◆−太陽の微笑みのように 1−理奈(8/2-05:40)No.7325
 ┣太陽の微笑みのように 2−理奈(8/2-05:42)No.7326
 ┃┗太陽の微笑みのように 3−理奈(8/2-05:45)No.7327
 ┃ ┗太陽の微笑みのように 4−理奈(8/3-04:37)No.7337
 ┃  ┣はじめましてです!!−岬梨雨(8/3-06:55)No.7338
 ┃  ┃┗きゃ!ありがとうございます!−理奈(8/4-07:50)No.7353
 ┃  ┣オンラインのままでよみました(^^;)−高砂 時緒(8/3-18:13)No.7344
 ┃  ┃┗うれしぃです!−理奈(8/4-07:58)No.7354
 ┃  ┗太陽の微笑みのように 5−理奈(8/4-08:25)No.7355
 ┃   ┗太陽の微笑みのように 6−理奈(8/4-12:40)No.7359
 ┃    ┗太陽の微笑みのように 7−理奈(8/5-04:37)No.7369
 ┃     ┗太陽の微笑みのように 終−理奈(8/5-06:51)NEWNo.7370
 ┃      ┗太陽の微笑みのように 終 (こっちが本当)−理奈(8/5-06:53)NEWNo.7371
 ┃       ┗太陽の微笑みのように 後書き−理奈(8/5-07:22)NEWNo.7372
 ┃        ┗Re:太陽の微笑みのように 後書き−岬梨雨(8/7-23:49)NEWNo.7420
 ┃         ┗返事おそくなってもうしわけございません!−理奈(8/8-03:58)NEWNo.7423
 ┗夏の夜は、彼にご用心 1−理奈(8/6-11:49)NEWNo.7389
  ┣やっぱリナはリナですね・・・(^^;;−どらまた(8/6-13:08)NEWNo.7391
  ┃┗それが彼女のいいところ (^_^)−理奈(8/6-14:51)NEWNo.7395
  ┗夏の夜は、彼にご用心 2−理奈(8/6-14:43)NEWNo.7394
   ┗夏の夜は、彼にご用心 終 −理奈(8/8-05:05)NEWNo.7425


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7325太陽の微笑みのように 1理奈 8/2-05:40


 おひさしぶりの投稿です。はじめましての方のほうが多いとおもうのですが。
理奈といいます。このごろスランプって言うのでしょうか。何書いても
ちゅーとはんぱになってしまって。でもやっと読めるものができあがったので
載せたいと思います。うぅ〜ん。前、書いたやつも下手だなぁと思っていたけど
もっと下手になったなぁ。
 いちおーーゼロリナですので読んで下さるとうれしいです。

__________

太陽の微笑みのように

 あたしは、空を見上げる。広く、高く、まぶしい空。まぶしさのせいで目を細め、手をかざし、顔に照らす光をふせごうとする。空は、絵の具や、クレヨンでは、絶対表現できない深い青。その色に吸い込まれそうな感覚をおぼえる。
 自然と笑みがこぼれる。
 またこの季節がやってきた。あたしの大好きな夏が。なにもかも明るくて、気持ち良くて。大好きな夏。
 「暑いですね、リナさん」
 アメリアは、制服のポケットからハンカチを取り出して、額をふく。
 「そうね。今年の夏は、めちゃくちゃ暑くなりそう」
 「そうですね」
 暑い風がふく。そのとたん、あたしとアメリアの髪が風に乗って舞う。あたしは、アメリアの黒髪を見て微笑む。
 彼女の髪は、アメリアの髪よりもっと黒かったはず。いや、黒と言うより闇色。ふと脳裏に浮かぶ女の子を思い出しながらまた空を見上げる。今年の夏こそ会えるだろうか、彼女に。
 「リナさん、あのコンビニでなにか冷たい物でも買いましょう!」
 元気いっぱいのアメリアは、すぐそこのコンビニを指し、走っていった。あたしは、それを見て苦笑した。
 ほんと、アメリアってこんなに暑くても元気なんだから。
 今の季節は、夏。高校最後の夏なんだからみんなで騒いで楽しくやろうと思ってたんだけど…。くぅ〜!なんで夏休みなのに学校へ行って勉強せなぁ、ならんのだ!大学受験生だからって、先生のやつ。「夏休みだが、君らは、受験生だ。だから休みの間も勉強し、大学受験を目指そう!」なぁ〜んて古い漫画に出てくるような熱血教師しちゃって。
あたしとアメリアは、コンビニで買ったアイスキャンディーをなめながら帰り道を歩いていた。
ふはぁ〜。あつぅい。授業は、お昼までだからいいものの…。この暑い中勉強なんてできないよ。
 「ところでリナさん、夏授業が終わったら何するんですか?」
 「うぅ〜ん…そうねぇ…。毎年恒例の一人旅をする予定なんだけど。でも夏授業のせいで夏休みは、二週間しかないからなぁ。」
 あたしは、大きな口をあけてアイスキャンディーを口に入れる。
「一人旅ってまた海の方ですか?」
アメリアは、アイスキャンディーのジュースでべたべたになった指をなめる。
 「そう」
 「実は、父さんが海の近くにある別荘を買ったんです。だからみんなで何日かそこへ泊まりに行きたいなぁ、なんて思ってたんですけど」
 「それ、いいね!」
 アメリアのお父さんだ。きっとごーかな別荘に違いない。ただでうんな所へ泊まりに行けるなんて。こんなことめったにない!
 「でもリナさん、一人旅」
「別に一人じゃなくていいのよ。海へ行ければいいんだから」
あたしは、最後の一口を口に入れる。
 「毎年思ってたんですけど、なんで毎年一人で海へ行くんですか?」
 アメリアの問いにあたしは、微笑む。
 「海の妖精さんに会うため」
 アメリアは、あたしの答えにきょとんとし、そして笑った。
 「なによぉ〜」
 あたしは、それを見て頬をふくらませてしまった。
 「だって、リナさんの口から『海の妖精』なんて言葉、似合いませんよ」
 「それもそうね」
 あたしは、アメリアにつられて笑ってしまった。

 毎年この街の近くの海へ行くのに訳がある。そりゃぁ、あたしも意味も無く毎年同じ海へ行くなんて事は、しない。だけど…。
 それは、何時だったんだろう。こんな暑い夏だった。たしかまだ小学六年の時だったかな。姉ちゃんに連れられてその海へ行ったときだった。あたしたちは、ホテルに泊まっていてその夜、姉ちゃんに内緒で一人で夜の海を見に行った。

 「夜の海もきれいねぇ」
 海に移る月が綺麗。黒い夜空に広がる満点の星。静かで心地よい。
 うん?
 あたしは、目を細めて海を見つめる。向こうの方に人影が見える。結構背の高い人。女の子かな?白いティーシャツにひざのあたりまで捲り上げてあるブルージーンズ。肩のあたりまである黒い髪。顔は、見えない。こちらに背を向けてる。海をジッと眺めてるようだった。
 その人は、海を眺めていたが海の中へと歩いていった。
 夜一人で海の中で遊ぶのかな?変なの。
しかし女の子は、とまらず歩きつづける。
ひざのあたりまで水の中へと入っていった。
 これって…もしかして…
 考えるより先に体が動いていた。あたしは、ダッシュして女の子の方へと走る。彼女の太ももまで海につかった時、あたしは、彼女の腕を取る。彼女は、驚いた顔であたしの方へと振り向いた。
 その瞬間あたしは、ドキッとした。深い、黒。いや、違う。夜だからあまり見えなかったがそれは、黒じゃなく闇色の瞳だった。その瞳があたしを見る。白く、綺麗な顔立ち。まるで人形のような容姿。あたしは、金縛りにあったように立っていた。
 そして彼女があたしの手を見たとき、あたしは、あわてて彼女の腕をはなす。
 「あ、あのさ、自殺は、いけないと思うよ」
 あたしは、あわてて話し出す。すると彼女は、あたしのセリフにきょとんとする。
 「あれ?違った?だって海の中へと歩くんだもん。はたから見ると自殺しようとしてるように見えるんだもん」
 すると彼女は、悲しげに目をふせる。
 「あ、もしかして…当たりだった…」
 彼女は、なんとも悲しそうな顔で海を見つめる。
 「あ、あのさ!あんたの身に何が起きたかわかんないけど、自殺は、いけないよ!」
 彼女がまた海の中へ歩いていくんじゃないかと思ってあわてて止める。
 「ほら、死んじゃったらおいしいものも食べられないし、お金も稼げないし、楽しいことできないし!」
 彼女は、あっけにとられてあたしを見る。
 「えっと、なんて言ったらわかんなけど。えっと、死んじゃったら何もかもお終りなんだよ。生きてたらきっとあなたの身に起こったことを忘れちゃうくらいすっごい良いこと起こるかも知れないじゃん!ともかく、ね!自殺なんて馬鹿な真似は、よしなよ」
 うまく言えない。自殺志願者を説得したことなんてないからなんて言ったらいいかわかんない。自分でもなんでこんなに必死になって止めようとしてるのかわからない。自分の前で人が死ぬのが見たくないのか。それとも…
 「あたしには、あんたが自殺したい気持ちなんてわかんないけど。あたしの前で死のうとしてる人をほおって置けないわ」
 だけど、彼女は、あたしを見て微笑んだ。
 ホッ…よかった…なんとか思いとどまったみたいね…
 「リナぁ〜!!」
 その時だった。後ろの方からねえちゃんの声がした。あたしは、ふりかえった。
 「ねえちゃん!」
「あたしの目を盗んで一人で抜け出すなんて良い度胸じゃない。今私は、あんたの保護者なんだから一人でふらふらどっかいくな!」
姉ちゃんは、あたしの首根っこをつかんで頭をたたく。
 「ああぁ〜、ごめんなさぁいぃ〜!でもこの子が!」
 あたしは、彼女の方へとふりむいた。しかしそこには、だれもいなかった。あたりを見まわすと向こうのほうへ誰かが走り去っていった。
 「誰?」
 「…さぁ〜…」
 そう言えば彼女の名前聞かなかった。ってゆうか、彼女、一言もしゃべんなかったよね。
 誰だったんだろう…。きれいな闇色の髪に同じ色の瞳…。
すごく寂しそうだった・・・

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7326太陽の微笑みのように 2理奈 8/2-05:42
記事番号7325へのコメント

太陽の微笑みのように 2


それがあたしと彼女の出会いだった。彼女がどこの誰なのか、全然わからない。ただニュースとかでは、彼女のことは、聞かなかったから自殺は、してないようだけど。
そして中学二年の頃、アメリアが転校してきた時、いっしゅん、彼女かと思った。だけど全然別人だった。
なぜあたしは、こんなにも彼女に会いたいのか、それは、わからない。ただあの深く、暗い、紫の瞳が忘れられない。今年は、彼女に会えることが出来るだろうか。

「それでは、みなさん、楽しい夏休みをすごしてください」
「よっしゃぁあ!!」
先生の挨拶と共に教室のみんなは、歓声を上げ、教室を出る。
あたしとアメリアも急いで教室を出る。すると教室の外でとなりクラスのガウリィとゼルが待っていた。
「では、みなさん。明後日の朝、父といっしょにむかいに行きますから」
ガウリィもゼルもあたしたちと一緒にアメリアの父さんの別荘へ行く事になってる。
ふふふ、この前アメリアんとこの別荘の下見と言うか、なんと、言うか。見に行ったんだけどこれがめちゃくちゃおっきくていい別荘なんだよねぇ。すっごいたのしみぃ!

まるでどこか、外国へきたみたい。
海の、崖の上の洋館なんて、そうそう、さがしたって見つかるもんでもない…と思っていたのだが。車からおりたガウリィとゼルは、その洋館を見上げて、ポカンと口を開けていた。
「すごいもんだなぁ」
と、間抜けな口調で言うガウリィ。
「ほら、ボーっとつったってないで、自分の荷物を運ぶ」
あたしは、三泊四日分の重たい荷物をもって正面玄関へと向かう。
「ふへぇ〜」
人のことは、言えない。あたしは、さっきのガウリィとゼル同様、口をぽかんと開けてしまった。実は、まだ中は、見ていなかったのだ。
大きな正面玄関をくぐると大きな広間になっていて、真正面には、階段がある。その階段を上がっていくと大きな絵が飾ってある壁にあたり、両側につづく階段があり、なんかの部屋に続いている。広間の左側には、大きなドアがあり、右側には、ドアが二つある。
そしてなにより驚いたのが広間の真上につらされている大きく、重そうなシャンデリア。
ここって別荘??マンションの間違いじゃないの。
「へっへー、すごいでしょう?父さんが会社の知り合いから買ったんですよ。」
アメリアが自分の荷物を持って入ってきた。すると左側の大きなドアが開いて征服姿のメイド達が出てきた。
「ようこそいらっしゃいました、アメリアお嬢様、フィリオネル様」
メイド達は、そう言ってアメリアといつのまにか入ってきたフィルさんの荷物を持って二階の左側のドアへと、あがっていった。のこりのメイド達もあたし、ガウリィ、そしてゼルの荷物を持って階段を上がり、右側のドアへとあがっていく。
結構タフなメイドたちだな。
「さぁ、皆さん、まずは、この家の中を案内しますね」
あたしたちは、アメリアの回りに集まる。フィルさんは、さっさと二階の大きなドアの方へと上がっていく。
「始めに皆さんの部屋ですが。あの階段をあがり右側の二つのドアは、それぞれ客室へとつながっています。あとで詳しくどの部屋かメイド達が案内してくれます。左側の大きなドアは、あたしと父さんが使うキングルームとクイーンルームにつながっています」
アメリアは、そう言ってこの玄関広間の左側の大きなドアをくぐる。そこは、これまた、おおきな部屋だった。真中には、大きなテーブルがあって、イスや、食器が並べられている。
「ここがダイニングルームで、毎日ちゃんとしたコックが食事を作ってくれます。ダイニングをぬけると裏庭につながっています」
アメリアは、ダイニングの奥にあるドアをさして言う。
あたしたちは、また玄関広間へもどる。
「右側の二つのドアは、それぞれ大浴場とみんなでくつろげるリビングルームにそれぞれつながっています。一応客室それぞれにバスルームがついていますが、大浴場も一応使えますので。ちなみに混浴なので時間を決めてから使ってくださいね」
「なぁんかこーきゅーホテルに泊まる見たい」
「それでは、みなさん、今日は、何をしましょうか??」
「海!」
アメリアの問いにあたしは、すぐさま答えた。
「海に泳ぎにいこ!!すぐそこだから。ね、ガウリィ、ゼル」
「俺は、かまわないが」
「俺も」
あたしの提案に賛成してくれた二人。
「はい、決まり!じゃぁ、水着に着替えてここで集合!」

太陽の日差しが海に反射されてまぶしい。あまり強くない塩の香がいい。耳に心地よい波の音。空と同じ色の海。真っ白な雲。
「うみぃい〜〜!!」
わけわかんない掛け声をあげながらあたしは、サンダルとタオルを放り投げて海の中へかけこんだ。
「きゃ、つめたい!!ほらぁ〜、みんなも早くおいでよぉ〜!」
あたしは、みんなの方へと手をふった。
アメリアは、こっちへ走ってきたがガウリィとゼルは、もってきた折畳式のイスを広げてすわる。
「つまんないねぇ」
「リナさぁ〜ん」
自分でも知らないうちに沖の方へと来てしまった。アメリアは、平泳ぎしながら近づいてきている。
「うぅ〜ん、きもちいいぃ」
やっぱり夏は、海よねぇ〜。
「リナさん!」
「うわ!」
アメリアがいきなり水を引っ掛けてきた。
「このぉ〜、やったなぁ〜!」
あたしも手で水を打ち、アメリアにかける。
まるで子供のようにはしゃいでるあたしたちとは、反対にガウリィとゼルは、昼寝をしていた。
海に来てまで寝るかねぇ。
あたしは、空を見上げる。と、目の端になにかを捕らえる。
それは、大きな屋敷だった。アメリアの別荘からさらに丘を上った、崖の上の屋敷。古ぼけていて、森に囲まれている。一言でこの屋敷の様子を言えって言われたら迷わず『幽霊屋敷』と言うだろう。昼なのにそれほどまでに暗く、不気味だった。
三階建てかな?木で隠れてあまり見えないけど。
アメリアもあたしの視線につられてその屋敷を見る。
「あぁ、なんかここらへんで一番古い建物だそうです。なんか、外国から引越して来た家族が住んでいたとか。数年前に長女が亡くなられてどこかへまた引っ越したそうです。なんかここらへんの人達は、幽霊屋敷って呼んでるそうですよ」
「まぁ、はたからみたら幽霊屋敷に見えんでもないが。なんで?」
「なんか、その長女の幽霊が出るそうなんです。何家族か、引越ししてきたんですがみな、幽霊が出るって言って出ていったんです。そしてそのままほうりっぱなしになってるんですよ」
「どこでもありそーな話ねぇ」
「見に行きますか?」
アメリアは、クスッと笑って言う。
「い、いやよ!」
あたしは、アメリアの言葉にあわてて首をふる。
こいつぅ〜。あたしがこーゆうのに駄目だとわかってて言ってんなぁ。
あたしは、またその屋敷を見上げる。すると背中に悪寒が走った。
その屋敷の回りが異様に暗く、薄気味悪く見えるのは、あたしの気のせいだろうか…

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7327太陽の微笑みのように 3理奈 8/2-05:45
記事番号7326へのコメント

太陽の微笑みのように 3

「いやっ!絶対いや!!」
あたしは、逃げ出したい気持ちで叫んだ。だったらなぜ逃げないと思うだろうけどあたしを後ろからつかんでるガウリィが許してくれない。
「なんでですかぁ?夏休みで、海と言ったら絶対肝試しって決まってるじゃないですか?」
「決まってるかぁ!」
海と肝試しがどう結びつく!?
あたしは、泣きそうな声でまた叫ぶ。
そう。それは、あたしとアメリアがガウリィとゼルに海から見た屋敷の事を話したときだった。その時ニヤっと笑った三人になんの疑問も持たなかったあたしが馬鹿だった。おいしい、おいしい夕食を食べたあと、三人につれられてあの幽霊屋敷に続く道の入り口にきた時、さすがに悪い予感は、したが…
「肝試しなんて絶対やだ!!あんたたち、あたしがこーゆーのに弱いと知っててやってるでしょ!?」
あたしは、なんとかガウリィの腕からのがれようとしたがびくともしない。
「リナ、別に俺達は、屋敷の中に入れとは、言っていないんだ。ただ屋敷の前まで行って戻ってくればいいんだ」
「ゼルは、こーゆーの怖くないからそんなこと言えるのよ!」
「それでは、順番決めましょう。リナさんが最初で…」
「ちょっと!?話しを進めないで!それになんであたしが最初なのよ!?」
あたしは、いいかげんのども痛くなるほど叫んでいた。
「おい、リナ、もう夜なんだから少しは、ボリューム落とせ」
頭の上からガウリィの声がする。
「だったらこの手、離しなさいよ!」
「いや、離したらお前、逃げるだろ?」
「こんなリナさんはじめて見ました。知りませんでした。まさかリナさんに怖い物があるとは。そんなにイヤだったら帰ってお留守番していてもかまいませんよ。ねぇ〜、ゼルガディスさん、ガウリィさん」
むか。まるであたしには、怖い物がないって思っていたみたい。あたしにだって怖い物あるもん!
「あぁ、そうだな。アメリアに出来てリナに出来ないってのは、よほどこーゆーもんに弱いんだな。わるい、リナ。むりなことさせようとした」
むかむか。アメリアに出来てあたしには、出来ないですってぇ??
「そうだ、リナ。俺達が悪かった。まぁ、アメリアの別荘へ、もどって先に寝ててくれ。俺達は、遅くなるから」
ガウリィは、そう言ってあたしを離す。
むかぁ〜!!こども扱いするなぁ!
「そこまでいわれちゃぁ〜、だまってらんないわ!最初だろうが最後だろうが、何回だろうが行ってやるわよ!」
あたしは、こしに手をあてて言う。すると三人は、ニヤっと笑って見せる。
……はめられた……

「ひぃ〜…」
あたしは、身体を丸めながらその細い道を懐中電灯一つで歩いていた。チラッと後ろを振り向いて見るとアメリア達の懐中電灯の光は、もうどこにもなかった。少し見上げると木の間からあの幽霊屋敷が見える。
ひゃぁ〜…昼見た時とは、大違い。昼見たときも不気味だなぁ、なんて思ったけど。夜にもなるとやっぱり…こわいなぁ…。
はぁ〜…やっぱり残ればよかったかな…いやいや。みんなにあんなこと言われてだまっておとなしく引き下がるなんて、リナ・インバースの名がすたる!
バサバサバサ!!
「ひゃん!」
我ながら情けない悲鳴を上げながら頭を抱えて座り込む。
ひぃ〜ん…やだようぅ〜…
このまま引きかえろう。どうせ屋敷の前まで行ったなんてわかんないんだから。うん。よし、そうしよう。
あたしが決心を固めて立ちあがった時だった。向こうの方に人影が見えた。
あたしは、一瞬固まった。
ここからは、あまり見えないがあたしは、その人影に見覚えがある。
肩まである闇色の髪。それが一番目立っていた。
あの子だ。あたしがずっとさがしていた子だ。
その子は、屋敷の方へと歩いていった。あたしは、迷わずその子を追って屋敷の方へと走っていった。
数分もしない内に、あたしは、屋敷の前に出た。
高く、そびえ立つ、屋敷。三階建てと思ってた屋敷は、本当は、四階建てだった。
一瞬、悪寒が背中を走る。あまり暑くもないのに、そんなに走らなかったのに一筋の汗が流れる。その時だった。何かが身体をすり抜けたような感覚に身体を振るわせる。が、それは、ほんの一瞬の出来事だった。
あたしは、あたりを見渡す。さっきの子は、どこにもいない。見間違いのはずは、ない。
………………
「もどろ…」
あたしは、ぽつりとそうつぶやくとクルリと屋敷に背を向ける。

「おはよぉ〜…」
あたしは、ふわぁ、とあくびをしてダイニングルームに入った。そこには、もうみんな集まっていて朝食を取っていた。
「あっ、おはようございます、リナさん。ゆっくりでしたね」
アメリアは、メイドにあたし分の朝食を頼んでくれる。
「うぅ〜ん、あんましよく眠れなかったのよ。あれ?フィルさんは?」
あたしは、自分の席についてフィルさんがいない事に気づいた。まだ寝てるのかな?
「あぁ、俺も気になっていたんだが」
ゼルが目玉焼きを切りながら言う。
「なんか会社で急ぎの仕事が入ったとかなんとかで帰ってしまったんです。だから残りの日は、メイドたちとあたしたちだけなんです」
「そうなんだぁ」
大人がいないと言うのは、少し不安があるけど、まぁ、メイドさんたちもいるんだし。だいじょうぶかな。
あたしは、おいしいベーコンを口に運びながら思った。

「よっしゃぁ〜!!」
あたしは、叫びながらつり竿を思いっきり引いた。それとともに勢い良く魚が飛び出し、あたしは、すばやくその魚を捕まえる。
「へっへぇ〜!」
あたしは、得意げにそれを他の三人に見せる。
「これであたしは、六匹目ぇ〜!」
三人は、うらめしそうな目であたしを見る。特にガウリィが。
「だれだったかなぁ〜?一番多く釣った人の願いをみんなが叶えるとかなんとかだっけ?を提案したのはぁ〜?」
あたしは、意地悪くガウリィを見る。それを見て悔しそうな顔をするガウリィ君。
「ふふぅ〜ん」
あたしは、得意げにする。
「リナさん。あんまり得意げにしないでください。ゼルガディスさんなんて今七匹目、つりましたよ」
「なぬ!?」
ゼル、いつのまに!?
「ゼルなんかに負けたくないわ!」
「なんだ、その『ゼルなんか』と言うのは」
ゼルがなんか言いたげに口を開いたがそんなのは、無視。
あたしは、またつり竿をたらす。
ちなみにアメリアは、四匹。いつもなら大量のガウリィは、たった三匹。
あたしたちは、今アメリアの別荘の後ろの川に魚釣りに来ている。森に囲まれ、きれいな川の自然に浸り…切れないあたしは、一番になろうと燃えていた。
「さぁ、魚ちゃぁ〜ん、あたしに釣られなさぁい〜」
とわけのわかんない事を口走って川を見つめる。
……うん?
あたしは、振り向いた。だがそこには、何もなかった。
「どうしたんですか、リナさん?」
アメリアが聞いてくる。
「いや、なんか視線を感じたんだけど…気のせいね」

「……」
「どうしたんですかぁ〜、リナさぁ〜ん。深刻な顔して?」
あたしは、うれしそうな声の彼女を見上げる。その顔には、満面の笑みが浮かんでる。
うっ…こいつ…またあたしに何かさせるつもりだなぁ。
「べ、べつにぃ〜」
あたしは、今別荘のリビングで本を読んでいた。隣のソファには、ガウリィが昼ねをしているところだった。ゼルは、たぶん部屋にいるんだろうか。
ちっ。みんな逃げたな。
魚釣りの勝負。結局最終的には、アメリアが勝った。
あのあと、あたしとゼルには、全然当たりが来なくなり、ガウリィは、もうあきらめがちだった。で、なぜかアメリアに当たりが来始め最後には、十匹も釣れた。で、さっきから色々と頼みごと、もとい、命令してきてるんだけど。
「で、今度は、何?」
あたしは、本をテーブルの上に置く。
「いえ。ただ深刻な顔をしていたので、どうしたのかなぁ、なんて思ってたんです」
「なんでもないよ。ただ川でずっと視線を感じてたから変だなぁ、なんて思ってたの」
「視線??」
「うん。たぶん気のせいだろうけどね」

___________

とりあえず、3まで載せました。続きは、まだ書いてる途中(おい!!)
感想、苦情、なんでもいいですからコメントくださるとうれしいぃなぁ、
とずーずーしく思ってます。それでは。

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7337太陽の微笑みのように 4理奈 8/3-04:37
記事番号7327へのコメント

「……」
「どうしたんですかぁ〜、リナさぁ〜ん。深刻な顔して?」
あたしは、うれしそうな声の彼女を見上げる。その顔には、満面の笑みが浮かんでる。
うっ…こいつ…またあたしに何かさせるつもりだなぁ。
「べ、べつにぃ〜」
あたしは、今別荘のリビングで本を読んでいた。隣のソファには、ガウリィが昼ねをしているところだった。ゼルは、たぶん部屋にいるんだろうか。
ちっ。みんな逃げたな。
魚釣りの勝負。結局最終的には、アメリアが勝った。
あのあと、あたしとゼルには、全然当たりが来なくなり、ガウリィは、もうあきらめがちだった。で、なぜかアメリアに当たりが来始め最後には、十匹も釣れた。で、さっきから色々と頼みごと、もとい、命令してきてるんだけど。
「で、今度は、何?」
あたしは、本をテーブルの上に置く。
「いえ。ただ深刻な顔をしていたので、どうしたのかなぁ、なんて思ってたんです」
「なんでもないよ。ただ川でずっと視線を感じてたから変だなぁ、なんて思ってたの」
「視線??」
「うん。たぶん気のせいだろうけどね」

 ふぅ〜…
 あたしは、何度目かの寝返りを打つ。
眠れない。
あたしが寝つけないって言うのもめずらしい。いつもならベッドに入った瞬間眠れるのに。
 暑くて寝苦しいわけじゃない。その証拠に冷房が入っていてかえって肌寒い方だ。いや、肌寒いのは、冷房のせいだけじゃない。なにか、悪寒のようなものがする。だんだんと鳥肌が立ってきた。
 あたしは、ベッドから降りる。
 台所行って飲むもん探そう。そしたら眠れるだろう。
 あたしは、部屋を出て長い廊下を歩く。
するとさっきより一層強い悪寒が背を走る。
あたしは、まわりを見まわすと…。
 廊下の向こうの方に背の高い金髪の人が立っていた。
 ガウリィかな?ってこの人は、ドレス着てるし。メイドの人かな?でも客室のほうにいるはずないし。
 誰かな?と思ったてたらその女の人は、こちらへ振り向いた。その時だった。その女の人の体は、すけていると気づいたのは。
 一気に体の体温が下がる。さぁー、と血の気が引くのを感じる。
 う…そ…
 その人の顔は、見えない。
 あたしは、一歩後ろへ下がる、と同時にその人は、こちらへと近づいてくる。
 「ちょ、ちょっと…」
 あたしは、なんとか震える足を動かす。がなかなか後ろへ進めない。
「や、やだ…これって…マジ?」
一瞬、またガウリィ達があたしをハメようとしてるんじゃないかと思ったが…
 女の人は、こちらへと少しずつ歩いて来る。いや、歩いているように見えるがスライドしてるように近づいてきている。
 「ひ…」
 あたしは、もう一歩後ろへ下がる、がドンと何かにぶつかる。壁だ。
 女は、もう三、四歩のところまで来ていた。そしてその女の人が両手をこちらへ突き出すように上げる。
 「い…いやぁあああ!!!」
 あたしは、しゃがみ込み顔を腕で隠し叫ぶ。
 「去りなさい!」
 するとバン!とあたしの部屋のドアが開いて誰かが飛び出してきた、と同時にその女の人は消える。 
 「大丈夫ですか!?」
 あたしは、なにがなんだかわからず顔を上げる。
 「なんだ、今の叫び声は」
 「リナか、今の」
 ガウリィとゼルがそれぞれの部屋から出てきた。
 そのとき、あたしの目の前が真っ暗になった。

 「リナさんは、大丈夫なんでしょうか?」
 これは、アメリアの声。
 「ええ、大丈夫ですよ」
 これは…あれ??誰だろう。落ち着き払った男の声。
 あたしは、ゆっくりと目を開ける。一瞬、まぶしさに目を細めるが何回か瞬きして目を開ける。
 「リナさん!」
 「リナ」
 アメリアとガウリィがあたしの顔を覗き込む。向こうのほうでほっと安心した顔でゼルが立っている。
 あたしは、あたりを見まわす。ここは、一階のリビングだった。あたしは、そこのソファに寝かされていた。
 「あれ?」
 「大丈夫でしょうか?どこか体の具合が悪いとかは、ありませんか?」
 「ヘ?」
 あたしは、問い掛けてきた男を見て間抜けな声を上げる。
 背が高く肩まで切りそろえられている黒…いや、闇色の髪。
 「自殺しようとした女の子!」
あたしは、ガバッと起き上がり、目の前にいる闇色の髪の青年を見る。
男…?
黒髪というより闇に近い色。その色と同様、闇色の瞳。あの自殺しようとした女の子と同じ色の瞳。だけど女の子は、もっとクリッとしたかわいらしい瞳をしていた。この人の瞳は、鋭く、少し冷たい光を放っていた。それにあの子は、女の子だ。この人は、男。
だが、ふと見たら女にも見えない事は、ない。白く、整った顔立ち。細い身体。
「えっとぉ〜…」
その人は、あたしを見て苦笑する。
「僕は、れっきとした男ですよ、リナさん」
「えっと、誰だっけ?」
男の人は、クスっと笑って手を差し伸べてくる。
「僕は、ゼロスといいます。よろしくおねがいします」
「よ、よろしく」
あたしは、その手を取って軽く握手する。
「どうやら、だいじょうぶのようですね」
「あ、うん。えっと、あたしどうなっちゃったの?なんか廊下で変な女の人におそわれそうになって」
「では、ゼロスさんが言った事は、本当だったんですね。リナさんが幽霊に襲われたって言うのは」
「幽霊?」
あたしは、アメリアの言葉に絶句する。
「そ、そーいえばあの人、身体がすけて見えたような…」
「リナさんは、あの人に襲われそうになったところを僕がお助けしたんです」
あたしは、ゼロスを見る。
「いったいなにが起こったの?あの幽霊は、何?なんであなたがあたしを助けたの?それに…」
あたしが一気に捲し上げるとゼロスは、人差し指をあたしの口の前へ持ってくる。
「今から全部話します」
ゼロスは、そう言ってあたしの隣に座る。
アメリア、ガウリィ、ゼルも空いてるソファにすわってゼロスを見る。
「先ほどの女性の幽霊は、僕の姉です」
「お姉さん?」
アメリアが聞き返す。
「はい。七年前、病気で亡くなった僕の姉です」

ゼラス姉さんは、すごく優しく、強い人でした。しかし身体が弱く、よく病気にもなりがちでした。でもそんな事もわからないほど健康そうにスポーツとかやって。気が強くて、わがままで…
しかし七年前、急に重い病気にかかってしまい、亡くなってしまったんです。その死に際に僕に何か言おうとしたんです。が、言う前に息を引き取ってしまい。たぶんそのせいで成仏できなくているのだと思います。
この屋敷から少し丘を上ったところにもう一軒屋敷がありますでしょう?僕達は、あそこに住んでいたのです。引っ越してから二年くらいでしたでしょうか。あの屋敷に女性の幽霊が出ると言う噂を聞いたのです。まさかと思い来てみたらそれは、姉さんの霊でした。話しかけても何も答えてくれません。何故まだあの屋敷にいるのかわかりません。敵意とかは、ありませんけどそれいらい僕は、毎年ここへ来て姉さんの様子を見に来るんです。

「今年も来てよかった。まさかリナさんを襲うとしようとしたなんて」
「どうしてリナさんなんでしょうね。だれでもよかったのなら隣にガウリィさんもゼルガディスさんもいたのに」
「リナ、まさかお前あの時屋敷の中に入ってなんかぬすんでこなかったか?」
ガウリィの言葉にゼル、そしてアメリアまでもジト目であたしを見る。
「なぁ!しつれいねぇ!あの時、屋敷の前へ行っただけだもん!」
「ほんとうかぁ?」
「ええ、ほんとうです」
ガウリィの問いに答えたのは、ゼロスだった。
「あの時リナさんは、屋敷の中へは、入りませんでした。僕が見ていましたから。それに玄関には、鍵がかかっていて入れないはずです」
「え、じゃあ、やっぱりあの時あなた、あそこにいたのね」
やっぱり見間違いじゃなかったんだ。
「ええ。実は、あの時からなんです。リナさんは、気がつかなかったと思いますけど二階の窓から姉さんがあなたの事を見ていたんです。で、気になってあの日からリナさんの事を見ていたんです。失礼だとは、思いましたけどリナさんがねむったあと、部屋に忍び込んで様子をみていたんです」
じゃあ、ずっと感じていた視線は、ゼロスだったんだ。
「ねえ、ゼロス。どうしたらいいの、あたし?」
あたしは、自分でも信じられないほど弱い声を出していた。
自慢じゃないけどあたしは、めちゃくちゃこーゆーのに駄目なんだ。しかも本物の幽霊に襲われそうになったのだ。これでいつもどぉりに振舞おうなんていくらあたしでも出来ない。
「姉さんがなぜリナさんを襲おうとしたのかわかりません。ですからそれがわかるまで僕がリナさんの事をお守りします。これでも家は、代々神官の力を受け継いでいますからこういうことには、なれています」
ゼロスは、そう言い、微笑んだ。あたしは、その笑みを見て心休まる、安心する感じがした。
「ありがと」
「ゼロスさん、このことは、他のみなさんには、内緒にしておいた方がいいのでしょうか?」
アメリアがたずねる。そうだった、ここには、他にメイドさんたちもいるんだった。この騒ぎにかけつけてこなかったのは、メイドさんたちの部屋とあたしの部屋は、はなれていてあたしの叫び声は、聞こえなかったのだろう。
「ええ、できればそうしてもらえませんか。パニックになるといけないですし。まぁ、話したとしても信じてもらえるかもわかりませんから」
「では、ゼロスさんの事は、なんとかごまかしておきますね」
「ええ、たすかります」

とりあえず、今は、まだ夜中なのでまた寝ることになった。
ゼロスは、あたしのベッドの周りに札をはり、水みたいな物を振り掛ける。
「結界と聖水です。これで霊も悪魔も近寄ったりは、しないでしょう」
「悪魔!?」
アメリアが怪訝な顔でたずねる。
「はい。良い霊でも、悪い霊でも、それが一度通ったところは、霊が集まりやすくなるのです。それにつられて、悪魔もやってくる恐れがあるのです」
あたしは、それを聞いてますます不安になった。
「では、リナさん。私達は、部屋に戻るので何かあったら叫んでくださいね」
「じゃぁな、リナ」
「ゆっくり休め」
ガウリィとゼルが部屋を出て自分の部屋へもどる。
「では、ゼロスさん、リナさんの隣の部屋を使ってください」
「まって!」
あたしは、部屋から出ていこうとしたアメリアとゼロスを止める。
「どうしたんですか、リナさん」
ゼロスは、あたしのベッドへ近づく。あたしは、彼の腕を取る。
「ここにいて。おねがい」
ゼロスは、一瞬困った顔をしたが、ふと微笑んだ。
「わかりました」
「それじゃぁ、ゼロスさん。リナさんをお願いしますね。おやすみなさい」
アメリアは、そう言って出ていった。
ゼロスは、あたしの隣に腰掛ける。
「こわいですか?」
あたしは、ゼロスの言葉にうなづく。
ゼロスは、くすっと笑う。
「リナさんって怖い物なしかと思っていました」
「なんで?アメリアにもそんなこと言われたけど」
「リナさんの事見ていましたけど凄く明るくて強い人ですよね。そんな人が幽霊とかこわいなんて思っても見ませんでした」
「あたしだってこわいものは、あるもん」
あたしは、頬をふくらませて言った。
「リナさんってほんとう、かわいい人ですね」
「なっ…」
あたしは、彼の言葉に真っ赤になってしまった。
「さぁ、安心して眠ってください。まだ夜中なんですから。心配いりません、僕がそばにいますから」
「う、うん」
あたしは、瞳を閉じる。
かわいいだなんて…はじめて男の人に言われた…なんか…うれしいな…

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7338はじめましてです!!岬梨雨 8/3-06:55
記事番号7337へのコメント

はじめましてです。岬梨雨と申します。
新規投稿のトコで理奈さんのお名前を発見して、即クリックしました!
と、前置きはこれくらいにして感想を……。

>「や、やだ…これって…マジ?」
>一瞬、またガウリィ達があたしをハメようとしてるんじゃないかと思ったが…

こんなときでも、悪戯では……? と疑うなんてリナさんらしいですね。

> 女の人は、こちらへと少しずつ歩いて来る。いや、歩いているように見えるがスライドしてるように近づいてきている。
> 「ひ…」
> あたしは、もう一歩後ろへ下がる、がドンと何かにぶつかる。壁だ。
> 女は、もう三、四歩のところまで来ていた。そしてその女の人が両手をこちらへ突き出すように上げる。
> 「い…いやぁあああ!!!」
> あたしは、しゃがみ込み顔を腕で隠し叫ぶ。

かわいらしいですわ!! いつもの強気なリナさんでなくかわいらしいリナさんですわ!!

> 背が高く肩まで切りそろえられている黒…いや、闇色の髪。
> 「自殺しようとした女の子!」
>あたしは、ガバッと起き上がり、目の前にいる闇色の髪の青年を見る。
>男…?
>黒髪というより闇に近い色。その色と同様、闇色の瞳。あの自殺しようとした女の子と同じ色の瞳。だけど女の子は、もっとクリッとしたかわいらしい瞳をしていた。この人の瞳は、鋭く、少し冷たい光を放っていた。それにあの子は、女の子だ。この人は、男。
>だが、ふと見たら女にも見えない事は、ない。白く、整った顔立ち。細い身体。

こ、この方は?!

>「僕は、れっきとした男ですよ、リナさん」
>「えっと、誰だっけ?」
>男の人は、クスっと笑って手を差し伸べてくる。
>「僕は、ゼロスといいます。よろしくおねがいします」
>「よ、よろしく」
>あたしは、その手を取って軽く握手する。

やっぱりゼロス君でしたか!! やっと登場ですね。

>「リナ、まさかお前あの時屋敷の中に入ってなんかぬすんでこなかったか?」
>ガウリィの言葉にゼル、そしてアメリアまでもジト目であたしを見る。

うっ、疑われてますね。それもこれも全て日頃の行いが……。

>「なぁ!しつれいねぇ!あの時、屋敷の前へ行っただけだもん!」
>「ほんとうかぁ?」
>「ええ、ほんとうです」
>ガウリィの問いに答えたのは、ゼロスだった。
>「あの時リナさんは、屋敷の中へは、入りませんでした。僕が見ていましたから。それに玄関には、鍵がかかっていて入れないはずです」

お、救いの手をさしのべてくれましたね、ゼロス君。

>じゃあ、ずっと感じていた視線は、ゼロスだったんだ。

謎が解けましたわね!!

>「ねえ、ゼロス。どうしたらいいの、あたし?」
>あたしは、自分でも信じられないほど弱い声を出していた。

やっぱり弱いリナさんってかわいいです! はう〜〜〜。(?!)

>ゼロスは、あたしのベッドの周りに札をはり、水みたいな物を振り掛ける。
>「結界と聖水です。これで霊も悪魔も近寄ったりは、しないでしょう」
>「悪魔!?」
>アメリアが怪訝な顔でたずねる。
>「はい。良い霊でも、悪い霊でも、それが一度通ったところは、霊が集まりやすくなるのです。それにつられて、悪魔もやってくる恐れがあるのです」

霊ってすごいんですね……。でもいっぱい集まったらリナさんは泣きますね。

>「まって!」
>あたしは、部屋から出ていこうとしたアメリアとゼロスを止める。
>「どうしたんですか、リナさん」
>ゼロスは、あたしのベッドへ近づく。あたしは、彼の腕を取る。
>「ここにいて。おねがい」
>ゼロスは、一瞬困った顔をしたが、ふと微笑んだ。
>「わかりました」

またまた弱いリナさん。かわいい〜〜〜!!

>「こわいですか?」
>あたしは、ゼロスの言葉にうなづく。

再び弱いです!! かわいいです!!

>「リナさんって怖い物なしかと思っていました」

はい、私もそう思ってました。(←なんだそれわっ!!)

>「あたしだってこわいものは、あるもん」

あったんですね……。知らなかったです。

>「リナさんってほんとう、かわいい人ですね」
>「なっ…」
>あたしは、彼の言葉に真っ赤になってしまった。

きゃぁ〜〜〜〜、ゼロス君かっこいい〜〜〜!!

>「さぁ、安心して眠ってください。まだ夜中なんですから。心配いりません、僕がそばにいますから」

やさしいですっ!! やさしいですわっ、ゼロス君!!

読みにくい感想だと思います、ごめんなさいっ!
続き絶対にかいてくださいねっ!!(期待!)
それでは。  

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7353きゃ!ありがとうございます!理奈 8/4-07:50
記事番号7338へのコメント

はじめましてぇ〜〜!!うわぁ、このストーリー、あんまし、いや、かなり
自信がなかったからすっごい、すっごいうれしぃです!!


>かわいらしいですわ!! いつもの強気なリナさんでなくかわいらしいリナさんですわ!!
>

実は、このストーリーを書いた本当の理由は、怖がりで弱く、かつかわぃぃ、リナちゃんを書くことなんです。ですからかわいいなんて言ってくださるとほんとうにうれしいぃです。

>>ゼロスは、あたしのベッドの周りに札をはり、水みたいな物を振り掛ける。
>>「結界と聖水です。これで霊も悪魔も近寄ったりは、しないでしょう」
>>「悪魔!?」
>>アメリアが怪訝な顔でたずねる。
>>「はい。良い霊でも、悪い霊でも、それが一度通ったところは、霊が集まりやすくなるのです。それにつられて、悪魔もやってくる恐れがあるのです」
>
>霊ってすごいんですね……。でもいっぱい集まったらリナさんは泣きますね。

実は、この設定、本当かわからなくて使っちゃいました。誰かから聞いた話なんですけど。でもなんか本当っぽいですよねぇ。

>読みにくい感想だと思います、ごめんなさいっ!
>続き絶対にかいてくださいねっ!!(期待!)

いえ、とんでもないです!!!読んでくださってほんとうにありがとう
ございます!これでパワーがわいてきましたわ!!
ずーずーしぃですけど、続きも是非読んでくださるとうれしぃです。
ありがとうございます!!

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7344オンラインのままでよみました(^^;)高砂 時緒 8/3-18:13
記事番号7337へのコメント

 はじめまして、高砂 時緒と申します。
 新規記事を見つけてから思わずオンラインで読みふけってしまいました(笑)
 それでは感想です☆


>「どうしたんですかぁ〜、リナさぁ〜ん。深刻な顔して?」
>あたしは、うれしそうな声の彼女を見上げる。その顔には、満面の笑みが浮かんでる。
>うっ…こいつ…またあたしに何かさせるつもりだなぁ。
 満面の笑み・・・いやな予感がひしひしと・・・(^^;)

>ちっ。みんな逃げたな。
>魚釣りの勝負。結局最終的には、アメリアが勝った。
>あのあと、あたしとゼルには、全然当たりが来なくなり、ガウリィは、もうあきらめがちだった。で、なぜかアメリアに当たりが来始め最後には、十匹も釣れた。で、さっきから色々と頼みごと、もとい、命令してきてるんだけど。
 やっぱり正義は必ず勝つっ!!ってことなんでしょうか。
 ・・・にしても、みんな逃げた・・・ってズルいぞゼル&ガウリイ(苦笑)

>眠れない。
>あたしが寝つけないって言うのもめずらしい。いつもならベッドに入った瞬間眠れるのに。
 ちょっとうらやましいかもしんない。最近不眠症ぎみで・・・

> 誰かな?と思ったてたらその女の人は、こちらへ振り向いた。その時だった。その女の人の体は、すけていると気づいたのは。
> 一気に体の体温が下がる。さぁー、と血の気が引くのを感じる。
 ホ、ホラーだぁぁぁっっ!!

> 「ひ…」
> あたしは、もう一歩後ろへ下がる、がドンと何かにぶつかる。壁だ。
> 女は、もう三、四歩のところまで来ていた。そしてその女の人が両手をこちらへ突き出すように上げる。
> 「い…いやぁあああ!!!」
 リナちゃんピーンチっ!

> 「去りなさい!」
> するとバン!とあたしの部屋のドアが開いて誰かが飛び出してきた、と同時にその女の人は消える。 
 あら、この展開は・・・
 とりあえず危機は回避(ほっ)

> 「大丈夫でしょうか?どこか体の具合が悪いとかは、ありませんか?」
> 「ヘ?」
> あたしは、問い掛けてきた男を見て間抜けな声を上げる。
> 背が高く肩まで切りそろえられている黒…いや、闇色の髪。
 この御方は・・・?

>「えっと、誰だっけ?」
>男の人は、クスっと笑って手を差し伸べてくる。
>「僕は、ゼロスといいます。よろしくおねがいします」
 ようやく登場!やっぱりおいしいところはちゃんととらないと(^^)

>「いったいなにが起こったの?あの幽霊は、何?なんであなたがあたしを助けたの?それに…」
>あたしが一気に捲し上げるとゼロスは、人差し指をあたしの口の前へ持ってくる。
 あんなことがあったら、聞きたいこともてんこもりですよね。
 ところで『人差し指を…』のところ、わたし密かに良いと思ってます(^−^)

>しかし七年前、急に重い病気にかかってしまい、亡くなってしまったんです。その死に際に僕に何か言おうとしたんです。が、言う前に息を引き取ってしまい。たぶんそのせいで成仏できなくているのだと思います。
 心残り・・・ってやつでしょうか。

>「ねえ、ゼロス。どうしたらいいの、あたし?」
>あたしは、自分でも信じられないほど弱い声を出していた。
>自慢じゃないけどあたしは、めちゃくちゃこーゆーのに駄目なんだ。しかも本物の幽霊に襲われそうになったのだ。これでいつもどぉりに振舞おうなんていくらあたしでも出来ない。
 それはたしかにそうですよね。
 でも幽霊によわいリナちゃんってらぶりぃ(はぁと)

>「あたしだってこわいものは、あるもん」
>あたしは、頬をふくらませて言った。
 ををっ!らぶりぃっ!!

>あたしは、瞳を閉じる。
>かわいいだなんて…はじめて男の人に言われた…なんか…うれしいな…
 そういうところもかわいいです(^0^)

 続きがすっごく気になります!
 ゼラスさんの心残りとか、それにリナちゃんがどうかかわってくるのか・・・
 絶対次も読みますっこれからもがんばってくださいねっ☆
 それでは・・・長くなりましたがこのへんで。







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7354うれしぃです!理奈 8/4-07:58
記事番号7344へのコメント

はじめましてぇ〜、理奈です!!
感想ありがとうございます!!あぁ、なんて幸せもんなんだろう私!(ばか)

> ちょっとうらやましいかもしんない。最近不眠症ぎみで・・・

実は、自分で書いていてうらやましいと思いました。私もこのごろ変な時間に
寝たり、起きたりするから、寝たいとき、全然眠れなくて。
のO太みたいだなぁと・・・

> ホ、ホラーだぁぁぁっっ!!

ホラーと言うのに挑戦したのがこれがはじめてで。すこぉおおし、ちょびっとでも
ヒヤっとしていただければいいのですが。

> ところで『人差し指を…』のところ、わたし密かに良いと思ってます(^−^)

私もお気に入りです!リナちゃんの口の前に人差し指を持っていって
ニッと笑ってるゼロス君の様子が思い浮かべます。

> それはたしかにそうですよね。
> でも幽霊によわいリナちゃんってらぶりぃ(はぁと)

今回は、よわく、がしかしかわぃぃリナちゃんが書きたかったものですから。
かわいぃって思ってくださればすっごくうれしぃです。


> 続きがすっごく気になります!
> ゼラスさんの心残りとか、それにリナちゃんがどうかかわってくるのか・・・
> 絶対次も読みますっこれからもがんばってくださいねっ☆
> それでは・・・長くなりましたがこのへんで。

感想、ほんとうにありがとうございます!これでますます続きを書く
意欲がましてきましたわぁ!!ずーずーしいですけど、続き
読んでくさいね!ありがとうございました!


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7355太陽の微笑みのように 5理奈 8/4-08:25
記事番号7337へのコメント

とゆーわけで続きです。少しづつですみません。もーすぴーどで書き上げてますから。

太陽の微笑みのように 5

窓から入ってくる日差しがまぶしくて顔をそむける。すると髪が顔にかかってしまった。だがあたしは、めんどくさくてそのままにしておいたが誰かがどけてくれた。そしてあたしの髪をなでる。そのしぐさがすごく心地よくて、くすぐったい感じがした。
…ん…
あたしは、ふと目をさます。
誰かがあたしの顔を除きこみながら髪をなでていた。
やさしい笑顔…まるで太陽のような…
あっ…
「ゼロス…」
「おはようございます。よく眠ってらっしゃいましたよ」
彼は、ニコッと微笑む。
「もしかしてずっと起きてたの?」
あたしは、身体を起こす。
「ええ」
あたしは、顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。もしかしてずっとあたしの寝顔を見ていたんじゃ…はずかしい…
するとあたしは、ゼロスの手を握っていた事に気づいた。
あたしは、あわてて手を離す。
なんかすごく安心した気分は、手を握ってたから…?
「あ、あの…ありがとう…」
あたしは、うつむきながら小さな声で言う。
「いえ」
微笑む彼の顔がやさしく見えるのは、朝日のせいだろうか…
「もう十時ですからみなさんも起きてらっしゃるでしょう。たぶん朝食の用意も出来ているのだと思うので着替えたらダイニングの方へおこし下さいね」
あたしは、そのドアを見る。
………………………
い、今冷静に考えて見れば…あたしって大胆な事をしたんだよね…
昨夜のシーンが思い出させる。
いっしょにいてと言ってつかんだ彼の腕…
うわぁあああ!!!!!
あたしは、またまた顔を真っ赤にして毛布で顔を隠した。

「あれ?ゼロスは?」
どんな顔をして会えばわからず、悩んでダイニングに入って見ると、そこにゼロスは、いなかった。
「ゼラスさんが屋敷にもどってないか確かめに行った見たいです」
ダイニングのテーブルには、すでにアメリア、ゼル、ガウリィが座って朝食を食べていた。
あたしは、席につき、メイドが持ってきてくれた朝食を食べ始める。すると三人がこっちを見てるのに気づく。
「な、なによ…」
「い、いえ、なんでもありません」
アメリアがあわてて首をふる。
「あぁ、談じてお前とあいつの間になにがあったのかなんて聞こうとは、おもっとらん」
「ばか!」
ガウリィの言葉に思わず叫ぶゼル。
「あたしとゼロスの間?―――!?」
あたしは、少し考えてガウリィが何を言いたかったのかわかった。と同時にあたしは、真っ赤になる。
ってさっきからあたしって真っ赤になりっぱなしだな。
「や、やだ!なにいってんのよ!なにもなかったわよ!!」
あたしのすごいけんまくに三人ともタジタジになる。
「どうしたんですか、リナさん、すごいけんまくで」
ドアの方から声がしたので、みんなそってへ、ふりむく。
「ぜ、ゼロス!」
そこには、ゼロスが不思議そうな顔でこっちを見ていた。
「な、なんでもないわ!」
あたしは、あわてて首をふる。
「そ、それよりどこ行ってたの?」
あたしは、話題を変えようとする。ああぁ、自分でも声がふるえてるのがよくわかるぅ。
「あ、はい。屋敷の方へ行って見たんです」
ゼロスは、そういいながらあたしの隣にすわる。うぅ〜…あたしの顔赤くなってないよね。
ゼロスは、メイドがもってきたコーヒーを一口飲む。
「屋敷の方にねえさんは、いませんでした。ですからこの屋敷の中か、回りにいるとおもうんですけど、そのような気配がしないんです」
あたしたちは、ゼロスの話しに耳をかたむける。
「ゼラス姉さんも僕と同じ神官の力を受け継いでますから、もし霊になった今でもその力つかえるのでしたら気配くらいけせるはずです」
「そうか。じゃぁ、今でも気は、抜けないわけだな」
ガウリィがトーストを食べながら喋る。
「いえ、やはり、霊ですし、太陽が出ている間は、だいじょうぶでしょう。ですが、ねんのためにリナさんには、これをつけていてほしいんです」
ゼロスは、そう行ってポケットから何かをとりだした。
それは、十字架の形をしたペンダントだった。その十字架の中心には、小さなダイヤみたいな宝石がはめこんである。
「いちおう、聖水や、結界と同じ効果があり、霊を近づけない力があります。ないよりは、ましだとおもいまして」
あたしは、そのペンダントを受け取る。
「あ、ありがと」
あたしは、さっそくそのペンダントをつけてみる。
「ど、どうかな?」
「ええ、とてもよく似合います」
ゼロスが微笑む。あたしは、また赤くなってうつむく。
チラッと横を見てみるとアメリア、ガウリィ、ゼルがニヤニヤした顔でこっちを見ていた…

うぅ〜ん。
ゼロスがそばにいてくれてるのは、安心できていいんだけど…彼がまわりにいるとどうもペースがくるっていつものあたしじゃなくなるんだよね。
「リナさん、どうかしましたか?」
「ひゃ!」
いきなりあらわれたゼロスの顔におどろく。
あたしは、今屋敷の裏庭のポーチに座っていた。
「う、うぅん、なんでもない」
ほら。なんか体の体温が上がって、声も小さくなる。おまけにまっすぐ相手の顔が見れない。
「一日でいろんなことがあったんですよ。つかれないはずないですよね」
ゼロスの後ろからアメリアが現れる。
「う、うん。ちょっとね」
「では、気晴らしにまた海へ泳ぎに行きますか?」
あたしは、ゼロスの言葉に少し考え込んだがうなづく。
「うん、そうね。暑いし。泳ぎにいこっか」


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7359太陽の微笑みのように 6理奈 8/4-12:40
記事番号7355へのコメント

太陽の微笑みのように 6

うぅ〜ん。
ゼロスがそばにいてくれてるのは、安心できていいんだけど…彼がまわりにいるとどうもペースがくるっていつものあたしじゃなくなるんだよね。
「リナさん、どうかしましたか?」
「ひゃ!」
いきなりあらわれたゼロスの顔におどろく。
あたしは、今屋敷の裏庭のポーチに座っていた。
「う、うぅん、なんでもない」
ほら。なんか体の体温が上がって、声も小さくなる。おまけにまっすぐ相手の顔が見れない。
「一日でいろんなことがあったんですよ。つかれないはずないですよね」
ゼロスの後ろからアメリアが現れる。
「う、うん。ちょっとね」
「では、気晴らしにまた海へ泳ぎに行きますか?」
あたしは、ゼロスの言葉に少し考え込んだがうなづく。
海…ねぇ…そんな気分じゃないけど…まぁ、気分転換に…いいかな。
「うん、そうね。暑いし。泳ぎにいこっか」

「やっぱ海は、いいね」
あたしは、浮かびながらぽつりと言う。
「そうですね」
となりで同じように浮かんでるアメリアが言う。
ゼロスは、浜辺の方でパラソルの下で座っていた。
あたしは、まぶしいくらいに真っ青な空を見上げた。まるで、今にもすいこまれてしまいそう。
自然と笑みがこぼれる。
やっぱし好きだな、夏って。なにもかもが明るくて、きれいで。ちっぽけな悩みなんかすぐに消えてしまう。って全然ちっぽけじゃないんだけど、今の悩み。
「ちょっと沖の方へ行くけどアメリアは?」
「私は、ここにいます」
「おっけぇー」
あたしは、もうちょっと沖の方へ泳いで行く。そしてまた浮かびながら空を見上げる。
明後日帰る予定だ。アメリアは、あたしの事思ってすぐ帰ろうと言ってくれたけどこのまま帰ったってなんの解決にもならないと思った。それに…
あたしは、チラッとゼロスの方を見る。
彼の助けになってあげたいと思った。彼の姉さんの事。なぜ成仏できないのか。一緒にその理由を探してあげたいと思った。ただ明後日中までに問題が解決すればいいけど…。明後日をすぎたらここには、いられない。フィルさんが別荘をほかに貸す約束なのだ。
ふとアメリアの方を見る。
ちょっと沖に来すぎたかな。まぁ、だいじょうぶか。およげるし。
!?
いきなりなにかがあたしの足首をつかんだ。そのとたんものすごい悪寒が背を走り抜ける。
ま、まさか!!
ハッ!しまった、ペンダント、なくしたくないからはずしてきたんだった!!
「わっ!」
あたしは、そのなにかにひっぱられ、水の中へとひっぱられる。
心臓の鼓動が早くなるのが自分でもわかる。不安が広がる。
あたしは、なんとか顔をだそうとひっしにもがく。いったんは、水中から顔をだしたがまたひっぱられる。
だ、だれか…!ゼロス!ゼロス!!
あたしは、ふと下を見る。
あたしの足のところに黒い、雲みたいなものがまとわりついていた。
な、なによ、これ!!??
うぐ…!
息苦しくなってきた。あたしは、ひっしにもがく。
い、いやだ…こんなとこで死にたくない!!
たすけて…こわい…こわいよぉ…
あたしは、必死になって水面に顔を出そうと水を蹴る。が、しかしだんだん意識がボーっとしてきて身体中の感覚がなくなってきた。
あたし…このまま…
その時、誰かがあたしの手を取ったような気がしたがあたしは、そのまま意識をうしなった。

「…さん!リナさん!!」
う…ごふ…
あたしは、水を吐く。
「リナさん、目を開けてください!」
アメリアの叫び声が聞こえる。
あたしは、目を開ける。
「あ、あめ…こほ、こほ」
アメリアの名を呼ぼうとして咳き込んでしまった。そのあたしの背をゼロスがやさしくなでてくれた。
「はぁ…はぁ…」
「リナさん、だいじょうぶですか?」
ゼロスが心配そうな顔で除きこむ。
あたしは、苦しさのせいで涙目になっていた。心臓の鼓動は、まだ早い。おしつぶされそうな不安が身体を包む。
「ぜ、ゼロス…ゼロス…」
あたしは、震える肩を抱くように自分に腕を回す。
「もう、だいじょうぶですよ…心配は、いりません」
ゼロスは、そんなあたしをやさしくだきしめてくれた。そのとたん涙がいっきにあふれる。
「ご、ごめんなさい…ペンダント、な、なくしたくない、ないから…はずして…こ、こわか…った…こわかった…」
あたしは、しゃっくりをあげながら話そうとするがなかなか言葉が出てこない。
「だいじょうぶです…だいじょうぶです…」
アメリアがあたしの肩にタオルをかけてくれる。そしてゼロスは、やさしくあたしの背をなでてくれた。

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7369太陽の微笑みのように 7理奈 8/5-04:37
記事番号7359へのコメント

太陽の微笑みのように 7


「ありがと…」
あたしは、アメリアからジュースの入ったコップを受け取り一口飲む。
あのあと、ゼロスがあたしを運んできてくれて着替えた。そしてアメリアは、ガウリィとゼルに事情を話し、今リビングにいる。あたしの回りにみんなが座ってあたしを心配そうな顔で見ていた。
「すみません、リナさん…まさか姉さんがここまでするとは…」
あたしの隣にすわっていたゼロスは、悲痛な表情を浮かべる。
「ゼロス…ううん、ちがうの。あれは、ゼラスさんじゃなかったと思う」
それを聞いてゼロスは、顔を上げる。
「ゼラスさんじゃない?それどういう意味ですか」
アメリアが眉をひそめる。
「うん。足をね、ひっぱられた時、ものすごくイヤな感じがしたの。ゼラスさんに襲われそうになったときも悪寒が走ったけど、今回は、なんて言うか、もっと違う感じがしたの。殺気を感じたわ。本気で殺されると思った。それにあたしの足をつかんだのは、ゼラスさんじゃなかったわ。なんか黒い霧みたいなものだった」
「じゃあ、ゼラスさん以外リナを狙ってる奴がいるのか?」
ゼルがゼロスにたずねる。
「わかりません。それこそ理由が見つかりません。ゼラス姉さんと関係しているのかもわかりません。ですが、リナさんは、一度姉さんと言う霊と接触していますから他の霊を引きつけるようになってしまったのかもしれません」
「そんな…」
あたしは、不安そうな声をだし、胸に飾ってあるペンダントを手に取る。
「だいじょうぶですよ、リナさん!!今夜は、わたしもガウリィさんも、ゼルガディスさんもいっしょにいますから!」
アメリアは、立ちあがって威勢良く言い放つ。それにガウリィとゼルがうなづく。
「そうですね。みなさんいっしょの方がリナさんも安心できるでしょう」
ゼロスもアメリアの言葉にうなづく。
「みんな…ありがとう…」
鼻のあたりがツンとして目頭が熱くなってきた。あたしは、涙でぬれた目をぬぐう。
あたしは、この時ほど、友達が、仲間が心強いと思ったことは、なかった。

 「あっがりぃ!」
 あたしは、手に持っていたトランプを前に出して叫ぶ。
 「げっ、マジか!?」
 ガウリィが驚いてあたしの手札を見る。
 「これでリナの五連勝か」
 ゼルがお手上げと言う風に自分の手札を放り投げる。
 「すごいですねぇ、リナさん」
 ゼロスが感心したような声で言う。
 柱の時計は、夜中の一時を回ったとこだ。今あたしたちは、リビングでトランプを遊んでいた。気をまぎらわすのと、起きているためにとアメリアが提案したのだ。そのおかげでさっきまで不安だった気持ちもなんとか落ち着いていた。
 あたしは、チラッとゼロスの方を見る。
 ゼロスとゼロスがくれたペンダントもあるからね。
 あたしは、ふと微笑む。それに気づいたか、ゼロスは、あたしを見る。
 「何ですか?」
 「ううん、なんでもない」
 ゼロスは、微笑んだがいきなり眉をひそめる。
 「ゼロス?」
 「みなさん、来ましたよ」
 ゼロスの言葉にみんなこわばる。
 そういえばなんだかあたりが寒くなってきた。
 「この気配は…ゼラス姉さんですね」
 「クッ!」
 するといきなりガウリィが悲痛な表情を浮かべる。
 「ガウリィ?」
 「か、身体が、うごかない」
 「え!?」
 ガウリィは、すわったままの格好で動こうとしない。
 「俺もだ」
 ゼルもガウリィのとなりにすわったままでいる。
 「え、どうしたんですか、みな…あっ!」
 アメリアも身体を動かそうとしたのだろうか。
 「みなさん、落ち着いてください、姉さんの力です」
 ゼロスは、あたりを見まわす。
 鼓動が早くなる。それを落ち着かせようとあたしは、ぎゅっとペンダントをにぎりしめる。
すると時計の柱の前にスーっと人影があらわれた。昨夜見た女性、ゼラスさんだ。
「この女性が…ゼラスさん?」
アメリアがたずねる。そっかアメリア達は、まだゼラスさんを見たことないんだ。
 「姉さん…」
 ゼロスがあたしをかばうようにして立つ。
 するとスッとゼラスさんの姿が消える。
 「リナ、後ろ!」
 ガウリィの声にあたしとゼロスがバッと後ろを振り返る。
 「!!??」
 叫び声をあげるひまなんかなかった。
 あたしの目の前にゼラスさんが立っていた。そして両腕をあたしの方へと伸ばす。あたしは、ギュッと目を閉じる。するとゼラスさんは、あたしをつつむようにして消えた。
 「リナさん!?」
 アメリアの叫び声が聞こえた。
 なにが起こったの?
 声に出して言ったはずだった。が、しかしあたしの口からは、なにも出なかった。するとあたしの腕があがり、その手があたしの髪をなでる。
 …え?
 今のは、あたしじゃない。
 「やぁ〜っと入れたわ」
 あたしの口が開き声が出る。が、しかしあたしの声じゃない。もっと綺麗な、年上の声だった。
 ゼロスの目が見開く。
 「そ、その声は…ゼラス姉さん!?」
 「そぉーよ、ゼロス。ひさしぶりねぇ〜」
 想像したのとは、まったく違う、明るく、元気な声だった。
 「り、リナさんは!?」
 アメリアがゼラスさんにむかって叫ぶ。
 「だぁいじょうぶ。ただ身体を借りてるだけだから。今でも意識は、ちゃんとあるから。ねぇ、リナちゃん」
 あたしは、うなづこうとしたが身体が動かない。
 「でも身体のコントロールは、できないからね。あっ、ごめん、ごめん」
 ゼラスさん、いや、あたしの指がなると、アメリア、ゼル、ガウリィの身体が動くようになった。
 「この子の身体に入るため、じゃまされたくなかったの」
 「姉さん、説明してください。いったいどうしてあなたは、ここにいるのですか」
 「それを説明したくてこの子の身体に入ったのよ。霊のままでは、話せないから」
 ゼラスさん(あたし。ええぇい、ややっこしぃ)は、そう言ってソファに座る。
 「どこから話せばいいのかな。ってあまりゆっくりは、できないんだけどね。じゃぁ、私が死んじゃった日から話そうか」
 みんなゼラスさんのまわりに集まる。
 「あの日私は、病気で死んだわ。でもそれは、病魔のせいだったのよ」
 「病魔…?」
 「そう。病魔は、あの屋敷に住みついていた。私たちが引越ししてくる以前から。その病魔は、弱っていたわ。だから私に目をつけたみたい。私が受け継いだ神官の力に。病魔は、私を殺し、その力を手に入れた。私が死ぬまぎわ、それをあなたに伝えたかったんだけど、身体がもってくれなかったわ」
 「そんな…」
 ゼロスの顔が青ざめる。
 「じゃぁ、なぜあんたは、リナを襲った」
 ゼルが訪ねる。
 「それは、さっきも言ったけど霊のままだと話せないから誰かの身体を借りるしかなかったの。で、リナちゃんが一番簡単に入れるかと思って。それに…」
 そこでゼラスさんは、言葉を切る。
 「それに?」
 アメリアがそれを繰り返す。
 「その病魔は、今度は、リナちゃんを狙っているのよ」
 「なっ!?」
 みんなから驚愕の声が上がる。
 「病魔は、また力を失って弱まってきてるわ。だからまた私みたいな力を持っている人物を生贄として探していたのよ。だから私は、誰も殺されないように引越ししてきた人たちを追い払っていたの。そんな時リナちゃんが屋敷に来たわ。その時病魔がリナちゃんに目をつけたの。私は、それを伝えるためリナちゃんの身体に入り込んだのよ」
 ちょい待て!?なんであたしが狙われるのよ!
 思わず叫んでしまったが声が出ない。
 「なぜリナちゃんを狙っているか」
 あたしの考えたことがわかったみたい。
「リナちゃんは、大きな力を持っているからよ。今リナちゃんの身体の中にいるから分かるけど、すごい力だわ。その力がなんなのか私にもわからないけど。たぶん、病魔は、その力に目をつけたみたい。昼に海で襲われたでしょ。あれが病魔よ」
あたしの力?うんなの知らない。
 「リナさんの力?」
 あたしが思ったことをアメリアが訪ねる。
 うぅ〜、話せないって辛いよぉ。
 「ええ。私には、わからないけど。本人に聞いてみるといいわ」
 だからあたしも知らないんだってば!
 その時だった。身体中を悪寒が走りぬける。アメリア達にも感じたのか、顔を青ざめて回りを見まわす。
 「来たみたいだわ」
 ゼラスさんが不適な笑み(見えないけど、たぶん)を浮かべる。
 「じゃぁ、私は、リナちゃんの身体から出るわね。ゼロス、あとは、よろしく」
 「ちょ、ね、姉さん!?」
 ゼロスがゼラスさんを呼びとめようとしたが遅かった。
 「あっ…」
 あたしの身体に自由が戻った。ゼラスさんがあたしから出たのだ。
 「ちっ…」
 ゼロスが舌打ちして胸のポケットから札を取り出す。
 「アメリアさん、ガウリィさん、ゼルガディスさん。リナさんのまわりに三角の形になるよう座ってください!」
 三人は、すぐさま言われるとうりにあたしのまわりに集まる。アメリアは、あたしの後ろ、ゼルとガウリィは、それぞれ、あたしの左前と右前に座る。
さっきより部屋の温度が下がる。そしてなんだか部屋が薄暗い。
ゼロスは、札を持って何か、呪文のようなものを唱える。何を言っているのか聞き取れない。すると札がひとりでに飛んで三人の前でとまる。と、ヴォン…と言う音がしてあたしの回りに光のドームのようなものが現れる。
「結界です。三人も守っていますからそこから動かないで下さい」
ゼロスは、険しい表情であたりを見まわすと、突然部屋の明かりが消える。
ドキっと心臓がなり、悲鳴を出しそうになった。
こ、これじゃぁ、なにも見えない…
ごくっと誰かがつばを飲む音がした。
緊張感と不安があたりをただよう。
だんだん暗闇に目がなれてきてあたりの様子が見える。
するとゼロスの前に何かが浮かび上がるのが見える。
「な…なんですか、あれ…」
後ろからアメリアの声がする。
それは、見たことのない生き物だった。
子供のように小さな身体。骨が見えそうなくらいやせこけていて、細長い手足。顔は、人間のおじいさんの用だが凶悪な表情を浮かべている。細く、鋭い目。頬まで避けている口。
これが病魔?
その細い目があたしを見る。そしてそいつは、両手を振る。するとシャキンと言う音がしてそいつの両手に長くするどい爪が現れる。
「まったく姉さんは、いつもやっかいなことは、僕に押し付けて。こいつをどう退治したらいいんですか」
ゼロスがどこかにいるはずのゼラスさんに愚痴る。
するとその病魔がいきなり早いスピードでゼロスにむかう。そして腕をふりあげ、ゼロスに切りかかる。
「ゼロス!」
ゼロスは、バッと横に飛んでそれをよける。そしてこしの方に手を回しシャツのしたから何かをとれだす。短剣だ。
が、病魔は、ニヤっと笑い今度は、あたしの方へと飛んできた。
「うわ!?」
ガウリィが叫ぶ。
あたしは、恐怖に目を閉じるが「バチッ」と言う音がして目を開ける。
病魔が悲痛な表情を浮かべ、あとずさる。
「結界をはってあります。僕を殺さない限り、結界は、やぶれませんよ。あなたの相手は、僕です」
ゼロスが余裕の笑みを浮かべる。
そして、ダン!と床をけって病魔へと向かい、短剣を振り上げて病魔に切りかかる。病魔は、すばやくその短剣を爪で受ける。が、ゼロスは、すばやく身体を回転させ、横から病魔を切りつける。病魔は、すばやく後ろさがりそれをよける。
「すげぇ」
ガウリィが感心したように言う。
「まさか、幽霊にむかっていくとは、な。なれているからだろうか」
ゼルもガウリィと同じく感心する。
あたしは、こんな状態で落ちついてられるあんたら二人の方に感心するけど…
そんなことは、どうでもいい。
あたしは、ゼロスと病魔を見る。
ゼロスの方が少し押している。
あたしは、ギュッとペンダントを握り締める。
ゼロス…ゼロス…
「リナさん、だいじょうぶですよ」
あたしは、ふりむく。
「ゼロスさんならだいじょいうぶです」
アメリアは、あたしの手を取って言う。
「うん…うん…ありがと…」

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7370太陽の微笑みのように 終理奈 8/5-06:51
記事番号7369へのコメント

理奈さんは No.7369「太陽の微笑みのように 7」で書きました。
>
>太陽の微笑みのように 7
>
>
>「ありがと…」
>あたしは、アメリアからジュースの入ったコップを受け取り一口飲む。
>あのあと、ゼロスがあたしを運んできてくれて着替えた。そしてアメリアは、ガウリィとゼルに事情を話し、今リビングにいる。あたしの回りにみんなが座ってあたしを心配そうな顔で見ていた。
>「すみません、リナさん…まさか姉さんがここまでするとは…」
>あたしの隣にすわっていたゼロスは、悲痛な表情を浮かべる。
>「ゼロス…ううん、ちがうの。あれは、ゼラスさんじゃなかったと思う」
>それを聞いてゼロスは、顔を上げる。
>「ゼラスさんじゃない?それどういう意味ですか」
>アメリアが眉をひそめる。
>「うん。足をね、ひっぱられた時、ものすごくイヤな感じがしたの。ゼラスさんに襲われそうになったときも悪寒が走ったけど、今回は、なんて言うか、もっと違う感じがしたの。殺気を感じたわ。本気で殺されると思った。それにあたしの足をつかんだのは、ゼラスさんじゃなかったわ。なんか黒い霧みたいなものだった」
>「じゃあ、ゼラスさん以外リナを狙ってる奴がいるのか?」
>ゼルがゼロスにたずねる。
>「わかりません。それこそ理由が見つかりません。ゼラス姉さんと関係しているのかもわかりません。ですが、リナさんは、一度姉さんと言う霊と接触していますから他の霊を引きつけるようになってしまったのかもしれません」
>「そんな…」
>あたしは、不安そうな声をだし、胸に飾ってあるペンダントを手に取る。
>「だいじょうぶですよ、リナさん!!今夜は、わたしもガウリィさんも、ゼルガディスさんもいっしょにいますから!」
>アメリアは、立ちあがって威勢良く言い放つ。それにガウリィとゼルがうなづく。
>「そうですね。みなさんいっしょの方がリナさんも安心できるでしょう」
>ゼロスもアメリアの言葉にうなづく。
>「みんな…ありがとう…」
>鼻のあたりがツンとして目頭が熱くなってきた。あたしは、涙でぬれた目をぬぐう。
>あたしは、この時ほど、友達が、仲間が心強いと思ったことは、なかった。
>
> 「あっがりぃ!」
> あたしは、手に持っていたトランプを前に出して叫ぶ。
> 「げっ、マジか!?」
> ガウリィが驚いてあたしの手札を見る。
> 「これでリナの五連勝か」
> ゼルがお手上げと言う風に自分の手札を放り投げる。
> 「すごいですねぇ、リナさん」
> ゼロスが感心したような声で言う。
> 柱の時計は、夜中の一時を回ったとこだ。今あたしたちは、リビングでトランプを遊んでいた。気をまぎらわすのと、起きているためにとアメリアが提案したのだ。そのおかげでさっきまで不安だった気持ちもなんとか落ち着いていた。
> あたしは、チラッとゼロスの方を見る。
> ゼロスとゼロスがくれたペンダントもあるからね。
> あたしは、ふと微笑む。それに気づいたか、ゼロスは、あたしを見る。
> 「何ですか?」
> 「ううん、なんでもない」
> ゼロスは、微笑んだがいきなり眉をひそめる。
> 「ゼロス?」
> 「みなさん、来ましたよ」
> ゼロスの言葉にみんなこわばる。
> そういえばなんだかあたりが寒くなってきた。
> 「この気配は…ゼラス姉さんですね」
> 「クッ!」
> するといきなりガウリィが悲痛な表情を浮かべる。
> 「ガウリィ?」
> 「か、身体が、うごかない」
> 「え!?」
> ガウリィは、すわったままの格好で動こうとしない。
> 「俺もだ」
> ゼルもガウリィのとなりにすわったままでいる。
> 「え、どうしたんですか、みな…あっ!」
> アメリアも身体を動かそうとしたのだろうか。
> 「みなさん、落ち着いてください、姉さんの力です」
> ゼロスは、あたりを見まわす。
> 鼓動が早くなる。それを落ち着かせようとあたしは、ぎゅっとペンダントをにぎりしめる。
>すると時計の柱の前にスーっと人影があらわれた。昨夜見た女性、ゼラスさんだ。
>「この女性が…ゼラスさん?」
>アメリアがたずねる。そっかアメリア達は、まだゼラスさんを見たことないんだ。
> 「姉さん…」
> ゼロスがあたしをかばうようにして立つ。
> するとスッとゼラスさんの姿が消える。
> 「リナ、後ろ!」
> ガウリィの声にあたしとゼロスがバッと後ろを振り返る。
> 「!!??」
> 叫び声をあげるひまなんかなかった。
> あたしの目の前にゼラスさんが立っていた。そして両腕をあたしの方へと伸ばす。あたしは、ギュッと目を閉じる。するとゼラスさんは、あたしをつつむようにして消えた。
> 「リナさん!?」
> アメリアの叫び声が聞こえた。
> なにが起こったの?
> 声に出して言ったはずだった。が、しかしあたしの口からは、なにも出なかった。するとあたしの腕があがり、その手があたしの髪をなでる。
> …え?
> 今のは、あたしじゃない。
> 「やぁ〜っと入れたわ」
> あたしの口が開き声が出る。が、しかしあたしの声じゃない。もっと綺麗な、年上の声だった。
> ゼロスの目が見開く。
> 「そ、その声は…ゼラス姉さん!?」
> 「そぉーよ、ゼロス。ひさしぶりねぇ〜」
> 想像したのとは、まったく違う、明るく、元気な声だった。
> 「り、リナさんは!?」
> アメリアがゼラスさんにむかって叫ぶ。
> 「だぁいじょうぶ。ただ身体を借りてるだけだから。今でも意識は、ちゃんとあるから。ねぇ、リナちゃん」
> あたしは、うなづこうとしたが身体が動かない。
> 「でも身体のコントロールは、できないからね。あっ、ごめん、ごめん」
> ゼラスさん、いや、あたしの指がなると、アメリア、ゼル、ガウリィの身体が動くようになった。
> 「この子の身体に入るため、じゃまされたくなかったの」
> 「姉さん、説明してください。いったいどうしてあなたは、ここにいるのですか」
> 「それを説明したくてこの子の身体に入ったのよ。霊のままでは、話せないから」
> ゼラスさん(あたし。ええぇい、ややっこしぃ)は、そう言ってソファに座る。
> 「どこから話せばいいのかな。ってあまりゆっくりは、できないんだけどね。じゃぁ、私が死んじゃった日から話そうか」
> みんなゼラスさんのまわりに集まる。
> 「あの日私は、病気で死んだわ。でもそれは、病魔のせいだったのよ」
> 「病魔…?」
> 「そう。病魔は、あの屋敷に住みついていた。私たちが引越ししてくる以前から。その病魔は、弱っていたわ。だから私に目をつけたみたい。私が受け継いだ神官の力に。病魔は、私を殺し、その力を手に入れた。私が死ぬまぎわ、それをあなたに伝えたかったんだけど、身体がもってくれなかったわ」
> 「そんな…」
> ゼロスの顔が青ざめる。
> 「じゃぁ、なぜあんたは、リナを襲った」
> ゼルが訪ねる。
> 「それは、さっきも言ったけど霊のままだと話せないから誰かの身体を借りるしかなかったの。で、リナちゃんが一番簡単に入れるかと思って。それに…」
> そこでゼラスさんは、言葉を切る。
> 「それに?」
> アメリアがそれを繰り返す。
> 「その病魔は、今度は、リナちゃんを狙っているのよ」
> 「なっ!?」
> みんなから驚愕の声が上がる。
> 「病魔は、また力を失って弱まってきてるわ。だからまた私みたいな力を持っている人物を生贄として探していたのよ。だから私は、誰も殺されないように引越ししてきた人たちを追い払っていたの。そんな時リナちゃんが屋敷に来たわ。その時病魔がリナちゃんに目をつけたの。私は、それを伝えるためリナちゃんの身体に入り込んだのよ」
> ちょい待て!?なんであたしが狙われるのよ!
> 思わず叫んでしまったが声が出ない。
> 「なぜリナちゃんを狙っているか」
> あたしの考えたことがわかったみたい。
>「リナちゃんは、大きな力を持っているからよ。今リナちゃんの身体の中にいるから分かるけど、すごい力だわ。その力がなんなのか私にもわからないけど。たぶん、病魔は、その力に目をつけたみたい。昼に海で襲われたでしょ。あれが病魔よ」
>あたしの力?うんなの知らない。
> 「リナさんの力?」
> あたしが思ったことをアメリアが訪ねる。
> うぅ〜、話せないって辛いよぉ。
> 「ええ。私には、わからないけど。本人に聞いてみるといいわ」
> だからあたしも知らないんだってば!
> その時だった。身体中を悪寒が走りぬける。アメリア達にも感じたのか、顔を青ざめて回りを見まわす。
> 「来たみたいだわ」
> ゼラスさんが不適な笑み(見えないけど、たぶん)を浮かべる。
> 「じゃぁ、私は、リナちゃんの身体から出るわね。ゼロス、あとは、よろしく」
> 「ちょ、ね、姉さん!?」
> ゼロスがゼラスさんを呼びとめようとしたが遅かった。
> 「あっ…」
> あたしの身体に自由が戻った。ゼラスさんがあたしから出たのだ。
> 「ちっ…」
> ゼロスが舌打ちして胸のポケットから札を取り出す。
> 「アメリアさん、ガウリィさん、ゼルガディスさん。リナさんのまわりに三角の形になるよう座ってください!」
> 三人は、すぐさま言われるとうりにあたしのまわりに集まる。アメリアは、あたしの後ろ、ゼルとガウリィは、それぞれ、あたしの左前と右前に座る。
>さっきより部屋の温度が下がる。そしてなんだか部屋が薄暗い。
>ゼロスは、札を持って何か、呪文のようなものを唱える。何を言っているのか聞き取れない。すると札がひとりでに飛んで三人の前でとまる。と、ヴォン…と言う音がしてあたしの回りに光のドームのようなものが現れる。
>「結界です。三人も守っていますからそこから動かないで下さい」
>ゼロスは、険しい表情であたりを見まわすと、突然部屋の明かりが消える。
>ドキっと心臓がなり、悲鳴を出しそうになった。
>こ、これじゃぁ、なにも見えない…
>ごくっと誰かがつばを飲む音がした。
>緊張感と不安があたりをただよう。
>だんだん暗闇に目がなれてきてあたりの様子が見える。
>するとゼロスの前に何かが浮かび上がるのが見える。
>「な…なんですか、あれ…」
>後ろからアメリアの声がする。
>それは、見たことのない生き物だった。
>子供のように小さな身体。骨が見えそうなくらいやせこけていて、細長い手足。顔は、人間のおじいさんの用だが凶悪な表情を浮かべている。細く、鋭い目。頬まで避けている口。
>これが病魔?
>その細い目があたしを見る。そしてそいつは、両手を振る。するとシャキンと言う音がしてそいつの両手に長くするどい爪が現れる。
>「まったく姉さんは、いつもやっかいなことは、僕に押し付けて。こいつをどう退治したらいいんですか」
>ゼロスがどこかにいるはずのゼラスさんに愚痴る。
>するとその病魔がいきなり早いスピードでゼロスにむかう。そして腕をふりあげ、ゼロスに切りかかる。
>「ゼロス!」
>ゼロスは、バッと横に飛んでそれをよける。そしてこしの方に手を回しシャツのしたから何かをとれだす。短剣だ。
>が、病魔は、ニヤっと笑い今度は、あたしの方へと飛んできた。
>「うわ!?」
>ガウリィが叫ぶ。
>あたしは、恐怖に目を閉じるが「バチッ」と言う音がして目を開ける。
>病魔が悲痛な表情を浮かべ、あとずさる。
>「結界をはってあります。僕を殺さない限り、結界は、やぶれませんよ。あなたの相手は、僕です」
>ゼロスが余裕の笑みを浮かべる。
>そして、ダン!と床をけって病魔へと向かい、短剣を振り上げて病魔に切りかかる。病魔は、すばやくその短剣を爪で受ける。が、ゼロスは、すばやく身体を回転させ、横から病魔を切りつける。病魔は、すばやく後ろさがりそれをよける。
>「すげぇ」
>ガウリィが感心したように言う。
>「まさか、幽霊にむかっていくとは、な。なれているからだろうか」
>ゼルもガウリィと同じく感心する。
>あたしは、こんな状態で落ちついてられるあんたら二人の方に感心するけど…
>そんなことは、どうでもいい。
>あたしは、ゼロスと病魔を見る。
>ゼロスの方が少し押している。
>あたしは、ギュッとペンダントを握り締める。
>ゼロス…ゼロス…
>「リナさん、だいじょうぶですよ」
>あたしは、ふりむく。
>「ゼロスさんならだいじょいうぶです」
>アメリアは、あたしの手を取って言う。
>「うん…うん…ありがと…」
>

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7371太陽の微笑みのように 終 (こっちが本当)理奈 8/5-06:53
記事番号7370へのコメント

まるで時間が遅く流れているみたい。あたしは、チラッと時計をみる二時…。
眠くない。だが身体が疲れてる。
ゼロスもそうなのだろう。顔に疲労が浮かんでる。攻撃していたのが今は、防御の方に専念している。
「くっ…」
ゼロスは、後ろへ飛ぶ。体制を立てなおすためだろう。がそこで、病魔がニッと笑う。
カッ!!
バン!!
なにが起こったのか解らなかった。いきなりゼロスがなにかにはじかれたようにあたしの横の壁にたたきつけられる。
「うぐ…」
ゼロスは、そのまま床に落ちる。
「ぜ…ゼロスぅうううう!!!」
あたしは、立ちあがる。
「リナ、動くな!」
ゼルが叫ぶが、あたしは、聞かなかった。
あたしは、ゼロスの方に駆け寄る。
「リナ、戻れ!」
ガウリィもあたしを呼び戻そうとする。
「ゼロス、ゼロス」
あたしは、ゼロスの隣にひざまづく。
「り、リナさん…な…なぜ…けっか…いから…」
「だって、ゼロスが、ゼロスが」
「リナさぁああああん!!!」
アメリアの叫び声がする。あたしは、ふりむく。病魔が不適な笑みを浮かべ、あたしの後ろに浮かんでいた。そいつの腕があがる。そして…
「きゃぁあああああ!!!!」
あたしは、恐怖に目を閉じる。
「リナぁ!!」
ザンッ…
…………………………………………………………
「ぜ、ゼロスさん!?」
…え…
あたしは、ゆっくりと目を開ける。
ゼロスがあたしをかばうようにして病魔に背を向けている。
「り…リナさん…よ…かっ…」
そしてあたしへと倒れこむ。
その背には、三つの傷が走っていて、血が流れていた。
カラン…とゼロスの短剣があたしの手元に落ちる。
ドク…ドク…ドク…
心臓の鼓動が前より早くなる。何かに押しつぶされそうな感じ。目の前が一瞬真っ暗になる。
「ぜ…ゼロスぅうう!!!!」
あたしは、叫んでいた。
「ゼロス!」
「ゼロスさん!」
三人が結界から離れてあたしとゼロスのところへ来る。
「いやだ!いやだ!ゼロス!いやだよぉ!!ゼロスぅ!!おきてよぉ!!」
瞳から涙が溢れ出す。あたしは、それをぬぐいもせずゼロスを揺り動かす。
「リナ、落ち着け!動かすな」
ゼルは、あたしの腕を取る。
「ぜろすぅ〜…」
「けっけっけっけっけぇ〜!!」
あたしたちは、顔を上げる。部屋の反対側に病魔が笑い声をあげていた。
ドクン!!
「……………」
あたしは、手元に落ちていた短剣を取る。
ドクン…
「リナさん?」
アメリアがあたしの様子に気づく。
「…よくも…」
ドクン…
あたしは、ゼロスを見る。
ドクン!!
「よくも!!」
あたしは、キッと病魔を睨みつける。
ヴォン!
「わっ!」
なにかの衝撃があたしのまわりで起こる。その衝撃に三人が弾き飛ばされる。
あたしは、ゆっくりと立ちあがる。
パキン…
大きな音を立てて短剣の刃がくだけちる。が、刃のかわりに黒い光が現れる。
「く、黒い…光の…剣?」
アメリアのうめき声がする。
病魔がニヤニヤしてあたしを見る。
「よくも…よくもゼロスを!!」
 あたしは、床を蹴って病魔の方へと走る。
病魔も不気味な笑みを浮かべてあたしの方へとむかってくる。
あたしは、剣を振り上げる。
そして…………………………

 ザァーー…ザァーー…
波の音がすごくここちよい。
闇色の海に月の光が反射してきれい。
あたしは、砂浜にすわっていた。
「ふぅ〜…」
つい先ほど起きたばっかりだった。みんなの話によるとあたしは、まるまる三日眠っていたらしい。アメリアがフィルさんに事情を話して別荘を貸す日をのばしてくれた。まさか本当の事を言って信じてくれるなんて…やっぱりフィルさんだ。
とにかく。あたしは、病魔に向かっていた所までしか記憶がない。アメリアの話によるとあたしの闇の剣が病魔の身体を捕らえて、病魔は、叫び声を上げて消えたそうだ。そしてあたしは、そのまま気を失った。アメリアたちは、手分けしてメイドを起こしに(ゼラスさんがみんなが起きないようにしたらしい)行って救急車を呼び、ゼロスを病院へつれていった。幸いゼロスの傷は、そんなに深くは、なく命には、別状なかったらしい。今は、病院で養生しているらしい。アメリア達は、あたしも病院へつれていくつもりだったがその時ゼラスさんがあたしの身体に入りこんで止めたらしい。ただはじめて力を使ったから疲労で倒れただけだ。眠らせておけば時期に目がさめるとアメリア達に言った。
「ゼロス、リナちゃん。ありがとう。そしてほんとうにごめんなさい。こんな事にまきこんでしまって。病魔は、リナちゃんの力のおかげで消え去ったわ。これでようやく私も成仏できるってもんね。ほんとうにありがとう。ゼロス。私の最愛の弟。幸せに。さようなら」
ゼラスさんは、そう言ってそのまま消えたらしい。
…はぁ〜…
あたしは、海を見つめる。
数日の間にこんなにも信じられない事が起こったなんて。まるで夢のよう。話したって誰も信じてくれないだろうなぁ、こんな事。あたしの力だって、結局なんなのかわからずじまいだったし。ゼラスさんは、あたしの祖先から受け継いだ力だって言ったみたいだけど。
あたしは、胸のペンダントを手に取る。もうつける必要がないけど。ゼロスからもらったから。
だいじょうぶだろうか。あしたお見舞いに行こう。
「リナさん」
「…え…」
あたしは、後ろから聞こえてきた声にふりかえる。
「ぜ、ゼロス!」
そこには、ゼロスが笑顔を浮かべてたっていた。
あたしは、立ちあがりゼロスのところへ走る。
「だいじょうぶなの、病院からでて」
「ええ。さっき退院しました。…リナさん?」
あたしは、目に涙を浮かべてうつむいていた。
「よかった…ほんとうによかった…」
ゼロスは、そんなあたしをやさしくだきしめる。
「リナさんこそ…無事でよかった…」
あたしは、それを聞いて泣き出してしまった。
心にあった不安や恐怖が消えてしまったように胸のあたりが軽くなったような気がした。
「リナさん…もうなにも心配は、いりません…ですから…ですからもう泣かないでください…リナさんは、僕の太陽です。だから笑ってください。太陽のように明るく笑ってください」
「太陽…?」
「七年前の夜、闇の中へ消えそうな僕を照らしてくれたでは、ありませんか。姉を失い、自殺しようとした僕をたすけてくれたでは、ありませんか。リナさんのおかげで僕は、今こうしていられんですよ」
あたしは、顔を上げる。
じゃぁ…
「あの女のこは、やっぱりゼロスだったの」
ゼロスは、それを聞いて苦笑する。
「たしかにあのころは、女のこに間違われることが多かったですけど」
あたしは、それにつられて笑ってしまった。
「あたしね、ずっとあの子の会いたかったの。やっと会えた」
ゼロスは、微笑む。
「そう。そうやって笑ってください。そして…これからも僕を照らしつづけてください…」
あたしは、涙をふいておもいっきり微笑む。
そして…

夜よりもなお暗い闇
出口の見えない空間
生きる理由が見つからなかった時
その理由をあなたが教えてくれた
出口を照らしてくれて
闇から救い出してくれた

その笑顔が僕を救ってくれた
そう、
まるで太陽の微笑みのように

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7372太陽の微笑みのように 後書き理奈 8/5-07:22
記事番号7371へのコメント

 さぁて終りました。最初の予定を上回ってこんなに長くなってしまいました。
前は、サスペンスに挑戦して結構良い出来だったんで調子に乗ってこんどは、ホラーに挑戦してみました。あまり良くなかったかな。すこしでもヒヤってなってくださればいいんですけど。
 あとは、かわいく、弱いリナちゃんが書きたかったもんですから。
 最後のほうがちょっと、いや、かなり変になってしまいましたが、ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。

 理奈。

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7420Re:太陽の微笑みのように 後書き岬梨雨 8/7-23:49
記事番号7372へのコメント

こんにちは、岬梨雨でございます。
全部読みましたよ、しかもつないだまま。とっても楽しく読ませていただきました。

> さぁて終りました。最初の予定を上回ってこんなに長くなってしまいました。

長いのはとってもよろしいのです。だって読むのが楽しいですし。続きが気になるのもよいとこです。
それに私がこの話の後半部分を見つけたときの顔、読んでるときの顔といったらもう……。
人様には見せられません。

>前は、サスペンスに挑戦して結構良い出来だったんで調子に乗ってこんどは、ホラーに挑戦してみました。あまり良くなかったかな。すこしでもヒヤってなってくださればいいんですけど。

ヒヤッてなりましたよ、本当に。私も幽霊とかダメなので……。

> あとは、かわいく、弱いリナちゃんが書きたかったもんですから。

いいですね、かわいくて弱いリナちゃん!! 私大好きです、こういうの。

> 最後のほうがちょっと、いや、かなり変になってしまいましたが、ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。
>
> 理奈。

いや、ぜんぜん変じゃなかったですよ。とってもお上手でした。
また何か投稿して下さい!! 忙しいとは思いますが楽しみにしてるんです、本当に。

理奈様の幸福を願って……。
                               岬梨雨でした。

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7423返事おそくなってもうしわけございません!理奈 8/8-03:58
記事番号7420へのコメント

あぁ〜〜〜、こんにちはぁ〜、返事おそくなりまして本当にすみません!!
どうぞ、ひっぱたいてくださいませぇ〜
と馬鹿な事は、さておき。


>全部読みましたよ、しかもつないだまま。とっても楽しく読ませていただきました。

うわぁ〜、本当ですかぁ!すっごくうれしぃです!!

>長いのはとってもよろしいのです。だって読むのが楽しいですし。続きが気になるのもよいとこです。
>それに私がこの話の後半部分を見つけたときの顔、読んでるときの顔といったらもう……。
>人様には見せられません。

わかりますぅ。私もそうですから。

>ヒヤッてなりましたよ、本当に。私も幽霊とかダメなので……。

よかったぁ〜!読まれる方がヒヤっとなるのが今回の目的ですから。
私もだめなんですよぉ〜。これ、書いてるとき、夜中でしたからもう
怖いのなんのって・・・

>いいですね、かわいくて弱いリナちゃん!! 私大好きです、こういうの。

私も大好きです。リナちゃんをどれだけ、かわいく、弱く、しかもリナちゃんの
キャラをぶちこわしにしないで、と言うのが今回の挑戦と言うべきことでしたから。それが出来てうれしぃです。

>いや、ぜんぜん変じゃなかったですよ。とってもお上手でした。
>また何か投稿して下さい!! 忙しいとは思いますが楽しみにしてるんです、本当に。

本当に、本当にありがとうございました。感想、うれしぃです。
では、失礼します。


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7389夏の夜は、彼にご用心 1理奈 8/6-11:49
記事番号7325へのコメント

さて。ふと思いついて勢いで書いたストーリー。長くは、ならないと
思います。このツリーが落ちる前に書き上げればいいんですけど。
とりあえず。ゼロリナです。タイトルにあまり意味は、ない・・・と
思います。一応コメディーです。楽しんでいただければいいのですが。

夏の夜は、彼にご用心 1



バシッ!!
彼は、その音に驚いて顔をあげる。
「り、リナさん?」
彼の闇色の瞳に不機嫌な顔の少女、つまりあたしが映る。
あたしは、それを無視して自分の机に戻る。
「あ、あの、リナさん?おこってらっしゃいます?」
彼の言葉にあたしのこめかみのあたりがピクピクする。
「なぁに、いってんのゼロス君。たとえ明日から待ちに待った夏休みだとしても、終わってない書類を終わらせるのが生徒会の、生徒副会長の役目でしょう?」
あたしは、笑顔で言う。
「リナさん…目が笑っていませんよ…おこってらっしゃいますね」
ゼロスは、あたしの顔を見て引きつった笑顔をうかべる。
あぁ〜あ。明日からは、夏休みなのに…。なんで学校に残っているんだろ…
そう。今あたしとゼロスは、学校に残って生徒かいの仕事を終わらせているところだった。
学校の一番上の階にあたし達、生徒会の部屋がある。その部屋の奥にある大きな机に生徒会長のゼロスがめったに見せない困りきった顔で書類に目をとおしていた。肩まで切りそろえているきれいでシルクのような闇色の髪。その髪と同じ闇色の瞳。白く、きれいな顔立ち。学園人気No.1を誇る彼。生徒会長に選ばれたのも談じて実力のおかげじゃない。と言っても成績優秀で、学年トップの彼なのだが
そしてゼロスの机の斜め前にあたしの机がある。副会長で学園美少女No.1のあたし。愛らしい顔立ちにパッチリしたつぶらな紅い瞳。きれいな栗色の髪。この容貌のあたしが生徒会長に選ばれなかった時は、ゼロスを殺そうかと思ったけど。
ともかく。なぜ学校に残って仕事をしているかと言うと。書記のアメリアのミスでかたづけてない書類が山ほどでてきたのだ。そして当の本人は、家族と外国へ旅行するために空港へ行かなくちゃいけないとかで早々と逃げていった。
ふふふふ…帰ってきたら覚えておきなさいよ…アメリア…
「あの、リナさん。アメリアさんのせいでは、ないと思いますけど」
あたしが考えていた事がわかったのか、ゼロスは、おそるおそる言う。
「なんでよ。あの子がちゃんと書類を管理していなかったからいけないんでしょう」
あたしは、見終わった書類を閉じ、あたらしい書類を手にする。
「た、たしかにそうですけど…この書類、全部リナさんがかたづけていなかった書類ですよ」
うっ…
い、いたいところをつくね、ゼロス。
 「た、たしかにこの書類は、あたしに回ってきたやつだけど…」
 「リナさんが最初っからかたづけていればこんなことには、ならなかったんですよ」
「だ、だから今こうしてやってるじゃない」
「だったらもんくを言わないでちゃんとやってください。リナさんお一人で出来るやつならいいんですけど、なんで僕も目を通さなければいけない書類ばかり残しておくんですか」
「じゃ、なによ。もしこれあたし一人で出来るやつだったら手伝ってくれなかったわけ?」
「まぁ、少しなら手伝って差し上げますけど。これほどの、殺人的な量になると…」
「殺人的って、たった百個くらいの書類で」
「そのほとんどを僕に押し付けて何を言っているんですか」
ゼロスは、ジト目であたしに言う。
「はは、かたいこと言わない」
はぁ〜…
ゼロスは、深い溜息を吐いて机に突っ伏した。

 つづく。

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7391やっぱリナはリナですね・・・(^^;;どらまた E-mail 8/6-13:08
記事番号7389へのコメント

はじめまして〜♪
おもしろかったですよ〜♪
でもちょっとゼロスが可哀想な気も(^^;;;
『殺人的な量』
このセリフなんかうけました(笑)

ってーか、リナ!自分のことを学年NO.1の美少女だなんて言うな!!
まぁ・・・そこがリナらしいといえばリナらしいんだけど・・・(汗)
アメリア・・・・逃げるなよ。
家族と海外旅行か・・・どこに行くったんだ?
ってぇ・・・そーゆー質問はしちゃいけませんね。
しかもアメリアのおかげで(?)リナとゼロスは2人っきり★
やっぱしらぶらぶになるのでしょうか??
くぅ〜先がきになりますぅ〜!!!

また続きを楽しみにしておりまするっ!
でわでわ・・・・。

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7395それが彼女のいいところ (^_^)理奈 8/6-14:51
記事番号7391へのコメント


>はじめまして〜♪
>おもしろかったですよ〜♪

はじめましてぇ〜!感想ありがとうございます!!


>ってーか、リナ!自分のことを学年NO.1の美少女だなんて言うな!!
>まぁ・・・そこがリナらしいといえばリナらしいんだけど・・・(汗)

あたしが書くシリアス(と自分は、思っていたりする)なストーリーのリナちゃんってあんましリナちゃんらしくなくって。やっぱり、こーゆーコメディだと
リナちゃんらしいリナちゃんが書けるのでうれしいです。

>アメリア・・・・逃げるなよ。
>家族と海外旅行か・・・どこに行くったんだ?
>ってぇ・・・そーゆー質問はしちゃいけませんね。

はは、ほんとうに一体どこへいったんでしょうねぇ。

>しかもアメリアのおかげで(?)リナとゼロスは2人っきり★
>やっぱしらぶらぶになるのでしょうか??
>くぅ〜先がきになりますぅ〜!!!

なりますよぉ〜〜、って下手な私には、むりかな。でもがんばってらぶらぶ
にして見ます!!
ですから続き、読んでくださればうれしいです、ずーずーしいけれど。

あと、どらまたさんの投稿、読みたいんですけど、オーフェンしらなくて。だから
今急いで友達から借りたオーフェン読んでます。知っていたほうがおもしろく読めると思いまして。ですから読みしだい、感想書きますね!

感想、本当にありがとうございましたぁ!!とってもうれしぃです!!
ではぁ〜〜。

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7394夏の夜は、彼にご用心 2理奈 8/6-14:43
記事番号7389へのコメント

夏の夜は、彼にご用心 2

「おわったぁ〜!!」
あたしは、両腕をふりあげて叫ぶ。
「ご苦労様です」
ゼロスは、書類の山をファイルキャブネットに入れる。
部屋は、電気なしじゃうすぐらかった。あたしは、窓から外を見る。夕日が完全に沈みかけているところだった。もう七時前だった。
「もう七時前ですか。急いで帰らないといけませんね」
ゼロスは、急いで帰りじたくをする。
「え、なんで?」
そりゃぁ、早く帰りたいのは、わかるけど。
あたしの言葉を聞いてゼロスは、きょとんとする。
「リナさん、知らないんですか?この学校の七不思議」
「七不思議?」
あたしは、まゆをひそめる。
「知らなかったんですか。七時になるとこの学校のあちらこちらで不思議なことがおきるという」
「ううん。知らない」
あたしは、首をふる。いつもは、授業終わったらすぐ帰っていたから七時まで学校にいることなんてなかったから。
「では、職員室に生徒会室の鍵を返しに行く途中、その七不思議がおこる部屋が何部屋かありますから、ごあんないしましょうか?」
「え…」
あたしは、顔を引きつらせる。
「まさか、リナさん。怖いと言うんじゃ、ありませんよね」
ゼロスが意地悪そうな笑みを浮かべる。
「ま、まっさかぁ!お、おもしろそうじゃない!」
全然おもしろそうじゃない。自慢じゃないけど、あたし、幽霊とか、そういうたぐいのもの苦手なのよぉ〜…。
あたしは、内心、泣き出しそうな気持ちをおさえながらゼロスに言う。
「七不思議ツアー、つれてってもらおうじゃないの」
ここでひきさがったらなんか弱いあたしを見られ、なんかゼロスに負けたような気がしてならない。それだけは、あたしのプライドが許さなかった。
「それでは、行きましょうか」
ゼロスは、ニッと笑って言う。
あたしは、かばんをとってゼロスと生徒会室を出る。
廊下は、昼間と違って怖く見えた。いつもなら生徒でうるさい廊下だけど、今は、静かだった。なんかいつもより、長く、広く見える。
…やっぱり…このまま帰ろうかな…
「どうしたんですか、リナさん?怖いんですか」
あたしは、ゼロスを見上げる。
彼は、意地悪笑みを浮かべ、あたしを見下ろす。
なんかムカ。
「そんなんじゃないわ!」
あたしは、スタスタと歩き出す。
「あっ、待ってくださいよ、リナさん」
ゼロスは、あたしの後を追ってパタパタと走ってくる。
あたしたちは、まず一階したの二階におりた。
「では、まずこの階の音楽室と美術室へ行って見ましょうか」
「そこには、なにがおきるの?」
「月並みですよ。音楽室からは、誰もいないのにピアノの音が聞こえるとか。美術室は、壁に飾ってあるモナリザの目が動くとか」
「本当に月並みね」
あたしたちは、音楽教室の扉の前でとまる。
「なにも聞こえないけど」
あたしは、ゼロスを見る。
「まぁ。もし本当だとしたら、まだ七時では、ありませんからなにもおきないでしょう」
ゼロスは、そう言って扉を開く。
広い部屋の奥に大きなグランドピアノが置いてある。
「なにもありませんね」
ゼロスは、スタスタと部屋の中に入る。
「そ、そうね」
あたしは、急いで彼のあとを追う。
「では、次は、美術室へ行って見ましょうか」
夜の美術室は、めちゃくちゃ気味が悪かった。あたしたちは、後ろの壁にかかってあるモナリザの絵の前にたつ。昼間見てもけっこう不気味なモナリザ。本当に今でも目が動き出しそう。
早くここから出よ。なんか寒気がしてきた。
「次は?」
あたしは、ゼロスの所へ振りかえる。
「次は、ですねぇ…」
ゼロスは、そう言って言葉を切る。彼の顔が見る見る青くなっていく。
「ぜ、ゼロス…?」
「リナさん、後ろ!」
「きゃぁあああああ!!!」
ゼロスが叫んだとたんあたしは、悲鳴を上げて座り込んでしまった。
「り、リナさん?」
あたしは、おそるおそる顔をあげる。そこには、ポカンとした顔でゼロスがあたしを見下ろす。
ハッ!!
あたしは、あわてて立ちあがる。
それを見てゼロスは、クスっと笑った。
こ、こいつ…はかったなぁ…
「まさかリナさんがこんなに怖がりだったとは」
「ち、ちがうわよ!あんたがいきなり脅かしたから驚いただけ!」
あたしは、顔を真っ赤にして言う。こんな奴にこんなあたしを見られたなんて…リナ、一生の不覚だわ!!
「つ、次は?」
あたしは、美術室を出る。
ゼロスは、笑いをこらえながら美術室をでる。
「な、なにがおかしぃのよ」
あたしは、立ち止まってゼロスを見る。
「いえ。なんでもありません。次ですね」
ゼロスは、苦笑しながら階段の方へと向かう。あたしは、頬をふくらませながら彼のあとを追う。

つづく

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7425夏の夜は、彼にご用心 終 理奈 8/8-05:05
記事番号7394へのコメント

「階段??」
あたしは、一階に続く階段を見下ろす。
「はい。本当は、十二段ある階段が七時をすぎると十三段になりそのまま死の世界へ続くと言われてますけど」
これも月並み…ねぇ…だけど…
あたしは、こくっとつばを飲みこむ。
一…ニ…三…
あたしは、一段、一段数えながら降りていく。
十…十一…十二…!?
「う…そ…」
血の気が引くのを自分でもわかる。
あたしは、十二段目で止まる。その下には、もう一つ、つまり十三段目があった。
「どうしました、リナさん?」
ゼロスは、横からあたしの顔をのぞきこむ。
「だ、だって…十三段目が…」
「何を言っているんですか。ちゃんと十二段しかありませんよ。数え間違えですよ」
「え…」
あたしは、ゼロスの言葉を聞いて階段を上がる。そしてまた数えながら降りてくる。
「五、六、七…」
今度は、数え間違えないように声に出して数える。
「十一、十二」
そこで階段が終わる。
「ほんとうだ…」
あたしは、ほっと胸をなでおろす。
ゼロスは、またクスクスと笑う。あたしは、それにムッとするが何も言わない。もう完全にあたしが怖がりだって事、わかっちゃったから。
「もう七時ちょっと前ですからもう帰りましょう。本当に何かおこったらいやですからね。さっ、職員室に鍵を返して帰りましょう」
ゼロスは、フッと微笑み職員室へと向かう。
「実はですね、職員室にも七不思議があるんですよ」
「え…」
「七時になると閉じ込められて違う世界へとつれていかれるとか」
職員室の奥の壁に格部屋の鍵がある。ゼロスは、職員室の鍵をそこへもどす。
「さっ、帰ろ」
あたしは、やっと帰れると安堵の溜息を吐き、職員室の扉を開けようとする。
その時だった。カチッと言う音がして突然職員室の電気が消えた。
「きゃぁぁあ!!」
あたしは、突然の事に叫び声を上げてしまった。そして腰がぬけて座り込んでしまった。
あたし、暗いとこだめなのぉ〜〜!
「リナさん!」
「ぜ、ぜろすぅ〜〜、どこぉ〜」
あたしは、涙で目をぬらし、なさけない声を上げる。
たしか、ゼロスは、後ろの壁の方にいたよね。
あたしは、手探りしながらゼロスがいる方へと進む。
『七時になると閉じ込められて違う世界へとつれていかれるとか』
ゼロスの言葉が頭をよぎる。
や…やだぁ…ゼロス…
「リナさん」
するとゼロスがあたしを抱きとめる。
「ぜ、ゼロスぅ〜〜」
あたしは、がくがくと身体を震わせ、ゼロスに抱きつく。
「だいじょうぶですよ、リナさん。だいじょうぶです」
先ほどとは、大違い。ゼロスは、優しい声でそう言って、あたしの髪をなでる。
あたしを抱きしめてくれる腕が心強い。
少ししてやっと暗闇に目がなれてきた。するとあたしがゼロスの腕の中にすっぽり抱きしめられてるのに気づく、と同時に身体の体温が上がる。
う、うわぁ〜〜〜!!あたし、あたし、なんてことをぉ〜!
「リナさん…」
耳のすぐそばで聞こえた彼の声にビクっと身体を震わす。
「これって結構おいしいシチュエーションですね…」
「ぜ、ゼロス…」
ゼロスの腕の力が強くなる。
「ひゃん!」
突然、首筋に冷たい物を感じる。ゼロスの唇だ。
「ぜ、ゼロス…や…」
あたしは、ゼロスの腕から逃れようとするが、全然動けない。
耳の裏、頬、おでこ、首筋…ゼロスが口付けする。
「ぜ、ゼロス!や…!やめて!!」
ドクン、ドクンと心臓の鼓動が激しくなる。
「!?」
いきなりゼロスがあたしのブラウスのボタンを一個はずす。するとあたしの鎖骨があらわになる。
そこにゼロスは、唇をすべらす。
「ゼロス、お願い、やめて!!」
が、ゼロスは、あたしの言葉に耳をかたむけない。
ゼロスは、そのままあたしのブラスのボタンに手をかける。
あたしは、ギュッと目を閉じる。
と、そのとたん。
「おぉ〜い」
扉の向こうから声が聞こえる。
あたしたちは、おどろいて顔を上げる。
「誰かそこにいるのか?」
か、管理人さんだぁ〜〜〜!!!
「はい!!閉じ込められたんです!!たすけてください!」
あたしは、あわててボタンをかけなおし、力の抜けたゼロスの腕から逃げる。
カチャっと音がして扉が開く。すると管理人さんが懐中電灯を持って入ってきた。
「あんたたち、なぁにやってんの」
「あっ、生徒会室の鍵を返しにきたらいきなり電気が消えて誰かにとじこめられたんです」
あたしは、自分のかばんを拾い上げて言う。
それを聞いて管理人さんは、あきれたような顔をする。
「あんたたち、知らないのか?七時になったら自動的に鍵がしまって電気が消えるのを?」
「へっ…」
あたしは、管理人さんの言葉に間抜けな声を上げる。
その時横をそぉ〜っと通りすぎるゼロス。
ってことは…………………………
「ぜ、ゼロスぅ〜〜…」
ゼロスは、びくっと身体を震わし、ぎぎぎぃ〜とあたしの方に顔を向ける。
「な、なんでしょうか…リナさん…」
「あんた…あたしをはめたね…」
「い、いや、書類を貯めておいたリナさんにちょっとしたお仕置きを…」
ゼロスは、笑顔を引きつらせる。
「じゃぁ、七不思議も」
あたしは、ズイっとゼロスの方に一歩進む。
「う、嘘です」
ゼロスは、一歩あとずさる。
「ゼロスの馬鹿ぁあああああああ!!!!!!!!!!!!!」
あたしの叫び声が学校中に響き渡る。

明日からは、夏休みだ。

終り。

しょうもないストーリーでした。あぁあ、ごめんなさい、最後、らぶらぶにできなかったぁ〜〜…やっぱり下手ですね…
ツリーが落ちる前に投稿できてよかった
最後まで読んでくださった方に感謝をこめて…
ありがとうございました…