◆−セレナーデ−神代  桜(9/19-01:30)No.7849
 ┣Re:セレナーデ−美剣 桜(9/19-02:37)No.7851
 ┃┗Re:セレナーデ−神代  桜(9/20-23:10)No.7859
 ┗Re:セレナーデ−月の人(9/19-02:49)No.7852
  ┗Re:セレナーデ−神代  桜(9/21-00:04)No.7862


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7849セレナーデ神代 桜 9/19-01:30


「セイグラムの件は知ってるよね?」
嫌味以外のなにものも含んでいないような口調で言われ、彼女は唇を噛んだ。
「下級の方にまではちゃんとした統制がとれてないとはいえ、ガーヴについて離反――なんてことになったんだ」
しかし感情などは決して相手には見せない。一時の屈辱も、彼女のもつプライドの前には、塵のようにかき消されていった。
「監督不行き届き…ってヤツかな…? 当然、しかるべき罰は受けるべきだよね。」
相手が自分に対して抱いている感情など、所詮は安っぽい優越感のみ…。
ならば、ここで無様に牙をむくこともない。
「ちょうど手駒が欲しかったんだよ」
その要求を、彼女は仕方なく受け入れた


「売った?」
「…は、はい」
望むものなどありはせず、何も生み出すことのない虚無の空間の中。彼女の意志によって創り出された一室にて、ゼラスは聞き返した。
蒼く深い…まるで獣のそれそのもののような、貫くほどに鋭い瞳が足元で跪く部下の姿を捉えている。
「あの魔血玉を?」
「ええ…」
「人間に?」
「あ…はい」
「しかも執務先で偶然知り合った魔道士に?」
「……はい…」
はたから見れば一見単調に見えるこのやりとり。しかし答える側にある神官は、重なる問いに答える分、じわじわと緊張に迫られていた。
「ゼロス?」
(来た…)
真冬の空気のような凛とした声が頭の上から響いた。と同時に、ゼロスは胸中で力なくうめく。そして
「いったいなに考えてんのよぉぉっっ、あんたわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
どすぅ!
(やっぱりこの展開にもちこまれるんですね…)
みぞおちに思い切りヒールで蹴りなぞをくらいながら、彼は嘆息した。
もっとも、精神体同士といえど物理攻撃に形をかえているので、さしてダメージなどあるはずもないのだが…。
そして彼女は足元まであるタイトなドレスでつかつかとこちらまでくると、やおらゼロスの胸倉をつかみあげた。
「あーれーはー、ルビーアイ様から特別にあんただけに賜れたモノでしょおぅ。ええ!?」
「い、いえそう言われましても売れとせがまれたものですから…。僕もまさかおもしろ半分につけたあの値に相手がのってくるとも思いませんでしたし……」
「《思いませんでしたし》の一言で収められるようなことなのおぉぉぉ?」
「だ…、大丈夫ですよ。ちょっと興味深い逸材でしたのでアレを持たせてみただけで、本人が死ねばまた取り返してきますから…」
「………」
あきれて物も言えない彼女に対してねぇ?≠ニまで付け加えてくる。
我が手駒ながらまったくもっして世話が焼ける。
はぅっ、とゼラスは重く息をついた。
たった一人だけの直属として造った部下――これが毎度毎度包み隠しもせずもってくる報告に、このようなやりとりはほぼ日常茶飯事となっていた。
そんな事実に頭を痛めながらも、彼女は銀色に波打つ髪を弄びつつ玉座に腰掛けた。
実際、彼は彼女の神官の名に恥じない働きをみせてくれている。彼に任務を与えて、しくじったなどというようなことは一度もない……はずなのに
(なんであたしがこう毎回怒らなくちゃいけないのかしら…?)
はっきりいって人間でいうところの目眩さえ覚えてくる。
“本当に口だけは達者なわりに、やっている事はいつもどこか抜けてるんだから。怒る気さえ失せてくるわ”
見知った人間の言葉が頭をよぎった。確か向こうも妹のしつけに随分愚痴をこぼしていた気がするが…
(こんなところで共通しててどうするのよ…)
「いいわ、それで?」
しかし思っていてもはじまらない。なめらかな褐色の頬を指でなぞりながら足を組み直すゼラス。すると部下はなにごともなかったように再び報告を続けだした。
「ええ、それがまだほんの女の子なんですけれどもね。どうも魔力容量が人間の割にハンパじゃなくて。もしかすればなにかにうまく利用できるかもしれませんと思いまして…」
「で、本音は?」
「ただの気まぐれです。」
「素直でけっこうね」
視線を虚空にむけつつゼラスは一言。その目を盗んでやっぱりごまかせませんでしたねぇ≠ネどとのたまわっている獣神官の姿はしっかりと視界にはいっている。
(そんなこったろうと思ったわよ。)
しかしふと思いついてきいてみる事にした。
「名前はなんと言ったの? その娘」
「あ…、たしか…」
必死に名前を思い出そうとしているようだ。無理もない。普通、魔族が人間の名を覚えている事などほとんどないのだから。
それでも神官は首を傾げつつ
「あぁ、リナ。リナ=インバースとおっしゃってましたっけねえ」
(――リナ? )
ゼラスは思わず眉をよせた。
その名前なら、過去に二度だけ聞いた事がある。
ひとつはある少女から妹の名として。
そしてもうひとつは
(瞑王の計画の一部として…)
頬杖をついたと同時に、腕にはめていたリングがシャランと音をたてる。
(偶然かしら、それとも――)
互いに呼び合うのかもしれないわ
頭をよぎるのは、むかし言われた言葉。
私たちは互いに紙一重の存在だもの
ひとつの母から生まれた、ふたつの存在――
どちらも片方を消すために動き、衝突を繰り返す
(もう、何千年も前から…)
しかしあの時、竜神の依代たる彼女はこう言っていた。
だからこそ時に、求めるのかもしれないわ。だって――。…結局、どちらも望むことは同じだもの
――母なる混沌へ還るために……
くすり。
思わずゼラスは口元を緩めた。
(そんなこと、どうだっていいわ)
そう、偶然だろうと、運命だろうと、かまいやしない。ただ…
(気に入った。)
「? あの……?」
ひとりうっすらと笑みを浮かべるこちらに、神官は思わず顔を上げていた。
しかし、主のその表情は一瞬のこと
「獣神官ゼロス――」
「はい」
澄んだ鋼の響き。彼の創造主はいつもと同じ、貫くような瞳で部下を見下した。
「暫く、異界黙示録の方からは一反手をひきなさい。かわりに――…」
そうして、告げられたその言葉に、ゼロスは一瞬ほど思考が止まった。
「…いま…、なんと……?」
本来、彼女は同じことは二度と言わない。そして、この神官が一度聞いたことを聞き返すことなども、今までに一度もない。しかし…
「瞑王があんたを右腕として使いたがってるのよ。しばらくあっちの神官として…ね」
「っ! しかし獣王様、それでは……!」
――僕に、獣神官としての誇りを捨てろという事ですか…
思い余って言ったものの、彼はすぐに言葉をつぐんだ。主の命に、異論を説くことは即ち、反逆の意となる。
沈黙のまま、ゼロスは頭を下げ、跪いたまま礼のかたちをとった。
「言いたい事はよく判るわ。そして、計画の内容とあんたの役目を聞けばなおのことね……。
任務は大したとじゃないわ。女の子を一人、守り導く事。それだけよ。」
(だからこそ、余計にこの子のプライドを傷つけるのだろうけど…。)
彼女の神官は無言のまま、その場から動こうとはしなかった。
しかしゼラスはそんな神官を瞳の奥にとらえると
「なにか言う事は…?」
「……、承りました。」
深く、重い言葉が彼女に向けられた。


「ゼロス?」
「はい」
いくらかの沈黙が空間を埋め尽くした頃、不意に飛んできた呼び声に、彼は慌てる事なく声を返した。
「…行ってきなさい。いえ、行ったほうがいいわ。あなたのために…」
「?」
きょとんと、首をかしげて黒髪がゆれた。主の声は、すでに主としての役割を果たしていないほどに、やけに柔らかい響きをおびている。
「そうそう、その女の子の名前、まだ言ってなかったわね」
「あの…?」
かかった抽象的な問い。それにゼラスは視線をまっすぐ返した。
「どういった人間なのでしょうか?」
「ああ」
答えようとして思わず笑い声が漏れてしまう。あの赤竜の騎士の妹だと言ったら、彼はどんな反応を見せるだろうか…?
しかしそれは言わない
「まぁ強いて言えば、ただの人間じゃないってとこかしらね…。あとは自分の目で見てきなさい。」
「…はあ……」
いまだよく理解できていないような返事がかえってくる。
その少女に、自分がどれほどひきつけられるかも知らずに……
「そう、名前だったわね。――リナよ」
「は?」
「リナ。リナ=インバースよ」
くすくすと笑いが漏れる。
そう、何にも執着しないはずの彼が見初めるであろう、少女の名前が、小さく、闇の一室に響いた。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
やった! 終わったですー! こんにちは、神代 桜です。以前、《プレリュート》で葉月様に「続きが…」といわれ「続き!?」と焦ったわたくし。
しかし出来たのは愚作のかたまりでした…。はう。
一応、一回こっきりで終われるようにしたですが、前々作と設定は同じ。でもストーリーは全然べつものなので、ツリーにはしませんでした。
はっきり言って題名に深い意味など微塵もありません。ただ、プレリュートにしたからには、スタイルはこれ系統だろうと思い、「セレナーデ」(笑)
ま・そゆことですので、もしこの作品を見て下さった素敵な方は、ぜひぜひ御感想をくださいませー。
それでは♪

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7851Re:セレナーデ美剣 桜 9/19-02:37
記事番号7849へのコメント

 はじめまして、すぐ下にいる美剣と申します。獣王のキャラクターがおもしろいですね、私の頭の中では用意周到で妖艶な雰囲気があるのでゼロスとのやりとりがとても楽しいです。

それでは、次も楽しみにしてます。

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7859Re:セレナーデ神代 桜 9/20-23:10
記事番号7851へのコメント

> はじめまして、すぐ下にいる美剣と申します。、
はじめまして♪ あ・ホントだすぐ下にいらっしゃる。・・・ってなんか観覧車みたいですねー、このいいかた(笑)
>獣王のキャラクターがおもしろいですね
ありがとうございますぅ。私もゼラス様は大好きなんです。なんかこう、「お姉様」って感じがして☆
>私の頭の中では用意周到で妖艶な雰囲気があるのでゼロスとのやりとりがとても楽しいです。
あ・私もそうです。楽しいですよね、この二人って。どっちもすごく頭いいのに、なんかでこぼこってイメージがあるんですよ。美剣様は二人を書くときのモットーってありますかー? 私はひとえに、ゼロスくんを聡明にみせることに命けずってます(笑)ちなみにゼラス様はさらに知的に・・・。ああ文章力が欲し。
>それでは、次も楽しみにしてます。
はぅー、期待しちゃうと落胆がはげしくなるのでやめた方がよいかと(おいおい)なにせ、ぼけぼけの神代は作品の題名すら間違えている大うつけものですから。ホントはこっちが「コンチェルト」で次が「セレナーデ」だったのに・・・。
それでは♪ 御感想ありがとうございました★

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7852Re:セレナーデ月の人 9/19-02:49
記事番号7849へのコメント

神代 桜さんは No.7849「セレナーデ」で書きました。
>
>「セイグラムの件は知ってるよね?」
> 嫌味以外のなにものも含んでいないような口調で言われ、彼女は唇を噛んだ。
>「下級の方にまではちゃんとした統制がとれてないとはいえ、ガーヴについて離反――なんてことになったんだ」
> しかし感情などは決して相手には見せない。一時の屈辱も、彼女のもつプライドの前には、塵のようにかき消されていった。
>「監督不行き届き…ってヤツかな…? 当然、しかるべき罰は受けるべきだよね。」
> 相手が自分に対して抱いている感情など、所詮は安っぽい優越感のみ…。
> ならば、ここで無様に牙をむくこともない。
>「ちょうど手駒が欲しかったんだよ」
> その要求を、彼女は仕方なく受け入れた
>
>
>「売った?」
>「…は、はい」
> 望むものなどありはせず、何も生み出すことのない虚無の空間の中。彼女の意志によって創り出された一室にて、ゼラスは聞き返した。
> 蒼く深い…まるで獣のそれそのもののような、貫くほどに鋭い瞳が足元で跪く部下の姿を捉えている。
>「あの魔血玉を?」
>「ええ…」
>「人間に?」
>「あ…はい」
>「しかも執務先で偶然知り合った魔道士に?」
>「……はい…」
リナちゃんだから売ったんですよね。
> はたから見れば一見単調に見えるこのやりとり。しかし答える側にある神官は、重なる問いに答える分、じわじわと緊張に迫られていた。
>「ゼロス?」
>(来た…)
> 真冬の空気のような凛とした声が頭の上から響いた。と同時に、ゼロスは胸中で力なくうめく。そして
>「いったいなに考えてんのよぉぉっっ、あんたわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
> どすぅ!
>(やっぱりこの展開にもちこまれるんですね…)
> みぞおちに思い切りヒールで蹴りなぞをくらいながら、彼は嘆息した。
> もっとも、精神体同士といえど物理攻撃に形をかえているので、さしてダメージなどあるはずもないのだが…。
 ゼラス様がいい味出してます。ゼロス様もたじたじですね。
> そして彼女は足元まであるタイトなドレスでつかつかとこちらまでくると、やおらゼロスの胸倉をつかみあげた。
>「あーれーはー、ルビーアイ様から特別にあんただけに賜れたモノでしょおぅ。ええ!?」
>「い、いえそう言われましても売れとせがまれたものですから…。僕もまさかおもしろ半分につけたあの値に相手がのってくるとも思いませんでしたし……」
 さすがリナちゃん。でも、いったいどこにお宝隠してるんだろう?
と思うのは私だけかな?
>「《思いませんでしたし》の一言で収められるようなことなのおぉぉぉ?」
>「だ…、大丈夫ですよ。ちょっと興味深い逸材でしたのでアレを持たせてみただけで、本人が死ねばまた取り返してきますから…」
>「………」
> あきれて物も言えない彼女に対してねぇ?≠ニまで付け加えてくる。
> 我が手駒ながらまったくもっして世話が焼ける。
> はぅっ、とゼラスは重く息をついた。
> たった一人だけの直属として造った部下――これが毎度毎度包み隠しもせずもってくる報告に、このようなやりとりはほぼ日常茶飯事となっていた。
> そんな事実に頭を痛めながらも、彼女は銀色に波打つ髪を弄びつつ玉座に腰掛けた。
> 実際、彼は彼女の神官の名に恥じない働きをみせてくれている。彼に任務を与えて、しくじったなどというようなことは一度もない……はずなのに
>(なんであたしがこう毎回怒らなくちゃいけないのかしら…?)
> はっきりいって人間でいうところの目眩さえ覚えてくる。
>“本当に口だけは達者なわりに、やっている事はいつもどこか抜けてるんだから。怒る気さえ失せてくるわ”
 確かに口だけは達者かも・・・でも抜けてるのもゼロス様だしね。
> 見知った人間の言葉が頭をよぎった。確か向こうも妹のしつけに随分愚痴をこぼしていた気がするが…
>(こんなところで共通しててどうするのよ…)
 見知った人間って、ルナさんのことですよね。さすがリナちゃん一筋縄では
いかないですね(笑)
>「いいわ、それで?」
> しかし思っていてもはじまらない。なめらかな褐色の頬を指でなぞりながら足を組み直すゼラス。すると部下はなにごともなかったように再び報告を続けだした。
>「ええ、それがまだほんの女の子なんですけれどもね。どうも魔力容量が人間の割にハンパじゃなくて。もしかすればなにかにうまく利用できるかもしれませんと思いまして…」
>「で、本音は?」
>「ただの気まぐれです。」
>「素直でけっこうね」
> 視線を虚空にむけつつゼラスは一言。その目を盗んでやっぱりごまかせませんでしたねぇ≠ネどとのたまわっている獣神官の姿はしっかりと視界にはいっている。
 ただの気まぐれじゃないですよ。運命です(笑)
>(そんなこったろうと思ったわよ。)
> しかしふと思いついてきいてみる事にした。
>「名前はなんと言ったの? その娘」
>「あ…、たしか…」
> 必死に名前を思い出そうとしているようだ。無理もない。普通、魔族が人間の名を覚えている事などほとんどないのだから。
> それでも神官は首を傾げつつ
>「あぁ、リナ。リナ=インバースとおっしゃってましたっけねえ」
 さすがゼロス様覚えてたんですね。
>(――リナ? )
> ゼラスは思わず眉をよせた。
> その名前なら、過去に二度だけ聞いた事がある。
> ひとつはある少女から妹の名として。
> そしてもうひとつは
>(瞑王の計画の一部として…)
> 頬杖をついたと同時に、腕にはめていたリングがシャランと音をたてる。
>(偶然かしら、それとも――)
>互いに呼び合うのかもしれないわ
 互いに呼び合ういい言葉ですね。まさにゼロリナです(笑)
> 頭をよぎるのは、むかし言われた言葉。
>私たちは互いに紙一重の存在だもの
> ひとつの母から生まれた、ふたつの存在――
> どちらも片方を消すために動き、衝突を繰り返す
>(もう、何千年も前から…)
> しかしあの時、竜神の依代たる彼女はこう言っていた。
>だからこそ時に、求めるのかもしれないわ。だって――。…結局、どちらも望むことは同じだもの
> ――母なる混沌へ還るために……
> くすり。
> 思わずゼラスは口元を緩めた。
>(そんなこと、どうだっていいわ)
> そう、偶然だろうと、運命だろうと、かまいやしない。ただ…
>(気に入った。)
>「? あの……?」
> ひとりうっすらと笑みを浮かべるこちらに、神官は思わず顔を上げていた。
> しかし、主のその表情は一瞬のこと
>「獣神官ゼロス――」
>「はい」
> 澄んだ鋼の響き。彼の創造主はいつもと同じ、貫くような瞳で部下を見下した。
>「暫く、異界黙示録の方からは一反手をひきなさい。かわりに――…」
> そうして、告げられたその言葉に、ゼロスは一瞬ほど思考が止まった。
>「…いま…、なんと……?」
> 本来、彼女は同じことは二度と言わない。そして、この神官が一度聞いたことを聞き返すことなども、今までに一度もない。しかし…
>「瞑王があんたを右腕として使いたがってるのよ。しばらくあっちの神官として…ね」
 本当はゼラス様は貸したくなかったのかもしれないですよね。
>「っ! しかし獣王様、それでは……!」
> ――僕に、獣神官としての誇りを捨てろという事ですか…
>思い余って言ったものの、彼はすぐに言葉をつぐんだ。主の命に、異論を説くことは即ち、反逆の意となる。
> 沈黙のまま、ゼロスは頭を下げ、跪いたまま礼のかたちをとった。
>「言いたい事はよく判るわ。そして、計画の内容とあんたの役目を聞けばなおのことね……。
> 任務は大したとじゃないわ。女の子を一人、守り導く事。それだけよ。」
 ゼロス様、リナちゃんを守ってね。
>(だからこそ、余計にこの子のプライドを傷つけるのだろうけど…。)
> 彼女の神官は無言のまま、その場から動こうとはしなかった。
> しかしゼラスはそんな神官を瞳の奥にとらえると
>「なにか言う事は…?」
>「……、承りました。」
> 深く、重い言葉が彼女に向けられた。
> ゼラス様のいうことには、逆らえないゼロス様です。(笑)
>
>「ゼロス?」
>「はい」
> いくらかの沈黙が空間を埋め尽くした頃、不意に飛んできた呼び声に、彼は慌てる事なく声を返した。
>「…行ってきなさい。いえ、行ったほうがいいわ。あなたのために…」
 はい、そうです。行ってくださいね、リナちゃんのもとに・・・
>「?」
> きょとんと、首をかしげて黒髪がゆれた。主の声は、すでに主としての役割を果たしていないほどに、やけに柔らかい響きをおびている。
>「そうそう、その女の子の名前、まだ言ってなかったわね」
>「あの…?」
> かかった抽象的な問い。それにゼラスは視線をまっすぐ返した。
>「どういった人間なのでしょうか?」
 すばらしい人間です。かわいいし、強いし・・・(笑)私が代弁しました(笑)
>「ああ」
> 答えようとして思わず笑い声が漏れてしまう。あの赤竜の騎士の妹だと言ったら、彼はどんな反応を見せるだろうか…?
 言ったら、どんな反応したんでしょうか?気になります(笑)
> しかしそれは言わない
>「まぁ強いて言えば、ただの人間じゃないってとこかしらね…。あとは自分の目で見てきなさい。」
 はい、ただの人間じゃないですよね。いろんな意味で・・・
>「…はあ……」
> いまだよく理解できていないような返事がかえってくる。
> その少女に、自分がどれほどひきつけられるかも知らずに……
 そうです。絶対ひきつけられますよ。リナちゃんの魅力に(笑)
>「そう、名前だったわね。――リナよ」
>「は?」
>「リナ。リナ=インバースよ」
> くすくすと笑いが漏れる。
> そう、何にも執着しないはずの彼が見初めるであろう、少女の名前が、小さく、闇の一室に響いた。
> そうです。ゼロス様にとって、はじめて執着するのがリナちゃんです(笑)
>
>☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
> やった! 終わったですー! こんにちは、神代 桜です。
 はじめまして、神代 桜様、月の人といいます。
以前、《プレリュート》で葉月様に「続きが…」といわれ「続き!?」と焦ったわたくし。
> しかし出来たのは愚作のかたまりでした…。はう。
> 一応、一回こっきりで終われるようにしたですが、前々作と設定は同じ。でもストーリーは全然べつものなので、ツリーにはしませんでした。
> はっきり言って題名に深い意味など微塵もありません。ただ、プレリュートにしたからには、スタイルはこれ系統だろうと思い、「セレナーデ」(笑)
> ま・そゆことですので、もしこの作品を見て下さった素敵な方は、ぜひぜひ御感想をくださいませー。
> それでは♪
> え〜とこれってゼロリナですよね。私大好きなんですよ。この2人って
だから、読んでて幸せでした。後、ゼラス様が言い味出しててよかったです。
 ゼロス様もなかなか言い感じで・・・
では、なんか変な感想ですけど、この辺で、ありがとうございました

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7862Re:セレナーデ神代 桜 9/21-00:04
記事番号7852へのコメント

> はじめまして、神代 桜様、月の人といいます。
はじめまして、今日は♪ 感想どうもありがとうございました。すっごくうれしかったです★
>> え〜とこれってゼロリナですよね。私大好きなんですよ。この2人って
はい、ばっちしゼロリナ・・・のつもりです。前作の「幾千年」は失敗したかなと思い、お得意の「めちゃくちゃ遠回しなゼロリナ」をやってみました。(なんてなさけない)
>だから、読んでて幸せでした。後、ゼラス様が言い味出しててよかったです。
> ゼロス様もなかなか言い感じで・・・
あ・そういって頂けるとうれしいです。ゼラス様はリナちゃんとはまたべつのイミで大好きですからね。たっぷりと理想をつめこんでしまいました。(賢い美人ってとこら辺が・・・)
で、本編。
> リナちゃんだから売ったんですよね。
うーん、私は最初は本当にこれといった理由もなかったんだと思いますよ。でも、女の子だったからっていうのは思いっきり理由として入ってるとおもいます。(あの人が男相手に時間をとるとは思えません^7^)
> ゼラス様がいい味出してます。ゼロス様もたじたじですね。
力づくでの主従関係が成り立ってこその魔族です!(びしぃ!)けど、うちのゼラス様はなにかと過保護ですけどねー。
> さすがリナちゃん。でも、いったいどこにお宝隠してるんだろう? と思うのは私だけかな?
あ・ソレ私も思います。やはりマントの裏にこう、いっぱいお宝の止め具がジャラジャラとあるんでしょぉねえ。
> 確かに口だけは達者かも・・・でも抜けてるのもゼロス様だしね。
私が思うに、これも全部一応はゼラス様の望んだことでしょーね。でなかったら最初から命令をきくだけの人形として造っていたことでしょう。
うーん、愛をかんじるわぁ(はぁと)
> 見知った人間って、ルナさんのことですよね。さすがリナちゃん一筋縄では
>いかないですね(笑)
ええ、そうです。ルナさんのことです。この二人、育成日記なんかつけて後で交換したら、案外同じことが書いてあるのかもしれませんね。
> ただの気まぐれじゃないですよ。運命です(笑)
本人が気付かないからこそ運命なんですよ♪ 個人的のは「奇跡」の方が好きですね、私は。「運命」だとL様の意志になっちゃうから。
> さすがゼロス様覚えてたんですね。
さすがですよねー。うんうん。
> 互いに呼び合ういい言葉ですね。まさにゼロリナです(笑)
やっぱりそう思いますー? 私の好きなんです。この言葉♪ ひかれ合ってこその、カップリングですものねー☆
> 本当はゼラス様は貸したくなかったのかもしれないですよね。
っていうか絶対に渡したくないでしょーね。なんか仲悪そうだもの、瞑王と獣王。
> ゼロス様、リナちゃんを守ってね。
七巻ではしっかり守ってましたよね。思わずにやけるくらいに♪♪♪
> はい、そうです。行ってくださいね、リナちゃんのもとに・・・
そして彼女をおとしちゃって下さい(笑)
> すばらしい人間です。かわいいし、強いし・・・(笑)私が代弁しました(笑)
同感です。
> 言ったら、どんな反応したんでしょうか?気になります(笑)
ルナさんにびびってリナちゃんには手をだしてくれなかったかもしれませんよ。案外・・・(それじゃあ困るんですけどねぇ)それとも神の手からさらっていってくれたでしょーか☆★☆
> はい、ただの人間じゃないですよね。いろんな意味で・・・
おかげでスカートは滅多にはいてくれませんけど・・・かわいいのに。
> そうです。絶対ひきつけられますよ。リナちゃんの魅力に(笑)
そしてガウリイさんのもとからさっさと略奪してください。心ごと(まじで♪)
>では、なんか変な感想ですけど、この辺で、ありがとうございました
いえいえ、こちらこそありがとうございました。それでは。