◆-大切なもの、失ったもの。2(Lina side)-Noel・マイオー(10/8-22:08)No.5235
 ┗大切なもの、失ったもの。3(Lina side)-Noel・マイオー(10/10-00:08)No.5268
  ┣Re:大切なもの、失ったもの。3(Lina side)-ティーゲル(10/10-19:59)No.5288
  ┃┗ありがとうございました。-Noel・マイオー(10/11-16:22)No.5305
  ┣Noel・マイオーさま、やばい、おくれてます!-マミリンQ(10/11-13:49)No.5303
  ┃┗ありがとうございました。-Noel・マイオー(10/11-16:28)No.5306
  ┗Re:感想です。-みーやん(10/11-20:27)No.5319
   ┗ありがとうございました。-Noel・マイオー(10/11-23:18)No.5327


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5235大切なもの、失ったもの。2(Lina side)Noel・マイオー E-mail 10/8-22:08
記事番号5170へのコメント
『大切なもの、失ったもの。(Lina side)』の続きです。
一度、書いたものをsideを変えて書くの、ってムヅカしいですね。
なんだこれは!?みたいなものになってしまいました。
わたしみたく何にも考えてない場合、ガウリイsideの方が書きやすいみたいです。
(くらげだから。)

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

 あたし達は食事を終えて今日の宿を探していた。
 その道々、あたしは何故かこいつに色んな事を話していた・・・・・・。
「そっかあ、お嬢ちゃん強いんだなあ。」
 ガウリイが感心したように言う。
 ・・・・・・感心してくれるのは嬉しいんだけど・・・その『嬢ちゃん』ってゆうのは止めて・・・・・・。
「あのねえっ!!」
「うん?」
 ・・・・・・そんな笑顔を向けるのは反則だと思う・・・。
 おかげで気力が失せてしまったじゃない。
「・・・・・・その、お嬢ちゃんて呼ぶの止めてよ・・・」
「悪い、リナ。」
 ガウリイは素直にあたしに謝ってきた。よろしい。
「危ない!嬢ちゃん!!」
 え?
 ガウリイが突然、あたしの腕を引っ張った。
 おかげであたしは・・・・・・ガウリイの腕の中へ。・・・胸の鼓動が早くなる。
 耳もとには馬車の音・・・・・・。ああ、馬車から助けてくれたのね・・・。
「大丈夫かい?お嬢ちゃん」
 笑顔でガウリイが聞いてくる・・・・・・本当はびっくりしたのよね。
 たぶん、今あたしの顔は赤いだろうな・・・。
 にしても・・・・・・この人、また『嬢ちゃん』になってるんだけど。でも・・・・・・ま、いっか。
「平気よ、ありがとう。」
 それだけ言うとあたしはガウリイの腕の中から逃げ出した。
 ああ、恥ずかしかった!!!
 でも・・・・・・・・・。
「そういやあ、お嬢ちゃん、年、いくつだ?」
「・・・・・・17。」
「嘘だろお!?」
 ・・・・・・何でそんなに驚くの?
「本当よ。」
 まだ、あたしを信じられないとでも言いたげに見てくる。
 だあ!!そりゃあ、あたしはちょっとばかし胸の発育が悪いわよ!!だからってなんで・・・・・・・・・そういやあ、この人っていくつなんだろう?
 あたしが訊ねようとしたその時・・・
「リナ!!ガウリイ!!」
 声の方を向く。
 ゼルガディスっ!!!!
 そこには・・・懐かしい男の姿。相も変わらず白のフードを目深まで被っている。
「久しぶりだな!こんな所で会えるなんて!!」
 彼は笑いながら近付いてくる。
 あたしの横でガウリイが体を強ばらせているのがわかった。
 警戒しているのだろう。しかし、それを表に出さない辺りがさすがだと思う。
「ゼル!?」
「リナ、こいつ、お前の知り合いか?」
 ガウリイが緊張を解いたようだ。

−ずべべべっ!

 ゼルがあたし達の目の前でこけた。
 起き上がって土埃を払い落とすとこちらに向き直った。
 あ・・・・・・ゼル、顔が引きつってる・・・・・・・・・。
「・・・・・・相変わらずだな。ダンナ。」
「へ?」
 しかし、ガウリイは間の抜けた声を発した。
 ・・・・・・どうやら、記憶の欠落においてはあたしよりガウリイのほうがひどいようね。
 ゼルガディスはガウリイが真剣に悩んでいるのを見て取ると顔色を変えた。
「おいっ!リナ!どうしたんだ・・・ガウリイの奴・・・・・・」
 ・・・・・・あたしに聞かれても・・・でも・・・
「・・・・・・やっぱり、この人がガウリイなのね。」
「!?リナまで何、言って・・・・・・!!!もしや、お前ら『癒しの平原』へ・・・!?」
 ・・・・・・うーん、ゼル、慌ててるわね。
 でも・・・・・・『癒しの平原』って声を荒げる辺り・・・やっぱりあそこが何かあるのかしら?
「ああ。」
 ガウリイが肯定した。
 ・・・・・・こいつ、こんなに素直に人を信用していいのかしら?
 もしも、あたしやゼルガディスが悪者だったらどうすんのかしら。
「!!!!お前ら!俺と一緒に来い!!」
 彼はどんどん進んで行ってしまった。
「えっ!?ちょっと!ゼル!?」
「おい!?なんなんだよ・・・・・・!!?」
 仕方なく、あたし達はゼルガディスについて行った。

 あたし達が来た場所は教会だった。
 ・・・・・・古そう。この町で一番古い、建物なんじゃない?
「・・・・・・?ここが、何かあんのか?ゼガルディス」
「・・・ゼルガディスだっ!!」
 ・・・・・・ガウリイ、あんたばか?
 うーん、こんな古い教会って大抵、必要のない古書ばっかりあって肝心なものがないってのがセオリーなんだけど。
 でも、まあゼルが連れてきてくれたんだから、信じて良いでしょう。
「悪い。」
 おお、謝ってる。やっぱり良い人だねえ、このガウリイさん。
 ・・・・・・ありゃ?でも、この間違いって聞いた事なかったけ?
「で、何なのよ?ここは?」
 あたしがこんな事を訊ねたには理由がある。だって・・・・・・ゼルガディスが教会の奥(たぶん立ち入り禁止セクションの方)まで入って行くからだ。
 いいのかな?まあ、こうゆうふうな立ち入り禁止セクションに大切なものがあるんだろうけど・・・。
 あたしやガウリイの疑問を感じ取ったのかゼルが
「ここの僧侶とは知り合いなんだ。」
 ほう。
 ・・・まあ、赤法師レゾの手下なんかやってた過去があるから僧侶さんの一人や二人知り合いにいても不思議はないか。
 あたし達は、たぶん最奥と思われる小部屋に辿り着いた。
 ・・・・・・おお〜〜〜〜〜〜!!すっごい量の本!!!
 必要のない古書、と言ったのは撤回しよう。
 興味深い裏表紙の本の山!!!
「・・・リナは・・・俺の事憶えてる、ってことはこの体の事も分かるな?」
 突然、ゼルガディスがあたしに話し掛ける。
「え?・・・うん。」
 あたしは神妙な顔で頷いた。
 それから手近にあった本(あたしが現在研究中のものに役立ちそうな分厚い本)を手に取った。
「・・・・・・この本、頂戴(はあと)」
「俺の本じゃない!!」
 ちっ、やっぱりダメだったか。
 ・・・・・・欲しかったんだけどなあ。
 あ、あの辺の薄い本なら隠して持って帰れるかも(はあと)
「まあ、話を戻そう・・・・・・ガウリイ!?人の話を聞けっ!!」
 ガウリイはあたしの横で、うつらうつらとし始めていた・・・・・・この人って・・・一体?
 ゼルガディスもやりずらいだろうなあ。
「それで、だ。俺はこの合成獣の体を直す為に各地を捜しまわった。そして、この町でこの本に当たった。」
 一冊の本を棚から取り上げる。
 あら、それも興味深そう(はあと)
「これは・・・『癒しの平原』について書かれている。」
「ふむふむ。」
 ・・・・・・ガウリイ、頷いてるけど、わかってんのかしら?
 まあ、いいわ。とりあえず今は・・・・・・。
「それで?」
 あたしはゼルに先を促させる。
「・・・それで、だ。この文献によると・・・・・・いや、それよりもこう言った方がいいな。
 つまり、『癒しの平原』は・・・一般的に良く知られている。どんな傷も直す地だと。
 しかし・・・誰一人として、行ったことがないんだ・・・・・・。」
『なっ!!?』
 あたしとガウリイは同時に驚きの声をあげた。
 だって・・・・・・
「俺達は現にそこにいたんだぞ?」
 ガウリイがあたしの疑問を口にしてくれた。
「・・・・・・皆が『癒しの平原』と呼ぶ地・・・そこ自体は・・・何の力も持たない。
 あそこは『扉』の様な役目を果たしているんだ。」
「・・・扉・・・。」
 ・・・・・・あそこが扉だとしたら・・・じゃあ、あたし達の記憶の欠落は『癒しの平原』とは関係ないの?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
 ちょっと・・・待って・・・・・・『代償』が・・・・・・でも・・・あそこが『扉』としての役目しかないとしたら・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
「・・・何をそんなに悩む?」
 ・・・何をって・・・・・・あんたは何も考えてなかったの!?
「ああ!大切なことを忘れていた。傷を直す代償として・・・」
 ・・・傷を直す代償として・・・?
「大切な記憶を奪われるらしい。」
 早く言ってよ!!!そういうことはっ!!!
 でも・・・・・・大切な?
「ゼル!!ちょっとその本、見せて!!」
「ああ。」
 あたしは奪い取る様にその本を手に取った。
 えっと・・・・・・あ!このページは・・・?もしかしたら・・・・・・。
 あたしはそのページを読んだ。・・・・・・『代償』はあくまで・・・・・・『賭け』の・・・対象?
 だああ!!一体、いつの文字よ!!これは!!?
 読みづらい事この上ないじゃないっ!インクが消えかけてるところもあるし。
 ・・・・・・・・・・・・でも、あたしの読みが正しければ・・・
「ねえ、ゼル、もしかしたらここのこの部分・・・・・・って・・・」
「え?」
 ・・・もうすでにガウリイはあたし達の話し合いに加わってはいなかった。
 端でドリーミングしていた・・・・・・。
 ゼルガディスはあたしが指し示した部分を読むと顔色を変えた。
「・・・・・・どうやら、お前ら厄介な事になってるようだな。・・・そうだ!!」
 彼は別の分厚い本を取り上げるとページをめくった。
 ・・・ゼル、あんたこの本全部、読んだの!?
「ああ、あった。これだ。この呪文が役立つと思う。」
 あたしに一つの呪文を見せた。
 ・・・・・・これ?
「わかったわ!!」
 まあ、なんとかなる・・・・・・よね?

「じゃあ、俺は新しい情報を頼りにもう立たなくちゃいけないが、2人共、がんばれよ。」
 ゼルガディスが名残惜しそうに言う。
「うん。あんたもがんばってね。」
 あたしは笑顔をゼルに返した。
「ありがとな、ゼガルディス!!」
 ガウリイ、あんたまだ・・・
「ゼガルディスだっ!!まだ分からんのか!!?」
 ゼル、大変そー。
「じょ、冗談だよっ!・・・・・・今度、会う時までにお前の事、思い出しておくからな!」
 本当に・・・冗談?・・・・・・ついでにいうと・・・・・・自信はあるの?ガウリイ・・・・・・・・・。
「当然だ。」
 フッと笑うゼルガディス。そしてそれに続けて笑い始めたガウリイ。
 ・・・・・・男ってわからないわ。
「あ、ああ。そうだ、お前」
 ゼルが真顔に戻ってガウリイに訊ねる。
「アメリアやシルフィールの事は・・・・・・」
 ・・・・・・・・・・・・。
「最初のは知らん。・・・あと、何でお前がシルフィールを?」
 ・・・・・・・・・別に・・・ガウリイが忘れたのはあたしのことだけじゃないんだ・・・。
 何故か心が痛んだ。
「そうか、知らないのならいい。・・・ダンナらしいよ。じゃあな。」
 何がらしいのか、彼は意味ありげな笑みを浮かべた。
 あたし達は手を振る。
 ・・・・・・前にもあったのかな?
 こんなふうにこの人と肩並ばせて・・・・・・。
 『大切な』、か。想ってあたしは顔が火照ってきた。
 ・・・・・・よおく、考えるとあたしが忘れているであろう事はたぶん・・・・・・この人のことだけなのだ。
(記憶を失っているわけだから、どれ、とはいえないんだけど・・・)
 でも・・・それって・・・・・・・・・。
 あたしはゼルガディスに振る手に力を込めた。
 赤い顔を誤魔化す為に。

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リナsideの2話目はどうでしたか?

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5268大切なもの、失ったもの。3(Lina side)Noel・マイオー E-mail 10/10-00:08
記事番号5235へのコメント
『大切なもの、失ったもの。(Lina side)』の最終話です。
ただ、ここで困った問題が一つ。
それは・・・過去のレスが読めない事。
わたしはこの話を何故かノートにらふ書きしてからこれに書き込んだんですけどその際にセリフのいくつかを
変えちゃったんです。
で、手許にあるノートを使ってこの3話目を書き込みますが・・・ちょっと違うぞ!というところがあるかも
しれません。でも、お気になさらずに読んで下さい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「・・・・・・で?」
「・・・何よ?」
「いや、結局、どうなったんだ?」

−べきっ!!

 こーいーつーはー!!!
「嬢ちゃん、イタいよ。」
「あんたねえ!?どうして脳ミソそんなにくらげなの!?」
 絶対に、こいつの頭ん中にあんのはスライムだわ!!!
 ・・・・・・っても、この人・・・あの時ドリーミングしてたからなあ。
 しかも、魔道とかあんまりってゆうか全然、詳しくなさそうだし・・・・・・。
「これからその『癒しの平原』の扉に行くのよ!!!!!」
「ふーん、それで?」
 だあっ!!何でわかってくんないかなあ!?こいつは!!
「それでっっ!!月光の下、さっきゼルからもらった呪文を読むの!!」
 ・・・・・・そう、あたしの考え通りに行くと・・・・・・・・・。
「ほう。・・・・・・ところで何でゼルガディスはその『癒しの平原』であの体を戻さないんだ?」
 ・・・なかなか、いいツッコミをしてくれるじゃない。ガウリイのくせして。
 ・・・・・・ありゃ?何であたしガウリイの『くせ』して、なんて思うんだろ?
「・・・・・・いや、なんだって。」
 ガウリイは何も返さない。
 だから、あたしは続けた。
「・・・・・・大切な気持ち、失ってまで・・・・・・戻りたくないって。だって・・・・・・今のゼル、変わったもの。」
 そう、彼は変わった。・・・初めて会った時の彼は全然違った。
 ・・・・・・ガウリイと、一緒だったんだ・・・その時・・・。
「ゼルガディスは今・・・・・・その大切なものの為に人間に戻ろうとしてるんだから。・・・昔の彼だったら、違ったかも知れないわね。」
 本当にそう思う。・・・・・・彼は今・・・アメリアの為に、がんばってる。
「・・・・・・そう、か。」
 横目でガウリイを見た。
 ・・・・・・あたしにとって、大切な想い、か・・・。

「着いたわ!!」
 今のあたしが初めてガウリイに会った場所。
 ・・・まだ、同じ日なんて信じられない。
 ・・・綺麗・・・。
 花々が月光に照らされて・・・本当に綺麗・・・。
「・・・で、俺は何をすればいいんだ?」
 突然、声をかけられてあたしは慌てた。
「あんたは、そこで待ってて。」
 ガウリイを見て、鼓動が早まる。
 ・・・ガウリイの髪・・・光の色だ・・・。
 綺麗・・・男の人にこんなふうに思うのって変、かな?
 でも・・・綺麗・・・。
 (はっ)あたしはするべき事を思い出す。
「j@:*er#~kea>]w3fa('whuahei<.op`=*・・・・・・」
 あたしは呪文の詠唱を始めた。
「いけ・・・ない・・・・・・リナ!!!!!」
 どこか、遠い所でガウリイがあたしを呼ぶ声がする。

−ドクンっ

 心臓が高鳴る。
 心が危険信号を発している。
「リナ!!やめろっ!!」
 あたしが呪文を完成したその時、ガウリイの叫び声が今度はすぐ近くで聞こえた。
「−・・・え?」
 あたしは振向く。
 ガウリイに微笑む。
 そして・・・・・・・・・あたしはその場に倒れた。
「リナああっっ!!!!」
 ガウリイがあたしの名前を呼ぶのがはっきり聞こえた。
 でも・・・・・・。
 ・・・・・・頭の中に流れ込んでくる・・・記憶・・・あたしの・・・大切な、記憶・・・・・・。

 ・・・・・・・・・痛い・・・・・・。
 そうだ・・・あたしは・・・・・・戦いの中・・・・・・・・・傷を・・・負った・・・・・・。
 愚かな・・・・・・ミスを・・・犯した・・・・・・。
 ・・・・・・痛い・・・・・・・・・・・・でも・・・感じる・・・・・・・・・ガウリイの・・・心が・・・血を・・・流している、のが・・・。

「リナあああ!!!!!!」
 ガウリイが、あたしに駆け寄る。
「・・・ガ、ウリ・・・イ・・・?」
 目が・・・かすんで・・・よく・・・・・・見えないよ・・・・・・。
「リナっ!!」
 でも・・・これ、だけは・・・・・・伝えなきゃ・・・・・・・・・。
「あたし、幸せよ・・・?」
 やっとの思いで言葉を紡ぐ。
「だって・・・・・・ガウリイの事・・・思い出せ・・・くっ・・・た・・・ああっ・・・んだか、ら・・・。」
 痛いのを堪えて、笑みをつくる。
「リナ・・・・・・。」
 ・・・・・・あたし、死んじゃうのかな・・・・・・?
 いやだな・・・・・・。
 もっと・・・・・・もっと・・・ガウリイの・・・側に・・・いたいな・・・。
 側で・・・もっと・・・楽しい思い出を・・・・・・作りたかった、な・・・・・・。
 ・・・・・・ダメ、だ。・・・もう・・・・・・。
 あたしは意識を手放した。
 最後に聞いたのはガウリイがあたしを呼ぶ声・・・・・・。

(−・・・・・・リナ・・・あなたは・・・・・・いえ・・・あなた方は・・・見つけたのですね・・・・・・・・・)
 声が、聞こえた。
 朝、聞いたのと同じ声・・・・・・。
 何を、言っているの?
 ・・・・・・ここは、あの世、なの?
(−・・・・・・あなたは・・・戻れますよ・・・・・・あなたの肉体が・・・存在する・・・・・・地へ・・・・・・)
 ・・・無理よ、だって・・・あたし、死んじゃったもの・・・。
(−・・・ただし・・・・・・期限が・・・あります・・・・・・・・・)
 え?本当に戻れるの?
 24時間だけ、とか?
(−・・・あなた方が・・・・・・お互いを・・・想い合っている・・・限り・・・・・・あなたは・・・あなたの寿命を・・・全う・・・出来ます・・・)
 あたしが、ガウリイを・・・?
(−・・・ただし・・・どちらかが・・・・・・想うのを・・・止めた・・・その時・・・・・・あなたの・・・肉体は・・・・・・自然へと・・・帰るでしょう・・・・・・)
 ・・・・・・・・・・・・。
(−・・・・・・・・・しかし・・・・・・この記憶・・・・・・あなたが・・・目覚めた・・・その時・・・忘れられるよう・・・に・・・なっています・・・・・・)
 はあ!?
 え?ちょ、ちょっと!!

 ・・・・・・眩しい・・・。
 ああ・・・・・・あたし、助かったんだ・・・・・・。
 ・・・・・・でも、どうしてだろ?
 ・・・・・・本に・・・あれ?
 ・・・思い出せない・・・・・・。
「リナっ!!」
 横でガウリイが目を覚ましたようだ。
 あたしはガウリイに微笑みかけた。
「おはよう!ガウリイ!」
 ・・・おお、驚いてる(はあと)
「リナ!お前!傷はっ!?」
「全然、平気!!」

 2人で歩く帰り道。
 こんな時間があたしには大切。
 ・・・・・・そういえば・・・
「ねえ?結局・・・・・・どこにあったのかな?大切なものって。」
「それは・・・・・・」
 え?
 あたしはガウリイに抱き寄せられた。
 きゃあ!!
 顔が赤くなる。
 鼓動が早くなる。
「ここにあったんだよ。」
 ・・・・・・何を格好つけてるんだ!ばかガウリイ!!
「じゃあ・・・・・・どうしてあたしはガウリイの事しか忘れなかったのにガウリイはあたしと会ってからの時間、全てを忘れたの?」
 ちょっと、意地悪な質問をしてしまう。
 ガウリイがうろたえてるのがわかった。
「・・・くらげだからか。」
 あたしはにやりと笑う。でも悲しいかな抱き締められているからガウリイにあたしの表情はみえないはず。
 ・・・まあ、この真っ赤な顔を見られないのは良い事なんだけど・・・。
「・・・違うよ。」
 ほお、違うのか。
「・・・・・・俺にとって・・・リナと過ごした時間、リナが関わった全ての事が、大切、だからだよ。」
 ・・・・・・だあ!!
 あたしの顔は更に赤くなる。
 ・・・・・・よく、そんな恥ずかしいセリフが吐けるわね!!
 あたしには一生かかっても言えそうにない・・・。
 ガウリイがあたしを抱く腕に力を込めた。
 ・・・・・・まあ、いいか。今くらいは・・・・・・。
 でも・・・・・・どうして・・・あたしは助かったのかな?
 ・・・何か、失ったんだろうか?
 ・・・・・・でも・・・あたしにとって・・・ガウリイ以上に失いたくないものなんてない。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

終わりましたあ!!!
いちようは正解編、てゆうか種明かし編なハズだったんですが・・・・・・。
・・・ここまで読んで下さった方は・・・いるのだろうか?
いたら・・・・・・本っ当にありがとうございました!!
心より感謝を申し上げます!!

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5288Re:大切なもの、失ったもの。3(Lina side)ティーゲル 10/10-19:59
記事番号5268へのコメント
どもティーゲルです。しかし、こーいうオチ(?)だったとは・・・・・・読めま
せんでした。
 でも結構きつそうですね・・・・一生暇なしに思い合ってなきゃいけないっての
は・・・・・・一瞬の油断が命取り・・・・・・ほんの一瞬お互いの心が離れただ
けで死亡・・・・・・さすがにちょっとぐらいはありなんでしょうか?
とりあえず短いですがこれにて。

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5305ありがとうございました。Noel・マイオー E-mail 10/11-16:22
記事番号5288へのコメント
ティーゲルさま

また、読んでくださってありがとうございました。
わ〜い、リナ・サイドにもレスが付いた(はあと)
ただ、最後の所がちょっと、ガウリイ・サイドと違っちゃいましたね。
(見ないで書くのはつらかったです。)

>どもティーゲルです。しかし、こーいうオチ(?)だったとは・・・・・・読めま
>せんでした。
わたしも読めませんでした(笑)
書きながら・・・あー、そうしようう・・・・・・。
みたいな。

> でも結構きつそうですね・・・・一生暇なしに思い合ってなきゃいけないっての
>は・・・・・・一瞬の油断が命取り・・・・・・ほんの一瞬お互いの心が離れただ
>けで死亡・・・・・・さすがにちょっとぐらいはありなんでしょうか?
まあ、平気だと思います。
ようは根本的にガウリイがリナに死んで欲しくない。と
リナがガウリイと共に生きたい。と思っていれば。

それでは。

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5303Noel・マイオーさま、やばい、おくれてます!マミリンQ E-mail 10/11-13:49
記事番号5268へのコメント
またまたコメント書きにまいりました、マミリンQですっ!

あぎゃ〜〜〜っ!
よかったです〜〜〜♪♪
ガウリナ両サイドの語りで読めてうれしかったです〜〜〜♪
おマヌケなのですが、ガウリイSide私、感想
書かせていただきましたっけ??
・・・あ、かきました、かきました。思いだしました♪
でもこれからは読むたびに感想書くようにさらなる努力します!!

本題に戻りまして・・・。
いいですねぇ、おいしいですねぇ♪
ほんと♪
それに、なにを失ったのかというなぞも解けましたし!
ああ、そうだったんですか・・・。(はぁと)

では、どうもありがとうございましたっ!

マミリンQ


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5306ありがとうございました。Noel・マイオー E-mail 10/11-16:28
記事番号5303へのコメント
マミリンQさま

あ、また書いて下さって、ありがとうございます。(深々〜)
                         ↑
                     頭を下げた効果音(?)です

>あぎゃ〜〜〜っ!
>よかったです〜〜〜♪♪
>ガウリナ両サイドの語りで読めてうれしかったです〜〜〜♪
そう言って下さると幸せ(はあと)
一度、書いた話(しかもガウリイ・サイド)なんで、初めの方に引き摺られちゃって あれ〜!?こうゆう時、リナはどう思うんだ? みたく
悩みました(汗)

>でもこれからは読むたびに感想書くようにさらなる努力します!!
書いて、書いて(はあと)

>それに、なにを失ったのかというなぞも解けましたし!
>ああ、そうだったんですか・・・。(はぁと)
書きながら悩んでました(笑)
どうしよう〜〜〜〜、と。

また読んで下さいね〜〜〜〜〜。

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5319Re:感想です。みーやん 10/11-20:27
記事番号5268へのコメント
はい!みーやんです。
おもしろく読ませてもらいました。
Noel・マイオーさんのお話はガウリィとリナが切なくていいですね〜
ガウリィsideでもガウリィがリナのことを本当に思っていて、リナの幸せ者!とか思いましたけれど、リナもちゃーんと切ない思いしてたんですね。よしよし。

なんかどーでもいい感想ですけど、ちゃんと読んで、小躍りして喜んでいる人間がここにいるということだけ。
みーやんでした。

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5327ありがとうございました。Noel・マイオー E-mail 10/11-23:18
記事番号5319へのコメント
みーやんさま

わ〜い、読んで下さってありがとうございました(はあと)

>Noel・マイオーさんのお話はガウリィとリナが切なくていいですね〜
本当!?
それはたぶんわたしがガウリイを精神的にイヂメルのが好きだから(核爆)

>ガウリィsideでもガウリィがリナのことを本当に思っていて、リナの幸せ者!とか思いましたけれど、リナもちゃーんと切ない思いしてたんですね。よしよし。
やっぱり、この二人には幸せになって欲しいですねえ。

>なんかどーでもいい感想ですけど、ちゃんと読んで、小躍りして喜んでいる人間がここにいるということだけ。
ありがとうございます。
そうおっしゃって下さるから図に乗ってまた書くぞ!!と思います。

それでは。Noelでした。