◆−墓守(はかもり)−翼月 星(8/26-23:57)No.7628


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7628墓守(はかもり)翼月 星 E-mail URL8/26-23:57


久しぶりの投稿です
んでもって、いつものごとくゼロリナ
でもゼロスもリナもでてきません(←をひ)
それでよければどうぞ

墓守(はかもり)

 どこの街にも1つはある怪談ともいえない怪談。
 いわく、何かをどうかしたら呪われる。存在せざる者の声が聴こえる。
 その真実を見極めようとする少女が1人。
 引っ越してすぐ、近所の女性に教えられた、この街の禁忌。
「このそばの丘にある塚、近寄らない方がいいわ。
 おそらく、あなたなら『わかる』と思うから。
 悪意を持って近づけば、ただじゃあすまされないわよ」
 そう言う彼女は、けれどもそこに通っていた。
 少々霊感のあるその少女は、挑戦的にその場所へと向かった。

「なんだ、全然いい場所じゃない」
 その丘にはいい風が吹いていた。もっとも、その塚にはまだ近づいていないからだが。
「あれ、かしらね…」
 小さく呟いてそれに近寄っていく。塚、というよりも石碑のようなそれ。その下には花が添えられていた。
「何もないじゃない」
 そう呟いた瞬間、空気がざわり、と震えた。
 一瞬にしてあたりの雰囲気が変わる。
『この場所に触れる者は許しません』
 変化した空気が、強い口調でそう囁いた。
 本能で、逃げ出す。そこから離れる。
 ふと、空気が柔らかいものへと変わった。
「だからやめなさいって言ったのにね」
 少女を助けたのは、忠告をしたあの女性。
「結界を張ったから安心していいわよ。
 あれは説得できないから、落ち着くまで待つしかないわね…」
「…なんなのよ…一体…」
 小さく呟く少女に女性は答える。
「仕方ないわ。あれが彼の遺志なんだから。
 2人が死んだのは遠い昔なのに、あの遺志だけは消えない。
 本当に大事に思っていたものね…」
 昔をなつかしむように女性が語る。
「妹のね、墓なの。あの下で眠ってるの。
 そして、彼は消滅して妹の元へ行ったわ。最後にこの遺志を残してね」
 さっきよりはいくぶんか明るめに女性が言う。
「こっちに、来てごらんなさい」
 女性に言われるままに少女はもう一度塚の方へと歩み寄る。
     光よりもまばゆく生きし者 リナ=インバース
     闇よりもうつろに滅びし者 ゼロス
 石碑には、そう文字が彫ってあった。
「2人が幸せになれるように、祈っているの。
 でも…祈ることで、私は妹を失った自分の心を癒やしてるのかもしれない…」
 自嘲気味に呟く女性。
「どんな、亡くなり方をされたんですか?」
 たずねる少女。
「普通よ。天寿を全うして、静かに、眠るように、ね。幸せな一生だったと思う。唯一、心惹かれたのが決して結ばれない相手、ということ以外はね」
 そう、理不尽な死に方をしたわけではない、むしろ幸せな死に方だったろう。それでも…妹を失った悲しみは大きな傷跡を作ったのだ。
 当然少女は首をかしげる。若い女性の妹が天寿を全うしたという矛盾に。
「…しゃべりすぎたわね…。誰かに知ってもらいたかったのかしら…?
 どうぞ、お帰りなさい。
 そして、ここには気を付けるようになさい。私の言ったことは忘れていいわるごめんなさい…」
 そう言って女性はその場から消える。
 まるで夢幻(ゆめまぼろし)のようだった。
 けれどもそれが事実であることはあの塚で証明できる。
 なんとなくせつない気分のまま、少女は帰途についた。

 少女が消えた後、再び女性がその場に現れる。
 そして、その塚、いや墓に向かって話しかける。
「2人とも、もうここにはいないんでしょう?
 あの方の元で…記憶を浄化されて、別の人生を歩んでいるかもしれないわね。
 私だけが変わらないまま、ずっと取り残される。私だけがひきずっている。
 でも、ね…残された方が、つらいのよ?」
 そこに、2人が存在するかのように。
「死ねない、老いることすら出来ない体なんていらなかった。
 大切な人ができても、結局私だけが残る。幾度も繰り返すだけ。普通の人間でいたかった…」
 それは滅多に口にされない彼女の弱い心。

 残されたものは、墓を守り続ける、1人の女性と1つの遺志。変化することのないそれはどこまで続けられるのか。
 それはもう、なくなってしまっているのに。
 いつまで、とらわれ続けるのか…


やー、書き終わったわ まさかまたゼロリナを書くことになろうとは…てっきりもう出ないかと… ネタ尽きてるし(笑)
でもこれを思いついてのは某ドラマCDのEDだったりします 勝手に歌詞の捉え方を歪めまくって(爆)
♪静かに眠ったあなた(=静かに眠るようにしんだあなた)のきずあと(=あなたを失った自分のきずあと) 祈りの言葉で癒やそう
 石碑に刻んだ 言葉を何度も 繰り返す歌が星になり 朝日に消えていく♪
という歌詞なんですけどね 知ってる人は知ってるかと……
しっかしゼロスもリナも全く出てこないし おかげで苦労しました。
姉ちゃんと謎の少女のみ(爆)
謎の少女、なんか口調リナちゃんっぽいかも…などと後で気付きましたがね全く関連性はありません 友人にそうぼやいたらリナが書きたいのでは? とつっこみをうけてしまった そういうわけでもないのだが…(^_^;)
ちなみに舞台設定は今の日本のようになった○百年後のゼフィーリアです 少女は主人公なのに名前ありません(ひでぇ…)
ま、所詮はゼロリナなんで 少女の名前がなくても問題はない(をひ)
………それにしても原稿たまりまくってます…いい加減どうにかせねば…終わるかな?(←をひ)
……とにかくなるたけがんばります スレじゃないんだけどね…
ちなみに現在半分ヤケでマイナー街道突っ走り中で開き直って書き始めましたからねー…
とゆーわけでがんばってみます(^_^;)
それでは、感想くれるとありがたいなー…なんて いえ、すみません 身の程知らずでした
それでは皆様さよーなら……