◆−初めまして−琳(5/7-18:43)No.6764
 ┣はじめまして・・・です。−渚 未咲(5/8-01:17)No.6765
 ┃┗Re:はじめまして・・・です。−琳(5/8-18:12)No.6766
 ┣ああ、どうしましょう・・・。−琳(5/8-18:23)No.6767
 ┃┗ああ、ギリシャ神話。−庵 瑠嬌(5/9-16:11)No.6770
 ┃ ┗きゃーっ☆−琳(5/11-01:15)No.6773
 ┣無題−琳(5/11-20:57)No.6776
 ┗無題(終)−琳(5/13-11:28)No.6782
  ┗ゼラスさま素敵(はぁと)−庵 瑠嬌(5/19-16:55)No.6816
   ┗ありがとうございます♪−琳(5/20-21:06)NEWNo.6825


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6764初めまして5/7-18:43


初めまして。琳と申します。
いつも皆様の小説を楽しく読ませていただいています。
自分の文章を人様に見せることには多少抵抗があったんですが、思いきって投稿してみることにしました。
先日某番組を見ていて書いたものです。
まあ、私の駄文でどこまで面白くなるのかは疑問ですが・・・。
とりあず、ギリシア神話風の(というかそのものですね)ゼロリナです。
アフロディテ:ゼラス様  エロス:ゼロス  プシケ:リナ
という設定のつもりです。
それでは、どうぞ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

昔、ある国に3人の美しい王女がいた。
そろいもそろって美しい王女であったが、特に末の王女リナの美しさは、この世のものとも思えぬくらいであった。
柔らかな長い栗色の髪、愛らしい顔立ち、そして何よりも、生に溢れ、強い意思を感じさせる紅の瞳が、見るものすべてを惹き付けるのだった。
その評判を聞いて、諸国の王や王子達は皆、この王女に結婚を申し込もうとはるばると訪ねてくるものの、美しいが気の強いこの王女に、片っ端から断られ、すごすごと帰っていくのだった。
そして誰からともなく「あの王女はきっと、美の女神であるゼラスより美しいに違いない」という噂が広がるようになり、やがてその噂は女神ゼラスの元まで届くようになった。
「人間の身で、美の女神であるわたくしよりも美しいなどという噂を立てられるなど、到底許されるものではないわ。どうなるか、今に思い知るがいい。」
こう思った女神は、すぐにその息子であるゼロスを呼び、その鬱憤を晴らすことにしたのだった。

「母上、何か御用でしょうか」
呼び出されたゼロスは、その用を大体予想をしていたが、いつもどおりにこやかな笑顔で現れた。
「ゼロス、わたくしよりも美しいと言われている人間の噂を聞いているでしょう?まったく、いまいましいこと。どんな目に合わせてあげようかしら・・・。」
「あのー、相手はたかが人間ではありませんか?母上よりも早く老い、そして死ぬのですからそんなにお怒りにならなくても・・・」
その言葉を聞いたゼラスは、にっこりと実に美しい笑顔を見せながら言った。
「あら、おまえは、実の母であり美の女神であるこの私よりも、人間の肩を持つというの?まさか、そんなことはないわよねぇ?」
美しい笑顔なだけ、余計に怖いセリフである。
「も、もちろん僕は母上の味方ですよ。それで、今回は何をすればよろしいんですか?」
「そうねぇ・・・。では、おまえの持っている矢を使いましょう。ただ、相手の男は、この世で一番醜く、賤しい人間を探しなさい。
あの女を、世界中の笑い者にするようなそんな人間を選ぶのよ?いいわね?」
子供のように無邪気な顔をして満足そうに笑う母親の顔に、逆らうことなど到底無駄だと悟っているその息子は、
「わかりました。」
と答えると、宮殿を後にした。

銀色の満月が夜の空に輝く頃、城の中はひっそりと静かに眠りの世界を迎え入れていた。
「さて、相手の男性は見つかりましたから、後はこの矢で射るだけですね」
そう呟きながら、リナの部屋へと音もなく訪れたゼロスは、弓と矢を手にした。
「そういえば、僕はまだ母上以上というリナさんの美しさを、見たことありませんでしたっけ・・・」
ふと好奇心にかられたゼロスは、リナのベットへと近づき、やわらかな月光に照らされているその寝顔を上からのぞきこんだ。
「ほほぉ、なるほど。確かに、噂になるだけのことはありますね」
その時、何かの気配を感じたのか突然、リナは眼を開けた。紅の瞳を。
「・・・誰?」
ゆっくりと起きあがり、辺りを見渡す。だが、一瞬はやく姿を消した侵入者の姿は、彼女の瞳には映らなかった。
「気のせいかな・・・。誰かいたような気がしたけど・・・。」
そう呟くと、リナは再び眠りの世界へと落ちていった。
一方、再び姿を現したゼロスは、彼女が急に眼を開けたことよりも、その開かれた瞳を見て驚いていた。
「これは・・・。こんな美しい瞳は初めてですね。稀なものは手にしたいものですが、母上の命を無視するわけにもいきませんし・・・。
どうしましょうかねぇ・・・」
しばし考え込んでいたゼロスは、何か思いついたのか顔を輝かせると、眠っているリナの額に優しく口付けその場を後にしたのだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

本当は自分の持っている矢が自分の足に落ちて、プシケを愛してしまう・・・というお話ですが、ゼロス君なら、そんなものに頼らなくても(?)きっとリナちゃんを好きになるはずという独断と偏見により、変えてしまいました。
あ、題名付け忘れましたね。何かいい題をつけてくださる方、いらっしゃいませんでしょうか?
それでは、失礼します。
感想、苦情など頂けるとうれしいです。(苦情のほうが多いでしょうね)



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6765はじめまして・・・です。渚 未咲 5/8-01:17
記事番号6764へのコメント

琳さんは No.6764「初めまして」で書きました。
>
>初めまして。琳と申します。

はじめまして、渚 未咲と申します。
ところでお名前なんてお読みするんですか?漢字弱いもので・・すいません(^^;)

>いつも皆様の小説を楽しく読ませていただいています。
>自分の文章を人様に見せることには多少抵抗があったんですが、思いきって投稿してみることにしました。

ぜひぜひがんばってください!応援してます☆
・・・私は読み専門ですけど(笑)

>先日某番組を見ていて書いたものです。
>まあ、私の駄文でどこまで面白くなるのかは疑問ですが・・・。
>とりあず、ギリシア神話風の(というかそのものですね)ゼロリナです。
>アフロディテ:ゼラス様  エロス:ゼロス  プシケ:リナ
>という設定のつもりです。
>それでは、どうぞ。
>

ギリシャ神話いいですよね(@_@)神話に出てくる名前の響きが好きだったりします。


>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


>本当は自分の持っている矢が自分の足に落ちて、プシケを愛してしまう・・・というお話ですが、ゼロス君なら、そんなものに頼らなくても(?)きっとリナちゃんを好きになるはずという独断と偏見により、変えてしまいました。
>あ、題名付け忘れましたね。何かいい題をつけてくださる方、いらっしゃいませんでしょうか?
>それでは、失礼します。
>感想、苦情など頂けるとうれしいです。(苦情のほうが多いでしょうね)

苦情なんてとんでもない!とっても素敵なお話でした。
うーみゅ 続きがはやく読みたいです!
いい題名見つかるといいですね(~o~)
それでは、失礼します・・。




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6766Re:はじめまして・・・です。5/8-18:12
記事番号6765へのコメント

渚 未咲さんは No.6765「はじめまして・・・です。」で書きました。

>はじめまして、渚 未咲と申します。
>ところでお名前なんてお読みするんですか?漢字弱いもので・・すいません(^^;)
>

はじめまして。
名前は、「りん」と読みます。
なんか響きがいいかなーと思って、付けてしまって・・・。

>ぜひぜひがんばってください!応援してます☆
>・・・私は読み専門ですけど(笑)

うわー、ありがとうございます。
私も、いつも読み専門です。(笑)

>
>ギリシャ神話いいですよね(@_@)神話に出てくる名前の響きが好きだったりします。
>

前に、あちこちの神話に凝ってたことがありまして、ギリシャ神話は特にお気に入りだったので、ちょっと使わせていただきました。

>苦情なんてとんでもない!とっても素敵なお話でした。
>うーみゅ 続きがはやく読みたいです!

本当ですか?
素敵なんて言っていただけると、すっごくうれしいです♪

>いい題名見つかるといいですね(~o~)
>それでは、失礼します・・。

感想いただけてとてもうれしいです。
なんとか、がんばってみます。ありがとうございました。

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6767ああ、どうしましょう・・・。5/8-18:23
記事番号6764へのコメント



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

やがて、リナの評判はますます高まっていった。
しかし不思議なことに、その評判が高まれば高まるほど、求婚者はいなくなっていく。というのも、皆、自分ではとても及びもつかないと引き下がっていたからである。
彼女の二人の姉達は、すでに自分の好きな相手と結婚し幸せな家庭を築いているのに、いちばん美しいリナだけがいつまでも独り身でいるのは、両親の心配の種となっていた。
そんなある日、父王は神殿から、彼女の縁談について神託を受けたと報告された。
それは、次のようなものであった。
「王女は、人間とは結婚できないだろう。花嫁姿で山の上に連れて行きなさい。その頂きで未来の夫は待っている。これを拒むことは許されない」
人々は、その神託を聞き大いに歎き悲しんだ。神託である以上は従わなくてはならない。しかし、罪もないこの上なく美しい王女を、山の上に棄ててくるような真似ができるわけがなかった。
国中が歎く中、リナは悲観した様子もなくこう言った。
「あたしが行かないと、国中に災いが降りかかるんでしょ?だったら、仕方ないじゃない。それに、神託に告げられるほどの相手にも逢ってみたいしね♪」
そうして彼女は、さっそく婚礼の支度をして、山の頂きに向かったのだった。


そうしてただ独り、山の頂きに取り残されたリナは、見送りの人々がしだいに遠ざかっていくのを見ていた。
(・・・まったく、どんな奴がいるのか楽しみにして来たのに、誰も待ってなんかいないじゃない・・・)
大きくため息をつくと、それでも一応神託だしと思い、その場で待つことにしたのだった。

やがて、夜の闇が静かに辺りに降り、空には月や星々が煌めき始めた頃には、待ち疲れたのか、リナは眠ってしまっていた。
そして、再び目を覚ました時には、もう太陽が昇っていたのだった。
辺りを見渡し、自分がいる場所を認識したリナは、そこが眠る前と違うことに気付いた。
(ここは・・・?あたし、眠りながら歩くような器用な趣味は、持ってなかったはずだけど・・・)
そう思いつつも、どこからか水の流れる音がしているのに気付き、その音の方へ歩いていくことにした。
少し歩いていくときれいな泉があり、そばには立派な宮殿が建っているのが見えた。
「すみませーん。誰かいませんかー?」
声をかけてみたが返事はない。
「入っちゃうわよー?]
好奇心を覚えたリナは、その中へ入って行く。
宮殿の中は、目に見えるものすべてが、人間界のものとは思えないほど立派なものばかりだった。
(うわー、これみんな高く売れそうねぇ・・・)
などと王女とも思えぬようなことを考えつつ、とりあえず広い内部を探検し始めることにした。

しばらく中を見ていたが、宮殿を守っている人は誰もいなかった。それだけでなく、部屋の扉はすべて開いたままで、生きたものの姿さえ見えなかった。
「なんで誰もいないの?いったいここは誰の宮殿なの?」
ふとそう呟くと、どこからともなく答えが返ってきた。
「奥様、ここの主人はあなた様です。私どもは、あなた様の御用を伺うようにと申し付けられております。何なりとおっしゃってください。
お食事は次の間に用意してございますから、いつでも召し上がってくださいませ」
「なんで?あたし、初めてここに来たのよ?それに誰に言われたの?」
「それは、お答えできません。」
「どうしてよ?あたしの用を聞いてくれるんでしょ。だったら、誰に命令されているのか教えてちょうだい」
「申し訳ありませんが、これだけはお答えできないのです」
「・・・・・・。わかった。もう、いいわ」
これ以上聞いても無駄だと悟ったりナは、辺りを見まわした。しかし、やはりどこにも人のいる気配はない。
不思議に思いながらも、おいしそうな食事の匂いに誘われ、次の間へと足を向けることにした。

そのうちに、その日はあっという間に過ぎていった。
やがて夜になり、リナは姿の見えない家来が用意してくれた寝室で眠ろうとしていた。
「こんばんは」
不意に何物かの気配とともにかけられた声。しかし、明かりのない部屋では、それが誰なのかはまったくわからない。
リナは驚き不安を覚えつつ、それでも、それを見せずに問いかけた。
「誰?こんな夜中に、乙女の寝室に無断で入ってくるような者は、『鞭打ち一万回の上。磔、晒し首の刑』って決まってるの知らないの?」
すると、その人物らしきものは苦笑したようだった。
「え?そうなんですか?でも、僕そんなの知りませんでしたから、厳重注意程度ですよね?」
「・・・・・・。それで、誰なの?」
まさか、そんな答えを返されるとは思っていなかったリナは、とりあえず最初の質問を繰り返したが、
「えーと、僕が神託の告げたあなたの夫なんです。」
と、さらにとんでもない答えを返されたのだった。
「はぁ?ここ、山の頂きじゃないじゃない。それに、もしそうだとしても、来るの遅すぎるから、もうあの神託は時効よ」
「それは、あなたが眠っているうちに、山の頂きからこちらの宮殿の近くにお移ししたからですよ。
それに、お起こししようとも思ったんですがせっかく眠っていらっしゃるのを起こすのも悪いですし、寝顔も可愛らしかったですし・・・」
とりあえず、最後のセリフを聞き流すことにしたらしいリナは、ふとあることに気付いた。
「もしかして、ここの姿の見えない人達に、あたしに従うように命令したのって・・・」
「ええ、僕です。」
「ふーん、この宮殿、あなたのだったんだ。で、名前は?」
「それは秘密です♪」
さらりと言われたそのセリフに、リナは、呆れたように言った。
「あのねぇ、どこの世界に名前も教えてくれないような人を夫にするような女性がいるっていうのよ?たとえ神託だろうと何だろうと、あたしは、自分の気に入らないような人とは結婚なんてしないわよ」
「まあ、いいじゃないですか。僕の姿を見せたり、名前を教えたりすることはできませんが、僕があなたを愛しているのは本当なんですし・・・。信じてください。」
「信じてくれ、って言われたってそう簡単に信じられるわけないでしょうが。だいたい初対面の人に、いきなり『愛してます』なぁんて言われたって、嬉しくないわ」
そろそろ、その飄々とした様子に疲れながらそう答えたのだったが・・・。
「あ、実は僕、前に一度あなたに逢ってるんです。あなたは知らないでしょうが・・・」
「うん、知らない。だから、もう、帰ってくれない?あたし、これ以上夜更かししたくないし・・・」
追い帰そうとし始めたリナに、それは慌てたように言った。
「あ、あのー、もうちょっとお話しません?」
「いや」
「僕、あなたの夫なんですよー?」
「あたしは、認めてないもん」
「ですから、もっとお互いを良く知るためにも・・・」
「でも、名前、教えてくれないんでしょう?」
即座に言い返された言葉に相手が「う゛っ」とつまった様子を感じ取ったリナは、さらに追い討ちをかけるように、
「じゃっ、お日様の下で、顔を見ながらなら、そのお話しとやらをしましょう。バイバイ。」
と、闇の中、見えていないことはわかっていたが、にっこり笑いながら手を振ったのだった。
「そぉんなぁ、リナさぁん、苛めないで下さいよぉ」
「あーっ、もう、うるさいわねぇ・・・」
そうしてその夜は、他愛ない話をしているうちに過ぎていった・・・。

やがて、太陽がその姿を東の空に現そうという頃、
「また今夜伺いますから、楽しみにしていてくださいね♪」
そういうとその謎の人物は姿を消した。

そうして何日もの日々が過ぎていった。
その人物は夜になると現れ、話をしては、太陽が昇る前に去っていく。何度も、その素性を尋ねたが、返ってくる答えは最初と一緒だった。
やがてリナは、それが次第に楽しみになっていた。今まで自分に求婚してきた男性とはまったく違うその雰囲気に、いつの間にか惹かれていくようだった。

そんなある夜、リナは、いつもどおり闇の中に音もなく現れた候補A(名前を教えてくれないので勝手に付けた)といつものように話をしていた。
「・・・しっかし、毎晩毎晩、本っっっ当によく来るわねー」
「そんな、夫が愛する妻に逢いに来るのは当然じゃないですか」
臆面もなく答えられた言葉にどこか嬉しさを感じながら、それでもそう簡単に素直になれない少女はわざと冷たく答えた。
「・・・候補Aのくせに、何言ってんのよ」
「その『候補』って、やめてくださいよー」
「じゃあ、『A』だけになっちゃうわよ?」
「ですから、『候補』Aではなく『夫』Aにしてくださいね」
「うーん、そーねぇ・・・・」
(・・・悪い人でも、なさそうだし・・・、一緒にいて話をするのも、そんな悪くないし・・・)
リナは少し考え込んでいたが、やがて顔を上げると相手のいるであろう方向を向いてこう答えたのだった。
「ま、いいわ」
「・・・ありがとうございます」
暗闇に喜びが広がり、もと『候補A』は優しく妻を抱きしめた。


そうしてその夜から、候補Aは夫Aに名前を変えたのだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


すみません。題名、まだ決まってないです・・・。
駄文の上しかもまだ続いてるなんて。
読んでくださっている方、本当にありがとうございます。
苦情は謹んで承りますので。
それでは、失礼します。

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6770ああ、ギリシャ神話。庵 瑠嬌 5/9-16:11
記事番号6767へのコメント


 はじめまして。庵 瑠嬌と申します。
 ……ギリシャ神話ですのねっ!わたくし、好きなんですのっ。
 大好きなゼロリナが大好きなギリシャ神話で書かれているとは……っ!
 うっとりものですわっ!


>国中が歎く中、リナは悲観した様子もなくこう言った。
>「あたしが行かないと、国中に災いが降りかかるんでしょ?だったら、仕方ないじゃない。それに、神託に告げられるほどの相手にも逢ってみたいしね♪」
>そうして彼女は、さっそく婚礼の支度をして、山の頂きに向かったのだった。


>そうしてただ独り、山の頂きに取り残されたリナは、見送りの人々がしだいに遠ざかっていくのを見ていた。
>(・・・まったく、どんな奴がいるのか楽しみにして来たのに、誰も待ってなんかいないじゃない・・・)
>大きくため息をつくと、それでも一応神託だしと思い、その場で待つことにしたのだった。


>見渡し、自分がいる場所を認識したリナは、そこが眠る前と違うことに気付いた。
>(ここは・・・?あたし、眠りながら歩くような器用な趣味は、持ってなかったはずだけど・・・)
>そう思いつつも、どこからか水の流れる音がしているのに気付き、その音の方へ歩いていくことにした。


>宮殿の中は、目に見えるものすべてが、人間界のものとは思えないほど立派なものばかりだった。
>(うわー、これみんな高く売れそうねぇ・・・)
>などと王女とも思えぬようなことを考えつつ、とりあえず広い内部を探検し始めることにした。


 ここのあたり……やっていることは、ギリシャ神話のお姫様と同じなんですけど……。
 リナさんがやると、やはり、リナさん以外の何物でもない雰囲気になりますのね。
 悲壮に自己犠牲を払うお姫様じゃありませんでしたー?(笑)


>「こんばんは」
>不意に何物かの気配とともにかけられた声。しかし、明かりのない部屋では、それが誰なのかはまったくわからない。
>リナは驚き不安を覚えつつ、それでも、それを見せずに問いかけた。
>「誰?こんな夜中に、乙女の寝室に無断で入ってくるような者は、『鞭打ち一万回の上。磔、晒し首の刑』って決まってるの知らないの?」
>すると、その人物らしきものは苦笑したようだった。
>「え?そうなんですか?でも、僕そんなの知りませんでしたから、厳重注意程度ですよね?」

 ようやっと来てくださいましたわねゼロスさんっ!
 最初から、お二人の会話がゼロリナですわっ!(思いこみ)
 初対面ですでに、会話がお二人らしくて嬉しい……。


>「ふーん、この宮殿、あなたのだったんだ。で、名前は?」
>「それは秘密です♪」
>さらりと言われたそのセリフに、リナは、呆れたように言った。
>「あのねぇ、どこの世界に名前も教えてくれないような人を夫にするような女性がいるっていうのよ?たとえ神託だろうと何だろうと、あたしは、自分の気に入らないような人とは結婚なんてしないわよ」
>「まあ、いいじゃないですか。僕の姿を見せたり、名前を教えたりすることはできませんが、僕があなたを愛しているのは本当なんですし・・・。信じてください。」

 あああっ!登場してから、さっそく「それは秘密です攻撃」を放って、その上さらに「愛している」発言っ!さらに後から「信じてください」!
 やりますわね、ゼロスさん!あーんど琳さんっ!
 リナさんも完璧にゼロスさんの手中に陥っていながら、素直に従いませんし!


>追い帰そうとし始めたリナに、それは慌てたように言った。
>「あ、あのー、もうちょっとお話しません?」
>「いや」
>「僕、あなたの夫なんですよー?」
>「あたしは、認めてないもん」
>「ですから、もっとお互いを良く知るためにも・・・」
>「でも、名前、教えてくれないんでしょう?」
>即座に言い返された言葉に相手が「う゛っ」とつまった様子を感じ取ったリナは、さらに追い討ちをかけるように、
>「じゃっ、お日様の下で、顔を見ながらなら、そのお話しとやらをしましょう。バイバイ。」
>と、闇の中、見えていないことはわかっていたが、にっこり笑いながら手を振ったのだった。

 うーん……この素晴らしい性格はさすがに意外だったでしょう、ゼロスさん。
 ああ……でも、あの苛烈な目を見た瞬間、理解していたでしょうか?
 それにしても、ギリシャ神話でここまで完璧なゼロリナができるとは知りませんでした……。 


>やがて、太陽がその姿を東の空に現そうという頃、
>「また今夜伺いますから、楽しみにしていてくださいね♪」
>そういうとその謎の人物は姿を消した。

 夜更かしするつもりなくても……結局完全徹夜したんですのね?
 やっぱり、リナさんもなんだかんだいって、楽しかったんですのね♪


>そんなある夜、リナは、いつもどおり闇の中に音もなく現れた候補A(名前を教えてくれないので勝手に付けた)といつものように話をしていた。
>「・・・しっかし、毎晩毎晩、本っっっ当によく来るわねー」
>「そんな、夫が愛する妻に逢いに来るのは当然じゃないですか」
>臆面もなく答えられた言葉にどこか嬉しさを感じながら、それでもそう簡単に素直になれない少女はわざと冷たく答えた。
>「・・・候補Aのくせに、何言ってんのよ」
>「その『候補』って、やめてくださいよー」
>「じゃあ、『A』だけになっちゃうわよ?」
>「ですから、『候補』Aではなく『夫』Aにしてくださいね」

 候補Aと名づけるリナさん、いやがって、妥協案を出すゼロスさん……。
 もう、開き直ってダーリン、とでも呼んでしまいなさいなっ!!(冗談です、もちろん冗談です)
 まぁ、どうせ提案しても、リナさんは呑まないでしょうけれど……。


>すみません。題名、まだ決まってないです・・・。

 題名……ですか……うーん……。
 題名ってつけるの大変ですわよねぇ……。いつもわたくしは関連性の無いもので、適当にお茶を濁していますけれど……(汗)。
 ギリシャ神話とゼロリナ物語、ということで、ゼロリナ神話はいかがでしょう!?(殴殺・撲殺・絞殺)
 すいません。人の話だと勝手なことを言ってはいけませんわね。聞かなかったことにして下さいませ(なら書くな←セルフボケ突っ込み)。
 

>駄文の上しかもまだ続いてるなんて。
>読んでくださっている方、本当にありがとうございます。
>苦情は謹んで承りますので。
>それでは、失礼します。

 続き、頑張ってくださいね、応援してます。
 ……ゼロリナでギリシャ神話なんて、素晴らしいですわ。
 それでは、失礼をば……。


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6773きゃーっ☆5/11-01:15
記事番号6770へのコメント

庵 瑠嬌さんは No.6770「ああ、ギリシャ神話。」で書きました。
>
>
> はじめまして。庵 瑠嬌と申します。
> ……ギリシャ神話ですのねっ!わたくし、好きなんですのっ。
> 大好きなゼロリナが大好きなギリシャ神話で書かれているとは……っ!
> うっとりものですわっ!
>

はじめまして。
庵さまから感想をいただけるなんて・・・。
私、ファンなんですぅ。


>>宮殿の中は、目に見えるものすべてが、人間界のものとは思えないほど立派なものばかりだった。
>>(うわー、これみんな高く売れそうねぇ・・・)
>>などと王女とも思えぬようなことを考えつつ、とりあえず広い内部を探検し始めることにした。
>
>
> ここのあたり……やっていることは、ギリシャ神話のお姫様と同じなんですけど……。
> リナさんがやると、やはり、リナさん以外の何物でもない雰囲気になりますのね。
> 悲壮に自己犠牲を払うお姫様じゃありませんでしたー?(笑)
>

はい。(笑)
本物(?)は、ちょっとリナちゃんとイメージ違ったんで・・・。


>
> あああっ!登場してから、さっそく「それは秘密です攻撃」を放って、その上さらに「愛している」発言っ!さらに後から「信じてください」!
> やりますわね、ゼロスさん!あーんど琳さんっ!
> リナさんも完璧にゼロスさんの手中に陥っていながら、素直に従いませんし!
>

この場面が書きたくて、この無謀な挑戦はじめたようなものですから・・・。
なぜか頭の中に浮かんでしまったんですよねー。

>
> うーん……この素晴らしい性格はさすがに意外だったでしょう、ゼロスさん。
> ああ……でも、あの苛烈な目を見た瞬間、理解していたでしょうか?
> それにしても、ギリシャ神話でここまで完璧なゼロリナができるとは知りませんでした……。 
>
>

完璧ですか?
そう見えたのならすごく嬉しいです・・・。
自分の文章って、読み返すほど恥ずかしくなるんで、どこまできちんと修正できているのか不安なものですから。


>>やがて、太陽がその姿を東の空に現そうという頃、
>>「また今夜伺いますから、楽しみにしていてくださいね♪」
>>そういうとその謎の人物は姿を消した。
>
> 夜更かしするつもりなくても……結局完全徹夜したんですのね?
> やっぱり、リナさんもなんだかんだいって、楽しかったんですのね♪
>

ええ。ゼロス君ならきっと、簡単に帰るような事はしないだろうなーと思って、徹夜してもらいました。



> 題名……ですか……うーん……。
> 題名ってつけるの大変ですわよねぇ……。いつもわたくしは関連性の無いもので、適当にお茶を濁していますけれど……(汗)。
> ギリシャ神話とゼロリナ物語、ということで、ゼロリナ神話はいかがでしょう!?(殴殺・撲殺・絞殺)
> すいません。人の話だと勝手なことを言ってはいけませんわね。聞かなかったことにして下さいませ(なら書くな←セルフボケ突っ込み)。
> 

えーっ?
ゼロリナ神話・・・いいですのに。
でも、題名ってむずかしいですね・・・。
(このまま、無題でいきそうな予感が・・・)


>
> 続き、頑張ってくださいね、応援してます。
> ……ゼロリナでギリシャ神話なんて、素晴らしいですわ。
> それでは、失礼をば……。
>
>

わーっ。ありがとうございます。
小心者なもので、感想いただけるとすっごくうれしいです。
実は、先ほど一応完成したんですが、何が悪かったのか手違いですべて消えてしまって・・・。(悲しい・・・)
とりあず、がんばってまた書きます。
ありがとうございました。


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6776無題5/11-20:57
記事番号6764へのコメント


続きです。
ようやく終わりが見えてきました。
もう少し・・・。

§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§

しばらくは平穏な日々が続いていた。
しかし、どうしても素性を明かそうとしない夫Aに、とうとうリナはある手段をとることにしたのだった。

その夜、いつもどおり現れ話をした後、彼がすやすやと寝息を立てて眠ったのを見計らったリナは、隠しておいた蝋燭に灯りをともし、静かにその姿を照らした。
小さな蝋燭の明かりに照らされたのは、漆黒の髪、端整な顔立ちに雪のように白い肌、そしてその肩には小さな白い羽が2枚重なっていた。
(・・・うそ。・・・この人って、もしかして・・・)
一つの名前が頭に浮かび、絶句しながらもその姿を眺めていると、明かりに気付いたのか夫は目を開けたのだった。そして悲しそうな表情を浮かべると、とうとう素性を明かしたのである。
「・・・困りましたね・・・。僕は、・・・ゼロスです」
「・・・知ってるわ。あなたのお母様のことも・・・」
そう言うリナに、ゼロスは頷いた。
「あなたに知られてしまった以上、・・・一緒にいることはできないんです。僕は、母の命に反してもあなたの側にいたかったんです。でも、このことは母にも次期に知られてしまうでしょう。そうしたらその怒りは、恐ろしいほどの災厄となってあなたに向けられてしまう。だから、僕がここに来ていることは誰にも知られないようにしていたのに・・・」
「だからって『秘密です♪』なぁんて言われたら余計気になるわよ・・・」
「これから、母のもとに行って、あなたとのことを許していただけるようにお願いしてきます。必ず許してもらって来ますから、待っていてもらえますね?」
「あたしも行く」
「だめです」
「だって、もとはと言えばあたしが嫌われているのが原因なのよね?あたしのせいじゃないけど・・・。それに、どんな人か見てみたいし」
「ですが、あなたを連れていったらあの母のことですから、何か企むに決まってますよ?」
「企むって・・・。あなたもフォローしてくれるんでしょ?」
「それは勿論です」
「だったら大丈夫よ。きっと」
「・・・仕方ないですね。じゃあ、行きますよ?」
そう言うとゼロスはリナを連れ、ゼラスの宮殿に向かったのだった。

一方ゼラスは、いつもなら命じられたことをすぐに実行しその報告をしてくる息子が、今回はなかなか姿を見せないことに不安を感じていた。
そんなところに2人が現れたのである。


「・・・・で?2人の結婚を認めろというのね?」
「・・・はい」
「ゼロス、あなた、私の命を無視した上、私が嫌っている人間を連れてきて・・・。私が許すとでも思っているのかしら?」
「ですから、僕は別に、母上の命を無視したくて無視したわけではなく・・・」
「でも、無視したでしょう?」
「それは、その・・・」
その時、ずっと黙っていたリナが口を開いた。
「一つ聞いてもいいですか?」
「何かしら?」
「どうしてあたしを嫌うんですか?あたしがあなたより美しいという噂を立てられたせいだと言うなら、あたしのせいじゃなくて噂した奴らのせいでしょう?
それが原因だって言うならそれは間違ってるわよ!!」
「り、リナさん!?」
喧嘩腰で言い放ったリナに、ゼロスは慌ててなだめようとした。
「あぁら、この私に向かってよくそんなことが言えるわねぇ?」
「あ、あの、母上も落ち着いて・・・」
「ゼロス、あなたはあちらの部屋に行っていなさい。私がいいと言うまで出ることは許しません!!」
「し、しかし・・・」
「いいから、行きなさい!!」
「ですが・・・」
「ゼロス、あたしなら大丈夫よ」
困惑したように2人を見やったゼロスは、あきらめたようにしぶしぶと承知した。
「・・・わかりました」
こうしてゼロスは、宮殿の一室に軟禁されたのだった・・・。


「・・・さて」
そう言うと、ゼラスはリナに向き合った。
「それで?あなたはここに何をしに来たのかしら?」
「え? 一応、ゼロスのお母様だし・・・、それになんで嫌われてるのかわかんなかったし・・・」
「謝りに来たとかじゃなくて?」
「謝るって・・・、あたしは別にあなたに悪いことしてないもの。まあ、ゼロスとのことは認めて欲しいとは思うけど・・・」
「ふーん、なるほど」
「それで、どうしたら認めてくれるの?」
「そうねぇ・・・」
ゼラスはしばし考えていたが、急にうれしそうな笑顔を見せた。
「じゃあ、こうしましょう。これからあなたに簡単な3つの仕事を与えます。すべてできたら、まあ、認めてあげてもよくてよ?」
この女神の出す仕事が簡単なものなはずがない。そう思いはしたが、ここで引き下がるわけにはいかなかった。
「・・・わかったわ」
「それじゃあ、最初の仕事を与えるから、ついてらっしゃい」
そう言うとリナは宮殿の一室に連れていかれた。
中には、小麦、大麦、粟、大豆などの穀物が山のように積まれていたが、仕事と言うのはこの穀物を、種類別に選り分けることだった。


しばらくはまじめに選り分けていたリナだったが・・・。
「ああっっっ。もう、いや――――っっ」
分けても分けても目の前の山は全く低くならない。
「こんなのできるわけないじゃない・・・」
途方にくれ溜息をついていると、不意に部屋の隅から数え切れないほどの蟻が現れ、穀物の山から一つ一つ選り分けて種類毎の山を作っていくではないか。
(一体・・・?)
すると、何処からともなく聞こえてくるのは、軟禁されているはずのゼロスの声。
「リナさん?難題を言いつけられたようですね」
「ゼロス!?」
「僕はまだ部屋からは出られませんが、できる限りお手伝いして差し上げますから、がんばってくださいね」
それだけ言うと、その声は聞こえなくなってしまった。そして穀物の山はなくなり、きれいに選り分けられた小さな山がいくつかできていた。


ゼロスの助けのおかげで仕事が終わったリナは、そのことをゼラスに報告しに行った。
「まあ、終わったの?速いわねぇ」
「まあね」
(あたしがやったわけじゃないけど・・・)
それでもにっこり笑って見せると、ゼラスは嬉しそうに次の仕事を言い付けた。
「宮殿の向こうにある森の中で私の羊が野飼いにされているんだけど、その中に金の毛を持った羊がいるから、その羊の毛を一掴み取ってきてちょうだい」


宮殿を出て森に入ると、何処からともなくまた、ゼロスの声が聞こえてきた。
「リナさん。金の羊にはうかつに近づいちゃ、いけませんよ」
「なんで?そうしないと毛を持って帰れないじゃない」
「あの羊は非常に気が荒い上に、母上にしか懐いていないんです。もし、知らない人間が近づいたら大きな角や鋭い歯で殺されちゃいます」
「だったらどうやって・・・」
「午後になると羊たちは木々の下で眠り出します。その時、木の枝などについている金の毛を集めればいいんですよ」
「そっか・・・」
「じゃあ、がんばってくださいね」
「えっ、ちょっと待って」
また、聞こえなくなりそうになったので、リナは慌てて呼びとめた。
「何です?」
「あの、その、・・・ありがとう」
最後の方は、かなり小さな声だった。
「え?何ですかぁ?」
「・・・・・何でもないわよ」
くすくす笑っている声はやがて消えていった。
(ったく・・・。聞こえてるくせに・・・)
そう思いながらも、言われたとおりにすることで無事仕事は終えることができたのだった。


「終わったわよ?」
そうゼラスに告げると、彼女は驚いたようにリナを見て言った。
「あら、よくできたわね?大変だったのではない?」
「それほどでもなかったけど・・・。で、最後は何をすればいいの?」
なぜか今までで一番の不安を覚えつつ、尋ねてみると・・・。
「そうね。これは、ちょっと難しいかもしれないけど・・・。あなたならできるわよね?」
言いながら彼女は小さな小箱を手渡した。
「これを持って、冥府の国に行って女王の美を少し分けてもらって来てちょうだい」


これを聞いたリナは途方にくれた。
「冥府なんて・・・・。あたしに死ねって言ってんの・・・?」
(なんでこんな意地悪されなきゃいけないのかなぁ・・・)
そう思いいつつ、とりあえず森の中を歩いていると、また、ゼロスの助言の声が聞こえてきたのだった。
「・・・・・・とまあ、こうすれば無事、行って帰ってくることができますよ」
「ふーん、めんどーねぇ」
「ま、でも、これが最後のはずですから」
「はずって・・・。ま、でも、さすがにあなたのお母様よねぇ?あの性格なんか・・・」
「似てますか?でも、僕はリナさんに意地悪なんてしませんよ?」
「親子でされたら、たまんないわよ・・・。
とりあえず、あたしはがんばってみるけど・・・。あなたの方は大丈夫なの?あたしに手を貸してたなんて知れたら・・・」
「心配してくださるんですか?うれしいですねぇ」
「別に、そういうわけじゃ・・・」
「僕の方は大丈夫ですよ。軟禁なんて珍しくないですし・・・」
「・・・って、前にも何かやらかしたのね?」
「まあ、ちょっとしたいたづらですよ♪それじゃあ、がんばってください。あ、帰りは絶対その箱を覗かないように。いいですね?」
「わかってるって」
「では」
そう言うとその声は聞こえなくなった。


リナは、言われたとおりにすることで、無事女王の美をもらってくることができた。
しかし・・・。
(なんで、『美』なんてものを箱に入れれるんだろう?)
そう考えると、気になってしまうのが人間の性である。
(でも、見るなって言われてるし・・・。うーん、でもちょっとだけなら・・・)
そして、箱のふたを少し開けると、そこから出てきたのは冥府の世界に立ち込めている深い眠りだった。
その煙に包まれると、リナは意識を失い倒れてしまった・・・。


その頃、なんとか部屋から抜け出すことに成功したゼロスは、何故か不胸騒ぎを覚えリナのもとに駆けつけようとしていた。
そして、道端に倒れているリナを見つけると彼女を包んでいる眠りを集め、元通りに箱に入れた。眠りから開放されると、リナはゆっくりと目を開け、側にゼロスがいるのを見たのだった。
「箱を開けたらだめだって、言ったはずですよ?」
少し咎めるような口調だった。
「・・・だって、『美』なんてどうやって箱に入ってるのかなーって・・・」
「まったく、しょうがない人ですね」
苦笑しながらそういうと、ゼロスはゆっくりとリナを立たせた。
「これで、仕事は終わりですね?」
「うん。おかげで助かったわ」
「いえいえ。愛するリナさんのためですから♪」
「・・・・・よくそういう恥ずかしいセリフ、真顔で言えるわよねー」
「本当のことですから」
「・・・はいはい」
「あ、そう言えば僕、まだリナさんから『愛してます』って言われたことないんですよねぇ?」
「・・・何よ」
何か嫌な予感がしてゼロスを見やると、いつになく真剣な顔をしてこう尋ねてきたのだった。
「僕のこと愛してますか?」
「・・・さあっ、早く箱を届けて、あの女(注:ゼラス)をぎゃふんと言わせてやらないと・・・」
「あ、あのー」
「え?ゼロス、何か言ったぁ?」
「しくしくしく。ひどいですぅ・・・。僕がこんなにこんなにこぉんなにリナさんを想っているのに・・・。リナさんは僕のことを『便利な道具A』くらいにしか想ってないんですね・・・」
いじけ出したゼロスに、リナはあきれて言った。
「あのねぇ・・・。こぉのあたしが、嫌いな人のために、人に命令されたことを『はいはい』って素直に聞いてるわけないでしょうが」
「・・・ちゃんと言ってくれなきゃ、嫌です」
「・・・・・・あなたのお母様に無事認められたら言ってあげるわよ」
「本当ですね?約束ですよ♪」
急に嬉しそうな表情を見せ始めたゼロスと疲れきった表情のリナは、とりあえず宮殿に戻ることにしたのだった。


§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§

ひどい文ですねー。
もう少しで終わりますので、我慢してやってください・・・。
それでは、読んでくださった方、ありがとうございました。

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6782無題(終)5/13-11:28
記事番号6764へのコメント


∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬

無題(終)

「さあ、これであなたの言いつけた3つの仕事は終わったわよ?」
リナはそう言いながら小箱を差し出した。するとゼラスはにっこりと実に美しい笑顔を見せたのだった。
「まあ、終わったの?残念ねぇ」
「認めてくれるんでしょう?」
「そうね。約束ですもの」
案外あっさりと認めてくれたことに拍子抜けしたのが顔に出たのだろう。
「あら、何か不満でも?」
「え?そうじゃないけど・・・。何かあっさりしすぎてるから、逆に怖いなーって・・・」
そう答えると、ゼラスはいかにも心外だという顔をした。
「私、そんなに執念深くないわよ?」
「そーですか?」
顔中で不信をあらわしたリナを見やると、ゼラスはこう言った。
「どうせ、ゼロスも部屋を抜け出しているんでしょうから、2人であの子の宮殿に帰りなさい」
「いいの?」
「まだ、ここで働きたいと言うのなら・・・」
「いえっ。ありがとうございます。お義母様♪」
そう言って笑顔を見せると、リナはゼロスとともに彼の宮殿へと帰ることにした。

その帰り道・・・。
「ねー、ゼロス。やけにあっさり認めてくれたけど、なにか裏とかあるんじゃないのかなー?」
なかなか信じられないのか、リナはゼロスに問いかけた。
「大丈夫だと思いますよ?母は、暇つぶしのために、誰かに仕事を言いつけるのが好きなだけですから」
「ちょっと・・・。もしかして、あなたが最初にあたしに対して命じられたときも、怒ってたからって言うより、・・・暇だったからとか?」
頭痛を感じながら尋ねると・・・。
「さあ?どこまで怒っていたかはわかりませんが、たぶん半分以上は暇つぶしだったと思いますよ?」
「・・・・・いい性格してるわね・・・」
ゼロスは、先ほどの母親との会話を思い出していた。
(あーんなこと言われていたと知ったら、リナさん、きっと怒るでしょうねぇ・・・)

『あなた、あの娘に手を貸していたわね?』
『何のことでしょう?』
『とぼけても無駄よ。ぜーんぶ知ってるんだから』
『ばれてたんですか』
『当然よ。・・・まったくいい根性してるじゃないの、あなたも。・・・あの娘も』
『ありがとうございます』
『まあ、私は、いい暇つぶしが増えて嬉しいけど♪』
『あ、あのー、リナさんはあまり苛めないでくださいね?』
『愛の鞭よ♪』

「まあいいじゃないですか。これで、ずーっと一緒にいられるんですから♪」
「何だか、これからも、いやーなこと言いつけられそうな気がするわよ・・・」
予感と言うよりそれは確信だった。
「また手伝って差し上げますって」
「当たり前よ。あなたの母親なんだから、責任もってちゃんとあなたが世話してよね」
「えーっ?僕ひとりでですか?」
「何言ってんの。今までもひとりでやってたんでしょうがっ」
「それは昔の話ですよー。やっぱり夫婦で困難を乗り越えましょーよー?」
「嫌よ。あなたひとりで乗り越えてちょうだい」
「そぉんなぁ・・・」
「さあ、帰ろう」
言うなり、すたすたと歩き出したリナの後をゼロスも追って行く。
「リナさぁん、待ってくださいよー」
「・・・ゼロス!!」
リナは突然くるりと後ろを向いた。少し迷っていたようだったが、約束の言葉を口にすると、ゼロスに抱きついたのだった。

「愛してるわよ」

∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬


ようやく終わりました。
このようなひどい駄作をここまで読んでくださった心の広い方、本当にありがとうございました。
なるべく速く皆様からこの記憶が消去されることを祈りつつ、私はまた一介の読者に戻りたいと思います。
それでは、失礼します。

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6816ゼラスさま素敵(はぁと)庵 瑠嬌 5/19-16:55
記事番号6782へのコメント


 こんにちは、庵 瑠嬌です。
 うぅん、無題のままで終わってしまいましたわねぇ……。
 どんな題名がぴったりするか、と考えていると、難しいんでしょうね、いい加減に題名をつけていた己を反省しました(でも改められない←汗)。
 さて、感想参ります。


>「認めてくれるんでしょう?」
>「そうね。約束ですもの」
>案外あっさりと認めてくれたことに拍子抜けしたのが顔に出たのだろう。
>「あら、何か不満でも?」
>「え?そうじゃないけど・・・。何かあっさりしすぎてるから、逆に怖いなーって・・・」

 短い付き合いで、そこまで解したリナさんって……無理無いでしょうけど(笑)。
 なんか、あっさり開放した後で、こっそり見えない罠の糸でも張ってそうですわよね(偏見)。



>「大丈夫だと思いますよ?母は、暇つぶしのために、誰かに仕事を言いつけるのが好きなだけですから」
>「ちょっと・・・。もしかして、あなたが最初にあたしに対して命じられたときも、怒ってたからって言うより、・・・暇だったからとか?」
>頭痛を感じながら尋ねると・・・。
>「さあ?どこまで怒っていたかはわかりませんが、たぶん半分以上は暇つぶしだったと思いますよ?」
>「・・・・・いい性格してるわね・・・」

 息子の性格でだいたい推し量れると思いますの……。
 ゼロスさんが、こんなふうに育ってしまうような教育をしてきたんですものねぇ……。
 しかしリナさん、暇つぶしの道具(笑)。
 姑の嫁いびりとはどこか違うんですのよね。


>
>『あなた、あの娘に手を貸していたわね?』
>『何のことでしょう?』
>『とぼけても無駄よ。ぜーんぶ知ってるんだから』
>『ばれてたんですか』
>『当然よ。・・・まったくいい根性してるじゃないの、あなたも。・・・あの娘も』

 息子が手を貸しているのを知って、平然と無理難題を言いつけていたんでしょうか。
 いや、たとえリナさんが独力で解決するしかないとしても、同じ事をおっしゃったような気が……。
 だって、いい根性なさってるじゃありませんか。ゼラスさまも(笑)
 

>「まあいいじゃないですか。これで、ずーっと一緒にいられるんですから♪」
>「何だか、これからも、いやーなこと言いつけられそうな気がするわよ・・・」
>予感と言うよりそれは確信だった。
>「また手伝って差し上げますって」
>「当たり前よ。あなたの母親なんだから、責任もってちゃんとあなたが世話してよね」
>「えーっ?僕ひとりでですか?」
>「何言ってんの。今までもひとりでやってたんでしょうがっ」
>「それは昔の話ですよー。やっぱり夫婦で困難を乗り越えましょーよー?」
>「嫌よ。あなたひとりで乗り越えてちょうだい」
>「そぉんなぁ・・・」
>「さあ、帰ろう」

 あぁぁんっ(はぁと)。
 ゼ・ロ・リ・ナ・……な会話ですわねぇっ。
 だって、夫婦で乗り越えるとか、それにつれないリナさんとか、けれど、その次にさあ、帰ろう、とか言うところとか……。
 他にも庵の妄想力で、解釈は無限に広がりますのっ(迷惑)


>言うなり、すたすたと歩き出したリナの後をゼロスも追って行く。
>「リナさぁん、待ってくださいよー」
>「・・・ゼロス!!」
>リナは突然くるりと後ろを向いた。少し迷っていたようだったが、約束の言葉を口にすると、ゼロスに抱きついたのだった。
>
>「愛してるわよ」

 …………(ただいま溶解中)
 ………………(ただいま気化中)
 …………(ようやく凝固)
 っきゃぁぁぁんっっ!!待ってましたのよぉ――っ!
 ゼロスさんに抱き着いて「愛してるわよ」。
 結構さらっとしてて、それで、抱き着いてるなんて、やっぱり、ゼロスさん幸せ者!!
 たった一行でわたくしの心をはるか天上へと導いたあなたは素晴らしいですわっ。
 やっぱり愛の告白は乙女共通の夢というやつですわね!


>ようやく終わりました。
>このようなひどい駄作をここまで読んでくださった心の広い方、本当にありがとうございました。

 とぉんっでもないっ!
 素敵でしたわ、ギリシャ神話なゼロリナ……また今度、神話じゃなくてもかまいませんから、書いてくださいね(はぁと)
 さりげなく(ないけど)、下の文章に対する圧力なんですけど、わかります?

>なるべく速く皆様からこの記憶が消去されることを祈りつつ、私はまた一介の読者に戻りたいと思います。

 忘れるって、何ですかー?一介の読者って何ですかー?
 駄目です。逃がしはいたしませんわっ!!
 また書きましょうよ、書いてください、書きますわよねぇ―っ?

>それでは、失礼します。

 異常なハイテンションでご迷惑かけました。
 試験後はどうも狂ってしまうようで……それでは、失礼をば……



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6825ありがとうございます♪5/20-21:06
記事番号6816へのコメント

庵 瑠嬌さんは No.6816「ゼラスさま素敵(はぁと)」で書きました。
>
>
> こんにちは、庵 瑠嬌です。
> うぅん、無題のままで終わってしまいましたわねぇ……。
> どんな題名がぴったりするか、と考えていると、難しいんでしょうね、いい加減に題名をつけていた己を反省しました(でも改められない←汗)。
> さて、感想参ります。
>
>

こんにちは。
感想いただけるなんてすごくうれしいです♪
題名は、一応(?)いろいろ考えたんですが、どうしても良いものが思い浮かばなくって・・・。


>>「認めてくれるんでしょう?」
>>「そうね。約束ですもの」
>>案外あっさりと認めてくれたことに拍子抜けしたのが顔に出たのだろう。
>>「あら、何か不満でも?」
>>「え?そうじゃないけど・・・。何かあっさりしすぎてるから、逆に怖いなーって・・・」
>
> 短い付き合いで、そこまで解したリナさんって……無理無いでしょうけど(笑)。
> なんか、あっさり開放した後で、こっそり見えない罠の糸でも張ってそうですわよね(偏見)。
>
>>「大丈夫だと思いますよ?母は、暇つぶしのために、誰かに仕事を言いつけるのが好きなだけですから」
>>「ちょっと・・・。もしかして、あなたが最初にあたしに対して命じられたときも、怒ってたからって言うより、・・・暇だったからとか?」
>>頭痛を感じながら尋ねると・・・。
>>「さあ?どこまで怒っていたかはわかりませんが、たぶん半分以上は暇つぶしだったと思いますよ?」
>>「・・・・・いい性格してるわね・・・」
>
> 息子の性格でだいたい推し量れると思いますの……。
> ゼロスさんが、こんなふうに育ってしまうような教育をしてきたんですものねぇ……。
> しかしリナさん、暇つぶしの道具(笑)。
> 姑の嫁いびりとはどこか違うんですのよね。
>
>

自分で書いていながら、恐ろしい親子になってしまいましたね。
でも、きっと『愛』が込められた嫁いびりなんです。多分・・・。

>>
>>『あなた、あの娘に手を貸していたわね?』
>>『何のことでしょう?』
>>『とぼけても無駄よ。ぜーんぶ知ってるんだから』
>>『ばれてたんですか』
>>『当然よ。・・・まったくいい根性してるじゃないの、あなたも。・・・あの娘も』
>
> 息子が手を貸しているのを知って、平然と無理難題を言いつけていたんでしょうか。
> いや、たとえリナさんが独力で解決するしかないとしても、同じ事をおっしゃったような気が……。
> だって、いい根性なさってるじゃありませんか。ゼラスさまも(笑)
> 
>

このゼラス様、かなり私の偏見入ってしまって・・・。(私の根性の屈折とも言うかも・・・)
何しろ、ゼロス君もリナさんも『暇つぶしの道具』(笑)ですからねぇ。


>>「まあいいじゃないですか。これで、ずーっと一緒にいられるんですから♪」
>>「何だか、これからも、いやーなこと言いつけられそうな気がするわよ・・・」
>>予感と言うよりそれは確信だった。
>>「また手伝って差し上げますって」
>>「当たり前よ。あなたの母親なんだから、責任もってちゃんとあなたが世話してよね」
>>「えーっ?僕ひとりでですか?」
>>「何言ってんの。今までもひとりでやってたんでしょうがっ」
>>「それは昔の話ですよー。やっぱり夫婦で困難を乗り越えましょーよー?」
>>「嫌よ。あなたひとりで乗り越えてちょうだい」
>>「そぉんなぁ・・・」
>>「さあ、帰ろう」
>
> あぁぁんっ(はぁと)。
> ゼ・ロ・リ・ナ・……な会話ですわねぇっ。
> だって、夫婦で乗り越えるとか、それにつれないリナさんとか、けれど、その次にさあ、帰ろう、とか言うところとか……。
> 他にも庵の妄想力で、解釈は無限に広がりますのっ(迷惑)
>
>

わーい♪そう言っていただけるとうれしいですぅ♪
会話って、書いてて楽しいですねー。


>>言うなり、すたすたと歩き出したリナの後をゼロスも追って行く。
>>「リナさぁん、待ってくださいよー」
>>「・・・ゼロス!!」
>>リナは突然くるりと後ろを向いた。少し迷っていたようだったが、約束の言葉を口にすると、ゼロスに抱きついたのだった。
>>
>>「愛してるわよ」
>
> …………(ただいま溶解中)
> ………………(ただいま気化中)
> …………(ようやく凝固)
> っきゃぁぁぁんっっ!!待ってましたのよぉ――っ!
> ゼロスさんに抱き着いて「愛してるわよ」。
> 結構さらっとしてて、それで、抱き着いてるなんて、やっぱり、ゼロスさん幸せ者!!
> たった一行でわたくしの心をはるか天上へと導いたあなたは素晴らしいですわっ。
> やっぱり愛の告白は乙女共通の夢というやつですわね!
>


天上まで行けましたか?よかったー。でも往復切符ですから、ちゃんと戻ってきてくださいね(はぁと)。
私も庵さまの小説でよく天上に行ってますよー?
なかなか居心地のよいところですよね(笑)。


>>ようやく終わりました。
>>このようなひどい駄作をここまで読んでくださった心の広い方、本当にありがとうございました。
>
> とぉんっでもないっ!
> 素敵でしたわ、ギリシャ神話なゼロリナ……また今度、神話じゃなくてもかまいませんから、書いてくださいね(はぁと)
> さりげなく(ないけど)、下の文章に対する圧力なんですけど、わかります?
>

う゛っ。
で、でも、楽しんでいただけたようでよかったです♪


>>なるべく速く皆様からこの記憶が消去されることを祈りつつ、私はまた一介の読者に戻りたいと思います。
>
> 忘れるって、何ですかー?一介の読者って何ですかー?
> 駄目です。逃がしはいたしませんわっ!!
> また書きましょうよ、書いてください、書きますわよねぇ―っ?

わー、逃がしてください・・・。
私は、一介の読者〜♪

文章って、本っ当に難しいですねー。よーく実感いたしました。
でも、また懲りずに出来心で書いてしまったら、・・・許してください。


> 異常なハイテンションでご迷惑かけました。
> 試験後はどうも狂ってしまうようで……それでは、失礼をば……
>

迷惑なんてとんでもないっ。とってもうれしいです♪
ありがとうございました。