◆−囚われの魔剣士・プロローグ−鈴鳴 彩菜(4/4-22:49)No.6557
 ┗囚われの魔剣士・第一話−鈴鳴 彩菜(4/4-22:56)No.6558
  ┗囚われの魔剣士・第二話−鈴鳴 彩菜(4/4-23:01)No.6559
   ┗囚われの魔剣士・第三話−鈴鳴 彩菜(4/4-23:10)No.6560
    ┗囚われの魔剣士・エピローグ−鈴鳴 彩菜(4/4-23:16)No.6561


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6557囚われの魔剣士・プロローグ鈴鳴 彩菜 E-mail URL4/4-22:49

はじめまてー。
「猫本店電脳亭」でゼルアメしてる、鈴鳴 彩菜と申します。
いつもここ読んでます♪♪この度、何か贈ろうと思いまして。
僭越ながら、うちでやってた短い連載物をUPさせて下さい♪
のーみそうにな文ですが、楽しんで頂ければ幸いです★
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囚われの魔剣士
プロローグ 姫君の旅立ち



いつも 想ってる
あなただけを

あなたのためになら
きっと強くなれる
誰よりも

――女の子だって、つよく、なれるから。



すべては。
ここから始まる。
それは、乙女達の戦い。



「あれが、フィブリゾ様やガーヴ、そしてダークスターのかけらを
倒したものたちか」
「はい。おかあさま」
そこにはオーロラのような朧気なヴィジョン。
それが映しだすものは、3つ。

――栗色の髪の少女と、それを守るように共に歩く金色の髪の青年。

――広野を独り彷徨い歩く銀髪のキメラ。

――どこかの豪奢な建物のバルコニーで物憂げな表情をうかべる姫君。

それを興味深く見つめるのは、亜麻色の長い髪の、女性。
だが、それははたして「ヒト」であったか・・・。
その女性に仕えるは一人の青年。黒髪と燃えるような赤い瞳が印象的だ。
女性は眉一つ動かすことなく、告げる。
「この男達が欲しい。もう、普通の人間は、飽きた」
「・・・はい、おかあ、さま」
青年もまた、眉一つ動かさない。だが、その瞳には一瞬、悲しみ嫉妬ともつかぬ色が浮かんだ。
だが、次の瞬間かの者の姿は周りの色に溶け消えた。
あとは、広い空間にぽつんとある大きな椅子に腰掛けた女性が残されたのみ。

「ふふふ・・・この者達の心も体も、私の、もの・・・」
妖艶な微笑。
その女性の背後には、数え切れない青年達の閉じこめられたクリスタルが、
ただ紫色の輝きを静かに放っていた・・・。


「あんたねぇ!!それ、あたしのでしょお!って、言ってる側から食うな!!」
「え、そーだっけ」
「そーよ!」
ほほえましい(?)食事風景。リナとガウリイは、とある町の食堂でやや遅いお昼ご飯を取っていた。

「そーいやさぁ」
「何よ(むぐむぐ)」
「あいつら・・・元気でやってるかな?」
「ああ。ゼルとアメリアのこと?そおね・・・ダークスターの一件も終わって、もう数ヶ月ってとこ?
ま、ゼルは相変わらず人間に戻るための方法を探して走り回ってるんだろーし、
アメリアもお城でがんじがらめの生活送ってんでしょうね。つーか、二人で探して旅したほうがいいに決まってんのに、とあたしは思うけどね。
それなりの思惑があんでしょ?多分」
「そっか」
ガウリイは一言、そう言って別の話題に転じようとした、そのときだった。
背後に気配すら感じさせず、男が立っているのに気づく。二人は食事の手を止めその人物と向き合った。

・・・こいつ?あたしやガウリイにすら気づかれずこんな間近に接近するなんて・・まさか。
「リナ・インバース。それにガウリイ・ガブリエフ。だな」
「そうだけど。なにかご用かしら?・・・魔族さん?」
「・・・何だ。気づいて、いたのか。」
あたりまえだっつーの。不自然なことこの上ない。
・・・気づかないほーがおかしいわ。ま、経験の上の推理でもあるんだけど・・・

「判っているなら話は早い。ガウリイ・ガブリエフ。一緒に我が母の元へ来て貰う」
「・・・俺?なんでだ?リナ、俺なんかしたっけ」
「さーね。どーでもいいけど、随分とーとつなおハナシじゃないの。それで何が目的?・・・そう簡単に話してくれるとも思えないけど」
瞬間、リナの脳裏に秘密博愛主義者の中間管理職魔族の姿が浮かんだ。
だが、青年・・・の姿の魔族はあっさりと吐いた。
「わがお母様が、珍しい男をご所望なのだ」
めづらしい・・・っておひ。
なんかイリオモテヤマネコかエリマキトカゲのよーないわれをうけてるし。ガウリイってば。
「それに、別にお前だけではない。お前達のかつての連れ・・・キメラの男もだ」
「な・・・ゼルガディスも!?」
「さて、おしゃべりはおしまいだ。お前達に拒否する権利はない」

来るか!?あたしとガウリイは身構える。だが・・・!
「そう簡単に・・・く・・・う・・???!!!」
「ぐっ・・な・・なんだ!?」
青年の赤い瞳が血の様な深紅に輝いた瞬間、あたし達の動きは止まった。
というか・・・体が動かないのだ。これは、呪縛・・・!?
周りの客はそんなあたし達に気づかない。

そして、あまりにもあっさりと。
手がかりすら残さずに。
青年と、ガウリイの姿はあたしの前からかき消えた。



・・・それから半時後。
同じ様な展開が、森の中を一人町へと向かうゼルガディスの前で再現されていた。
違うのは場所と、彼一人ということだけ。

「バカな。ガウリイ、はてはリナまでも手が出なかったと?誰がそれを信じる」
「信じる信じないはお前の勝手だ。お前には選択肢はない」
「誰が魔族の酔狂なコレクションになってやる義理があるか。抵抗させてもらう」

しゃらん。ゼルガディスの愛剣が、鞘から抜かれる。
だが、ゼルガディスもまた赤い瞳の呪縛に縛られた。
「く・・・!!」

抵抗するいとますら与えられず。
二人の男達は、美しい魔族の手へ落ちた。
ゼルガディスの脳裏に最後に浮かんだのは、自分に微笑み掛ける、艶やかな黒髪の姫だった。



それから数日後、アメリアに一通の手紙が届く。
そこには、リナの字で。


「・・ガウリイとゼルが、魔族に捕まった。
・・・巻き込みたくはなかったけど、――ゼルのことがあるから。
・・・できることなら。
力を、貸して。勝手なのも、危険なのも判ってる。でも。いま、頼れるのは・・・あなたしかいない」


そう、記してあった。書き殴るような、字で。
その日の夜、彼女の姿は部屋に無く、ベッドの上にはドレスが脱ぎ捨てられていた。

――次女が最後に目にしたのは・・・。

開け放たれたバルコニーと。
そこから流れてくる風を受けカサカサと音をたてる机上の手紙だけだった。

つづく



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
・・・あ〜あ。やめときゃいーのにつらいのに。始まってしまいました。
連続もの。スケールが大きくなればそれにともなって色々大変なのはわかってたんですが・・・、これは結構前から考えてたお話でして。
本当は漫画にすることも考えたんですが・・どーもページがシャレなんないし画力がついてくるか疑問だったもんで・・・。でも、なんかプロローグ書いてみて、
何か考えてる事の1/3ぐらいしか表現できてないよーな。あああ、もどかしい。とにかく、今しばらく見守って頂ければ幸いです。次回はやっとヒロインで
あり主役でもある鉄骨娘の登場です♪よろしくね★
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


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6558囚われの魔剣士・第一話鈴鳴 彩菜 E-mail URL4/4-22:56
記事番号6557へのコメント

囚われの魔剣士
第一話 真打ち登場?君の名は

「ふふ・・・」

建物の中。空虚な空間。
そこにはあの女性がいた。
傍らには巨大なクリスタル球・・・。
その中にはガウリイ、ゼルガディス。

「・・・俺達を、どーしよーってんだ、あんた」
ガウリイが目の前の女を見据える。

「私はあなた達が欲しいの。その心も、体も。私のものにしたいだけ・・」
「随分と熱烈な人だな」
「・・・それで、後ろのやつらは晴れて「自分の物」にした男達
・・・ってことか」
ゼルガディスが忌々しげに彼女の背後で鈍い光沢を放つ無数のクリスタルに視線をやる。

「ふふ、そうよ・・でもね・・物足りないのよ。この子たちじゃ」
「物足りない?」
「もう、その辺に転がっているような似たり寄ったりの子は飽きたの。
私が欲しいのは・・
もっと刺激的で、個性的な子。そして私に永遠不変の愛を誓う子・・・」
「随分とわがままなねーちゃんだな・・・」
「ふん、エゴイストとナルシズムの固まりだ」

きろり。
刹那、女の視線が、豹の様に鋭く二人を切り裂く!

ばぢばぢいぃぃっっ!!!

「ぐはああ!?」
「くうっ!!」
スパークが二人の体を貫いた。がっくりと膝をつくガウリイ、ゼルガディス。
「少しおしゃべりがすぎるわよ・・・」
はあ、はあ・・・
二人は荒い息を吐いた。
俺は・・こんなところでは、終われないんだ・・・なのに・・っ。
ゼルガディスは心の中で絞り出すようにつぶいた。
そのとき・・・。


「・・・おやおや、こんなところで、逆囚われのお姫様とは・・・」
「!?」

女とガウリイ、ゼルガディスの三人しか居ないはずのその空間にこだまする、声。
「その声は・・・!」
空間を渉り現れたのは、ガウリイ、ゼルガディスの二人が見知った者だった。

「あなたは・・・獣神官ゼロス・・!?」
初めて彼女の声に動揺の色が表れる。
なぜ、こんなところに、こんな者が?

確かにゼロスはリナたちと共にいたことがある。それは女も知っていた。
だが、あくまでそれは命令の上でのこと。
個人的に親しいいわけがあろうはずもない。
彼はゼラス・メタリオムの側近。
彼女たちにかまう理由もヒマもあるわけがないのだ。
だが、今現実にゼロスはここにいる。それは二人も疑問だったらしい。
それに気づいたゼロスは頭をかきかき。
「いやあ。リナさんにつかまっちゃいまして」
「「・・・はあ?」」
ガウリイとゼルガディスの声がハモる。
「僕、たま〜にフィリアさんの骨董屋さんに顔出すんですよ。・・そしたら、
リナさんに待ち伏せされてましてね〜。
『ガウリイとゼルをさらってった魔族を探せ』
と来たもんですよ。僕がそんな義理はない、って言ったら、
『ラグナブレードで細切りにする』って脅すんですよこれが。
しかも手がかりは?っていったら、
『そんなものない』ですから、さすがの僕もちょっとピクピクきちゃいました♪」

・・・いや・・・なんか、ちょっぴしかあいそうかも。
どこまでいっても中間管理職の役柄から逃げられない奴・・・。
二人がそんなことを思ったとき。
「・・・おや、噂をすれば影、ですか」

バタァァンンン!!!

建物の巨大な扉をけたぐって登場したのは、その通り「噂」の人物だった。
「ガウリイ、ゼル!!」
「リナ!」
ガウリイが身を乗り出す。リナはそれを見て安堵の顔をしてから、びっ!と指を女に向ける。
「・・・二人は返して貰うわ。覚悟なさい。ちなみに、反論は許さないから」
そう言ってそのまま戦闘態勢に入る。
「ゼロス、こいつ、強さはどんな感じなの?」
「さあ・・何ともいえませんが、僕の見解では・・・このひと、
・・・ハシフォムさん、覚えてますか?」
「?ええ」

――それは、かつて愛する女性、ルビアを生き返らせる為に魔族との契約を
交わした悲しき男。

「あのひとと『同じ』でしょうね・・・たぶん」
意味ありげな答えを返すゼロス。
女はその言葉に僅かに反応する。
「同じ・・・ようするにハシフォムと大体同ランクってことか・・・」
しかしリナは気づかずに言葉の意味そのままに受け止めた。
「・・・それじゃ、僕はこの辺でおいとましますよ」
「ちょ、何よ、加勢してくんないの!?」
「ええ。ちょっと道草食い過ぎちゃいましたからね。
獣王様がこわいですから帰らないと・・。
後は頑張ってください。加勢なら、別の人がいるんでしょう?」
それだけ言って、おかっぱ魔族は宙に浮き、消えてしまった。

それを見ていた女性は、ようやく口を開く。
「どうやら、ゼロスの助力は仰げそうにないわね・・・?」
「・・・あんましあたしの事甘く見ない方がいーわよ?・・ええと」

「ミリアよ・・・リナ・インバース・・・」
そう言って、手を横に振った。途端、彼女の傍らには例の・・・あの男が現れる。
「俺はレガディスだ・・・いくぞ」
そういった彼の手からは無数の火の玉が放たれる!!

「なに、これ・・・っファイアーボール!?でも数が多い!!!」

キュドドォォッッ!!!
リナはそこからワンステップ、ツーステップ飛び退いた。直後、彼女のいたあたりには無数の火球が炸裂する。
「ゼロスってば・・こいつらがほんっとーにハシフォムレベルだってーの??」
敵は、普通じゃない攻撃を仕掛けてくる。まぁ、魔族なんだからそれは許容範囲としても、相手は二人。
しかもこっちの手の内はある程度知られているに対し、あっちについては全くなにも判らないのだ。

リナの劣勢は明らかである。

それはもちろんガウリイとゼルガディスにも判っている。だが、どうやっても、このクリスタル球が砕けない。焦りの色が二人に浮かぶ。
「・・・リナ、ここは逃げろ!おまえまでどうにかなっちまったら・・・!!」
ガウリイが叫ぶ。だが、リナは引かない。引けるわけがないのだ。
ガウリイを奪われたままでは。

「バカ・・・そんなことできるわけないでしょ・・。いまここで引いたとして、
・・・次に来るまでにあんたたちが無事な保証はないのよ・・・」
「ふふふ・・・よく、わかってるわね・・・?そう、次にもし会うとすれば、それはこの男達が完全に私のモノになった後よ・・・・・」
「・・・だ、そぉよ・・・。だからこそ、あたしは引けない・・・。
あんたをこんなキチガイのおばはんにくれてやる程、あたし気前はよくないのよ」

「そんな台詞がいつまでいえるかしら・・・ねぇ、レガディス?」
その言葉と同時に、レガディスが動く。なんと今度は、右手から、そして左手から先ほどの炎の塊が、
それこそ、無数の数放たれる!!!――速い!

(かっ、数が多い!!?呪文を唱える暇もない・・・!やられ・・る・・!?)
「リナっ!」
「リナぁぁっっ!!」
ガウリイ、ゼルガディスの悲痛な叫び声。
だが、その後リナたちを襲ったのは絶望では・・・なかった。

風より速く。リナの前に人影が立ちはだかる。

「バルス・ウォール!!!(炎裂壁)」

ぼしゅううっっ!!!

レガディスの放った炎の塊は、リナへと殺到する前に、あらゆる火をうち消す炎の壁にかき消された。
―――そこには。一人の少女が佇んでいた。

「・・・大丈夫ですか?リナさん」
その人物の姿を認めたゼルガディスは驚愕と、そして僅かな嬉しさの織り交ぜられた表情をし、彼の者の名を呼ぶ。噛み締めるように。信じられない。
何故、ここに・・・!!?

「アメリア・・・!」
それは彼が誰よりも愛しく想う少女の名であった。

つづく

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6559囚われの魔剣士・第二話鈴鳴 彩菜 E-mail URL4/4-23:01
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囚われの魔剣士
第二話 JUSTISE


「アメリア・・・!」

目の前にアメリアがいる。
自分にとって、今となってはあまりにも大事な存在になってしまった少女が。
・・・あの時、アミュレットの片方を預かり二人は別れた。
約束とともに。
だが、再開までにかかる時間の長さは測りがたい。
ゆえに、しばらくは逢えないことを覚悟し、耐えなくてはならなかった。

だが運命の神はときにきまぐれを起こすらしい。
ゼルガディスはこんな形でアメリアに逢えたことを戸惑い、そして喜んでいた。
そんな自らの気持ちに気づき――心の中でそっと苦笑する。

「ゼルガディス・・・さん・・・」
アメリアは名を呼んだ。
ずっとずっと逢いたくて。本当はついていきたくて・・でも、それを我慢して。
ずっと思ってた大好きな人が・・・今目の前にいる。
今すぐにでも、飛びつきたいくらいだ。

だが、その為には片づけなくてはならないことがある。

アメリアが、ゼルガディスに子犬のような瞳を見せたのは一瞬。すぐさま側のミリアとレガディスに視線を移す。厳しい目つきで。
「あなたたちですか・・・リナさんたちをこんな目に遭わせたのは・・・!
許せません」
「・・・一人増えたところで、何がかわるわけでもない。死ね」
レガディスの冷たい声。
「どうしてですか!なんで、こんなことを・・・」
「無駄よ、アメリア。魔族に理由なんて聞いたって・・・」
「でも・・・」

「永遠に一緒にいられるからよ」
それはミリアの声。表情の掴めない彼女が、はじめて変化をみせる。

「私のだいじな男・・・その人は剣士だった。
・・・あるとき、かれは海の向こうへ旅に出るといったわ・・・
私は、ついていくことを望んだけど、危険だといってゆるしてもらえなかた・・・
私も自分が足手まといにしかならないと知っていたから――
だから私は待った・・・かれの無事を祈り、戻ってくる日を・・・」
「・・・・・」
一同は黙って話を聞いている。レガディスは終始無言だが、やはりどこかに辛そうな感じがするのははたして気のせいなのか・・・。
「・・・・・後はご想像のとおり・・。――かれは帰らなかった」
「だからってねぇ!」
「黙れ!」
「・・・・・!」

ミリアの顔は夜叉のように歪んでいた。激情を胸に隠してきたのだろう。ずっと。
「おまえらに何がわかる!私は許せない!!!守れもせぬ約束を交わし私をおいて死んだ男も!そしてなにがなんでも一緒についていこうとするだけの勇気を
持てなかった己も!!!」
「ミリア・・・さん」
アメリアは彼女の言葉に体を貫かれる。・・・それは、自分にもいえる事だから。

「だから私はあらゆることを調べ、魔族と契約を交わした!こうして魔族に等しい力を手にした!そして僕とともに男達を私だけのものにするのだ!
ずっと側にいるように!
クリスタルに身を宿して永遠に!!!邪魔はさせぬ!」
言葉の終わりと同時にレガディスがリナとアメリアに迫り来る!リナは先ほどの火球を食らわぬよう、先制攻撃を仕掛けた。
「ダム・ブラス!(振動弾)」
アメリアもやや遅れて呪文を放つ。
「エルメキアランス!!(烈閃槍)」
光の槍がレガディスを直撃する!これはかなり効いている・・はず!?
「・・・・・」
なんと、食らったはずのエルメキアランスに動じている様子は全くない。
「そんな・・・効かないの!?」
リナが驚く。そこへガウリイの声。
「リナ!そいつ・・・多分魔族じゃないぞ!」
「何だと?」
ゼルガディスがその台詞に眉をしかめた。だが、彼はこういうところが妙に鋭い。彼がそういうのなら、
・・・おそらくは。
「ちっ。」
「・・・・ふふ、そうよ。その子は・・人間よ。力を得たとは言っても、流石に魔族を「造る」のは難しいわ。
だから捕らえた男の中から良さそうなのに力を与えたの」
「人間・・・!?」
「じゃ、じゃあ・・・」
「そう。その子を傷つけるということは、
 一介の人間を傷つけることに他ならない」
「この・・・卑怯もんが・・・」
口とは裏腹にレガディスへの攻撃の手が、明らかに弱まる。

リナとアメリアはけっして優勢とは言い難い状況に立たされていた。

だがアメリアは言う。
「それでも・・・絶対負けません・・・!」
「お前ははたしかセイルーンのお姫様で正義主義者だそうね・・・。
そのたかが「正義」の為に勝てない戦いをするなんて・・馬鹿な子・・・」
「お黙りなさい!!私が今ここにこうしているのは、
・・正義の為なんかこれっぽっちもありません!!」
やや俯いて、それでもキッパリとアメリアは言った。


正直言って、リナとゼルガディスは驚いていた。
彼女にとって正義は真実。唯一絶対のものであるはずだからだ。
二人の目から見ても、こいつらは「悪」の部類に入っているだろうと思える。
しかも彼女の信じる「正義」をけなされたというのに・・・。
それを目の前にして、「正義」を二の次だと言うアメリアに、驚かない筈がない。

「・・・じゃ、何のためかしら」
「私が・・・ここにいるのは――仲間を助けたいから。そして・・・」
「・・・・・」
「あなたのように後悔、したくないからです。
―――私にとってだいじなひとを・・・護りたいから!」
ミリアの瞳が見開かれる。
動揺しているのだ。
「アメリア、あんた――」
「え?」

「・・・ううん。なんでもない」

――強くなったわね。
最後の言葉をリナは飲み込んだ。それを言うのがなんだかちょっぴり悔しくて。
・・・負けたような気がして。

「そーね。今までは世界を救うだのなんだのと、
戦いにはデカイ理由がつきものだったけど。
今回は男どもを助けたいから。
理由なんてそれだけでじゅーぶんすぎるわよね、アメリア」
「はい!」
「リナ、お前・・・」
「あはは」

「アメリア・・」
「ゼルガディスさん、絶対、絶対助けます。
・・・聞いて欲しい事があるから・・・」
「え?」
そう言って、呪文を唱えつつ前方へ飛び出す。
「ばかな。人間を見殺しにすると?」
「お母様・・・」
動揺を隠せないミリアにそっと言うレガディス。
「気になさらないで下さい。私は構いませぬ。例えこの身が滅びようとも、必ずやお守りします」
「・・・レガディス」

「なぁ、ゼル。あいつ、操られて戦わされてる・・・んだよな、ようは」
「ああ」
「でも、あいつ・・・なんか」
「・・・ああ。そうかも・・・な」
二人は意味の分からない会話を交わす。だが、それはいずれ分かるだろう。
アメリアにも、リナにも、そして、・・・ミリアにも。

「見殺しになんか、しません」
「!?」
「ゼルガディスさんも、ガウリイさんも助けます。そして・・・
ミリアさん、あなたも、レガディスさんも助けてみせます!!」
今度こそ、きっぱりとアメリアは言う。凛とした響きを持って。

「・・・・・な、何を・・・!?」


この瞬間、アメリアは誰よりも頼もしく見えた。
ゼルガディスはそんな彼女を眩しそうに見る。


女の子だって、強くなれる。きっと。
・・・大好きなあなたのためになら。


そして再び戦いが始まる。
それぞれの戦いが・・・・・。

つづく

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6560囚われの魔剣士・第三話鈴鳴 彩菜 E-mail URL4/4-23:10
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囚われの魔剣士
第三話 哀しみの終わりに


「行くぞ」
短い言葉と共にレガディスは地を蹴った。
リナとアメリアはそれに応戦する。しかし殺してしまう訳にはいかない。
だから、取れる手段はそう多くなかった。

「ディム・ウイン!(魔風)」

ぼひゅううっっ!!

魔力の風がレガディスの足止めをする。
そこにすかさずアメリアの魔法。
「シャドウ・ウェブ!(影縛り)」
アメリアの影がレガディスへ延びる!!
「やった!?」
リナの声。
影はレガディスを捕らえた!だがレガディスは例の火球を生み出し地面へ
叩き付け、瞬間、火球の光量で呪縛が解かれた。
「無駄だ」
「・・・それはどうかしらっ?!」
リナは不敵に微笑み――

「ダスト・チップ!(氷霧針)」
「!?」
爪先程の大きさをした「氷の矢」が無数にレガディスを襲う。
さすがによけきれないが、この術は「当たったらイタい」程度のもの。
殺傷能力は無きに等しい。
「・・・!?」
レガディスが不審の念を露わにしたとき。
アメリアが術を完成させる。

「グームエオン!!!(虚霊障界)」
アメリアの術が、アストラル・サイドから張られる結界によりレガディスの
魔力を完全に遮断する!

「!!!なっ・・・?!!」
「おっしゃあ!やったあっ!!!」

魔力を遮断するということは、レガディスの火球は封じられた、というとだ。
しかも、それだけではない。レガディスはミリアによって魔力を与えられ、
また魔力により支配されていた。アストラル・サイドから作用するこの魔法は
すなわちレガディスをミリアからの服従からも解放している筈なのだ。
もはや、彼は呪縛から逃れ全く只の人間に戻っていた。

「く・・・!!貴様ら・・・私の僕を!!」
ミリアが唇をぎり、と噛み締めた。

今、戦況は好転しつつある。

ゼルガディスは、それを固唾をのんで見守っていた。もちろんガウリイも
そうなのだが。そして、アメリアを見守りつつ思う。
彼女の強さはどこから来るのだろうか。
そのまばゆさは、数々の因行を行ってきたゼルガディスには
少々眩しすぎた。

疑わない瞳。
信じる心。
何より、ここまで彼女を強くするのは・・・?
それは、正義のせいではない。
ましてや、仲間への思いだけでもない。
ゼルガディスはまだ、それに気づかない。
もしくは気づいていながらそれを信じられないだけなのか。

「・・・・・」
「レガディス、大丈夫?目ェ・・・覚めた?」
リナは語りかける。
彼が正気に戻っている事を確信して。
だが、事実は奇なものだった。

「――正気?…俺は最初から・・・・・正気だ!」
そう言い、リナへと飛びかかる!!
「ええ!?」
完全に不意を突かれた。かわしきれない距離――!
咄嗟にアメリアが横からボム・スプリッド(破弾撃)を打つ。
「ぐうっ!」
熱を持たない火弾に妨害され、攻撃はリナに及ばない。
どうやら、ある程度体術も使えるようだ。これは人間であった頃から会得していたものだろう。

「ど・・・どーしてよ!?効いてないわけっ!?」
ガウリイ、ゼルガディスは思い当たっていた。少し前から。
その答えがここにある。

「・・・いいや・・効いていない訳ではないさ。
俺に与えられた魔力も、呪縛も、もののの見事に霧散している。
見りゃ分かるだろう」
「でもあんた!あたしたちに攻撃してるじゃない!!」
アメリアも、何かを感じ取り始めている。
手下、というにしては何か違和感を感じる。ミリアに服従していると言うより、
むしろ・・・。
―――慕っていたような。
もしか、して?

「俺がお前達と敵対する理由は一つだ。それは、俺がお母様・・・いいや、
ミリアさまのお力になりたいから。操られていようが、いまいが、
その気持ちは変わらない」
「・・・レガディス?」
ミリアも、何かおかしいとは思っていたようだが、今度こそ不審感を露わにした。
「・・・確かに、最初あなたに囚われ、しもべとされたときは俺はあなたを
恨みました。いつかこの呪縛からのがれ、あなたを倒すことも考えた」
「――――。」
「・・・でも。あなたはいつも悲しそうで寂しそうで。その悲しみを自分だけの物にしていた。誰もこの嘆きをわからないと。そう思い続けて」
「何・・・!!」
「そして意味が無いと知りつつも男達を集める。でも、あなたは満たされなくて。
永遠に同じ事の繰り返し・・・あなたは・・!」
だんだん語尾が荒くなる。

もう、ここにいる誰もが確信していた。レガディスは、操られていることを知りながら、彼女の言いなりになっていたのだ。しかも望んで。何故か。
きっとそれは・・・。
彼女の側にいてやりたかったから・・・。力になってやりたかったから。
この悲しすぎるひとのために。
そして、知らずの内に、
いつの間にか・・・彼女を愛し始めていた自分に気づいてしまったから・・・。

ゼルガディスの頭に雷が奔る。
・・・この二人は、誰かに似てやしないか?

不幸を一身に背負ったがため、自分の殻に閉じこもるものと。
それを慕い、我が身をなげうっても救いたいと願うもの。
「・・・・・」

『この戦いが終わったら、私と一緒にセイルーンに来てくれますか?』
記憶の中の少女がダブる。
そして、少し離れた場所で戦いの手を休めレガディスの話に耳を向けている
アメリアとシンクロした。

「おれもバカだった、ってことか・・・」
思わずつぶやきが漏れる。
第三者の立場に立って、ゼルガディスは初めて気づく。
自分のやっていたことに。

「レガディス、ば、馬鹿なことを――」
ミリアは戸惑っている。レガディスの言葉に。
そして自分のいまやっていることに・・・・・。

「わたしは・・・わたしは・・・ッッ!!」
「・・・ねぇ、ミリア。まだ今なら間に合うんじゃない?
あんた、ホントは分かってるんでしょ?」
リナは静かにミリアを諭す。

自分がどうするべきなのか。
選べる道は多くないかもしれない。
でも、後悔する道は選びたくない。
「あ・・・あ・・?」

――あの時、ついていく勇気がなくて「彼」を失った。
今また、後悔する道を選んでもいいの?
ミリアの中の、もう一人の自分が、そっと問う。
「無理だ・・・もう。戻れはしない・・・契約は、絶対なのだから・・・」
そう言い、リナたちに背を向ける。
「いいだろう・・・おまえたちの仲間は返してやるから・・・ここから、
立ち去れ」

だがリナはこともなげに言い切る。
「ああ。そんなのへーきへーき。なんとかなるなる。契約の時間が長すぎると、解除した途端寿命切れ、なんてこともあるけどさ。ゼロスにきーたとこ、せいぜい一年いってないらしいしね。
つーことで、ゼロス、ナシつけよろしく頼むわ。見当ついてんでしょ?」
「え、えっ???」
アメリアは目を丸くする。

シュッ。
言うやいなや中間管理職ゼロス登場。
「頼むわ、じゃありません!!
僕はいつからリナさんのパシリになったんですかっっ!!?」
「最初から」
冷たく言い放つリナ。

「リ、リナさん・・・鬼畜ですね・・・」
アメリアは汗ジト。
「・・・つーか、ずっといたのか?お前・・・」
ゼルガディスは脱力。

「とにかく!もうダメですっっ!!大体僕に命令できるのは獣王様だけで・・・」

しかしリナとアメリアは顔を見合わせると、お互い申し合わせたかのよーに
ぼそり、と破滅の言葉を口にした。


「一番アメリア、命の賛歌100番までフルコーラスうたいま〜す♪」
「二番リナ、ギガ・スレイブ使って
 ロードオブ・ナイトメアにゼロスしばいてもらいま〜す♪」

「・・・やらせていただきます」
ゼロス、選択の余地なし。
・・・つーか、リナ、めちゃめちゃ物騒な事言わなかったか?今・・・・・。

「よかったですね!ミリアさん、レガディスさん★」
アメリアは満面の笑顔だ。
「お前、達――・・・」
「ミリアさま」
「・・・レガディス」
「幸せになりましょう。今度こそ。お手伝いします」
「―――。・・・・・手伝いは、いらないわ」
「・・・そうですか・・、分かりました。では、俺は――」
「手伝いはいらない・・。ただ・・・側にいてくれればいい・・・」
「!ミリアさま・・・」

パアァァンン!!

それを合図に。ゼルガディスとガウリイの閉じこめられたクリスタルが砕け、四散する。
後ろの男達のクリスタルも融解し、男達は正気を取り戻し始める。

「ゼルガディスさん・・・!!」
「・・・アメリア」
アメリアは走りより、ゼルガディスに飛びついた。
「良かった、良かったです・・・!」
「ありがとう。アメリア。・・・お前のおかげで助かった・・。手間を取らせてすまないな」
「何言ってるんですか・・・。そんなことあるわけないじゃないですか・・・」

「ふぅ。なにはともあれ、良かったわ・・・」
そんなアメリアやミリアたちを見ながら。リナは一息つく。
ぽん。ガウリイの手。
「助かったよ。リナ」
「え?あ、ああ、うん」
リナの顔が赤いのは、けして気のせいではないだろう。

そして、ガウリイはそっと栗色の髪の少女を抱き寄せ。
リナは、安心したように身を預けた。


「・・・あの、ゼルガディスさん。私、言いましたよね。
聞いて欲しいことがある、って・・・・・・聞いて、くれますか?」
「・・・ああ。だが、俺にも言いたい事がある。聞いてくれるか」
「え?は、はい」

今言わなくてはいけないことがある。
アメリアに。
俺も、後悔したくはないから――。

エピローグへつづく。

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6561囚われの魔剣士・エピローグ鈴鳴 彩菜 E-mail URL4/4-23:16
記事番号6560へのコメント

囚われの魔剣士
あやな
エピローグ With You


戦いは無事終わった。
かくして、ゼロスの功績により、(半ばゴーインに)
契約は解除、ミリアは使った力、その時間の代償として
およそ二年半近くの寿命に当たるものを無くした。
でも、それは軽いほうかもしれない、とゼロス。

ミリアとレガディスは、その心を癒し、かつ行いの罪を償う為、
旅だった。アメリアは心配したが、
「まぁ、側にレガディスがいるから大丈夫なんじゃない?」
とリナ。
「そうだな。大丈夫だろ、きっと」
と、これはガウリイ。
アメリアもそうですよね、と返事を返した。
「きっと・・・大丈夫ですよね。・・・一人じゃ、ないから」

リナが帰りに歩きながら、
「せっかく四人が久々に揃ったんだし、別れる前に今日は騒ごう!」
と提案。ガウリイ、アメリアもそれに賛同。ゼルガディスも、
「まったく、おまえたちは・・・」
とか言いながら顔は笑っていた。

リナとガウリイは宿を探しに行くということで、
小一時間程別行動。
途端、ゼルガディスとアメリアは二人きり。
否応なしに心臓の音が早くなるのがハッキリ分かるアメリア。

言わなくちゃ、いけない。早く・・・あのこと。
心に決めたあのことを。

そして―――――ゼルガディスの足が町のはずれまで来たとき、
・・・・・止まった。


「・・・アメリア」
「は、はいっ?」
「この辺でいい。話をしてもかまわないか」
「は・・・はい」
な、なんだろう??私、何かしちゃったかな・・・。
「あの日・・・」
「?」
「ダークスターとの決着がついて、俺はお前に問われた答えを返したよな」
「・・・・・はい」

『ゼルガディスさん、この戦いが終わったら、
          私と一緒にセイルーンに来てくれますか?』

あの時のアメリアの言葉。そして俺の返事。

『・・・アメリア、俺は、まだこの姿のまま
     セイルーンに行くことはできない。だから・・・
          元の姿に戻るまで、待っていてくれないか』

あのときは、それが一番いいと、そう思っていた。

・・・でも。離れているいうことはやはり辛いことなのだ。
相手の声も聞けない。姿も見えない。無事なのか。元気なのか。
何も分からない。信じるだけでは・・・辛い。
体を元に戻す旅。一人の方が何かとやりやすいし、何かと安全だ。
俺にも。アメリアにも。
でももう駄目なんだ。
ミリアを見てしまったから。
俺だって、後悔なんてキメラにされた時でまっびらだ。
だから・・・

間違えた、セリフを・・・訂正しなくてはいけない。


「・・・だが、あの時の答えを訂正したい」
「訂、正・・・ですか・・・?」
「アメリア」
「はい」
「俺は、この体を元に戻すまではセイルーンには行けない・・・」
「・・・・・・・」

「――だから、お前もそれまでは帰れないが、いいか」
「・・・え・・っ??」
「まぁ、フィルさんに顔見せに行く位なら支障ないだろうが」
「・・・・・」
「アメリア?」
「え、ええと、つまり――」
「ついて来いと言ってる」
「・・・・・」
「おい?」

「・・・ずるいです」
「は?」
「ずるいですうぅ!!!私のセリフ、先にとっちゃうんですもんっっ」
「え・・・」

「・・・ゼルガディスさん。私も、後悔なんてイヤです。そもそも、
待つなんて私の性に合いませんし!・・だから」
「―――」
「連れていって下さい。私も。足手まといにならないようにします。
だから・・・」
「アメリア・・・」
ゼルガディスはそっとアメリアの肩に手を置いた。
「・・・それに、あんまりほっておくと、浮気しますよ、私」
「似合わないセリフだな」
「う〜。そおですかぁ?」

まぁ、浮気はないにしても、他国の王子にくれてやる義理もない。
第一、ゼルガディスはやっと捕まえた幸せを手放す気はさらさらなかった。

そして、アメリアと目が合う。
「それにしても、お前随分強くなったな」
「そうですか?私はただ・・・」
「ただ?」
「その・・・ゼルガディスさんを助けたくて」
言って今更赤くなる。

でもゼルガディスはそんなアメリアがとても愛しい。
俺も変わったな。

こんなに誰か一人に心を動かされるようになるなんて。


ゼルガディスは離すまいとアメリアを抱きしめる。
アメリアもしがみつくようにゼルガディスに抱きつく。
そして、そっと約束のキスをかわす。

幸せになりたい。
二人で・・・共に同じ道を歩み。

遠くで自分たちを探して呼ぶリナの声。


約束は、新しい形をともない、二人を強く結びつける。
空は蒼く澄み渡り、軽やかな風が二人の旅路を祝っていた。
本当の物語は、きっとここから始まる・・・。

Fin


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
終わった!!おお。ほんとは契約を交わした魔族とのくだりもあったのですが
話をスッキリさせるため、カットしちゃいました。
私はアメリアを連れていかないことが、ど・お・し・て・も嫌で、こんな話を
思いつきました。あとは、「私は囚われの姫を助けるヒーローがやりたいのに
!」というNEXT一話のアメリアの悲願をここで実現(笑)この二人はやっ
ぱり一緒にいてほしいです。外伝でもアメリアは「お城にいても暇だった」と
いって諸国漫遊してますし。これでいいのです♪♪(いいのか)
あやなでしたっ◎
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