◆−〜時を超えて  プロローグ〜−理奈(2/22-06:21)No.6362
 ┗〜時を超えて  第一章 紅と紫の出会い 1〜−理奈(2/22-06:23)No.6363
  ┣もしかして・・・−あお(2/22-12:20)No.6365
  ┃┗ありがとうございまぁす!−理奈(2/22-15:28)No.6367
  ┗〜時を超えて  第一章 紅と紫の出会い 2〜−理奈(2/22-15:21)No.6366
   ┗〜時を超えて  第二章 結ばれる事ができるのか 1〜−理奈(2/24-09:46)No.6370
    ┗〜時を超えて  第二章 結ばれる事ができるのか 2〜−理奈(2/27-10:51)No.6376
     ┗〜時を超えて  第三章 迷子の小猫のように〜−理奈(2/28-12:46)No.6384
      ┗切ないですわね。−庵 瑠嬌(3/14-19:10)NEWNo.6425


トップに戻る
6362〜時を超えて プロローグ〜理奈 2/22-06:21


はぁ〜い、こんにちはぁ〜、理奈です!このごろノートにだだだーーと
いろんなストーリーを書いております。でもどれもおわんない。そんな中で
新しく書き始めたこのストーリー。これもまだ完結してませんけど、どーにか
して完結させたいとおもってます。ゼロリナでございますので。

〜時を超えて プロローグ〜

時を超えて

〜プロローグ〜

見回すと何もない。
あたりまえか。
あたしは、苦笑する。草も木もない、ただの広野。あちこちには、クレーターができていたり、土がえぐれてる。
あたしは、痛む体をなんとか起こそうとする。腕に力を入れるとするどい痛みが走り、また倒れこんでしまう。
折れてるな。
腕だけじゃない。足もあばらも、肩の骨も折れている。身体のあっちこっちから血が流れてる。
ふと見るとさっきまで倒れていた彼があたしのそばによる。
「り…リナさん…」
あたしは、彼を見上げる。腕は、切り落とされ、あたしと同じくあちらこちらにキズがあるが血は、出ていない。
「と…とどめ、さす・・き」
あたしの問いに彼は、苦笑し首をふる。
「僕には、もうそんな力は、残っていませんよ」
「そう…。相打ちか…。みんなに『勝つ』って言ってきちゃったん…だけど…」
それを聞いてゼロスは、悲痛な表情を浮かべる。
「リナさん…僕は、あなたに生きてほしかったです」
あたしは、フッと微笑む。
「なに言ってんのよ…魔族のくせに…」
「僕は…あなたのことを…愛しています…」
顔が熱くなる。こんなこと言われたの…最後に別れた時いらいだ。
「ひん死の重体でそんなこと言っていいの…?」
あたしは、彼の手を取る。
「あたしも・・よ」
彼は、あたしの手を握り返す。
「同じ…種族として生まれたかった・・です…来世…では…そう…なりたい…です」
「来世…ね…」
だんだん気が遠くなってきた…
「リナ…さん…」
「…ん…」
彼の冷たい唇…
最初で…最後の…口付け…
そして…



トップに戻る
6363〜時を超えて 第一章 紅と紫の出会い 1〜理奈 2/22-06:23
記事番号6362へのコメント

〜第一章 紅と紫の出会い 1〜

「ふふふ」
私は、顔に大きな笑みをうかべ、かごいっぱいにつめてあるカニを持って市場を歩いていました。大きな道の両側には、びっしりと小さなテントや、お店が並んでいました。果物や、野菜、お肉や魚が売られています。食べ物だけでは、なく、アクセサリーや、服や、色々なものが売られています。
今日は、カニが安く手に入りましたね。この隣町の市場まで来たかいがありました。
「そこのきれーなねえちゃん!今日は、貝が安いよ!」
横から呼ばれて私は、振り向きました。魚や、貝がバケツにつめこんでならべられてありました。私は、そのバケツを覗き込みました。新鮮でおいしそうな貝です。
「ねえちゃん、きれーだね。その長い髪は、黒髪かい?違う角度で見ると紫にも見えるんだけど」
私は、おじさんにそう、言われて微笑んで腰まである髪を手に取りました。
「ええ。深い紫なんです」
「瞳も紫なんだね。異国の娘さんか?」
「はい。あっ、その貝をバケツ一杯ください」
おじさんは、私が指した貝を小さなバケツにうつし、私が渡したお金をうけとります。
「ねえちゃん、名前は?」
「ゼロスです」
「かわった名前だね。またうちで買ってくれよ」
「はい」
私は、微笑んでお釣とバケツを受け取ります。
けっこう重くなってしまいましたね。
私は、バケツ、いっぱいの貝とカニを持って街を出ました。

「ふぅ〜」
私は、ちゅう房に入り、テーブルの上に貝とカニを置きました。
「おはよ〜、ゼロス。今日は、またおいしそうな貝とカニね」
「おはようございます、ルナさん」
フライパンをあらっていたルナさんがカニのバケツをのぞきこみました。ルナさんは、私のレストランのただ一人のシェフでその料理の腕は、一流レストランでも通用すると私は、思っています。
「今日は、思ったより安い値段で手に入れました。貝も新鮮でおいしそうですよ」
「そうね」
ルナさんは、貝を一つ手にとって見ました。
「スープにするのもいいけど、焼いて食べた方がおいしそうね」
「ええ」
「あっ、そうそう。ゼロス」
ルナさんは、貝をもとのバケツにもどし裏の開いているドアの外から女の子をひっぱてきました。
「この子に朝ご飯作ってあげてくれないかな」
私は、その女性を見ました。そのとたん、私の胸は、はりさけそうな…なつかしさでいっぱいになりました。なんて言ったらいいのでしょうか…
女性は、最初、下をむいていましたが顔を上げて私を見るとハッと息をのみ、瞳を見開きました。
少女と言った方があってるでしょう。背は、私の肩までしかない小柄な身体。腰まである栗色の髪。しかし私が釘付けになったのは、彼女の瞳でした。それは、大きくつぶらで、光り輝いてる…紅い瞳…。
「なに?しりあい?」
私は、ルナさんの声で我に返りました。私は、首をふります。
「い、いえ…。朝ご飯ですね」
「そう。私は、下拵えしなきゃいけないから。朝ご飯くらいつくれるでしょう」
「ええ。では、こちらに来てください」
私は、少女とちゅう房を出て、レストランのテーブルに座らせました。
「適当にこちらで作りますけど、いいでしょうか?」
少女は、コクンとうなづくとグーっと彼女のお腹がなりました。私は、クスリと微笑みました。
「なにかボリュームのあるものがいいですね」
私は、すぐによういしました。パンケーキを三枚焼き、その上にバターとハニーシロップをかけました。そしてスクランブルエッグとハッシュブラウン、それにベーコンを焼いてお皿にのせました。コップには、ミルクとオレンジジュースをそそいで彼女の前におきました。
そうとうお腹がへっていたのでしょう。彼女は、すごい勢いで食べました。そしてお皿の上がきれーになるとフォークをおきました。
「あぁ〜、おいしかったぁ〜!やっぱ人間、食べてる時が一番幸せねぇ!!」
彼女は、大きな笑みを浮かべました。
「それは、よかったですね」
私は、自分用にそそいだオレンジジュースを飲んでいいました。
「あなたここのオーナーね。りっぱねぇー、こんなお店、持ってるなんて」
彼女は、お店の中を見回しました。店内は、飾りっけがなく、テーブルが12個しかおいてありません。
「あたし、リナ。よろしくね」
「私は、ゼロスです。リナさんは、この街の方では、ないようですね」
「そう。隣の国から馬車で来るとちゅう、盗賊にやられてね。家族の中であたし一人しか行きのこんなかったの。それでここまで来たのは、いいけどおなかがすいてね」
私は、それを聞いて顔をしかめてしまいました。
「すみません。いやな事を思い出させてしまったようですね」
「いいわよ、べつに」
リナさんは、笑って手をパタパタとふりました。
「ところで、ゼロス。この店って他に働いてる人いるの?」
「いいえ。私とルナさんだけです」
「だったらあたしを雇って!!おねがい!部屋付きで!他に行くところないの!」
彼女は、両手を合わせて言いました。部屋付きでって言うところで私は、苦笑してしまいました。たしかに二回は、私たちの家になっており、いくつかの部屋は、空いています。
私は、ニコっと微笑みました。
「いいですよ」
リナさんは、それを聞いて喜びました。
「サンキュー!!これでも前は、ウェイトレスしてたから経験は、あるのよ!」
リナさんの言うとおり彼女は、優秀なウェイトレスでした。注文も正確に受け、何人ものお客さんをいっぺんに相手し、テキパキと動きました。前は、私一人でお客さんの注文を取っていたのでいつもより早く、多くの注文を受けることができました。
そして今日は、大繁盛でお店を閉める事ができました。

「じゃ、あたしは、先に上に行くね」
後片付けを終えたルナさんは、二回へ上がっていきました。
私は、きれいに片づけられたレストランのテーブルの上で今日、入ったお金を数えていました。
「ぜーろーす」
ちゅう房で食器を洗っていたリナさんが顔を出しました。
「ゼロス、夕食まだでしょ。あたしがつくろっか?」
「作れるんですか?」
「いちおーね」
「では、おねがいします」
「オッケー」
リナさんは、ウインクしてちゅう房にもどりました。
今日一日で私は、リナさんの事がどんな人かわかりました。彼女は、すごく強い人です。家族を事故で亡くしたばかりなのに何も言わず、笑顔でいました。彼女は、明るい女性です。そんな彼女を私は、前から知っていたような気がしてなりません。
「はい、どーぞ」
テーブルに並べられた料理を見て私は、おどろきました。そしてパクっと一口食べてみるとそれは、とてもおいしかったのです。
「おいしーです。ルナさんに勝るとも劣らない味です」
「ありがと」
リナさんも私の正面にすわり食べ始める。
「…ねぇ、リナさん」
「ん?」
彼女は、口を食べ物いっぱいにして私を見る。
「私たちって会った事ありましたっけ?」
私の問いに彼女は、キョトンとしました。
「んぐ…ははは」
彼女は、食べ物を飲み込んで笑いました。
「男にそんなこと言われるけど、女に言われたのって初めて」
リナさんは、お肉を切りながら言いました。
「でも、うん。私もそんな感じがするのよね。でも会った事は、ないと思う」
「そうですか」
「もしかしたら前世で知り合いだったんじゃない?」
「前世ですか?」
「そう。友達とかだったりして」
彼女は、ほほえみました。
「そうかもしれませんね」

トップに戻る
6365もしかして・・・あお 2/22-12:20
記事番号6363へのコメント

珍しく他の方のコメント付けにきましたあおでーす
どうもこんちは(^^)
私も発想は浮かぶけど書ききれない話しいくつかあります
ひどいのなんて最初の2行だけとか・・・いわゆる一つの没原稿
保存してあるけど多分混沌に沈むでしょう

第一章とは長編になるんですか?楽しみ
来世では同性…女同士とは、もしかして危ない話し?(女同士でいちゃいちゃ)
今までにないパターンで面白いかも、続き楽しみに待ってますので頑張ってね

あ、あと私のバレンタインとTrue liesコメント
頂きましてありがとうございました
では、

トップに戻る
6367ありがとうございまぁす!理奈 2/22-15:28
記事番号6365へのコメント

こんにちは!!さっそくの感想ありがとうございまぁす!!

>私も発想は浮かぶけど書ききれない話しいくつかあります
>ひどいのなんて最初の2行だけとか・・・いわゆる一つの没原稿
>保存してあるけど多分混沌に沈むでしょう

私もありますぅ。ときどき引っ張り出してそこからネタを考えたりしますけど。
ほとんどのばぁい闇の中に放り込みます。

>第一章とは長編になるんですか?楽しみ

うぅ〜ん、いちおー2話でおわりました。全部で3話の中で一番長いです。

>来世では同性…女同士とは、もしかして危ない話し?(女同士でいちゃいちゃ)

いやぁ〜、危ない方向へと行ってしまうかもと思ったのですけどいちおー
自分をコントロールしましたぁ。

>今までにないパターンで面白いかも、続き楽しみに待ってますので頑張ってね

ありがとうございまぁ〜す!!続きもどうぞ、よろしくおねがいしまぁす!

>あ、あと私のバレンタインとTrue liesコメント
>頂きましてありがとうございました

いえぇ〜〜、あんなコメントでよいのならぁ〜。
でぁ〜、しつれいしまぁす!

トップに戻る
6366〜時を超えて 第一章 紅と紫の出会い 2〜理奈 2/22-15:21
記事番号6363へのコメント

〜第一章 紅と紫の出会い 2〜

「ハァ〜…」
私は、テーブルに座って頭を抱えていました。
どうしましょう…どうしましょう…
「おはよー!」
二階から元気のいいリナさんが降りてきました。
「あれ?どうしたの、ゼロス?」
彼女は、頭を抱えている私のとなりに立ちました。
「実はですね…」
私が言うのもなんですけど、私のレストランは、けっこう有名なのです。それで隣町の一流レストランのオーナーが食べに来るという手紙があったのです。そのオーナーが認めるレストランは、一流レストランのグループの中に仲間入りし、一流の中の一流レストランになると、言われているのです。そして今日来る事になっているのですが…
「ルナさんが風邪で寝込んでる?」
「はい」
私は、うなづきました。
「しかたがありません…あやまって帰っていただくしかありません…」
「なぁーにいってんのよ!ゼロスのお店を国中に広める良いチャンスじゃない!」
「そうですけど…」
「でしょ!?」
「ですが、ルナさんがいなければ…」
「あたしがいるでしょ」
え…。
私は、リナさんを見上げました。彼女は、ニッと微笑む。
「あたしが料理するわよ」
「り、リナさん」
「ルナさんと勝るとも劣らない味なんでしょう?まかせて!ゼロスには、絶対恥をかかせない料理を作ってみせるわ!」
リナさんは、ガッツポーズをします。
「フルコースなんて作った事ないけど、何事も前向きに、やってみなきゃわからないでしょう!最初っからあきらめちゃだめ!」
「リナさん…」
私は、彼女の手を取りました。
「おねがいします」

リナさんは、隣町のレストランのオーナー、フィリアさんの前にメインのお皿を置きました。いい色に焼きあがってるチキンに特別なソースがかかっています。おいしそうな匂いが私たちの鼻にとどきます。
彼女は、フォークとナイフをとり、チキンを切って口にはこびました。彼女は、味わって食べました。そしてフォークとナイフを置き、口をナプキンで拭き取り、微笑みました。
「すごくおいしかったです。味は、もちろん、最初の前菜からこのラストのメインまでバランスよく作られています。このレストランのシェフは、一流と言っておかしくないほどの腕ですよ」
私とリナさんは、顔を見合わせました。彼女は、ウインクをしました。
「ありがとうございます!」
私は、頭を下げます。
「それでですね。今度、私たちのレストランで一流シェフを集めてパーティーを開く予定なんですよ。それにあなたたちにも出席してほしいのです」
フィリアさんは、そう言って私にカードを差し出し、私は、それを受け取りました。
「では、私は、これで失礼します。ごちそうさまでした」
「ありがとうございました!」
フィリアさんは、立ち上がり、レストランを出て行きました。
私とリナさんは、さけびました。
「やったじゃん、ゼロス!」
「リナさんのおかげです!」
私は、リナさんを抱きしめました。
「あたしを置いてくれてるお礼よ」
私は、リナさんを離し、あらためて頭を下げました。
「ほんとうにありがとうございます。最初、あきらめていましたけど、リナさんがあきらめちゃだめって言ってくれて…うれしかったです…本当にかえしきれない感謝の気持ちをいっぱいです」
「ゼロス…あたし、ゼロスのためだったらなんでもしたげる。そう思うんだよ。あたし、ゼロスの事好きだよ。あっ、変な風に取らないでね」リナさんは、笑いました。「初めて会った時からゼロスとあたしは、強いつながりがあるって思ってた。そんなゼロスのためになんでもしたげると思ってるんだよ。ゼロスの喜ぶ顔が見たいの」
彼女の微笑みを見て私の胸になつかしさと愛しさが広がります。
「私もリナさんの事が好きです。この数日間、リナさんといっしょにいられてすごく楽しかったです。だからこれからもいっしょにいてください。リナさんといると心が休まるんです。前に前世で知り合いだったかもっていいましたよね。もしかしたら前世では、好きあってたのでは、ないでしょうか?そんな気がするんです」
リナさんは、顔を赤らめました。
「かもね」
私は、彼女のほおにキスをしました。彼女の顔が真っ赤になります。
「あんたたち…なにやってんの…」
いきなり声をかけられて私たちは、ふりむきました。ルナさんが階段からこちらをあきれた顔で見ていました。
そのあと私たちは、必死になってルナさんの誤解を解こうとしました。

「本当に行かないんですか、ルナさん?」
私は、ルナさんに聞きました。
「いいのよ、私、何もしてないし、あなたたち、2人で行ってきなさい」
ルナさんは、微笑んで言いました。
パーティーの前日、私たちは、馬車で隣町へ行く事になったのですが、ルナさんは、行かないと言うのです。
「そうですか…では、私たちが留守の間、おねがいします」
私は、馬車に乗りこみました。リナさんは、先に乗っていました。
「いってらっしゃい」
ルナさんは、手を振りました。
「いってきます」
そして馬車は、走り出しました。
「リナさん?」
青い顔をしていたリナさんは、ハッと顔をあげて微笑みました。
「な、なに、ゼロス?」
「だいじょうぶですか?顔色がわるいようですけど?」
「だ、だいじょうぶよ…ただよっただけ…」
私は、ハッとしました。リナさんは、きっと事故の事をおもいだしたのでしょう。
私は、彼女のとなりにすわりました。
「だいじょうぶですよ・・」
「…ありがと…」
私は、馬車の外を見ました。街を出て広野の中の道を走っていました。晴れた青空は、雲一つない気持ちのいい日でした。その日は、とてもあたたかかったので、私たちは、馬車に揺られてお昼寝をしていました。
そして…森に入った時でした。
ヒヒ〜〜ン!!
ガタン!!
「きゃ!」
「わ!」
さっきまで気持ちよく寝ていた私たちは、いきなりの衝撃に目をさましました。
バタン!!
「に、にげて―ぎゃぁぁああ!!」
いきなり戸を開けて顔を入れた馬車の運転手さんが背から血を吹き出してたおれてしまいました。
「きゃぁあ!!!」
私たちは、悲鳴を上げて反対側の戸を開けて外へでました。
「ひっ!」
そこには…数人の盗賊が私たちを囲んでいました…

「すみません…リナさん…まもれなかったですね…」
私は、苦笑しました。女一人で盗賊の相手なんかできるはずないですね。
私は、木によりかかって膝の上に血だらけになって横たわっている彼女にいいました。しかし彼女は、動きません。
目の前には、馬車の運転手さんがたおれていて馬車の残骸があるだけでした。
「奇麗な顔がだいなしです…」
私は、リナさんの顔についていた血をぬぐいました。
「う…」
そのひょうしに体中のキズがいたみ、脇腹の傷口から血があふれだしました。
「…人って…死ぬ時…色んなこと…おもい…だすんですね…」
走馬灯と言うんでしたっけ…
「リナさん…あなたと…しり…あえて…私は、とても…しあわせでした…」
彼女の瞳は、閉じられていました。まるで眠っているように安らかな顔をしています。
「…前世…が…あるのですから…来世も…あります…よね…。来世も…会えると…そして…こん…どは…恋人…同士…が…」
私は、最後の力を振り絞って…彼女の冷たい唇に口付けました…
そして――


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

うぅ〜〜ん・・・なんかまとまりがないストーリー・・・。いまいち
よくないなぁ・・・
はい。とゆーわけで、女性同士です。なぜというと・・・なぜでしょう・・・
結ばれない中と言う設定を考えてたんですが・・・私の趣味なのだろうか・・・
あぁ〜〜、ごめんなさぁいぃい〜〜!!

トップに戻る
6370〜時を超えて 第二章 結ばれる事ができるのか 1〜理奈 2/24-09:46
記事番号6366へのコメント

〜第二章 結ばれる事ができるのか 1〜

「ゼロス兄ちゃん、これが噂のテレビってやつ??」
あたしは、ソファにこしかける。ソファの前では、ゼロス兄ちゃんが小さな箱から伸びているコードやアンテナをつけている。
へぇ〜、これがテレビかぁ〜。
「そうですよ、リナさん。さ、つけてみましょう」
ゼロス兄ちゃんは、そう言って、テレビをつけ、あたしのとなりに座る。
「うわぁ〜」
あたしは、テレビの画面を見ておどろく。
白黒で人が動いて喋ってるのだ。
「すっごぉい!」
「これは、ニュースと言うんですよ。世界で起こっていることや、回りで起こっている事を僕たちに伝えてくれるんです」
「へぇ〜〜」
友達の中でもテレビ持ってるのあんましいないから、なんか家が金持ちに思えて少しうれしい。だけど…
あたしは、ゼロス兄ちゃんによりそう。
ふふ、あったかぁい。
噂のテレビが手に入ったより、こーやって兄ちゃんといられるだけで、うれしい。
「かあさんたちは?」
「明後日までもどれないそうです」
ゼロス兄ちゃんは、あたしの肩に腕を回す。
「そっか…」
あたしは、ホッとする。父さんが帰ってこれないのは、ちょっとさびしいけど…ゼラス母さんが帰ってこれないのは、ちょっとうれしい。母さんは、あたしの事がきらいなのだ。父さんと兄ちゃんが見てない所であたしに色々とひどい事をする。なんせあたしは、ほんとうの娘じゃないだから。
あたしは、父さんの前の奥さんの、つまりあたしの本当の母さんの、娘なのだ。父さんと母さんは、あたしが生まれる前に離婚して父さんは、ゼラス母さんと再婚し、ゼロス兄ちゃんが生まれた。でも父さんと母さんは、別れてからも何回か会ってその時、あたしが生まれる。そして母さんが病気で死んじゃった後、父さんがあたしを引き取ってくれたんだ。そりゃ、ゼラス母さんがこんなあたしを嫌いなってもしかたないけど…。
だからゼロス兄ちゃんとは、腹違いの兄妹なんだ。だから全然似てない。ゼロス兄ちゃんは、闇色の髪に紫の瞳。あたしは、栗色の髪に紅い瞳。
腹違いだけど……あたしたちは、愛し合っている…。いつからだったか知らない。でも知らないうちにあたしたちは、ひかりあっていた。もちろん、親にも回りにも内緒。こうやって2人っきりの時しか恋人同士になれない。結ばれる事のない2人だけど…
あたしは、ゼロス兄ちゃんを見上げる。
「なんですか?」
兄ちゃんは、やさしく微笑む。あたしは、こんな兄ちゃんの微笑みが好き。
「なんでもなぁい」

「リナさん、リナさん」
学校も終わって家に帰る途中、呼びとめられた。ふりむいてみるとそこには、友達のアメリアが走ってきた。
「どうしたの、アメリア?先生に呼ばれたんじゃないの?」
「はい。でも先生が急な用でまた今度って言いました。だからいっしょに寄ってほしいところがあるんですけど」
あたしは、アメリアの言葉に瞳を輝かせる。
「どこ??」
「食べ物では、ありませんけど…」
「なぁ〜んだ」
あたしは、がっかりして言う。
「だったらいや」
「あぁ、リナさん!お願いです!いっしょに来てくださいぃ!」
アメリアは、あたしの腕をひっぱる。
「どこよ」

アメリアにひっぱられ、ついたのは、小さな家だった。ドアの上には、小さな看板がかかってあった。『フォーチュン・ハウス』???
「だっさぁい、名前」
あたしは、そう大声で言ってしまった。
「リナさぁ〜ん。そんな事言わないでくださいよぉ〜。けっこうあたるって評判なんの占い師の言えなんですからぁ。さっ、入りましょう」
アメリアが入っていったのであたしもシブシブ、ドアをくぐる。玄関からいっぽんの廊下しかなく小さな部屋へと続いていた。その部屋は、明かりがなく黒いテントが建っていた。
…部屋ん中でテントなんて建てるなよ…
そのテントの真ん中には、小さなテーブルの上に丸い水晶が置いてある。そしてその前には、ジプシー風の格好をした奇麗な女の人が座っていた。
「私の名は、シルフィール…少女よ…何用ですか…」
黒い、長い髪の女の人は、ゆっくりとそう言う。声は、そう…まるで鈴のよう…。
「あ、私は、アメリアです。シルフィールさんに占ってほしいことがあってきたんですけど」
アメリアは、あわてて言う。
女の人に見とれていたな。
シルフィールは、なんて言うんだろう。誰でも見とれてしまうと言う魅力があった。
アメリアは、シルフィールに占ってほしい事を話し、シルフィールは、それに答える。あたしは、そんなに興味なかったから2人の話を聞いていなく、ただ部屋の中のものを見ていた。
部屋のあちこちには、アミュレットが飾ってあった。
……こーゆーの前にも持っていたような気がするんだけど…
「ありがとうございます」
アメリアは、大きな笑みを浮かべて頭を下げる。
いい結果でも出たのかな。
「…あなた…」
シルフィールは、あたしを見る。
「はい?」
「禁断の愛…」
「!?」
あたしの心臓が大きく脈打つ。
この人…いったいどうやって…
「けっして結ばれる事のない2人…」
あたしは、顔を赤くする。アメリアは、あたしとシルフィールを見る。
「転生をくりかえす二つの心…しかし決して結ばれない運命…」
シルフィールの瞳がまっすぐあたしを見つめる。
「共に母なる混沌へと帰り…ちがう生命として生まれる…その繰り返し」
水晶が淡く輝く。
あたしは、ただシルフィールの言葉に耳を傾けているだけだった。
こんな事聞きたくない。結ばれないなんて自分でもわかってる。でも彼女の言葉を最後まで聞かないといけないような気がして…身体が動かない。
「生を歩むもの…滅びを歩むもの…それがあなたたちの始まり…その時…2人が交わした約束…忘れなければ…2人の心は、交わる…」

「変なものでも食べましたか?」
ゼロス兄ちゃんは、あたしに薬をわたして言う。
あたしは、身体を起こしてそれを受け取る。
「なによ、それぇ〜。まるであたしは、なんでも食べる食いしん坊みたいに」
あたしは、ほっぺをふくらませる。
それを見て兄ちゃんは、苦笑する。
昨日のお昼、風邪のガウリィのお弁当からお肉を取ったのがいけなかったのかな?おなかいたぁ〜い。
「一応母さん達に電話しておきます」
ゼロス兄ちゃんは、そう言って部屋を出て行く。
そして一昨日、アメリアといっしょに行った占い師の事をふと思い出す。シルフィールの言葉…。最初の方は、わかったけど…最後の方、あんましわかんなかった。約束ってなんの事だろう。
「ぐあいは、どうですか?」
ゼロス兄ちゃんは、ナイフとりんごを持って入ってきた。そしてあたしのベッドに腰掛ける。
「だいじょうぶだよ。兄ちゃんがいっしょにいてくれるから」
ゼロス兄ちゃんは、微笑んであたしの頬に口付けてくれる。
「リナさん、愛しています」
「…あたしも…」
あたしたちに唇が重なり合う…
「…たとえ…結ばれる事ができなくても…」

トップに戻る
6376〜時を超えて 第二章 結ばれる事ができるのか 2〜理奈 2/27-10:51
記事番号6370へのコメント

〜第二章 結ばれる事ができるのか 2〜

暗闇の中。何もない。ただわかるのは、あたたかく、気持ちのいい風が吹いているだけだった。
女性と男性の声が聞こえる。どこかで聞いた声…あたしの??そして…ゼロス兄ちゃん…?
その空の下で約束を交わそう
この大地の上で口付けを交わそう
時を超えて結ばれるために

…や…くそく…
“ゼロスにいちゃん…?”

バン
「あ、あんたたち!!?」
う・・ん・・何よ…せっかく気持ちのいい夢を見ていたのに…
「か、かあさん」
ゼロス兄ちゃんの声であたしは、ぱっちりと目を覚まし、起き上がる。となりで眠っていた兄ちゃんは、顔を青ざめてあたしの部屋に入ってきたゼラス母さんを見ていた。
「か、かあさん…」
ゼラス母さんは、あたしをにらむ。
ひぃ〜…お、起こってる…しかもものすごく…このじょうきょう…やばい…
「かあさん、何を勘違いしているんですか。僕たちは、何もしていません」
ゼロス兄ちゃんは、あわてて言う。
昨日の夜、あたしがせがんでいっしょに寝てほしいと言ったのだ。でもそれだけ。
「じゃ、リナのその姿は、どう説明してくれるの」
え…?
あたしは、下を向く。
ゲッ!!
ボタンが外れ、乱れてる。
そ、そーだった…暑かったので無意識のうちにはずしたんだ…
あたしは、あわてて胸元を隠す。
「こ、これは、暑くて・・」
「だまりなさい!」
あたしが説明しようとするとゼラス母さんは、怒鳴る。
「あなたね、ゼロスをそそのかしたのは!」
母さんは、そう言ってドアの横のテーブルの上に置いてあったナイフを手にする。
あぁ〜、かたづけておくんだったぁ〜〜
「か、かあさん!おちついてください!」
ゼロス兄ちゃんは、あたしをかばう。
「どきなさい、ゼロス!やはりあの時、あの人がつれてきたあなたを殺しておくべきだったのよ!」
母さんは、あたしたちに近づく。
「さすが、あのいまいましい女の娘だわ。あの女は、あの人を、そして今度は、娘が、私の最愛の息子を」
かあさんの顔は、狂喜にゆがんでいた。いままで見せた事ない恐い顔…
「かあさん!僕は、リナさんにそそのかされていません!僕は、僕の意志でリナさんを愛しています!」
かあさんは、兄ちゃんの言葉に驚く。そして顔を真っ赤にしてあたしをにらむ。
「やはりそそのかされているようね。まってなさい、ゼロス。今、その小娘を殺してあげるわ」
かあさんは、ナイフを握り締める。あたしの顔から血の気がひくのが感じる。かあさんは、本気だった。本気であたしを殺そうとしている。あたしは、回りを見る。後ろは、壁、右側も壁。左へは、逃げられない。窓を開けて逃げる余裕もない。
「死になさい!」
母さんは、あたしに向かってナイフを振り下ろす。あたしは、目を閉じる。
「リナさん!!」
フワリと抱きしめられる。
ドスッ!!
ナイフが突き刺さる音…しかし痛くは、ない。
あたしは、目を開ける。あたしは、ゼロス兄ちゃんに抱きしめられていた。ゼロス兄ちゃんの肩越しから彼の背が見える。
「!?」
ゼラス母さんの手に収まっているナイフが兄ちゃんの背を突き刺していた。
「あっ…あっ…」
母さんは、顔を青ざめ、ナイフを引き抜き、落す。
「に…にいちゃぁああん!!!」
あたしは、叫ぶ。
「り、リナさん…よ…よかった…」
ゼロス兄ちゃんは、やさしく微笑む。いままで見た微笑みの中で一番幸せそうな微笑み…
「愛して…いま・・す」
口の端から流れる血でぬれている唇があたしの唇とかさなりあい…
…………………………………………………
……真っ白……
「あ…あぁぁあああ!!」
ゼラス母さんの悲鳴。
……からっぽ……
何もわからない…もう…取り返しがつかない……
……もう笑ってくれない…口付けてくれない…
…もうなにがなんだかわからない……
あたしは、立ち上がる。
「ひっ!!」
ゼラス母さんは、あとずさる。あたしは、彼女の近くに落ちていたナイフを拾い上げる。
「や…や…」
母さんの顔は、恐怖でいっぱいになる。
「…ふふ…」
あたしは、微笑む。ナイフをふりあげ…自分の胸に突き刺す。
「…う…ぐ…」
激しい痛みが広がり、あたしは、膝をつく。
あたしは、身体を引きづりベッドの上で倒れているゼロスにいちゃんの隣へ行く。
「・・な、なんか前にも…こんな事があった…ような…」
…ゴフ…
喉の奥から暑いものが込上げて吐く。
“転生をくりかえす二つの心…けっして結ばれない運命”
「・・前も…むす…ばれなかった・・のかな」
目がどんどん霞んでいく…
「でも…」
でも…
「これで…」
結ばれる…事が…できるのかな…
あたしは、血で赤くぬれている手でゼロス兄ちゃんの手を取り――

トップに戻る
6384〜時を超えて 第三章 迷子の小猫のように〜理奈 2/28-12:46
記事番号6376へのコメント

〜第三章 迷子の小猫のように〜

僕は、空を見上げます。木々の間から奇麗な月が見えます。黒い空には、満天の星。夜なのに暖かい風が吹いています。
僕は、一本の木によりかかっていました。
頭がボーッとしています。僕は、回りを見ます。木以外、何もありません。
ここは…森の中でしょうか…
いきなり頭にするどい痛みが走ります。
僕は、頭を押さえようとしました。しかしその時始めて気づきました。左の腕と両足が動かないと言う事を。
折れているみたいですね。
いったい……ここは、どこなんでしょうか…
いったい……僕は、誰なんでしょうか…
何も思い出せません。頭の中は、真っ白です。
「ふぅ〜…」
これからどうしたらいいんでしょうか…。回りには、食べ物もありません。人が通る道もないので誰も来ないでしょう…。このまま死ぬしかないのでしょうか…。
ガサ…
僕は、ビクンと震えました。鼓動が早くなります。
だ…誰…
「にゃ〜…」
月明かりにてらしだされたのは、小猫でした。それは、栗色の毛をしたかわいらしい小猫でした。そして何よりも僕の目をひいたのは、小猫の紅い瞳でした。その瞳を見た瞬間、なぜかなつかしい感じが胸に広がりました。
「僕は、あなたの事を知っています…」
僕は、動かせる方の手をさしだしました。小猫は、近づいて僕の指をなめました。
「記憶を無くす前に飼っていたのでしょうか…」
僕は、小猫の頭をなでてやりました。小猫は、気持ちよさそうに目を細めます。
「メスのようですね」
「にゃぁ〜〜ん…」
「あっ…」
小猫は、短くなくと身をひるがえし、闇の中へ走り去りました。
「…ふぅ〜…」
あの小猫は、なんだったのでしょうか…なんかなつかしい思いがしたのですが…記憶をなくす前と何か関係があるのでしょうか…
僕は、空を見上げました。
…ねむいですね…

「…ん…」
指に冷たい感触がして目が覚めました。回りは、まだ暗いです。手の方を見てみると先ほどの小猫が座っていました。
「にゃん」
小猫は、かわいらしくなきました。小猫の横には、大きなパンがあります。小猫は、頭でパンを僕の手の横におしました。
「僕のためにとって来てくださったのですか」
僕は、そのパンを手に取り、半分に千切って片方を小猫の前におきました。
「ありがとうございます」
僕は、パンを口に運びます。空腹だったのでそのパンは、とてもおいしかったです。
「おいしいですよ」
僕は、小猫の頭をなでてやりました。
「にゃん」
小猫は、幸せそうな顔でパンを食べていました。

僕は、あたりを見回しました。
昼でも森の中は、暗いですね。
ずいぶん前にあの小猫が去っていきました。いくらまっても戻ってきません。
どうしたのでしょうか。
だんだん不安になってきました。
「にゃ…うにゃ…」
すると茂みの中からあの小猫が現れました。それを見てほっとしましたけど次の瞬間、驚いてしまいました。小猫は、なんと大きなフルーツバスケットを引きずってきたのです。バスケットは、まだ開いていなく色々な果物がつめられていました。
「あなた…これ、盗んできましたね」
「にゃぁ〜」
小猫は、ちょこんと座ってなきました。人間だったら微笑んでいるみたいに。
僕は、フルーツバスケットを開け、りんごを手に取り、食べました。しゃりっと音がして甘いジュースが口に広がります。
「甘くておいしいですね」
僕は、小猫が食べられそうな果物を取ってあげました。小猫は、勢いよく食べ始めました。
「…あなた・・誰かに似ていますね…」
僕は、小猫に話し掛けました。しかし小猫は、食べるのに夢中です。
クス…
「誰、と聞かれてもわかりませんけど…なつかしい感じがするんです。あなたのしぐさが、ある女性を思い出させるのですが…その女性も栗色の髪をしていると思うんですけど。誰なんでしょうか」
僕は、オレンジをむきながら小猫を見ます。
「僕は、きっとその女性をさがしてこの森の迷路に入りこんだ…そうまるであなたのような…迷子の小猫のようですね…」
小猫の紅い瞳が僕を見ます。
「出口は、あるのでしょうか…」

目に涙が浮かびます。
なぜだかわかりません。でもこの満月を見上げたとたん、心地よい風が吹いたとたん、せつない気持ちで胸が張り裂けそうな感じがしたのです。
さっきまで夢を見ていました。
このような月の下、木の影で僕と栗色の髪の女性が抱き合って眠っているのです。彼女と僕は、見慣れない格好をしていました。一世紀前までこの世界に存在していた魔道士と神官の格好をしています。今の時代、魔法も必要なくなったとされ、魔道士も神官もいなくなったはずなのです。ですから神官姿の僕は、僕であって僕では、ないのです。
ともかく。女性は、ふと目を覚ましました。開かれた瞳は、紅。そして僕のひたいに口付けてくれました。そして立ち上がって去ろうとした時、神官姿の僕が目がさめ、彼女を引き止めようとしたのです。彼女は、首を振り、歩き出します。僕は、力いっぱい叫びました。愛していますと。彼女は、振り向きました。紅い瞳から涙があふれ、微笑みました。そして彼女は、なにかを唱えて飛んでいきました。
そしてそこで僕は、目をさましました。
また心地のよい風が吹きました。
あの夢は、なんだったのでしょうか。
「にゃぁ…ん…」
あの小猫だ。また食べ物をとりに行ったのでしょうか。
「!?」
僕は、茂みから現れた小猫を見て絶句しました。
体中のあちらこちらから血が流れているのです。小猫は、僕のそばまで来て倒れてしまいました。僕は、小猫を抱き上げました。
…このキズでは、たすかりませんね…
「僕のために食べ物を取ってこようとしてお店の人にでもやられたのでしょうか…」
「にゃ…」
小猫は、僕の指をなめました。そのとたん、僕の瞳から涙がこぼれました。まるで愛しい人の死に際を見ているようです。
「あなたに死なれたら僕は、どうすればいいのでしょうか…」
僕は、小猫の頭に口付けました。
「…あたたかい…ですね」
小猫は、また僕の指をなめ…動かなくなりました。
僕も…もうだめのようですね…
…いっしょに眠りましょう…
満月が僕を照らし、あたたかい風がふきます。
僕は、ゆっくりと瞳をとじました。
またあの女性の夢を見たいと思いながら……

トップに戻る
6425切ないですわね。庵 瑠嬌 3/14-19:10
記事番号6384へのコメント


 こんばんは、庵 瑠嬌でございます。
 よかった、間に合いましたわねっ、先週ですでに読んでいたのですが、時間が無くて……。

 感想なんですけど、やっぱり、ゼロリナって、悲恋ですわね。
 たとえどれほど思い合っても、結ばれないというか……。
 女同士とか、兄妹とか、種族が違ったりとか……。
 今現在のリナさんとゼロスさんの、どうにもならない隔たりと、負けず劣らずどうにもならない隔たりですわね。
 全体的に、切ない話だったんですけど、それぞれ一応別人の筈なのに、リナさんがリナさんらしいことを言ったりすると、妙に嬉しかったですわね。
 でも、お互いともちゃんと想い合っていて、そこでは大満足(^^)

 ああっ、なんか短いですわねっ(しかも変)。
 それからっ、乙女の聖戦の感想、ありがとうございました。
 うぅっ、お返事しようと思ったら、落ちてしまっていて……(言い訳してどーする)
 懲りずにレスつけてくださると嬉しいです。
 それでは、失礼をば……