◆−「たどり着くために」(16)−T-HOPE(3/28-20:43)No.6535
 ┣お待ちしておりました!−南戯(3/29-14:42)No.6537
 ┃┗お待たせいたしております(^^;)−T-HOPE(4/4-21:25)No.6553
 ┣頑張って下さいませ!−庵 瑠嬌(4/4-14:17)No.6550
 ┃┗有り難うございます〜m(_)m−T-HOPE(4/4-21:45)No.6554
 ┗「たどり着くために」(17)−T-HOPE(4/4-21:48)No.6555
  ┗たどり着くために(18)−T-HOPE(4/4-21:57)No.6556
   ┗『君の名は』−メイメイ(4/7-10:45)No.6573


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6535「たどり着くために」(16)T-HOPE E-mail URL3/28-20:43


 いったいいつ終わるんでしょう、このお話・・・。
 終わりもそこへ行く道筋も見えてるんですけど、どのっくらい行数食うかがいまだに判りません(−−;)
 ・・・本当は、今日、もうすぐ進めたかったんですけどね〜。
 某イベント行ったんで、その待ち時間に・・・と、思ってたんですが(過去形)・・・。
 ・・・寒さに負けました(死)
 あまりの寒さに、今載っけてる分だけちまちま作り上げた後、ダルマになって寝てましたね(^^;)
 ほんっきで凍死するかと思った(^^;;;

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎


         たどり着くために
            ――もう一人の「私」へ――


『……何であいつがここにいるの…………っ!?』
 リナが、いきなり、そう叫んだ。
「…………へ?」
 リカは、その声の厳しさに、きょとんとする。
 妙な男と向き合った時も、変な女のような魔族が出てきた時も、リナの口調は辛辣でこそあったものの、これ程強くはなかった。……切実だったことは、あったけれど。
 二人は――というより、リナは、先程の魔族にやられた肩の傷を癒しつつ、男の方を警戒しているようだった。
 治癒(リカバリィ)で済む程度の怪我だったのは、ラッキーだ……と、リナはリカに言った。
 その違いは、リカにはよく判らない。リナも、判るように説明まではしなかった。
 説明するよりも警戒する方に神経を使っている……ということは、リカにも判ったのだが。
 ただ、とりあえず、リナの呪文にあわせて痛みが消えていくことは確かで……彼女にしてみれば、それでよかった。
 そんなリナの呪文が、不意に止まり、視線が砂煙の向こう、一点に定まったのだ。
 リカには、何も見えない。
 けれどリナは、何か見えない糸で導かれているように、ふらりと立ち上がった。
『何で……いるの。
 ……――まだ』
 呟く声に、意識は乗せられているのだろうか?
 無防備な衝撃の含まれたその声に、リカは、じんわりとした不安を覚えた。
 ……だが、その源は、リカには伝わってこない。
「リナ!?
 ――何かいるの?
 あの男が来るの? それとも、先刻の女がまた……」
『………………』
 けれど、リナの応えは返らない。
 ついと一歩前に出た身体が、視界のきかない砂塵の霧の中、小石に躓いた。
「……痛っ」
 身体をひねった拍子に、治りきらない肩の傷が、痛みを訴えた。
 それでも、叫んだのは……痛みを認識したのは、リカだけだ。
 リナはまた、一歩、踏み出した。
(いったい……何だって…………)
 リカが、リナの内側で首をかしげた時、だった。
 ざぁっと何かが放たれたように、風が木々を、川面を揺らし、舞い上がっていた土塊達を二つに分けた。
 その合間に、
(…………え?)
 リカは、首をかしげた。
(あれは、誰?)
 漆黒の影、一つ。
 先程の男とは、明らかに姿が違った。
 けれど……やはり、川面に立って、いる?
 白い面が、一瞬だけこちらを振り返ったような気がした。
(………………あれ)
 リナが、肩をびくりと揺らす。
 けれど、次の瞬間……。
『あ、待ちなさ…………っつ!』
「リナッ!」
 ざっと足が滑った。
 ――治癒は、怪我をした当人の生命力を使って傷を癒す。復活とは、その点が根本的に異なった。
 つまり、リカの身体の負ったような大きな怪我をそれで治した時には、その行為と引き換えに、体力を殆ど奪われてしまう、ということになる。
 気力だけで動かされていた身体。
 強いた安定は、刹那にバランスを崩す。
 地べたに這うように伏せてしまいながら、リナはきりっと唇をかんだ。
「リナ? ……大丈夫?」
 心配そうなリカの声も、届いているのかどうかは謎だ。
 リナは、波の静まりかかった川面を、ただ見つめていた。
『……何故…………?』
 絞り出すような声音。
 リカは再び問いかけよう……として、はっとした。
(――先刻の人は、何処!?)
 もはや静まり、たださらさらと流れる川。その付近に、人影は、自分達のものしか落ちていない。
(…………。
 ……え……?)
 リカは、首をかしげる。
 リナの呟きが耳をかすめ、思い出したように吹いた風に乗って何処かへ行ってしまうのを、遠くで知りながら。
『何故……いるの、ここに。
 ――あいつが……』
(あの人は…………)
 ――そして、リナとはいったい、どの様に関わるのか……?
 疑問を抱えながら、リカは沈黙を選んだ。
 今まで見せたことがないほど――泣いていた時よりも、ある意味で辛そうなリナの姿を知りながら、問う言葉など、出てこなかった。
 だから、彼女は疑問を抱え込みながら、沈黙を選んだ。
(…………あの人は…………)

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 いったいいつの間に、(15)だなんてご大層なことになってたんでしょう(汗)
 ・・・まだ読んでいて下さる方なんて、いらっしゃるのかなぁ。
 よぉっぽど寛大で寛大で寛大で、さらに奇特な方でないと・・・う〜(;;)
 すみません、まだ続きます・・・(−−;)
 え〜と、とりあえず、半分は確実にこえてるんですけどね・・・(^^;)
 あとは、ピーがポーを見て、パーに会いに行って、でもってまたもプーが出てきて・・・(適当な単語をあてはめて下さい(^^)
 ・・・えぇ、予定では・・・・・・(でも、予定は未定・・・・・・)
 しかも、次に来れるの、いつになるか判らないし・・・(遠い目)
 それでもいいとおっしゃって下さる、ひっっっじょぉに心優しい方。
 できれば・・・次が出た時、お目を止めてやって下さると嬉しいです(^^)

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6537お待ちしておりました!南戯 E-mail URL3/29-14:42
記事番号6535へのコメント

 こんにちは、初めまして、南戯(なぎ)と申します。過去ログで「たどり着くために」の一番を見つけて以来、ずっと読ませていただいております(^^)最初に読んだときは「ほんとにスレイヤーズかい、これは!」などと思いました。だって、世界観、違ったし……(^^; 今はすっかり、ファンとなっております。
 これからも、応援しております。ではでは。

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6553お待たせいたしております(^^;)T-HOPE E-mail URL4/4-21:25
記事番号6537へのコメント


> こんにちは、初めまして、南戯(なぎ)と申します。

 初めまして、T−HOPEと申します(こちらでは、一応(^^;)

>過去ログで「たどり着くために」の一番を見つけて以来、ずっと読ませていただいております(^^)最初に読んだときは「ほんとにスレイヤーズかい、これは!」などと思いました。だって、世界観、違ったし……(^^; 今はすっかり、ファンとなっております。

 あぅぅぅ。そーですね。確かにスレイじゃない・・・かも・・・(汗)
 えぇ、そんなんでも読んでいただき、大感謝、ですっ!

> これからも、応援しております。ではでは。

 有り難うございます〜m(_)m
 できるだけ早く・・・とは、思っておりますけど・・・はい(^^;;;
 お気が向かれましたら、続きも読んで下さいませ〜。

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6550頑張って下さいませ!庵 瑠嬌 4/4-14:17
記事番号6535へのコメント


 こんにちは、庵 瑠嬌でございます。

> いったいいつ終わるんでしょう、このお話・・・。
> 終わりもそこへ行く道筋も見えてるんですけど、どのっくらい行数食うかがいまだに判りません(−−;)

 どのくらい行数食ってもかまいません。
 終わりが来るまで、わたくしは貴女を追い続けますわ!
 だから、諦めず、投げず、根性で書き続けて下さいませ。

> ・・・本当は、今日、もうすぐ進めたかったんですけどね〜。
> 某イベント行ったんで、その待ち時間に・・・と、思ってたんですが(過去形)・・・。
> ・・・寒さに負けました(死)

 寒さって嫌ですよねぇ……わたくしは外にでるときは、いつもコートとセーター着てます。
 最近は、コートはあまり着なくなってますけど……って関係ないですわね。
 イベントですか……一度行ってみたいですわねぇ……はしゃいで熱だしそうですけど(似たような経験有)。


> あまりの寒さに、今載っけてる分だけちまちま作り上げた後、ダルマになって寝てましたね(^^;)
> ほんっきで凍死するかと思った(^^;;;

 どこに住んでおられるんです……??
 この季節に凍死しそうって……。


> いったいいつの間に、(15)だなんてご大層なことになってたんでしょう(汗)
> ・・・まだ読んでいて下さる方なんて、いらっしゃるのかなぁ。
> よぉっぽど寛大で寛大で寛大で、さらに奇特な方でないと・・・う〜(;;)

 読んでおります、読み続けますから、頑張って下さいませ。
 こうなったら、20でも30でも続けて下さい。
 待つのは平気ですからっ


> すみません、まだ続きます・・・(−−;)
> え〜と、とりあえず、半分は確実にこえてるんですけどね・・・(^^;)

 つまり、30を過ぎることはないかもしれない、ということでしょうか?
 それとも、確実に20は超えるという事ですか……?
 なんにせよ、読みます!


> あとは、ピーがポーを見て、パーに会いに行って、でもってまたもプーが出てきて・・・(適当な単語をあてはめて下さい(^^)
> ・・・えぇ、予定では・・・・・・(でも、予定は未定・・・・・・)
> しかも、次に来れるの、いつになるか判らないし・・・(遠い目)
> それでもいいとおっしゃって下さる、ひっっっじょぉに心優しい方。
> できれば・・・次が出た時、お目を止めてやって下さると嬉しいです(^^)

 遅くなっても、長くなっても、わたくしは読みます!
 わたし、待ーつわ♪
 の精神で、終わりがくるのを待ちつつ読み続けますっ!
 ……ということで、しみじみハイテンションで妙な感想ですが。
 それでは失礼をば。 


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6554有り難うございます〜m(_)mT-HOPE E-mail URL4/4-21:45
記事番号6550へのコメント


> こんにちは、庵 瑠嬌でございます。

 こんばんは、T−HOPEです。
 いつも有り難うございます〜m(_)m

>> いったいいつ終わるんでしょう、このお話・・・。
>> 終わりもそこへ行く道筋も見えてるんですけど、どのっくらい行数食うかがいまだに判りません(−−;)
>
> どのくらい行数食ってもかまいません。
> 終わりが来るまで、わたくしは貴女を追い続けますわ!
> だから、諦めず、投げず、根性で書き続けて下さいませ。

 いえ、諦めも投げもしませんけど(性格上できなかったりします(^^;)、たいっへんご迷惑な気が・・・(汗)
 ・・・だから、早く終えたいなぁ・・・と、思う割に、書き足したいことは増える(−−;)
 不思議です(^^;;;

>> ・・・本当は、今日、もうすぐ進めたかったんですけどね〜。
>> 某イベント行ったんで、その待ち時間に・・・と、思ってたんですが(過去形)・・・。
>> ・・・寒さに負けました(死)
>
> 寒さって嫌ですよねぇ……わたくしは外にでるときは、いつもコートとセーター着てます。
> 最近は、コートはあまり着なくなってますけど……って関係ないですわね。
> イベントですか……一度行ってみたいですわねぇ……はしゃいで熱だしそうですけど(似たような経験有)。

 春は、昼と夜の温度が違いすぎて嫌ですね。
 遅くまでで歩かずにすめば、好きな季節なんですけど・・・(^^;)
 イベントは・・・まぁ、あれ、一種のお祭りですし・・・(笑)

>> あまりの寒さに、今載っけてる分だけちまちま作り上げた後、ダルマになって寝てましたね(^^;)
>> ほんっきで凍死するかと思った(^^;;;
>
> どこに住んでおられるんです……??
> この季節に凍死しそうって……。

 住んでるのは・・・東京の西の端の方。
 イベントあったのはビッグサイトです。
 前の日は暖かかったんですけどねぇ・・・二日目、ほんっっっきで寒かったです。
 風なきゃ、も少しマシだった筈なんですけど・・・。
 ・・・しばらくして立ち上がったら、足かじかんで動きにくかったです(;;)

>> いったいいつの間に、(15)だなんてご大層なことになってたんでしょう(汗)
>> ・・・まだ読んでいて下さる方なんて、いらっしゃるのかなぁ。
>> よぉっぽど寛大で寛大で寛大で、さらに奇特な方でないと・・・う〜(;;)
>
> 読んでおります、読み続けますから、頑張って下さいませ。
> こうなったら、20でも30でも続けて下さい。
> 待つのは平気ですからっ

 うぅぅぅ。どうも有り難うございます〜(TT)
 ・・・でも、本気でどうにか・・・ならないか(−−;)

>> すみません、まだ続きます・・・(−−;)
>> え〜と、とりあえず、半分は確実にこえてるんですけどね・・・(^^;)
>
> つまり、30を過ぎることはないかもしれない、ということでしょうか?
> それとも、確実に20は超えるという事ですか……?
> なんにせよ、読みます!

 ・・・・・・・・・。・・・・・・謎です(−−;)
 話的に、半分はいった・・・ということなんで・・・はて?(^^;)

>> しかも、次に来れるの、いつになるか判らないし・・・(遠い目)
>> それでもいいとおっしゃって下さる、ひっっっじょぉに心優しい方。
>> できれば・・・次が出た時、お目を止めてやって下さると嬉しいです(^^)
>
> 遅くなっても、長くなっても、わたくしは読みます!
> わたし、待ーつわ♪
> の精神で、終わりがくるのを待ちつつ読み続けますっ!
> ……ということで、しみじみハイテンションで妙な感想ですが。

 はぅぅぅ(;;)
 とってもとっても有り難いです。できるだけお待たせしないように・・・ように・・・したいかな、とか(^^;)
 ・・・それでがこれで失礼いたします。
 お気が向かれましたら、感想でも下さいませ〜・・・。

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6555「たどり着くために」(17)T-HOPE E-mail URL4/4-21:48
記事番号6535へのコメント

 う〜〜〜〜ん。進まない・・・(−−;)

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎


  たどり着くために
      ――もう一人の「私」へ――


 ぐいと、細い指が石を握った。
『…………』
 バシャンッ!
「…………。
 ……リナ?」
 無言のまま川面の石を投げ付けたリナに、リカは恐る恐る声をかけた。
『…………捜す』
「ち、ちょっと!?」
 そのまますたすたと、何事もなかったかのように歩き出そうとしたリナを、リカは疲弊した精神力を奮い起こして引き止めた。
「捜すって……まさか、先刻の人っ?」
『……そう、よ』
「心あたりでもあるのっ?」
『ないわ』
 短い答えが、かえって怖い。
 リカは内心身を退きつつ、それでも何とか声を絞り出した。
「で、でも、今は身体もがたがきてるし……」
『………………』
「……準備、整えてからの方が、いーんじゃないのかなぁ……。……なんて……」
『………………』
「…………。
 ……リナ?」
 ひたすらひたっすら無言を通すつもりらしいリナに、リカは疲れも手伝って、弱々しい声で尋ねかけた。
 実際、脱力感も酷い。
 それに気づいたのか、リナはやっとまっとうに言葉を返した。
『――あいつなら、知ってるかもしれないのよ。
 ……あたしが、あんたの中に入りこんじゃう直前のできごとってやつを』
「……えっ?」
 リカは、呆気にとられた声で、それだけをまず呟いた。
「……思い出したの?」
『………………』
 僅かな沈黙が、リカの中に落ちた後、
『……判らないわよ。
 だから、急がなきゃならないの』
 きっぱりした語調に、リカはしばし迷い……そして、こっくりと頷いた。
 原因を早く解明したいというのは――忘れかけていたような気がしないでもないが――リカもリナと同意見だったから。
「判った。けど、でも、ちょっと待って。闇雲に捜したって、仕方ないよ」
『だからって……っ』
「――あのね。……心当たりが、一つだけあるの。…………結構、心許ない代物なんだけど……」
 一瞬だけ振り向いた、白い面。
 自分の記憶にどれだけ信頼がおけるものか、リカにしてみれば、自信などなかった。
 それでも、確かめてみる価値くらいなら、あるだろう。
 消えた一つの姿を脳裏に再現しながら、リカは、小さく、そう呟いた……。

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 文章、最近下手ですねぇ。
 上手くなりたいんですが・・・・・・どなたかいい方法御存知ありません?(^^;)

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6556たどり着くために(18)T-HOPE E-mail URL4/4-21:57
記事番号6555へのコメント

     たどり着くために
          ――もう一人の「私」へ――


『……で、何なの。心当たりって』
 家に帰るなり、お帰りの声に応えるのもそこそこに、部屋に飛び込んで、リナはまずそう問うた。
 ――……後で、いったい何やってるんだとか聞かれそーだなぁ……。
 すれ違う時の母親の表情に、リカは少しげんなりした。
(ま、しょーがない、か)
 その時は、テストの点数が悪かったので勉強しているとでも誤魔化せばいいかと割り切ることにして、リカはリナへと意識を戻した。
「だから、ちょっと待ってって、先刻から言ってるじゃない……」
 もはや溜息をつく気も失いながらそう答えると、リカは、部屋に置いてある電話の子機を取った。
 その間も、リナの意識がこちらの行動に集中しているのが感じられる。
 そのせいか、それとも暫く自分の意思で身体を動かしていなかったせいか、動きは何処となくぎくしゃくしていた。
「…………えとぉ」
 手近なアドレス帳をパラパラめくりながら、リカは首をかしげた。
 リカとて、判っては、いるのだ。
 この事態に対する真剣度が、リナと自分とでは、かなり違うということは。
「あ、こいつ」
『……この子が、どうかした?』
 ぴしっとリカが指し示したのは、女性のものらしい細い綺麗な字体で書き記された一つの名前だった。その下に、電話番号と住所と生年月日が同じ字体で記されている。
 リカは、少し苦笑した。
「……オカルトマニアって、判る?」
『――つまり?
 お化けの話だの何だのが大好きな?』
「…………。
 ……まぁ、そんなもん」
 おそらく、何処の学校の片隅にも一人はいるだろう、周囲の妙な視線を受ける対象。それが、実は彼女だったりしたのだ。
 リカにしても、出席番号が近いというその一事さえなければ、深く付き合うことはなかっただろう。
「彼女、ね。
 ……いわゆる、七不思議とか集めるの好きなタイプで……」
『…………別に、人の好みにあれこれケチつける気はないけど。
 その子が、何?』
 リナの言葉に、リカは軽く肩をすくめてみせると、相手の番号を押した。
 ややあって、
〔はい、ウーリッジです〕
「あ、マリア? リカだけど」
〔何だ。
 ……どしたの、今日は?
 現社のテストあったんだよ〕
「…………う゛。ホント?
 やば…………って、そーじゃなくて!」
 話がずれかけて、リカは慌てて軌道修正を試みた。
〔何?〕
「……マリア。あんたさ、この辺にある七不思議全部言えたんだよね」
〔え? 当然でしょ。それは基本中の基本よ。
 ……でも、珍しいわね。あんた、いつも、この手の話しようとすると逃げてくじゃない〕
 ――それは人として当然の反応だ……と、普段のリカなら言うのだが、さすがにそんな場合ではなく、小さく苦笑だけして誤魔化すことにした。
「まぁ、その……ちょっとね。で、それについて聞きたいことがあって」
〔何?
 夜になると人影が抜け出す美術館の絵?
 誰も近寄ることすらできなくなった歴史館の宝飾品?
 赤く輝いて崩れた剣?
 怖そうとすると祟りの起こる紅い花のお墓?
 それとも……〕
「そ、そうじゃなくて!
 えと……あったでしょ、確か。
 何年かおきに消えては現れる占いの店……とかって」
 とうとうと流れ出る言葉を遮るようにリカが言うと、マリアは、軽い声で肯定の返事をよこした。
〔あぁ、うん。
 でも私あれ、あんまり気に入ってないのよね。
 店主の姿が全く変わらないとか、ある程度の年月が過ぎると不意に店仕舞いして、何年後かに全く同じ店と同じ主人が現れるって……何か、七不思議として違う気がしない?〕
「その辺はよく判らないけど…………でも、前、一緒にその店見に行ったことあったよね?」
〔行ったじゃない。
 で、顔だけいい何だか妙な人見て、帰ってきたの。
 でも、そんな不思議な人には…………〕
「その店!
 その店、何処にあったっけ?」
〔え?〕
 マリアは、受話器の向こうで一オクターブ高い声を上げた。
〔何?
 いきなり興味出てきたの、あんた?〕
「ま、まぁ……そのぉ……」
〔…………。
 ……いいけど、別に。いい傾向だし。
 ……んじゃ、FAXで地図送ったげるわ〕
「有り難う!
 ……今度、アイスくらいならおごるから!」
〔はいはい。
 ……んじゃ、これから送るね〕
「よろしく!」
 ……そして、リカは、ゆっくりと受話器を戻した。
「…………そういうわけで」
 そして、電話用の大きな声を抑え、ぽつりとそう言った。
『……“あれ”が、その妙な人だ……って、わけね』
 静かにリカの内側で話を聞いていたらしいリナが、淡々とそう応じた。
「確信はないけど…………多分」
『いいわよ。
 どうせ、当てないことには変わりないんだし……少しでも可能性ある方が』
「うん」
 リカも頷き、そして……。
(…………あれ。
 ってことは、明日も学校さぼんなきゃ、かな…………)
 さて、その後どう言い訳しようかと、カレンダーを睨みながら、首をかしげた……。

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 何か展開に無理が・・・(−−;)
 最初はこの話、もっと単純だったんですが・・・何でこんなわけわからなくなったかな。
 ・・・さすがにこれ以上わけわからなくするのが嫌で、このあたりの展開は以前通りだったりします。
 ・・・・・・多分、いきなし妙なことになるのは、そのせい(−−;)
 いえ、一応、七不思議にも裏はあるんですけどね・・・(^^;)

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6573『君の名は』メイメイ E-mail URL4/7-10:45
記事番号6556へのコメント

T-HOPE様

こん**は。
メイメイでございます。

続きがいっきに二つも。わ〜い。

でも、お忙しいようなことを以前おっしゃってましたよね。
あの、無理なさらないで下さいね。

それにしても、もう一度読み返して確認した方がいいかも知れませんが、あの方のお名前が、まだ出てませんわよね。
間違いなくあの方よね。
と、時々どきどきしてしまいます。

ああ、プーとかパーとかブブーとかピーヒャララとかって、誰だろー?
楽しみにしております。
ではでは。