◆−氷の聖堂−メイメイ(4/19-12:04)No.6625
 ┣リナちゃんが健気です〜。−彩(4/19-18:44)No.6627
 ┃┗氷姫は・・・−メイメイ(4/22-08:51)No.6637
 ┣お久しぶりです☆−湊祈 渚(4/23-17:57)No.6644
 ┃┗サインはね・・・−メイメイ(4/25-11:44)No.6651
 ┗リナさん、最初はちょっと独占欲?−庵 瑠嬌(4/25-15:35)No.6658
  ┗独占欲ですね−メイメイ(4/26-12:49)No.6678


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6625氷の聖堂メイメイ E-mail URL4/19-12:04


こん**は。
こちらで、また、わたくしめの作品に目を通そうとされたみなさま。
ありがとうございます。ですが、申し訳ありません。
たぶん、わたしはみなさまの期待を、裏切ると思います。
つまり、これは、……。
ですから、そのおつもりで、お読み下さい。

もちろん、これは『ゼロリナ』です。


『氷の聖堂』

「魔族を自分だけのものにする方法を教えてあげましょう」
 自分は実は竜族だと名乗ったその男は、リナにそう告げた。
「自分だけのもの?」
 リナはあきれた声を上げた。
「ええ。あなただけのものに……」


 ばかなことをしたと思う。
 今になって。
 後から悔やむから、後悔と書くのだけれどさ。
 後悔しないようにちゃんと考えなきゃいけないっていうのはよくわかっている。でも……。
「気持ちを押さえることって、時々とっても難しい」
 で、気持ちに正直に従った結果がこれだもん。
 リナは氷の聖堂の、高い高い柱をいくつもすり抜け、中央の広間に進んだ。
 寒い。
 たくさん服を着込んできた。
 それでも芯から冷えきった体は温まらない。
 とっても寒い。
 でも、……ここを立ち去れない。
 がらんとした氷の広間。
 白夜の弱々しい太陽が、氷の壁や天井を光の雫で彩っている。
 そこは近寄りがたい神聖な場所。
 悪魔を封じ込めた場所。
「ゼロス……」
 リナは厚い氷の床に視線を落とした。
 そこに、ゼロスが横たわっている。
 しゃがんで手を伸べてみる。
 だが、リナの手は届かない。
 氷がそれを阻んでいるから。
 リナがゼロスを氷の中に閉じ込めたのだ。
 竜族の力を借りて。
「ゼロスを出して」
 リナがささやく。
「できません」
 竜族の男が返答した。
「あたしはこういう形を望んだんじゃないわ」
「これは引き返せない術なのです。一度閉じたら、もう二度と開けない」
 リナは唇を噛んだ。
「わたしがもらったのは、『鍵』だけだった」
「そして、『鍵穴』にさした」
「ずるいのね、竜族も。ゼロスを倒すのに、あたしを利用したんだから」
「そうかもしれない。だが、人間の娘よ。冷静になって考えるのだ。魔族に思い入れるのは、世界を裏切ることだ」
「どうして? じゃあなんで、そもそもの最初から、神と魔が、二つ同時に存在するの? どちらも世界に必要だったからじゃないの?」
 自分でも、すごい詭弁だと思う。
 竜族の男は顔をしかめた。
「お前の苦しみは、時が解決するだろう。ここから立ち去りなさい」
 リナは首を振った。横に。
「……ここにいる……。ゼロスを取り戻す方法がないのなら、ここに、いる」
 竜族の男はしばし逡巡し、やがて無言で立ち去った。
 彼の足音が聖堂にこだまし、それも遠くへ行ってしまった。
 涙も出ない。
 おろかな自分。
 リナは目を閉じ、横たわるゼロスを思うことしかできなかった。

 長い時間が過ぎても、夜は訪れない。
 でももっと長い時間ののち、ここは夜だけの世界にかわるのだ。
 星だけが氷の世界を照らすだろう。
 その前に、餓えと寒さで死んじゃうだろうな。
 だったら、自分も氷の中に一緒に閉じ込められるんだった。
 ――リナはゼロスに身を寄せるように、氷の上に横たわった。


 リナはその音を聞いた時、嵐が来たのかと思った。
 ブリザード。
 氷の嵐が。
 この聖堂には扉がない。
 なに気に振り返って、うす青い空が見えて、リナは軽い疑問を感じた。
 それでも起き上がる気にはなれず、ぼんやりと横たわっていると。

 ドウゥゥ……ンッ。

 重い音がした。
 そして揺れ。
 天井から氷の破片がぱらぱらときらめきながら落ちてきた。

 ドウゥゥ…ンッ。

 高みから落ちてきた氷の破片がリナの指を切った。
 手袋から、赤い血が滲んでくる。
 それすらも遠い出来事だ。

 ドウゥゥンッ。

 リナはとうとう体を起こした。
 何かがおかしい。
 よろよろと起き上がり、表に出る。
 そして空を見上げた。
 青い空。
 雲も凍って浮かぶことのできない空に、たゆたっているのは、
「ゴールデン・ドラゴン?」
 ドラゴンの大群が、空の一角をうめている。
「まさか、閉じ込めるだけじゃなく、ゼロスを!?」
 リナはゼロスのもとに駆け戻った。
 ゼロスは閉じ込められているだけで、まだ滅びてしまったわけじゃない。
 でも、このままドラゴンに攻撃されれば……。
「どうしたらいいの?」
 あらゆる手段は、もう試しつくしている。
 リナにできる限りの術は、もう後一つしか残っていない。
 ……だが。

 ドウゥンッ。

 さっきよりも激しいゆれに足下をすくわれた。
 リナはためらいを捨てた。
 ――不完全版なら。
 しかし、唱え始めてわかった。
 力が足りない。
 ずっと食べ物を口にしていなかった。
 寒さに体力もすっかり奪われている。
「ゼロスっ!」
 リナは氷の床を激しく叩いた。
 氷は冷たく堅いだけ。
 天井が崩れ落ちる寸前のきしみを上げている。
 だったらあたしもここを出ない。
 ここを出ない。
 最後まで。
 リナは思い付いて、『鍵』を取り出した。
 これを差し込んでもダメだったことは確認済みだったけれど、でも、巡らない思考でひらめいた、それが最後の方法だったのだ。
 竜族に教わった呪文を唱える。
 そして『鍵』を差し込んだ。
 だが、やはり扉は、それだけでは開かなかった。

 ――絶望にだけは、捕われたくなかったのに。


 *****

「手を焼かせるわね」
 冷たい笑みを浮かべた女性は、ひざまずく己の創造物を見下ろした。
「申し訳ございません」
 創造物は光のない世界から、諦めにうずくまった少女を見下ろしている。
「あの娘に感謝するのね。ドラゴンどもはあの娘をいぶりだすために遠目に攻撃をしてくれて時間が稼げたのだし、それにあの時『鍵』を差し込んでくれなければ、わたしにも助けられなかったわよ。だけど……」
 獣王はリナに目を向けた。
「始末した方がよくはないこと?」
「人間の寿命は短いんですよ。慌てることはないのでは?」
「ゼロスがあの娘にやすやすと引っ掛けられなければ、わたしだってどうでもいいことよ」
「気をつけます。竜族がリナさんを利用するとは、思っていなかったので……」
 女性はうっすらと唇を笑ませた。
「カタは自分できっちりつけなさい。わたしはそこまでは手伝わないわよ」
「はい」

 *****


 崩れてくる天井の下敷きになる瞬間までを、リナはゼロスを思うことだけで過ごしたかった。
 もし届くなら、謝罪を――そして、きちんとした告白を。
「……」
 まるで永遠のような、最期の瞬間までの時だと思った。
「リナさん」
 ――!?
 両手で顔をおおい、堅く目を閉じていたリナは、はっとまぶただけを開けた。
 ゼロス?
 願いが届いたの?
 遠くで何かが崩れさる音がする。
 空気を揺さぶるその振動を感じ、リナは両手を下ろした。
「……!!」
 驚きは声を奪った。
 リナは氷の聖堂からやや離れた氷の高みにいた。ゼロスに支えられて。
「……ゼロス……?」
「はい」
「なんで、……どうやって……?」
 氷の下から抜けだせたの?
「リナさんが『鍵』を開けて下さったからです」
 かわらないゼロスの笑み。
 リナは体が溶けるのを感じた。力と、気力と、残ったものを全部掻き集めて、ゼロスの首に抱きつく。
「ゼロス!」
 ずっと避けていたことなのに、唇を重ねることも、戸惑わなかった。
 ゼロスはリナをきつく抱きしめて、ゆっくりと言った。
「やっとまたお会いできたばかりで申し訳ありませんが、しばらく、待っていてもらえますか?」
「え?」
「もう二度とリナさんを利用しないよう、御挨拶に行ってきますから」
 空にはすでに、ゴールデン・ドラゴンの姿はない。
 リナは目を閉じた。
 やはりゼロスは魔族なのだ。
「行かないで」
「必要なことです」
「だめ」
「なぜ?」
「あたしがいけないんだから。全部あたしのせいだから」
 ゼロスはリナの頭をそっと撫で、ふいにぐっと自分の胸に押し付けた。
「……でもね、リナさん。どれほどリナさんにお願いされても、これだけはゆずれないんです」
 言葉が終わった瞬間、背後で、
 ぞんっ!
 そして、断末魔の叫び。
 振り返ろうとしたリナは、だがゼロスに押さえ付けられた頭を動かせなかった。
 目で確かめることはできなかったが、でもたぶん、それは、じっとゼロスの隙をうかがっていた一匹のゴールデン・ドラゴンが倒された音なのだ。
「首謀者だけは、野放しにできませんから」
 他は、とゼロスは苦しんでいるドラゴンに冷たい一瞥を向け、
「またの機会でもかまいませんがね」
 リナはまた目を閉じた。
「さ、どこか温かい場所に行きましょうか」
 うなずく。
 ゼロスを滅ぼそうとしたドラゴンを憎む気持ちはないけれど、でもドラゴンを葬るゼロスを、リナは肯定している。
 あのドラゴンが言ったように、これは世界を裏切ること?
 わからない。
 まぶたの裏で、世界が暗転するのを、リナは感じた。


「気がつきましたか?」
 ふかふかの布団にくるまれて、リナは目を開けた。
 温かい。
 布団も、空気も、自分の体も。
 ゼロスがじっと自分を覗き込んでいる。
「リナさんは、まる二日も眠ってらっしゃったんですよ」
 二日も……?
 リナは起き上がろうとし、それをゼロスが手伝ってくれた。起き上がったリナの背に、立てた枕を添えてくれる。そして額に触れ、
「熱も引いたようですね。食欲はありますか?」
「うん」
 はじめは柔らかなものから食べはじめ、リナはどんどん回復していった。
 それから、リナはゼロスによくよくさとされた。

「二度とあんな手に引っ掛かってはいけませんよ」
「大丈夫。もう、よくわかったから」

 たとえそれが、世界を裏切ることだとしても。



【おわり】


わたしの好きな話に、アンデルセンの『氷姫』というのがあります。
小さい頃に読んだもので記憶が曖昧ですが、その後他の話と混同してしまっていなければ、それは好きになった男の子が自分を振り向いてくれないことに焦れた氷姫が、その男の子を氷の中に閉じ込めてしまうというお話でした。
閉じ込められる方はたまったもんじゃないでしょうが、閉じ込めてしまいたいと思う気持ちには、なんとなくぞくぞくするものを感じました。
ゼロス君は出てきちゃいましたが。(そうでないと話が終わらない)

それでは、これにて。
……ああ、こういうお話って、みなさまの好みにあうのかしら、と、ちょっと心配……。
ダークなのは嫌だー、でもかまいません。感想いただけると、とてもうれしいです。(かなり弱気)

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6627リナちゃんが健気です〜。E-mail 4/19-18:44
記事番号6625へのコメント

またまたでましたね〜。
メイメイ様の小説!!
おまちしてました!

うわ〜、今回はダークですね。
それにしても、
竜族!せこいです!
恋する乙女の思い(?)をふみにじるとは!!

ゼラス様!!
魔族ですね!!
きゃ〜〜!!(謎)
かっこいいです〜〜!!

>わたしの好きな話に、アンデルセンの『氷姫』というのがあります。

私の知っている「そのて」のお話は(アンデルセンではないですけど)
『雪のやまぬある山に美しい雪の精がいて、ちかずくものをすべて凍らせていたんです。
で、ある日いつものように近ずきすきた人間の男を凍らせたんですけど、
一緒にいるうちに好きになっていくんです、
でっ、その氷をとこうとするんですけど、
山の掟で山の神に怒られて…………、』
そのあとが思いだせないんです〜。
どんな話だったんでしょう?
だれかしりませんかね〜。
その話しを知った後なんかもやもやしたものがのこったのを
おぼえてるんですけど。
その『氷姫』と言うお話は最後どうなるんですか?

>……ああ、こういうお話って、みなさまの好みにあうのかしら、と、ちょっと心配……。
私はダークって苦手ですけど、ゼロリナなら。(単純だし・苦笑)

なんか感想より、お話のほうが多いような・・・・、
すいません。

でわっ、メイメイ様!
次作、期待してます!(言うことはいつもいっしょ・さらに苦笑)

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6637氷姫は・・・メイメイ E-mail URL4/22-08:51
記事番号6627へのコメント

彩さま

こん**は

>またまたでましたね〜。
>メイメイ様の小説!!
>おまちしてました!

待っていただいて、ありがとうございます。それなのに、お返事遅くなってごめんなさい。

>その『氷姫』と言うお話は最後どうなるんですか?

憶えてないんですよ。
そんなことしても空しいだけだった、というようなことだったと・・・。
自分の記憶の中で変容したかもしれないんで、図書館に行って確認しようかと思ったんです。でも、結局時間がとれなくて・・・。(そんなことするから返事が遅くなるんだよな。お返事書いてから調べれば、失礼しないってのに)

>うわ〜、今回はダークですね。

なぜかぽこっと出てきちゃって、そういうことに・・・。

>ゼラス様!!
>魔族ですね!!
>きゃ〜〜!!(謎)
>かっこいいです〜〜!!

最初は出すつもりなかったのですが、本人が出演を強く御希望されました。

>そのあとが思いだせないんです〜。
>どんな話だったんでしょう?
>だれかしりませんかね〜。
>その話しを知った後なんかもやもやしたものがのこったのを
>おぼえてるんですけど。

う〜ん。民話系統のアレンジという気がしますが・・・。
憶えがありませんねえ。
しかし、なかなかそそられるお話ですわ。

>でわっ、メイメイ様!
>次作、期待してます!(言うことはいつもいっしょ・さらに苦笑)

はい。ありがとうございます。
また出てきたらどこかに発表しますね。

ではでは。

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6644お久しぶりです☆湊祈 渚 4/23-17:57
記事番号6625へのコメント

こんにちわ☆お久しぶりです。
最近ちょっと忙しくて疲れていたんですけど、メイメイさんの小説読んで
それもふっとびました(笑)
今回はダークなお話でしたけど・・すごく気に入りました☆
私こういうダークなお話けっこう好きなので・・。

ところで・・中田選手のサイン持ってるんですか!?
すごいです(@_@) ってことは中田選手に会ったことあるのですか!?
一度でいいから生で見てみたいものです。

でわ短いですけどこれで・・。
次のも楽しみにしています。      湊祈 渚

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6651サインはね・・・メイメイ E-mail URL4/25-11:44
記事番号6644へのコメント

湊祈 渚さん

こんにちは。

メイメイでございます。

>最近ちょっと忙しくて疲れていたんですけど、メイメイさんの小説読んで
>それもふっとびました(笑)

おや、大丈夫ですか? 
こんなもので吹っ飛ばしていただけて、光栄ですわ。

>今回はダークなお話でしたけど・・すごく気に入りました☆
>私こういうダークなお話けっこう好きなので・・。

そうですか。わたしも嫌いじゃないんですが。
でも最近、よく甘いものをとリクエストいただくので、こちらには暗いものも書いて、アピールしておこうかな、と思ったもので……(笑)

>ところで・・中田選手のサイン持ってるんですか!?
>すごいです(@_@) ってことは中田選手に会ったことあるのですか!?
>一度でいいから生で見てみたいものです。

ええ。持ってますの。でも、直接いただいたのではありません。わたしはそれほどサインに執着はなかったのですが、下さると言うのなら、もらおうかな、という。それだけです。
でも、生中田君は何度も見ましたよ。
さすがにイタリアまでは、見に行ってませんが……。

>でわ短いですけどこれで・・。
>次のも楽しみにしています。

ありがとうございます。
それではこちらにも、また何か投稿しましょうね。

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6658リナさん、最初はちょっと独占欲?庵 瑠嬌 4/25-15:35
記事番号6625へのコメント


 こんにちは、庵 瑠嬌でございます。

>こん**は。
>こちらで、また、わたくしめの作品に目を通そうとされたみなさま。
>ありがとうございます。ですが、申し訳ありません。
>たぶん、わたしはみなさまの期待を、裏切ると思います。
>つまり、これは、……。
>ですから、そのおつもりで、お読み下さい。

 裏切られてなんて、おりませんわ。
 とっても素敵でした。

>「気持ちを押さえることって、時々とっても難しい」
> で、気持ちに正直に従った結果がこれだもん。

 リナさんは、いつも自分に正直ですものね。
 それがかえって悪い方向に行ってしまった、というのが、今回の話ですのね。

>「そうかもしれない。だが、人間の娘よ。冷静になって考えるのだ。魔族に思い入れるのは、世界を裏切ることだ」
>「どうして? じゃあなんで、そもそもの最初から、神と魔が、二つ同時に存在するの? どちらも世界に必要だったからじゃないの?」
> 自分でも、すごい詭弁だと思う。

 一応、理屈はとおってますわね。
 まぁ、片方の存在を肯定するということは、その片方のみが正しいと思うってことになってしまいがちですし、世の中、そんなに単純じゃないって感じがいたしますし……。

>
>「手を焼かせるわね」
> 冷たい笑みを浮かべた女性は、ひざまずく己の創造物を見下ろした。
>「申し訳ございません」
> 創造物は光のない世界から、諦めにうずくまった少女を見下ろしている。
>「あの娘に感謝するのね。ドラゴンどもはあの娘をいぶりだすために遠目に攻撃をしてくれて時間が稼げたのだし、それにあの時『鍵』を差し込んでくれなければ、わたしにも助けられなかったわよ。だけど……」
> 獣王はリナに目を向けた。
>「始末した方がよくはないこと?」
>「人間の寿命は短いんですよ。慌てることはないのでは?」
>「ゼロスがあの娘にやすやすと引っ掛けられなければ、わたしだってどうでもいいことよ」
>「気をつけます。竜族がリナさんを利用するとは、思っていなかったので……」
> 女性はうっすらと唇を笑ませた。
>「カタは自分できっちりつけなさい。わたしはそこまでは手伝わないわよ」
>「はい」

 この女性って、ゼラス様ですわよね、かっこいい……(うっとり)。
 そうですの、ゼラスさまがゼロスさんを助けたわけですのね。
 リナさんは、そのきっかけを作った?

> ゼロスを滅ぼそうとしたドラゴンを憎む気持ちはないけれど、でもドラゴンを葬るゼロスを、リナは肯定している。
> あのドラゴンが言ったように、これは世界を裏切ること?
> わからない。
> まぶたの裏で、世界が暗転するのを、リナは感じた。

 悩み多き、リナさん。
 ゼロスさん……に限らず、魔族さんに恋するって大変……。

> それから、リナはゼロスによくよくさとされた。
>
>「二度とあんな手に引っ掛かってはいけませんよ」
>「大丈夫。もう、よくわかったから」
>
> たとえそれが、世界を裏切ることだとしても。

 最終的に、ゼロスさんが好きな自分を肯定することにしたようですわね。
 うん、それでいいのでしょう。 

>
>わたしの好きな話に、アンデルセンの『氷姫』というのがあります。
>小さい頃に読んだもので記憶が曖昧ですが、その後他の話と混同してしまっていなければ、それは好きになった男の子が自分を振り向いてくれないことに焦れた氷姫が、その男の子を氷の中に閉じ込めてしまうというお話でした。

 読んだこと……あるような気がいたしますわねぇ……。
 細部までは自信がありませんが。
 わたくしは、幼少期の記憶がほとんど残っていませんからねぇ……悩みがなかったんでしょうか?

>閉じ込められる方はたまったもんじゃないでしょうが、閉じ込めてしまいたいと思う気持ちには、なんとなくぞくぞくするものを感じました。

 ……………。
 ……えっと、わたくしも、なんとなくわかりますわ。
 行き過ぎた独占欲、というやつですわね。
 まぁ、恋とは一種の執着とも言いますし。
 
>ゼロス君は出てきちゃいましたが。(そうでないと話が終わらない)

 考えてみたら、リナさんが独占欲を発揮するって、珍しいですわね。
 ……でも、それは最初だけで、ちゃんと(?)後悔してましたし……。
 好きな人は、閉じ込めるより、一緒にお話してたほうが楽しいということですわ。

>それでは、これにて。
>……ああ、こういうお話って、みなさまの好みにあうのかしら、と、ちょっと心配……。
>ダークなのは嫌だー、でもかまいません。感想いただけると、とてもうれしいです。(かなり弱気)

 ちょっとダーク…?けれど、そんな気になるほどではありませんわねぇ……。
 もともと、あなたのお書きになるお話が好きなわたくしは、ジャンルにたいしてこだわりません……。

 これからもがんばってください。
 次回作、楽しみにしておりますわ。
 それでは失礼をば……。

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6678独占欲ですねメイメイ E-mail URL4/26-12:49
記事番号6658へのコメント

庵 瑠嬌さん

こん**は

メイメイでございます。

>>たぶん、わたしはみなさまの期待を、裏切ると思います。
>>つまり、これは、……。
>>ですから、そのおつもりで、お読み下さい。
>
> 裏切られてなんて、おりませんわ。
> とっても素敵でした。

今回は笑いが入っていなかったんで、どうだろう、と思っていたのです。

> リナさんは、いつも自分に正直ですものね。
> それがかえって悪い方向に行ってしまった、というのが、今回の話ですのね。

まあ、言ってしまえばそういうことですね。
あまりテーマとかは考えていないので。
ちょっと最近、『甘い』のばかりリクエストされて、あたしはダークも好きなの、とアピールしておこうかな、とか、考えてしまっただけです。
最後までダークで通せなかったけれど。

>>「そうかもしれない。だが、人間の娘よ。冷静になって考えるのだ。魔族に思い入れるのは、世界を裏切ることだ」
>>「どうして? じゃあなんで、そもそもの最初から、神と魔が、二つ同時に存在するの? どちらも世界に必要だったからじゃないの?」
>> 自分でも、すごい詭弁だと思う。
>
> 一応、理屈はとおってますわね。
> まぁ、片方の存在を肯定するということは、その片方のみが正しいと思うってことになってしまいがちですし、世の中、そんなに単純じゃないって感じがいたしますし……。

はい。神と魔の二極対立では世界は説明つきませんからね。
完璧な正義も、完璧な悪行も、最近嘘っぽいなと思いますわ。

>>「手を焼かせるわね」
>> 冷たい笑みを浮かべた女性は、ひざまずく己の創造物を見下ろした。
>>「申し訳ございません」
>> 創造物は光のない世界から、諦めにうずくまった少女を見下ろしている。
>>「あの娘に感謝するのね。ドラゴンどもはあの娘をいぶりだすために遠目に攻撃をしてくれて時間が稼げたのだし、それにあの時『鍵』を差し込んでくれなければ、わたしにも助けられなかったわよ。だけど……」
>> 獣王はリナに目を向けた。
>>「始末した方がよくはないこと?」
>>「人間の寿命は短いんですよ。慌てることはないのでは?」
>>「ゼロスがあの娘にやすやすと引っ掛けられなければ、わたしだってどうでもいいことよ」
>>「気をつけます。竜族がリナさんを利用するとは、思っていなかったので……」
>> 女性はうっすらと唇を笑ませた。
>>「カタは自分できっちりつけなさい。わたしはそこまでは手伝わないわよ」
>>「はい」
>
> この女性って、ゼラス様ですわよね、かっこいい……(うっとり)。
> そうですの、ゼラスさまがゼロスさんを助けたわけですのね。
> リナさんは、そのきっかけを作った?

これは、予定外の御出演でしたが、ええ、ゼラス様です。
ゼロス君を手のひらでころがせる人ですもの。
ゼラス様はかっこよくなければいけない。これがわたしの持論です。

>> それから、リナはゼロスによくよくさとされた。
>>
>>「二度とあんな手に引っ掛かってはいけませんよ」
>>「大丈夫。もう、よくわかったから」
>>
>> たとえそれが、世界を裏切ることだとしても。
>
> 最終的に、ゼロスさんが好きな自分を肯定することにしたようですわね。
> うん、それでいいのでしょう。

ははは、その通りですが、いや、その……むにゃむにゃ……。
(あなたは中学生でしたよね。じゃあ、まあ、いいでしょう……。)
はいっ、その通りですっ!
 
>>ゼロス君は出てきちゃいましたが。(そうでないと話が終わらない)
>
> 考えてみたら、リナさんが独占欲を発揮するって、珍しいですわね。

そうですね〜。
奥手で淡白なのでしょうかね。

> ……でも、それは最初だけで、ちゃんと(?)後悔してましたし……。
> 好きな人は、閉じ込めるより、一緒にお話してたほうが楽しいということですわ。

そう。閉じ込めたって、うれしいのはその時だけ。
やはり「あなたがうれしいとわたしもうれしい」の方が、お互いハッピー、ですね。

> ちょっとダーク…?けれど、そんな気になるほどではありませんわねぇ……。

最後はハッピーエンドにしちゃったからね。

> もともと、あなたのお書きになるお話が好きなわたくしは、ジャンルにたいしてこだわりません……。

あう。そう言っていただけると、感涙でございます。

> これからもがんばってください。
> 次回作、楽しみにしておりますわ。
> それでは失礼をば……。

はい。ありがとうございます。
脳みそしぼれる限り、というところですわね。
庵 瑠嬌さまも、また思い付きましたら、ぜひぜひ投稿を。
お待ちしております。