◆−大空の下で   ガウリナっす−八極(2/12-17:05)No.6281
 ┗バレンタイン狂想曲   コメディもどきです−八極(2/13-22:09)No.6303
  ┣月光の下で  前編 (ゼルアメです)−八極(2/15-20:20)No.6321
  ┃┗月光の下で  後編 −八極(2/19-05:42)NEWNo.6334
  ┗コメントもどきです♪−明美(2/16-05:18)No.6322
   ┗明美さん 感謝ですっ♪−八極(2/16-05:57)No.6325


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6281大空の下で ガウリナっす八極 E-mail 2/12-17:05


お久し振りで〜す。「誰やお前」って方には初めましての八極です。
いやぁー。日本に帰ってる間は色々アクシデントやバイトなどが忙しくて
ネタは考え付くけど打てないという感じでしたが、今は又ニュージーに
帰って来たし(涙)学校未だだし、チョクチョクお邪魔させて貰う積りっす。
てな分けで、メールアドレスが又上記のに戻りました。宜しく


*****************************************


「大空の下で」 ガウリナです


抜けるような青空の下、俺とリナは街道を南に進んでいた。
頭上では、目に染みるような青空が広がり眺めていると心が和んでいく。
だが、相棒のリナは顔色を沈ませたままだ。
どうもここ2〜3日前から元気がない。夜も碌に眠れていないみたいだし。
数度問い合わせた事が有るのだが、毎回答えは同じ「大丈夫、何でもない」の一点張り。
まあ、言いたくなれば自分から言うだろうと思って、ほっといたまま今日に至る。
テクテクテクテクテク・・・・・・
テクテクテクテクテク・・・・・・
暫くお互いに黙って進んでいると、
少し前を歩いていたリナが立ち止まる。
「どうしたリナ?休憩にするのか??」
「・・あ、あのさ ガウリイ」
こちらに背を向けたまま話し続けるリナ。
「あのね・・・・・アタシも、もう18歳だし、保護者なんて必要ないからさぁ。
次の町に着いたらそこでお別れしましょう。」
「?!!?!」
(今・・・今何て言った。「お別れ」・・・・・・)
予想外の言葉にショックを受けて、思考停止寸前な俺に気付かずに、そのままリナは一気に
捲くし立てる。
「だからね このままアタシなんかの保護者やってたら、ガウリイもやりたい事を出来ないし、
それに婚期っだて逃しちゃうし、ん〜 私ってば思いやりあるある。あ、あはははは・・・」


シ-------------------ン

耳に痛いほどの静寂が辺りを支配する。

数十秒程、呆然としていたが、さっきから背中を向けたままの彼女の肩が震えているのに気付いた。
(・・ったく。素直になれない奴だな。)
苦笑を浮かべつつ、両手でリナの肩を掴む。
ビクッ!!
「な 何よ?」
明らかに動揺している。
「お前さんは、本当にそれで良いのか?」
少し厳しい口調で問い詰めると
「だって、アタシはこれからも上級魔族に狙われ続けるんだよ!それだけじゃない、・・・もし、
もし アタシが「ギガスレイブ」を使える事が広まったら、アタシは・・・・アタシは世界中を
敵に回す事になるかも知れない。そんな命が幾つ在っても足りない危険な旅について来てなんて
・・・・・・・・・言える分けないでしょう!!!」
向こうを向いたまま、涙声で激白するリナ。
そんな リナが、どうしようもなく愛しくて背中から抱きしめて耳元で囁く。
「いいか。一度しか言わないぞ。俺はお前を守る。お前を責める全ての者からな。数年前に
出会ったあの日から、俺の道はお前と共にあるんだ・・・・」


・・・・どれくらいの間そうしていたのだろう・・・・・

「おしっ!」
気合と一緒に迷いを振り切った笑顔を俺に見せるリナ。
「よ〜し♪ それじゃこれからもヨロシクね。アタシの保護者さん♪♪♪」
そんな彼女に片目を瞑りながら
「ああ、任せなさいって!]
(お前は俺の大事な絆だからな・・・)

少し色合いが落ちた大空の下を、又歩き始める俺達だった。



ー終了ー



*********************************************
ふぅ〜 終わったーぃ。いやいや久し振りに打つと緊張するなー。
「ま、読めるじゃねーか」と思ってくれりゃ幸せです。
次は何かコメディーっぽいのに挑戦しようっと。
次回の物でも読んで頂けたら嬉しいです。もし、メールなんか下さるんでしたら
上記のアドレスにお願いします。前のやつは、日本のなので送って頂いても返事が
出来ませんので。
それでは



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6303バレンタイン狂想曲 コメディもどきです八極 E-mail 2/13-22:09
記事番号6281へのコメント

どうも。 久し振りに何かコメディが書きたくなったので、挑戦しました。
出来上がったのは、コメディもどきですけど(泣)。う〜ん まだまだ
修行不足ですな。取り合えず、楽しんで貰えたら嬉しいです。そりでは

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バレンタイン狂想曲 コメディもどき


2月14日 バレンタイン・デー

この日は大体において、何処の学校も異様な雰囲気に包まれる。
それは、ここ「聖セイルーン学園」でも同じ。
朝から下駄箱や、机の中を角から角まで眺めて溜め息を吐く男子や、両手にカラフルに包装された
チョコレートを持って、憧れの人を追っかけて右へ左へレミングスの様に集団移動する女の子達。
更に、どういう原理か背景にファンシィなチョウチョやシャボン玉飛ばしつつ、人気の無い
校舎裏等で、チョコレートを受け渡しするカップル達等。
そこら中で、このイベントを楽しんでいる生徒達が見られるが、

そんな中

「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
何処かの教室から聞こえて来る、まるで今にも首を吊りそうな程深い溜め息。
溜め息の主は、机の上に山と積まれたチョコを憂鬱そうに眺めている。
そんな、彼を一部の恵まれない男子達が、エクトプラズムでも沸きそうな位に怨念の篭った視線を
向けているが、勿論気付いちゃいない。
「よう。ガウリイ、今年も大漁じゃないか」
そう言いながらやって来る。銀髪の青年。
「ん〜〜。そう言うゼルガディスだって似た様なもんだろう。」
「まあな。」
確かに、ゼルガディスが持っている紙袋の中には机の上のチョコと同じ位の量のチョコが入ってる。
それを見て、憤る恵まれない男子達。気の所為か、さっきよりも教室の中の殺気の濃度が上がっている。
「何を悩んでんだ。お前もらしくも無い。」
ガタン
ガウリイの横の自席に座りながら喋りかけるゼルガディス。
「ああ、今年のリナのチョコは何かと思うと、何かこう胃の辺りがキリキリとして・・・・・・お前にゃぁ
分からんだろうなぁ。」
ふてくされた様に言うガウリイに
「・・・・・・いや。良く分かる。良く分かるさ。」
そう言って、涙を流しつつガウリイの方をポンポンと叩く。
この二人には、それぞれリナとアメリアという彼女が居るのだ。
彼女達の料理の腕は、まあ水準以上なのだが、何故かこの様なイベントが絡む度に、その熱意が暴走し
その結果本人達も予期せぬ人知を超えた代物を創造してしまうのだ。
お互いに去年の悲惨な体験を思い出したのかズドーンと沈み込んでいるガウリイ達に、場違いに明るい声が
響く。
「はっはっはっはっ。お二人さん共、今年は多分大丈夫ですよ。何せ今年はフィリアさんが監督するそうですから」
(因みにゼロスの彼女でもあるフィリアの料理の腕はプロ級)
「「本当か ゼロス!!」」
神の救いの様な発言に顔を輝かせる現金な二人。

ーその頃、調理実習室ではー

「・・いいですか?リナさん、アメリアさん。この3日で教える事は全て伝授しました。・・・・・・・・
あ、後はお二人の愛情・・・・・・・で・・・・・・・・す。」
ガクッ
そのまま机に突っ伏して眠り始めるフィリア。
察するに3日懸けても、リナ達の暴走は矯正不能で先にフィリアがダウンしてしまったようだ。
一方 こちらも寝不足でイッちゃってるリナ達は、そのままチョコだか何だか分からないクリーチャーを創造している。
「ふっふっふっ。やっぱり愛情を伝えるにはコレで決まりね。ニトロよニトロ。」
「愛情と根性と友情とその他諸々が在れば、チョコなんて簡単ですうっ!」
・・ひょっとしなくても、今年のバレンタインが彼等の命日になるかもしんない・・・・

そんなこんなで放課後

一向に現れないリナ達を不思議に思いながらも、帰り支度を始める二人。
校庭まで出てきた時、
シュゴゴゴゴゴゴゴゴー
突如立ち込める暗黒のオーラ。
オーラの元には二つの人影と、何だか巨大な物体。
「「何なんだ ありゃぁ??」」
疑問をハモらせながら、恐る恐る発生源に向かう。
辿り着いて見ると、そこには寝不足で血走った目とイッちゃった微笑みで迎えてくれるリナとアメリア。
「んっふっふっ。待ってたわよ〜 ガウリイ。」
「ゼルガディスさ〜ん。大変長らく待たせちゃいました。」
彼女達に見つめられたガウリイ達は、蛇に睨まれた蛙状態。本能は危険を告げるのだが、全く動けずに
ダラダラと汗を流す。
因みに他の生徒達は、とばっちりを恐れて遥か彼方まで逃げ去って居る。
実に賢明な判断と言えよう。
「さぁ〜 ガウリイ。これがアタシからのチョコ名づけて「滅殺!爆竜チョコ」よ!!。」
と何か一子相伝の暗殺拳みたいなネーミングのチョコを渡す。
「アタシの想いを込めてるから、ガウリイもイチコロで参るわね。」
(どうもイチコロの意味が違うような)と思いつつも、それは言えずにひたすら瘴気を吹き出すチョコから
顔を背ける。
ゴロゴロゴロゴロゴロ
その横ではアメリアが台車に乗せた3mはある巨大な物体をゼルガディスに押し出す。
「はい、ゼルガディスさん♪♪ これが私の「愛と正義のロッキーマウンテンチョコですぅ!全部食べて下さいね♪」
「・・・・・・・食えと言うのか・・・・これを・・・・・・全部・・・・」
食べる前から疲れきった表情で呟くゼルガディス。

「「さぁ どうぞ♪♪」」

あくまで好意に満ちた・・・しかし、ガウリイ達に取っては死刑執行にも近い彼女達の声に、意を決し多様に
食べ始める二人。その顔は全ての悟りを得たかのように澄み切っていたと言う。

5分後・・・

一体何が混入されていたのか、直径5m程のクレーターの中で黒焦げになって倒れているガウリイ。
その後ろでは、根性で半分までは食べたが、襲い来る胸焼けに負けてやはりノックアウトのゼルガディス。
リナとアメリアは、チョコを渡して安心したのか、近くの樹に寄り掛かって眠っていた。

「「来、来年は絶対に食べ物以外にしてもらおう・・・・・・」」
ルルル〜♪と涙を流しながら、決意するガウリイ達を尻目に夕日はゆっくりと沈んでいくのだった。




ー終了ー




************************************************
はーーっ。疲れた。う〜ん コメディは好きなのに自分で書くと目茶苦茶難しいでやんの。
少しでも笑える所が在れば、八極的には大ハッピーです♪
次は、ゼルアメかちょっとシリアスっぽいのやろうかな。 また読んで頂ければ幸せです。
前も書きましたが、メールアドレスが上記の物に戻りましたのでヨロシクお願いします。
それでは また




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6321月光の下で 前編 (ゼルアメです)八極 E-mail 2/15-20:20
記事番号6303へのコメント

ちぃーっす。今回は久し振りにゼルアメを書いて見ました。偶には悩む
ゼルを見てみたいなぁと思ったんですけど、果たして成功してるかな?
それではどうぞ

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月光の下で 前編 (ゼルアメです)



異界の魔王ダークスターを打ち倒してから数週間後・・・・
リナ達と別れたゼルガディスとアメリアは、彼女の故郷でもある
ここセイルーン王国に戻って来ていた。

しかし、セイルーンに着いてからの二人はというと・・・

何だかんだ言っても、王女様であるアメリア。次から次へと留守中に溜まっていた
責務が押し寄せる為、ここの所満足な睡眠時間も取れない。
一方、ゼルガディスはそのまま王立図書館に篭り、己の身体を元に戻す手懸かりを
必死になって捜しているのだった。
一部の家臣達の中には、ゼルガディスの存在を快く思わず。
度々、「キメラ風情をこの王城に・・・」等と心無い発言をしていたが、公明正大な
フィル王子のお叱りを受けて、やがてそれも立ち消えた。
二人とも それぞれの用事に追われてしまい
お互いが、気にし合ってるのに会う事も間々ならない状態が続いてる。

そんなすれ違いが、十日程続いた夜。

フワ〜ッ

開いた窓から入って来た夜風が、高鼾をかくフィル王子の髭をくすぐる。
「ハッ、ハッ・・ブゥアクショ〜〜ン! 誰じゃ 窓を開けおったのは。」
ブツブツ文句を言いながら、窓際を見ると白いフードを目深に被った青年が佇んでいる。
「何じゃい お主かい。こんな夜更けに何の用事じゃ?」
まださっきのクシャミで鼻がムズ痒いのか少し鼻声
「今まで世話になった。今晩出立させて貰う。」
「言う相手を間違えとるぞ。娘の部屋は西棟じゃよ 知らぬ訳でも有るまいに。」
仮にも王族の部屋に不法侵入したゼルガディスの行動を、全く気にした風も無く
欠伸交じりで答えるフィル王子。
「・・・・アメリアには会えない。泣かせたくは無いからな。」
「だったら連れていってやれ。わしゃ別に構わんぞ。」
[!!!」

意外な言葉に驚くゼルガディス。
数十秒程の沈黙が続く
やがて、何かを振り切るように頭を振る。

「・・そんな事は出来ない。アイツは王女だ。アイツにはアイツに相応しい場所が在る。
アイツの幸せを奪うような事は出来ない・・・・俺はアイツの側に相応しくない・・」
ゼルガディスの血を吐くような言葉に、全くの感銘も受けた様子もなく、
むしろ、出来の悪い息子を見るような呆れた顔するフィル王子
「お主・・何か勘違いをしとるじゃろう。アメリアはもう立派なレディじゃ。自分の居場所
は、自分で決めるわい。お主や、わしが決めれる事ではないのじゃよ。
それにのう、わしゃ別に絶対にアメリアに後を継いでもらおうなんて思っとりゃせんよ。
確かに、娘は王位継承じゃ。だが、それだけじゃよ。継承の権利が在るだけで、
必ず継ぐ訳けではないぞ。」

そう言って肯くフィル王子に、呆気に取られるゼルガディス。
「・・・アンタは王族にしちゃぁ、変わってるんだな。」
その言葉に、少し表情を厳しくして語り掛けるフィル王子。
「当たり前じゃ 馬鹿者が。わしゃ 王子だが、その前に一人の父親でも有るのだぞ。
娘の心配をして何が悪い。「娘の人生は娘の物」それが 亡き妻とわしの願いじゃ。
要するに、お主はアメリアを幸せに出来る自信がないからビビッておるのじゃよ。」

厳しい指摘に思い当たる事があるのか、黙って唇を噛むゼルガディス。
再び沈黙の時間が訪れる。
やがて、力無い弱々しい声で呟くゼルガディス。
「・・・・・今の俺にアメリアを貰う資格はない・・・・スマン・・・・・」

ザザッ!
そのまま、開け放たれた窓から飛び降り、深い闇の中に消えていった。
後には夜風に髭をなびかせながら、苦々しげに呟く声だけが残った。
「・・・逃げおったわい。・・・・・根性なしめ・・」

月光の下、夜風だけが緩やかに流れていた。




ー後編に続くー


****************************************
ありゃりゃ! ゼルアメなのに、今回はアメリアはセリフ一言も無し。
こりはマズイっすね。でも次回では元気良く登場して・・・くれるかな?(おいおい)
何せ、ゼル逐電しちゃいましたもんね。苦悩というのだろうか、これを?
さて、次回はゼルをあの人が説教かまします。あの人って誰でしょう?ほらほら
ゼルって言ったらあの人じゃないですか。分かる方がいらっしゃるかな?
後編も速攻でUPしますので、「次回も読んじゃる」なんて方は待ってて下さいね。
それでは また後編で

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6334月光の下で 後編 八極 E-mail 2/19-05:42
記事番号6321へのコメント

どうも やっと後編が上がりました。それでは どうぞ

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月光の下で 後編


フィル王子の元を飛び出したゼルガディス・・・・

先程から、彼は王城の近くに生える古木の上で悩んでいた。
本来なら、とっくにセイルーン王国を出立している筈なのだが、
フィル王子に指摘された、己の迷いについて答えが出せず苦しんでいた。
「クソッ。・・・・俺は・・・・俺はどうしたら良いんだ・・・」
苛正しげに髪を掻き毟る。

・・・シャリン・・・

何処からか、澄んだ杓杖の音色がする。
「やれやれ。相変わらずですね、貴方は。」
「その声は!!貴様、レゾ!」
怒りに染まった顔で夜空を見上げると
そこには過去、
魔王シャブラニグドゥとして倒した筈の赤法師レゾが宙空に浮かんでいた。
しかし、魔王復活と共に開いた筈の両目は、固く閉じられている。
「不甲斐ない孫に一言を忠告をしにね。」
片眉だけを器用に上げるレゾに
「ふざけるな!元凶の貴様が、俺に忠告だと。寝言はあの世でほざくんだな・・・アストラル・ヴァイン!」
上空に飛び上がり、振りかぶった剣をそのまま肩口目掛けて一気に振り下ろす。
スッ
だが、魔力を付加した剣は何の抵抗も無くレゾの身体をすり抜ける。
「無駄ですよ。今の私は、一種の残留思念体ですから・・・・・・
かと言って幽霊では無いのでラ・ティルトは効きませんよ。」
その言葉に納得したのか悔しそうに詠唱を中断するゼルガディス。
そして、語り出す赤法師。
「ゼルガディス・・・貴方は、これからもそうやって一人で突っ張って生きて行く積りですか?」
「黙れ!俺の恨みは一生消えやしないぜ。」
「私を恨むなとは言ってません。貴方が私を恨むのは当然の事です。
私に実体があれば殺されて上げてもいいのですが。」
「何が言いたいんだ・・」
不信感の篭った目で低く唸るゼルガディスを、少し悲しそうな目で
「貴方は、昔よく言いましたね(俺は必ずお前を越えて見せる)と。でも、今の貴方は身体を戻す為に
全てを捨てて進もうとしている。それでは私と変わりがありません。
私を超える筈の貴方が私の愚かな人生をなぞってどうするんですか。」
「・・・・・・・」
悲しげに淡々と語られる言葉に、ゼルガディスは沈黙する。
「そもそも、貴方が強くなりたかったのは 何時か出会う大事な人を守る為ではなかったのですか?
手段と目的を混同してはいけません。そんな馬鹿者は私一人でたくさんです。」
「・・レゾ・・」
「まあ、私が言えた義理で無いんですけどね。それに、貴方の未来を決めるのは貴方自身なんですから
ですが、心しなさいゼルガディス。憎しみや妄執は大切な者を失う要因にしかならない事を・・・」
その言葉を最後に、幻のように消え去る赤法師。

・・シャリン・・

何処かで、風に揺られた鈴の音色が響く。
そして、迷いに彩られたゼルガディスの瞳に決意が浮く。
「言いたい放題言いやがって。貴様だけは許せんが、今夜だけは感謝しよう・・・じいさんよ・・・」
そのまま、闇の中を一直線に走り去る。
後には、闇の中微かに聞こえる赤法師の呟きだけ
「ひねくれ者は私の血ですかね。さてと、これで私も眠れそうですね・・・・・」
そして、全てが闇に消える。

トントン
「・・・ん?・・」
誰かが窓を叩く音で目が覚めるアメリア。
まだ、眠いのか目を軽く擦りながら窓を開けると
「よう。」
月明かりに照らされ、銀に輝くぶっきらぼうなピーターパンが居た。
「ゼルガディスさん。どうしたんですか?こんな夜更けに。」
彼の旅支度に嫌な予感を感じながらも、敢えて訊ねるアメリア。
「実は・・・今夜出発しようと思ってな。」
己の予感が当たった事にショックを受けつつも、涙は見せまいと後ろ向く。
「そ、そうなんですか・・もっと居て欲しかったんですけど、しょうがないですよね。私の
「そこでだ、お前に俺と一緒に来て欲しい。」
我がままで引き止める訳には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
って、ええ−−−−−−−−−−−−−−−っ!!!ほ、本当ですか?!」
パニックでわたわたするアメリアを見つめ
「最初は、お前と会わずに行こうと思っていた。だがな、お前の親父達に説教されて自分の心に気が付いたよ
俺はお前から逃げようとしただけだって。」
「ゼルガディスさん・・・・・」
何か言おうとするアメリアを遮りそのまま話し続ける。
「俺は今まで、自分が一番大事だった。だから、初めて自分よりも大切な人が出来た事に
戸惑ってしまったんだろうな。それでビビッて逃げだそうとしちまった。
全く馬鹿な話だな。一番大事な者を置いて行こうとしていたんだからな。」
そう言って 真剣な顔をし、アメリアの片手に取りその甲に口付けをする。
「アメリア・・・俺と一緒に来てくれ。俺の側で共に歩んでくれないか?」
そして、アメリアは笑顔と涙でグシャグシャになった顔で飛びつく。
「はいっ!勿論です。初めてゼルガディスさんから来いって行ってくれたんですから♪」
やっと、お互いの気持ちが通じ合う。
月光の祝福を受けて、二人は何時までも抱き合っていた。



ちよっとおまけ

次の日の朝
アメリアの侍女が血相を変えて朝の会議に飛び込んで来る。
「たっ、大変です!!!フィル王子アメリア様が・・・」
絶句した、侍女は震える手で一枚の手紙を渡す。
手紙にはシンプル極まる文章が二つ

・ 父さん、ゼルガディスさんと正義を広めてきます
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン

・貴公の娘は頂いて行く。年に一度は顔を出す
ゼルガディス=グレイワーズ

「如何いたしましょう?」
顔色を無くして騒ぎ立てる家臣一同に煩そうに手を振りながら
「構わんわい。これが、娘の選択じゃろう。放っといてやれ。」
そう言いつつ脳裏では
(次に会う時は、わしゃおじいちゃんになれるかもな)
等と幸せな想像にほくそ笑むフィル王子だった。





ー終了ー




********************************************
いやー終わった。昨日打ってる途中で、何故かサーバに強制終了にされ、
マジで泣きました。しかし、やっぱりアメリアが喋らない。
うー予想外だ・・・ってオイラが下手っぴなだけですな。、もっと勉強しようっと。
あの人は、バレバレの赤法師レゾでした。
次はシリアス目のガウリナでも書きます。
それでは

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6322コメントもどきです♪明美 E-mail URL2/16-05:18
記事番号6303へのコメント

八極さん、どうもです♪
メールを読んで、来ちゃいました。
で、コメントもどき(笑)いきます。

>更に、どういう原理か背景にファンシィなチョウチョやシャボン玉飛ばしつつ、人気の無い
>校舎裏等で、チョコレートを受け渡しするカップル達等。
ふっ、バックに蝶やシャボン玉……。きっと、黒子(くろこ)がいるんだ(笑)。

>それを見て、憤る恵まれない男子達。気の所為か、さっきよりも教室の中の殺気の濃度が上がっている。
フクロ叩きにあうかもしんない。

>ふてくされた様に言うガウリイに
>「・・・・・・いや。良く分かる。良く分かるさ。」
>そう言って、涙を流しつつガウリイの方をポンポンと叩く。
いや…涙ってあんた…。そんなすごいチョコなのか?

>彼女達の料理の腕は、まあ水準以上なのだが、何故かこの様なイベントが絡む度に、その熱意が暴走し
>その結果本人達も予期せぬ人知を超えた代物を創造してしまうのだ。
人知を超えたチョコぉ?チョコを食べると踊り出すとか?『きこうし』じゃないって(笑)

>彼女達に見つめられたガウリイ達は、蛇に睨まれた蛙状態。本能は危険を告げるのだが、全く動けずに
>ダラダラと汗を流す。
まさに彼女達のとりこ!(ちょっと違うかもしんない)

>「さぁ〜 ガウリイ。これがアタシからのチョコ名づけて「滅殺!爆竜チョコ」よ!!。」
何故に爆竜?

>「アタシの想いを込めてるから、ガウリイもイチコロで参るわね。」
>(どうもイチコロの意味が違うような)と思いつつも、それは言えずにひたすら瘴気を吹き出すチョコから
>顔を背ける。
イチコロ=一撃かな?(笑)

>その横ではアメリアが台車に乗せた3mはある巨大な物体をゼルガディスに押し出す。
>「はい、ゼルガディスさん♪♪ これが私の「愛と正義のロッキーマウンテンチョコですぅ!全部食べて下さいね♪」
愛情の大きさに比例して大きくなったんだわ、きっと!

>一体何が混入されていたのか、直径5m程のクレーターの中で黒焦げになって倒れているガウリイ。
>その後ろでは、根性で半分までは食べたが、襲い来る胸焼けに負けてやはりノックアウトのゼルガディス。
ご愁傷様です。でも、そんな彼女達を選んだのは彼等だし(はあと)

>「「来、来年は絶対に食べ物以外にしてもらおう・・・・・・」」
>ルルル〜♪と涙を流しながら、決意するガウリイ達を尻目に夕日はゆっくりと沈んでいくのだった。
食べ物以外でも暴走しそうなんだけど……。
自然に首がしまっちゃうマフラーとか……。

>はーーっ。疲れた。う〜ん コメディは好きなのに自分で書くと目茶苦茶難しいでやんの。
そうですか?面白かったですよ。

では、また〜〜

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6325明美さん 感謝ですっ♪八極 E-mail 2/16-05:57
記事番号6322へのコメント


>八極さん、どうもです♪
>メールを読んで、来ちゃいました。
>で、コメントもどき(笑)いきます。
メールを読んでこんなに早く来て頂くなんて・・
八極は大感激してます うるうるうるるる(T_T)
更にコメントもどきまで(笑)。

>ふっ、バックに蝶やシャボン玉……。きっと、黒子(くろこ)がいるんだ(笑)。
いやいや、ATフィールドならぬ、RR(ラブラブ)フィールド(爆)かも

>フクロ叩きにあうかもしんない。
涙を呑んで、屈辱の「一個分けて下さい」攻撃の可能性高し(笑)

>いや…涙ってあんた…。そんなすごいチョコなのか?
そりゃぁ もう。 イチコロらしいですし

>人知を超えたチョコぉ?チョコを食べると踊り出すとか?『きこうし』じゃないって(笑)
ちちぃっ! その手があったか!(おいおい)。

>まさに彼女達のとりこ!(ちょっと違うかもしんない)
とりこといゆうより、捕虜っすかね(うははは)

>何故に爆竜?
何となく、ど派手なネーミングが欲しくて、2分くらい考えたら
頭の隅に浮かんで来ました。

>イチコロ=一撃かな?(笑)
イチコロ=一人一殺でしょう(笑)

>愛情の大きさに比例して大きくなったんだわ、きっと!
でも、これが私の愛情!!とか言って10m級のチョコでは、もはや嫌がらせですな

>ご愁傷様です。でも、そんな彼女達を選んだのは彼等だし(はあと)
食べる所に、彼等の愛情が見えますです、はい(はあと)

>食べ物以外でも暴走しそうなんだけど……。
>自然に首がしまっちゃうマフラーとか……。
そ・・・そこまで行くと呪いのアイテムっす。
面白いじゃないですか(ニヤリ)。

>そうですか?面白かったですよ。
うううう、そう言って貰えると本当に嬉しいですね。

>では、また〜〜
はい、近いうちに明美さんのページに投稿させてくださいね。