姿での最初で最後の命令だ。我が意識が眠りし後、この人間を元の場所に戻しておくように」
「畏まりました」
「あの方の力を借りた呪文は使えなくなるが・・・・こればかりはあきらめてもらわないとな」
 リナさんの姿をした赤眼の魔王様はそうひとりごちるとゆっくりと目を閉じました。
 崩れ落ちるリナさんの身体を支えながら僕は僕は獣王様に尋ねました。
「よろしかったんですか?」
「いいのです。彼女ならこんな風になるのではと思っていました」
 僕は腕の中のリナさんを見つめました。
 確かに僕の知っているリナさんはそんな人間です。
「では、リナさんを元の場所に戻してまいります」
 僕は獣王様にそう言うとリナさんを抱えたまま精神世界面へと飛びました。
 僕の知っているリナさんは間違いなく運命に逆らう人です。
 例え、そのために戦うことになろうとも。

 これはゼラス様が直接どうこうはあまりしてませんね(って、このシリーズの主役ってゼラス様だったのね・笑)。これとこの次のは完全にリンクしてますから伏線みたいなもんだと思って下さい。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3576再掲示『創造(つく)られし命』松原ぼたん E-mail URL7/23-17:32
記事番号3568へのコメント
 再掲示です。よろしければどうぞ。

 『創造(つく)られし命』

「リナ=インバースのコピーを作るのだ」
 獣王様の報告を聞いた北の魔王様の命令は、あまりにもトートツなものでした。
「何故でしょうか?」
 獣王様もそうお思いになったのか、そう尋ねられました。
「たかが人間の人格とはいえ、それほどまでに私の欠片に影響を与えるのならその人間の人格を変えてしまえばいい。コピーを作り、それに悪の限りを尽くさせろ。覚えのない憎悪が自分に向いているとなれば、やがてリナ=インバースは世の中を憎むようになるだろう」
 確かにそれはあり得ることでしょう。
 リナさんでなければですが。
「恐れながら、あまりにも空論すぎるのではありませんか?」
 獣王様が仰いました。
「おやめになった方がよろしいかと・・・・」
「私に逆らうのか?」
「いいえ、すべては仰せのままに」
 北の魔王様の鋭い声に、獣王様は頭を下げられました。
「ならば、――行け」
「はっ」
 獣王様が、続いて僕が精神世界面に飛び込みました。

「ゼロス。私の獣神官」
 帰るなり、獣王様は僕にそう仰いました。
「どうかなさいましたか?」
「予感、というものを信じますか?」
「予感、ですか? 失礼ですがそれは人間の感じる不安の裏返しでは?」
 不安だからこそ良い予感と称して自分を励まし、悪い予感と称して不安をよけいに募らせるものではないのでしょうか?
「私もそう思っていました」
 獣王様は瞳を閉じて、何かを考えられている様でした。
「ゼロス、私はこれから北の魔王様の命に当たります」
「では僕は・・・・」
「いいえ、ゼロス。貴方には何も命じようとは思っていません」
 僕は思わず獣王様の顔をまじまじと見つめました。
「予感がするのです。今度の命で私は滅びることとなるでしょう。そして北の魔王様自身も。それは魔族に――私に対する宿命です。けれどゼロス、貴方までそれに殉じる必要はないのです」
「ですが獣王様・・・・」
「貴方にはそれ以外の選択肢があります。違いますか?」
 違うと言い切ることは出来ませんでした。
「ゼロス、貴方は貴方の思うとおりに生き、世界がどうなるか見届ける事も出来るのです」
 言葉こそ違えど、それは最初に獣王様が僕に示した選択と同じ意味でした。
 その答えは既にその時に出ているのです。
「滅びなければならないというのなら、共に滅びましょう。僕は貴方の獣神官なのですから」
 僕はあの時決めたのですから。
 獣王様に仕えること。獣王様と共に世界を滅ぼそうとする事。
 そして、世界より何より、獣王様と共に滅ぶこと。
「有り難うゼロス」
 その言葉と共に僕は身体に獣王様の重みを感じました。
「貴方を創造って良かった・・・・」
 すべては一瞬の出来事でした。
 次の瞬間には赤眼の魔王様の腹心としての表情をしていました。
「ではゼロス、コピーを創造るためにオリジナルであるリナ=インバースを連れてこなければなりません。お願い出来て?」
「もちろんです、ゼラス様」
 僕は貴方の獣神官なのですから。
 貴方のために創造られた命なのですから。

 はい、これはSFCの話をベースにしています。あれ、結構好きなんですね。高位魔族に妙な愛着があるせいでやりにくいことこの上ないですが。ボスを倒さなきゃおわんないって。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3577再掲示松原ぼたん E-mail URL7/23-17:33
記事番号3568へのコメント
 再掲示です。よろしければどうぞ。

 『創造(つく)られし宿命』

「ここから先の獣王様のもとへ行かせるわけにはいきません。どうします?」
 そう問うた時、目の前のリナさんに似て否なるものは、多少躊躇したようでした。
「・・・・そうね、今戦ってもあんたには勝てないかもしれない・・・おとなしく引き下がった方がいいのかもしれない」
「そうですか。あなた方とはいいお友達になれそうですよ」
 僕はにっこり笑っていいました。
 内心、彼女をバカにしながら。
 確かに、貴方のオリジナルはリナさんかもしれませんけど、所詮コピーはコピーにすぎないんだと。
「けどね」
 彼女がいいました。
「ここで引き下がったら自分の存在が何なのか、ずっと分からないまま過ごさなければならないのよ。そんなのごめんだわ」
「そうですか・・・・」
 多少考えを改めるべきでしょうか。
 コピーでもリナさんはリナさんと。
「しかし僕も意地でもあなた方を進ませるわけにはいきません。この獣神官ゼロスの名にかけて」
 決してオリジナルにはなれない創造られしコピー。
 そして、ガウリイさん、アメリアさん、ゼルガディスさん。
 お手並み拝見と行きましょうか。

「・・・・・・」
 僕は身体から力が抜けていくのを感じました。
 膝が地面に落ちます。
「この僕が・・・」
 リナさん以外の。
「人間に・・・・」
 ガウリイさん達がすまなそうにこっちを見ています。
 まったく、お人好しですね。あなた方はリナさんを助けたかったんでしょう。
 北の魔王様、やはり貴方の計画は空論でしたよ。既に悪い噂が流れていたにも関わらず、リナさんにはこれだけの仲間がいるんですから。
「あまく・・・・」
 そして、創造られしコピー。
 我々の意図に背いた出来損ない。
 どうあがいてもオリジナルにはなれませんよ。
 戦っていて分かりました。
 貴方は既に違う道を歩んでる。
 創造られしものでも自分の道の歩めることを証明したのです。
「ゼラスさ・・・・」
 僕はもうすぐ滅びます。
 もう貴方様にお仕えする事も出来ないでしょう。
 とても残念です。
 いま、初めて生きたいと願う人間の気持ちがほんの少し分かったような気がします。
 僕は貴方様に創造られしもの。
 貴方様も北の魔王様に創造されしもの。
 しかし、創造られしものでも自らの道を歩めるのです。
 それは今、目の前の少女が証明してくれました。
 どうか後悔だけはなさらぬよう・・・・・。

 ゼラスはその時ゼロスの断末魔の想いを感じた。
 それでも魔王の腹心としての表情を崩さなかった。
 しかし、その頬には一筋――涙が流れ落ちた。

 うーん、ゼラス様の出番少ないですね(笑)。これもSFCの話です。台詞一部対応してます。それを調べるためにもっかいゼロスを倒して(セーブ一つそこで止まってます。もう一つはガウリイの「シルフィールは苦手なんだよ」の前で(笑)、もう一つは最終ボス戦のところです)「ゼロス様ごめんなさい」とか言ってたという。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3571小説もどき『遠き日々』松原ぼたん E-mail URL7/23-16:57
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。
 ・・・・一体、どういう話なんでしょう?
 よろしければどうぞ。

 『遠き日々』

 ある村に良い剣を作ると評判の鍛冶屋がありました。
 その鍛冶屋に2人の大変なかの良い兄妹がおりました。
 2人は大変によくできた兄妹でした。
 兄のロッドは剣の腕に優れ、それ故どんな剣がより扱いやすいか心得ておりました。
 妹のレミーは剣の腕はそこそこ、剣を大切にし、手入れを怠りませんでした。
 鍛冶屋の将来は安泰、そう誰もが思っておりました。
 しかし世の中はそう上手くいきませんでした。
 ある日泥棒が鍛冶屋に入ったおり、父親が鉢合わせした末にもみ合いになりその辺りにあった剣で切られ死んでしまいました。
 そのショックで母親はすっかり弱ってしまい、後を追うようにあっさりと死んでしまいました。
 何となく居づらくなった兄妹は家財を処分し、旅に出ることにしました。
 しかし目指している方向がほんの少しだけ違いました。
 そこで「年に1度落ち合って剣の腕を競い合う」という約束をし、行き先を分かちました。
 ロッドが目指したものは父の敵を討つことでした。
 それを探す道中、情報収集のためもあり傭兵などをしていました。
 しかしだんだんと父の敵討ちよりも人を殺すことそのものに夢中になり始めました。
 こうしてロッドは人切りとなったのです。
 一方レミーは両親への思慕が変形し、それが形見でもある剣に向けられはじめました。
 それが刃物全般に向けられるまでさほど時間はかかりませんでした。
 剣に名前をつけ、良く切れるよう手入れをし、その剣でどれだけものが切れるのかを試すのが生き甲斐となりました。
 こうしてレミーは刃物マニアとなったのです。
 平和な鍛冶屋での風景は今や遠き日々です。

 はい、ロッドとレミーの過去話です。か、あり得る訳ないだろ、こんなの(笑)。
 いや、最初はロッドとレミーの会話と考えてたんだけど。
「兄さんのギールくん、どうなったの?」
「ギール君とは?」
「兄さんが前に持ってたゼフィーリア製のロングソードの事よ」
「ああ、あれは前におれてしまってまってな」
「まぁ、可哀想に・・・・」
「で、今はこの剣を持っているのだが・・・・」
「まぁ、ランドくん。反りぐわいが何ともいえないわ」
「ランド君と言うのは・・・・」
 ・・・・おいおい、誰がつっこめよ。
 でなきゃ。
「今まで切ったものではレッサーデーモンが一番切りごたえがあるわね」
「そうか? 人間の切りごたえもなかなか・・・・」
「今度試してみるわ」
 ・・・・怖いよぉぉ。
 に、なるのでやめました(笑)。
 だからってこんな過去は絶対ないでしょう(だったら書くな)。
 父親が鍛冶屋ってのはまだいいですけど、剣を打ちながら「ふふふ、この色つや。これなら何人も人が切れるに違いない」とか言ってるってのなら説得力あるんですけど(笑)、怖いからそんなの書きたくない。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3582Re:小説もどき『遠き日々』ふぉお E-mail 7/23-23:47
記事番号3571へのコメント
松原ぼたんさんは No.3571「小説もどき『遠き日々』」で書きました。
> どうも松原です。
> ・・・・一体、どういう話なんでしょう?
> よろしければどうぞ。
>
> 『遠き日々』
>
> ある村に良い剣を作ると評判の鍛冶屋がありました。
> その鍛冶屋に2人の大変なかの良い兄妹がおりました。
> 2人は大変によくできた兄妹でした。
> 兄のロッドは剣の腕に優れ、それ故どんな剣がより扱いやすいか心得ておりました。
> 妹のレミーは剣の腕はそこそこ、剣を大切にし、手入れを怠りませんでした。
> 鍛冶屋の将来は安泰、そう誰もが思っておりました。
> しかし世の中はそう上手くいきませんでした。
> ある日泥棒が鍛冶屋に入ったおり、父親が鉢合わせした末にもみ合いになりその辺りにあった剣で切られ死んでしまいました。
> そのショックで母親はすっかり弱ってしまい、後を追うようにあっさりと死んでしまいました。
> 何となく居づらくなった兄妹は家財を処分し、旅に出ることにしました。
> しかし目指している方向がほんの少しだけ違いました。
> そこで「年に1度落ち合って剣の腕を競い合う」という約束をし、行き先を分かちました。
> ロッドが目指したものは父の敵を討つことでした。
> それを探す道中、情報収集のためもあり傭兵などをしていました。
> しかしだんだんと父の敵討ちよりも人を殺すことそのものに夢中になり始めました。
> こうしてロッドは人切りとなったのです。
> 一方レミーは両親への思慕が変形し、それが形見でもある剣に向けられはじめました。
> それが刃物全般に向けられるまでさほど時間はかかりませんでした。
> 剣に名前をつけ、良く切れるよう手入れをし、その剣でどれだけものが切れるのかを試すのが生き甲斐となりました。
> こうしてレミーは刃物マニアとなったのです。
> 平和な鍛冶屋での風景は今や遠き日々です。
>
> はい、ロッドとレミーの過去話です。か、あり得る訳ないだろ、こんなの(笑)。
> いや、最初はロッドとレミーの会話と考えてたんだけど。
>「兄さんのギールくん、どうなったの?」
>「ギール君とは?」
>「兄さんが前に持ってたゼフィーリア製のロングソードの事よ」
>「ああ、あれは前におれてしまってまってな」
>「まぁ、可哀想に・・・・」
>「で、今はこの剣を持っているのだが・・・・」
>「まぁ、ランドくん。反りぐわいが何ともいえないわ」
>「ランド君と言うのは・・・・」
> ・・・・おいおい、誰がつっこめよ。
> でなきゃ。
>「今まで切ったものではレッサーデーモンが一番切りごたえがあるわね」
>「そうか? 人間の切りごたえもなかなか・・・・」
>「今度試してみるわ」
> ・・・・怖いよぉぉ。
> に、なるのでやめました(笑)。
> だからってこんな過去は絶対ないでしょう(だったら書くな)。
> 父親が鍛冶屋ってのはまだいいですけど、剣を打ちながら「ふふふ、この色つや。これなら何人も人が切れるに違いない」とか言ってるってのなら説得力あるんですけど(笑)、怖いからそんなの書きたくない。
>
> お付き合い有り難う御座いました。
> ではまた、ご縁がありましたなら。

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3584ひやあぁぁ。うえのはまちがいです。ふぉお E-mail 7/24-00:38
記事番号3582へのコメント
おせわさまです。ふぉおです。・・・・・いつかやるんじゃないかということをやってしないました。申し訳ないです。

「滅びの中」
フィブ君の話ですね?

>反則だよ、あの方が出てくるなんて。
たしかに。(苦笑)まさか、あんな結果になるなんて。

>君が世界を滅ぼしてでも守ろうとした男は赤眼の魔王様なんだ>いずれ世界は彼と北の魔王様によって滅ぼされるんだ。
>それでも戦える?
>それともまだ世界を見捨てる?
リナは・・・・・どうするんでしょうね。

>覚醒してないとはいえ上司を利用したことになりますね。彼
> はどのみち上に滅ぼされる運命を持っていたんでしょう(笑)。
・・・・・合掌。

「決断」
ルナお姉様(はあと)

>一目見て分かった。彼がその一族のものだと。
さすがはお姉様。

>7つのうち2つ分の力を持つシャブラニグドゥに私たちは勝てるだろうか?
力的には、勝てそうな気もしないでもないんですけど・・・・・

>妹は・・・・子供を殺すことはできるだろうか?
絶対無理でしょうから。

>まだ魔族でも連れて来たほうがましだった。
・・・・・・・ゼロスでも?

 『遠き日々』

> 兄のロッドは剣の腕に優れ、それ故どんな剣がより扱いやすいか心得ておりました。
> 妹のレミーは剣の腕はそこそこ、剣を大切にし、手入れを怠りませんでした。
なんだかまともですね?(何を期待していた)

> しかしだんだんと父の敵討ちよりも人を殺すことそのものに夢中になり始めました。
> こうしてロッドは人切りとなったのです。
う・・・・・お父さんが殺されなかったら、そんな人生歩まずにすんだのですね?

> 剣に名前をつけ、良く切れるよう手入れをし、その剣でどれだけものが切れるのかを試すのが生き甲斐となりました。
> こうしてレミーは刃物マニアとなったのです。
何かに名前をつける気持ちはわかるけれど・・・・・(汗)

>「今まで切ったものではレッサーデーモンが一番切りごたえがあるわね」
>「そうか? 人間の切りごたえもなかなか・・・・」
>「今度試してみるわ」
> ・・・・怖いよぉぉ。
ためさないでぇぇl!!!!!!(笑)

> 父親が鍛冶屋ってのはまだいいですけど、剣を打ちながら「ふふふ、この色つや。これなら何人も人が切れるに違いない」とか言ってるってのなら説得力あるんですけど(笑)、怖いからそんなの書きたくない。
でも、この親があってこそ、あの兄妹ありと言うことで。・・・そうなると、お母さんが気になります。料理屋で動物をさばくのが好きだとか?

それでは♪

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3585ひいい。上のはミスです。ふぉお E-mail 7/24-00:40
記事番号3582へのコメント
おせわさまです。ふぉおです。・・・・・いつかやるんじゃないかということをやってしないました。申し訳ないです。

「滅びの中」
フィブ君の話ですね?

>反則だよ、あの方が出てくるなんて。
たしかに。(苦笑)まさか、あんな結果になるなんて。

>君が世界を滅ぼしてでも守ろうとした男は赤眼の魔王様なんだ>いずれ世界は彼と北の魔王様によって滅ぼされるんだ。
>それでも戦える?
>それともまだ世界を見捨てる?
リナは・・・・・どうするんでしょうね。

>覚醒してないとはいえ上司を利用したことになりますね。彼
> はどのみち上に滅ぼされる運命を持っていたんでしょう(笑)。
・・・・・合掌。

「決断」
ルナお姉様(はあと)

>一目見て分かった。彼がその一族のものだと。
さすがはお姉様。

>7つのうち2つ分の力を持つシャブラニグドゥに私たちは勝てるだろうか?
力的には、勝てそうな気もしないでもないんですけど・・・・・

>妹は・・・・子供を殺すことはできるだろうか?
絶対無理でしょうから。

>まだ魔族でも連れて来たほうがましだった。
・・・・・・・ゼロスでも?

 『遠き日々』

> 兄のロッドは剣の腕に優れ、それ故どんな剣がより扱いやすいか心得ておりました。
> 妹のレミーは剣の腕はそこそこ、剣を大切にし、手入れを怠りませんでした。
なんだかまともですね?(何を期待していた)

> しかしだんだんと父の敵討ちよりも人を殺すことそのものに夢中になり始めました。
> こうしてロッドは人切りとなったのです。
う・・・・・お父さんが殺されなかったら、そんな人生歩まずにすんだのですね?

> 剣に名前をつけ、良く切れるよう手入れをし、その剣でどれだけものが切れるのかを試すのが生き甲斐となりました。
> こうしてレミーは刃物マニアとなったのです。
何かに名前をつける気持ちはわかるけれど・・・・・(汗)

>「今まで切ったものではレッサーデーモンが一番切りごたえがあるわね」
>「そうか? 人間の切りごたえもなかなか・・・・」
>「今度試してみるわ」
> ・・・・怖いよぉぉ。
ためさないでぇぇl!!!!!!(笑)

> 父親が鍛冶屋ってのはまだいいですけど、剣を打ちながら「ふふふ、この色つや。これなら何人も人が切れるに違いない」とか言ってるってのなら説得力あるんですけど(笑)、怖いからそんなの書きたくない。
でも、この親があってこそ、あの兄妹ありと言うことで。・・・そうなると、お母さんが気になります。料理屋で動物をさばくのが好きだとか?

それでは♪

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3588ふぉおさん有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/24-06:57
記事番号3585へのコメント
 お読み下さり有り難う御座います。

>おせわさまです。ふぉおです。・・・・・いつかやるんじゃないかということをやってしないました。申し訳ないです。
 良くあることですね。
>リナは・・・・・どうするんでしょうね。
 ホントにどうするんでしょう?
>・・・・・合掌。
 お気の毒(笑)。
>さすがはお姉様。
 お姉様(移った)は何か超越していらっしゃいますから(笑)。
>力的には、勝てそうな気もしないでもないんですけど・・・・・
 確かに。
>絶対無理でしょうから。
 ですよね。
>・・・・・・・ゼロスでも?
 それ前提(笑)。
>なんだかまともですね?(何を期待していた)
 いや、まともな方が切れたとき怖いですよ。
>う・・・・・お父さんが殺されなかったら、そんな人生歩まずにすんだのですね?
 どうかなぁ?
>何かに名前をつける気持ちはわかるけれど・・・・・(汗)
 あたしもわかる(^^;)。
>ためさないでぇぇl!!!!!!(笑)
 あ、けど既に切ってるでしょうね。
>でも、この親があってこそ、あの兄妹ありと言うことで。・・・そうなると、お母さんが気になります。料理屋で動物をさばくのが好きだとか?
 うーん、確かに。
 けど本当の父親は魔道士ですよ。書き忘れてたけど。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3586Re:とりあえずご挨拶ゆかり E-mail 7/24-01:33
記事番号3424へのコメント
はじめまして(^^)
松原さんの小説はいつもかかさず、読まさせていただいています。

さっそくリストの方を見させていただいたのですが、リクエストをしてもよろしいでしょうか??
メール配布されたという「光闇」シリーズをお願いしたいのですけれど・・・

よろしくお願いします。



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3589ゆかり様松原ぼたん E-mail URL7/24-06:57
記事番号3586へのコメント
>はじめまして(^^)
 初めまして。
>さっそくリストの方を見させていただいたのですが、リクエストをしてもよろしいでしょうか??
>メール配布されたという「光闇」シリーズをお願いしたいのですけれど・・・
 すみません、それは元がメール配布と言うこともあり掲示をする予定は今のところないんです。
 もしよろしければメールか私書箱にでもお送りしますが。

 本当にすみません。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3598松原様へゆかり E-mail 7/25-01:28
記事番号3589へのコメント
レスありがとうございます(^^)

>すみません、それは元がメール配布と言うこともあり掲示をする予定は今のと
>ころないんです。
そ、そうですよね(^^;;
無理言ってすみません。

>もしよろしければメールか私書箱にでもお送りしますが。
え、よろしいんですか??
それではメールの方に、送ってもらえませんでしょうか。

よろしくお願いします。

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3590小説もどき『感情 揺れる』松原ぼたん E-mail URL7/24-06:58
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。
 前回書き忘れましたがロッドとレミーの父親は本来は魔道士です、あしからず。すべしゃる読めばほかりますけど。
 どっちかと言えば(笑)ロスユニパロです。よろしければどうぞ。

 『感情 揺れる』

「ケイン、通信が入ってます」
「うわっ」
 いきなり自室に現れたキャナルの姿に、正直かなり驚いた。
「な、なんだよ、ここには来るなっていわなかったか!?」
 半ばどもりながら文句をいう。
「何度呼んでも返事をしない方が悪いんです」
 キャナルは不機嫌そうにいった。
 これはよほど長い間気づかなかったらしい。参ったな。サイ・ブレードいじってると我を忘れるからな。
「えーっと、通信だったよな。コックピットにすぐいくからつないどいてくれ」
 こういう時はごまかすに限る。通信などどいう具体的な用事でよかった。下手にどうにでもなる用だったらキャナルがそれをそっちのけでどんなことをしだすか・・・・。
「分かりました」
 言葉と同時にキャナルは姿を消した。やれやれ。と、くつろいでばかりもいられない。ここでくずぐずしちゃ今度こそキャナルが何をいうか分からないからな。
 急いでコックピットに向かう。
「マスターはすぐに参りますのでもうしばらくお待ちください」
 扉越しにキャナルのやけに愛想のいい声が聞こえる。本当に外面はいい。
 軽い音を立てて扉が開く。
「あ、来たみたいです。代わりますぅ」
 その言葉と同時に目の前にスクリーンが現れた。あっぶねぇなぁ。
「なんだレイルか」
 そういえば通信相手聞いてなかったな。
『なんだとはごあいさつだな。機嫌でも悪いのか?』
 みょーににこにことレイル。
「ああ、たった今、悪くなった」
 こっちは愛しいサイ・ブレードの手入れ中だったんだぞ。
『まぁ、そっちの機嫌なんかどうでもいい。仕事の依頼があるんだが・・・・』
「断る。こっちは休暇中だ」
『休暇中? そのわりに宇宙船の中にいたようだが?』
「勝手だろう」
 ・・・・実のところミリィの乗って行った連絡艇と宇宙船の停泊料払うが精一杯でホテル代まで回らなかったから、この際ゆっくりサイ・ブレードの手入れでもしようとここにいるのだが、そんなことまでレイルにいう必要はない。
『かなり金にもなる話なんだが・・・・』
「お金(はぁと)」
 横で聞いていたキャナルの方が反応した。
「ねぇ、ケイン〜、この依頼うけましょうよ」
 依頼内容すら聞いてないのになに考えてるんだよ。
「無茶言うな、大体ミリィはどうするんだよ。探すのも一苦労だぞ」
 ミリィは休暇をいいことに「宇宙一になれるものはないか探して来るわ」と言ってどこかへ出掛けてしまったのだ。一体どうしてそこまで宇宙一にこだわるのか。ちょっと理解できない。
「うーん、どうしましょう?」
 本気で考えてる様にしか見えない。やれやれだ。・・・・まぁ、確かに金に困っているのだが。
『「レイル様、コーヒー入りました」ああ、ありがとうニーナ。そこにおいといてくれ』
 レイルはレイルでほかのことに気を取られているし、この隙に回線きっちゃろか。
「で、金額はいかほど・・・・」
 キャナルっ、なにもわざわざ話を戻さなくてもいいだろ。
『そうだな、前金で二千ってところでどうだ? 残りの八千は成功したら払おう』
「合計一万(はぁと)」
 ・・・・この分だと、本気でミリィおいて来かねねーな。
「受けないぞ、俺は」
 どう考えても怪しすぎる。
「えー、受けてくださいよぉ」
「何と言おうと駄目なものは駄目」
 いくらトラ・コンでも危ない橋をわたるがシュミってわけじゃない。
「受けてくれないと生命維持装置止めちゃいますよ」
 ・・・・また、それかよ。嫌だと言ったら本気で止めるからなぁ。
「分かった。じゃあミリィが帰って来たら考えよう」
「えー」
 案の定不満そうなキャナル。
『こちらとしては返事は急いでもらえる方がありがたいんだが』
 レイルもたまにはいいことを言う。
「ケイン、受けてくださいよぉ」
「受けないとは言ってないだろ。ただミリィが帰って来ない事にはどうしようもないと言ってるだけで」
 で、ミリィが見つからず、依頼が急ぐものと言うことは受けずにすむと言うわけだ。
『仕方ないな、この依頼はどこかほかに・・・・』
 おー、回せ回せ。
「待ってください、レイル警部」
「何だよキャナル、無理を言うと・・・・」
「ケイン」
 キャナルがひたっとこっちを見据える。
「ミリィさえ帰って来ればお仕事受けるんですね?」
「あ、ああ」
 半ば迫力におされ返事をしてしまったが、どのみち状況が変わったわけじゃない。
「そう」
 ところがキャナルはにっこりとうれしそうに笑った。
「依頼、お受けしますレイル警部」
 スクリーンに向かって言う。
「こらまで、だからミリィが・・・・」
「だっだいまぁ。聞いてよあたしミス大福餅コンテストで優勝したのよ」
 ・・・・だからミリィが。
「言い忘れてましたけど、ミリィの乗った連絡艇ついてますから」
 キャナルがすまして言う。
 何の気配も感じなかった。遺失宇宙船の性能、こんなところに利用してどーする。
『話は決まったな、で依頼の内容だが・・・・』
 もうヤケだ。何でも気やがれ。
『猫を探してもらいたい』
 はぁ?
 今まで子猫の柄のカップを探してくれって依頼ならあったが、星間警察直々に高い金出して猫かぁ?
「ペット探し。得意中の得意よ。もと探偵の血が騒ぐわ」
 ミリィはミリィでなんか燃えてるし。今までのやりとり知らないとは言えのんきなもんだ。
『猫と言ってもその辺の猫じゃない。姿形はこのとおりだが・・・・』
 スクリーンにどう見てもふつーの特徴のない黒猫の姿が映し出される。
「キャナル、記録」
 しかし、実物と照らし合わせてもわからんなこれは。宇宙中の黒猫を連れていかなきゃならないかもしれないな。
『これはヴァーチャルペットだ』
「ヴァ・・・・」
 莫迦言うな!!
「ヴァーチャルペットって言ったらティスプレイとかハンディパソコンで飼うやつでしょ? そりゃ時々逃げ出すって言うけど、それはあくまでも比喩の話で・・・・」
 そう、ミリィの言うとおり。そんなことはあり得ない。
『ところがそれは回線をつたってどこかへ行ってしまった』
「ポストペットみたいですね。もっともあれは完全なプログラムでしたけど」
 意味不明のことをいうキャナル。
『依頼料が高いわけが分かっただろ。お偉いさんの孫娘が可愛がってたとかでね、公私を混同しないでもらいたいよ』
 スクリーンの中でレイルが肩を竦める。
「けど、見つけたらそうとう見返りがあるんでしょ、やっぱり」
 キャナルの言葉にレイルの頬に一筋汗が浮かんだが、んなことは依頼料で一目瞭然だ。
「ま、いいわ。ケイン、キャナル準備よろしく」
「分かったわ」
 張り切ってコックピットを出て行くミリィ。おいおい、どんな準備をする気だよ。
「ほら、ケインも早く」
「分かったよ」
 適当に時間をつぶして来ればいいか。どうせ口止め料の交渉でもするんだろ。

「キャナル、もういいか?」
 コックピットに入ると、そこに猫がいた。
「きゃ、キャナルどうしたの!? 食べ物持ち込んだだけで怒るのに動物を入れるなんて」
 後から来たらしいミリィがある意味鋭い突っ込みをする。
「動物って、これさっきレイル警部が言ってたヴァーチャルペットですよ」
 キャナルが平然と答える。
「ヴァーチャルってどう見たって本物・・・・」
 いや、それも問題だけど。
「大体、探すはずのものがどうしてこんなところにあるんだよ?」
「いいじゃない、楽で」
 ・・・・ミリィ、そういう問題じゃないだろう。
「レイル警部と通信している間に飛び込んで来ました。隠すの苦労したんですから」
 ・・・・もういい、どうでも。
「わかった、何でもいいからとっとこレイルのとこへもってって依頼料をもらって来ればいいんだろう?」
 そしたらまたサイブレードの手入れができるってわけだ。
「ところがそうも行かないんです」
 表情を一転、まじめなものに変えるキャナル。
「これはどう考えても現代の科学技術でできるものじゃありません」
 ・・・・考えて見ればそうだった。
 キャナル何かと付き合ってるせいで多少疎くなっていたが、確かにおかしい。
 そっと、猫に手を触れる。毛並みの感触から体温までがはっきりと感じられる。
「本物じゃないの?」
 同じように触ったミリィがもっともな感想を述べる。
「これはもとかして・・・・」
「そう、どちらかといえばあたしに近いものです」
 真剣な表情で頷くキャナル。
「ちょっと、何なのよ、全然わかんないわよ!?」
 ミリィの抗議はこの際無視だ。
「キャナル、依頼料はいらないかも知れないがいいか?」
「かまいませんよ。ケインがちゃんとレイル警部に説明してくれるなら」
 くっそー、めんどくさい事ばっかり押し付けやがって。
「だから何だっていうのよ!?」
 あーもー、うっさいなー。
「キャナル、この猫に関する詳しいデータを」
「はい、マイマスター」
「無視しないでよぉー」

「ねぇ、これって泥棒っていわない?」
 ミリィが愚痴る。
「あのなー、いつもやってるだろうが、これくらいのこと」
 原因は分かっている。ちゃんと説明しなかった事を根にもってるんだ。
 にしても・・・・いいかげん切れるぞ。
「ケイン、セキュリィが解けません。いえ、解除するのにかなりの時間を要します」
 固い声でキャナル。
「さすが本拠地、一筋縄では行かないってわけか」
 キャナルが強制侵入して調べたところによるとあのネコは名目上個人がプログラミングしたことになっていた。
 が、そんなのはどうにでもなる。『ソードブレーカー』だって名目上はそうなっている。
 で、プログラマーやらなんやらいろいろ調べたところどうやらこの工場が本拠地らしい。詳しいことは知らないが。
「どうします?」
「どうって・・・・」
 いいながらサイ・ブレードの刃を出す。
「こうするに決まってるだろっ」
 扉に切りつけた。快感。
 ものすごい音をたてて破片が向こう側に落ちる。
「ケイン、そんなことして中にセンサーでもあったら・・・・」
 キャナルが顔色を変える。
「・・・・何も起こらないみたいね」
 ミリィがポツリと言う。
「覚えときなキャナル。人間一カ所丈夫なところがあれば、ついついそこに頼り過ぎて外は甘くなるもんだ」
 実は余りの音に一瞬びびったんだか・・・・そんなことはわざわざ言う必要もないしな。
「そ、そーなの?」
 引きつるキャナル。結果的に大丈夫だったんだから細かいことは気にするな。
「いこーぜ」
 足を踏み入れる。
 中は外以上に真っ暗だった。サイ・ブレードが懐中電灯がわりになるってのも情けない話だが。
「待ってよ」
 ミリィの声に振り返ると抱いていた黒猫から手を離して懐中電灯にスイッチを入れるところだった。
 こんなところまで連れて来る必要はないと言ったんだが、猫が妙にミリィになついて離れたがらないのだからしょうがない。
 と、離れたがらないはずの猫が真っすぐこっちに向かって来て、横を擦り抜けた。
 あわてて方向転換し追いかける。ミリィとキャナルもついて来た。
「な・・・・」
 やがて、サイ・ブレードの光が何か大きなものを照らした。
「宇宙船?」
 ミリィがいう。その通りだが恐らくそれだけじゃない。
「・・・・どうして遺失宇宙船が?」
 キャナルの言葉がすべてを物語っていた。

 我に返ったのはすぐ側で猫の鳴き声を聞いてからだった。
「おまえ・・・・」
 足元で猫がのんきに鳴いている。
「ノヴァ?」
 不意に聞き覚えのない声が聞こえた。
 それに反応してか猫が動き出す。
 キャナル達と目で頷き合い、出来る限り音を立てないように後を追う。
 猫がたどり着いたのは一人の女性の下だった。
 影から見るかぎり人間ではない。体が薄ぼんやりと光っていて、そのせいで後ろ姿だったがはっきりと見えた。
 そう、まるで映像時のキャナルの様に。
 やがて、その光が消え、闇との判別が難しくなる。どうやら猫を抱き上げた様だ。
 キャナルが何かショックを受けたかのようによろめいた。
 キャナルがよろめいたところで音を出そうとでもしない限り問題はないのだが、それに驚いたミリィが懐中電灯を落とした。
 その物音に彼女が振り向く。特に驚いた様子はない。当然だろう、中にいたのなら扉をぶった切った時の音を聞いている。それにおびえたりしていないのはのんきに猫を抱いているという行動で分かる。
 ミリィが落とした懐中電灯を拾い彼女を照らす。
 ・・・・次の瞬間、我が目を疑った。光の中に浮かんでいたのはミリィだったからだ。
 しかしそれは光の生んだ錯覚で、次の瞬間にはどことなくにているものの別人だと言うことが分かる。
「リシェス・・・・」
 むしろキャナルの方が驚きが大きかった。弾かれたかの様に彼女にかけよる。
 彼女が驚いた表情を浮かべる。
 そのときになりようやく後を追いかけるという考えが浮かんだ。実行する。
「ヴォルフィード様・・・・」
 彼女がキャナルに向かってそういうのをミリィがぼうぜんと見つめている。
「久しぶりね、リシェス」
 キャナルがいつもより大人びた口調で離す。姿もいつものものから変えていた。
「わたしをうらんでいますか? ディグラディグドゥに一時でも賛同したことを・・・・」
「ちょっとキャナル、何いってるのよ」
 ミリィが囁いてくる。
「俺だってわかんねぇよ」
 ただ、あのリシェスって呼ばれた女はキャナルの昔なじみなんだろうということは分かる。
「ちょっとキャナル、何なの?」
 ミリィ、返事が気に食わないからって直接聞きに行くことはないだろうが。一応場の流れってもんがあるだろ。
「キャナル、と呼ばれていらっしゃるんですか?」
 しかし口を開いたのはリシェスのほうだった。
「そう。それが今のわたし・・・・」
「幸せですのね」
「ええ、ある意味では・・・・」
「ちょっとぉ、あたしにも分かるように説明してよ」
 ・・・・だからミリィ、場の流れってもんが・・・・。
「ぜひ、我々にも分かるように説明してほしいですなぁ」
 言葉とともに天井に一斉に明かりが灯る。まぶしいじゃないかっ。
 いつの間にか囲まれていた、闇に乗じて近づいたらしい。
「な、何で分かったの!?」
 叫ぶミリィ。
「あのなぁ、あれだけ大きな音がして気づかないと思ってたのか?」
 律義に答えるおっさん。
「やっぱりあの方法はまずかったみたいですねー」
 と、いつの間にか元の姿に戻ったキャナル。この非常時に芸が細い。
「あんた、なに落ち着いてるのよ、どうやって逃げる気?」
 いざとなればサイ・ブレードできりかかりゃいいってこと忘れてるな、ミリィ。
「大丈夫です」
 あっさりとキャナルが言った。
「上はがら空きですから」
 確かに間違ってはいないが、普通は・・・・待てよ。
 俺たちが追い詰められてるのは壁際じゃない。すぐ横にあるのは遺失宇宙船。メインコンピューターは恐らく・・・・。
「リシェス、お願い」
「はい」
 返事とともに開くハッチ。リシェス、ミリィ、キャナルの順でなかに入る。
 入り込もうとした警備員を蹴り落としたところでハッチが閉まる。
 コックピットに向かっているうちに、既に宇宙船は浮かび上がっていた。
「天井に穴、空けられる?」
「エネルギーが・・・・」
 そんな会話が交わされるコックピットでミリィはぼうぜんと突っ立っていた。何をしていいか分からないんだろう。俺もにたようなもんだかな。
「ちょっとケイン、手伝ってください」
 せっぱ詰まったキャナルの声。
「こら、キャナル、手伝えったって何を・・・・?」
 いい返しながら近づく。
「エネルギー、達しました」
 おいおい、何がなんだか。
「やったわ、さすがケインの精神力」
 俺は電池か!?
「ミリィ」
「何よ?」
「サイ・ブラスターで天井を打ち抜いてください」
「オッケイ」
 乗り気のミリィ。
 船体が斜めになる、ミリィが照準を合わせる。
 スクリーンのすみにあわてているおっさんの姿が見えた。
 ・・・・もしかして、遺失宇宙船の真価、分かってなかったのか? まさに宝の持ち腐れ。
「発射!!」
 そうして、なすすべもない奴らを尻目に、悠々脱出を果たしたのであった。

「しかし、こうも目立っては連絡艇とりになんかよれませんね」
 キャナルはため息をついた。
「赤字だな、完全に」
 ほんっきでやばいな、これは。
「おきゅーりょー」
 ミリィ、ないと思え。
「あの・・・・」
 リシェスが困惑げに声をかけていた。
「ヴォルフィード様はいつもあんな調子なんでしょうか?」
 返事に困る。あんな調子かと言われればまさにそのとおりなだけに。
「ところでこっちもひとつ聞きたいんだか・・・・」
「何でしょう?」
「その猫は一体何なんだ?」
 彼女の足元に擦り寄る猫を指さす。
「ノヴァはわたしの友達です」
 ・・・・そうじゃなくて。
「あの人たちはマスターかいないと使えない遺失宇宙船の兵器部分よりもわたしの映像装置に興味をもちその研究をしていました」
 確かに解明できればいろいろ利用価値があるだろう。日常的には恐らく兵器よりも。
「ノヴァはそのプロトタイプです。今は恐らく人間型の研究をしているでしょう」
「・・・・恐ろしい事だわ」
 と、キャナル。赤字のショックからは立ち直ったらしい。
「けれど、もう終わったことです」
 リシェスがゆっくりと首を振る。
「そう、よね」
 多少表情が堅いキャナル。
「とにかく帰りましょう『ソードブレーカ』に」
 ミリィの声がどこまでも明るく響いた。・・・・やっぱ、よく分かってないな。人のことは言えないけど。

「で、リシェス。これからどうするんです?」
 キャナルがスクリーンごしにリシェスに話かける。
 ここは『ソードブレーカー』のコックピット内。やっぱおんなじ遺失宇宙船でも慣れてる方が居心地がいいよな。
「わたしは・・・・機能停止します」
 機能停止!?
「リシェス、そんなに無理をさせましたか?」
 切羽詰まったキャナルの声。
「いいえ、ヴォルフィード様はなにも」
 にっこりとほほ笑むリシェス。どう見ても寂しげだった。
「ただ、わたしは疲れたんです。休ませてください」
「ちょっと、それって卑怯よ」
 いきなり口を挟むミリィ。分からないなら分からないなりにおとなしくしてればいいものを。
「卑怯・・・・そうかも知れません」
 リシェスはあくまで静かだった。
「けれどわたしには戦うことなどできません」
 不意に、リシェスが抱いていた黒猫が消え、こちらに現れた。
「ノヴァのこと、よろしくおねがいします」
 言葉とともにスクリーンがブラックアウトする。
「リシェス!? リシェス!!」
 半狂乱になるキャナルの声。
 別のスクリーンにはただ慣性だけで動いている遺失宇宙船を映していた。
「追いかけます」
「落ち着け、キャナル」
 あわててコントロールパネルを押そうとしたキャナルを止める。
「どうしてです? 早くしないとリシェスが・・・・」
「落ち着け、休みたいって言ってただろ、自分で機能停止したんだろう? 休ませてやれ」
「でも・・・・」
 涙を流すキャナル。初めてみた気がする。
「いつかきっと、疲れがいえたらまた会えることもあるさ」
「・・・・ケイン」
 キャナルはマントにしがみつくとさらに激しく泣き始めた。ふだんならマントが汚れるかもと一瞬引くところだが、そんなことはかけらも思わなかった。
 それどころが実際に涙を拭いてやれないことがなされなくすらあった。
 ばーちゃんが言ってたっけ、女の子を泣かしちゃいけませんって。
 ・・・・間違ってないよな。

「ケイン、星間警察のレイル警部から通信が入ってます」
 あれ以来、やはりキャナルはなんとなく元気がない。しばらくはそっとしておいたほうがいいと思ったが、大丈夫なのか?
「あ、ああ分かった。つないでくれ」
 そんなことを考えてたせいで返事がワンテンポ遅れたがキャナルはなにも言わなかった。
『ケイン、その後猫探しはどうだ』
 スクリーンに映し出されるなりレイルは用件を言う。むかつく奴だ。
「あいさつもなしに用件とは、相変わらずお忙しい様ですね、レイル警部殿」
 イヤミの一つもいってやる。
『型通りのあいさつが必要なら練習しておくよ。ああニーナそっちは重要な書類があるからコーヒーはこっちに』
 聞こえてるぞ。平和だな、あんたは。
「で、何のようだ? レイル警部殿」
 思わずスクリーンを睨みつける
『あ、ああ。実は猫の件だが依頼が中止になってな・・・・』
「ああ、そう」
 ・・・・なんか忘れてたな、そんなこと。
『やけに静かだな?』
 訝しげな表情をするレイル。
『いつもならおちゃめな制御コンビューターが「だったら依頼料はどうなるんです!?」だの「キャンセル料をやはり相場ぐらいは・・・・」とか言いにくるだろう』
 確かにそのとおりだろう。
「似てないぞ、レイル」
『別に物まねをしてる訳じゃない』
 分かっていってんだよ。
『・・・・とにかく、次に買ってもらった縫いぐるみの熊が気に入ったから猫はもういいそうだ。報酬は前金だけとなるが、それでいいか?』
「好きにしな」
 我が儘なお嬢ちゃんもいたもんだ、だれが考えたかは知らないが。
『・・・・どうかしたのか?』
「どうもしない、じゃあな」
 煩わしくなりこっちから通信を切る。
「と、いう訳だ。いいかキャナル?」
 いいかもなにも既に話は決まっているか。
「はい、分かりました」
 ・・・・なんか張り合いねぇよなぁ。
 ドアが開く音が聞こえ振り返る。
「ねぇ、ノヴァ知らない?」
 ミリィだ。
 猫は相変わらずミリィになついていた。
 あのときは光による錯覚かと思ったが、やっぱりどこか猫だけに分かる似ているところがあるのかもしれない。
「それがね、さっきいきなりふっと消えちゃったの。キャナルが呼んだのかと思ったんだけど・・・・」
「まさか!?」
 キャナルが目を見開く。表情の変化を久しぶりに見たような気がする。
「・・・・中核になるものが壊れたから・・・・」
 沈黙の後、独り言の様な調子でいう。
「どういうことだ?」
 思わずたずねる。
「あの工場が、破壊されています。恐らく『ナイトメア』に」
 なに?
「恐らく、今まで遺失宇宙船そのものがあったため迂闊に手は出せなかったのでしょう。しかしそれがない今となっては技術を知るものは邪魔になる」
 文章を読み上げるような調子でキャナルが続ける。
「リシェスの猫が、死んで・・・・」
「あの、キャナル・・・・」
 自失呆然のキャナルにミリィは恐る恐る声をかける。
「あの、あたし出来る限りムダ弾無くすようにする。コックピットで紅茶も飲まない。だから元気出して、ね」
「ありがと、ミリィ」
 ミリィが一生懸命なのは分かるがあまり効果はないようでだ。
 あー、うっとうしい。
「辛気臭いことは言うなよ。励ますんならお茶会でもやろうぜ、コックピットで」
 なかば半焼けで叫ぶ。
「ちょっ、ケイン・・・・」
「やめてくださいっ。あたしのかわいいコントロールパネルが壊れでもしたらどうするんですかっ」
 ミリィの制止の言葉をキャナルの叫びが止める。
「コントロールパネルがって・・・・キャナル戻ったの?」
 ミリィが呆然とつぶやく。
「ばーちゃんの言った通りだな」
 笑い出したくなって来た。
「キャナルを立ち直らせるには怒らすのが一番だって」
「ちょっ、アリシアがそんなこと言うはずはないでしょう? ちょっとケイン!?」
 そう、確かにばーちゃんはそんなことは言ってない。
 ばーちゃんが言ったのは『立ち直るには意外とささいな事が切っ掛けになる』と言うこと。『また落ち込むかも知れないけど切っ掛けが続けはいつかは立ち直れる』と言うこと。
 大丈夫だよ、ばーちゃん。俺たちはばーちゃんの死もちゃんと乗り越えた。今度もきっと立ち直れる。
 そのために生きているんだ。
「だから一体何って聞いてるでしょ――――がっ!?」

 読めば分かるでしょうが前半で力つきてます。パロでは今までで一番長い上に一晩で書きましたから(と、言い訳してどーする?)。
 ケインの一人称は完全に無謀だったわ。

 お付き合い有り難う御座いました。
 だはまた、ご縁がありましたなら。

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3597Re:小説もどき『感情 揺れる』ふぉお E-mail 7/25-00:03
記事番号3590へのコメント
お世話様です。ふぉおです。今回はロスユニですね♪

> これはよほど長い間気づかなかったらしい。参ったな。サイ・ブレードいじってると我を忘れるからな。
ケインらしいですね。

>「マスターはすぐに参りますのでもうしばらくお待ちください」
> 扉越しにキャナルのやけに愛想のいい声が聞こえる。本当に外面はいい。
営業スマイル(笑)

>「ああ、たった今、悪くなった」
> こっちは愛しいサイ・ブレードの手入れ中だったんだぞ。
サイ・ブレードとの戯れの時間を邪魔されて不機嫌ですね。

>『かなり金にもなる話なんだが・・・・』
>「お金(はぁと)」
> 横で聞いていたキャナルの方が反応した。
・・・じつは某栗色の髪の魔導士さんだったりしません?(笑)

>『「レイル様、コーヒー入りました」ああ、ありがとうニーナ。そこにおいといてくれ』
> レイルはレイルでほかのことに気を取られているし、この隙に回線きっちゃろか。
ひどいです(笑)

>「受けてくれないと生命維持装置止めちゃいますよ」
> ・・・・また、それかよ。嫌だと言ったら本気で止めるからなぁ。
必殺(笑)脅しじゃないところが恐いですよね。

>「だっだいまぁ。聞いてよあたしミス大福餅コンテストで優勝したのよ」
ミス大福餅(笑)どんなミスです?(笑)

>「ポストペットみたいですね。もっともあれは完全なプログラムでしたけど」
> 意味不明のことをいうキャナル。
うちの子はミニウサギ(だからなんだ)

>『依頼料が高いわけが分かっただろ。お偉いさんの孫娘が可愛がってたとかでね、公私を混同しないでもらいたいよ』
> スクリーンの中でレイルが肩を竦める。
そうなんですよね。まったく、偉い人っていうのは・・・。

>「けど、見つけたらそうとう見返りがあるんでしょ、やっぱり」
> キャナルの言葉にレイルの頬に一筋汗が浮かんだが、んなことは依頼料で一目瞭然だ。
下心ありまくりのレイル。

> そしたらまたサイブレードの手入れができるってわけだ。
ケインのすべてはサイ・ブレードを中心にまわってますね。


>「無視しないでよぉー」
なんか、あつかいがガウリイ・・・(笑)

>「どうします?」
>「どうって・・・・」
> いいながらサイ・ブレードの刃を出す。
>「こうするに決まってるだろっ」
> 扉に切りつけた。快感。
それでこそケインです♪

> 引きつるキャナル。結果的に大丈夫だったんだから細かいことは気にするな。
終わりよければすべてよし。

>「わたしをうらんでいますか? ディグラディグドゥに一時でも賛同したことを・・・・」
それは、もしや「TRY]の?

> ・・・・だからミリィ、場の流れってもんが・・・・。
ミリイ、ガウリイ化(笑)

>「やったわ、さすがケインの精神力」
> 俺は電池か!?
ぷぷぷ(笑)

>「おきゅーりょー」
> ミリィ、ないと思え。
ひどいですねー(笑)

>「あの・・・・」
> リシェスが困惑げに声をかけていた。
>「ヴォルフィード様はいつもあんな調子なんでしょうか?」
> 返事に困る。あんな調子かと言われればまさにそのとおりなだけに。
でも、事実を言うと後でキャナルに(笑)

>「いつかきっと、疲れがいえたらまた会えることもあるさ」
>「・・・・ケイン」
> キャナルはマントにしがみつくとさらに激しく泣き始めた。ふだんならマントが汚れるかもと一瞬引くところだが、そんなことはかけらも思わなかった。
> それどころが実際に涙を拭いてやれないことがなされなくすらあった。
> ばーちゃんが言ってたっけ、女の子を泣かしちゃいけませんって。
> ・・・・間違ってないよな。
ケインかっこいいです(はあと)

>『型通りのあいさつが必要なら練習しておくよ。ああニーナそっちは重要な書類があるからコーヒーはこっちに』
コーヒーこぼすことを前提にしてませんか?

>「辛気臭いことは言うなよ。励ますんならお茶会でもやろうぜ、コックピットで」
> なかば半焼けで叫ぶ。
うあ・・・(笑)


> 読めば分かるでしょうが前半で力つきてます。パロでは今までで一番長い上に一晩で書きましたから(と、言い訳してどーする?)。
一晩・・・・。完全にスランプ脱出してますね。それは。

ケイン、カッコよかったです(はあと)

それでは♪

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3603ふぉおさん、いつも有り難う御座います松原ぼたん E-mail URL7/25-14:05
記事番号3597へのコメント
 お読み下さり、有り難う御座います。

>ケインらしいですね。
 なんかこのケイン結構サイ・ブレードにこだわってるんてすよねぇ。
>営業スマイル(笑)
「はい、ハンバーガーお一つですね。ご一緒にポテトはいかがですかぁ」(違う)。
>サイ・ブレードとの戯れの時間を邪魔されて不機嫌ですね。
 邪魔された上ににこにこ言われると八つ当たりもしたくなります(笑)。
>・・・じつは某栗色の髪の魔導士さんだったりしません?(笑)
 ああ、ホントだ(笑)。
>ひどいです(笑)
 あ、そう?
>必殺(笑)脅しじゃないところが恐いですよね。
 ですよねー。
>ミス大福餅(笑)どんなミスです?(笑)
 色白の下膨れが選ばれると言う噂が・・・・(ないって・笑)。
>うちの子はミニウサギ(だからなんだ)
 いいですねー。
>そうなんですよね。まったく、偉い人っていうのは・・・。
 得意技ですね。
>下心ありまくりのレイル。
 まぁ、レイルですから(笑)。
>ケインのすべてはサイ・ブレードを中心にまわってますね。
 ううん、マントとサイ・ブレード(笑)。
>なんか、あつかいがガウリイ・・・(笑)
 キャナルの話で、ケインを語りに回させると役を割り振れる構成力がなかったの(;;)。
>それでこそケインです♪
 そうそう(笑)。
>終わりよければすべてよし。
 そうそう(笑)。
>それは、もしや「TRY]の?
 そう。だから「どっちかと言えばロスユニ」。
>ミリイ、ガウリイ化(笑)
 事情が分からないがお得意ですからねぇ、ガウリイは(笑)。
>ぷぷぷ(笑)
 笑い事(笑)。
>ひどいですねー(笑)
 いつものこと、いつものこと。
>でも、事実を言うと後でキャナルに(笑)
 ついでに彼女の持ってるヴォルフィードのイメージを壊すことにもなるでしょうし。
>ケインかっこいいです(はあと)
 本物は(笑)もっとかっこいいです(笑)。
>コーヒーこぼすことを前提にしてませんか?
 多少(笑)。まぁ、用心と言うヤツです。
>うあ・・・(笑)
 ほら、キャナル。落ち込んでる場合じゃないぞ(笑)。
>一晩・・・・。完全にスランプ脱出してますね。それは。
 してないしてない。

 本当に有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3604小説もどき『過去』松原ぼたん E-mail URL7/25-14:05
記事番号3424へのコメント
 どうも松原です。もうツリーも終わりですねぇ。
 はっ、する予定の再掲示してない(爆)。
 と、いうわけでこの後他人の迷惑考えず再掲示します。
 とりあえず新作のほうひとつ、よろしければどうぞ。

 『過去』

「見つけたわよ、リナ」
 ばたむという扉の開く音の後に発せられた声。
 ・・・・ああ、まためんどうな事に。
「お知り合いですかな、リナ殿」
 目の前のじいさんがたずねてくる。
「しんない。」
「リナぁー」
 抗議の声を上げたのはじいさんではなくさっき入って来たナーガだった。
 あー、もうあんたがいたら纏まる話もまとまらなくなるでしょうか。
 実はまだ声をかけられ依頼したいことがあると言われただけなのだ。
 こういう状況でナーガに出会っては依頼を取り消されないとも限らない。
「おや?」
 しばらく惚けたようにナーガを見ていたじいさんが不意に訝しげな表情をする。
「どこかでお会いしたことはありませんかな?」
 いっ、知り合い!?」
「ほーっほっほっ、この白蛇のナーガも有名になったものね」
 うれしそうに高笑いをするナーガ、
「いや、確かナーガなどどいう名前ではなく・・・・」
 じいさんの続けた言葉に顔を引きつらせるナーガ。
 思わず身を乗り出すあたし。
「・・・・忘れた」
 ・・・・単なるボケ老人かい。
「ま、まぁいいわ。ところで何の話だったの?」
「何のって・・・・」
 まだ聞いてない。
「そちら様、口は固いですかな?」
 ナーガも巻き込む気らしく、そうたずねるじいさん。
「もちろんよ」
 うそつけっ。
 無意味に胸を張るナーガに心の中で突っ込みを入れる。
 ちゃっかりナーガはあたしの横の椅子に座った。
「実はですな、これはフィルオネル殿下からの内密の依頼なんですが・・・・」
 いっ!?
 フィルオネル殿下と言えばセイルーンの第一王位継承者で平たく言えば『おうぢ様』なのだが、あれほど王子様のイメージと掛け離れた人も見たことがない。
 で、あたしはとにかくどうしてナーガまで顔を引きつらせているのだろう。
「ナーガ、知ってるの?」
 なぜかロードとかに詳しいのでもしかしたら面識ぐらいはあるかもしれない。
 ・・・・まさかと思うけどナーガもイメージぶち壊されたとか。
「ま、まぁ、それなりに・・・・」
 頬に汗を浮かべつつ答えるナーガ。これは相当ヤな思い出でもあるに違いない。
「わ、わたし悪いけれども失礼するわっ」
  言うなりナーガは立ち上がった。
「あ、くれぐれもご内密に・・・・」
 あわてて叫ぶじーさん。
「分かってるわ、ドルガー」
 言い残してナーガは去って言った。
 珍しい。ふだんはほっといても首突っ込んでくるのに。
「で、ドルガーさん、具体的には・・・・」
 はれ? そういえば名前名乗ってたっけ、このじーさん。
「ドルガーさん」
 ドルガーさんはナーガが去って言った方をみてやはり見覚えがとかぶつぶつ言っていたが、その声に我に返ったらしくこっちを向いた。
「そうそう、実はこの辺りに盗賊団がいて・・・・」
 おいおい。
 臣民の生活を気にかけるのは結構な事だがその辺にごろごろいる盗賊にまで気を配っていたら身がもたないのではなかろうか。
 まぁ、あたしとしては盗賊いぢめが出来たうえに礼金までもらえるのだから断る理由もないが。
 ・・・・昨日倒した奴の中にそれがなきゃいいんだけど。
「で、役人とかは乗り込ませたんですか?」
「それが、ぼろぼろになって帰って来て、一様に口を閉ざしてしまうのです」
「・・・・それは」
 セイルーンにはかなりの術が使えるものとかもいたはずだが・・・・?
 軽はずみに引き受けるのはまずいかも知れない。
「・・・・わかったわ」
 それでも、あたしは頷いた。
 こうなるとナーガが首を突っ込まないことが悔やまれる。いざとなったらナーガを先に行かせて様子を見ることも出来たのに。
「で、依頼料のほうは・・・・」
 それはそれ、これはこれである。

「見たところ、ふつーの盗賊団のアジトの様ね」
 一見、普通の洞窟だが、ちゃんと人の出入りの跡がある。
「ふっ、リナまちかねたわよ」
 ・・・・あ、やっぱり首突っ込むのね。
 クルリと振り返る。
「ナーガ、どうしてここに!?」
 とりあえず利用するためにわざとらしく驚いて見せる。
「ふっ、わたしはなにもかもお見通しなのよ」
 案の定、調子に乗った。
「で、実際どうやったの?」
「後をつけたに決まってるじゃない」
 ・・・・それでどうして待ち兼ねたなどどいう台詞がででくる。
 と、突っ込みたいのをぐっと我慢する。
「さすがナーガね。で、どうするの」
「決まってるわ。わたしも一枚かませていただくわ」
 どう決まっているのかはよく分からないが。これで話は決まった。
「ドルガーさんの依頼内容何だけど・・・・」
「おおかたここの洞窟にすむ盗賊団をなんとかしてくれ、といったところじゃない?」
 ををを、鋭い。
「何かあったの?」
「何かって、何がよ!?」
 うろたえるナーガ。
 なんかこの間から様子が変である。
「ところでドルガー、なんかわたしのこと言ってた?」
「何かって・・・・やっぱどこかであったことがある気がってぶつぶつ言ってたけど・・・・」
 ナルホド、知られちゃ困る過去でもあるのだろう。
 ナーガがそんなこと気にするとは思わなかったけど。
「そ、そう。まあいいわ、行きましょう」
 言うなりナーガは洞窟に入って行った。
 ・・・・まぁ、いいけど。

 一応、盗賊団のアジトと言うからには昼間とはいえ見張りの一人ぐらいはいるというのが相場である。
「誰もいないわねー」
 そろって出掛けてしまったんだろうか? んな、不用心な。
 これじゃストレス発散にならない・・・・じゃなくて。
「引き払った後という訳でもないようね」
 と、ナーガ。
 確かに生活のあとのような物が当たりにはあふれている。
 しかし。
「お宝、ないわね」
 あああ、なんでないのよっ。
 ・・・・ぢゃなくて。
「引き払ったんじゃなきゃ、本拠地が別にあるって事ね。とりあえず、夜を待ちましょ」

 やはり盗賊いぢめには夜が似合う。
 イヤ、だからどうだといわれでも・・・・。
「行くわよ」
「ふっ、分かったわ」
 ナーガとともに物陰から飛び出す。
「火炎球!!」
「氷の矢!!」
 いきなりの攻撃にあわてふためく盗賊たち。
 こいつら、はっきり言って弱い。
 そんな奴にどうして兵士がやられたのか、疑問以外のなにものでもない。
「とにかく、行くわよっ」

 親分は必ず奥にいるものである。
 んな、法律があるのではなかろうかと思うほどワンパターンなところに親分はいた。
「あんたが、ここの頭って訳ね。その割には随分とこざっぱりした格好をしている様だけど」
 姿だけならフィルさんがここに座っていたほうが似合うのではなかろうか。
「ほう、一体私に何のようだ?」
 ・・・・こういう状況でこう反応する人も珍しいかもしれない。
「分からない? この盗賊団をつぶしに来たのよ」
 思わず同じような調子で答えてしまう。
 ・・・・しかしこの余裕。はったりなのか、それとも・・・・。
「ちょっと、リナ。置いてくなんてひどいじゃない」
 あああ、シリアスな空気がぶち壊れる。
「大体人が雑魚をやっつけてる間に一人お宝をあさろうだなんて・・・・」
「あ、あ、あ・・・・」
 ナーガの台詞が終わらないうちに男の顔色が変わる。
 最初は子分がやっつけられたことに同様しているのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
 男はナーガをしっかりと指さしていた。
「なんで、グレイ・・・・」
「破弾撃!!」
 ・・・・ナーガ、いつになく容赦ないな。
 吹っ飛んだ男は壁にぶつかってぴくぴくとけいれんしていた。
 気絶してるな、これは。
「しかし、分からないわねー」
 あたしは思わずつぶやいた。
「何が?」
「なんでこんな奴らに兵士かやられて帰って来たのかって事なんだけど・・・・」
 どうせ聞いても無駄だと思うのだが・・・・。
「ああ、それなら・・・・」
「知ってるの!?」
 何で?
「この男、兵士たちの教官やってるから」
 こっちの疑問を慨さずあっさりと答えるナーガ。
 教官って事は・・・・。
 つまり「国王も怖いが自分のかーちゃんはもっと怖い」というアレである。
 つまり権力よりも何よりも人間は直接自分を叱るものが一番怖い、冷静に考える間もなく反応してしまうと言う奴である。あたしに取っては郷里の姉ちゃんがそれに当たる。
「・・・・大丈夫か、この国」
 以前とは別の意味でそう思うあたしだった。

 その後、あたしは兵士は当てにならないと思ったので男をドルガーさんに引き渡し、結構な額の依頼料をもらった。
 ・・・・とは言え、とれる筈のお宝がなかったのは痛かった。
 それらはこれからの調査で徐々に明らかになって行くだろう。
 一方ナーガといえばあのあとどこかへ行ってしまった。
 そういえば男に何か言ってた見たいだけど・・・・。
 まあ、依頼料が減らないからありがたい事なんだけど。

     *    *    *

「片付いたか、魔法娘に頼んで正解だった様だな」
 王宮の一室でフィリオネルがドルガーに話しかける。
「しかし、この国は大丈夫か?」
 リナと全く同じ懸念をフィリオネルは抱いていた。
「大丈夫ですよ、殿下」
 ドルガーさんが何の根拠もないことを言う。
「貴方様も、アメリア様も、そうそう、久しぶりにグレイシア様に会いましてな・・・・」
 ようやく思い出したらしい。
「成長しておられましたうえ、あのような格好をしておりましたのでしばらく分かりませんでした」
「あのようなとは? やたらと露出度が高い格好か?」
 ほかに表現のしようがないらしい。
「そうです。ご覧になったのですか?」
「いや、直接は。ドルガーは見てないのだな?」
「何をです?」
「そのような格好を、昔妻がしておった。なつかしいな・・・・」

 はい、これは前半が完全におまけです(爆)。書きたかったのはフィルさんですね(笑)。変になりましたけど。
 前半はすぺしゃる風にしましたが、やっぱり難しいです。ナーガを書いたのは久しぶり・・・・でもなかったっけ?(爆)。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3605再掲示『腕輪物語』松原ぼたん E-mail URL7/25-14:06
記事番号3424へのコメント
 再掲示です。これは以前に掲示板などにURLをはっつけた代物です。
 よろしければどうぞ。

 『腕輪物語』

「獣王様、これを」
 そういってゼロスは一つの腕輪を差し出した。
「この間街に行ったとき、見つけたもので・・・・」
 それは金の輪が3つ集まり、2ヶ所で固定されているものだった。
 ポイントなのかその片側に、一つの輪に一つずつ、色違いの宝石がついている。
 ゼラスはこういった装身具が好きなので、時々ゼロスがこういったものを持ってきていた。
「これは今は失われた王国の王族の印の腕輪・・・・」
「そうなんですか?」
「・・・・のレプリカね。アンティークですらないわ」
 一瞬、沈黙が訪れる。
「失礼しました。それはとんでもないものを・・・・」
 言ってゼロスは腕輪を腕輪をしまおうとしたが、ひょいとゼラスがそれを取り出した。
「けど、本物より面白いものの様ね」
 そう言って微笑した。

「ないっ!?」
 荷物をのぞき込んでいたリナは不意にそう叫んだ。
「どうしたリナ?」
「お金でも落としたんですか?」
 ガウリイとアメリアが尋ねる。
「・・・・だったらまた良かったわよ」
 次の言葉で今度はアメリアたちの方が顔色を変えた。
「リナがお金をないがしろにするなんて・・・・」
「リナさんっ、お金が正義じゃなかったんですか!?」
「・・・・熱でもあるのか?」
「・・・・あんたたち、人をなんだと・・・・」
 とりあえずつっこんだものの、それどころではないらしく再び荷物に視線を戻す。
 次々に入っているものをテーブルに積み上げ出す。
 どうやってはめていたのかと思うほどのものが積みあがったが、リナの顔色は変わらなかった。
 探していたものは見つからなかったらしい。
 しばらくリナは固まっていたが、不意にがばっと顔を上げた。
「知らない!?」
 かみつかんばかりの勢いで尋ねる。
「落ち着け。一体何を探しているんだ?」
 眉をひそめながらゼルが尋ねた。
「腕輪よ、金色の」
「リナさん腕輪なんかしてましたっけ?」
 アメリアの疑問はもっともだった。
「普段は呪府の邪魔になるからしていないのよ」
「そんなに高いのか、その腕輪」
 と、ガウリイ。
「そんなことないけど・・・・」
「なら、何でそんなにこだわるんだ?」
「・・・・姉ちゃんにもらったヤツだから」
 雰囲気に飲まれてか、周りの一般客まで黙り込む。
「『絶対なくすんじゃないわよっ!!』って言われたのに・・・・」
 リナは半泣きだった。
「大変じゃないですかっ!!」
 その言葉が引き金になったようにアメリアが叫んだ。
「どうするんだ?」
「・・・・具体的にはわからんが・・・・大変だな」
 リナが郷里の姉ちゃんを魔族より怖がっているということはみんなが知っていた。
「おや? みなさんどうかなさったんです?」
 不意に混乱の中に文字通り声が降ってきた。
「ゼロス!?」
 他の客の視線にかまわず宙に浮いていたゼロスを、リナが引きずりおろした。
「腕輪知らない?」
 詰め寄る。
「腕輪? 金の輪が3つついているヤツですか?」
「そっ、そうよっ」
 興奮のあまりゼロスを肩を持ってがくがく揺する。
「そっ、それならこの間滞在した街に売ってました」
 リナが手を離した。ゼロスがちょっとよろける。
「行くわよっ、翔封界!!」
 室内だと言うのに術を解き放ち、リナは出ていった。
 他の腕輪かもしれないなどいう考えは頭にないようだ。
「おい、待てよ」
 慌ててリナの荷物を詰め直し、それを持ってリナを追いかける残りの面々。
「やれやれ」
 ゼロスは肩をすくめるとその場から姿を消した。
「・・・・何だったんだ、一体・・・・?」
 主人が呆然とつぶやいた。
 そこは散々たるものだった。

「わざわざ届けてくれて有り難う」
 ルナ=インバースは目の前の客に向かって言った。
 その日、『リアランサー』1人の客が現れた。
 その客がルナを呼び止め腕輪を見せる。
 ルナは店長に了解を取ると客の向かいの席に腰を下ろした。
 ちなみに目の前の香茶は店長に入れさせたものである。
「貴方に届けた方が何かといいと思ったものだから・・・・」
 そういって客は微笑う。
「確かに・・・・」
 ルナがひとりごちる。
「もう妹には必要ないものかもしれないわね」
 腕輪をしまう。
「ところで?」
 客が尋ねた。
「それは一体どういう性質を持つ腕輪なのにかしら?」
 何かしらあるのは分かっていたが属性が違うため正確な事は分からなかったのだ。
「たいしたものじゃないわ。単なる迷子札みたいなものよ」
 かなりおおざっぱな表現をする。
 いくらルナにしこまれているとはいえ、旅に出たときのリナはまだまだ子供だった。
 信頼と無責任に放り出す事は別である。
 だからルナは腕輪を持たせた。
 万が一のとき、ちゃんと導かれるように。
 幸いにしてそんなことは今までなかったのだが。
 確かにもう必要ないのかもしれない。
「とにかく有り難う。獣王ゼラス=メタリオムさん」
「あら」
 客──獣王ゼラス=メタリオムは微笑う。
「何時から気づいてまして? 赤の竜神の騎士さん」
「最初から、ね」
 ルナも微笑する。
「はじめましてと言うべきかしら?」
「どうでしょうね」
 ゼラスは立ち上がった。
「香茶ぐらいはおごって下さるんでしょう?」
 面白そうに笑いながら尋ねる。
「いいわよ。それぐらいでお礼になるのなら」
 ルナが答える。
「また会うかもしれないわね、今度は別の形で」
 そういい残してゼラスは店をでで行った。
「残念ね」
 まだ余韻の残るドアを見ながらルナがつぶやく。
「きっといい友達になれたのに」
 立ち上がるとトレイに空になったカップを乗せ・・・・奥へと向かった。

「う、うれた・・・・!?」
 リナが呆然と店員が言った単語を繰り返した。
「気の毒だけど・・・・」
 リナのあまりの様子を見て、気の毒そうにおばちゃんが言う。
「だっ、誰が買っていったか知りません?」
 すがるような目でリナはおばさんに尋ねた。
「誰って言われても・・・・おや?」
 おばさんの視線が動く。
「後ろにいる法師様だよ、買ったのは」
 ぎぎぎと音のしそうな調子でリナが振り向く。
「ぜぇろぉすぅぅー」
「腕輪は獣王様がルナさんに返すとおっしゃってましたからご心配なく」
 笑顔で言い残してゼロスは姿を消した。
「リナぁー、どうだったー?」
 ようやくガウリイ達が追いついた。
「ガウリイ・・・・今まで世話になったわね」
「はぁ?」
 言葉と同じ表情のガウリイに向かってリナが真顔で言う。
「あたしあんたのこと結構好きだったわ」
 次にアメリアの方を向く。
「がんばって正義の道を突き進むのよ」
「もちろんですっ」
 とりあえず反射でそういってから、我に返ったようにリナの顔をまじまじと見つめるアメリア。
「ゼル、生きていればきっと元に戻れる日も来るわ。希望をつのよ」
「リナ・・・・何があった?」
 しかしゼルの言葉はリナに届いていなかった。
「あたしの人生は終わったのよ」
 混乱しているようだ。
 夕日がどこまでも赤かった。
 腕輪の石の一つのように。

 これはとある店で腕輪を見たときに「ゼラス様に似合いそう」と思ったのが(ほかに表現の仕様はなかったんかい)書くきっかけです。結局腕輪はゼラス様のものにはなりませんでしたが。
 郷里の姉ちゃんとの会話、冷静に考えると結構怖いです(書いといてなんですか)。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3606再掲示『赤の竜神の慈悲』松原ぼたん E-mail URL7/25-14:06
記事番号3424へのコメント
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 『赤の竜神の慈悲』

 俺は未だ人間に戻る方法を探していた。
 と、言っても以前とは少しこだわる理由が違う。
 合成獣のままでもいいと言ってくれる人たちがいるからだ。
 それでも俺はただ一人の少女のそばにいるために人間に戻りたかった。

 ある日俺は赤の竜神の力と記憶を持っているという女性がいるという噂を聞いた。
 赤の竜神なら或いは・・・・。
 そう思い、俺はその噂だけを頼りにゼフィーリアにやってきた。
 ここは懐かしい仲間であるリナ=インバースの郷里だ。
 そこはリナが育ったとは思えないほど穏やかな空気に満ちていた。
 顔を隠し、人々から話を聞く。
 かなり怪しい格好なのだが、皆親切に教えてくれた。
 ・・・・もしかして空気が穏やかなのは単にここの人たちが異常事態に慣れているからかもしれない。
 話を頼りに目的の女性――『赤の竜神の騎士』の家に向かう。
 そこに近づいたとき、ちょうど玄関の扉が開いた。思わず反射的に身を隠す。
 出てきたのは、つい先ほど思い出していたリナとその相棒であるガウリイ=ガブリエフ、そしてリナに似た面影を持つ彼女より幾つか年上の女性だった。恐らくリナのよく言っていた郷里の姉ちゃんなんだろう。
 では『赤の竜神の騎士』と言うのはリナの姉なのか?
 こっちが混乱している間にも会話は進んでいた。言葉こそ聞こえないが、リナがしきりと照れているところから、恐らくガウリイの旦那を連れて里帰りをしたことをからかわれでもしているのだろうと推測する。
 何を今更と言う感じだが。
 やがてリナが姉に向かって手を振り、ガウリイと一緒に歩き出した。
 その時になって初めて出ていくタイミングを逸した事に気づく。
 ・・・・まぁいい。あの二人ならまだどこかであうこともあるだろう。
 そう思った矢先、リナの姉と眼があった。
「で、そちらさまは何の用です?」
 食堂のウエイトレスのような調子の言葉が聞こえる。彼女が発した様だ。
 なるほど確かにただ者ではない。
 言葉はごくふつうに発せられたとしか思えなかった。さっきまでの会話がまるで聞こえなかったにも関わらず。
 俺はゆっくりと彼女の方に向かい歩き出した。
 彼女は俺の顔を隠した姿を見ても眉一つ動かさなかった。そして顔をさらしても。
「いつから気づいていた?」
「恐らく、最初からでしょうね」
 一瞬、リナと話してでもいるような錯覚をしそうになる。
 恐らくリナは本人が思っている以上にこの姉に影響を受けているのだろう。
「もっとも、殺気はなかったようだから様子を見ていたの。リナは全く気づかないんだから。修行は足りないわね」
 ・・・・リナはとにかくガウリイも気づかなかった様なので、むしろ彼女が鋭すぎるんだろう。
「自己紹介が遅れたわね。わたしはルナ。ルナ=インバース。リナの姉よ、ゼルガディス=グレイワーズ君」
「どうして俺の名を知っている?」
 彼女――ルナ=インバースの言葉に俺はさりげなく身構えた。
 何しろ過去にはかなり悪いこともしている。
 その関係で知られているのならあまり歓迎したい状況ではない。
「リナから聞いているわ」
 それを聞いて俺は安堵した。
「もっとも」
 しかしそう思ったのは甘かったようだ。
「身構えなきゃならない理由も聞いているけど」
 ・・・・見抜かれている。
 さすがリナの姉だと妙に納得してしまった。
「で、何の様なの? 恐らく『赤の竜神の騎士』に用があるんでしょ? 聞かなくても分かるような気がするけど」
「ならば話が早い。俺を・・・・」
『人間に戻す方法を知らないか?』
 俺の言葉にあわせるようにルナ=インバースが同じ事を言う。
「知ってるのか?」
「知らないわ」
 あっさりと希望を打ち砕く様な事を言う。
「けど戻すことはできるわ」
 訝しげな俺を見てか彼女は補足した。
「それが記憶と力の一部を持つと言うことなの」
 そういうものなのだろうか?
「とにかく俺は戻れるんだな」
「だからってあっさり戻してもらえるとは思わないようにね」
 あっさりととんでもない事を言う。
「なぜだ?」
 俺は食い下がった。これを逃せば次の希望はもうないかもしれないのだ。
「分からない? 赤の竜神がどうだったかはとにかく、わたしは単にその力と記憶の一部を持ってるだけにすぎないのよ。『赤の竜神の騎士』である前に一人の人間なの。リナが何であれリナ=インバースであるように。頼まれて願いを叶えたっていう前例を作ったら多くの人が同じ事を求めることになる。赤の竜神は知らないけど私はそれをみんなにしようとは思わないのよ」
 ・・・・それは確かに納得できる理由だった。妙な例えだが俺がレゾに従わなくなったように。
「・・・・なら、しょうがないな」
 納得してしまった以上、俺にはどうしようもない。
「と、言うことになっているんだけど。あなたにはリナが世話になったから特別にやってもいいわよ」
「・・・・いってることが矛盾しているが・・・・?」
 あきらめようとしたとたん希望を持たすような事を言う。
 一体、ルナ=インバースとはどういう性格をしているのだろう?
「確かにね。けれどわたしが意外と身内に弱いのも確かなのよ。その身内が世話になった人が訪ねてきたら精一杯もてなすが礼儀と言うものでしょ?」
 俺の体を治すのはもてなしの一環だと言う訳か。
「・・・・随分変わった性格をしているようだな」
「そう? 妹ほどじゃないと思うけど」
 ルナ=インバースはすまして答えたのだった。

「世話になったな」
 俺はそういって玄関の戸に手をかけた。
 その手はすでに人間のものだった。
「気をつけてね。もう合成獣じゃないんだから今までと同じ調子でいちゃだめよ」
 ・・・・正直、どうやってなおしたのか俺にはわかなかったが、もう二度と合成獣になろうとは思わないので理解する必要もないだろう。
「赤の竜神の慈悲・・・・か」
 扉を開けながらそう呟く。
「なおったのが慈悲って訳じゃないと思うわよ」
 聞こえていたのかルナ=インバースが口を挟んだ。
「あえて慈悲だと思いたいのならリナに出会ったことをそう思うのね。赤の竜神は都合のいい神様じゃないのよ」
 ・・・・つまり例え赤の竜神がいてもなおしてくれたとは限らないということか。
「じゃあな」
 それは言わず、挨拶だけして俺は扉を閉めた。
「そうそう」
 すぐさま扉が開いてルナ=インバースが顔を出す。
「アメリア姫によろしく」
 ・・・・一体、リナは姉に何を話していたんだろう。
 俺は正直頭を抱えたくなった。

 これは以前『夢見ても遠からず』を書いていた時に考えたゼルを人間に戻す方法の一つです。郷里の姉ちゃん便利なアイテムと化してます(爆)。実際はL様ぐらいしか出来ないような気がしますが。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3607再掲示『リナのゆううつ』松原ぼたん E-mail URL7/25-14:07
記事番号3424へのコメント
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 『リナのゆううつ』

「なんか・・・・切ないわね」
 あたしがそうつぶやいたとたん、アメリアはまともに顔色を変えた。
「どっ、どうかしたんですかリナさんっ!? 気分でも悪いんですかっ!?」
「・・・・どういう意味よ!?」
 あたしだって切ない気分になることぐらいあるのだ。
「いえ、深い意味はないんですけど・・・・」
 言いながらアメリアがじーっとあたしの顔を見つめる。
「・・・・まさか恋煩いですか?」
「はぁ?」
 どういう発想なのかとあっけに取られる。
 アメリアは視線をガウリイに移した。
「ガウリイさん、何かしたんですか?」
「はあ?」
 あたしと似たような反応をするガウリイ。
 横ではゼルがあきれている。
「さあ言ってください!!」
 ガウリイの返事にかまわず詰め寄るアメリア。
「な、何かよく分からないけど・・・・」
 ガウリイは不意にそこで言葉を止めた。
「リナ、この先に食堂が見えるぞ」
「ホント!?」
 あたしはガウリイの視線の方向に向かって走り出した。
「・・・・ひょっとしてリナさん・・・・」
「・・・・単に腹が減ってただけらしいな」
 後ろでアメリアとゼルが勝手なことを言っている様だが、そのことについては後で対処するとして・・・・。
「まずはメシだーっ!!」

 題材はよく言う「お腹が空くと切なくなる」と言うヤツです。言うんだってばぁぁ(笑)。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3608再掲示『夢を見るように』松原ぼたん E-mail URL7/25-14:07
記事番号3424へのコメント
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 『夢を見るように』

 彼女の存在を知ったのはどれぐらい前のことだろう。
 それまで過ごした時間より、彼女と出会ってからの短い時間の方が長い様に感じる。
 漫然と過ごした時よりも密度が濃い。
 やっていることはさほど変わらないはずなのに。
 彼女の存在一つで。
 それほど時を過ごした訳でもないのに。

 最初はそのあたりの人間と何ら変わりない存在だと思っていた。
 ただ引きつけられたのはその瞳。
 赤く、強い意志を持つもの。
 赤眼の魔王様の眼に似ている。
 何となくそう思う。
 それがどんなに恐ろしいことが知らずに。

 人間を見て魔族・・・・それも赤眼魔王様を連想する。
 それは魔族に対する侮辱。
 そうじゃないというのなら。
 それはその人間を特別視した証。
 そう意識して以来、彼女は特別な人間になった。

 僕にとって特別なのはすべての母であるあの方と、赤眼の魔王様、そして僕の創世主たる獣王様。
 ほかの腹心の方々も一応特別に入るでしょうか?
 では、彼女に対する特別は?
 その本当の意味すら分からす彼女を見つめていた。

 それに気づいたとき、すでに僕の立場は決まっていた。
 彼女と敵対するものとして。
 あるいは最初から決まっていた。
 彼女が人間である以上。

 夢は人間が見るもの。
 そして、すべての母の元につながるもの。
 魔族にはみれないもの。
 永遠に望み続けるもの。

 感じていたのは嫉妬だった。
 そしてそれを越える愛おしさ。
 手に入れたいと思った。
 世界を滅ぼすよりも。
 かなわぬと分かっていても。

 混沌に帰ったら魔族も夢を見えるだろうか?
 いつか、彼女と共に過ごせるだろうか?
 夢を見るように・・・・。

 ゼロス独白型のゼロリナです。こんなんばっかり書いてます。困ったもかです。設定段階では『夢の中で・・・・』と対になっていました。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3609再掲示『夢幻』松原ぼたん E-mail URL7/25-14:08
記事番号3424へのコメント
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 『夢幻』

「うわっ」
 ガラララララ・・・・。
「きゃっ」
「気をつけなさいよ、この暴走馬車っ!!」
 様々な音を交差させながら馬車は走り抜けていった。
「全くなんなのよっ!! 今度会ったら『竜破斬』かけちゃる」
「おひおひ・・・・」
 リナのつぶやきを聞いてガウリイが頬に一筋の汗を浮かべた。
 一方ゼルは何かを見つけたらしく、真っ直ぐ通りの反対側に向かっていた。
「どうかしたのかー?」
 ガウリイの言葉に応えずしゃがみ込むゼル。よくよく見るとその足下に人間らしきものが倒れていた。
 慌てて駆け寄るリナ達。
「酷いな・・・・」
 ゼルが眉をひそめる。
 倒れていたのは小さな女の子だった。おそらくさっきの馬車に轢かれでもしたのだろう。
 あちこちにある細かい擦り傷だけならまだしも、奇妙な方向に折れ曲がっている足が何とも痛々しい。
「生きてはいるみたいね。とにかく魔法医に・・・・アメリアの方が早いか。ゼル、ガウリイ、この子をアメリアのところへ連れていって。宿でいるって言ってたから」
 リナの言葉にゼルが少女を抱き上げる。
「リナはどうするんだ?」
「もしこの子を捜しに来た人とかがいたら事情を説明して連れて行くから」
「わかった」
 ガウリイ達を見送ってしばらくして・・・・。
「おじょうさまぁぁ〜」
 半泣きでそう叫びながらあたりを見回す女の人が現れた。
 リナはその人に声をかける。
「あんたがさがしてるのってぴらぴらした白いドレスを着た女の子?」
「そ、そうですっ」
 その家政婦のような格好をした女の人――お嬢さまと呼んでいたところをみるとおそらく本当に家政婦なんだろう――はリナにすがりつくような視線を向ける。
「そのおじょうさまなんだけど・・・・」
 さすがのリナも言いづらそうだった。
「さっき馬車にはねられたわ」
「なんですってぇぇっ!?」
 まともに顔色を変える家政婦。
「あっ、あたしの仲間が怪我は治すから死んだりは・・・・」
「どこに連れていったんですかっ!?」
 よけいに混乱したようだ。
「あああ、誘拐でもされたら・・・・あたしの命に関わるわっっっ!?」
 ・・・・結局保身かい。
「別に誘拐じゃないって言ってるでしょうが」
 リナがうんざりという。
「だいたい誘拐したのならあたしがこんなところに残ってるわけないでしょうが」
「身代金を要求するためかもしれないじゃないですかぁぁ」
「うるさいっ!!」
 リナが怒鳴った。
「だったら万一の時はあたしを役人に突き出すなりなんなりすればいいじゃないのっ!!」
 ・・・・呪文を唱えなかったのは幸いと言えるかもしれない。
「それともリナ=インバースが人質が不満!?」
「りっ、リナ=インバースぅぅ・・・・」
 うーんとうなって家政婦は気絶した。
「・・・・どういう意味よ?」
 不満げにつぶやいたリナの言葉はもちろん家政婦には届かなかった。
「そう言えばつれてかなきゃなんないんだっけ?」
 リナは考える。
「えーい、めんどくさい」
 そう叫んでからリナは家政婦を抱えた。
 そして浮遊の術をかけふわふわと宿に向かったのだった。
 ・・・・もちろん注目されたのは言うまでもない。

「ありがとうおねえちゃん」
 事故に遭った女の子はにこにこと礼を言う。
「どういたしまして。気をつけなきゃダメですよ。誰か大人の人は一緒じゃなかったのですか?」
 アメリアの言葉に女の子の顔が曇る。
「だってぱぱがあたしのこと、そとにだしてくれないの・・・・。だからカーナさんのすきをみてぬけだしてきたんだけど・・・・」
 泣きそうになる女の子のを見てアメリアが慌てる。
「そ、そうです。名前はなんて言うんですか?」
 苦し紛れの質問だったが女の子の気はそれたようだ。
「アルシャはね、アルシャ=リンディっていうの」
「リンディ?」
 ゼルが聞き返して女の子――アルシャがおびえた。
「あああ、ゼルガディスさん、気持ちは分からなくもないですけど落ち込まないでくださいっっ」
 パニックするアメリア。
「なあ、名前がどうかしたのか?」
「ガウリイさん、忘れないでくださいっ。ここのロードと同じ名前でしょうが」
「そうだっけ?」
「ぱぱをしってるの?」
 アルシャの言葉で騒ぎはぴたっと収まる。さすがである。
「・・・・あの、アルシャちゃん、お父さんっていい人?」
 多少気が進まないふうではあるが、アメリアが尋ねる。
「わかんない。ほしいものならなんでもかってやるっていってくれるけど、そとにはぜったいだしてくれないの・・・・」
「お父さんはどうやって何でも買ってくれるの?」
「んとね、『金なら莫迦からいくらでも奪い取ればいい』からって」
 アルシャが無邪気にとんでもないことを言い放つ。
 アメリアがすっくと立ち上がった。
「そんな、許せませ・・・・」
「落ち着けアメリア」
 ゼルがアメリアの口を押さえる。
「分かったか?」
 頷くのを見て手を離す。
「・・・・にしても噂通りの様だな」
 一人ごちる。
「だったら・・・・」
「気持ちはわからんでもないが、子供の言うことだ。嘘ではないにしろ間違っていることもある」
 実はも何もないが、リナ達はフィルさんに依頼され、ここのロードを調査にやってきたのだ。
 ここのロードには悪い噂がある。
 一つは税金を搾り取っているという噂。証拠はないのだが・・・・。
 そしてもう一つは・・・・。
「ひどい、アルシャこどもじゃないもん」
 アルシャが頬を膨らませた。
 そのときドアがバタっと開いた。
「みんなおまたせー」
 リナ登場である。
「いや、この人いきなり気絶しちゃって・・・・連れてくるのに苦労しちゃつたわ」
 と、家政婦を床に放り出す。
「リナさん、もしかして殴りました?」
「まさか。お嬢さまが誘拐されたってパニック起こしたのよ」
「・・・・けど、リナ。この人たんこぶがあるぞ」
 ガウリイの言葉の通り家政婦さんの頭にはたんこぶが出来ていた。
「そぉいえば階段で浮いているとき何かゴンって音がしたような・・・・ま、どうでもいいでしょ」
 リナがあっさり言う。
「まったく・・・・」
 アメリアがあきれたような表情を浮かべつつ、家政婦に呪文をかける。
 たんこぶが治り、ゆっくりと目を開ける。
「大丈夫ですか?」
 アメリアが家政婦さんに尋ねたが、彼女はアメリアを見ていなかった。
「おっ、お許しくださいっ」
 アルシャを見て狼狽する。
「お願いですから殺さないでくださいっっ」
「殺す?」
 ゼルが聞き返した。
 もう一つは・・・・ロードの周りでは人がよく消えるという噂だった。
 まさか・・・・。
「そうなんですぅ」
 家政婦が泣きながら言う。
「あの家では、お嬢さまに嫌われた使用人は例外なく体を引き裂かれて死んでいるんですぅ。怖くて怖くて・・・・やめるわけにはいかないしぃぃ・・・・」
 ・・・・まさか。
「カーナさん、おしゃべりね」
 一瞬、その台詞を誰が発したものか分からなかった。
「アルシャ、おしゃべりなひと、きらい」
 そう言ったアルシャの顔は醜くゆがんでいた。
「しんじゃえ!!」
 瞬間、ドアから、窓から無数の触手めいたものが現れる。
「なっ、何だ!?」
 言いながらガウリイが触手を剣で払う。
「どうしてこうなったんです?」
 言ってから呪文を唱えるアメリア。
「そうだな、ロードが娘が誘拐されたと思い、追っ手を差し向けた」
 剣を振るいながらゼル。
「あるいはこの子がこの触手を操っている」
 言いながら短剣で触手を切り落とすリナ。
 落とされた後も触手はうねうねと動いていた。
「そんな、子供ですよ!?」
「じゃあ、こういうのはどう? アルシャ自身が魔族だった」
「ちがいますぅぅ」
 そう言ったのは、今度は気絶も出来なかったらしいカーナだった。完全に泣いている。
「間違いなくお嬢さまは旦那様のお子さまですぅぅ」
「くっ」
 ゼルがうなった。
 アルシャに放とうとしていた閃光槍の標的を触手に変える。
 何にしろはっきりと分からなければ攻撃する事が出来ないのだ。
「おや、リナさん。こんなところで何をしているんですか?」
 不意に場違いな声が聞こえた。
「ど、どうして!?」
 アルシャが動揺する。
 ゼロスは中に浮いたまま香茶を飲んでいた。
「そうそうリナさん、昔話を一つしましょうか?」
「見てわかんないの!? そんな状況じゃないわよ」
 しかしリナの言葉を聞くようなゼロスではなかった。
「昔、リンディというロードがおりました」
 話し始める。
「ロードにはアルシャという一人娘がおり、ロードはそれはそれはかわいがっていました」
「なんだよ、それ?」
 言いながらガウリイがとうとう光の剣を出す。
「ところがある日、母親と出かけていたアルシャは魔族におそわれました。嘆き悲しむ父親の元にある日ひょっこりとアルシャが戻ってきました。しかしそのアルシャは魔族の化けたものだったのです。しかしそれに気づかない父親は娘を溺愛したそうですよ」
「で、結末は?」
 リナが尋ねた。
「さあ?」
 ゼロスはとぼけた。
「それを知ってどうする?」
 その言葉はアルシャの口から発せられていたものの、すでにアルシャのものではなかった。
「ここで死ぬ以上関係ない。お前達を殺すためにわざわざ馬車まで用意したのだからな。まさか邪魔するとは言わないでしょうな?」
 最後の言葉はゼロスに向けられたものだった。
 ゼロスは軽く肩をすくめて答えなかった。
「あんたたちなんかだいきらい。しんじゃえー」
 それを肯定と受け取ったのか、魔族はアルシャの声でそう言うとさらに触手が動き出した。
「そうよね」
 リナがつぶやく。
「結末はこれから作ればいいのよね」
 キッとアルシャの方をにらむ。
「天空の戒め解き放たれし・・・・・」
「うっかり切られると滅びますよ」
 ゼロスの言葉に魔族は精神世界に逃げ込もうとし――失敗する。
「何を!?」
 ゼロスに尋ねる。
「邪魔するなとおっしゃってたので出来ないように結界をはらせていただきました」
「何を考えている!?」
「秘密です」
 そんな会話をしているうちに・・・・。
「神滅斬!!」
 呪文が完成した。斬りかかる。
「さようなら、アルシャさん」
 剣を刺された魔族の上にゼロスの言葉が降ってくる。
 それが、アルシャと名乗った魔族の最後だった。
 ただ父親が買い与えたであろう白いドレスだけがその場に残った。
「まったく」
 リナがため息をつく。
「ゼロス、あんたまたあたしを利用したんでしょ」
「誤解ですよ。だいたい僕がつく前に勝手に戦ってたのはリナさんでしょう?」
 確かにその通りなのでリナは言い返せない。
 アメリアはただ白いドレスを見つめていた。
「ロードは魔族に踊らされていたんですね」
 最愛の、死んだと思っていてかえってきた娘の願いを叶えたくて、税金を取って、死んだ人の事を隠していたんだろう。
 アメリアはドレスを手に取ると放心しているカーナに手渡した。
「辛いでしょうけどロードには貴方から話してあげて下さい。見ず知らずの人に説明されてはよけいに信じられないでしょうから」
 言われて現実に返ったようだ。
「そんな・・・・そんなことを言ったらご主人様に首にされてしまいますぅぅぅ」
 ドレスを握りしめて力説する。
 とことん保身に走る家政婦であった。
「あ、大丈夫よ。もしそうなったらアメリアが王宮で雇ってくれますから」
「本当ですか!?」
 カーナの表情が輝いた。
「リナさん、無責任なことをと言わないでください」
「それくらい大丈夫でしょ」
 アメリアの苦情をリナが受け流す。
「分かりました。伝えてきましょう」
 言うなりカーナは走り出した。
「・・・・完全に王宮で働くつもりの様だな」
 ゼルがあきれたように言う。
「結構図太い神経をしてるよなぁ」
 ガウリイの言葉にゼロスを含めみんなそろって頷いた。

「なんて報告するのフィルさんに?」
 帰り道、リナはアメリアにそう尋ねた。
「行方不明になった人々は魔族に殺されていて、その魔族は倒した。ロードは税金を搾り取ってはいたものの心を入れ替えると誓った。そう伝えます」
 それは事実だった。
 しかし事実の一部でしかなかった。
 すべてを言う必要はない。
 あの後、カーナを追いかけてロードリンディに会った。
 ロードは案の定、最初娘の死を認めようとはしなかったが、リナ達の話を聞き、カーナからドレスを受け取るとがっくりとうなだれた。
 そしてぽつりと言った。
『娘が死んでいたのは知っていた』と。
 ロードは現実に返ったのだ。
 ちなみにカーナは首にはならず・・・・少し不満そうであった。
 ロードは今までの行動を反省し、もうそんなことはしないと誓った。
 ほかの人や時ならとにかく、今のロードの言葉なら信じられる。
 そう思ったからこそロードを許すことにした。
「もし、またロードが悪いことを始めたらどうするんだ?」
 ゼルがアメリアに尋ねた。
「そのときこそ容赦はしませんっ!!」
 アメリアはぐっと拳を握りしめ、天を仰いで見せたのだった。
「しかしその後、魔族は正義の仲良し4人組に倒され、それを知ってロードは目を覚ましたそうです。めでたしめでたし」
 その後ろでゼロスがどこか皮肉げな調子でつぶやいたが、幸か不幸かそれは聞こえなかった。
「結局甘いんですよ、貴方方は」

 これは、なんか勢いで書いたような覚えが・・・・。アメリアおとなしいですねー。

 お付き合い有り難う御座いました。
 ではまた、ご縁がありましたなら。