◆−おじゃましまっす。−みならい(9/4-21:29)No.7709
 ┗無題−みならい(9/4-21:32)No.7710


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7709おじゃましまっす。みならい 9/4-21:29


再び御邪魔します、みならいくんと申します。

いまさらながらにロストです。
5刊直後に思いついて……没にした物をリメイクしてみました。

読んで頂いて、なお感想など頂けると幸いです。

では、「無題」お楽しみください

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7710無題みならい 9/4-21:32
記事番号7709へのコメント


 男は、常に孤独だった。
 だが、そんな事をどうこう思った事は無い。
 もとより、目に写る物を、その手で滅ぼし続けているのだ。
 在るのは、彼と、収める鞘を持たない彼の5つの武器だけだった。
 今も、彼の六本の腕は新たな獲物を求めていた……

 女は、孤独を嫌った。
 何故そう思うのか、考えたくも無かった。
 彼女の願いは、新たなる存在を生み出し、それは増えて行く。
 彼女の周りには、いつも誰かがいた、
 それでも、彼女の孤独は、人知れず深くなるばかり……

 闇を撒くもの(ダークスター)
  漆黒の竜神 (ナイトドラゴン)
   ・……人々は男と女をそう呼んだ。

 男の名は、デュグラディグドゥ
 女の名は、ヴォルフィード

 ………………………

 永い時が過ぎ、遂に二人は出会う。
 彼女の生み出すものを、彼が滅ぼし、男は疲れ、女は悲しんだ。
 数え切れないほどの繰り返し。その果てに、悲しみの余り女は滅びを願った。
 しかし、“それ”は彼女に生み出せ無いもの。
 そして、最後の出会い。
 彼は彼女の悲しみを知った、そして、気付いた、自分の孤独に。
 彼女こそ、自分と同じ。対等な存在である事にも。
 そして未来を望んだ、5つの闇を手放し、1つの光を受け入れた。

 ここで、物語は終わるはずだった……
 彼らの存在が、ここまで強大でなければ……

 彼らは知ってしまった、この世の真理(こと)、自分の存在(こと)。
 あらゆる感情が押し寄せ、悩んだ。
 悩みの果てに……狂ってしまった、世界を巻き込みながら。


 黒竜の騎士、キャナル。
 彼女は悔やんでいた。
 主の悲しみを癒せなかった事、止める事が出来なかった事。
 数え上げればきりが無い。
 彼女は剣を取った。
 彼等を止める事が、それら全てを断ち切る事と信じて……

 同胞の持ちかえった5つの武器。
 その力により、彼女は最後の戦いを挑んだ。
 
 ……何があったのか知る者は居ない。
 ただ、帰ってきたのは彼女だけだった。
 泣いていた、何も語らず。
 ただ、ただ泣いているだけだった・……

 我等に解るのはひとつだけ。
 全てを生み出す力と滅ぼす力は、
 全ての命ある者の中に、ひとかけらずつ散って行ったのだと言う事。

 滅びを願った創造と、創造に憧れた滅びの。

 そんなお話……