◆-はじめまして&初投稿です-T−HOPE(9/10-21:54)No.4423
 ┗ただ一人のあなた(2)-T−HOPE(9/11-09:34)No.4436
  ┗ただ一人のあなた(3)-T-HOPE(9/11-11:25)No.4438
   ┣はうぅぅぅ〜-ひなた(9/11-18:23)No.4443
   ┃┗Re:はうぅぅぅ〜-T−HOPE(9/11-21:11)No.4447
   ┗ただ一人のあなた(最終)-T−HOPE(9/11-21:22)No.4448
    ┗Re:ただ一人のあなた(最終)-ひなた(9/11-23:08)No.4450
     ┗ありがとうございます(にっこり)-T-HOPE(9/14-10:02)No.4537


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4423はじめまして&初投稿ですT−HOPE E-mail URL9/10-21:54

 こんにちは。今までROMってただけですが・・・ちょっとした気の迷いで、投稿させていただきます。
 駄目駄目な代物ですけれども・・・よろしければ、読んでやって下さい。


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 ただ一人のあなた(1)


「さて。……ずいぶん逃げ回って下さいましたね」
 にっこり。
 台詞に全くそぐわない人なつっこい笑みを浮かべながら、僧侶姿の男は相手に対峙した。
 言われた相手は――どうやら、魔道士のようだったが――露骨に顔に怯えを刻み、首を振りながら後ずさった。
「ゆ、許してくれ……。俺は、頼まれただけなんだ。アレは渡す! だから……」
 その台詞に、僧侶姿の男は僅かに首をかしげた。切りそろえられた黒い髪が、さらっと音をたてる。
「そーですねぇ。……でも、あなたも既にご存じなんでしょう、その内容?」
「わ……忘れた! もう、忘れたよ……っ」
「……せめて、知らないとでも言っていただきたかったところなんですけどねぇ。僕も、面倒なことは嫌いですから。
ま、ともあれ、僕もこれが役目なもので――悪く思うな、なぁんて言いませんけど……」
 僧侶姿の男は、すっと、手に持った錫杖を男に向けた。
「諦めて下さいね(にっこり)」

 がさっ。

 まるで、その瞬間を見計らったように、彼らの背後の茂みが揺れた。
「なっ……何してらっしゃるんですか!?」
 同時に、少女の声が飛んでくる。
 無視してもよかった筈だが――その声の響きは、僧侶姿の男を振り向かせるだけの意味を持っていた。
「…………!?」
 眠る猫のように細められていた男の瞳が、一瞬、見開かれた。
 彼の目の前にいたのは、栗色の髪を長く伸ばした、紅色の瞳の小柄な少女だった。
 刹那の自失。
 男が常の自分を取り戻し、振り向いた時には――。
「……あー。逃げられちゃいましたねぇ……」
 さして残念そうでもなく呟くと、男は、身体ごと振り向いて少女に対した。
「それにしても、絶妙のタイミングで出てらっしゃいましたね……リナさん」
 苦笑しながら言う。
 ……と。
「あのぉ……あたし、あなたを存じ上げないんですけどぉ……」
 ………………。
「はい?」
 両の拳を口の前に当て、上目遣いに見上げられながらそう尋ねられ……男は、凍りついた。
「何処かで、お会いしましたかぁ?」
「……えーとぉ。もしかして、あなたは、リナ=インバースさんでは、なかったり……します?」
 何やら冷汗らしきものを浮かべながら、男はおずおずと問いかけた。
 が、少女は、ぷるぷると首を横に振った。
「いえ、あたしは、リナ=インバースです。……あっ、もしかして、あなたは“あの”リナさんのお知り合いの方で
すかぁ?」
「……“あの”リナさん?」
 男の言葉に、少女は大きく頷いた。
「あたしのオリジナルの方なんです。盗賊殺しとかドラまたとか破滅の申し子とか……よく噂に出るでしょう?
(はぁと)」
「はぁ……確かに、“そーゆー噂”で有名な方ですからねぇ……」
 男は、僅かに足を退きながら言った。
 話の内容よりも、オリジナルのリナを知っている身として、こーゆーリナを近くで見続けることが辛いらしい。
 が、少女はそんなことに気づく様子もなく、キラキラ瞳のまま男を見上げた。
「あのぉ……それで、もしかしてあなた、リナさんの行方、ご存じありませんか?
 あたし、昔リナさんを引き止めもせず行かせてしまったんですけど……届く数々の噂を聞くたび、間違っていた
んじゃないかって思いが強くなっていくんです。
 ですから、是非ともリナさんの側に駆けつけて、話し合いは戦いに勝るのよ(はぁと)って……この心を判ってほ
しいと思ってっ」
「……あの……ちょっと……」
「ほんとうに悪い人なんて世の中にはいません!
 きっと話し合えば判っていただけるんですぅっっっ……!
 …………。……あの、顔色悪いですよぉ? 大丈夫ですかぁ?」
 乙女ちっくに瞳を潤ませながら力をこめて叫んでいた少女は、目の前の男の顔色がどんどん青くなっていくのに
気づき、目を丸くした。
 男は、紙のように白くなった顔に力ない笑みを浮かべながら、軽く頭をかいた。
「……ちょっと……今のは、効きましたよ」
「はい?」
「いえいえいえ、いーんですけどね。残念ながら僕は、今リナさんが何処にいらっしゃるかは、知らないんですよ」
 少女は、がっかりしたように肩を落とした。
「そーですかぁ……」
「お役に立てず、申し訳ありませんね」
 男がいうと、少女は大きく首を振り、ぱんと手を叩いた。
「いーんですっ。いつかあのリナさんにも、全ての人を愛するこの熱い気持ちが伝わると思いますからっ。
 ……それより、ずいぶん顔色悪いようですし、リナさんのお話も聞きたいですし……あたしの家に、寄っていかれ
ませんか?」
「うーん……そーですねぇ……」
 男は少し迷うように首をかしげた。
 実際、先ほど逃げられた人間を追ったりもしなければならないのだが……。
(ま、こっちの方が面白そうですからね)
 そう一人ごちて、黒髪の男は頷いた。


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 ということで・・・登場人物の名前一人もでてません・・・(^^;)
 とりあえず、誰と誰かは・・・わかります、よね?
 しかし、初投稿で何故続いてるんでしょう・・・変だなぁ。予定では、もっとさっくり終わる筈だったのに・・・。

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4436ただ一人のあなた(2)T−HOPE E-mail URL9/11-09:34
記事番号4423へのコメント

  ただ一人のあなた(2)


「……成程。そーするとあなたは、リナさんの『影』であり、リナさんと全く正反対の性質を持っていらっしゃるわけです
ね?」
 呑気にお茶をすすりながら、自己紹介で「謎の神官ゼロスです(にっこり)」などと言った男は、感心したように頷いた。
「どーも、そうみたいなんです……。
 それで、あたしとしては、リナさんの分までこの世界の人々全てに愛と平和を(はぁと)、と、及ばずながらこの町で人
権擁護活動なんてしてるんですぅ」
「う゛。……そ、そうなんですか」
 ゼロスは、また、僅かに顔を引きつらせながら応じた。
「そーなんです。どんな人だって、話せば判って下さいます!
 ……ですから、あの、ゼロスさん?」
「なんでしょう?」
「勿論、あなたにも事情は色々おありなんだと思いますけど……先刻みたいなことは、あまり、良くないと思いますよぉ」
「はぁ……そーかもしれませんねぇ……」
 もはや完全に疲れきった口調で、ゼロスは答えた。
「でも、一応僕にも事情がありまして。どーしても、あの人が盗みだした物を取り戻さなくちゃいけないんですよ」
「……って、それはいったい?」
 大きな瞳でゼロス見上げながら、『影』リナは問いかけた。
「それは……秘密です」
 人差し指を口にあて、ゼロスはにっこりと笑った。
「そ、そーなんですかぁ?
 ……でも、なるべく穏便に、話し合いの道を選んで下さいね……。
 って。――あ!」
「どうしました?」
「お仕事にいかなきゃいけないんです。
 牢屋で盗賊さん達の身の上話聞いたりぃ、道に迷ったお婆さんを案内したりぃ、迷子のお母さんを探したりぃ……」
 ゼロスは、何故だか妙な目になって、話を妨げた。
「もう結構ですから……」
(……リナさんと全く同じ顔をした方からこういう話を聞くと……本当に、こたえてしまいますねぇ)
 いっそ、アメリアさんあたりの方が、まだ違和感がないかもしれません……などとぶつぶつ言っている。
 それを見て、『影』リナは、残念そうに首をかしげた。
「そうですか? お話を聞いて、あなたにも人権擁護活動の素晴らしさに目覚めていただけたら、とぉっても嬉しかった
んですけどぉ……」
「いえ、本当にもう結構ですからっ。そ、それより、お仕事の方はいいんですか?」
「あ、そうでした。……あのぉ、まだ暫くこの辺りにいらっしゃいますか?」
 聞かれて、ゼロスはほんの少し首をひねった。
「そーですね。まだ“用事”が終わってませんから。でも、何故ですか?」
「まだぁ、“あの”リナさんのお話聞いてませんから……」
 瞳うるうる状態で、『影』リナはゼロスを上目遣いに見た。ゼロスは少し困惑した表情になって、頭をかく。
「うーん……お約束はできないんですけど、もし今日中に用事が済まないようでしたら、少しくらいはお話できるかもし
れませんねぇ」
 そう言われて、『影』は嬉しそうに笑った。
「ありがとうございますぅ。楽しみにしてますねっ」
 ぶんぶん手を振りながら出ていく少女を見送って、ゼロスはふと、大きな溜息をついた。
「……何か……元々の方を知っていればいるだけ、疲れる人ですねぇ……」
 言いながらも、その顔には常と変わらぬ笑顔が張りついていた。

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ということで・・・ゼロスとシャドウが出てきてるんです・・・けど・・・(^^;
シャドウの表記がよく分からないんで、『影』にしちゃいました。
・・・見にくいでしょうか?

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4438ただ一人のあなた(3)T-HOPE E-mail URL9/11-11:25
記事番号4436へのコメント
   ただ一人のあなた(3)


 『影』リナは、夕飯の材料を抱え、スキップを踏むような足取りで家に向かっていた。
 今日もいい日だった。
 オリジナルのリナさんの知り合いらしき人に会って、その人の無体な行動を止められて、ついでにお財布を落とした
お婆さんをお手伝いすることができた。
(もしも上手くいったら、あのゼロスさんを通じて、リナさんに、話し合いの素晴らしさを理解してもらえるかもしれません
よね(はぁと))
 そんな事を考えながら家のドアを開き……。
「お、俺を助けてくれ!」
 後ろから聞こえた声に、足を止めた。
「はい? どなたですか、あなた」
 『影』リナには全く見覚えがない中年の男だった。何処か藪を突っ切りでもしたように、服があちこち綻びている。
「あたしにできることでしたら、勿論、助け合いの精神に基づいてお手伝いいたしますよぉ……」
 その言葉に、男は、暗夜に光を見出だしたかのような表情になった。
「あぁ、ありがてぇっ。“あの”リナ=インバースがついてくれたとなりゃぁ、あのクソ坊主から何とか逃げられるかもしれ
んっ」
「……え? えーと、あの、あたしはリナですけど、でも……」
「リナ=インバースだろうっ!?」
「えぇ、まぁ。リナ=インバースではありますけど……」
「だから、俺を助けてくれ! ほ、報酬は……金はないが、これを渡すってことで!」
 そう言うと、男は、戸惑う『影』リナに、何やら古びた紙を数枚渡した。
「あんたほどの魔道士だ。この価値は判る筈だろう!?」
「……え……?」
 今にも食いつきそうな形相で迫られた『影』リナは、思わず、その内の一枚を開いた。
 ――その、刹那。
「まったく……困りましたねぇ。そんな風に知識を拡散されてしまっては……」
 不意に。
 何処からともなく。
 ゼロス、と名乗った神官の声が響いた。
 男はざっと青ざめ、一歩に歩後退り、周囲を見回した。
「くっ……クソ坊主! 何処にいる!?」
「クソ坊主はひどいですねぇ。僕にはゼロスっていう、ちゃんとした名前があるんですから……」
 見えない男の声は、なおも、世間話の雰囲気を崩さなかった。
「それに……僕は、ここにいますよ」
 その言葉と同時に。
 ぽんっ。
 軽い音を立てて、中年の男の頭が真横に吹き飛んだ。
 血しぶきが赤く染まっていく夕闇の中に飛び散り、地面を汚した。
「何なのぉ……っ」
 思わず渡された紙を握りしめながら、『影』リナは怯えたように叫ぶ。
 と、するりとその紙が横から奪い取られた。
 ハッとして見ると、そこには、いったいいつ現れたのか、黒い僧衣に身を包んだ謎の神官が、わだかまる夜の先駆
けのように佇んでいた。
「ゼロスさん……」
 闇色の男は、『影』リナから取った紙に目を通し、満足げに頷くと、いきなり握りつぶした。
「何を……っ」
「やっと始末できますね……」
 ぼっ!
 いきなり燃え上がった炎が、一瞬のうちに紙を灰に変えた。
「なんで……」
 『影』リナは、困惑しきったように呟いた。
 そんな少女に対し、ゼロスはほんの少し目をすがめてみせ……また、人なつっこい笑顔になった。
「あぁ、そうか。あなたは、オリジナルのリナさんと同等の知識と経験をお持ちなんでしたよね。……ただ、性質が反対
なだけで」
「え? えぇ……」
 『影』リナは、僅かに身を退きながら答えた。
 何故だか、目の前の笑顔の男が、本能的に怖くてたまらなくなったのだ。
「それでは、今の紙に書かれていたことも、理解できてしまったわけですよね?」
「あ、その……」
「何だと思います?」
「………………」
 怯えた瞳の『影』リナは、暫く息を飲んで黙っていたが、やがて……蚊のなくような声で、答えた。
「……異界黙示録の……」
 にこっ、と、満足げにゼロスは笑った。
「そう。写本です」
 言って、一歩、近づく。
 『影』リナは、射すくめられたように動けない。
 ゼロスは、変わらぬニコニコ顔のまま、また口を開いた。
「そうそう。あなたのオリジナルであるリナさんのお話をすることになってましたね。
 ……彼女はね。本当に、稀有な力と心を持っていました。
 そして、心はともかく――力は、魔族の興味をひくのに十分で、それで僕が、彼女の側につくことになったんですよ」
「…………。……え……?」
「彼女により正確な知識を与え、この世界を滅びに導いていただくために。
 ……ま、失敗しちゃいましたけどね」
 その事実を何とも思っていないように、軽く、ゼロスは肩をすくめた。
「彼女は強かった。
 ……でも、それはあなたも同じことでしょう。何といっても、“あの”リナさんの『影』なのですからね。
 でも……あなたは、リナさんでは、ない……」
 さらに一歩。
 威嚇を知らぬ絶対的上位者の余裕を持って、ゼロスは『影』リナに近づいた。
「僕が彼女に興味を持ったのは、彼女の心が、強かったから。
 ……僕が『何』か判っていてさえ、笑い、話し、触れる。そんな人間であるあの人が……僕は……」
 白い腕が、ゆっくりと伸ばされた。
「……だから」
 微笑みは揺らぐことがない。
「申し訳ありませんけど……」
 ゆっくりと、細い首に、繊細さを宿した指が絡みついた。
「……消えて下さい」
「うぐぅ……っ」
 じわじわと力がこめられていく手の中で、少女の呼吸が絶えていく。
「な、何で……」
 喘ぐような声が、怯えながらも問う。
 ゼロスは、くちづけるほど近くにその顔を寄せ、囁くように告げた。
「僕の用事とは、異界黙示録の写本を始末し、その内容を知った人間全て消すこと。あなたは写本を見……内容を
知ってしまったでしょう?」
「そん……」
「それに」
 ふと、顔を離し、笑みを冷笑に変えながら、ゼロスは続けた。
「あなたはリナさんじゃない。
 僕は、魔族の僕に怯えた瞳をするリナさんなんて、見たくもないんですよ……」

 ――そんなもの、あったって、つまらないじゃないですか……?

 断末魔の負の感情まで全て吸い取って、ゼロスはゆっくりと手を離した。
 小さい少女の身体が、そのまま地面に崩れ落ちた。
 物と化した人間を見つめながら、魔族は、つ、と、彼女を絞め殺した己の手に視線を移した。
「あなたは、リナさんじゃない……」
(……でも、あなたは、多分、リナさんでもあるんですよね……)
 細い首。
 多分――今、自分の心の内に浮かぶ少女の首も、同じように細いだろう。
「“あなた”を殺そうとしたら、やっぱり、この娘と同じように、僕を怯えた瞳で見るんでしょうか……?」
 遠い人に語りかけ、ゼロスはまた、にっこりと人なつっこい笑みを浮かべた。

 ――それじゃ、つまらないですよね……。

 小さい呟きが降りてきた夜の闇に溶ける。
 次の瞬間、その場には、物言わぬ二つの物体だけが残されていた……。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

・・・『影』リナちゃん、殺しちゃいました(^^;
えーと、リナは殺したくないし(別の創作で二度ほど死んでもらっちゃったんで・・・)、でも魔族なゼロス書きたいし・・・
という葛藤の末に、つい。

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4443はうぅぅぅ〜ひなた E-mail 9/11-18:23
記事番号4438へのコメント
はじめましてぇぇ!!ひなたですっっ♪
とぉとつですがっっ!!
すばらしぃですっっ!!×100

あぁぁぁぁ〜。魔族なゼロスもいいですね〜☆
っつーか、もろめちゃ好みです(はあと)
しかもぜろりな〜☆だし♪(笑)

でもホントにホントにかっこよかったですーっっ!!
にゃうぅぅぅ〜。
次また書かれる事があったら読ませて頂きます☆
でわでわっっ!!



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4447Re:はうぅぅぅ〜T−HOPE E-mail URL9/11-21:11
記事番号4443へのコメント
ひなたさんは No.4443「はうぅぅぅ〜」で書きました。
>はじめましてぇぇ!!ひなたですっっ♪
>とぉとつですがっっ!!
>すばらしぃですっっ!!×100
>
>あぁぁぁぁ〜。魔族なゼロスもいいですね〜☆
>っつーか、もろめちゃ好みです(はあと)
>しかもぜろりな〜☆だし♪(笑)
>
>でもホントにホントにかっこよかったですーっっ!!
>にゃうぅぅぅ〜。
>次また書かれる事があったら読ませて頂きます☆
>でわでわっっ!!

 有り難うございます☆
 何か途中爆走した気がしたんですが(『影』リナのせーかくとか(^^;)無事魔族ゼロスが書けて嬉しかったです。
 一応、本物のリナが出てくる続きがあるんですけど・・・もしよろしかったら、読んで下さいませね。

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4448ただ一人のあなた(最終)T−HOPE E-mail URL9/11-21:22
記事番号4438へのコメント
   「ただ一人のあなた」(最終)


 真後ろに、何か気配を感じた瞬間、栗色の髪の少女は飛びのいていた。
「……誰!?」
 振り向きざまに叫ぶ……と。
「お久しぶりです、リナさん(にっこり)」
「ゼロス!?」
 紅色の瞳を大きく見開いた少女は、即座にその中に剣呑な色を宿した。
「いったい、何だって、あんた……?」
 問われた魔族は、にこにこ笑ったまま、手をぱたぱたと振った。
「いやぁ、ぐーぜんですねぇ。こぉんな所でお会いするなんて……」
 その言葉に、少女の瞳がすがめられる。
 が、言葉だけは明るく、
「ほぉんと……なぁんて偶然なのかしら……な、ん、てっっっ」
 リナは、ずい、と、一歩前に出、相手の襟首を問答無用で締め上げた。
「いきなし人の真後ろに出現しといて、何、偶然の出会いを主張してんのよっっっ」
「あ……やっぱり駄目でしたか。はっはっは」
「呑気に笑ってんぢゃなぁぁぁ〜いっっっ。
 ……ったく。今日はいったい、何の用よ?」
 呆れたように一つ溜息をつくと、リナはゼロスの襟首を放した。
 ゼロスは、締め上げられていた時も変わらない笑顔のまま、軽く頭をかいた。
「やー……、特に用事はないんですけどね。リナさん、どうしてらっしゃるかと思いまして。
 ……見たところ、盗賊いぢめを終えられたところですか」
 まだ炎を燻らせているアジトらしき代物。しぶとくピクピクしている盗賊らしき面構えのきょーあくな人間。
 そして何よりも……少女が抱えている、お宝のつまった袋。
 この光景にリナ=インバースを加えて盗賊いぢめでなかったらいったい何だ、という状況だった。
 リナは、胸を張るようにして、きっぱり答えた。
「そーよ。眠れぬ夜にはこーして、世のためあたしのため、盗賊どもをしばき倒す! それが乙女ごころってぇ、もんで
しょーがっ」
 実にリナ=インバースなその台詞に、ゼロスは笑いながら、
「それでこそリナさんですよね」
 リナは、何やらうさん臭いものでも見るような目になった。
「……だから、いったい、何しに来たのよ」
 その視線に、ゼロスは今度は、真面目くさった様子になった。――変わらず、顔は笑ったままだったが。
「実はですね。今日、偶然とある町で、リナさんそっっっくりの女の人にお会いしましてね。
 ……リナさん、勿論、人権擁護団体に所属してらっしゃるご親戚、いらっしゃいませんよね?」
 ひきききっっっ。
 ゼロスの言葉を聞いた途端、リナは思いきり頬を引きつらせた。
「ぢんけんよーごだんたいぃぃぃ?」
「そーです。その人がまた、リナさんそっくりなんですよ。まるで鏡に写したみたいに……」
 リナは頭を抱えこんでしまった。
「……んで?
 暴力は何の解決にもなりません、とか、話し合いましょう(はぁと)、とか、言いまくってるわけ……?」
「あぁ。やっぱりリナさんのお知り合いだったんですね?」
「…………。……まぁねぇ……」
 疲れ果てた口調で、リナは頷いた。
 そして、ふっきるように真っ直ぐ顔を上げ、ゼロスに笑ってみせた。
「……で? その子、元気だった?」
「えぇ。お元気そうでしたよ」
(……僕が滅ぼしてしまうまでは……)
 ゼロスはにこにこ人なつこい笑みのまま、リナの言葉に答えた。
「ふぅん……。なら、いいわ」
 リナはそう言うと、ふと、闇夜に浮かぶ月を仰いだ。
 風が流れ、少女の栗色の髪が靡いた。
 白々とした光が、少女の細く白いうなじを照らす……。
 ――どくんっ――
 不意に、ゼロスの存在しない筈の心臓が、音を立てたように感じられた。
 ……細い首……。
(僕が……絞め上げた……)
「リナさん?」
「……なぁによ?」
 呼ぶ。
 リナが、何の迷いもなしに答える。
 ゼロスは――。
「ゼロス!?」
 リナは、不意に己の首にかけられた闇色の男の指に、驚きの声を上げた。
 ゼロスは――声を聞き流し、徐々に指先に力を入れていく。
 リナは、一瞬怯むかのように見えた……が。
「……天空のいましめ解き放たれし……
 ……凍れる黒き虚無の刃よ……」
(……神滅斬ですか)
 ゼロスはふと苦笑し、指先から力を抜こうとして……ふと思いつき、少女を引き寄せた。
 そして――そのまま呪文を詠唱し続ける少女の唇を、己のそれで、そっとふさいだ。
 ………………。
「…………。……んなぁぁぁぁぁぁっっっっっ」
 リナは、一瞬、何をされたか判らない様子で硬直していた。
 が、はっと我に返るなり飛びのき、大絶叫した。
「なっ、なっ、なっ、な……っっっ」
「やだな。そんなに驚かないで下さいよ」
 にっこり笑って、ゼロスはリナの顔をのぞきこんだ。
 その途端、少女はまたも飛びのいた。
「な……何言ってんのよ! あんた、何して……っ」
「だって、ほら。さすがに僕でも、神滅斬なんて食らったら痛いですし」
「だからって何で……キ、…………っ。……いや、そーじゃなくって、何だっていきなし首絞めてくんのよっ!」
 ゼロスは、ぽりぽりと頬をかいてみせた。
「いやぁ。リナさんの首、細いなぁ、と思いまして」
「だからって絞めるんぢゃないっ。……ったく、何考えてんのよあんたはぁっ!?」
 ムキになったように喚く少女を見ながら、ゼロスはほんの少し苦笑した。
(……やっぱり、あなたは……違いますね)
 唯一無二の存在。
 魔族を、ゼロスという存在を恐れず、真っ向から向かってくる。
「いーじゃないですか。どうせリナさん、しっかり抵抗なさるんですから」
「……そういう問題なの?」
「だから。……あなたは、面白いんですよ」
 ――滅ぼしてしまうのが勿体ない、と、この僕に思わせるほどに。
「ほんとに……あなたは、ただの人間じゃありませんよね」
 リナは、頭痛をこらえるかのように、片手で額を押さえた。
「……褒めてくれてんのかもしれないけど、だからって、一々こーゆー端迷惑なことしでかさないでほしいもんだわ」
 ゼロスは、ふわりと浮かび上がりながら、いつもの演技の笑顔とは違う、浮かべたくて浮かべた笑顔を披露した。
 リナは――違いに、気づかなかったが。
(あなたがいなくなったら、多分、ずいぶん退屈になるでしょうね……)
 だから――。
「……それでは。またお会いしましょうね、リナさん(にっこり)」
 それだけ言うと、ゼロスは姿を虚空に溶け込ませた――。


 あなたの首は細い……。
 ……あなたの負の感情は、甘い?
 それでも、あなたはこの世にただ一人だから……。
 ……僕は、ただ黙ってあなたを眺めている……。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 はいぃ・・・これで全部終わりです。
 魔族なゼロス書けて嬉しかった・・・筈なんですけど、やっぱり『影』リナちゃんが可哀想だったかも、と思う今日この
頃です(笑)
 でも、これ、本当にゼロ×リナなんでしょうか? そのつもりで書いてたんですが、ゼロスの魔族度高くなったら、何
かあまり恋愛感情という感じでは・・・面白い生き物ってことみたいですね。
 もしまたの機会がありましたら、読んでいただけると嬉しいです。

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4450Re:ただ一人のあなた(最終)ひなた E-mail 9/11-23:08
記事番号4448へのコメント

はうぅぅぅっっ!!こんにちわっっ!!ひなたですっっ!!
わぁぁぁぁいっっ!!
りなちゃんでてきましたね〜☆
実はあたし、りなだーいすき(はあと)なんですよう。
いやいやまじで。(笑)
なんだか、とってもリナが強い感じでよかったですっ♪
しかも魔族なゼロスだし・・・(鼻血)
卒倒もんっすね(笑)


次回作、期待してます。
また書かれたらよませてくださいね☆

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4537ありがとうございます(にっこり)T-HOPE E-mail URL9/14-10:02
記事番号4450へのコメント

>はうぅぅぅっっ!!こんにちわっっ!!ひなたですっっ!!
こんにちは〜。全部読んで下さって、ありがとうございます!

>わぁぁぁぁいっっ!!
>りなちゃんでてきましたね〜☆
>実はあたし、りなだーいすき(はあと)なんですよう。
>いやいやまじで。(笑)
私も大好きです。
特に書く時・・・喋るし動くし突っ走るし・・・(笑)、なものですから。
いや、もともとあーゆー前向きな女の子って、好きなんですけどね。
それが、ひねてて裏表があって性格悪くて・・・でもただ1人だけにメチャ弱いよーなのとくっついてると、思いっきりツ
ボなんでした(だからゼロ×リナなのかも〜・・・^^;)

>なんだか、とってもリナが強い感じでよかったですっ♪
>しかも魔族なゼロスだし・・・(鼻血)
>卒倒もんっすね(笑)
ありがとうございます。
私が書くと、何故かリナがめちゃくちゃ強気になってしまうんですよ。
どっか弱いリナが書けるようになりたいです・・・シクシク。勿論、強気も大好きなんですけどねぇ。

>次回作、期待してます。
>また書かれたらよませてくださいね☆
嬉しいですぅ・・・ってことで、まだ途中ですけど、書きました。
ゼロ×リナの予定だったのに・・・なんか、ガウ×リナっぽいです。あれ〜?