◆-闇の世界の招待状1-鈴野 あや(9/14-17:42)No.4552


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4552闇の世界の招待状1鈴野 あや E-mail 9/14-17:42

 以前、投稿させていただいた「黙思」ででっち上げた設定で話を作ってみたらどうなるかなー、というワケで作ってみました。一応ゴルンノヴァ×ガウリイのつもりです。
 ではどうぞ。



  ここは・・・何処だ・・・?
 いずことも知れぬ闇の中をオレは一人、さまよっていた。
 もうどの位歩いたのかさえ分からない
『待っていたぞ、ガウリイ=ガブリエフ』
 突然聞こえてきた笑みを含んだ声にハッとし、腰の剣に手をかけて辺りを見回すがなんの気配もしない。
『そう殺気立つな。何もお前に危害を加えようというのではないのだから』
 音としてではなく、直接頭の中に聞こえてくる声に対し、
「そう言うお前は何物なんだ?」
 警戒の色は崩さずに訊く。
『俺の名はゴルンノヴァ、異界の高位魔族だ。もっとも、この世界では光の剣などと呼ばれていたがな』
「なっ・・・」
 オレは言葉を失った。
 本来の持ち主の手に還った、とリナから聞いていたが、まさか魔族だったとは・・・・
『俺はずっとこの日を待ち続けていた』
 呆気にとられていた俺を後目にゴルンノヴァは言葉を続ける。
『古の契約が果たされる日を』
 契約?
「ちょっと待て、オレは魔族と契約を結んだ憶えは・・・・」
『結んだのだよ、お前の一族は。はるか昔に、な。聞かされていないのか?ならば教えてやろう』
 ゴルンノヴァのこと場ともにイメージが頭の中に流れ込んできた。
「そんな・・・ことが・・・」
 柄に掛けていた手が滑り落ちる。驚愕、目眩?とにかくよろけそうになった。
『どうやら理解できたようだな』
 あいつの言う古の契約とは、<光の剣>としてオレの一族に力を貸す代わりに、自らを受け入れる事の出来る器を持つ者が子孫の中に現れたなら、その者の体を貰う、というものだった。つまり、オレに言わせればその場しのぎのために魔族と契約を結び、そのために子孫を生け贄として捧げた、ってことだ。
 もしかしたらゴルンノヴァがこの世界で器を持ったらどんな結果になるか、それすら考えていなかったのかも知れない。あるいはその前に一族の血を絶やすつもりでいたのかも知れないが。
『そして、その器がガウリイ、お前なのだ。だからこそお前は<光の剣>の継承者に選ばれたのだよ。いや、俺自らが選んでやったと言うべきか』
 絶句しているオレに、
『どうした?ショックのあまり、言葉を忘れたか?』
 歓喜混じりの声。多分、オレの感情を喰っているのだろう。
「なら・・・オレは・・・」
『いや、あくまでもお前はお前自身。俺の分身ではない』
「・・・そうか・・・」
 少しだがホッとした。・・・・事態が変わるわけではないが。
『少しは安心したようだな。さて、さっさと本題に入ろう。ガウリイよ、力がほしくはないか?』



 すいません、こんなところで切っちゃいました。近いうちに続きを出せると思いますので、しばしお待ちを・・・・