◆-無くしたものは・その1-明美(9/16-17:43)No.4603
 ┣Re:無くしたものは・その1-LINA(9/16-18:19)No.4604
 ┃┗ひえー-明美(9/16-22:01)No.4619
 ┣無くしたものは・その2-明美(9/16-21:56)No.4618
 ┣無くしたものは・その3-明美(9/16-23:03)No.4621
 ┃┣Re:無くしたものは・その3-つと(9/17-03:34)No.4633
 ┃┃┗ありがとう-明美(9/17-23:49)No.4652
 ┃┣Re:無くしたものは・その3-ほっとみるく(9/17-05:20)No.4635
 ┃┃┗ありがとう-明美(9/18-00:08)No.4656
 ┃┣Re:無くしたものは・その3-千恵風味(9/19-14:18)No.4690
 ┃┃┗ありがとう!-明美(9/19-23:24)No.4715
 ┃┗読みました♪-マミリンQ(9/19-15:07)No.4691
 ┃ ┗ありがとう-明美(9/19-23:35)No.4717
 ┗無くしたものは・おまけ(書いちゃった)-明美(9/21-18:57)No.4759


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4603無くしたものは・その1明美 E-mail 9/16-17:43

(祝)ツリー作るの3回目!
まだまだ、初心者マークですけど、また書いてみました。
読んでね(はあと)

―――――――――――――――――――――――――――――――

ガウリイってほんと、自分の事は話してくんない。
もしかして、昔の事は忘れているんだろうか。
あたしの事も忘れるときがくるのだろうか。

いつものように食事時の軽いコミュニケーションをとっていた時、
「やだー、ガウリイ。お久しぶり」
そう言って、ガウリイの背中にいきなり抱きついたのは、銀髪長身のかなりの美人だった。
「えーと、誰だっけ」
あたしに聞くなよ……
「あいかわらず物忘れがひどいんだから。フェィだってば」
「ああ、あのフェイか。いやぁ、ずいぶん感じが変わったなあ」
「えー、そぉかなあ?そういうガウリイは変わらないわね」
へらへら笑いながらしゃべる、ガウリイとフェイとかいう人。
う……無視されてるみたいで気分悪い。
あたしは横をむいて、テーブルに頬杖をついた。
あれっ?耳に違和感。
イヤリングが片方ない。どこにいったのかなあ……ごそごそ。
「リナ、お前何やってんだ」
テーブルの下をごそごそしていたあたしに、ガウリイがあきれたように声をかけてくる。
「イヤリング落としたみたい」
「私も探してあげるわ」
にっこり微笑んで、真っ直ぐあたしの方を見るフェイさん。
「え、いいんです。ここにはないみたいなんで、他のとこ探してみますから。ごゆっくりー」
あたしはその微笑になんとなく気後れして、後ずさりする。
「おーい、リナ。ここの勘定どうするんだ」
あたしは無言で金貨をテーブルに放り投げた。

なによっなによっなんなのよっ
あたしの険悪な表情に、周りの人々が慌てて逃げまくるのが視界の端にうつった。
しかし、そんな事はかんけーない。
ただ、無性にいらいらしていた。
街の通りを抜け、近くの森の中に入った。
「ふんっだ。氷の矢(フリーズ・アロー)」
面白くない。
「覇王氷河烈(ダイナスト・ブレス)」
全然面白くない。
「竜破斬(ドラグ・スレイブ)」
森がまるごと消えても、あたしのいらいらはおさまらなかった。

「リナ、どこに行ってたんだ?」
「ちょっと、そこまで」
あたしは、あれからあちこちうろうろして、イヤリングを探していたのだが、今朝歩いてきた街道まで行ってみても見つからなかった。だんだん暗くなってきたので、明日探す事にして宿に戻ってきたのだ。
ガウリイは食堂の同じテーブルに座っていた。フェイさんはもういないみたいだけど。
「で、何してたんだ」
「イヤリング探しに行ってたのよっ」
ちゃんと言ったのに。
「おおっ、そーか。そうだったな。それで、見つかったのか?」
「ない」
「機嫌悪いな……もしかしてあの日か」

ばぼぎっ

ガウリイは一瞬で沈黙した。

―――――――――――――――――――――――――――――――
無くしたものって、はい、イヤリングなんです。
コミック6巻でイヤリング無くしてたのを見て思いつきました。
のーてんきな私(B型)は、いつも、のーてんきな話ばかり書きます。
のーてんきにこの話書きながら、ろいやる2エンディング見ちゃいました。
でも、ラークはどこーっ、どこにいるのっ!もう一回して見つけるんだっ。
あ、自分で見つけるからどこにいるか教えないでくださいね。

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4604Re:無くしたものは・その1LINA 9/16-18:19
記事番号4603へのコメント
読みました!!
物忘れの酷さと言い・・・・。
最後の暴言といい・・・。
ハッキリ言って万死に値しますね!!ガウリイ!!
っと、言うわけで続きをまちます!!

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4619ひえー明美 E-mail 9/16-22:01
記事番号4604へのコメント
LINAさん、早々とコメントありがとうございます。
>読みました!!
>物忘れの酷さと言い・・・・。
>最後の暴言といい・・・。
>ハッキリ言って万死に値しますね!!ガウリイ!!
>っと、言うわけで続きをまちます!!
ご、ごめんなさーい。
でも、最後で、よかったねーって感じになるんです(と思います)

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4618無くしたものは・その2明美 E-mail 9/16-21:56
記事番号4603へのコメント
えー、もうフェイさん出てきません。
結構名前つけるの苦労したんだけどねえ(遠い目)
では、続きをどうぞ

――――――――――――――――――――――――――――――

次の朝、あたしは宿屋の廊下ガウリイの部屋の前で立ち尽くしていた。
いつもなら、すぐノックするんだけど。

ふっと、背中に音も無く気配があらわれた。
――これは、ゼロス?
「リナさん、こんなところにいたんですか」
「ゼロス、なんか用」
「いえ、用って言うほどのものじゃないんですが」
「あ、そう。今忙しいから後にして」
「さっきから、じっと立ってるだけみたいでしたけど」
「っさいわねー」
あたしは、やけになってガウリイの部屋のドアをノックした。
「僕の用って言うのはですね」
無視っ
「ガウリイさんが」
「えっ」
思わず振り向いたあたしに、ゼロスはにっこり笑い
「知りたいですか?」
「う゛……聞いてあげるから、さっさと言いなさいよ」
「それは秘密です」
ほほーう
そーいう態度をとると……
「人生ってすばらしい」
「あーっ、言います、言いますから。止めて下さい」
ゼロスは青い顔で、一気にまくし立てた。
「で?」
「ガウリイさん、朝早くから出かけてるんですよ」
「えっ……」
「銀髪の綺麗な人と一緒でしたが、お知り合いですか?」
あたしは無言で、部屋のドアを開けた。

朝の光が無人の部屋を明るく照らし、荷物だけが無造作にベットの上に置き去りになっていた。
「あ、荷物がありますね。という事は、帰ってくるんですね」
「当たり前じゃないの。仮にもあたしの保護者なんだから」
「残念ですねえ。ガウリイさんが保護者やめたのなら、僕がリナさんの保護者になろうかと思ったんですけど」
「あんたがあたしの保護ぉ」
あたしは、ジト目でゼロスを見つつ、
「あたしを利用する、の間違いじゃないの」
「いやー心外ですねえ。僕がいつリナさんを利用しましたか」
「数えるのもばからしいほど、ね」
ゼロスは苦笑した。
「リナさん、不死の契約とまで言いませんから、一度よく考えてみて下さいね」
そう言うと、ゼロスはあたしの返事も聞かず虚空に消えた。

あたしの答えは――きっと何度聞かれても、いくら考えても同じ――。

ガウリイ
「どこ行ったのよ」
あたしは、ガウリイの荷物を抱え込んだ。
「あんたは、あたしの保護者なんでしょ」
荷物にぽたっと何かが落ちた。
やだ……あたし、なんで……涙なんか……

――あたしに、ガウリイが誰とどこへ行こうがそれをとやかく言う権利なんて無いんだわ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
ちょっと、ゼロスが暴走してます。
今回無くしたものは、ガウリイとリナの(心の)強さと言ったところでしょうか。

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4621無くしたものは・その3明美 E-mail 9/16-23:03
記事番号4603へのコメント
ここで、フェイさんの秘密が暴露されます。
ふふふフェイさんってねえ……

―――――――――――――――――――――――――――――――

後ろでカチャリとドアの開く音がして、あたしは慌てて目もとをこすった。
聞きなれたのほほーんとした声がする。
「リナ、オレの荷物持ち逃げしないでくれよ」
「誰が、あんたの荷物なんか持って逃げるのよっ」
あたしは振り向かずに大声で言い放った。
ガウリイがあたしの後ろに立ち止まる。
「でも、なんでオレの部屋にいるんだ」
「べつにっ」
「まだ機嫌悪いなあ。ほら、これ」
目の前に何か光るものが落ちてくるのをあたしは慌てて受け止めた。
手のひらを広げると、そこには――あたしのイヤリング!
「なっ、これ、どこにあったの」
「やっと、こっち向いたな。広場だったかな、昨日えらく人相の悪い兄ちゃんふっ飛ばしたところだよ」
ちっ、つまんない事ばっか覚えてるんだから。
「フェイに手伝ってもらって、やっと見つけたんだぞ」
あ……
「2人でデートでもしてるのかと思ったわよ」
「なんでオレが男とデートしなきゃならないんだ?」
……へ?男?
ひえええっ
「あ、あの人、男だったのぉ?!」
そーいや、少し声が低かったような。
「前は、あーじゃなかったんだがなあ。
そういやフェイのヤツが『誤解されるような事してごめんねえ』って言ってたぞ。どういう意味だ」
気持ち悪いぞ、あんたがそのしゃべり方すると。
「あはは……分かんない」
「そうかあ?」

ここに、あたしの側にいつもと同じガウリイがいる。

――あたしはおかしくて笑いすぎて、涙がこぼれてきた。
「あはは、おっかしー……おかしすぎて……」
「リナ?」
しばらく、あたしは笑いながら涙をこぼし、ガウリイは困った顔で、それでも何も言わず、あたしの頭をなでていた。

「ごめんな、リナが起きる前に戻ってこようと思ったんだが」
「なーに言ってんのよ。朝ご飯食べにいくわよっ」
あたしは先に立って部屋を出て行きながら、絶対に聞こえないように小さな声で――
「ありがとう」

「おーい、待ってくれよ」
ガウリイが横に並ぶ。
「どういたしまして」
「あっ!」
聞こえてた。
「デートに行く相手は」
「えっ?」
「目の前にいるじゃないか」

――――――――――――――――――――――――――――――――
はい、終わりました。
ふと、思ったんですけど。リナちゃんとガウリイ君っていつも一緒にいて、ずっとデートしてるようなもんですねえ(笑)
ハッピーエンド好きなんです。読むのも書くのも。
と、いうことで……。
さてさて、またまた自分の掘った墓穴にもぐりこむと言うのも芸が無いので、今度は修行の旅に出ます(笑)

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4633Re:無くしたものは・その3つと E-mail URL9/17-03:34
記事番号4621へのコメント
楽しく読ませていただきました♪

普段の日常がデートかぁ・・・・

デート費用かさむなぁ(食費で・爆)


また楽しいお話よませてくださいね♪

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4652ありがとう明美 E-mail 9/17-23:49
記事番号4633へのコメント
つとさん、コメントありがとうございますう。

>楽しく読ませていただきました♪
そーですかあ(はあと)

>普段の日常がデートかぁ・・・・
>デート費用かさむなぁ(食費で・爆)
やっぱ、費用は盗賊いぢめでまかなうんでしょう(笑)

>また楽しいお話よませてくださいね♪
そう言ってもらえると、うれしくてまた書いちゃいますよ。

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4635Re:無くしたものは・その3ほっとみるく 9/17-05:20
記事番号4621へのコメント
はーい、読ませていただきましたっ!

いや〜ん、リナちゃん可愛い^^。
ガウリイくん優しい〜^^。
・・・ゼロスって一体^^;;。

やっぱり2人のラヴラヴ物は読んでて幸せになっちゃいますぅ(はあと)。
もっと、もっと書いて下さいね〜。

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4656ありがとう明美 E-mail 9/18-00:08
記事番号4635へのコメント
ほっとみるくさん、ありがとうございます。

>はーい、読ませていただきましたっ!
コメントもらってうれしいっ!

>いや〜ん、リナちゃん可愛い^^。
>ガウリイくん優しい〜^^。
ああ、よかった。そう言ってもらえて。

>・・・ゼロスって一体^^;;。
ゼロス、リナちゃんにちょっかい出してます。
実は彼、フェイさんが男だって分かってたんですよ。

>やっぱり2人のラヴラヴ物は読んでて幸せになっちゃいますぅ(はあと)。
>もっと、もっと書いて下さいね〜。
この二人のらぶらぶは、読んでも、書いても、しあわせ〜。
また、ほっとみるくさんも書いてね(はあと)

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4690Re:無くしたものは・その3千恵風味 9/19-14:18
記事番号4621へのコメント

ガウリイ、リナに献身的ですよねぇ。
でも、そおんなガウりんがすきです。
リナ、よくガウリイにつっこみますよねぇ。
でも、そおんな夫婦漫才、すごくすきです。

修行、いってらっしゃいです。
でも、くれぐれも水戸黄門みたいに日本全国一周之旅、しかも慢性化なんてなのにならないように、おきをつけて。町内一周ぐらいで帰ってきてください。

でわ。   千恵。   ガウリナ万歳!(笑、汗)

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4715ありがとう!明美 E-mail 9/19-23:24
記事番号4690へのコメント
千恵風味さん、ありがとうございます。

>ガウリイ、リナに献身的ですよねぇ。
>でも、そおんなガウりんがすきです。
えへへ、ちょっと健気に書きすぎたかなぁ。

>リナ、よくガウリイにつっこみますよねぇ。
>でも、そおんな夫婦漫才、すごくすきです。
夫婦漫才(はあと)書いてて楽しかったです。もちろん、人の読むのも楽しみです。(おかげで最近、睡眠不足気味)

>修行、いってらっしゃいです。
>でも、くれぐれも水戸黄門みたいに日本全国一周之旅、しかも慢性化なんてなのにならないように、おきをつけて。町内一周ぐらいで帰ってきてください。
町内一周ですか……私、すっごい方向音痴なので、町内だけでも迷ってます(笑)

>でわ。   千恵。   ガウリナ万歳!(笑、汗)
ではでは、またがんばって書きます!また、書いたら読んでくださいねー。

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4691読みました♪マミリンQ E-mail 9/19-15:07
記事番号4621へのコメント
はじめまして♪

いいですねぇ、毎日でぇと♪(はぁと)

私もハッピーエンドは大好きです。
甘いとわかっていても、せめて自分が楽しんで読むもの、見るものくらい
さわやかに(ナゾ)ハッピーエンドでないと、つまらないと思って
しまいます。(^^;)

では、早く修行から帰って来てくださいね♪
(ずぅずぅしい・・・すみません)

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4717ありがとう明美 E-mail 9/19-23:35
記事番号4691へのコメント
マミリンQさん、ありがとうございます。

>はじめまして♪
どもども、はじめまして。

>いいですねぇ、毎日でぇと♪(はぁと)
いやあ、毎日デートって言うの結構皆さん喜んでいただけたようで(うれしいっ)

>私もハッピーエンドは大好きです。
>甘いとわかっていても、せめて自分が楽しんで読むもの、見るものくらい
>さわやかに(ナゾ)ハッピーエンドでないと、つまらないと思って
>しまいます。(^^;)
私も、書いてて辛くなるのは嫌なので(わがまま?)

>では、早く修行から帰って来てくださいね♪
>(ずぅずぅしい・・・すみません)
ずうずうしいなんて、そんなことないです(はあと)
なるべく、早く次の書きます♪

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4759無くしたものは・おまけ(書いちゃった)明美 E-mail 9/21-18:57
記事番号4603へのコメント
その3で終わりだったんですけど、ちょっとお話思いついたので書いてみました。
では、おまけ、いきます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

夜の帳が下りてしばらくたった頃、不気味なほど静まり返った町の片隅で、宿屋の裏口から、こっそり出てくる人影があった。
その小さな人影は、宿屋の二階を見上げて『よしっ』と、一度うなずくと足音を殺し早足で歩き出した。
しかし、その人影はいくらも歩かないうちに歩みを止められてしまう事になった。
「リナさん、こんばんは」
「きゃっ」
リナは目の前10cmぐらいのところにいきなり現れた、闇色の神官を見て小さく悲鳴を上げた。彼女は後ろの宿屋の方ばかり気にして歩いていたので、前方に注意が向いていなかったのだ。もっとも、注意していてもこの出現は予想できなかっただろうが。
「ゼロス、おどかさないでよ。心臓が止まるかと思ったわよ」
驚きながらも声を押し殺して言うリナに、ゼロスはニコニコ笑いを崩さず、昼間の雑踏で通りの向こうにいる人にでも話しかけているような大きな声で言った。
「今日はまたお独りで夜のお散歩ですか。風流ですねえ」
「風流って……もっと小さい声でしゃべってよ。気づかれちゃうじゃないの」
「何ですかリナさん。もう少し大きい声で話してくれないと聞こえませんよ」
更に大声で言うゼロスに、頭を抱えるリナ。
――こいつ、絶対わざとやってる。
「ゼロス……こーなったからには、付き合ってもらうわよ」
「はあ、どこに行くんですか」
「イアール湖の側に、盗賊のアジトがあるのよ。そこまで連れて行ってね(はあと)」
「は?」
今度はゼロスの方が驚いた声を出した。
彼女が、彼女の保護者の目を盗んで、盗賊いじめに行こうとしている事は、分かってはいた。しかし、何故自分が連れて行く事になるのか?
「ゼロス……あたしが、すっごーく苦労して見つかんないように出てきたのに、それをぶち壊しにしたでしょっ。それに」
「それに、何です?」
「歩いて行ったら時間かかるじゃないの、寝不足は美容の大敵なのよっ!」
――じゃあ、夜中に出かけなきゃいいと思うんですが……。
ゼロスは賢明にもそれを口には出さず、リナの手を取り空間を渡った。

こうして、この国から盗賊団の数が一つ減り、元盗賊達が真面目に更正の道を歩む……わけないか。

「リナさん、ちょっとお聞きしてもいいですか」
「なによ」
リナは、お宝をザックにつめるのに忙しく振り向きもしないで答える。
「どうして、ガウリイさんに気づかれないようにこっそり出てきたんですか?」
「だって、ついて来るじゃない」
「ガウリイさんがついて来たらまずいんですか?」
「まずいって訳じゃないんだけど……心配しすぎなのよ」
リナは、頬を少し赤く染め、何やらぶつぶつ言っている。その顔を覗き込むようにしてゼロスは言う。
「じゃあ、リナさん。心配しすぎない保護者に僕がなりましょうか」
「あっ、それで思い出したわっ」
叫んで、きっとにらむリナにただならぬ気配を感じ、ゼロスは思わず少し後ろに引いた。
「あんた、フェイが男だって事、知ってたでしょ!」
「フェイって誰です?」
「三日前の朝、ガウリイと一緒にいた人よっ」
「ああ、あの人ですか。……それは」
「秘密って言ったら、どう言う事になるか覚えてる?」
「はい。でも、僕は一言も女の人だって言ってませんよ」
「う゛……そりゃ、そーだけど」
にこやかに答えるゼロスを見て、リナはちょっと言葉に詰まった。
リナのその顔には、言い負かされて悔しいっと言う思いが如実に現れている。
――リナさんを見ていると退屈しませんね。
ゼロスは本当に、心から楽しそうに笑った。

「おーい」
遠くで人の声がする。リナもゼロスもよく知っている男の声だ。
「リナさんを探しに来たみたいですね」
「ったく、もー」
リナのそのつぶやきは、目の前のゼロスと探しに来たガウリイ、両方に向けられた言葉だったのかもしれない。
「それでは、僕はこの辺で」
「えっ、ゼロス?」
リナは慌てて声をかけたが、ゼロスはもう虚空に消えた後だった。
ゼロスに宿屋まで荷物を運んでもらおうと思っていたリナは当てが外れてしまった。
しかし、彼女には荷物を運んでくれる当てがもう一つあったので、山のようになった荷物の前で待っていた。

「ガウリイっ、待ってたわよ(はあと)」
リナは彼の顔を見るなり、にーっこりして言った。その微笑みで、何かを懸命にごまかそうとしている。
彼は辺りを見まわして、ため息をついた。
盗賊は焦げて倒れ、おまけに地面にはいくつかのクレーターができていた。
「また、派手にやったな」
彼女は、内心『しまった』と思ったが、そのまま微笑みを崩さず、
「に・も・つ、運んでね(にっこり)」
「お前なぁ……」

ガウリイは、リナの『最高に可愛らしい微笑み』に負けて夜中に大荷物を運ぶ事になったのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい、今回、リナちゃんにデート費用稼ぎに行ってもらいました(笑)でも、運ぶのはガウリイ君。
やっぱ、力仕事は男の人にしてもらいましょう、と言う事で。

それにしても――
駄文って言う言葉は、私の文章のためにあるのかもしれない(しくしく)
でも、書くよーん(撲殺)