◆−がんばれゼロス君−理奈(9/23-16:52)No.7906
 ┣Re:がんばれゼロス君−月の人(9/24-05:47)No.7910
 ┃┗ありがとうございますぅ!−理奈(9/26-04:07)No.7933
 ┣Re:がんばれゼロス君−ほーんてっど・ざ・みらー(9/24-06:06)No.7911
 ┃┗すみません!−理奈(9/27-12:40)No.7951
 ┣大切なこの気持ち−理奈(9/26-04:11)No.7934
 ┃┗大切なこの気持ち 2−理奈(9/26-04:16)No.7935
 ┃ ┗大切なこの気持ち 3−理奈(9/26-04:17)No.7936
 ┃  ┗大切なこの気持ち 4−理奈(9/26-04:18)No.7937
 ┃   ┗大切なこの気持ち 終−理奈(9/26-04:22)No.7938
 ┗続 がんばれゼロス君−理奈(9/26-05:18)No.7939
  ┗題名のとおりですね−ほーんてっど・ざ・みらー(9/28-21:07)No.7959
   ┗はい、そのとおりです。−理奈(9/29-03:18)No.7960


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7906がんばれゼロス君理奈 9/23-16:52



「リーナーさぁん!一緒に帰りましょう」
下校時間僕は、前方に栗色の彼女を見つけ駆け寄る。
「うんな女みたいな声で言わないでよ」
彼女は、あきれた顔で振り向き、言う。
「つれないですねぇ〜」
「シッ、シッ」
まるで僕を犬のような扱い。だけどそこがまたいいんですよねぇ〜。
僕は、ちゃっかりと彼女の隣りを歩く。
彼女の名前は、リナ・インバースさん。背は、僕の胸のあたりまである小柄でかわいい女の子。だから抱き心地がいいんです。そんな事したらビンタが来ますけど。腰まである栗色の髪は、ふわふわで綺麗。そして彼女の紅く、綺麗な瞳。だまっていれば絶世がつくほどの美少女なんですけど。性格がとことん悪い。あっ、僕がこんなこと言ったって事は、内緒ですよ。殺されちゃいますから。わがままですし、大食らいですし。でもですね。そこがまたかわいいんですよ。
はい。もうお分かりだとおもいますが僕は、彼女の事が好きです。いえ、愛してます。ですが彼女は、どうもわかってくれないんですよね。夏休みの間どうにか恋人同志になりたかったんですけどそれもだめでしたし…。とにかくなんとかクリスマス前までは、恋仲になりたいんですが…。
僕は、腕を彼女の肩に回してみます。
「何するの」
「いたいですぅ〜」
ほら、この通り。彼女は、僕の手をつねる。
こうなったら何かいい作戦をたてなければ…。そうだ!
「リナさん、リナさん」
「何よ」
リナさんは、面倒くさそうに言う。
「今度の日曜日家へ来ませんか??今後の生徒会の事もお話ししたいですし。おいしいケーキもありますよ?」
リナさんの肩が「ケーキ」と言った時にかすかにピクッとしたのは、気のせいでは、ないはず。
「日曜日…ねぇ…せっかくの休みだしい…どうしようかなぁ」
迷ってますね。
「あまり手に入らない高級ケーキなんですけど」
「まぁ、生徒会の事もだったら行ってもいいわよ」
リナさんは、しかたないわねぇ、と言いたげに肩をすくめるが、僕は、知っています。ケーキに釣られたことを。
すみませんね、リナさん。こんな卑怯な手は使いたくなかったんですが。
日曜日になんとしてでもリナさんをおとします!
心の中でグッとコブシを握り締めた僕でした。

ピンポーン
来ましたね。
午後2時半。僕は、リビングを綺麗に掃除し、テーブルを飾り付け、リナさんが来るのを待っていました。一人暮しなので誰もいません。と言う事は、僕とリナさんは、二人っきりになるはず。
どきん、どきんと胸が高鳴ります。
僕は、急いで玄関へ向かいました。
「いらっしゃい、リナさん!」
「はぁい!」
「こんにちは、ゼロスさん」
「よぉ、ゼロス」
僕は、石のように固まってしまいました。
「どうしたの、ゼロス?」
その僕の様子に気づいてリナさんが僕の顔を除きこむ。
「あ、あの…なんでアメリアさんとガウリィさんが?」
そうです。リナさんの隣には、ビニール袋を持っているアメリアさんとガウリィさんだった。
察するに中身は、ポテトチップスや、飲み物でしょう。
「あら、だって生徒会の事を話すんでしょう?だったらアメリアとガウリィもいた方がいいじゃん。あっ、ゼルは、用事があるから来れなかったの」
「そ、そうなんですかぁ…」
僕は、ガックリと肩を落とす。
まさかリナさん、僕のたくらみに気づいてわざと…?いや、そんな事あるはずがありませんよね。
とりあえず。
「さぁ、あがってください」
「おじゃましまぁす」
僕は、必死に笑顔を作ってみなさんを中へ案内する。
くじけるなゼロス!チャンスは、いくらでもあるんですから!

生徒会の話しと言うのは、でたらめでそんな事は、全然考えていなかったんです。本当は、リナさんと二人っきりで話すための口実だと…アメリアさんとガウリィさんの前では、言えないのでとりあえず生徒会の話題を一つ二つみなさんに投げかける。
そしてケーキもなくなり、みなさんが持ってきたチップスや飲み物を食べていた時でした。そのチャンスがやってきたんです。

「ゼロスぅ、悪いけどベランダかして。ちょっとすずみたいんだぁ〜…」
いきなりリナさんが言ってきました。
「どうしたんですか、リナさん?顔赤いですよ」
僕は、心配になって彼女の腕を取りベランダへつれて行きました。
「ごめんねぇ…」
どうしたんでしょうか、リナさん。今日は、いつにもましてかわいいです。
ガウリィさんとアメリアさんは、リビング。と言う事は、今僕達は、二人っきり。ドキンドキンと鼓動が早くなります。
よし!
「り、リナさん…」
「なぁに?」
彼女は、頬を赤く染めて僕を見上げる。
うっ…襲ってしまいたいほどかわいいですね。
「ずっと前から好きでした!僕とつきあってもらないでしょうか?」
言いましたよ!ちゃんと言いましたよ!
「ゼロス…」
リナさんは、涙目になりながら僕を見る。
…と言う事は…??
もしかして…
「あたしもぉ…」
僕は、飛びあがりたいほどうれしくなりました。
やりましたぁ〜!!ついに、ついにリナさんと両思い!!
「リナさん…」
僕は、そっと顔をリナさんの顔に近づけました。
そして…。
…ん?
「リナさん…」
キスをしようと思ったんですが…。
「にゃぁにぃ…?」
「お酒くさいですよ…」
「そぉんなことにゃぁいわよぉう」
さっきよりまして彼女は顔を赤くしています。
「ゼロスさん、ゼロスさん!」
アメリアさんがあわててベランダへやってくる。
手には、酒瓶…
「どうやらリナさんこっそりもってきて、飲んだみたいなんで…あっ…」
アメリアさんは、僕の腕の中でグテっとなっているリナさんを見る。
……………………………
はぁ………………
僕は、大きな溜息をもらしてしまった…。

次の日僕は、リナさんに聞いてみる。
「あの…リナさん…昨日のこと覚えてます?」
「昨日の事?あぁ、ごめんね。よってたから覚えてないんだ」

……………………………
僕は、くじけません…………………

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
はい。何も言う事は、ありません。いや、あるんですけど…・。
しょうもない話しでした。突発的に思い、一時間以内で書き上げたやつでございます。読み返しも何もしてませんから変なところたくさんある可能性、大。
設定は、以前投稿した「夏の夜は、彼にご用心」の続きなんですけど。まぁ、あれを読まなくてもいいように書きました。そのせいでこのストーリーとあのストーリーのゼロス君、全然別人。彼、壊れてます。こんなゼロス君書くの初めてだったから楽しかったです。
ストーリー自体は、しょうもなかったけど。こんなの…読んで下さった方、いるんでしょうか…?いましたらあなたは、すごい人です…。そんなあなたに拍手…。ありがとうございました…。

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7910Re:がんばれゼロス君月の人 9/24-05:47
記事番号7906へのコメント

こんばんは、月の人といいます。
理奈様の小説が載ってたので、読みました。感想です。
あ〜、このゼロス様って、なんてかわいいんでしょう。
読んでて、顔がにやけてしまいました。リナちゃんのことを説明してる
とことか、あっ、もう私のつぼです。(笑)
せっかくリナちゃんと2人きりになるはずが、お邪魔が入っちゃって、
ゼロス様頑張ってくださいね。と応援したくなりました。
ベランダでのやり取りは、すごくどきどきして読みました。(笑)
ゼロス様、思いが通じた〜と思った時の喜びようったら、
「おめでとう」って、私、声をかけたい気分でした。(笑)
でも、リナちゃん、お酒飲んでたんですね。更に、そのときの記憶も
ないので、ゼロス様の告白も水の泡・・・
でも、くじけてはだめです。応援しますんで、ゼロス様頑張ってね。
などと、なんかくだらないことを書いてますけど、すごく楽しく読ませて
もらいました。
1時間以内で書かれたんですか?すごいです。尊敬します。
では、なんかかなり変ですけど、この辺で、どうもありがとうございました。


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7933ありがとうございますぅ!理奈 9/26-04:07
記事番号7910へのコメント


> こんばんは、月の人といいます。
>理奈様の小説が載ってたので、読みました。感想です。

 こんにちはぁ、いつもいつもありがとうございます!すっごく
うれしいです!なんせ、こんかいは、こんなしょーもない物でしたから・・・。

>あ〜、このゼロス様って、なんてかわいいんでしょう。
>読んでて、顔がにやけてしまいました。リナちゃんのことを説明してる
>とことか、あっ、もう私のつぼです。(笑)

 ええ。前回が、くらいぃストーリーだったので今回は、めちゃくちゃ
甘くしてやろう・・・と。そしたらゼロス君があーなっちゃった・・・。
でもあたしは、気に入ってます、あのゼロス君。

>せっかくリナちゃんと2人きりになるはずが、お邪魔が入っちゃって、
>ゼロス様頑張ってくださいね。と応援したくなりました。

 あたし自身、ゼロス君頑張ってねっと。はは、あたしが邪魔しちゃったのに
ねぇ。でもゼロス君には、頑張ってリナちゃんをおとして欲しいです。

>ベランダでのやり取りは、すごくどきどきして読みました。(笑)
>ゼロス様、思いが通じた〜と思った時の喜びようったら、
>「おめでとう」って、私、声をかけたい気分でした。(笑)
>でも、リナちゃん、お酒飲んでたんですね。更に、そのときの記憶も
>ないので、ゼロス様の告白も水の泡・・・
>でも、くじけてはだめです。応援しますんで、ゼロス様頑張ってね。

 応援ありがとうございます。きっとゼロス君も頑張ってるでしょう。

>などと、なんかくだらないことを書いてますけど、すごく楽しく読ませて
>もらいました。

 ほんとうですか?ありがとうございます!

>1時間以内で書かれたんですか?すごいです。尊敬します。

 いやぁ〜・・・尊敬するほどでも・・・でもすっごくうれしいです!!
ほんとうにありがとうございます!

>では、なんかかなり変ですけど、この辺で、どうもありがとうございました。

 いえ、いえ。本当に毎回、毎回ありがとうございます!!すっごく
うれしいです!!では、失礼します!

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7911Re:がんばれゼロス君ほーんてっど・ざ・みらー URL9/24-06:06
記事番号7906へのコメント

こんにちわっ☆(今はおはようございますかな?)みらーです。今回もまことに恐縮ながらコメントさせていただきます。
>彼女の名前は、リナ・インバースさん。背は、僕の胸のあたりまである小柄でかわいい女の子。だから抱き心地がいいんです。そんな事したらビンタが来ますけど。腰まである栗色の髪は、ふわふわで綺麗。そして彼女の紅く、綺麗な瞳。だまっていれば絶世がつくほどの美少女なんですけど。性格がとことん悪い。あっ、僕がこんなこと言ったって事は、内緒ですよ。殺されちゃいますから。わがままですし、大食らいですし。でもですね。そこがまたかわいいんですよ。
のろけられてますねー、完全に。まあ、気持ちはわからないでもないですけど。
>はい。もうお分かりだとおもいますが僕は、彼女の事が好きです。いえ、愛してます。ですが彼女は、どうもわかってくれないんですよね。夏休みの間どうにか恋人同志になりたかったんですけどそれもだめでしたし…。とにかくなんとかクリスマス前までは、恋仲になりたいんですが…。
おや、これまたすっぱりと・・・
>「今度の日曜日家へ来ませんか??今後の生徒会の事もお話ししたいですし。おいしいケーキもありますよ?」
>リナさんの肩が「ケーキ」と言った時にかすかにピクッとしたのは、気のせいでは、ないはず。
>「日曜日…ねぇ…せっかくの休みだしい…どうしようかなぁ」
>迷ってますね。
>「あまり手に入らない高級ケーキなんですけど」
>「まぁ、生徒会の事もだったら行ってもいいわよ」
>リナさんは、しかたないわねぇ、と言いたげに肩をすくめるが、僕は、知っています。ケーキに釣られたことを。
リナちゃんたら、相変わらず食べ物に目がない。これはもお弱点のひとつになってますね。
>すみませんね、リナさん。こんな卑怯な手は使いたくなかったんですが。
>日曜日になんとしてでもリナさんをおとします!
>心の中でグッとコブシを握り締めた僕でした。
ゼロス君のその意気込みに拍手☆
>生徒会の話しと言うのは、でたらめでそんな事は、全然考えていなかったんです。本当は、リナさんと二人っきりで話すための口実だと…アメリアさんとガウリィさんの前では、言えないのでとりあえず生徒会の話題を一つ二つみなさんに投げかける。
突然の事態にもしっかり対応しちゃって、偉いですね―。
>「り、リナさん…」
>「なぁに?」
>彼女は、頬を赤く染めて僕を見上げる。
>うっ…襲ってしまいたいほどかわいいですね。
今はお預けですね。
>……………………………
>はぁ………………
>僕は、大きな溜息をもらしてしまった…。
ま、こーいう事もありますって。
>次の日僕は、リナさんに聞いてみる。
>「あの…リナさん…昨日のこと覚えてます?」
>「昨日の事?あぁ、ごめんね。よってたから覚えてないんだ」
>
>……………………………
>僕は、くじけません…………………
・・・哀れなゼロス君・・・いや、でも次があるさ!うん!
・・・でもリナ落とすのって難しそーだなー・・・
>しょうもない話しでした。突発的に思い、一時間以内で書き上げたやつでございます。読み返しも何もしてませんから変なところたくさんある可能性、大。
いえいえ、とっても面白かったです☆
>設定は、以前投稿した「夏の夜は、彼にご用心」の続きなんですけど。まぁ、あれを読まなくてもいいように書きました。そのせいでこのストーリーとあのストーリーのゼロス君、全然別人。彼、壊れてます。こんなゼロス君書くの初めてだったから楽しかったです。
私も面白かったですから万事おっけーです・・・多分
>ストーリー自体は、しょうもなかったけど。こんなの…読んで下さった方、いるんでしょうか…?いましたらあなたは、すごい人です…。そんなあなたに拍手…。ありがとうございました…。
いや、私の場合はすごい人じゃなくて暇な人なんですよ、理奈さん。受験生のくせにちっとも勉強せずに遊んでるしがない中3ですから(はぁと)
(どこからともなくやって来たヘリからのロープにつかまる)
じゃ、またお会いしましょう☆(去っていく・・・ってどこぞの怪盗のノリだな私・・・)
次作も頑張ってくださいね―☆

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7951すみません!理奈 9/27-12:40
記事番号7911へのコメント


>こんにちわっ☆(今はおはようございますかな?)みらーです。今回もまことに恐縮ながらコメントさせていただきます。

 こんにちは!すみません、レス遅れて・・・。ごめんなさい!
 毎回感想ありがとうございますぅ!

>のろけられてますねー、完全に。まあ、気持ちはわからないでもないですけど。

 本当にのろけていますねぇ。ってあたしがのろけさせたんですけど・・・
まさかこんなになるなんて・・・

>おや、これまたすっぱりと・・・

 あたしのゼロス君は、すっぱり、きっぱり・・・というキャラですから。
でも本当にすっぱりですね・・・

>リナちゃんたら、相変わらず食べ物に目がない。これはもお弱点のひとつになってますね。

 やっぱりリナちゃんは、食欲でしょう!

>・・・哀れなゼロス君・・・いや、でも次があるさ!うん!
>・・・でもリナ落とすのって難しそーだなー・・・

 難しいでしょうねぇ。でもゼロス君には、頑張って欲しいですね。

>私も面白かったですから万事おっけーです・・・多分

 ありがとうございますぅ!

>いや、私の場合はすごい人じゃなくて暇な人なんですよ、理奈さん。受験生のくせにちっとも勉強せずに遊んでるしがない中3ですから(はぁと)
>(どこからともなくやって来たヘリからのロープにつかまる)
>じゃ、またお会いしましょう☆(去っていく・・・ってどこぞの怪盗のノリだな私・・・)
>次作も頑張ってくださいね―☆

 ほんとうにありがとうございます。レスほんとうに遅れてごめんなさいぃ!
次のストーリーを投稿したとき見えなくなくなってしまって・・・あぁ、いいわけです。
 でも感想すっごく嬉しいです。ほんとうに本当にありがとうございます!
 (あたしもどこからともなくやってきたヘリのロープにつかまり・・・
すべって海に落ちる・・・)

 (海から顔をだし・・・)
 では、失礼しまぁす!
 (また沈む・・・)

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7934大切なこの気持ち理奈 9/26-04:11
記事番号7906へのコメント

 何人かにたのまれて再掲示する事にしました。スペース取って、すみません。 

 こんにちは、理奈です。またまた投稿してしまいました。このストーリーは、前々から考えていた物で何時かは、書きたいと思っていたものです。
内容は、あたしが書いてるんだからゼロリナ。ダークです。シリアスです。ラブラブじゃないです。リナちゃんひどい目にあってます。ゼロス君、魔族してます。って魔族なんですけど彼。いつも現代もの書くあたしなんですが今回は、スレイヤーズ世界のゼロリナです。
お互い想いを寄せている。でもそれが「愛」だと気づかない二人。そんな時ゼロスが獣王からリナを傷つけ、負の感情を食べながら殺せと命じられる。彼は、それを実行にうつす。リナを傷つける中、ゼロスの中に何か不思議な感覚が生まれる。そのせいでリナを傷つけるのに少しためらいが出てきた。はたして彼は、命令通りリナを殺すのだろうか…。
というのがだいたいのあらすじ。
リナちゃん、かわいそうです。しかもストーリーの中には、かなり、やばめの発言もいくつか……。
ですからこーゆーのが好きでは、ない方は、さけた方が…。
あっ、でも最後は、あたし的には、ハッピーエンドですが。みなさんには、どう思われるか。
それでも読む!って言う方、どうぞ、お読みください。ただあとになってやっぱり読むんじゃなかったって言っても…あまり苦情は、書かないでくださいね…。一応忠告しましたから…。まぁ、苦情でも感想書いてくださるとうれしいです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

胸の中に渦巻いているこの気持ち
何時からだろう?覚えてない
知らないうちからだった
この気持ちは、何?
懐かしさ?違う
せつなさ?似ている
寂しさ?だろうか
わからない。でも大切な気がする
こんなことは、始めて
でもこの気持ちは、あいつにだけ
あいつと話す時、あいつを見る時
そしてあいつがあたしの名を呼ぶ時
そういった時に感じるこの気持ち
これは、一体何?

これは、一体何でしょうか
何か不思議な感じがする
感じ?僕に“感じる”と言う事は、あるはずがない
では、この気持ちは、一体…
気持ち?それこそあるはずがない
感情なんてこの僕に存在するはずがない
では、“これ”は、一体何でしょうか
あの人の隣にいると何時もそうです
あの人の瞳を見る時
あの人の笑顔を見る時
何時からでしょうか
知らないうちから
これは、一体何でしょうか

大切なこの気持ち

青い空。ううん、そんな一言でかたづけられないほどの空。見た事もない深い色の青。まぶしすぎて目を細めてしまう。雲は、一つもない。広く、どこまでも続く空。
ここは、広い草原の中。地平線が見える。空の青から緑の草原に変わる。走り回ったら気持ちいいだろうな。
暖かい風がふき、さぁ〜…と草が心地よい音をたてる。ぽかぽかの日差しは、昼寝にもってこい。げんに一人昼寝をしている。
平和ねぇ…
でも…
「ひまぁ〜!!」
あたしは、いきなり叫ぶ。
「うわ!」
あたしの隣りで昼寝をしていたガウリィが勢いよく起きあがる。
「なんだ、なんだ」
彼は、あたりを見まわす。が、何もないと知り、また寝る。
「どうしたんですか、リナさん。いきなり大声を上げて」
頭の上から声がする。
「なんでもないの、ゼロス。ただ暇だなぁって思っただけ」
「びっくりしましたよ。もう少ししたら落ちて怪我をするところでした」
「怪我って…魔族がよく言うよ」
あたしは、あきれながら言う。
アメリアとゼルと別れて結構経つ。あたしとガウリィは、目的もなくふらふらと旅をしていた。
あたし自身は、また一人旅でもしようかなぁ〜、なんて思ってるんだけど。このクラゲをほうっておくと心配だ。ってこいつ、出会う前まで一人旅していたはずなんだよね。
そんな時こいつが現れた。
あたしは、チラッと上を見る。
ゼロスは、枝の上に座って木にもたれかかりながら、どこから取り出したか謎の本を読んでいた。
ふらっと現れたこいつ。
こいつ。また何かやっかいごとを持ってきたのかと思ったらそうでは、ないらしい。休暇をもらったのであたしたちの様子を見に来たのだ。これは、あくまで彼が言ったことで、どこまで本当なのかは、わかんないけど。とりあえず今は、一緒にいる。
まぁ、彼が来て何か目的が出来たわけでもなく、あたしたちは、ふらふらと旅をしていた。
「暇って言いましても、リナさん。昨日は、盗賊団を二つも壊滅し、おとといは、通りかかった村の依頼を片付けて、報酬をもらい、その前は、温泉でのんびりし。十分楽しんでると思いますが」
「たしかにあれは、あれで楽しかったけど」
あたしは、頭の後ろで腕組みをする。
「でもなんか、こう刺激が欲しいのよねぇー」
「魔族とかかわりすぎたからでしょう」
「そうかなぁ」
最近まで魔族のゴタゴタにかかわってきたあたしたち。そんな生活になれてしまったんだろうか?そうだったらなんか、いや。
「なんでしたら僕がやっかいごと持ってきましょうか?休暇中といいましても、片付けなければいけないやっかいごとが山のように残ってるんですから」
ゼロスは、こちらを見下ろす。
「いい。持ってこなくていい」
だれが好き好んでやっかい事に首を突っ込むか。
あたしは、ガウリィを見る。
「それにしてもよく寝るわねぇ」
「そうですね」
「こいつってどうしてこう、クラゲなんだろう」
「戦闘中は、するどいですのにね」
「このクラゲでもあたしと出会う前は、ちゃんと一人で旅をしてたんでしょうね」
あたしは、ガウリィの頬をつねる。そして伸ばして見る。
「彼の過去が気になります?」
「気になる」
ガウリィは、顔をしかめるだけで、起きない。あたしは、彼の頬を離す。
めちゃくちゃ気になる。だってこのクラゲがよ。ものごとすぐに忘れるやつがよ。どうやって生活していたのか知りたいじゃん。
「想いを寄せている方の過去は、知りたいと」
…………
「はぁ〜〜?」
一瞬ゼロスが何を言ったか解らなく、間抜けな声をだしてしまった。
「いえ。人間って想いをよせている方の事は、全てしりたいのかと」
あたしがガウリィを…?冗談。
「うぅ〜ん、それは、間違ってないと思うけど。でもあたしがこいつの事を?やめてよ。ガウリィの事、そんな風に思ってないわ」
「おや。ちがうんですか?」
ゼロスは、「意外」といったふうに言う。
「大切な仲間、信頼できるやつ。それだけよ」
「ほんとうにそうですか?」
「ほんとうも何も。こいつに対して恋愛感情なんてないわよ」
「素直になった方がいいですよ」
「はりたおすわよ」
ゼロスの言葉にそく答えるあたし。
「こわいですね」
「ったく」
あたしは、チラッとガウリィを見る。彼は、幸せそうに寝息を立てている。たべもんの夢でも見ているにちがいない。
こいつの事を好きになれるだろうか?たしかに大切には、思っているけど。
あたしは、視線を上へと上げる。
「バカ魔族」
あたしは、ポツリとささやく。

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7935大切なこの気持ち 2理奈 9/26-04:16
記事番号7934へのコメント

僕は、数ヶ月の事を思い出す。いつものように色々と仕事を片付けていた時、獣王様に呼ばれた時。
「リナ・インバースを殺して来い」
僕は、一瞬ゼラス様が仰った事が理解できなかった。いや、命令の内容は、わかったのだけど。
「なぜいまさら」
冥王様の事からずいぶん経つ。あれ以来リナさんの事は、ほうっておけと言われていたのに。
僕は、顔を上げ、たずねる。
「おまえは、知らなくてよい」
「しかし…」
「上からの命令だ。これは、絶対だ。お前は、命じられた事をするだけだ」
「…」
「そうだな。ただ殺すだけでは、もったいない。彼女を傷つけ、痛めつけ、負の感情でも食らいながら殺すがいい。そうだ、あのガウリィ・ガブリエフと言うやつも殺して来い。あやつも結構厄介だからな。あのリナ・インバースの負の感情だ。さぞかし美味かろう」
そう言ったゼラス様の瞳が冷たく輝く。
ゾクっと身体中に何かが走る。
まことにおそろしい方ですね。
「わかりました…」
僕は、一礼しそこを去る。

僕は、下を見下ろす。
リナさんが気持ちよさそうに昼寝を始めたようだ。
あの命令を受け、僕は、すぐにリナさんの元へ来た。ひさしぶりに会った彼女は、変わらず、輝いていた。そんな彼女に会い、この身体だけでは、なく精神体の僕にも何か、不思議なモノが走り抜けた。それは、彼女と始めて会って、行動をともにした時に感じたと同じモノだった。が、僕は、その正体がわからず、そのモノを身体から打ち消す。が、何時も何時ももどってくるのだ。
ふぅ〜…
考えてもしかたがない。もうそろそろ実行しないと。
リナさん…あなたには、死んでもらいます…

「へぇ〜、結構大きな街ねぇ」
あたしは、あたりを見まわして言う。
あのあと。少し歩いて行くとあたしたちは、この街を見つけた。
ここらへんは、とおったことないので街があるなんて知らなかった。
「街の名は、ヴェルデ」
ゼロスがまたどこから取り出したかわからないガイドブックを開く。
「魔導師協会もありますね」
「ここは、武器屋や、剣の道場が多いんだ」
ガウリィがめずらしく口を挟む。
「なんでしってんの?」
「いや、以前ここで短い間仕事をしていたからな」
ガウリィは、てれた様子で言う。
へぇ〜、そうだったんだぁ〜。
「どうしましょうか?今日は、ここで一泊しましょうか?」
いつのまにかガイドブックをしまってゼロスは、今度は、街の地図を広げる。
どっから手に入れるんだ、んなもん。
「そうね。そうしよう。じゃぁ、悪いけどゼロス、宿さがしてくれる?あたし、一応魔導師協会に顔出ししてくるから」
「いいですよ」
「俺も出かけていいか?前の仕事仲間に挨拶したいし」
「いいですよ。では、宿を見つけたらお迎えに上がりますから」

あたしは、歩きながらまわりを見まわす。今市場を歩いている。横には、小さなお店が並んでいる。フルーツ屋に魚屋。肉屋に野菜屋。それだけでは、なく服屋にアクセサリー屋が並んでいた。
「へぇ〜。なかなかいい街じゃない」
そしてそこをぬけると住宅街に入り、さらにそこをぬけると魔導師協会の建物がある。あたしは、そこで一応挨拶をする。そして市場の方へと戻るため、住宅街を歩いていた。
さぁーて。このあと買い物でもしようかな。
「だけどその前に」
あたしは、声に出して言う。そして角を曲がる。そこは、行き止まり。後ろには、さっきまでつけてきた者が道をふさぐ。
「わざわざ行き止まりに入ってあげたんだからなんでつけてるか教えなさいよ」
あたしは、そう言いながら振りかえる。男が二人。長髪とハゲ。普通のライトアーマー見たいなのと手には、剣。
「ほほう。ガウリィの旦那の言ったように気の強いお嬢ちゃんだぜ」
長髪の方が笑みを浮かべながら言う。あたしは、眉をひそめる。
「ガウリイ?あなたたちガウリィの知り合い?」
「ああ、そうさ」
ハゲの方が言う。
「ガウリィの知り合いがあたしになんのよう?」
「見りゃぁ、わかるだろう。お嬢ちゃんを殺しに来たんだよ」
「冗談きついわね。ったくガウリィも何厄介事にまきこまれてるんだか。でっ、本当の目的は、なんなの?」
男二人は、ニッと笑う。そしてあたしめがけて走ってくる。
バカね。
「ファイアーボール!」
これで片付いた…はずだった。が、あたしが放った炎の玉は、男達に当たり、消えたのだ。
「なっ!?」
あたしは、驚愕の声をあげる。
「おじょうちゃん。なぜガウリィの旦那が俺たちがあんたを殺すために選ばれたかわかるか?」
長髪が言う。
「旦那は、知ってるんだよ。仮にも長い間一緒に旅をして来た嬢ちゃんだ。普通のやつじゃあんたは、殺せねぇ。あんたの魔術の前じゃたちうちできねぇからな。俺たちは、これでもハイレベルな魔導師と戦ってきたし、魔族とも何度か戦ってきた事があるんだ。対魔術戦は、なれてるさ」
…そんな…
「じゃぁ…本当にガウリィは…」
「ああ。あんたを殺し、以前と同じく俺達と仕事をする」
頭が真っ白になる。
ガウリィがあたしを…?
「し…仕事…?」
「ああ。人殺しさ」
!!!!!!!!!!
あたしは、座り込んでしまう。
「う、うそよ…」
「本当さ!」
そして男は、あたしに向かって剣を振り下ろす。
あたしは、ギュッと目を閉じる。
キン!
剣と何かがぶつかり合う音。
あたしは、顔を上げる。
ゼロスの後姿。彼が杖で男の剣を受け止めたのだ。
「ちぃ!ガウリィの旦那が言っていた魔族か」
「退くぞ」
そして男達は、走り去る。
「ガウリィさん…?」
ゼロスは、首をかしげる。
「だいじょうぶですかリナさん?」
ゼロスは、あたしの横にひざをつく。
「リナさん?」
あたしは、答えない。
ただ今起きた事を整理しようとしていた…

あたしは、ベッドの上で顔をうずめて泣いていた。
ここは、ゼロスが見つけた宿の、あたしの部屋。
あのあと、ゼロスがここへつれてきてくれて、今は、ガウリィの事をさがしている。
……………
ガウリィが…あたしを裏切るなんて…
コンコン
「リナさん…?」
ゼロスが入ってくる。
「この街のどこをさがしてもガウリィさんは、いませんでした。街の人は、金髪の長髪の男が他の男達と一緒に街を出て行ったと言っていましたが…。リナさん?」
ゼロスは、あたしに近づく。あたしは、身体を起こし、彼を見上げる。
彼は、あたしの顔を見て動揺する。きっとあたしの顔は、涙でグチャグチャだろう。
「リナさん…」
彼は、悲痛な表情を浮かべる。
「…信じていたのに…あたし…信頼してた仲間だったのに…」
ゼロスは、あたしの隣りに腰掛ける。
「仲間…だと思っていたのに…」
「リナさん…」
あたしは、彼にしがみつき、泣き始める。
ゼロスは、あたしの頬に手をそえて上を向かせる。
「僕が…彼の事を忘れさせてあげます」
「…え…」
そして…
「んっ…!?」
あたしの唇が彼の唇と重ね合わされる。
「んー!」
あたしは、暴れ出す。が、彼は、あたしを離さない。
「!」
あたしは、彼の唇をかむ。痛くは、ないはずだけど彼は、あたしを離す。
ポロポロと瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
「ち…ちがうのに…こんな…こんな…」
言葉にならない。言いたい事は、わかってるのに言葉にならない。
「彼の事を忘れたくないんですか?」
ゼロスは、まっすぐとあたしを見る。
魅せられるような…深い…瞳…
彼は、今度は、ゆっくりとあたしに口付ける。
あたしは、瞳を閉じ…

そして…

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7936大切なこの気持ち 3理奈 9/26-04:17
記事番号7935へのコメント

僕は、身体を起こす。横には、軽い寝息をたてて眠っている彼女。その瞳から涙がこぼれる。
「リナさん…」
僕は、ゆっくりと彼女の名を呼ぶ。
…………
何もしなかった。何もできなかった。
「ちっ…」
僕は、舌打ちする。
何故…あのような事を…
自分でも解らない。ただ自分のコントロールがきかなかった。まるで自分じゃない何かがあんな事をさせたみたいな…
あのまま彼女を抱く事も出来た。
無理やり抱いて…傷つける事もできたのに。
彼女は、抵抗しなかった。むしろ僕を受け入れようとした。それほどまでに彼の事を忘れたかったのか。それほどまでに彼の事を想っていたのか。
僕は、彼女を抱かなかった。いや、抱けなかったのだ。そうしては、いけないと思ったのだ。なぜ、そう思ったのか解らないけど、そうしたら取り返しのつかないことになると思ったのだ。
僕は、彼女を見下ろす。胸元が乱れている。彼女は、僕が彼女を抱いたと思っているだろうか………。
アストラルに移動する。
もう実行しているのだ。ここで立ち止まっては、いけない。
僕は、この状況を利用し、彼女に偽の記憶を埋めつける。僕に無理やり抱かれたという記憶を…。そして彼女の魔力を封じる。
そして空間を渡る。
そこは、暗闇の中。僕は、目の前のクリスタルを見上げる。
「あなたが彼女を裏切るだけで彼女は、ああなってしまった」
光り輝いていた彼女が、光りを失った彼女に。
「彼女は、それほどまでにあなたの事を想っていたんですね、ガウリィさん」
僕は、彼を見上げる。
「く…」
不意に…彼が憎く見えた。殺してやりたいほど。何故だろうか。たしかに命令で殺さなければいけない男なのだ。僕個人的には、殺す理由なんてない。だが、今。彼女の事を考えたら彼の事を殺してやりたいと思った。
僕は、首をふり、その思いを断ち切ろうとする。
「まだ…殺しません…」
彼は、まだ死んでは、いない。ただ眠っているだけだ。
彼が彼女を裏切ったと言うのは、作り話だ。この街に入る前に彼に昔ここで仕事をしていたと言う偽の記憶を植付ける。そしてその事を証言してもらい、近くにいた僕より下の魔族を呼び寄せ芝居をしてもらった。それがあの二人の男だ。
彼女を傷つけ、殺す。この男の裏切りが彼女を一番傷つける方法だと思ったのだ。思ったとおりそれは、成功した。
「……まだ……殺しません……」
もう用済みのはずだ。だがまだ殺さない。この男には、苦痛を味わいながら死んでもらうのだから…。
僕は、クッ…と口の端を吊り上げ…冷たく笑う…

顔にかかった光にあたしは、目を覚ます。
…朝…
あたしは、起きあがりながらあたりを見る。
ボーっとした頭を動かす。
…そうだ…あたし…
あたしは、自分の肩を抱く。
『ばっかねぇ〜、あんた』
頭の中で自分自身があざけ笑うように言う。
『魔族なんかに身体を許すなんて。そんなにガウリィの、好きな人の裏切りがショックだったんだ』
「ち、ちがう…」
あたしは、首をふる。
身体が震える。
『何が違うのよ』
「が…ガウリィの事…たしかにショックだけど…好きだから…とかそういうんじゃない…」
『じゃぁ、なんで魔族に身体をゆるしたの。無理やりされて。なんで抵抗しなかったの』
「…あたし…抵抗しなかった…?無理やり…だったのに…?」
それは、なんで…?
あたしは、ギュッと自分を抱く。
『だったらあいつに言われたみたいにガウリィを忘れたかったから』
「違う!」
あたしは、思わず叫ぶ。
「あたしが好きなのは…あたしが好きなのは…」
あたしが好きなのは…?
なにそれ。
あたしが好きな人と…ゼロスに何故…身体を許したかが関係するの…?
わかんない…わかんない…
あたしは、ふらりとたちあがり部屋を出た……

あたしは、あてもなくふらふらと街をさまよっていた。
何も考えられない。何も考えたくない。
ただボーっとしてるだけ。
だから気づかなかった。住宅街。しかも寂れている方へ入っていったなんて。そしてつけられてると言う事を。
「むぐ!」
あたしは、いきなり後ろから口を抑えられる。そして引っ張られるように裏の道へとつれて行かれる。
ドサ!
袋小路に入り、あたしは、突き飛ばされる。
昨日の男二人かと思ったが違う。どうやら普通のチンピラが三人。
「な、なによ…」
あたしは、キッと彼等をにらみつける。
「女一人でここらへんをうろついて。襲ってくださいって言ってるのと同じだぜ」
男Aが腰のダガーをちらつかせて言う。
「だから襲ってやってるんだ」
男Bが下品な笑みを浮かべる。
あたしは、すぐに呪文を唱える。
「ファイアーボール」
呪文が完成し、あたしは、叫ぶ。が、何もおきない。
「…え?」
なんで!?
「何をしようとしたんだ」
男Cが首をかしげる。
魔術が使えなくなっている!?
男三人が近づいてくる。
「…や…」
あたしは、あとずさる。が、後ろは、壁。
男Aがあたしの腕を取る。
あたしは、それをふりほどこうとするが出来ない。
そして彼は、あたしを押し倒し、頭の方へと回ってあたしの腕を抑えこむ。
「離して!離してぇ!」
そして男Bがあたしの脚を抑える。
「いやだ!はなして!誰か!」
「誰もこねーよ。いや、来たとしても俺達と一緒になるだろうな。ここらへんは、そーゆーやつらが多いから」
男Cは、そう言って近づく。
「…い…いや…」
あたしは、恐怖に震える。瞳から涙が溢れ出す。
魔術が使えない今、同じ人間がこんなにも怖いものなんて…。
あたしは、ジタバタと暴れる。
「そうやって抵抗するほどその気にさせるんだよ」
「はなしてぇ!!いや、いやぁ!」
男は、近づき、あたしの服に手をかける。
「ゼロスぅ!!!」

僕は、がたがたと震えている彼女に近づく。
「だいじょうぶですか、リナさん」
「あっ…あっ…」
彼女は、涙もぬぐわず震えるだけ。
男達は、もういない。僕が消したのだ。
僕は、彼女に手を差し伸べる。
「やっ!」
リナさんは、その手をはらう。
そうか。昨夜の事を…。それを思いだし、恐怖に震えているのだ。計算通りだ。考えもしなかった今回の出来事も結果的に彼女に恐怖をあたえてくれた。
僕は、手を引いてすまなそうに言う。
「すみません…リナさん…昨夜、あんな…」
「ち、ちがうの!」
「…はい…?」
一瞬動揺する。
何が違うというのだろうか。
「あたし…あたし…いやじゃなかった…」
彼女は、うつむいて言う。言ってる事が理解できなかった。
「ガウリィの事忘れるとか、そんなんじゃなくて…あたし、抵抗しなかった…いやじゃなかった…」
彼の事を忘れるために僕に身体を許した…のでは、なかったのか…?
そんなはずは、ない。ちゃんとそう思うように記憶を植え付けたはずなのだが…失敗…?いや、ちがう。
彼女の強い思いが僕が植付けた記憶を変えたというのか…!?
「たしかにガウリィの事は、ショックだったけど…それは、彼の事が好きとかじゃなく…」
そして彼女は、まっすぐと僕を見る。完全に光りを失ったと思った瞳にかすかだが光りが戻っている。
「あたし、ゼロスの事が好き」
僕は、目見開く。
「リナさん…」
彼女は、顔を赤くして目をそらす。
「魔族を好きになるなんて…変だよね…でもね…あたし、ずっと前からゼロスの事が好きだったの…。ただ気づかなかっただけなの…。でもずっと前からゼロスに対して不思議な気持ちがあったの…。さっきゼロスが助けにきてくれたときわかったの…。ゼロスの事が好きなんだって…」
なんと言う事か。彼女が魔族の僕を好きになるなんて。考えられない事だ。
その時だった。不思議な感覚が身体をつつむ。
こ、これは…。
前々からあった感覚。そうだ。いつも彼女と一緒にいるときに感じる感覚。だが、今この感覚に気を取られてる場合では、ない。
植付けた記憶のせいでは、ないはず。だとしたら彼女は、本気で…。
いや、そんな事より。これを利用する手は、ない。
僕は、ひざまつき、彼女の頬に手を添える。
「リナさん…僕もリナさんの事が好きです」
少し、身体にこたえるが…。
彼女は、瞳を見開く。
「ほ…ほんと…?」
「はい…」
「ゼロスぅ!」
そして彼女は、僕に抱きつく。
「さぁ。とりあえず、宿へ戻りましょう」

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7937大切なこの気持ち 4理奈 9/26-04:18
記事番号7936へのコメント

ずっと前からゼロスに対してあったこの気持ち。それがなんなのかは、全然わからなかった。だけど…今はっきりわかったの。あたし…ゼロスの事が好き…。

あたしは、荷物を持って部屋を出る。そして宿屋の階段を降りて行く。一階の酒場にゼロスがコーヒーを飲んで座っていた。
「おはよ、ゼロス!」
彼は、あたしを見て驚く。
「り、リナさん…。よろしいんですか?」
「うん!いつまでもくらぁーくしてるなんてあたしらしくないじゃん!」
あたしは、彼の向かいにすわる。
「おっちゃぁ〜ん!モーニングセットを三人前ねぇ!」
あたしは、とりあえず朝食をたのむ。
「これからどうするおつもりなのですか」
「とりあえずガウリィを探すわ」
彼は、それを聞いて眉をひそめる。
「何故…?」
「理由を聞くために。そしてしばきたおすために」
「でもリナさん、魔力が…危険です」
「大丈夫、あんたがいるから」
「は?」
彼は、まぬけな声をあげる。
「あんたがあたしのかわりにあいつをしばきたおすのよ」
「はは、それでこそリナさんですね」
ゼロスは、そう言って笑う。
 
僕達は、ヴェルデの街を後にして東へ向かう。東には、傭兵や、戦士たちが集まるという有名な酒場がある街があるとリナさんは、言う。もしかしたらそこでガウリィさんの情報を手に入れることができるかもと彼女は、言う。
僕は、前を歩くリナさんを見る。
心は、ボロボロのはずなのに。元気になるなんて…
なん心の強い人なのだろう。
これでは、僕の考えたとおりに事がはこばらない。どうしたものか。
「どうしたの、ゼロス?」
彼女は、立ち止まり僕の方を見る。
「あっ、いえ。なんでもありません」
「ほんと?」
彼女は、僕の顔をのぞきこむ。
「はい。本当です」
「本当ね」
そして彼女は、思いっきり微笑む。
「!」
まただ。またあの感覚に身体がかすかに震える。
彼女の笑顔を見たとたん。
一体これは、なんだろうか。
うざったい。けど、なぜか消したくないこの感覚。以前から感じていた。彼女と初めてあってから。
「ゼロス…?」
「あっ…いえ。なんでもありません。さぁ。先を急ぎましょう」
「うん」
僕達は、また歩き出す。

草原を抜けると今度は、森が広がる。
「とりあえず今日は、ここで野宿ね」
リナさんは、そう言って、大きな木の下に荷物を置く。
僕は、適当に木の枝を集めて火をつける。
そして夕食をすませて。僕達は、休む。
木によりかかり、火を見つめているときだった。
「ゼロス…」
眠っていたはずのリナさんが僕の名を呼ぶ。
「なんですか?」
「そっち、言ってもいい?」
「…いいですよ」
少し考えたがうなづく。
リナさんは、僕に寄りそう。。
「あったかぁい…」
暖かい…?
「僕がですか…?」
「へへ…そんな事ないはずなのにね」
彼女は、僕の肩に頭を乗せる。
不思議な感覚。またですか…。
このままでは、狂ってしまいそうになる…・
彼女は、僕の手を握り締める。彼女の手から体温が伝わってくる。
「…リナさんの方こそ…暖かいですよ…」
…自然にこぼれた…言葉だった…

そして彼女が眠ったのを確認し、空間を渡った。

目的の町に入ったとたんみんなの視線があたしに集まった…ような気がする。すると一人の男の子があたしの所に駆け寄ってきた。
デジャヴを感じる。
「姉ちゃん、リナ・インバースだろ?」
……………
いやな予感がした。
「ううん。似てるってよく言われるんだけど、ちがうよ」
あたしは、あやしまれないように微笑んで言う。
「どうしてなの?」
「二日前にね、白ずくめの人が来てこの人を探してるって…」
男の子は、そう言ってあたしに一枚の紙を渡す。
「白ずくめ?」
あたしの知ってる限り、ゼルしか思い当たらないのだが。
あたしは、紙を受け取る。
“手配書”
イヤな予感があたった。
そこには、あたしの名とあたしの様子が書かれてあった。が、目をひいたのは、そこじゃない。
紙を持つ手がふるえる。
ゼロスは、それに気づき、あたしの手から紙を取る。そして眉をひそめる。
「リナ・インバースを殺し、その亡骸をセイルーンまで持ってこせし者に報酬を払う。セイルーン第二王女アメリア・ウィル・テスラ・セイルーン…」
めまいがする。が、あたしは、倒れないように必死に意識をたもつ。
「ね…ねぇ…。その白ずくめの人…は、どうして…このリナ・インバースって言う人をさがしてるのかな…?」
あたしにこの事をつたえようとしてるのか…?それとも…。
「そりゃぁー、殺して報酬手に入れるためじゃない。そう言ってたよ。今この町の宿にいるから呼んで来ようか?」
今度こそ倒れそうになる。だけどゼロスが後ろから支えてくれた。
「リナさん、ゼルガディスさんに見つかる前に町を出ましょう」
ゼロスは、あたしに小声で言う。
「ありがとうございました。それでは、僕等は、先を急いでるので」
ゼロスは、男の子に紙を返す。
そしてあたしたちは、町を出る。

あたしたちは、町の人に見つからないように森の中へ入る。
ゼロスは、あたしを座らせる。
身体が震える。
…ガウリィに続いて…アメリア、それにゼルにまでも…
それが一緒に旅をして来た人たちのすることだろうか…
一体あたしが…何をしたというのだ…
…あたしだけが仲間だと思っていただけなのだろうか…
「リナさん…」
ゼロスは、あたしの手を取る。
「…ゼロス…ゼロス…」
もう涙さえ流れない。
ただ空っぽ。
真っ白。
ぽっかりと穴が開いたような気持ち。
もう……

僕は、リナさんを見る。
生気のない瞳。数日前まで少しだけ取り戻していた瞳は、もう…。
やはり仲間の裏切りは、こたえるか。人間というのは、わからない生き物ですね。
まぁ、とりあえず。彼女は、もうだめですね。
「…ゼロス…」
呼ばれ、僕は、彼女の顔をのぞきこむ。
……!!
なぜかビクっとふるえる。
彼女が見せた事のない表情。
いや、表情と呼べないもの。
まるで人形の顔。
ザワッと身体中に走り抜ける感覚。あの、狂ってしまいそうな感覚。
これ以上彼女といると僕自身をうしなってしまいそうな…モノ。
「リナさん…」
仕上げですね。
「どうやら獣王様がお呼びです」
僕は、そう言っていったんアストラルに入る。

白ずくめの格好で僕が作った偽の手配書を配る。それがアメリアさんとゼルガディスさんの裏切りとリナさんに思わせる。
ガウリィさんに続き、二人にも裏切られたリナさん。そして仕上げに。
僕は、リナさんの元に姿をあらわす。
彼女は、僕を見上げる。
「リナさん…」
「…あたしを殺すんでしょ…」
!!
「な、なぜ…」
「…だいたい想像がつくわよ…」
最後に…想いをよせていた僕に殺される…
恐怖に震えながら、そして心を傷つけながら…
そう考えていたのだが。
僕は、彼女を見る。
怖がってる様子は、ない。むしろすべてを受け入れ、安らいでいる感じさえする。
「…いいよ…殺して…」
僕は、顔をしかめてしまった。
まさか彼女の口からこのような言葉を耳にするとは…。
もう彼女は、僕が知っているリナ・インバースでは、なかった。
「…ゼロスの手で殺して…」
お望み通り…。
僕は、手をかかげる。
彼女は、僕を見る。
「最後に…言わせて…ゼロス…」
…愛してる…
!!!!!!!!
その瞬間、彼女の瞳が、光りを失っていたはずの瞳が…光り輝いた…
…………………………
以前から感じていたこの不思議な感覚…
………
「どうやら…滅びなければいけないのは、僕の方ですね……」
「…え…?」
僕は、フッと笑い、リナさんを眠らせる。
そして彼女を抱きかかえ、空間を渡る。

ここは、ヴェルデの街に入る前に休んだ木の下。
僕は、そこにリナさんを横にする。そして空間からガウリィさんを取りだし、リナさんの横に寝かせる。
僕は、リナさんを見下ろす。
ふっ…
彼女が目覚めた時は、全て元通りにもどっているだろう……

考えて見ればこんな回りくどい事をしなくてよかったのだ。初めからリナさんの前でガウリィさんをジワジワと傷つけ、殺せばよかったのだ。だけど僕は、それをせず、こんな回りくどい事をした。それは、何故?

………僕は、本当は、リナさんを傷つけたくなかった……?
………僕は、本当にリナさんの事を……?

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7938大切なこの気持ち 終理奈 9/26-04:22
記事番号7937へのコメント

「う…ん…」
あたしは、ゆっくりと目を開ける。
……あれ?
「おめざめですか、リナさん…?」
頭上からゼロスの声がする。
あれ?あたし、いつのまに眠ったの?
あたしは、あたりをみまわす。そこは、かわらず草原の一本の木の下だった。
「あれ?」
「どうなさいました?」
あたしは、上を見上げる。上には、さっきと変わらず、ゼロスがいた。そして横には、あいかわらず眠っているガウリィ…。
「ううん。なんでもない」
えっと…なんだっけ…ゼロスがあたしがガウリィの事好きとかなんとかほざいて、はりたおそうかと思って…
そこまで覚えてるんだけど。
あたしは、首をかしげる。
「まぁ、いっか」
「リナさん…」
ゼロスは、ひらりと枝から飛び降りる。
「突然ですが、もうもどらなくては、いけません」
彼は、そう言う。
「ええ!?」
あたしは、思わず立ち上がってしまう。
「どうして突然?」
「獣王様がお呼びです。いつも当然ですから、あの方」
「そ、そうなんだ…」
あれ…?どうしてあたし、残念なんだろう…?
どうして…行ってほしくないんだろう…?
「では、リナさん。ガウリィさんによろしく」
ゼロスは、そう言ってクルッとあたしに背をむき…
「待って!」
あたしは、無意識に叫んでしまった。
ゼロスは、おどろいてあたしを見る。
「リナさん…」
「あっ、えっと…」
あたしも何故止めたのかわからなかった。でも何か言わなければいけないことがあるような気がして…・
「あの、えっと…あぁ…」
何を言っていいのかわからなかった。何が言いたいのかさえ、わからなかった。
だけど…だけど…何か大切で…大事な事を…言わなければいけないような気がした。
「リナさん」
彼が…彼の口から聞いた事のない、やさしい声で…あたしの名を呼ぶ。
ドクンと胸がなる。
あたしは、彼を見る。
彼は、やさしく微笑む。
彼は、あたしに近づき…
……え……
「愛しています」
そして彼は、姿を消す。
あとは、口を抑えているあたしがボーっとして立っていた……

 

胸の中に渦巻いているこの気持ち
何時からだろう?覚えてない
知らないうちからだった
この気持ちは、何?
懐かしさ?違う
せつなさ?似ている
寂しさ?だろうか
わからない。でも大切な気がする
こんなことは、始めて
でもこの気持ちは、あいつにだけ
あいつと話す時、あいつを見る時
そしてあいつがあたしの名を呼ぶ時
そういった時に感じるこの気持ち
これは、一体何?

これは、一体何でしょうか
何か不思議な感じがする
感じ?僕に“感じる”と言う事は、あるはずがない
では、この気持ちは、一体…
気持ち?それこそあるはずがない
感情なんてこの僕に存在するはずがない
では、“これ”は、一体何でしょうか
あの人の隣にいると何時もそうです
あの人の瞳を見る時
あの人の笑顔を見る時
何時からでしょうか
知らないうちから
これは、一体何でしょうか

そう………
今わかった
この気持ち
この感覚

それは、大切
それは、大事

それは…たいせつなこの気持ち…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

いかがでしたでしょうか。あたし的には、最後は、ハッピーエンドです。少なくともお互いの気持ちは、つうじたんですが。
さてゼロス君。この後どうなったかと言うと。考えていません。いえ、いちおう考えてあったんです。ゼラス様に滅ぼされると言う筋書きを。でもやっぱりゼロス君には、滅んでほしくなかったので書きませんでした。だから今どうしてるのかは、さっぱり。
ゼロス君。むずかしかったです。魔族のゼロス君、すっごく書きにくかったです。でもなんとか書けました。
最初、こんなもん投稿してよかったのかなぁ、なんておもっていたんですけど。投稿してよかったと思っています。
では、では。またどこかでお会いしましょうね。

………ダーク、シリアス、むずい…やっぱし甘い現代モノゼロリナの方が簡単だわ…

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7939続 がんばれゼロス君理奈 9/26-05:18
記事番号7906へのコメント

続・頑張れゼロス君

こんにちは、ゼロスです。
さて、前回こころみた「リナさんと両思い作戦」が失敗して早一ヶ月。秋も深まり、みなさんの間では、クリスマスの話題でいっぱいです。そうなのです。もう少ししたらクリスマスです。このままでは、リナさんとクリスマスイヴを過ごす事が出来ません。このままでは、いけませんね。
そこで考えました。名づけて「リナさんと両思い作戦2」!今度こそ絶対リナさんと両思いになって見せます!

「リナさん、リナさぁん!!」
「だからそんな女みたいな呼び方しないでくれす?」
まったく、いつもいつもつれないんですからぁ〜。
放課後、リナさんのクラスの前で彼女を見つけ、呼びとめました。
「何?なんの用?あたし早く帰らなきゃいけないの」
リナさんは、ばさっと自分の髪をなびかせる。
いつ見ても綺麗な髪ですねぇ。この髪にさわれたらどんなにいいでしょうか。
いや、いや。今は、そんな事考えてるひまがありませんね。
「いえ。あの母にこれをもらったんですけど…」
僕は、そう言って彼女にチケットをわたした。
「ケーキバイキング?」
一瞬彼女の瞳が光る。
「ええ。今度の土曜の夜なんですけど」
「これってデートかなんかに誘ってるの?」
彼女は、チラッと上目使いで僕を見る。
やはり僕は、彼女のこの瞳が好きです。強く、輝いている。いや、いや!
僕は、首をふる。
今は、そんな事を考えてる暇なんてないんですよ。
「ええ。その日だけなんですよ。世界中から色々なケーキ職人が集まってくるそうで」
「へぇ〜…」
また食べ物で彼女をつろうとしてると思いでしょう。ええ。そうです。リナさんには、食べ物が一番ですからね。こうでもしなければ、絶対一緒に行ってくださらないでしょう。
彼女は、また迷っている様子です。
「いいよ。行ってあげる」
彼女は、ポケットにチケットを入れる。
僕は、うれしくなってしまいます。
「ありがとうございます!」

今度こそ、邪魔者は、入らないと思います。このバイキングは、チケットがないと入れないのですからリナさんがまたガウリィさんとアメリアさんをつれてくる事は、ないでしょう。
今度の土曜が勝負ですね!

「リ、リナさん…一体それで何個目ですか?」
僕は、またお皿にケーキを乗せて来たリナさんを見て言う。
お皿の上には、五つくらいのケーキがきれいに並べれてあります。
「うぅ〜ん、数えてないからわかんないや。十個くらいかな?」
「そ、そうですか」
彼女は、おいしそうにケーキを口に運びます。
よく食べますね。でも食べている時のリナさんも好きです。こう、おいしそうに食べる方ってなかなかいませんよ。
僕は、彼女を見て微笑みます。彼女は、それに気づいて眉をひそめる。
「何よ」
「いえ」
今は、まだ告白しないでおきましょう。彼女が食べてるところに水をさしたくありませんから。

「うぅ〜…ちょっと食べ過ぎたかな…」
彼女は、屋上のフェンスに寄りかかって言う。
「それは、そうですよ。あんなに食べれば」
「だってどれもおいしそうだったんだもん」
彼女は、なんと会場にあったケーキを全種類食べてしまったんです。それでも太らない彼女。これも彼女の一つの謎ですか。
「うぅん。風が気持ちいねぇ」
秋の風としては、けっこう暖かい方ですか。闇の空には、光り輝く満天の星。
「きれいねぇ〜」
彼女は、うっとり顔で夜空を見上げる。
ドキッと胸が高鳴る。
彼女がこんな表情をするなんて。初めて見ました。
「り、リナさん」
思いきって言いましょう。
「うん?何?」
彼女は、僕を見て無邪気な微笑みを浮かべる。
「何よ、真剣な顔して」
「リナさん…実は、僕…」
言いますよ!
「僕は、リナさんの事が――――」
ピー、ピー、ピー
僕が言おうとした瞬間どこからともなく音がした。
「あっ、ごめん、あたしの携帯。最近買ったんだぁ」
彼女は、そう言ってバッグに手を入れ、携帯を取り出す。
僕は、ポカンとそれを見ているだけだった。
「あっ、アメリア?うん、何?」
がくぅ〜〜……
また肩を思いっきり落とす。
僕も邪魔されないように携帯は、切ってあるのに…。
一度だけじゃなく二度までも…。
アメリアさん…僕に何か恨みでも……。
「じゃぁねぇ」
リナさんは、携帯を切ってバッグにしまう。
「ごめん、ゼロス。何言おうとしたの?」
僕は、彼女を見る。
「いえ、なんでもありません。さぁ、もう遅くなりますし、帰りましょう」
僕は、首を横にふる。
「うん。あっ、はい、これ」
彼女は、そう言って僕に紙切れを渡す。
そこには、数字が書いてありました。
これって…。
「あたしの携帯番号。男に教えるなんてゼロスが初めてだから。特別に思いなさいよ」
彼女は、そう言って微笑む。

まぁ、今回は、よしとしましょう。リナさんの携帯番号を教えてもらった事ですし。
ですが、まだリナさんと両思いでは、ありませんから。まだまだがんばりますよ!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 またこう、しょうもないものを・・・。はいはいはい。ゼロス君またがんばって
ます。いやぁ、ゼロス君本当にこわれまくっております。
今回も読み返しなんぞしてません。いろいろ変なところがあるでしょうけど
それは、あいきょー。みのがしてね(はぁと)

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7959題名のとおりですねほーんてっど・ざ・みらー URL9/28-21:07
記事番号7939へのコメント

またまたコメントさせていただきますねっ!
今回もまたゼロス君の健気な行動がおもしろいですっ☆
>さて、前回こころみた「リナさんと両思い作戦」が失敗して早一ヶ月。秋も深まり、みなさんの間では、クリスマスの話題でいっぱいです。そうなのです。もう少ししたらクリスマスです。このままでは、リナさんとクリスマスイヴを過ごす事が出来ません。このままでは、いけませんね。
>そこで考えました。名づけて「リナさんと両思い作戦2」!今度こそ絶対リナさんと両思いになって見せます!
その意気込みで頑張れ、ゼロス君!
>「リナさん、リナさぁん!!」
>「だからそんな女みたいな呼び方しないでくれす?」
>まったく、いつもいつもつれないんですからぁ〜。
>放課後、リナさんのクラスの前で彼女を見つけ、呼びとめました。
>「何?なんの用?あたし早く帰らなきゃいけないの」
>リナさんは、ばさっと自分の髪をなびかせる。
>いつ見ても綺麗な髪ですねぇ。この髪にさわれたらどんなにいいでしょうか。
確かにリナの髪って触りごこちよさそうですよねぇ。
>「いえ。あの母にこれをもらったんですけど…」
>僕は、そう言って彼女にチケットをわたした。
>「ケーキバイキング?」
>一瞬彼女の瞳が光る。
りなちゃん・・・
>ええ。その日だけなんですよ。世界中から色々なケーキ職人が集まってくるそうで」
>「へぇ〜…」
>また食べ物で彼女をつろうとしてると思いでしょう。ええ。そうです。リナさんには、食べ物が一番ですからね。こうでもしなければ、絶対一緒に行ってくださらないでしょう。
>「リ、リナさん…一体それで何個目ですか?」
>僕は、またお皿にケーキを乗せて来たリナさんを見て言う。
>お皿の上には、五つくらいのケーキがきれいに並べれてあります。
>「うぅ〜ん、数えてないからわかんないや。十個くらいかな?」
>「そ、そうですか」
すごいですねリナは。あ、でもあたしのクラスにもケーキ12個食べた子いましたけど。
>「うぅ〜…ちょっと食べ過ぎたかな…」
>彼女は、屋上のフェンスに寄りかかって言う。
>「それは、そうですよ。あんなに食べれば」
>「だってどれもおいしそうだったんだもん」
>彼女は、なんと会場にあったケーキを全種類食べてしまったんです。それでも太らない彼女。これも彼女の一つの謎ですか。
全種って言うとやはり20個くらい食べたんでしょうかねぇ。太らないリナちゃんの体がうらやましいです。
>「り、リナさん」
>思いきって言いましょう。
>「うん?何?」
>彼女は、僕を見て無邪気な微笑みを浮かべる。
>「何よ、真剣な顔して」
>「リナさん…実は、僕…」
>言いますよ!
>「僕は、リナさんの事が――――」
>ピー、ピー、ピー
>僕が言おうとした瞬間どこからともなく音がした。
>「あっ、ごめん、あたしの携帯。最近買ったんだぁ」
>彼女は、そう言ってバッグに手を入れ、携帯を取り出す。
>僕は、ポカンとそれを見ているだけだった。
>「あっ、アメリア?うん、何?」
>がくぅ〜〜……
>また肩を思いっきり落とす。
>僕も邪魔されないように携帯は、切ってあるのに…。
>一度だけじゃなく二度までも…。
>アメリアさん…僕に何か恨みでも……。
苦労してますね〜ゼロス君。
>「じゃぁねぇ」
>リナさんは、携帯を切ってバッグにしまう。
>「ごめん、ゼロス。何言おうとしたの?」
>僕は、彼女を見る。
>「いえ、なんでもありません。さぁ、もう遅くなりますし、帰りましょう」
>僕は、首を横にふる。
>「うん。あっ、はい、これ」
>彼女は、そう言って僕に紙切れを渡す。
>そこには、数字が書いてありました。
>これって…。
>「あたしの携帯番号。男に教えるなんてゼロスが初めてだから。特別に思いなさいよ」
>彼女は、そう言って微笑む。
>
>まぁ、今回は、よしとしましょう。リナさんの携帯番号を教えてもらった事ですし。
1歩進展ってとこですね!ゼロス君おめでと―☆
>ですが、まだリナさんと両思いでは、ありませんから。まだまだがんばりますよ!
私も陰ながら応援してますわ☆
> またこう、しょうもないものを・・・。はいはいはい。ゼロス君またがんばって
>ます。いやぁ、ゼロス君本当にこわれまくっております。
>今回も読み返しなんぞしてません。いろいろ変なところがあるでしょうけど
>それは、あいきょー。みのがしてね(はぁと)
ええ、もうとっても面白かったです☆変なところなんてなかったですし、私的にもおっけーです!はたしてゼロス君は両思いになれるか・・・気になるとこですねぇ。
おや?やばい、約束の時間が来ちゃいましたので、私はここいらで失礼させていただきます。次回も期待してますので頑張ってくださいね―☆

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7960はい、そのとおりです。理奈 9/29-03:18
記事番号7959へのコメント


はいぃ、こんにちはぁ〜の理奈ですぅ。
いつも感想ありがとうございますぅ!うれしいです!


>確かにリナの髪って触りごこちよさそうですよねぇ。

 あたし自身リナちゃんの髪がうらやましい。でももし叶えられるのだったら
ゼロス君のようなサラサラな髪がほしいなぁ・・・。

>りなちゃん・・・

 それがリナちゃんという人なんでしょうかねぇ・・・

>すごいですねリナは。あ、でもあたしのクラスにもケーキ12個食べた子いましたけど。

 十二個・・・すごいですね。あたしなんかまぁ、3、4個が限度・・・
甘い物好きだけどたくさんは、ちょっと・・・。

>全種って言うとやはり20個くらい食べたんでしょうかねぇ。太らないリナちゃんの体がうらやましいです。

 でしょうねぇ、20個。本当に彼女の身体がうらやましいです。あたしは、
食べたらすぐ太るタイプだから・・・。

>苦労してますね〜ゼロス君。

 簡単にリナちゃんとくっつけませんよ(笑)

>1歩進展ってとこですね!ゼロス君おめでと―☆

 がんばってるゼロス君にごほうびですかね。

>ええ、もうとっても面白かったです☆変なところなんてなかったですし、私的にもおっけーです!はたしてゼロス君は両思いになれるか・・・気になるとこですねぇ。

 ありがとうございますぅ!きっとネタ的に次くらいにくっつけるかも・・・
でもこのストーリーのリナちゃんは、むずかしいと思います。他のは、
けっこう素直なリナちゃんでしたけど。

>おや?やばい、約束の時間が来ちゃいましたので、私はここいらで失礼させていただきます。次回も期待してますので頑張ってくださいね―☆

 はい、ありがとうございましたぁ!!とってもうれしいです!
 では、しつれいしまぁす!