◆-THE BATTLE-UNYO(8/25-15:02)No.4197
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4197THE BATTLEUNYO 8/25-15:02

THE BATTLE

どことも知れない草原。
空には暗雲がかかり、時折雷鳴が聞こえていたりする。
風が、あらゆるものを吹き飛ばそうとしているかのように吹き荒れている。
辺りには何も無く、遠くの方にただ山が見えるのみ……
そんな中、2人は向かい合っていた。
一方は、栗色の髪・赤い瞳の美少女魔道士、リナ=インバース。
もう一方は、金髪・碧眼の美形戦士、ガウリィ=ガブリエフ。
二人は一定の間合いを取って、リナはショートソードを手に持ちながら呪文を唱え、ガウリィは長剣をピタリと構えている。
この戦いが、遊びや模擬戦などではない事は、二人の瞳を見ればすぐに分かるだろう。なぜならその瞳には憎しみこそはないが、相手の命を奪う事も辞さないほどの覚悟があふれていたから……
何ゆえ二人が戦っているのか、それは本人達が知っていれば良い事であり、余人が口出しできる物ではない。
とにかく、今まさに人と言う生物の中で、それぞれの道――魔道と剣術――を極めしものが、その技量の全てを用いて雌雄を決しようとしているのだ。間違いなくどちらかが死に瀕するほどの戦いになる事は間違いないだろう。
風が吹き荒び、雷鳴が響いたその瞬間。
リナが動いた。
後ろにバックステップしながら炎の矢を放つ。
数十本の、火によってかたどられる矢は、避けようの無いスピードでガウリィに向かう。
しかし、ガウリィはそれを前にダッシュしながらかわす!!その動きは野生の豹と言った様で、人のそれを遥かに凌駕していた。
そして、ガウリィはそのまま剣を構えつつ間合いを詰める。
通常、魔道士と剣士の戦いは間合いがその決着をつける。魔道士は魔法の有効な中〜遠距離を保ちながら呪文を唱える。そして剣士はその魔法を避けつつ間合いを詰める。たいていの場合、魔道士の方が有利とされている理由は、この距離を詰めるのが困難なためと言われている。
しかし、ガウリィはその間合いを詰め、今まさに必殺の剣を振り下ろそうとしている。
ヒュン!!
軽快な音さえ響かせながら、振り下ろされる剣はしかし宙を切るはめになった。
なぜなら相手はただの魔道士ではなく、リナ=インバースなのだから。
リナはとっさに横に身を投げ出し剣をかわす、そして唱えておいた呪文を発動させる。
「炸弾陣!!」
地面が螺旋を描き、そしてガウリィを中心に吹き上がる。もう少し時間があればより威力の大きい『爆裂陣』を使えただろうが、それでもとっさにこれだけの事が出来るのも彼女が一流の証と言える。
ザザッ!!
一回転して身を起こすリナ。当然、、すでに新しい呪文を唱えている。そして、その赤い瞳は眼前の敵を見据えている。
まさかあの程度でガウリィが倒れるとは、微塵も思ってはいないようだ。
そして、それは事実でもあった。とっさに中心から身を引いたのであろう、多少の衝撃を受けながらもガウリィは立っていた。しかし、その間合いは詰める以前の位置にある。
これが、リナの目論見でありそして、間合いを取ることにより次の呪文が有効に働く戦術であった。
「火炎弾!!」
『力あることば』の発動と共に、紅蓮の火の玉がガウリィに向かう。
しかし、ガウリィはそれをものともせず、間合いを詰める。
だが、それはリナの作戦であった。
「ブレイク!!」
そう言うと、ガウリィの後ろで火炎が炸裂する。
通常、着弾しなければ効果をあらわさない『火炎弾』。それをアレンジすることにより、任意の場所で破裂させる。
おそらく、ガウリィがまた間合いを詰めるために前に動く、そう読んでのリナの行動。
直撃すれば岩をも溶かす呪文の炎。しかし、ガウリィはとっさに前に転がり、衝撃の半を逃がす。そして、間合いの外から剣を振り降ろす。
「!!」
剣の柄から解き放たれた刀身が、リナに襲いかかる。
キィィィン!!
硬い音を立てて、刀身は宙に舞う。
リナがとっさに、ショートソードではじいたのだ。
そして、ガウリィの刀身のない剣には、光で形成される刃が輝いていた。 『光の剣』
かつて、サイラーグを壊滅させた魔獣・ザナッファーを葬むりし、伝説の剣である。
今、その伝家の宝刀とも言える剣を、ガウリィは抜いた。
それだけ、リナの攻めは苛烈なものであったし、本気を出すことはすなわち戦士の礼儀だった。
スウッ……
静かな構えから、ガウリィは動く。その動作は、先程のものとは明らかに違っていた。
今までは、普通の剣ゆえ魔法をはらったりは出来なかった。しかし今は違う。その光の刃はほとんどの魔法を切り裂くため、一直線にリナへと進める。また、無理に間合いを詰める必要も無くなった。剣は、彼の意思でその刀身を目標へと飛ばす。ゆえに、飛来する魔法を相殺することも可能である。
戦況は、一気にガウリィの優勢となった。
リナも必死に魔法で牽制をするが、それでもそのことごとくをガウリィはかわしている。
ガウリィが、苛烈に攻める。リナはそれを只、かわすのみである。
彼女の持つショートソードは多少の魔力が付与されているが、それでも光の剣を受ける事はかなわない、もし受けたならその刀身ごと彼女の身体は引き裂かれるだろう。
時折、呪文を唱えるがそれはあっさりと躱される。
ガウリィの動きは、無駄がなく、速さと力強さを兼ね備えた合理的な剣さばきを見せている。そしてそれでいて、とっさの動きにも対応できる臨機応変さもガウリィは持っていた。
魔法をはじき、間合いを詰める。剣を振り下ろし、そして突く。時折足でのフェイントも交えて、変幻自在の攻めを見せる。
リナは今まで、何とか致命的な攻撃は受けずにすんでいる、が、それでもかすり傷は受けているし、かすり傷でも数が積もれば体力が奪われていく。
このままでは、いずれやられる。
そう感じたのか、それともこれ以上ガウリィとの戦いに堪えられないのか、リナは勝負に出た。
「風よっ!!」
自らのショートソードに『風の結界』をまとわせる。
そして、それをガウリィに向けて飛ばす!!
ショートソードは避けようのない速さで進む。
ガッッッ!!
ショートソードは狙い違わずガウリィの身体に突き刺さる。
だが、それはガウリィのアイアン・サーペントの鱗で造られた、鎧の肩の部分を吹き飛ばしただけだ。
ガウリィは、まさに神業としか言えない反射神経でその攻撃を躱したのだ。だが、その衝撃までを躱せるわけはなく、体勢を大きく崩す。
そして、ガウリィに生まれたスキをリナは逃さなかった。
起死回生の呪文を唱えながら、ガウリィに向かって走る!!
「神滅斬!!(ラグナ・ブレード)!!」
すべてを切り裂く混沌の刃がリナの手に現れる。
おそらく、この術なら光の剣に打ち勝てるはず。
そして、昏き刃を振りおろす。
しかし、ガウリィもただそれを待つだけの事はしない。必死に体勢を持ち直そうとする。
そして、光の剣を斜め下から振り上げる。彼の力なら少しくらいの構えの乱れは無視できる。
ずばぁあああああああああっ!!!!
闇と光が辺りにはじけた次の瞬間。二人の身体は交差していた。
二人ともピクリとも動かない、風が二人の間を行き過ぎる。
カラン……
ガウリィの手から刀身を失った剣の柄が落ちる。
それと同時に、リナの手の中から闇が消滅する。
そして、二人は倒れる。
辺りに動くものは何も存在せず。丈の長い草が揺れている。
いつのまにか空に浮かんでる月だけが、二人の姿を照らしている。
いつまでも、いつまでも……

「いいっスよ、コレ!!」
そう言って1人の青年が、後ろの中年を振り替える。
青年の、前にあるテレビには『DOROW』の文字が浮かんでいる。
そして、テレビには灰色のゲーム機がつながっており、そのゲーム機からのびたコントローラーは青年の手に握られている。
「だろう?いやー苦労したよ。ポリゴン処理して、魔法も一々調べて、なおかつ動かしやすい様に操作系も調整して、登場キャラも選りすぐって……」
「ホントに動かしやすいし、グラフィックもキレイだし、大ヒット間違いないですよ!主任!!」
「あぁ、何と言ってもこの『BATTLE OF SLAYERS・SPECIAL』はウチの年末主力製品だからな……」
「あとは、デバックとテストプレイを重ねるだけですね……」
そう言うと青年は、またプレイし始める。今度はナーガ対ガウリィだ。
「そうだな……よし、じゃあ対戦するか!!」
「はいっ!!」
「手加減しないからな」
「望むとこですよ!!」
そう言いながら二人はゲームの世界へと没頭していった。

おわり

著者から……

ひーん、すいません。怒らないでーーー。
一度、リナとガウリィが本気で戦うのを書きたいと思ったのはいいけど、うまいシチュエーションが思い浮かばなかったもので……
こんなんに、なってしまいました。
しくしく……。あぁ、もっと文才が欲しい。

でも、欲しいなぁ「BATTLE OF SLAYERS・SPESIAL」
登場キャラはリナ・ガウリィ・ゼル・アメリア・ゼロス・ナーガ・フィリア・ヴァルガーブ。あと、隠しキャラで郷里のねーちゃんとか、L様とか……
うーん、バンプ○ストからセ○・サ○ーンで発売しないかなぁ……
無理かなぁ……

あ、感想なんかもらえると私、狂ったかのように喜び乱れ舞うんですが……
あと、べつのスレイヤーズものも書いているんで(ガウリナもの)近々乗せる予定です。
ではサヨナラです。
1998/8/25 UNYO



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4204Re:THE BATTLE明美 E-mail 8/26-02:16
記事番号4197へのコメント
UNYOさん、はじめまして、読みました。

すごいっ、戦闘シーン満載ですね。
最後まで、どーなるんだー、とドキドキしながら読みました。
ゲームだったんですね。よかったあ。2人が死んだら悲しすぎるー

ゲーム、こんなのでたら私も欲しいなあ。
できたら64かサターンで……プレステ持ってないんです。(プレステのろいやる欲しい、しくしく)

ガウリナ書いたら、絶対読みます!がんばってね!!
(私もガウリナ書いてるので、読んで見てください。と、さりげなく宣伝)

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4217ありがとうございます!!UNYO 8/27-13:33
記事番号4204へのコメント
 感想をありがとーーーーー!!
 UNYOです。
  クルクル←狂ったように乱舞している。
 あんな、お馬鹿な話に感想をくれるなんて……
 明美さん!!
 あなたは、天使のようなお人だ!!
 あなたの様な方がいる限り、私は文をうち続けるぞっ!!
 よしっ!!早速新しいアイディアを考えよう。
 そういうわけで、アディオス!!また会おう!!!!
 
 PS:明美さんのお話。毎回読ませてもらっています。
    これからも頑張って下さい。
 
 

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4229コメント−感想っす@千恵風味 8/28-17:10
記事番号4197へのコメント
UNYOさんは No.4197「THE BATTLE」で書きました。
> THE BATTLE

> 一方は、栗色の髪・赤い瞳の美少女魔道士、リナ=インバース。
> もう一方は、金髪・碧眼の美形戦士、ガウリィ=ガブリエフ。
ばぶっつ!(笑)
 ・
 ・ 
 ・
>著者から……

> ひーん、すいません。怒らないでーーー。
> 一度、リナとガウリィが本気で戦うのを書きたいと思ったのはいいけど、うまいシチュエーションが思い浮かばなかったもので……
> こんなんに、なってしまいました。
> しくしく……。あぁ、もっと文才が欲しい。
えー、でも、おもしろかったですよ。
 さいしょ、「なにごと!?」なんて思ったけど。はは。
>
> でも、欲しいなぁ「BATTLE OF SLAYERS・SPESIAL」
> 登場キャラはリナ・ガウリィ・ゼル・アメリア・ゼロス・ナーガ・フィリア・ヴァルガーブ。あと、隠しキャラで郷里のねーちゃんとか、L様とか……
> うーん、バンプ○ストからセ○・サ○ーンで発売しないかなぁ……
> 無理かなぁ……
もうそれは、ぜったぁいに買いです。たとえ本体もってなくともっ!(笑)
>
> あ、感想なんかもらえると私、狂ったかのように喜び乱れ舞うんですが……
> あと、べつのスレイヤーズものも書いているんで(ガウリナもの)近々乗せる予定です。
おーえんしてます。ガウリナ万歳!
> ではサヨナラです。
>1998/8/25 UNYO

むむむ・・・?
 UNYOって、「うにょ」とよむのでしょーか?
 もしかして「あさりちゃん」にでてくる・・・?!

なにわともあれ、がんばってください。
でわ。       千恵。

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4279Re:THE BATTLEさぼてん 9/1-20:35
記事番号4197へのコメント
まず・・・UNYOさんはじめまして、
さぼてんというものです、最近ここのコーナーに姿を見せないんで、レスとか小説とかみかけないでしょうが・・・

ほんっっとにガウリイとリナが戦うお話だと思って、珍しい話だなぁと思ったんです。
最後ら辺見て、え?とか思いましたよ・・・
ゲームのヤツだったんすね・・・
で、凄いと思った点が一つ、

戦闘シーンって、魔法とかに知識がないとあんま書けないじゃないですか、(私はそうなんですけど)
で、凄くなんてゆーか、戦ってるって感じがしました。
「よく知ってるなぁ、こんなこと」と思った点が少しありましたし・・・

> こんなんに、なってしまいました。
うーん感じ的には夢落ちみたいですね?

> しくしく……。あぁ、もっと文才が欲しい。
そうですか?全然大丈夫ですよ?

> あ、感想なんかもらえると私、狂ったかのように喜び乱れ舞うんですが……
ンじゃこれ見て喜んで下さい(はあと)
そうして貰えると私も嬉しいです。

> あと、べつのスレイヤーズものも書いているんで(ガウリナもの)近々乗せる予定です。
レスはできないかもしれないですけど、
読みますね。

   では