◆-紅蓮なるメディチ(前置き)-LINA(10/9-19:27)No.5260
 ┣紅蓮なるメディチ1-LINA(10/9-21:24)No.5262
 ┃┗いたりあー♪ ぶえなー♪-ようこ(10/10-12:04)No.5277
 ┃ ┗Re:いたりあー♪ ぶえなー♪さんくす-LINA(10/10-17:19)No.5281
 ┣Re:紅蓮なるメディチ(前置き)-ティーゲル(10/9-22:38)No.5264
 ┃┗有難うございます-LINA(10/10-09:36)No.5275
 ┣紅蓮なるメディチ2-LINA(10/10-18:59)No.5285
 ┃┗:紅蓮なるメディチ2(トゥルー)-LINA(10/10-20:47)No.5289
 ┣紅蓮なるメディチ2-LINA(10/10-19:30)No.5287
 ┣紅蓮なるメディチ3-LINA(10/10-22:20)No.5299
 ┃┗すごい!リナもガウリィもかっこいい!-みーやん(10/11-20:38)No.5320
 ┃ ┗有難うございます-LINA(10/11-20:41)No.5321
 ┣紅蓮なるメディチ4-LINA(10/11-21:33)No.5325
 ┗紅蓮なるメディチ最終章-LINA(10/11-23:32)No.5328
  ┣感想です。-ティーゲル(10/12-01:15)No.5333
  ┃┗どーもです-LINA(10/12-18:16)No.5341
  ┗Re:紅蓮なるメディチに惹かれて-紅蓮 明(10/14-13:41)No.5345
   ┗有難うございます-LINA(10/14-18:16)No.5353


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5260紅蓮なるメディチ(前置き)LINA 10/9-19:27

イタリアの某サッカーチームで活躍する日本の某選手の事をテレビのニュースで見ていて次の長編歴史小説はイタリアだああああああ!!と、とっさに誓いました。
イタリアといえばスパゲティーとピッザ・・・・。じゃなくってルネッサンス!!
そう一人で勝手にインスピレーションを膨らめたはいいが、何せ苦手分野・・・・・・・。(世界史好きなんですけれどもネエ)どーもスパゲティーを美味しそうに食べるガウリイとリナ・・・・、なんてなりやしないかと一寸ひやひやです・・・。
話の大まかな筋はひょんなことから在る男(それは誰かはまだ秘密。)に助けられた傭兵ガウリイが軽い気持ちでその男から受けた依頼は実はとんでもない事だった!!というところから始まり、暗殺者に狙われるリナを守りぬき結末は・・・。
と、言ったところです。(一寸支離滅裂かな?)
何分苦手な分野ゆえ完成は遅くなると思いますが気長にお付き合いください。
(とかいいつつもう次回作はイギリスの話にしようか、源平合戦の話にしようか
悩んでいます・・・・・。どちらかリクエストしてくださると嬉しいです・・・・・・って、完成させてから言うべきですね。)

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5262紅蓮なるメディチ1LINA 10/9-21:24
記事番号5260へのコメント
 ルネサンスじだいのイタリア。
当時ここのトスカーナ地方にフィレンツェと言う一大自治共和都市があった。
当時その都市を治めていたのが大金融業を営むメディチという毒殺と暗殺で成りあがった家紋だった。それに対抗し市民のみの手で共和都市を成り立たせようとする敵対勢力のパッツィ家が争いを繰り返していた・・・。
その争いに巻き込まれる7人の男女の物語である。


アルノ川のほとりに座り込んだ一人の男。
誰もが振り返るほどの美しい金髪と端正な顔立ち。
腰に括り付けられている見事な剣からしてかなりの身分を持つ傭兵か傭兵団の所属であろう。
物憂げな顔が水面に映り金髪が太陽光を反射し輝く・・・・。
彼はそっと呟いた。


「ハラへったなあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


某月某日某曜日。
イタリアはトスカーナ地方の共和都市フィレンツェに入った傭兵ガウリイの路銀は見事に尽きた・・・・・・。
そして彼は・・・。行き倒れとなって野垂れ死にしかけた・・・・。


「と、言う訳だ。」
共和都市フィレンツェの一角に在る飯屋。
そこの4人の男女がいた。そのうちの一人の男が呆れたようにもう一人の男、つまりガウリイの食べっぷりを眺めながらのこり二人の男女に彼の行き倒れていた理由を説明した。
「で、今度はその人に頼むつもりですか?」
女の方が完全に呆れきった口調で男に尋ねる。
「ああ。アメリア。俺は完全にマークされてて動けないからな。」
事も無げに男は続ける。ガウリイも食べつづける。
「しかし・・・・。貴様も良くやるな・・・・。これで何度目やら。いい加減にあの女を自由にしてやったらどうなんだ?」
もう一人の男もアメリアに続き呆れ顔で言う。
「アメリアという婚約者が居るお前には俺の気持ちは解らないさ。ゼルガディス。市政庁長官のお前が居るからそんな事は無いと思って高をくくってローマから帰ってくれば俺の愛しいあの女が今日は嫁ぐ日と言うじゃないか!!どーしてそんな政略結婚とめなかった!?」
「個人の婚姻の権限にまで口出しできるほど市政庁長官の権限は強くは無い。それに・・・・、お前の愛情は単なるワガママだろ?」
言っても無駄だとしりつつも一応説教するゼルガディス。
まだ食ってるガウリイ。しかし、状況は一応把握した。
どーやら行き倒れの俺を助けたこの男、恋人の政略結婚を阻止すべく、嫁ぎ先に向かう騎馬隊を襲って欲しいと言うのだろう。
まあ、一食(普通の人にしてみれば5食分)の飯の恩義も在るし・・・・・。
「別に良いけれどもさ・・・・。お前サン、名前なんて言うんだ?」
食い続けながらガウリイは聞く。
少々の沈黙の後男が口を開く・・・。
「ケイン・・・・、とだけ名乗っておこうか。」
「ふ〜〜〜ん。下の苗字は?」
食い続けながらガウリイ。
「いずれ解るさ・・・・・・。」
呆れと言うか諦めと言うか・・・・。そんな顔と口調でゼルガディスが呟いた。



ガイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!
ヒヒヒイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!
花嫁行列の行く手に剣と剣のぶつかり合う音と馬のいな鳴き声。
ケイン、アメリア、ゼルガディスは近くの建物の影に身を潜めている。
たかが行列のためのデモンストレーションのための仮装兵かと思っていたガウリイだったがドイツもコイツも一応腕利きのようである。
もっとも、彼の腕にかなうような者はいなかったが。
あっさりと馬車を残して退散して行く兵団達・・・。い〜のか?花嫁残してって?
ガウリイが下らない事を思ったその直後だった。
バタン!!と内側から蹴り飛ばされ開け放たれる馬車の扉。
「いたああああああああああああ!!!も〜〜〜何時もの事とはいえ!!
少しは手加減しなさいよねケイン!!思いっきり頭壁にぶつけたじゃない!!ま、何時もよりか早めに全員片付けた事はほめてあげるけれど。」
中から姿こそは見えないが女の声がする。恐らくケインの恋人だろう。かなり機嫌の悪そうな口調である。まあ、頭をぶつけたというのだから当然には当然だ。
「リナさん、だいじょうぶですか?」
物陰から出てきたアメリアが馬車の戸口に駆け込み中に居る人物が降りるのを助け出す。
出てきたのは赤褐色っぽい栗色の髪の小柄な娘だった。
白い肌に纏った真紅の衣装。同色の紅蓮の瞳。整った顔立ちに相反する軽い粗野っぽい動作。彼女は淑女らしからぬ動作で髪をぎしゃぐしゃと掻き揚げていた。
ガウリイは彼女から目が離せなくなった。
・・・・・これがケインの恋人?
いや、正直言って羨ましい・・・・・・・・・・。それが素直な彼の感想だった。
確かに今まで見たことの在る美女達・・・・。
英国貴族の娘、シルフィール、かの大国オーストリアハプスブルクのフィリアの洗練された物腰には到底及ばない。しかし。なるほど。ケインが人には渡したがらない何かを兼ね備えたこの娘・・・(確かリナとかいった)は兼ね備えていた。
本当に目が離せない・・・・。例え激怒して、出てきたケインに罵詈雑言を浴びせ掛ける姿でも・・・・・・。そんなガウリイの様子を察してであろうゼルガディスが話し掛ける・・・。
「無理も無いさ。あの女・・・・リナはこの街の花形だしな。本名カテリーナ・シモネッタ・ジュリアーノ・ド・メディチ。そう言えば解るだろ?」
ガウリイの驚きは二重だった。
「シモネッタ?フィレンツェ一の美貌を誇るあの『華のシモネッタ』か?それにメディチ家といえばここフィレンツェの共和都市を仕切る大銀行の家系じゃねーか!?」
「そうです。ついでに言っちゃえばあの人。ケインさんはリナさんの実兄なんです。」
続けて言うアメリア・・・・。
「じっじっじっじ、実兄!!!!???」
ガウリイの言葉にひたすら下を向いて沈黙するアメリアとゼル・・・。
「そーよ!!この人はアタシの兄貴にしてメディチ家現当主、ケイン・レオナード・ロレンツウォ・デ・メディチよ。」
唐突に威厳の在る声にガウリイは振り返る。
かの『華のシモネッタ』と詠われている娘のジト目がそこにはあった。
「ついでにいっちゃえばあ、ただのシスコン。これでアタシの政略結婚邪魔したの16回目よ。お陰でフィレンツェ中の殿方の良いゲームの材料よアタシは。だれがかのリナことカテリーナ・シモネッタを娶れるかって、ね。まったく。儀式とか言ってみんなでよってたかって新しい靴ふんでるよーなもんよ。」
それだけじゃないだろう・・・・。そう言いかけたがガウリイはぶしつけ過ぎる事を配慮して言葉を飲み込んだ。この娘は少しも自分の美貌を気にかけたいないらし
い。健康的だが白く艶やかな頬が微かに微笑む。
「馬鹿!!可愛い妹を何所の馬の骨ともわからんヤローにくれれるか!!だいたいなあ、お前を欲しいと言う奴は正々堂々折れに果し合いを申し込んで勝ってからお前に求婚するべきなんだ!!そう俺が決めてるのに勝手に話を進めやがってどいつもこいつも!!」
「勝手な決まりをつくるなああああああああああああああああ!!」
リナの絶叫が響く。スリッパが実兄の頭を直撃した。
痛そうだが・・・・。ケインが何となく羨ましい。ガウリイはそう思った。
「ともあれさ、ガウリイさんよ。アンタにはこれからリナの護衛をやってもらいたいんだ。家で働いてもらえないか?どーもこのところフィレンツェは危ないんだ。アンタの腕を見込んでの頼みだ。」
頭をさすりながらケインが言った。
「・・・・・・。パッツィね・・・・・。」
「ああ。」
暗い口調でリナとケイン。
「・・・・。良くは解らんが・・・。俺で良いなら。」
ガウリイがアッサリと答えた。
「助かる。お前サンぐらいの身分の男が護衛じゃなければ手出しが出来ない相手なんだ。
ケインはそうとだけ言った。
かくして。リナとガウリイの命懸けの戦いは彼等の知らぬ間に幕を開けたのだった。


続く。



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5277いたりあー♪ ぶえなー♪ようこ E-mail 10/10-12:04
記事番号5262へのコメント
タイトル意味不明ですいません・・・。
舞台がイタリア!?リナがシモネッタ〜!? 
すごいです。新しい発想です〜。
皆さんこういう素晴らしいアイデアがどんどん出てきてすごいですー。
ROMさせて頂くものにとってはうれしい限りです♪
続きをとおっても楽しみにしています。
ではー。


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5281Re:いたりあー♪ ぶえなー♪さんくすLINA 10/10-17:19
記事番号5277へのコメント
有難うございます。
「紅蓮」はまあさておきとして(これから明かして行きます)メディチは一応
家名(徳川とか豊臣とかみたいなものでしょーか)です。
ちなみに「シモネッタ」とは「ビーナス誕生」と言う名画のモデルになった
当時の美人の名前です。
では、続きを頑張ります。

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5264Re:紅蓮なるメディチ(前置き)ティーゲル 10/9-22:38
記事番号5260へのコメント
まだ終わっていないのでリクエストだけを。イギリスのほうがヴァリエーション多
そうで私はイギリスのほうを読みたいです。ロビンフッドやアーサー王にエリザベ
ス女王、そしてやっぱしネルソン提督〜♪まだまだいるぞ海賊ズ・・・・・いやほ
んと全部やれば当分ネタはつきませんね(笑)ではまた。 

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5275有難うございますLINA 10/10-09:36
記事番号5264へのコメント
一応イギリスの方が私の中でも有力です。
やっぱり一寸アーサー王入れようかと考えてます。
(リナがイグレインでガウリイがウーゼルとか・・・・?)
でも予告っぽくなっちゃいますがガウリイにリナを誘拐させよーと企んでます。
では、さっさとこちらを終わらせて書きたいと思いマーす。

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5285紅蓮なるメディチ2LINA 10/10-18:59
記事番号5260へのコメント
この頃。
リナはガウリイの護衛付でなければケインに外出を許されていなかった。
それなりに二人は仲が良かったしリナにしては珍しく依存が無かった。
しかし、ガウリイは・・・・・。
町を行く男ドモの視線が痛い・・・・・。そう痛感していた。
(しかし、嫌ではないのがミソである・・・・・・。)
まあ、無理も無い。何せリナはこの街自随一の美女「華のシモネッタ」である。
ついでに言ってしまえば彼女と出歩くような男はアノ、シスコン男、現メディチ当主が認めている者に他ならない。護衛と知らない連中にはそう見えてもいたし方の無いことだろう・・・・。
「しかしよお、あのシスコン男、よくお前サンと俺を一緒に居させるよな。護衛とはいえ・・・。」
「まあ、メディチ家と言えばあんまり良い印象持たない人も多いしね。特に敵対している銀行、パッツィ家。冷戦状態が続いていつアタシもケインも殺されたっておかしく無い状態なの。」
「でも・・・。結構好かれてるじゃないかお前の兄貴。ついでに言えば『青年団』、も。」
「青年団」とはケインが編成するこの街の覇気のある若者が身分を問わず同様に語り合うサークルのようなものだった。ガウリイ自身新参の青年団の一人とし仲間のゼルガディスやアメリア、そしてやはり其処でも花形たるリナと過ごす時間が増えていた。
「ケイン一人の人徳じゃあ一族の印象まで変えられないわね。この街の事のほとんどの政治は家が仕切ってるのがげんじょうだし。それが面白くない連中だって居るのよ。」
「そ〜ゆ〜モノか?」
「そ〜ゆ〜モノよ。それだからアンタ護衛やらされてるのよ。」
「で・・・。その護衛つけて何所いこうっていうんだ・・・・ベッラ(美しい)
シモネッタ?」
「・・・・そりゃひにくか・・・・。」
「ベッラ」とは程遠いジト目でガウリイを睨むリナ。
「イや・・・。別に・・・・・。」
鼻の頭を書きつつガウリイ。
「まあ、良いでしょう。世間一般じゃあ勝手にアタシの事そんな風に言って祭り上げてるみたいだけれども。美人って大抵早死にって相場が決まってるじゃない?
悪いけどあたし120まで生きる予定なの。」
まったく不思議な娘である・・・・・・。
と、まさにそのときだった。
ダッ!!
走りこんできた子供がマトモにリナにぶつかった!!
同時にバランスを崩す両者。
本の一瞬の出来事であったがガウリイは見逃さない!!
リナのウェストを支え、ヒールの高い靴の彼女がバランスを崩すことの無いようにすると同時にぶつかって来た少年の腕を逃げ出さないように軽く掴んだ。
「どういうことだ!!」
只単にぶつかって来ただけの子供なら幾ら主筋のリナに無礼を働いたとしても、こんな手荒な真似はしない。
ただ、許せないにはそれを逆手に取った少年の行為だった。
「これはどう言う事かと聞いているんだ!!」
半ば脅すような鋭い声でガウリイは少年の手に握られた高価な女物の財布について問い詰める。
気合に押され俯く少年。
「話をしている人間の目を見なさい!!誰が貴方の味方か解らないわよ!!」
唐突に威厳の在る声をあげた人物・・・リナの方にハッと目をやる少年。
「ガウリイもガウリイよ。こんな小さい子相手に気合を入れるなんて。」
・・・・お前がらみじゃなければ俺だってこんな大人気無い事しなかったぞ・・・。言いかけたが場所が場所だけに言葉を飲み込むガウリイ。
そんな彼に気付く事無く少年に近寄りそのヴァイオレットの瞳を身を屈め直視するリナ。
「どうしてこんなことするの?正直に言ってみなさい。」
威厳に満ちているが優しげな声・・・・。
「・・・・・・・。お兄さんが・・・病気で・・・・。お金が・・・・。」
泣きそうな声で少年が呟いた・・・。その目はリナの紅蓮の瞳を直視している。
「・・・・。そう・・・・。ゴメンナサイね。ガウリイその子を放してあげて。」
少年を放すガウリイ。泣きながらリナに財布を少年は返した。
「これを・・・・・・。」
財布を受け取るのとは逆の手で高価な髪飾りをはずし少年に手渡した。
信じられないと言った顔の少年ににっこりとリナは微笑みかけた。
少年は何度も何度もリナに有難う、と言いながら去って行った。
・・・・「華のシモネッタ」・・・・。
改めてリナがそう呼ばれる由縁をガウリイは理解できたが今一つ腑に落ちない。
「いいにか?あんな事して・・・・。嘘かもしれなかったんだぜ?」
ぼそっとぼやくガウリイ。
「人の目を直視できる人間は嘘なんてついていないわ・・・・。」
何時になく感情の篭もらない声で応じるリナ・・・。
その肩は・・・・微かに震えている。
「ガウリイ・・・。まだお礼言ってなかったよね。政略結婚からアタシを助けてくれた事。ケインも粋な事してくれたわね・・・。死ぬほど嬉しかった。一瞬だけれども・・・。アノひとが来てくれたかと思った・・・・。」
「・・・・。アノひと・・・・?」
「・・・・・。アタシの婚約者だったひと。メディチとパッツィの争いに巻き込まれて・・・・。生死不明。今の言葉。人の目をみろって言ったのも彼なの。
馬鹿よね。アタシ。その人ね貴方にそっくりだったのよ。最も彼の髪はブリューネットだったし目の色もヴァイオレットだったわ。」
肩と声をますます震わせリナが呟く。
「投影してたって訳か・・・・?俺にそいつを・・・・?」
慰めなければいけない・・・。解っていつつもガウリイの語彙は自然と荒く、鋭くなった。それが何故か彼にもわからない・・・。
うんう、とリナは首を横に振った。
「違う。アノ人はアノ人・・・。貴方は貴方よ。違うわ。目が、目の光が、意思が考えが違う。アノ人はアノ人でしかないし・・・。貴方は貴方でしかない。なるほど、最初は確かにそっくりだと言うだけの理由で貴方に彼を投影しかけたわ。でも・・・。違う。目にはね、その人しかない光があるのよ。ガウリイと彼、リュードリヒの目は違うもの。」
「気に入らない、か?俺の目。」
「うんう。とっても好きよ。良い光をしている。一目で気付いた。この人はアタシの『味方』だって。それにアタシ、人を投影して満足しているピュグマリオン症候群よろしくな間抜けじゃないわ。」
「・・・・。そうか。」
「ガウリイが居てくれて良かった・・・。こんなに心底ぶちまけるってことが気持ち良いとはおもわなかった。親友なら沢山居るけれど。ガウリイみたいな親友はいなかったみたいね・・・・・。」
泣くのを必死でこらえるリナ。
そっと抱きしめつつガウリイは思った。
親しい友としての抱擁、恋人としての抱擁・・・。
これの何所に違いがあるのかと・・・・。


続く。


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5289:紅蓮なるメディチ2(トゥルー)LINA 10/10-20:47
記事番号5285へのコメント
すみません。失敗しました。本当の2はこちらです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「え・・・・。ナポリ王国へ?随分と又急ですね。」
スパゲティー・ナポリタンを頬張りながらアメリアがケインに言う。
「ああ。その間リナの事くれぐれも(滅茶苦茶強調)頼んだぞ。ゼルガディス、ガウリイ。」
「あ〜〜〜。解った解った。解ったからサッサトいってくれ。」
何時ものことながら世話が焼ける、と思いつつゼルがケインに言う。
「ねえ、ケイン、ナポリには何の用事でいくの?」
ボンゴレスパゲティーを食べ終えブルゴーニュ風アサリあえのクリームスパゲティーを食べ始めたリナが聞く。すきあらばケインの食べているペペロンティーノも拝借しようと言う魂胆で密かに彼の皿を狙っている。
だが、お構いなしでケインは続ける。
「ああ。と、ある貴族が融資を頼んできたらしいんだ。なんでもペルージャだかローマのお偉方とか・・・。」
話に没頭しリナが付け合せのセロリを奪い取った事に気付かないケイン。
そのリナがエスプレッソの効いたオーストリア風のコーヒーに口を付けながら
憎まれ口を言う。
「ああ、借金の申し込みね。パッツィ家といい。貴族の家紋を掲げる奴なんてそんなものよ。借りるときばっかりへこへこして返す時になれば徳政(帳消し)しろだのナンだかんだいってくる。実際にスペインハプスブルク家の大公マクシミリアン様とイザベラ王女ご夫婦がメディチから借りたお金を返済できなくって結構今、家の家計、ヤバイって聞いたわ。本当なの?ケイン。」
さらにもう一つトマトを兄の皿から奪うリナ。
「誰にも言うなよ。メディチ銀行がヤバイってこと・・・。」
その一言をリナは肯定と受け取りさらにブロッコリーを奪う。
「・・・・・・・。別に良いけどさ・・・。俺、サラダ嫌いだし。」
ケインが妹の様子を見つつぼやく。
・・・・・。バレテたか。
「で。何時頃までに帰って来れるんだ?」
状況を理解しているのかして居ないのか。
リナ同様ケインの皿からレタスを奪いつつガウリイがケインに聞く。
「そーだなあ。今度在る俺の誕生祝いの馬上試合の大会前後になると思う。」
「へ〜〜え。もうそんな季節なの。」
「そうですよ。それでね、リナさん。今年私ゼルガディスさんと婚約決まったでしょ。既婚女性とみなされて『槍試合の女王』やらせて頂けるんです!!」
嬉しそうにアメリアが言う。
「へ〜〜〜〜。スゴイじゃないの!!アメリア。」
「なんだ〜〜?その馬上試合と『槍の女王』って?」
ガウリイが今度は自分の皿のピーマンを選り分けながら聞く。
「毎年ケインの誕生日を祝してフィレンツェ中の貴族や名家の子息が槍試合と剣術の試合をするイベントなの。古代ギリシャでいう競技会みたいなものね。そのイベントで毎年1人花形の女性を既婚女性から決めるの。その人から優勝者は贈り物を手渡されるってわけ。」
うきうきしたようにリナが説明する。
「毎年ケインさんとゼルガディスさん、それに貴族家計のレイルさんって人に優勝しぼられちゃってますけれどもね。」
にこにこしながらアメリアが言う。まだあどけない顔のアメリアが女王ならさぞかし可愛らしい女王だろう。彼女の本名はアマーリエ。しかし母親が英国人で彼女自身ローマ人系の顔つきではなくアングロ・サクソン(イギリス系)の顔をしている。従って誰もが英国式に「アメリア」と呼んでいた。
誰もが憧れている地位を貰ったアメリアは幸せそうだった。
「まあ、俺の青年部隊は全員強制参加させるつもりだし・・・。今年はガウリイもでるってことだ。わかんねーぞ。」
そう言ってケインは微かに微笑んだ。
「おい、リナナンだ、その食い方は。『華のシモネッタ』の名前が泣くぞ!!」
「い〜〜のよケイン!!美味しく食べる!!それがスパゲティーの醍醐味ってものでしょう!!」
「だからってなあ!!頬っぺたにミートソースつきまくってるだろ!!って、もうアサリあえのクリームチーズスパゲティー食っちまったのかよ・・・・。」
そっとハンカチを取り出して愛しげに妹の顔にくっ付いたミートソースをぬぐってやるケイン。
「じゃあ、ま。そう言う事だ。くれぐれも頼んだぞ。市政庁長官!!」
「はいはいはい。」
市政庁長官ことゼルガディスは‘このシスコン男を何とかしてくれ’と言わんばかりに頭を抱えた・・・・。
その日の夜遅くケインはナポリへと立って行った。


「リナ〜〜〜〜居る!?」
次の日の午後。リナ・ガウリイ・アメリア・ゼルガディスが紅茶を飲んでいたその時だった。突如二人の娘が尋ねてきた。
「ミリィにキャナルじゃない。どったの?」
ミルフィーユとチョコレートを食べながらリナが尋ねる。
「だれだ?この二人?」
リナに残りのチョコを取られまいと頑張りつつガウリイが尋ねる。
「メディチ家専属の絵描きのミリィとキャナルよ。」
フィレンツェでは芸術家の地位は高い。ましてや芸術を保護して止まないメディチ家でありリベラルな性格のケインとリナ。その二人が一般市民でしかないこの二人の娘を友達と扱ってなんら不思議はない。
そこが気位ばかり高いパッツィとメディチとの大きな違いだろう。
「今日はな〜に?ナンか面白い絵の話でもあるの?」
興味心身にリナが聞く。そう言うところは芸術好きのメディチ家の者らしい。
「アメリア、言ってなかったの?」
若輩の少女、キャナルが尋ねる。
「いっけない!!自分のことで浮かれてました!!締め切りきょうまででしたっけ?」
慌てたようにアメリアが言う。
「一応受けつけは私がすませといたわ。」
年長の少女、ミリィが言う。
「何のことだ?」
カップから顔を上げつつゼルガディスが尋ねる。
「今年はケイン様の二十歳の誕生日でしょ?そこで、アメリアの『槍の女王』の他に、もう一つの名誉花役『剣の女王』を未婚女性の中から募集してると言うの。
その選考会『ラ・ジオストラ』(今で言うミス・コンみたいなもの)に参加して頂きたいの。その方が絵になるし。」
「リナなら絶対『剣の女王』になれると思うわ。」
キャナルとミリィがまくし立てる。
「・・・・・・・。なったら馬上試合で何かしなきゃいけないんでしょ?」リナ。
「そりゃそうだ。イベントの花形だしナ。」
ゼルガディスが言う。
「まあ、賞品を優勝者に捧げる役はわたしがやるようですけれど・・・。」
アメリア。
「いいじゃね〜か。リナ。出てみろよ。」ガウリイ。
「・・・・。五年前・・・・。ケインの15歳の誕生日を祝う競技会の時もこんな特設した役うをやった女の人、いたわよね・・・・。」
「ええ。いましたよ。」
「その人がした事・・・。覚えてる・・・・?優勝者に、そう、確かその年はレイルだったわね・・・。その人、レイルに『名誉の口付け』捧げてたじゃない!!
嫌よ!!恥ずかしい!!!!!!!!」
しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん。
奥手な奴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
しかし・・・。ミリィが受けつけを済ました時点で「華のシモネッタ」たるリナは無条件で『剣の女王』に選ばれていたのであった・・・・・・・。


続く。

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5287紅蓮なるメディチ2LINA 10/10-19:30
記事番号5260へのコメント
LINAさんは No.5260「紅蓮なるメディチ(前置き)」で書きました。
>イタリアの某サッカーチームで活躍する日本の某選手の事をテレビのニュースで見ていて次の長編歴史小説はイタリアだああああああ!!と、とっさに誓いました。
>イタリアといえばスパゲティーとピッザ・・・・。じゃなくってルネッサンス!!
>そう一人で勝手にインスピレーションを膨らめたはいいが、何せ苦手分野・・・・・・・。(世界史好きなんですけれどもネエ)どーもスパゲティーを美味しそうに食べるガウリイとリナ・・・・、なんてなりやしないかと一寸ひやひやです・・・。
>話の大まかな筋はひょんなことから在る男(それは誰かはまだ秘密。)に助けられた傭兵ガウリイが軽い気持ちでその男から受けた依頼は実はとんでもない事だった!!というところから始まり、暗殺者に狙われるリナを守りぬき結末は・・・。
>と、言ったところです。(一寸支離滅裂かな?)
>何分苦手な分野ゆえ完成は遅くなると思いますが気長にお付き合いください。
>(とかいいつつもう次回作はイギリスの話にしようか、源平合戦の話にしようか
>悩んでいます・・・・・。どちらかリクエストしてくださると嬉しいです・・・・・・って、完成させてから言うべきですね。)

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5299紅蓮なるメディチ3LINA 10/10-22:20
記事番号5260へのコメント
「お帰りなさいケイン。」
リナの機嫌はいつもの4割増で悪い。何故かガウリイの機嫌も8割増で悪い。
ウットリしているのはアメリアのみ。トランスしていて口もきけないご様子。
何があったかと聞いてもぷうっと顔を膨らめるだけであるリナ。
しかし・・・・。事実をゼルから知ったケインは阿修羅の如く怒り狂い其処らへんに在るゴミを見境なく剣で切りまくった。
「ゼルウウウウウウウウウウ!!!俺の居ない間、ちゃんとリナを守れっていっただろおおおおお!!よりによってあのレイルにリナが『名誉の口付け』をせにゃーならんのかもしれんのだぞおお?」
恐怖。黒マント逆上男・・・・。なんて言っている場合ではない。
「お前が優勝すればもんだいなかろーが。」
ぽっつ!!そうだ・・・・。しかし・・・。兄と妹でそんな社交事例交わしてもむなしいだけのよーな・・・・・。
しかし・・・・。ケインになりふり構っている余裕は無かった・・・・。



「ケインどうだった?ナポリは?」
馬上試合に行く途中。ケインと馬を並べたリナが呟く。
機嫌の方は、未だ一寸よろしくない様子。後ろを進むガウリイも殺気立っている。
「ああ・・・・・。よくない。どーも俺に融資を求めた貴族ってーのがパッツィと繋がりがあるらしいんだ。大方俺から借りた金を軍資金に俺達メディチを葬り去ろうとでも言うやつだろ。丁重にお断りしてきたぜ。」
「丁重・・・・。ねえ・・・・。」
以前・・・。リナに求婚してきた某家の騎士ジェフリーをリナは思い出した。
あのとき・・・。ケインは丁重に彼をド突き倒していた・・・。
まあ、良くってテーブルをひっくり返して『お断りいたす!!』とでも言ったのだろう・・・・・・。
まあ、そんな兄貴だから人望が集まるんだろうけど・・・・・。
もし、ケインいがいの人が『名誉の口付け』を受ける事に成ったら・・・。
その人の死体が明日の朝一番にアルノ川に浮かんでいるかもしれない・・・。
もっともソレをしそうな人物がケインの外にもまだ約一名身近に居る事をリナはこの時点で気付くはずも無かった。

身支度を整えたアメリアとリナが壇上に上がると公衆からわああと歓声が上がる。
「アメリア、今年の賞品はなに?」
ケインが優勝し、それをオネダリする魂胆でリナが聞く。
「えっと。ヴェネツィアグラスのセットと、ジャポネ(日本)のお茶と古代ローマのユリウス・カエサルをイメージした兜に、宝石、それにネーデルラント(オランダ)の織物、フランス製の銀盤手鏡に、シナ(中国)のシルク、ハプスブルクの宝剣です。」
「へえ。カエサルの兜とハプスブルクの宝剣が欲しいな。」
到底娘らしくない物を欲しがるリナにアメリアは苦笑しつつも戦利品の分配に争いが生じない事を内心歓んだ。
やがて競技がはじまった。
次々に決定して行く勝者に敗北者。
興奮しつつ眺めるリナの耳に聞き覚えの在るこえがした。
「お〜〜〜〜い、リナ!!」
はっとするリナ。
「ガウリイ!!!????」疑問計と言うところがミソである。
「おいおい。でなきゃ誰だって言うんだよ?」
苦笑するガウリイ。
「だって・・・・。」
中世の騎士宜しく、金色の刺繍の入った漆黒の綿入れを着用しその上から銀色の楔帷子や甲冑、背甲、脇鎧を付けやはり白金の兜をかぶったガウリイは何時もとは別人だった。
「おまえこそ・・・。何時もは名家の娘のクセに街娘みたいなかっこうしてるじゃネエか。お相子だろ。」
始めてあった時同様に紅蓮の銀色の刺繍の施されたドレス、同様の紅蓮の髪に映える黄金の冠を頂いたリナにガウリイは言い返す。
「・・・・。早く何時もの格好に戻ってイカ墨スパゲティーかピッザマルゲリータが食べたい。」
「・・・・。同感だ・・・・。」
この二人・・・。何よりも食い物の話になると息投合する妙な性質がある。
「で、何のようなの?まさか食べ物の話をするためにここまできたわけじゃないでしょ?」
リナの質問にポンッツと手を鳴らすガウリイ。
「おお。そうだった。なんかさ、ドイツもコイツも参加してる奴みんなお守りとして女の人からハンカチ借りてるだろ?俺、リナ以外に借りれるような奴居ないし借りて良いか?」
「別に誰から借りたって構わないのよ?アンタぐらいの容姿してれば未婚女性じゃなくっても貸してくれると思うけれど?あ、アメリアは駄目よ。ゼル以外眼中にないから。」
とか何とか言いながらガサゴソと手荷物の中から群青のハンカチを取り出すリナ。
心なしか嬉しそうなリナに、図星を付かれて照れているアメリアは気付かない。
幸いケインはゼルに『シスこん』を100連発された事を気にしてリナのではなくミリィのハンカチを身につけていた。
「ああ。でも、リナのがいい。それに・・・。勝てそうな気がする。」
ニヤ、と笑ってガウリイ。
「馬鹿。サッサトいったいった。まあ、ケインは槍試合、アンタは剣の試合だから当たる事はないでしょうけど、試合の後無闇に勝ってケインに殺されてもあたしは知らないわよ!!」
精一杯のリナなりの照れ隠しだった。


その甲斐在ってだろうか。
今年はレイルをケインが倒し槍試合の優勝を収めた。
更には2位決定戦でゼルガディスが槍試合の準勝利を収めた。
当然のことながらガウリイは見事剣術試合で優勝を収めた。
「いいにか?ケイン。ガウリイもお前同様の権利があるぜ。しかもあそこじゃお嬢様方が決定的瞬間を絵に書こうとお待ちだ。」
冷やかす様にゼルが言う。
「ま・・・・。ガウリイなら良かろう。しかい・・・・。絵に描くならリナとガウリイの社交事例(強調)じゃなくって俺とリナの兄弟愛にするようミリィとキャナルに言ってくれ。」
少し考えたように言うケイン。
「・・・・・・。シスコンが・・・・。」
呆れてそれ以上何も言えないゼルガディスだった・・・・。


ケインが歩み出てリナの口付けを頬に受ける。
兄弟とはかなり絵になる光景である。
自分の賞品を渡す仕事そっちのけで見とれるアメリア。
そして、ガウリイの番となったその時だった・・・・。
「危ない!!」
咄嗟にリナをかき抱いてガウリイが横にとんだ!!
掠める一条の火矢がいままでリナの居た場所・・・正確に言えばリナの心臓があった場所を薙いだ!!
ガウリイの腕に巻かれたままの群青のハンカチが紅蓮に染まる。
「ガウリイ!!」
「掠り傷だ。ソレよりも会場の同様をなんとかせんとな・・・。」
人々のざわめきはあっという間に広がっている。
「ついに・・・。パッツィの奴らが動き出したか・・・。」
吐き捨てるようにゼルが言う。
「リナさん、ガウリイさん、だいじょうぶですか!?」
二人にかけよりアメリアが言う。
「ああ。ソレよりも会場は!?」
「ケインさんとキャナルさん、ミリィさんが落ち着けようとしています。」
「なら・・・。大丈夫ね・・・・。」
かすかに震えるリナをガウリイは無事な方の腕でしっかりと抱きしめた。
アメリアとゼルガディスがケイン達を手伝いに去って行く。
リナはそっと傷付いたガウリイの腕に口付けた。
「・・・・。社交事例よ・・・。気にしないで・・・。」
照れ臭そうに微笑むその目には怯えがのっこていた。
「だいじょうぶだ!!」
ガウリイはリナの目をしっかりと見つめて言った。



続く。


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5320すごい!リナもガウリィもかっこいい!みーやん 10/11-20:38
記事番号5299へのコメント
はじめまして。最近あらわれるようになったみーやんです。
いつもLINAさんの小説は読ませてもらってます。
LINAさんの小説はいつも登場人物がかっこよくて大好きです。
歴史もあんまり知らないけど大好きです。
尊敬してますのでどんどん続きを書いてください。
楽しみにしています。

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5321有難うございますLINA 10/11-20:41
記事番号5320へのコメント
歴史しか能が無いんです!!
次回はイギリスの話に決めてます。
やっぱり今回同様ケインくんがでしゃばっていると思いますが、ぜひみてやってください。

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5325紅蓮なるメディチ4LINA 10/11-21:33
記事番号5260へのコメント
「あたしは死にかけたわよ!!もーあんな経験するなんて滅多な事じゃないわ。
せーぜ、羨ましがりなさい!!」
ケインご自慢の青年団に自慢にならないことをべれべれ喋るリナ。
一同は呆れているがリナの目は笑ってはいない事にガウリイは気付いた。
「おまえ・・・。よくへーきでそーゆーこと言えるな・・・。」
青年団の一人、ザングルスがジト目でリナを見やりながら言う。
「まあ。人間の恐怖の原因なんて所詮『生きたい』って言う本能なのよ。それを滅却すれば暗殺者なんて恐れるに足りないわね。」
「・・・・。生と死は等価値だ・・・、なんて何所かで聞いた事の在るような台詞言うなよ・・・・。」
冷めたツッコミを入れるゼル。
「ゼルガディスさん!!」
嗜めるようにアメリア。
苛立った様子のケインとガウリイを見越しての配慮だろう。
ついでに言えば彼女の「女の直感」は今のリナに対して尋常でない物を感じていた。
(・・・・。暗殺されそうになった恐怖がそうさせているだけならばまだいいんですけれども・・・・。)
何か在ったら(リナの事と成れば)大騒ぎするケインよりもまだ冷静でいるガウリイに相談しよう。アメリアはそう決めた。


リナが暗殺されかけたあの後・・・・。
一人自室に戻った彼女が目にした物は・・・・・・。
『今すぐ会いたい。来てくれ。メディチ塔で9時にまってる。リュードリヒ』
と窓ガラスに書かれた血文字だった・・・。
咄嗟に彼女は動揺しつつもその文字を消した。
リュードリヒ・・・。行方不明になっていた彼女の婚約者・・・。
敢えて言ってしまえばガウリイの生き写し・・・。
けれども・・・。あの人はガウリイではない。
そうリナは考えた。しかし、彼女が気付く事は無かった。
今までのリナならガウリイはリュードリヒではない・・・。そう思った事を。


薄暗いメディチ塔。
そこに彼はいた。
「リュウ?」
ブリューネットの長髪。ヴァイオレットの瞳・・・。
この人はガウリイではない。そう思いつつもリナはかつての婚約者に声をかけた。
「久し振りだな。カテリーナ。」
ガウリイの物とは似ても似つかない重々しい声。
それに。ガウリイはアタシの事を「カテリーナ」なんて呼ばない・・・。
「何所にいたの、今まで。」
「・・・・。聞きたい、か?」
「ええ・・・・。」
彼はリナと目をあわそうとはしない。
「・・・・。ナポリに居た。お前を置いて行った事は済まないと思っている。カテリーナ、これからでも遅くはない。一緒にナポリに来てくれないか?」
「・・・・・・。アタシを人質にして・・・。ケインにメディチを滅ぼさせるための軍資金を出させようっていうの?」
リナは感情の篭もらない声で言いリュードリヒの目を直視した。
「・・・・・何を・・・、何を言っているんだカテリーナ!?俺は只、君を・・・・」
「嘘!!貴方は私の目を見ていない!!なるほど。確かに貴方はアタシの味方かもしれない。けれど、貴方はケインの!!ゼルの!!アメリアの!!アタシの大切な人の味方じゃない!!そうじゃないならあたしの目を直視できるはずよ!!」
「カテリーナ・・・・・・」
「なによ!!それに・・・。貴方と違ってケインは女のアタシにでもなんでも話してくれるのよ!?知らないとでも思ったの!!パッツィ家と組んでメディチを滅ぼそうと言う貴族ってあんたの事だったのね!?パッツィのバックボーン、うんう、消え失せなさい!!パッツィの犬!!!」
「・・・・カテリーナ・・・・・。」
リュードリヒがリナに歩み寄る・・・。
「そこまでにして貰おうか!?」
冷ややかな声と共に彼の喉元に銀色の光刃が突きつけられた。
「ガウリイ!!」
リナが叫びリュードリヒが後ろを振り返る・・・・。
髪と目の色こそ違えども自分にそっくりな男・・・・。
「・・・・。そう言う事か・・・。カテリーナ。否、『華のシモネッタ』
コイツが・・・・。俺の代わりって訳か!?」
怒気の篭もる声がメディチ塔に響く。
しかし。リナの声はあくまでも冷徹な調子だった。
「あなたは昔の貴方じゃない。それに・・・。ガウリイはガウリイ。貴方じゃないわ。そう言ったのは昔のリュード。そして・・・。今の貴方はそれさえ忘れ去ったパッツィの犬よ。」
「俺を選ばない、というわけか?」
「昔の貴方なら喜んで選んだわ。けれども。今のアンタにそんな価値はない。
私はね、ケインやガウリイのようにそれだけの価値の在る人間にしか人生を託さない主義なのよ。下手な画家に肖像画を書かせるよりもミリィやキャナルのように無名でも真実を描いてくれるような人に肖像画を依頼する。それだけの事よ。」
「・・・・。俺は三流画家、ってことか?」
「有名無実。世間様じゃあ有名画家扱いされていても虚栄心にのみ酔う三流以下のろくでなし画家ね・・・・・。」
リュードリヒは乱暴にガウリイの腕を解き、リナの脇を大股で通り過ぎ消えた。
「・・・・。大丈夫か、リナ。アメリアがお前の様子がおかしいって言ってたんで
後をつけてたんだ。」
気が抜けへたばりかけるリナを抱き起こしつつガウリイが言う。
「・・・・・。どんなに一流な画家でも・・・。貴方の洞察力には劣るわ・・・。ガウリイ・・・・。」
「ああ。『俺は俺』、だからな。」
言ってガウリイはにっこりと笑った。


続く。

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5328紅蓮なるメディチ最終章LINA 10/11-23:32
記事番号5260へのコメント
「大丈夫なの!?ケイン。」
「ああ。何としても不渡りでメディチが危ないって噂消さなきゃなんねえしな。」
最愛の兄と妹の会話にしては殺伐としているが現状が現状なだけに仕方がない。
「なら・・・。私も行く。」
「・・・・。そうしてくれると有り難い。ガウリイが居れば大丈夫だろう。」
(・・・・・。お前だけだろうけれども、な。)


スペインハプスブルク家がメディチから借り、返済しない借金は俗に言う「不渡り」となりケインの経営するメディチ銀行の財政を苦しめた。
しかし。パッツィとの争いが表面化しつつある今、(本当であるが)メディチが苦しいと言う噂をこのフィレンツェから一掃しなければならない。
そこで・・・。ケインは決死の覚悟で市をあげての大パレードをし、メディチ健在を市民にアピールする事とした。
名目上は『華のシモネッタ』たるリナの快気祝。
お祭り好きの市民はそんな意図とは露知らず熱狂していた。
「危険だな。しかしこれ意外に方法はないな・・・。で、ケインどう言うコースを取ろうとかんがえているんだ?」
名目上はパレードの実行委員、しかし事実上は防衛庁役のゼルガディス。
「ああ。セルヴィー通りのほうを山車と馬車の隊列を編成して行こうと思う。」
「的確ですね。あそこならば弓矢を使ったりして暗殺できないような場所ですし。」
感心したようにアメリアが言う。
「当日までにメディチの紋章とケインとリナの肖像画をキャナルと分担して書き上げるわね。」
ミリィが張りきりながらいった。


「なあ。リナ。お前さあどんな奴になら人生託せれるんだ!?」
その晩。テラスで紅茶を飲んでいたリナにガウリイが聞く。
「う〜〜〜ん。それだけの価値がある人間、って前には言ったような気がする。」
「どう言う価値だ?ケインみたいな無謀な奴も価値の在る人間だし、ゼルみたいにキレる奴だって価値のある人間だ。アメリアみたいに純真で無邪気な奴だって早々居るもんじゃ無いしミリィ、キャナルの絵の才能だって100年もすれば国宝クラスの価値があるぜ?」
「そうよ。だから私はみんなに人生託してる。素敵だと思わない?そーゆーの。
ガウリイは私の大切な人、みんなの長所上げたわよね?」
「まあ、な。」
「って事は誰にだって価値はあるって事。ソレを認める事の出来る人間。ソレが私の人生を託しても良い人間よ。」
「俺はリナの価値はそう言うところだと思う。自分よりも人の事ばっかりなんだなお前って。お前の婚約者、アイツはお前の味方だったんだろ?なら、お前はソレに甘える事だってできたはずだぜ?」
「私に大切な人たちの事を何も考えていないような奴なんてこちらから願い下げよ。」
「・・・・。でも。俺はリナを一番に考えてるぞ。」
「それはそれで嬉しいわよ。でも。貴方はあんな冷酷じゃない。それに、本当にアタシの事を一番に考えているんなら私の好きな人を裏切ったりしないわ。」
「そうだな・・・・。でも・・・。ケインとリナ・・・。選べと言われたら俺はどーすりゃいいんだ?リナは大切だけれどもリナの最愛のアニキを見殺しにするわけにはいかないだろ?何か在ったら・・・。」
「二人とも助ければ良いじゃない。」
「出来るかなあ・・・・。」
「人間やろうと思えば出来ない事なんて絶対にないわ。」
「・・・・。そーなのか?」
「そーよ。」




わああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
リュードリヒとパッツィ家の指示の元・・・。
反メディチ派の市民が一斉にケインとリナに襲いかかってきたのはセラヴィー通りに差し掛かった時だった。
一斉に逃げ出す一般市民達と護衛の集団。
足首を挫き、怯えきったリナを必死にかばい暴徒の棍棒を一身に浴びせ掛けられ
流血するケイン・・・・。
まさに凄惨を極める光景だった・・・・。
アメリアを安全な所まで連れ出したゼルガディスが現場へと舞い戻り再び暴徒たちと合間見える。
混乱の最中見失ったケインとリナを人ごみに求め奔走するガウリイ。
「リナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ありったけの声を振り絞り彼は叫び続ける。
「ガウリイ・・・!!ガウリイ・・・!ケインが!!ケインが死んじゃう!!」
泣き叫びたいのを必死にこらえるリナの声が人ごみの一番込み入っている方角からする。
血路を切り開き近寄るガウリイ。
「!!!!!!!!」
気を失いながらも必死でリナを庇い続け暴徒達に打たれる血まみれのケインと身体中に掠り傷を負ったリナの姿がそこにはあった。
有無を言わせぬ勢いでケインを背負いリナの片手を掴むガウリイ。
「グ!!」
骨折した足首の激痛をこらえガウリイの片腕にしがみつくリナ。
・・・この人は約束通りあたしとケインを助け様としている。
アタシがこれぐらい我慢しなくてどうするのよ・・・・・・・・・・・。
その時。リナにしてみれば何が起こっているかはもはや定かではなかった。
安全なメディチ家にたどり着いた時・・・。リナの意識は暗転した。



「リナさん・・・・・。代わりましょうか?」
アメリア。
目覚めて以来、リナはケインにずっとつきっきりだった。
「いいえ・・・・。アメリアはガウリイ、ゼルと一緒に着いて来て。アタシ・・
行かなきゃ・・・・。キャナル、ミリィ。ケインをお願い・・・。それとケインの肖像画とアタシの肖像画、そしてメディチ家の家紋の絵借りるわね。」
そっとリナは呟いた・・・。
「良いけれどリナ・・・。どうしようって言うの?ソレに・・。何所に行くつもりなの!?」
落ち着き無くキャナルが尋ねた。
「市政庁舎前広場。今行かなきゃ反メディチ派とパッツィ家の連合軍、そして親メディチ派の内乱が起こるわ。食い止めなきゃフィレンツェは焼け野原になる。だから・・・。お願い。わたしの大切なケインを守って。」
「・・・・。解ったわ・・・・。」


市政庁舎前広場は黒山の人だかりだった。
そこで一人がなりたてる男・・・。パッツィ派、すなわち反メディチの旗頭
リュードリヒ・・・・・・・・。
「我々の共和を邪魔するメディチは単なる独裁者でしかない!!!パッッツィこそが我々フィレンツェの真の指導者だ!!!!!!」
人々から湧き上がるパッツィの言葉・・・・。
しかし、その時だった・・・。
天高く掲げられたメディチの家紋とケイン、リナの肖像画が昂然とリュードリヒを始めとする市民を見下ろした。
ざわつく一同。反して堂々としたアメリアの声が響く。
「果たしてそれはどうでしょうか!!」
続いてゼルガディスがリュードリヒを指差し声をあげる。
「その男はケインの20になったばかりの若い身体に19もの傷をつけた。果たしてそのような人物とパッツィにこの共和制を託せれるか!?我々がこの都を託す事が出来るのは最愛の兄の重体にに耐えて、なおフィレンツェの考えるカテリーナ・シモネッタ只一人。おい、リナ。おまえの傷をこいつ等に見せ付けてやれ!!」
群集を掻き分け進み出る二つの人影・・・。
ガウリイに支えられ広場の真中へと堂々と歩み出るリナだった。
「・・・・。騎士に守られた・・・・。『剣の女王』・・・。」
アメリアの呟きが広場中に木魂した・・・・。
メディチ・メディチ・メディチ・メディチ・・・・・。
その名のみが人々口から唱えられた。


3ヶ月後。
ケインは完全に回復し「シスコン」ぶりも復活。
パッツィ一門とリュードリヒはフィレンツェより追放されそれと同時にメディチの不渡りも解消された。
アメリアとゼルガディスは晴れて結婚し、ミレニアム=ランジェロとキャナル・ダヴィンチは都を代表する画家となった。
そして・・・。『華のシモネッタ』の名は町の何所を歩いても聞く事は無くなった。
しかし、人々はこう呟き合う。
「紅蓮なる『剣の女王』リナと『栄光の騎士』ガウリイが通ったぞ!!」と。



お終い。

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5333感想です。ティーゲル 10/12-01:15
記事番号5328へのコメント
どーも、とーとー読みまくれ2に投稿したティーゲルです。(CM)
CMはこれくらいにして感想行きます。
 やはし私的にこの作品の見所は魔法ではなく根性、というか心の強さで戦うリナ
じゃないでしょうか。
 ケインやゼル、アメリアやミリィキャナルのような仲間達をまもるためパッツィ
家支持者の群れに飛び込んでいくあたりかっこいいです。
 なにしろ普通に魔法が使えるリナだとファイアーボールの5、6発とばして
「あたしに刃向かうとこーなるのよっ!!」とかいって終わってしまいますからねぇ。
んじゃ、イギリス編楽しみにしております。

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5341どーもですLINA 10/12-18:16
記事番号5333へのコメント
有難うございます。
確かに本物のリナがこんな乱闘に巻き込まれたら
「ファイヤーボール!!ふ!!おわったわね・・・。」
かも・・・・。
下手すればリナ自身がフィレンツェを焼け野原にしそーな・・・・。
実際にルネッサンス時代にあった事件を参考にしたんですけれどもイタリア史ってやっぱり苦手・・・。その一言です。
イギリス編はアーサー王伝説をモチーフとしつつももう一寸昔紀元一世紀ぐらいにしようとたくらんでます。
テスト期間ゆえ遅くなるかもしれませんが・・・・。
気長にお待ち下さい・・・。

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5345Re:紅蓮なるメディチに惹かれて紅蓮 明 10/14-13:41
記事番号5328へのコメント
はじめまして!!「紅蓮」の文字に惹かれて来ちゃいました。
紅蓮 明(ガウリナ小説収穫業者)とゆう者です。
そして、某くらぶでもお世話になってます。
相方運命共同体(2)には「君の名があって笑った」とも・・・
ずいぶん前からLINAさんの小説を読ませてもらってます。
読むにつけ文章力に驚かされます。あと最近の「時代小説」
系での、スレキャラとロスユニキャラの共演が素敵です。
何と言ってもガウリナがほのぼのとしてて幸せです。(はあと)
ケイン君との会話もいいけど、やっぱり「ガウリナ」でしょう!!
何か、よく分かんない書き込みしてますが。とても面白い物を
ありがとうでした。
また、新作UPされたら読みにきますので、よろしくお願いしますね。



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5353有難うございますLINA 10/14-18:16
記事番号5345へのコメント
今後もリナとケインには仲良し兄弟を演じてもらいたいんです(切実)
どうもアリシアに対する愛着から見てケインって「肉親を骨の隋まで愛する奴」
と言うイメージが私の中に暴走した結果生まれたのがケイ・リナ(あくまで肉親)
です。しかし、そんなケインもガウリイを密かに認めている、と言う所がミソです。次回作も兄弟ケイ・リナとガウリナにする予定です。
今回と違ってケインはもっとぶっきらぼうな兄貴になる予定です。
リナちゃんはリナちゃんでもう一寸「コンプレックスの塊」じみたところを書きたいんです。その二人にガウリイ達がどう関わるか・・・・、と言った歴史小説にしたいです・・・。どーもスレキャラもロスユニキャラも混じっちゃってますが、
お暇があったら読んでやってください。