◆-:呪い刀「破修羅」編-LINA(10/7-22:15)No.5203
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5203:呪い刀「破修羅」編LINA 10/7-22:15
記事番号5189へのコメント
「気ィつけなさい。そろそろ連中の妙な気配がすんのよ・・・・・。」
「・・・・・・・。コイツのせい?」
「どこからきたの〜〜〜〜?ふ〜〜〜ん・・・そう。」
「ヴァル。知らない人と話すな。ねーちゃんなーんにも見えないわよ。」
人の目には見えない亡霊と言ったたぐいが見えるヴァル・・・・。
それだけあって彼はこの千年間亡霊と心霊ゲーム(呪われそうなので明記は避けますが、ひらがな50音と10円玉つかってやるアレ。)をしていただけの事はある・・・・・。
「リナ姉貴・・・・。説明は?」
「ああそうでした・・・・。ガウリイにしちゃマトモなこと言うわね。アメリア、ガラの悪いヤンキーなんて言っちゃだめよ。確かにコイツは掛け算できるか怪しいけれど・・・・。」
「ワタシ・・・言ってません・・・。そんな事・・・・。」
「ここは千年前の戦争でポッカリ開いちゃった・・・・・・・・
天上界と冥界の時空の歪よ!」
ジャキ!!
渦巻く巨大な邪気の中・・・・・・・。
日本刀よろしくな剣を構えつつリナが言う。
「・・・・・・。出てきやがったな・・・・・。『闇を撒く者』」
冥界の魔人に向かいケインが呟いた。
「何・・・・・この人・・・・。」
「凄い・・・殺気です・・・。」
「しっ・・・信じられぬ威圧感!!!何者だコイツッツ!!!」
キャナル、アメリア、ゼルガディスが同時に叫ぶ。
「ふっふっふ〜〜〜!闇の気配を撒きながらお出ましってわけぇ、きょーも楽しく
殺(や)ろうじゃないのッ」
バッと猛然とダッシュを駆けるリナ!!しかし彼女よりも一足先に駆け出す者があった!!
「ゼルガディスさん!」 
アメリアの叫び!!
「オレがあの化け物の餌かどうかその目で確かめろッッツ!」
「あああ〜〜〜もおおおおお!!分からず屋のお坊ちゃまがァ〜〜〜!!!」
「くらえ!!!」
ゼルガディスの両手に篭もる青い炎!!
「ラ・ティルトオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
弾き返される攻撃!!辛うじてかわすゼル!!だが、その傷は深い!!
「ゼルガディス!!しっかりして!!しっかりして!!あ・・・阿呆。良いカッコしようと思うからこーなるのよ・・・馬鹿ア!!分析能力凄いあたしにはわかるのよ。あの男はこの世のモンじゃない!アイツにあたし達の技は通用しない・・・・
あの化け物は・・・・・ナイトメアよ!!」
泣き喚くキャナル。
「ふふふ・・・。可愛いだろ。アレ討ちの妹の友達・・・・。」
「ヴァル・・・・。こーゆーシーンで亡霊とお話するのやめようね。ねーちゃん
たすけてやれないから・・・・・。」
「ア・・アメリアちゃま・・・真坂・・・・・?」
「あの人・・・。絶対に許しません!!」
立ち向かって行くつもりのアメリア・・・・・!!
「やめときなアメリア。キャナルの話をきいていなかったの?あの男は時空の歪に置き去りにされた亡者よ・・・・。命在るものの技は全てはね返される!
あきらめなさい・・・・貴方に勝ち目は無い!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・勝ち目が無くちゃ戦ってはいけないんか?」
言って、ぐっと気合を入れるアメリア!!
「ワタシはそんな事の為じゃなくって!!私の信じている正義に為に戦うんです!」
すでにアメリアは敵にむかっていた!!
「く・・・・。あははは。吠えるわね〜〜、うちの末っ子も。ねえ、ガウリイ。」
無意味に大笑いしつつり名がガウリイを仰ぎ見る。
「・・・・・。すまない、リナ姉貴。あいつには姉貴が番人やってる理由をまだ話してねーんだ・・・・・・・。」
「まっ。良いってことよ。言ったところで結果はおなじだしね。うんしょ、っと。
きにすんな。」
「リナ姉貴!!」
駆け出したリナに叫びかけるガウリイ・・・・・。
「アネ・・・キ・・・すまねえ・・・。
千年間すまねえ、リナ姉貴・・・!!!」
ガバっと地に伏すガウリイ・・・・。
「ガウリイ・・・?」
きょとんとした様子でガウリイを見るキャナル。
「・・・・。さしものガウリイもリナにだけは頭があがらねえんだよ・・・・。」
遠い眼差しをしたケイン・・・さらに続ける・・・・。
「千年前の天上界と冥界の戦いがあまりにも激しすぎやがって天上門、つまりこの周りに時空の歪の穴が出来ちまったんだ。そこから戦に敗れさまよう冥界の亡霊たちが現れるようになって誰かが天上門の番人をしなければならなかったんだ。」
「そッ・・・それがリナなの・・・・?ケイン・・・。」
「そうだ・・・。アイツほどの力量で無ければとても勤まらん大役だしな・・・。
さらに力だけではない過酷な条件・・・・・・・
リナでなければ背負えねえ業の宿命!!!」

奮戦するアメリア!!
しかし彼女のわざは全然通じない。
「技が通じないのなら・・・・正義の心で打ち砕くのみ!!!!!」
ばこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
・・・・・・べしゃ・・・・・・・・・・。
「まだです!!これしこの攻撃でわたしの正義を愛する心を・・・・」
とか、ナンとか言っているうちだった。
容赦無く攻撃んぽ第二破が「闇を撒く者」を指差した体制のまんまのアメリアを襲う!!
「ギヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!??」
ザウッツ!!!!!!!!!!!!
アッサリと分散される衝撃波。
そして・・・。腕から血を流している敵・・・・・・・。
「す、スゴイ・・・・・・。リナ姉さん・・・・。アタシが傷一つ付けられなかったのに・・・・・一太刀で!」
「!!!!!!」
絶句するアメリア。
リナの口から吐き出される血・・・・・・・・・。
「地獄の亡者どもを斬られる刀はこの世でただ一振り・・・・・
呪い刀『破修羅』 一斬りごとに己が命を削るのよ!!!」


続く。

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5230呪い刀「破修羅」編LINA 10/8-20:31
記事番号5203へのコメント
一斬りごとに命を削る刀・・・・・・!!
「退きなアメリア・・・リナ姉貴の戦いの邪魔をするんじゃねえ!」
「ガウリイにいさん・・・・どーしてですッツ、どうしてリナ姉さんは呪い刀なんて使ってるんですかッツ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リナ姉貴はオレ達の犠牲になってくれたんだ!」

全ては千年前の戦争で空中に開いた時空の歪が始まりだった
吹き荒れる嵐・・・漂う暗黒の邪気・・・・・。
そして。岩肌に突き刺さっている呪い刀‘破修羅’
その絶大な破壊力と闇の魔力故にスウィーフィードによって封印されたと言う
伝説の刀。(一説にはL・O・Nが所有していたともいわれる。)
持ち主の生命力を吸収するため人々から呪い刀として今もなお恐れ続けられている
其処に佇む、リナ、ガウリイ、ヴァルガーブの三兄弟。
「覚悟は良いな、アネキにアニキ・・・・時空の歪から現れる冥界の亡霊ドモを倒すにはどうしてもこの刀が必要だ・・・・。」
ガウリイの一言・・・。
「どんな剛の者でも触れただけで即 死に至らしめ未だかつて誰も抜いた事の無い
呪い刀‘破修羅’・・・・・。アタシ達三兄弟の誰を主と選ぶか!」
同時に刀に手をかける三人・・・・・・・。
グッ・・・
ゴオオオオワッツ!!!!!!!!!!
刀を握り締めた三人の手から血が飛び散る!!
「なあああにいいいいいいい・・・・・・・・・」
「これほどまでのの威力とはッツ・・・・・・・・」
苦痛に顔を歪ませ手から血を飛び散らせつづけるガウリイとヴァルガーブ。
バッツ!!  二人の手が刀から放された!!
「決まったわね・・・・・・。呪い刀は修羅 長姉・リナを主と選んだわ!!」
全身から血を流しつつリナ」が叫ぶ!!
「姐者ッツ・・・手を放せぇ!!!」
「そのままだと刀に命を奪われちまうぜ!!!」
悲痛の叫びをあげるヴァルとガウリイ!!
「心配すんじゃないわよ。だいじょうぶよ。」
はっつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
湧き上がる凄まじい衝撃!!それでもリナの細い腕は破修羅を放さない!!
リナの白い手が滝のように紅蓮の血に染まる・・・・・・・。
「だあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ググウウウウウウウ   バキイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!
破修羅の戒めが解き放たれた!!抜き身の白金の光刃までもが真紅に染まる。
唖然と見つめるガウリイとヴァルガーブ・・・・・。
精華な顔を血で染めたリナがニヤと笑い・・・・
「ね・・・だいじょうぶでしょ・・・・・・・・・!」


「そ、そんな理由が・・・・。」
驚愕するアメリア。
「下見てみろ・・・・・アメリア・・・・・。」
ガウリイの言葉に崖の下を見下ろすアメリア。
「!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドオオオオオオ・・・・・・・・・・・ン  一面に広がる化け物の白骨・・・。
「こッこれは!!」
「リナ姉貴が千年間ずっと斬り続けてきた亡霊どもの骸だ・・・」
「千年間・・・・・・・・・・・・・・・・」
「刀を抜く一瞬リナ姉貴はだいじょうぶだと笑った・・・・フツー笑えるかよあんな時に・・・・オレ何も言えなかったぜ・・・。だけど・・・・リナ姉貴がだいじょうぶって言ったら・・・ホントにだいじょうぶなんだぜ。オレ達のねーちゃんはそんな女だ!」
「・・・・・・・・。」
ダッツ!!!!!!
「あ・・・・!アメリアあああああああああああああ」

「!!!」
戦いの最中のリナがアメリアがやって来るのに気付いたのはそのときだった。
「あッ・・・コラ!!もどりなさい!!!アメリア」
リナの言葉を無視卯して闇を撒く者に突撃して行くアメリア!!!
「やめなさいいいいいいいいいいいいいいッツ!!!」
バウウウウウウウ!!!
マトモに弾き返されるアメリア!!!
「きゃあああああああああああああああああああああああ!!」
ズザアアアアアアアア!!
己の背中を岩肌に打ちつけながらもリナの細腕はアメリアを庇った。
「馬鹿ア!!てぇねぇ、もぉーッツ!アイツらにはアンタの技は通じないって言ったでしょ、聞ーてんのコラあ!!!」
言ってリナはアメリアの髪をグシャグシャに撫ぜる。
「・・・せなかった・・・・・・・・・」
「アん?」
「あいつ等のせいでせいでリナ姉さんが苦しまなきゃいけないのが許せません。
それに・・・・・正義を語りながら何も出来ないじぶんも・・・・・・。」
「・・・・・・。だからって無茶してどーすんのよ。もう、泣かないで。ねーちゃんはねえ、自分が痛いのは全然へーきよ。」
言ってアメリアの鼻を摘むリナ。
「でもね、寒いのと、ひもじいのと、眠いのと、アンタが痛いのは絶対に我慢できない!」
ポンっとアメリアの頭に手を置く。
「だからここはアタシにまかせなさいよ。」
「ねえさ・・・・・・・・・・ぎやあああああああああああ!!」
「アメリア〜〜〜〜〜一緒に心霊ゲームやろおおおおおおお」
思いもかけない展開にマトモにコケるリナ。
「其処座りなさいよ、ヴァル。」
サッとリナは破修羅の刃を盗賊を脅すのよろしく前方に突き出す。
「刺さってる・・・・・刺ささっとるぞリナ姐者!むやみに人を傷付けるな・・」
「むやみに斬っとるとあたしも死ぬのよ・・・・・・。」
「ま、まあ。リナ姐者。ケインが話だと。」
ぴくっとなるリナ・・・・。
「ケイン、アンタヴァルとアメリア連れてすっこんでなさいよね。」
「そーもいかねえよ。千年前の約束を果たさねーとな・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんのコトかしらあ〜〜〜〜〜〜・・・」
遠い目をして言うリナ。
「とぼけるんじゃねーぞ、リナ。オマエが呪い刀を取りに行く前の晩のことだよ。」


平原に佇むリナとケイン。
「実力から言って・・・・・兄弟に中から呪い刀に選ばれるのはオマエだろ。」
「でしょうね。」
涼しい顔で答えるリナ。
「おい・・・。何もかも承知の上で行くのかよ。阿呆が。その役目オレにゆずれ・・・オマエとオレの力は同等だぜ!」
「ナニいってんの!アンタにはアンタの使命があるでしょう。」
「ぐ・・・・・しかし・・・・・・・・。」
「気にしないで。修行するにはいい機会ヨ(はあと。)。」
「リナッツ・・・ーーーーーーーー・・・たく、オマエって女はよ・・・。だがなこれだけは約束しろ。何時の日か俺の氏名が終わったとき・・・その時はオレと代われ!忘れるな・・・オマエは長姉なんだ。弟達は必ず姉の力を必要とする時がくるだろう!!わかったな、リナ!」
「うん・・・・。その時まで・・・アタシの弟達を・・・・頼んだわよ親友!」
「まかせろ。」



「あれから千年・・・・。また冥界との戦争が始まる今、俺の使命も終わった。」
神妙に言うケイン。しかしリナは振り向きもしない。
「ふうん。そーなの・・・。だけど破修羅はアタシの武器よ
渡すわけには行かないってあたしの中に流れている商売人の血が言ってるわ。」
「そー言うと思ったぜ。(色々な意味で)。売るなよ、ソレ。誰も買わねーから。」
「まあね・・・・。呪われてるし・・・・。」
ジト目のケインに素っ気無く答えるリナ。
「呪い刀渡してもらえもらえねーんならもう一本作るまでよ・・・。」
サイブレードで己の腕を切り、血で魔方陣を書くケイン。
はっつ!!
「しまったーーーーーー!!その手があったか!!!!」
怒鳴るリナ。
「え・・・・・、ナニ?」
困り果てるアメリア。
「禁術よ!!アイツはダークスターの結界も組めるのよ!!」
凄まじい衝撃がケインを襲い、サイ・ブレードに憑依して行く!!
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「バカ!!すでに出来あがった呪い刀を握るのとは訳が違うのよ!!!
放しなさい!!アンタの身体が壊れるわよ!!!!!!」
壮絶なまでのケインとリナの叫び。
「あ・・・・リナ姉さん・・・あれッツ」アメリアの絶叫!!
ケインに向かい襲いかかる闇を撒く者!!
ケインに刃がかかる寸前・・・・・。
魔剣「ダークナイト」が完成し、闇を撒く者を薙いだ!!!
「す・・・すごい!やりましたね、ケインさん!!!」
はしゃいでケインに駆け寄ろうとしたアメリアは足元に違和感を覚えた。
「え・・・・・・・・・・」
血の・・・水溜り・・・・・?
「行くんじゃない。アメリア!」
「ガウリイ兄さん!?」
「俺達がダークスターの魔術を使う事は許されない・・・・。禁術を使ったものが受けるダメージは想像を絶する物だ・・・・・・。振り向かせちゃ行けネエ・・・
・・・・・・・誰にも見られたくないはずだ・・・・・・・・。」
全身を・・・・血まみれにしたケイン・・・・。
「そっ、それじゃあケインさんは・・・・アタシ、そんなの嫌です!!!」
狂乱し泣き喚くアメリア。
「耐えろ。あの人は命懸けで俺達にねーちゃんをかえしてくれたんだぞ・・・・・・その気持ちを無駄にしちゃいけないんだ。誰が一番辛いか考えてみろ・・・・・」
地に伏して泣き喚くアメリアに自身ともあれば泣きそうな顔をしたガウリイが諭す。
その様子を無表情で見守るリナ・・・・・。そっとケインに呟く。
「即席で作った魔剣、そんな物で・・・・・・。3年・・・いや1年持てばいいかしらね・・・・。冥界の奴らぶっ潰すには充分過ぎる時間よ・・・・。」
「さっさと行けッ・・・弟と妹達とひと暴れしてこい!」
後ろを向いたままケインが言う。
「うん・・・・。そうするわ。一日でも早くアンタがその剣振らなくていいようにね。」
二人の間を一陣の風が通りぬける・・・・・。
「全てを・・・・・・頼んだぜリナ!」
「まかせなさい。だいじょうぶよ。」



THE END