◆−恋するチョコより甘いもの(4)−紅樹もみじ(2/21-11:31)No.6340
 ┗恋するチョコより甘いもの(5)−紅樹もみじ(2/21-17:55)No.6347
  ┣良い展開ですわ〜−庵 瑠嬌(2/21-19:21)No.6353
  ┗いいですね。−理奈(2/22-03:16)No.6361


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6340恋するチョコより甘いもの(4)紅樹もみじ 2/21-11:31


〜恋する運より甘いもの〜

 「ただいまーっ!」
「あ、リナさん!ちょっとちょっと!」
 家に帰ると、シルフィールがなにやらあわてていた。
「な、なに。どうしたの!?」
「これ見て下さい。」
 出してきたのは...
 ...?
 なに...?これ...?
 図書券...じゃないし、商品券...でもないし...
「...2泊3日...神坂温泉...4名様...ご招待...?」
 後ろから首だけのぞかせて券の内容を読むアメリア。
 さっき引きずって帰ったことは怒ってないらしい。
 あーよかった。
 ...?...!?
「...って!ええええええっ!?温泉!?」
 驚きのあまり、あたしは思わず叫んでしまった。
「そうなんです!ガウリイさまが商店街のくじ引きで1等の温泉旅行を当てたんで す!!」
 ガ...ガウリイ兄ちゃんが...
「...それでですね...あ、立ち話もなんですからとりあえず中に入りましょ う。」
「そ、そうね。」
 未だに信じられないあたし。でもすごくうれしい。
 へぇ...温泉かぁ...悪くないわね...

 「っえええええええええ!?」
 みんな集まったその部屋で、紅茶をふきだしてから叫ぶあたし。
 あ、そういえばさっきも叫んだっけ。幸い、ここの地区って声とか音とかが響きにくいんだけど。
 ...って、そうじゃなくて!!!
「おい、リナ...」
「ちょっと!それ、どういうことよ!」
 あたしに紅茶をふきかけられたゼル兄ちゃんの抗議の声よりも早く、あたしはシルフィールに聞き返した。
「ですから、ここにも書いてあるとうりこの券は4人までしか使えないんです。」
「じゃあ、2人は家に残らないといけないんですか?」
 先ほどまで飲んでいたココアをテーブルの上に置き口を開くアメリア。
「...じゃあ、残りの2人分は普通にお金を出せばいいんじゃないの?」
「それが...この旅館予約がいっぱいで、4人が精一杯らしいんですよ。」
 あたしの考えを否定するシルフィール。
「だったら、6人ともみんな行かなければいいんじゃない!」
「せっかくガウリイさまが当てた券ですよ。使わないなんてもったいないじゃない ですか。」
 さらに否定するシルフィール。
 つまり、どうがんばっても、行けるのは4人ってこと!?
「じゃあ...その...つまり...どうするんだ?」
 ずっとだまっていたガウリイ兄ちゃんがなんとも無責任なことを言い出す。
「あ、あのねえ...自分が当てたんだから自分で考えれば?」
「あのなぁ...おれが『考える』なんてこと、できるわけないだろ。」
 あ、そっか。
 ...それにしても...自分で言うなよ...
「じゃあ、誰が残るか、ここは平和的にジャンケンで決めましょう。」
 ゼロスが提案する。
 ...ジャンケン...か...
「よーっし!いいわよ!」
 あたしはそう答えてしまった。自分が負けるとも知らずに。そして、負けたもう1人がゼロスになることも知らずに...。
「ジャンケン...ポン!!!」
 この後あたしは、家に帰ってから3度目の絶叫をあげることになる。

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6347恋するチョコより甘いもの(5)紅樹もみじ 2/21-17:55
記事番号6340へのコメント

〜恋する罠より甘いもの〜

 2月11日
 来てしまった、この日が。
 悪夢が始まる。
 2月13日の昼まで続く
 あたしの悪夢が。

 「それじゃあ留守番よろしくな。」
「おみやげ、ちゃんと買ってきますから。」
「火には十分注意しろよ。」
「13日の昼近くまでには帰りますから。」
 11日の朝、みんなは出かけていってしまった。この日はいつもより早く起こされて、あたしもみんなを見送った。
 ンで、残されたあたしとゼロスは...
「じゃあ、行って来るから。」
「どこへですか?」
「決まってるじゃない!学校よっ!アメリアとゼル兄ちゃんは休んだけど、あたし は行かなきゃなんないんだから。」
「だから学校に?」
「そーよ。」
「そんなに大きな荷物を持ってですか?」
 ゼロスが見ているのはあたしの左手のかばん。旅行かばんというやつである。普通なら、こんなに重たいものは持っていかない...もとい、持っていきたくない。...が...
「あったりまえでしょ!だって、あたし今日フィリアの家に泊めてもらうんだもん。」
「...は...?」
 そう。あたしは一晩考えて、2日間、フィリアの家に泊めてもらうことにしたのだ。もう許可は取ってあるし、フィリアの家って学校に近いし...
「...リナさん...なにもそこまで嫌がらなくても...」
「あのねえ...」
「僕のこと、嫌いなんですか?」
「だから...それとこれとは...」
「じゃあ好きなんですね。」
 う...しまった...。
「そーじゃなくて...。」
「でも、残念ですねぇ...。」
「は?何が?」
 腕組みをしながら下を向いて話すゼロスに、あたしは反射的に聞き返す。
「今日の夕飯、リナさんの大好きなハンバーグにしようと思ったんですけど。」
 ぴくぴくぅ
 はっ!いけなひ!こんなものにつられてしまっては!
「おいしいハンバーグのお店見つけましたから、そこへ行ってもいいと思ったんで すけど...。」
 はうぅっ!...っ...た、たえるのよ!リナ!!!
「さらに、そこのお店、ケーキもおいしいんですよ。」
 うぅぅぅぅ...

 「...で、私の家に泊まるのをやめるわけですか。」
 昼食の時間、パックのコーヒー牛乳のストローを口にくわえながら、ジト目でにらむフィリア。
「だ、だって...!」
「まったく、どういう神経してるんだか。」
 クリームパンをほおばりながらマルチナまでが言ってくる。
 あんたが言うなよ...
「と、とにかくそんなわけで。ごめんね、フィリア。」
「........」
 あ、怒ってる。
「でもさぁ...リナ...あんた、絶対はめられてるわよ。」
「う゛」
 いや...あたしも...そんな気はしたんだけど...。
「分かりましたリナさん。...でも、なにかされたら必ず私に言って下さいね。 私、必ずゼロスを殺しに行きますから!!!」
 そう言って、愛用の金属バットを取り出す。これさえなければフィリアの人気ってもっと上がると思うんだけど...
「だ、大丈夫だって。大丈夫。」
 そうは言ったものの、ちょっと不安。なんかあたし、どんどんゼロスの計画にはまっていくような気がするんですけどぉ...

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6353良い展開ですわ〜庵 瑠嬌 2/21-19:21
記事番号6347へのコメント


 こんばんは、庵 瑠嬌でございます。

 口元が――どうやってもゆるみますわねぇ……ふふふふ。


>
> 2月11日
> 来てしまった、この日が。
> 悪夢が始まる。
> 2月13日の昼まで続く
> あたしの悪夢が。

 悪夢っ……て、そこまで言わなくても(笑)
 普段の行いがものを言いますんですのねーゼロスさん。


>「僕のこと、嫌いなんですか?」
>「だから...それとこれとは...」
>「じゃあ好きなんですね。」
> う...しまった...。

 上手い。
 口のうまさでは、リナさんよりはるかに上ですわね。


>「そーじゃなくて...。」
>「でも、残念ですねぇ...。」
>「は?何が?」
> 腕組みをしながら下を向いて話すゼロスに、あたしは反射的に聞き返す。
>「今日の夕飯、リナさんの大好きなハンバーグにしようと思ったんですけど。」
> ぴくぴくぅ
> はっ!いけなひ!こんなものにつられてしまっては!
>「おいしいハンバーグのお店見つけましたから、そこへ行ってもいいと思ったんで すけど...。」
> はうぅっ!...っ...た、たえるのよ!リナ!!!
>「さらに、そこのお店、ケーキもおいしいんですよ。」
> うぅぅぅぅ...


 ここはもぉ、笑いましたわねぇ。
 リナさんらしすぎて可愛らしい――。
 罠だと分かっていて引き込まれるんですのね、リナさん。


>「だ、大丈夫だって。大丈夫。」
> そうは言ったものの、ちょっと不安。なんかあたし、どんどんゼロスの計画にはまっていくような気がするんですけどぉ...

 はまってしまえばいいのですっ!と思うわたくし。
 ふふふふふ。
 先の展開がひっじょうに楽しみですわねぇ……
 楽しみにしております、頑張って下さいまし。
 それでは失礼をば……




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6361いいですね。理奈 2/22-03:16
記事番号6347へのコメント

こんにちは、理奈でございまぁすぅ!
うぅ〜ん、この展開。いいわぁ、いいいわぁ!!私のツボをさす
展開ですわぁ〜〜!!ふふふ、リナちゃんったら食べ物につられてぇ〜。
ゼロス君ひどいぞ!ふふ、どうなるんでしょうかねぇ〜〜。続きがたのしみ
ですわぁ。
あぁ、短くなってしまいました。ごめんなさぁい。失礼しまぁす。