◆−乙女の聖戦(1)−庵 瑠嬌(2/14-19:44)No.6307
 ┣乙女の聖戦(2)−庵 瑠嬌(2/14-19:46)No.6308
 ┣乙女の聖戦(3)−庵 瑠嬌(2/14-19:48)No.6309
 ┣乙女の聖戦(4)−庵 瑠嬌(2/14-19:50)No.6310
 ┃┗きゃぁ〜−理奈(2/16-05:56)No.6324
 ┃ ┗まぁ〜♪−庵 瑠嬌(2/21-19:12)No.6352
 ┣乙女の聖戦(5)−庵 瑠嬌(2/21-19:02)No.6348
 ┣乙女の聖戦(6)−庵 瑠嬌(2/21-19:03)No.6349
 ┣乙女の聖戦(7)−庵 瑠嬌(2/21-19:04)No.6350
 ┗乙女の聖戦(終)−庵 瑠嬌(2/21-19:07)No.6351
  ┣いいでぇすわぁ〜−理奈(2/22-03:08)No.6360
  ┣遅くなりましたが・・・−鈴綾 零(2/26-02:02)NEWNo.6371
  ┗Re:乙女の聖戦−風太(2/28-03:26)NEWNo.6383


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6307乙女の聖戦(1)庵 瑠嬌 2/14-19:44



 庵 瑠嬌でございます。
 ツリーが沈んでしまったので、載せなおします。
 理奈様、T−HOPE様、お返事書けなくて、失礼しました。
 それではどうぞ。

¢¢¢¢¢¢¢¢¢¢

 乙女の聖戦(1)

 少し焦げた、黄色の卵焼き。
 一つお箸でつまみ、口に入れる。
「んー、おいし(はぁと)」
 今日はいい天気で、絶好のお弁当日和。
 昼食の時間に、この学校の中庭でお弁当を食べるのは、リナの毎日の楽しみである。
 食べ始めて十五分足らず。
 膨大な量のお弁当を約半分ほど平らげた彼女は、いつも友人が元気に駆けてくる方向を見やった。
「――にしても、遅いわね……アメリア」
 朝に『ちょっと遅れて来ますから、先に食べててくださいっ!』といわれ、言葉通り遠慮なく一人で食事をしていたのだが、あまりにも遅い。
「何かあったのかな……?」
 その時である。
「リーナーさぁぁぁんっ!!」
 弾む声。誰なのかは見なくても分かる。
「遅かったわねアメリア。どこ行ってたのよ。……購買部?」
 アメリアのにぎる袋を見て、彼女は上機嫌らしい友人を見上げた。
 リナは座っているのに対し、アメリアが立っているので、目の高さが違うのである。
「はいっ、なんといっても、ここのチョコレートは美味しいって大評判!あしたあさってになれば、混み合うに決まってます!」
「…………は?」
「今度の日曜まで、あと三日ないですからね、準備を怠るわけには……」
「ちょっとアメリア」
 燃える彼女に、リナは思わず呆気にとられた表情になった。
「一体なんの話?」
 次に呆気にとられるのはアメリアの番である。
「リ……リナさん………、なに言ってるんですか……?」
「なにって……、あんたの言ってることが、よくわかんないんだけど……」
 アメリアがエキサイトする理由って言ったら……正義に関することよね……。
 別に今度の日曜が、正義の勇者日だ、なんてことは聞いてなかったと思うし……それ以前にないと思うし……。
 頭を巡らすリナに、アメリアは、それこそ信じられない、と言いたげににぎり拳を作った。
「今度の日曜日まで、あと三日ないんですよ!?」
「――だからそれが何なの」
「あああああっ!どーして忘れてられるんですかっ!今度の日曜の日付は……っ!」
 ここまで言ってもわからんか、と彼女はバックに波飛沫をしょい、力を込めて叫んだ。
「二月十四日、なんですよ―――っ!」
「二月十四日……?」
 首をかしげたリナは、次の瞬間、やっと得心が入ったようにうなずいた。
「なるほど、バレンタインデーね」
「そうですよっ!なんで忘れてるんですっ!?」
 アメリアの訴えに、リナは苦笑した。
「いやぁ……いつも、あんましかんけーないもんだから……」
「去年まではなかったかもしれませんけど!今年は違うでしょうっ!?なんて言ったってリナさんはいまっ!」
 アメリアは腰に手を当て、会話しつつも休まず食べ続けるリナを見下ろした。
「ゼロスさんという、お付き合いしている男の人がいるんですから―――っ!」
「ま、そうだけどね……」
 アメリアの熱血ぶりに、かえって醒めた様子で、リナはつぶやいた。


「とにかく、リナさん本気で、バレンタインデーになにも贈らないつもりじゃないでしょうね?」
 なんとか落ちついて昼食を食べ始めたアメリアは、それでも気になるらしく、猛然とお弁当を食べ続けるリナに尋ねた。
「え?えっと、うーん……」
 微妙に視線をずらすリナ。
「リナさん?」
「だって、よ?」
 食べる手を止めて、リナはため息混じりに言葉を漏らした。
「付き合っているって言っても……あれって、なし崩しに気がついたら、あーなってたよーなもんだし……」
「うっ……」
 思わずアメリアはうめいた。
 同じ高校の先輩であるゼロスが、いかにリナに対し、積極的すぎるほど積極的なアプローチをしたか、アメリアはしっかり目撃している。
 あたりの柔らかい物腰で、ひたすら彼は強引だった。
「……つきあい申し込まれたときも、断るタイミングってものがなかったし……」
 にっこり笑顔で『リナさん、僕と付き合いましょう』。疑問符すらついていないその言葉に、自分がなんと答えたか、リナは実はほとんど覚えていなかった。
(対処の仕方がわかんなくなるなんてこと、あんましないんだけどなぁー……)
 どーもゼロス相手はペースが狂う……。
「でっ……でもっ!」
 アメリアは気を取り直すかのように、にぎり拳をつくった。
「もしも嫌だったら、リナさんとうの昔に断っているでしょう!?なんだかんだ言っても、これだけ長い間付き合ってるんですから、それなりに愛情もあるはずですっ!」
「一緒にいて楽しいのは事実だもん。愛情があるのかどうかは、自分でもわかんないけどね」
 答えて彼女は、微かな笑みを浮かべた。
「ま、贈るわよ、一応。礼儀みたいなもんでもあるしね」
「礼儀、ですかぁ……?」
「そっ。だからこの話はひとまずおいといて、ご飯食べましょ。どーせ、アメリアは」
 ちらり、とリナは視線をアメリアが握る袋に流した。
「ゼルガディスに贈るんでしょー?」
 その顔に浮かぶ笑顔が、どこか人の悪いものに感じられたのは……アメリアの気のせいだろうか。
「ゼルガディス、甘いもん苦手だったよーな気もするけど、まぁ、アメリアが贈ったのだったら、文句言わずに受け取るだろーしねー」
 にこにこ楽しそうな彼女に、アメリアは、面白いほどに赤くなり、早口にまくしたてた。
「そっ……それはっ!やっぱり、勉強とか見てもらってますし、けっこう面倒見てもらってますしっ!ですから、それは贈るべきだとっ……!」
「……そのチョコレート、溶かしてまた作り直すの?」
「はい」
 暗に手作りにするつもりかという意味を込めた問いに、素直にうなずいたアメリアは、さらに顔を赤くした。
「でで、ですからっ……!」
「手作りって言っても、まぁ、そんなもんなんだけどねぇー。でも、そーやってつくったチョコって、たいてい本命にわたすものなんだってね?」
「え、え、えとっ、それはですねっ……!」
 慌ててまた口を開くアメリア。
 ……どうやら、リナの話をズラそうという企みは、成功したようである……。

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6308乙女の聖戦(2)庵 瑠嬌 2/14-19:46
記事番号6307へのコメント


 乙女の聖戦(2)


「チョコくださーいっ!」
「あっ!あたしが先に並んでたのよッ!違います、さきにあたしチョコレート二つーっ!」
「えーっっ、いまの絶対よこはいりだわッ!わたしです、三つ、Lサイズチョコっ!」
「きゃーっ!誰かあたしのこと押したーっ!?きィーっ!許せないッ!」
「だっ……誰よッ!どさくさにまぎれて、今あたしの手ェひっかいたのっ!」
 バレンタインデーは、全国共通の乙女の聖典である。
 意中の男性の心を射止めるため、少女たちは少しでも美味なチョコレートを求め、噂のあるところへ殺到する。
「――って、言ったってねぇ……っ!」
 怒りを抑えた声で、リナはぶるぶると拳を震わせた。
「いくらなんでも、これは混みすぎよっ!」
「ここの購買部で売っているチョコって、有名な銘柄なんだそうですよ」
 異様な混雑を目前にしていらつくリナに、前日の混まないうちにすでに購入したアメリアは、しれっとした口調で、さりげなく観点のずれた答えを返す。
「二日前ともなれば、こういう展開は当然ですね」
「ずいぶんな余裕ね……この中に、ゼルに贈ろうと思ってるコも、けっこういると思うけど?」
「そりゃそうですけど――」
 アメリアはまた無意味に拳を力強く握りしめ、
「このアメリア・ウィル・テスラ・セイルーン、誰がライバルになろうとも、絶対に負けはしません!わたしの真実と愛と正義に燃える心は無敵です!」
「この件の場合、一番重要な『愛』が、なにげなく台詞の中でないがしろにされてるわねー」
「それよりリナさんっ、早く人混みに突入しない限り、ずーっとこの混雑を見物することになりますよっ!それじゃあまりに無意味です。さぁ、リナさん、れっつ・ごーですっ!」
「分かってるわよ」
 答えてリナは軽くつま先を、トントンと地面に打ちつけた。
 二、三回、屈伸、伸脚、アキレス腱運動を繰り返したあと、横隔膜と胸腔を意識しつつ深呼吸。
 すぅーはぁー、すぅーはぁー。
「よし」
 こうして、準備を整えたリナは、力強いかけ声で自分を励ますと、少女たちの祈りと欲望のたぎる、購買部に入ったのである。
 後に残ったアメリアは十字を切り、胸で手を組んで目を潤ませた。
「リナさん……女の子を傷つけちゃいけませんからね……」


 勝利とは大抵、強者が享受するものである。
 その点で言えば、リナは文句無しに、戦い真っ直中の少女たちの中で、トップを張れたかもしれない。
 しかし、不幸なことに、強者と数が争った場合。
 よほど強者が周囲から突出した強さを持っているか、さもなくば、数が足りない場合でないかぎり、数は勝利する。
 購買部周辺の少女たちとの戦闘は、苦難を極めた。
 まず、数は圧倒的。しかもバレンタインデーがからむとあれば、乙女は常軌を逸した強さを見せる。
 ――となれば。
 もう一つの手段、リナが周囲から突出した強さを持つしかないのである。
「ちょっとごめん、さき失礼するわよ!……あんた悪いけど邪魔だわ、少しどいて」
 やや小さめの身体をフルに動かし、普通の人なら『ちょっと無理だろう』といったあくろばてぃっくな動き方で人混みをすり抜けるリナ。
 ややあって。
「チョコ二つ下さい!」
 彼女は、少し息を乱しつつも、余力を残したまま、ゴールに到達したのである……。



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6309乙女の聖戦(3)庵 瑠嬌 2/14-19:48
記事番号6307へのコメント


 ここからが、書き足したところでございます。
 いまだ調子が戻っていないのは……いいえ、もともとこうなんでしょう。


££££££££

 乙女の聖戦(3)


「……リナさん……」
 呼びかける声は、彼女の耳に届いてはいなかった。
 彼女が語るのは、意図を把握しがたい謎な内容。
「それで、大きいつづらと小さなつづら、二つ並べて、どちらか持っていきますか、と尋ねたの。ばーさんはそりゃ強欲だったから、大きいつづらを持って帰ることにしたのよ。だけど、とっても重いし、中身がなんなのかも気になるしで、帰り道たまらなくなってばーさんが中を――」
「……リナさん……」
「中を見ようとつづらを開けたら、でてきたのは蛇や蜘蛛、化生など見るに耐えない醜悪な生き物。ばーさんはびっくりして――」
「リナさんっ!」
 やや強いアメリアの語調に、ようやっと、リナは言葉を返した。
「なによ。今いいとこなのに」
「いきなり日本昔話の語り部になりきってどうするんですかっ!」
「そんなつもりないけど」
「じゃあ、なんでいきなり『舌切り雀』なんて話し始めるんです……!?」
「ねだったのはあんたでしょ」
 教室の机に頬杖を付いて、彼女はアメリアを見やった。
「わたしはただ、なんでチョコレートを二つも買うんですか、って言っただけです。なんでそこから舌切り雀なんです!?」
「――聞いててわかんなかった?」
「わかりません」
「――普通わかんない?」
「わかりません」
「――物分かりが悪いわねえ……」
「わかるわけありませんよっっ。適当なこと言って話をズラそうなんて、姑息です、セコいです、犯罪です、悪です!」
「短絡的ね」
「リナさん!」
 アメリアは自分の手を組み合わせ、心底、悲しみに耐えないと言った表情を作った。
「……そりゃ、自分も食べたいからチョコ二つ買ったなんて、言いにくいかもしれません。けれど、リナさんがそういう性格なのはわたしもよく知っています。食い意地が張っているリナさんが、人にあげて自分が食べないなんてこと、我慢できるはずがないってことだって分かってます。いまさら隠すことなんて、ないじゃありませんか!」
「推論をそんな確信持って言うんじゃないっ!!」
 アメリアの言葉を力いっぱい跳ね返し、リナは頬杖を付きなおした。
「あのね。だから、あたしは舌切り雀になろうと思うのよ。で、ゼロスがじーさんになるか、ばーさんになるか、試してみようかと」
「う……うぅん?」
 唸るアメリア。理解し難かったらしい。
「大きいチョコレートと小さいチョコレート。ゼロスはどちらを選ぶか……ってね」
「もしかして、大きいチョコレートの方には、蛇とかその類を……」
「入れるかっ!塩を入れてやるのよ。欲は身を滅ぼすの」
「で、小さい方はそのまま、と……?」
「まぁ、一応カモフラージュのために、溶かして固めなおしとくけど」
 はっと、アメリアは気が付いた。
「リナさんっ!そーゆーことはっ……手作りですか!?」
「……言い方を変えればね」
 リナは言葉をにごして、あさっての方をむいたのであった。


 ――ゼロスには、端正、という言葉が似合う。
 美形、というほど華やかではない。どこか硬質な、整った容姿。
 浮かべる微笑みは、柔和だが、その瞳は冴え冴えと冷ややか。
 そのかんばせをふちどる黒髪は絹のようで、さらさらと癖もなく、指で梳いてもからまることがない。
 じっと観察していなければ、曖昧な笑みでごまかされがちだが、彼は彫像のような、どこか生気を感じさせない容姿の持ち主である。
 さて、そんな外見を持つゼロスの顔を、リナは飽くなく眺め、やおら指を動かした。
 頬に触れる。
 なめらかな肌の上をすべらせ、リナは指に力を込めた。
「………………痛いんですけど」
「頬つねられたら、誰でも痛いわよ」
「………………放してくれます?」
「いや」
 ゼロスはため息をつき、自分の手を彼女の指に当てると、あまり力を込めないようにそっと頬から外した。
「あたし、綺麗な男って嫌い」
 つねられた頬をさすりながら、ゼロスは首をかしげた。
「でも、僕は好きでしょう?」
「……自分が綺麗だと自覚してる男も嫌い」
「でも、僕は好きでしょう?」
 繰り返される言葉に、リナは視線をすっとそらした。
「いつ……帰るの」
 窓から西日がまぶしい。
「リナさんが帰るときですよ」
「先に帰ればー?」
「つまらないじゃないですか」
 微かに口元に笑みを浮かべ、リナはゼロスに背を向ける形で、机の上に腰掛けた。
「あたし、あんたと帰らないもん」
「せっかく今日はアメリアさんがいないのに……」
「あんたのおとりまきはどうしたの」
「今日は先に帰しました」
「ふーん……冷たいことね」
 子供のように足をぶらぶらさせながら、うそぶいてみせる。
「けっこう美人さんもいるのに」
「外見なんて、表面的なものでしょう」
「あんたが言うと嫌味」
「リナさんは可愛いですけどね。……性根のままに」
 聞かなかったふりをして、リナは小さく口ずさんだ。
「かーらーすー…なぜ鳴くの―……」
 夕焼け色に染まった教室に落ちる影が、一つに重なる。
 紅玉の瞳に映る、窓の外。
「あ、雀」 
 つぶやきが漏れた。


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6310乙女の聖戦(4)庵 瑠嬌 2/14-19:50
記事番号6307へのコメント



 乙女の聖戦(4)




               「……もうすぐ、バレンタインですね」

               「――欲しい?」

               「……頂けるのならば」

               「――その冷たい性格には、甘さが少し、必要なようね」

               「………………………」

               「――なに?」

               「……ありがとうございます」

               「――いいえ、それほどでも」



£££££££££

 あああああっ!
 短い……しかも意味不明!
 それでも読んで欲しいんですの、続き、お願いでございます、待って下さいませ。読んで下さいませ!
 上記の会話の意味は、先を見ねば分かりませんのよっ!(必死)
 バレンタインデー……終わってしまいましたけれど、いいではないですか!
 せめて三月十四日までには終わらせ……られるかは謎ですが!
 わたくしの訴えに、少しでも心を動かされならば、どうか、どうか次回もお目もじ叶いたく存じます。
 それでは失礼をば――
                                                    ――庵 瑠嬌でした――



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6324きゃぁ〜理奈 E-mail 2/16-05:56
記事番号6310へのコメント

いいわぁ〜〜、いいいいいわぁあああああ〜〜!!と叫びまくって
回りがこっちを見てるけど、関係ないな(意味不明)な理奈です!!
ラブラブだわぁ〜〜、ちっくしょー、やけるぞ!!ゼロス君のほっぺたを
つねるリナちゃん、のシーン、おもわず顔がニヤニヤ。うふふふふ、いいなぁ、
いいいなぁ。もーー、続きが楽しみで、楽しみで。バレンタインは、すぎたけど
イッツ・オーライよぉ!!!書いてくださいましぃい〜〜!であぁ、意味不明で
変な感想ですけどぉ〜〜〜。失礼しまぁ〜す!

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6352まぁ〜♪庵 瑠嬌 2/21-19:12
記事番号6324へのコメント


>
> いいわぁ〜〜、いいいいいわぁあああああ〜〜!!と叫びまくって
>回りがこっちを見てるけど、関係ないな(意味不明)な理奈です!!

 毎回毎回ありがとうございますっ!と、しみじみ感激中の庵 瑠嬌でございます!

>ラブラブだわぁ〜〜、ちっくしょー、やけるぞ!!ゼロス君のほっぺたを
>つねるリナちゃん、のシーン、おもわず顔がニヤニヤ。うふふふふ、いいなぁ、
>いいいなぁ。もーー、続きが楽しみで、楽しみで。バレンタインは、すぎたけど
>イッツ・オーライよぉ!!!書いてくださいましぃい〜〜!であぁ、意味不明で
>変な感想ですけどぉ〜〜〜。失礼しまぁ〜す!

 はいっ、書きました、書きました!
 リナさん、今度は、ほっぺはつねりませんが、結構意地悪なさいますのっ!
 どーぞっ、ごらんくださいっ!

 理奈さんも沢山お話書いて下さいまし。
 感想、ありがとうございました――


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6348乙女の聖戦(5)庵 瑠嬌 2/21-19:02
記事番号6307へのコメント


 過ーぎちゃった、過ぎちゃった♪
 バレンタインは一週間前〜♪
 歌ってごまかせ自分の失敗(違う)。
 先週で予測はしていたんですけれど……いざ時間が経つと、しみじみズレてますわね……。
 どうぞ、気が向かれたならばご覧下さい。

ÅÅÅÅÅÅÅ


 乙女の聖戦(5) 


 バレンタインデーなのだ。
 せっかくのバレンタインデーなのだから……少し、華やかさは必要だ。
 リナはどこか無理しているような心境で、小物屋の様々な模様の包装紙を物色していた。
(くっ……。バレンタイン前じゃあ、そりゃ混んでるとは思ったわよ。だけど、あんなのがいるとは……ッ!)
 彼女はちらりと横目で、他の客たちを見やった。
 それぞれに笑いさざめく少女たち。その中には、アメリア、フィリア、シルフィール、……そしてナーガがいる。
(アメリアとフィリアとシルフィールはまだ分かるけどっ!でもっ……ナーガは誰に贈るってのよっ!?)
 乙女の決戦を意味し、どこか甘やかな響きを持つバレンタイン――。
 それに欠かせぬ小道具であるチョコレートを包む包装紙……それを買うための少女が集まる小道具屋さん。
 そこに、唯我独尊、傍若無人、笑う傍迷惑装置のナーガが、なぜ、なにがゆえにして、存在しているのだ―――!?
 心の中で絶叫するリナに、そのナーガが声をかけてきた。
 色とりどりの包装紙を眺めるリナに、口の端を吊り上げる。
「あらリナぁ〜?どーしてそんなもの買うのかしらー?もしかして、あなたその平面胸の分際で、チョコレートを贈ろうっていうんじゃ?」
「………そーよ。悪い?」
「悪いなんてもんじゃないわね。いーい?チョコを買うお金、包装紙を買うお金、すべて合わせれば、選びようによっては、学校近くのファースト・フード屋さんの、軽食セットAからDのうち、Aが食べれるのよっ!」
「それであんた、何が言いたい訳?」
(なんか話が読めてきたわね……)
 胸中でつぶやくリナに、ナーガは拳を握り、バックに波飛沫をしょうという、どっかで見たポーズで叫んだ。
「チョコやらなんやらの類を買う前にっ!つい最近、金欠でお昼を抜いたわたしにおごるべきだっていってるに決まっているじゃないの!おーっほっほっほっほっ!」
「えらそぉにゆーなぁぁっ!だいたい、あんただって買ってるんでしょ!?こんなとこに来て、女の子たちに混ざってるって事はっ!?」
「ふっ……。読みが浅いわね」
 ナーガはなめらかな動きで髪を軽くはらうと、堂々と答えた。
「なんでみんなこんなに大騒ぎしてるのかってアメリアに聞いて、事細かに説明してもらったら、なんにもしないでいるのが寂しくなったから買ってみたのよ!
 ――まったく、こんな事も分からないなんて……まだまだ子供……ぅひっ!?」
 どぐっ!
「……あんたねぇ……!あんまりふざけたことをぬかし続けてるようだと、終いには殴るわよ!?」
 彼女は拳に息を吹きかけて、床に崩れ落ちたナーガを見下ろした。
「殴ってから言わないでリナちゃん……」
「じゃかしいっ!………ったく……」
 額に手を当て、小さく嘆息したリナの視線が、ふと一つの包装紙にとまる。
 思わずリナは手に取ってみた。
「………………」
 とっくりと目で吟味してみる。
「――これなんか、いいかも」
 少女の口元に、満足げな笑みがほのかに浮かんだ。



「――本当に下さるんですか?」
 どこか明るい気分で帰り道を歩いていたリナは、聞き慣れた声に、足を止めた。
「一日早いけど、ね」
 答える笑みを含んだ声。
 深みのある、澄んだその女性の声は、リナの知らないものだった。
 思わず、道の角に身を隠す。
「あげるっていったでしょ?」
「それは――ありがとうございます」
(――――っ……!)
 リナは唇を噛んだ。
 間違いないゼロスの声……それには、珍しく素直に、喜色が滲んでいる。
 それは、自分には決して向けないもの――。
「ま、明日には本命をもらうんだろうけどね?」
 からかうように女は声音の調子を変えた。
「なっ……なぜご存知なんです!?」
「ふふ。ゼロスのことなら、大抵分かるわよ。――で、いまはわたしが一番じゃないのかしら?」
「……………」
 動揺する気配。
 女はくすくすと笑った。
「ほんと、分かり易いわね」
(―――違う―――)
 動くにも動けず、立ちすくんだまま、リナは心の中でつぶやいた。
 ゼロスは絶対に心の中を見せない。
 リナは、ずっとそれは誰に対しても同じだと思っていた。
 しかし。
(………いたの―――!?) 
 心中を露わにできる相手。素直に言葉に反応できる相手。
 それは自分ではない。
(それなのに)
 目の前が怒りで熱くなる。
(それなのに、ゼロスはあたしを好きだと言った)
 ――嘘つき。 
「嘘つき……!」
 声が漏れた。
 ごく小さな声だったが、ゼロスが耳にとめるには充分だったようだ。
 即座に振り返った彼の瞳が、驚きに開く。
「リナさん――!?」
「嘘つき!」
 ゼロスが何かを言う前に、リナは叫んだ。
「あたしじゃないなら、あたしが特別じゃないなら、好きだなんて言わないでよ!」
 付き合いましょうと言われて、嬉しくなかった訳じゃない。
 一緒にいる間に、心がまったく動かなかった訳じゃない。
 惹かれてなかったわけじゃ、ない――。
「リナさん、この人は――」
 彼女の思ったことを悟ったか、言を紡ごうとするゼロスの言葉をさえぎる勢いで、リナは彼をキッとにらみつけた。
「嘘つきなんか嫌い、嘘つきなゼロスなんか大嫌いッ!」
「リナさん―――!」
 ゼロスの声にも耳を貸さず、リナはきびすを返して駆け去っていく。
 あまりの激しさに、彼は呆然とその場に立ち尽くした。
「リ……リナさん……」 
「…………強烈なコねぇ……」
 しみじみうなずいて、女はゼロスの肩を叩いた。
「なかなか目が高いじゃない。けどあの子の矜持もかなり高いみたいね。どうするのかしら、このフォローは?」
「………リナさん……」
 女の声も耳に入らず、ゼロスはつぶやいた。
 妙に幸せそうな顔で。
 ぎょっとして一歩下がる女。
 それにも気づかず、彼は口元をほころばせる。
「―――可愛かったなぁ……」
 怒りに顔を紅潮させていた少女の顔。
 口説き始めの頃は、冷淡にあしらうばかりで、つきあい始めても、あまりにもつれなくて。
 根気はある方だけれど、それでもくじけそうになったこともあった。
 それが。
「あれって、嫉妬ですよね………」
 うっとりと思い返すゼロスに、女は呆れ果てた顔で、額を手で抑えた。
「――一生やってなさい」


 一方、家に帰り着いたリナは、怒りに燃えていた。
(ゼロス―――)
 よくもよくもよくもよくもよくもっ!
「人をコケにしてくれたわねっ!!」
 女の恨みは鬼より怖い。
(思い知らせてやるわ)
 潤む瞳を強引に無視し、彼女は塩に手をのばした。
(あんたは強欲婆さんよりタチが悪い……ッ!)



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6349乙女の聖戦(6)庵 瑠嬌 2/21-19:03
記事番号6307へのコメント


 乙女の聖戦(6)



 ――これは、新手の冗談だろうか。
 下駄箱を開けて、ゼロスは数秒考えを巡らせた。
 深い紺青色の包装紙にラッピングされた、四角い箱。
 時は日曜だったバレンタインデーの一日後と、学校で渡す女の子の狙い目日。
 しかし―――
「ここまでパターンだと……」
 つぶやきが漏れる。
 下駄箱にチョコレート。
 あまりにも古典的なシュチュエーションで、あり得るかどうかも信じがたい。
 とりあえず後で中身を検分することにし、彼はそのブツを、懐にしまい込んだ。



「チョコレートか、それ?」
 机の上に置いた箱を、真剣に見つめていたゼロスに、ガウリイは声をかけた。
「そう思いますか?」
「ああ」
 気のいい同級生はうなずいた。
「どこか甘い匂いもする」
「――僕はしませんが」
 包装紙にくるまれたチョコレートの匂いなど、ふつう分からない。
 しかし、ゼロスは納得した。
「ガウリイさんがそういうなら、そうなんでしょうね」
 別に嘘をついてどうなるというものでもないし、彼ならば、人並みはずれた嗅覚を持っていてもおかしくないような気がした。
(昼食にでも中身を開けてみよう)
 そう思って鞄の中にそれを入れるゼロスに、ガウリイが珍しく何か言いよどむように口を開く。
「ただ、それは――」
「はい?」
「―――いや、なんでもない」
 ガウリイは首をふり、小さく笑った。
「たぶん、気のせいだ」
 そういって去っていく彼の背中を見送って、ゼロスはふと寒気を感じた。
 嫌な予感が、背中を撫でていく。
 ぞっとしない気分のまま、午前授業は始まるのであった。



 『HAPPY VALENTINE!』
 昼食時間。
 ゼロスが包みを除き、箱を取り出すと、こんなカードが貼ってあった。
 そして、小さく書いてある――リナ・インバース。
(まさか―――)
 一日二日で、きれいさっぱり忘れるリナではない。
 やはり、新手の冗談か、嫌がらせか。
 思い悩むゼロスの視線の先を、栗色の髪がなびいていく。
「リナさん!」
「はい?」
 振り向いた少女が怪訝そうな顔をする。
「あ、すいません……」
 人違いに頭を下げるゼロスに、栗色の髪の少女は、苦笑して去っていった。
「なにやってんのよ」
 笑いを含んだ声が後ろから聞こえ、ゼロスは非常に驚いて振り向いた。
「チョコ、食べた?」
 くすくす笑うリナ。
「やっぱり、リナさん――?」
「当たり前じゃない。この学校にリナ・インバースっていったら、あたし以外いないわよ」
 ――で。
 さらりと、彼女は重ねて尋ねる。
「チョコ、食べた?」
「いえ?まだですが。家に帰って食べようかと――」
「駄目!いま食べてよ」
 ゼロスは首をかしげた。
「別にいまじゃなくてもいいような気がしますけど」
「――――嫌なの?」
 リナの目が半眼になる。
 一気に機嫌を急降下させる彼女に、ゼロスは苦笑を浮かべた。
「分かりました。いま食べます」
「よろしい!」
 にっこりまた微笑むリナ。
「ありがたくももったいなくも、手作りよ!」 
「それは嬉しいですねぇ」
 いいながら箱を開けると――
「お上手ですね」
 見事にハート型に抜き取られた、小さなチョコがいくつかはいっている。
 意外に料理上手なんだな、と思いつつ、また背中に嫌な予感が走る。
 ハート型のチョコ――普通の状態で、リナが贈るものか?
「なぁに。食べないの?」
 険の混じるリナの声に、ゼロスはとんでもないと首をふり、一つ手に取って嫌な予感を押しつぶしつつ口に運ぶ。
 それを見るリナの瞳が、奇妙な歓喜に輝くのを見ながら――ゼロスは絶句して目を見開いた。



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6350乙女の聖戦(7)庵 瑠嬌 2/21-19:04
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 乙女の聖戦(7)



「どしたの?」
 なんとも言えない表情で沈黙したゼロスに、リナは無邪気げに首をかしげて見せた。
「あたしのチョコ、美味しくないっての?」
「とっ、とんでも――」
「なら、ちゃんと全部食べてよ」
 その言葉に、ゼロスはかすれた声で、尋ねた。 
「あの、リナさん」
「なぁに?」
「チョコ――なに入れました?」
「うーん?」
 曖昧に微笑ってみせる。
「なに入れました?」
 重ねて問うゼロスに、リナはいたずらっぽく片目をつぶった。
「塩と砂糖」
「―――――とっっっても、甘いんですけど」
「チョコだもの。当然じゃない」
 口元に笑みを浮かべ、リナはさらりと言う。
「ただ――大量の砂糖と、その甘さを引き立てるために入れた塩で、ちょっと……甘すぎるかもしれないけど」
「――――リナさん」
「せっかく、こんなに作ったんだもの」
 かすれたゼロスの声を無視し、リナは、まだ残っている十個あまりのチョコレートに目をやった。
「全部食べてね(はぁと)」
「―――……っ!!」
 無邪気に告げられる悪夢の長さに、ゼロスはめまいに襲われたのであった。
 いまさらながら思う。
(ガウリイさん……気づいてたなら、一言)
 ひとこと言ってくれたら……嬉しかったんですけど。


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6351乙女の聖戦(終)庵 瑠嬌 2/21-19:07
記事番号6307へのコメント


 乙女の聖戦(終)


               「……本当に、偉い目にあいましたよ」

               「いい性格してるじゃないの。……で、教えたの?わたしのこと」

               「教えましたよ、当然。あの人の恨みは、なにより怖いです」

               「ふぅ……ん……。行く末が楽しみね。将来妹にしたいから、ま、頑張って頂戴」

               「言われなくてもそうしますよ。……姉さん」



ÅÅÅÅÅÅÅ

 と、言うわけで、第四話の方は、ゼロスさんのお姉さまでしたっ。
 ―――名前出せませんでしたけれど、ゼラス様のつもり……バレバレですわね。
 七話と八話は、わざわざ別にする必要は(長さ的に)ないのですが、どうしても八話は別個にしたかったので。
 しかし、うー、話が途中で雑になった気が……すいません(もう少し、舌切り雀をからめるつもりでした)。
 一週間後に試験迫ってるというのに、わたくしは何をやっているんでしょう――。
 勉強の合間にと決めておいたくせに、気が付いたらキーボード叩いてたり……。
 うわぁぁぁんっ!どぉっしましょぉぉっ!
 再来週、わたくしがどうなっているのか……それは神のみがご存知でございます。
 それでは失礼をば――……

                                         感想とか頂けたら嬉しい、と思う庵 瑠嬌でした――


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6360いいでぇすわぁ〜理奈 2/22-03:08
記事番号6351へのコメント

はいはぁ〜い、またまた登場の理奈でございまぁ〜す!
もぉ〜、すっごくよかったですよぉ〜〜!!私が一番好きなシーンが
リナちゃんがゼロスとゼラスを見て嫉妬するシーン。その怒ったリナちゃんを
見て「かわいぃい」なんてほざくゼロス君、それにあきれるゼラス様。
いいぃですわぁ〜。しかし、リナちゃん。塩と砂糖入りのチョコ・・・
ちょっとゼロスがかわいそう。でもリナちゃんを怒らせた報いだねぇ。
それにしても笑えたのがナーガ。よかったですよぉ〜。
私もたくさん書いてますよ。バレンタインのストーリーも書いたし(落ちたけど)
あと、新しいストーリーを書いてる途中なので投稿した時感想いただけたら
うれしぃです。
楽しかったです。でぁ、失礼しまぁす!

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6371遅くなりましたが・・・鈴綾 零 E-mail 2/26-02:02
記事番号6351へのコメント

こんにちはぁぁ〜。鈴綾です〜。
遅くなりましたが、コメント、書かせてくださいね。

もう、よかったです!!(馬鹿かあたしは・・・)
バレンタイン・・・やっぱ、甘い響きですよね。
んで、その響きにも負けない、甘いお話。
うくくくっっ。
リナの作ったチョコの異変に気づいたガウリイもすごいが・・・
なんで、教えなかったんでしょうね、彼は・・・
ゼロス君、リナちゃんの作ったチョコレート、全部食べて・・・
あたし、塩っ辛い、すっげー(言葉遣いが悪いですね・・・)まずいチョコ作るかと思ってました。
でも、すっごーーっく甘いチョコだったとは・・・
もう、リナちゃんったら・・・(^^;)
ゼラス様もいい味出して・・・ゼロス君、ちょっとシスコン気味・・・?
とか思っちゃったりしたけどっっ!!
でもっっ!!
やっぱり、リナちゃんへの愛が(!)勝つのねっっ!!
・・・って、わけわからんですね・・・すいません。
ただ、甘くて良いお話だったなぁ・・・と。

それでは。・・・逃げますね・・・

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6383Re:乙女の聖戦風太 2/28-03:26
記事番号6351へのコメント

 庵 瑠嬌様、こんばんは。風太です。

 (かなり)遅くなってしまいましたが「乙女の聖戦」読ませていただきました♪
 いやぁ、面白かったです。思わずバレンタインやりたくなりました(そんな今更・・・)・・・別に、リナちゃんみたいなチョコを作ってみたくなったわけではありませんが(笑)。

 なんだか妙に自然体なリナ&ゼロスのカップル(?)が私的にとてもツボでした。リナちゃん、可愛いし。
 特に好きなところは、放課後の教室でのリナとゼロスのシーンと、ゼラス様とゼロスの逢い引き(笑)を目撃して走り去ったリナちゃんにゼロスが感動してるとこ、あとナーガです(笑)。後ろ二つは本気で笑いました・・・ナーガのチョコは結局誰の手に渡ったんでしょうねぇ。

 アメリアとかナーガとかゼラス様とかガウリイとか、脇役陣も良かったです。特にガウリイ、出番あれだけなのにみょーに印象に残りました・・・包装されたチョコの匂いを嗅ぎ取り更にその内容物まで察するとは・・・奴の嗅覚はどーぶつ並ですね、最早(笑)。

 遅い上にわけわからん感想ですが、とにかく、面白かったです。楽しいお話どうもありがとうございました♪
 それでは、風太でした。