◆-ゴッド・スレイヤー 1-越後屋(8/9-00:13)No.3906
 ┣Re:ゴッド・スレイヤー 1-みゅみゅみゆ(8/9-10:58)No.3907
 ┗ゴッド・スレイヤー 2-越後屋(8/12-21:30)No.3959
  ┣Re:ゴッド・スレイヤー 1、2-松原ぼたん(8/12-23:10)No.3973
  ┗2の訂正-越後屋(8/13-20:57)No.4005


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3906ゴッド・スレイヤー 1越後屋 8/9-00:13


「おぎゃあおぎゃあ」
 その子の第一声は大きくて生命力にあふれていた。
 その子が生まれた瞬間、親の顔にも医者の顔にも笑顔が浮かんだ。
 だが――
「なんだ、これは」
 その子の眼が開いた瞬間、父親が信じられないものを見たように怒鳴った。母親も何かを恐れるような表情をした。
 その子の眼は――血の流れよりもなお紅かった。 
―――伝説の『赤眼の魔王』<ルビーアイ>のように・・・・・

 その子はレイと名づけられた。
 大貴族フレオン家の長男として――  

       ゴッド・スレイヤー第1話
          『紅い眼』とドクロベー

「でも、あなた!あの子は私たちの子供なんですよ」
「わかってる。だがな、赤い眼の子供なんて世間にばれたらどうする?
 フレオン家の評判はガタ落ち。熱心な神教徒たちからねちねちと文句を言われ、国王からも白い目で見られるようになる」
「・・・・・・・・でも」
 その女性は悲しい目で乳母車の中の赤ん坊を見た。
 やや、小さめだが元気な赤ん坊だった。ただし、眼は赤かった。
「・・・・正直言って、私も辛いんだ。なかなか子供に恵まれず、やっと生まれた子供だからな・・・・・・」
 その男性は落胆して椅子に腰掛けた。
「・・・・・・かわいい息子をあんな輩に売るなんて・・・・・」
 女性は目に涙さえ浮かべて言った。
「お父様の命令では仕方ないだろう」
 彼は乳母車の赤ん坊に目をやって口を開いた。
「・・・・・明日からおまえは『レイ・フレオン』ではなく、ドクロベー・マグナスの養子『レイ・マグナス』となるんだ・・・・・・・」

 翌日、屋敷にドクロベーの使いがやって来た。
 黒と紫の中間といった色のおかっぱ頭で中肉中背、安物の黒い法衣にありがちな杖。
 これといって特徴のない顔にはなぜか笑顔が浮かんでた。
「では、預かって行きます」
 彼は中年の夫婦の視線に見送られながら、赤い眼の赤ん坊が乗った乳母車を押して行った。

 ドクロベー・マグナスがどういう人物かはあまり知られてない。
 ゼフィーリア国1,2の実業家で王室にもコネがあるかなりの大物だが人前には顔を見せず、もっぱら部下たちがビジネスのために動き回っていた。
 シャブラニグドゥ教徒だとか、伝説の武器<餓骨杖>が人として具現した姿だとか根も葉もウワサは出回っているが・・・・・・・

   ――――――――――――――――――――――
                あとがき

 わたくしPネーム越後屋と申します。
 この作品を読んでいただき大変うれしゅうございます。
 これはレイ・マグナスはシャブラニグドゥだった〜という説をもとに書かせて頂きました。
  では、次回までアディオス!

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3907Re:ゴッド・スレイヤー 1みゅみゅみゆ 8/9-10:58
記事番号3906へのコメント
はい。はじめましてみゅみゅみゆです。とてもおもしろく拝見させていただきました。そうか!レイ=マグナスがまだ残っていたか!
もうほとんどのキャラは書き尽くされたと思ってました。
またこの調子でどんどん書いてくださいね。

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3959ゴッド・スレイヤー 2越後屋 8/12-21:30
記事番号3906へのコメント
      2話  それは『赤い闇』

「遅くなってしまいましたね。少し、急ぎましょう」
 夜に沈む街の裏通り、人の気配すら感じない闇の中を進む2人組がいた。
 2人とも金髪で前をいくまだ若い人がランプをもっており、そのすぐ後ろに初老の男がいた。
「最近、黄金竜族の重要人物の暗殺が続いてますし、
中でも――未確認の『赤い闇レイ・マグナス』とかいう奴が・・」
 先頭を行く人影の言葉を後ろを歩く初老の男が朗らかな声で制した。
「オイオイ、今夜は久しぶりにいい酒だったんだ。職務の話はやめだよ。」
「そーいえば、お子さんは元気ですか」
「ああ、フィリアか。まだ目も開かん赤ん坊だが――」
 その言葉のやり取りを聞いて先頭の男が立ち止まった。そして、振り返り後ろの男に聞いた。
「コプト様・・・・・今、誰と話してたんですか」
「へ?」
 初老の男は間の抜けた声を出した。
「それは私ですよ」
 その声は2人のすぐ上から聞こえた。2人はしばし、視線を合わせた後、恐る恐る視線を上へ向けた。
 そこに浮かんでたのは――一つの赤い闇
「ほえ?」
 先頭の男がこれまた間の抜けた声を出し、ランプをかかげてそれをよく見た。
 それは人間の姿をした者だった。見た目は15歳くらい、シャレにならない、絵にも描いたような美少女だがよく見ると少年だった。
 夜の闇に溶け込むような黒くて長い髪。
 全身を覆う服は神官の略服のようだった。ただし、色は赤。そして、瞳の色も赤――
「火竜王神殿神官長のオスト・ウル・コプトさんですね」
 その少年が笑顔で言った。
「ど、どなたでしょうか?」
 初老の男は引きつる笑顔で聞いた。
「シャブラニグドゥ派の秘密結社に所属する『赤い闇レイ・マグナス』と言えばわかるで・・・・・・・いきなりガーヴフレア」
 いきなしその少年の放った赤い閃光に初老の男、オスト・ウル・コプトは胸を貫かれ、倒れた。
 上司のあっけない最後に先頭の男は何がなんだかわからなくなって混乱し、ランプを落としてしまった。ちょうどランプは道の端の排水溝に落ちたので火事にはならなかったが。
――シャブラニグドゥ派?――赤い闇?――コプト様が死んだ?
 答えも出せぬまま、その男も赤い閃光に胸を貫かれ、倒れた。
 まさにあっと言う間の出来事だった。

  ――――――――――――――――――――――――
              あとがき

お久しゅうございます。越後屋でございます。
いやぁー前回の赤ん坊からいきなり少年時代ですからね。
はっはっはっは。
幼年時代はどーした?と聞かれるかもしれませんが
ま、幼年時代については秘密です。
というより、考えてない。
   じゃ、またいつか。会える日まで!

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3973Re:ゴッド・スレイヤー 1、2松原ぼたん E-mail 8/12-23:10
記事番号3959へのコメント
 面白かったです。

>          『紅い眼』とドクロベー
 ギャグですか?(笑)。
>「・・・・正直言って、私も辛いんだ。なかなか子供に恵まれず、やっと生まれた子供だからな・・・・・・」
 目でもつぶすの?
>「・・・・・明日からおまえは『レイ・フレオン』ではなく、ドクロベー・マグナスの養子『レイ・マグナス』となるんだ・・・・・・・」
 むちゃくむゃ座りわるいですねー(笑)。
> 黒と紫の中間といった色のおかっぱ頭で中肉中背、安物の黒い法衣にありがちな杖。
 をや?
> シャブラニグドゥ教徒だとか、伝説の武器<餓骨杖>が人として具現した姿だとか根も葉もウワサは出回っているが・・・・・・・
 後者なら楽しいかも。
>中でも――未確認の『赤い闇レイ・マグナス』とかいう奴が・・」
 暗殺者・・・・いいかも(はぁと)。
>「ああ、フィリアか。まだ目も開かん赤ん坊だが――」
 をや。
>「シャブラニグドゥ派の秘密結社に所属する『赤い闇レイ・マグナス』と言えばわかるで・・・・・・・いきなりガーヴフレア」
 なんか身も蓋もないような・・・・。
> まさにあっと言う間の出来事だった。
 大変。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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40052の訂正越後屋 8/13-20:57
記事番号3959へのコメント
すひません。フィリアの父はバザード・ウル・コプトでした。本当にすひません。