◆−前夜祭〜序曲〜−ほーんてっど・ざ・みらー(9/24-18:01)No.7913
 ┣前夜祭〜即興曲〜−ほーんてっど・ざ・みらー(9/26-22:48)No.7946
 ┃┗すぺしゃるこーす・・・−葉夢(9/28-00:07)No.7953
 ┃ ┗そ、すぺしゃるこーすです☆−ほーんてっど・ざ・みらー(9/28-18:57)No.7957
 ┣前夜祭〜即興曲2〜−ほーんてっど・ざ・みらー(9/28-20:39)No.7958
 ┣前夜祭〜奇想曲〜−ほーんてっど・ざ・みらー(9/30-21:09)No.7963
 ┃┗ゼロスって・・・変態・・・?−葉夢(10/1-19:17)No.7993
 ┃ ┗え・・・いや・・・あはは・・・(汗)−ほーんてっど・ざ・みらー(10/3-11:58)No.8002
 ┗前夜祭〜奇想曲2〜−ほーんてっど・ざ・みらー(10/5-20:31)No.8015


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7913前夜祭〜序曲〜ほーんてっど・ざ・みらー URL9/24-18:01


またまた人の迷惑顧みずやってきましたっ☆みらーです。えーと、このお話は3話で没った前の前夜祭を元にして書いてるんで内容がかぶるかもしれません。そこんとこはまあ、そこはかとなく温かい目で見守ってくれたりするとうれしーかな―とか思います。まあ、お暇がおありでしたらごらんあれ。

前夜祭〜序曲〜

高校と大学が同じ敷地内にあるなかなか珍しいその学園は、スレイヤーズ学園もとの名をゼフィーリア学園という。スレイヤーズ(殺戮者たち)と呼ばれるにはもちろん訳があった。正義と悪の集まる場所とか呼んでる人もいる。・・・まあ、実際の所ある意味凄い人達が集まりすぎてるからなのだが・・・ともかくそこの3限目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る・・・

き―んこーんかーんこーん・・・
ばんっ!がたん!がらがらっ!ずべしゃっ!!
最初からいえば、机に手をついて勢いよく立ち上がる音、弾みで椅子が後ろへと倒れる音、すぐ横の廊下へ出る扉を開ける音、最後にさっきの椅子で盛大にこけた音・・・である。
「いつつ・・・っ!ってこんな事をしてる場合じゃないっ!!」
言って栗色の髪の少女、あたしことリナは立ちあがる。そして起きあがり、全力疾走をはじめる。
「アメリアッ!あとよろしくねっ!!」
「分かりましたけど次は学園際の準備ですから死なないで下さいね―!」
などというアメリアの声が聞こえたような気もしたが、今のあたしにはそんな事を気にする余裕はそれこそ雀の涙ほども無かった。
(逃げなきゃ・・・!!)
あたしの頭の中はそれで一杯だった。何がって?それは・・・
「・・・!!!!」
いきなり悪寒が全身を走り抜けた。
「りぃぃぃなぁぁぁっ!!」
「うひいぃぃぃぃっ!!来たぁぁぁ!!!!」
ちらりと振り向けば予想通り大学の制服を着た一人の女性が猛スピードで追いかけてくる。
「今日という今日は絶対に許さないわよ!どうやらきっついお仕置きをしなきゃならないようだし!!」
「悪かったってば―っ!!姉ちゃんもう許してっ!!」
「お仕置きはすぺしゃるコースよ私のかわいい妹のりなちゃん(はぁと)」
「すぺしゃるこーすはいやああぁぁっっ!!」
聡明なあなたならもうお気付きだろう。そう、あたしは追いかけられている。・・・それも姉ちゃんに。事の起こりは3日前。夕食の片付けの時、うっかり姉ちゃんのコップを割ってしまったのだ。次いで次の日も、さらにその次も。挙句の果てに、今日の朝、姉ちゃんのお気に入りの茶碗を割ったのが引きがねとなった。その時逃げたもんだから、今こうして休み時間のたびに追いかけられているわけなのだ。
「今のうちにおとなしく捕まりなさい!そーしたら少しは手加減してあげるわよ」
「・・・少しってどんくらいっ?!」
「そーねえ・・・50分の1くらいかしら☆」
「全然手加減になってないぃぃぃっ!!」
「あっ!こら!!スピード上げたわねリナッ!!」
(捕まるまい・・・)
あたしは心底そー思った。と言うか、捕まれば確実に・・・
あたしは頭に浮かんだ最悪の事態を振り払い、1階から3階まで来ていた足をもう1度階段に向け、そこからいっきに15段の階段を飛び降りる。
「ていっ!」
着地成功!すぐさま同じ要領で、次の階段を降りていく。階段ではあたしの方に分があるらしく、少しだけ差が開いた。
「神様仏様イスラム教の神アラー様!あとナメクジとゴキブリとムカデとヤスデと蛙とミミズと得体の知れないバクテリア以外ならなんでもいーですっ!今回も無事逃げ切れますよ―にっ!!」
自分でも訳わからん事を呟きながらそのまま1階の廊下を走り始める。そこで、はたと気付く。
「しまったぁー!!こっちの奥は行き止まりだったっ!!」
くそぉ、さっきはこんなへましなかったのにぃ!
「リナ―!!」
まずいっ!!
あたしは素早く手近な部屋に飛びこんでドアをそっと閉めた。
「はあっ、はあっ・・・・・・ふう」
なんとか落ち着くと飛びこんだ部屋を見渡せるようになった。独特の薬品の匂いと清潔な空間、そう、あたしが逃げ込んだ先は保健室だった。先生は・・・えーと、出張とかいってたっけ。ま、その方が都合はいいけど。
「・・・何とか逃げ切れたかな?・・・だれっ!!」
突然聞こえた衣擦れの音にあたしは慌てて振り向く。そこは簡易ベット・・・ってことは今まで休んでた人?!
「ご、ごめんなさい!なんか起こしちゃったみたいで・・・」
「いえ、いいんですよ」
慌てて謝るあたしに聞きなれた声が返ってくる。・・・まさか・・・
その人物は、ベッドから下りるとカーテンを引きこちらに向かって歩いてきた。そしてあたしの姿を確認すると、なぜか心底嬉しそうに言った。
「あ、やっぱりりなさんだったんですね」
「なんか嬉しい事でもあったのゼロス?」
「そー言うリナさんこそせっかく会えたんですから笑顔のひとつでもサービスしてくれたって・・・」
「あんたねぇ・・・ったく、生徒の見本の生徒会長が保健室で寝ててどうすんだか。どっか具合でも悪くしたの?」
あたしがそう言ったとたん嬉しそうな顔をするゼロス。・・・変なこと言ったっけ?
「リナさんったら僕の心配してくれるんですか?嬉しいですねぇ」
「ち・・・ちがうわよっ!」
あたしの手が出るより早く次の言葉を紡ぐゼロス。
「心配してくださったとこ恐縮ですが、実のところ今勉強してる範囲は全部勉強し尽くしちゃいまして、暇なんで保健室で本読んでるんです」
「へ―、そう・・・って要するにサボりじゃないっ!何やってんのよ生徒会長が!!」
「いやあ『果報は寝て待て』って言いますし」
「どこをどうやったら話がそう繋がる・・・!」
言葉も半ばにゼロスがあたしの口を塞ぐ。理由はすぐにわかった。
「リーナ―!!」
姉ちゃんがこっちの方を探しに来たのだ。
「やばいっ!!・・・ゼ、ゼロスなんか隠れるとこっ?!」
パニックで言葉が上手くしゃべれないぃぃ!!
「・・・こっちへ」
ゼロスに手を引かれてあたしは急いで隠れる。そしてゼロスも何事もなかったかの様に本を読み始める。あたしはちらりと彼を見た。
「大丈夫ですって」
どこから出てくるのやらともかくゼロスは自信満々で答えた。
がらがらがらがらっ!!!!
勢いよく開いた扉の音が保健室に響き渡る。あたしはその音に思わず身を硬くした。

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7946前夜祭〜即興曲〜ほーんてっど・ざ・みらー URL9/26-22:48
記事番号7913へのコメント

前夜祭〜即興曲〜

「あら、ゼロスじゃない。ところでリナ知らない?」
はずれてくれという願いもむなしく、入ってきたのはやっぱり姉ちゃんだった。
「いえ、知りませんよ。にしても、相変わらずお元気そうで」
ゼロスが上半身を起こして切り返す。
「それはどーも。たしかこっちに来たと思ったのにねー」
「いえいえ、いつも姉がお世話になってますし。でもリナさんは来てませんよ」
えーとなんか会話とこの場の空気に違和感があると思うのは気のせいだろうか・・・
「そおねえ、ゼラスに昨日お弁当取られたばっかだし。ほんとにここには来てない?」
「それはすいませんでした。もちろん来てませんけど」
こわいっ!怖すぎるっ!なんか思わず鳥肌が立ってきそうなほど寒気がするし・・・
いったいなんの会話してんだあんたら・・・とか思わず突っ込みたくなるのをぐっとこらえてあたしはひたすらじっとする様勤める。
「いや、別にい−んだけどね。そっか、来てたと思ったんだけどね」
「それはよかった。ええ、リナさんはここには来てませんから」
・・・もー何も言うまい・・・
「それに、こっちの廊下の奥は行き止まりですし。リナさんがこちらへ逃げ込むとは考えにくいでしょう?」
おしっ!偉いぞゼロス!
「・・・・・・」
姉ちゃんは無言。やばい、気付いたかな・・・
「ルナさん?」
そしてしばしの時が過ぎる。ほんの1分くらいだったが、それがあたしには倍以上に長く感じられた。
「ま、いいわ。今回はもう時間も無いしこんくらいにしといてあげるわ」
いってきびすを返した様だったが、今のあたしには見ることは出来ない。と、ふと姉ちゃんが立ち止まった様だった。
「あ、そうそう。私達は午後の授業はないからこれから遊びに行くわ。それと夜は遅くなるから・・・命拾いしたわね」
ぎくぅぅっ!!!!
一瞬呼吸が停止してしまった。
「・・・ってリナに伝えといて」
がらがらがら・・・
そして姉ちゃんは去っていった。
「おや・・・ばれてたんでしょうか」
姉ちゃんが去っていった扉を見つめながらこともなげに言うゼロス。
あたしはゼロスの横から顔を出す。
「ま、あの姉ちゃんだもん、ばれない方が不思議ではあったわね」
「そーいうもんですか」
言ってゼロスがこちらへ体を向ける。
「そーよ・・・っ!」
それに答えてからあたしは自分の置かれている状況に気付き、急いで布団から出た。いや、出ようとした。
「なによ・・・」
途中でゼロスに手を掴まれてたので出れたのは上半身のみ。ここに鏡でもあれば確認できたかもしれない。火照っているあたしの顔の色を。・・・普通である事を願いたいけど。
「いや、単に僕はもう少しリナさんと一緒に寝ていたいなーと思っただけなんですけど」
「・・・・・・」
いきなり何を言い出すんだこいつわ――!!
「と、とりあえずあたしはもう教室に戻らなきゃ・・・」
体温が上昇するのがはっきりとわかった。今のあたしの顔きっと真っ赤になってることだろう。
「ほ、ほら、そーいうわけでさっさと手を離す!」
が、ゼロスは一向に離す様子を見せない。
「・・・ゼロス?」
しかし、ゼロスはニコニコと笑ったまま。手を離してはいないけど。
と、そこに放送が流れる。
『3―G、ゼロス・メタリオム君ならびに2―Bヴァルガ―ヴ君。生徒会の書類を職員室まで取りに来てください。くり返します・・・』
「ほらほら、先生が及びよ生徒会長」
「リナさんだって生徒会役員じゃないですかー」
「あたしは書記だし呼ばれなかったからいーのよ。ほら、さっさと行きなさい」
不服そうに言うゼロスに軽く返すあたし。
「生徒会長は辛いですね―」
とりあえずゼロスはこんな事を言って部屋を出ていった。あんまし困った口調じゃないから余計にうそくさかったけど。
「・・・ふう」
あたしはため息をひとつつき、ベッドに寝転んだ。柔らかいシーツが気持ちいい。さっきまでの事をぼんやりと考えているとなんだか眠くなってきた。
「授業開始まであと5分・・・くらいならなんとかなるかな・・・」
あたしは眠い頭であと5分寝ることを決意した。起きれるはずもないのに・・・
「・・・・・・」
朝からの疲れも手伝って、あたしが寝付くのにそう時間はかからなかった。

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7953すぺしゃるこーす・・・葉夢 E-mail 9/28-00:07
記事番号7946へのコメント

 はじめまして〜! みらーさん! (……で、いいんですか?)
 読ませていただきました〜!

 いっや〜! 前夜祭って言う題名だからどんなんかと見てみたら……いきなしはちゃめちゃだし(笑)
 しかもルナの「すぺしゃるこーす」ってどんなおしおきなんだ……?
 と、ちょっと興味がある私です(^_^;)
 ゼロスもいい味出してるし、続きがんばってくださいね!
 楽しみにまってますから!

 短くてすみません。
 葉夢でした!

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7957そ、すぺしゃるこーすです☆ほーんてっど・ざ・みらー URL9/28-18:57
記事番号7953へのコメント

> はじめまして〜! みらーさん! (……で、いいんですか?)
ええ、万事おっけーですよ☆
> 読ませていただきました〜!
どーもっ!こんな物でも読んでくださる方っていたんですねっ!
> いっや〜! 前夜祭って言う題名だからどんなんかと見てみたら……いきなしはちゃめちゃだし(笑)
ま、スレイヤーズですから、ね☆
> しかもルナの「すぺしゃるこーす」ってどんなおしおきなんだ……?
それは今は秘密です★(ゼロスファンに刺されそう・・・って私もそうなんですけど)
> と、ちょっと興味がある私です(^_^;)
> ゼロスもいい味出してるし、続きがんばってくださいね!
> 楽しみにまってますから!
ありがとーございますっ!頑張って書きますね!
さて、そろそろ夕飯の時間なんで、そろそろ退散しときます。なんでって、昔から言うでしょ?「腹が減っては戦が出来ぬ〜♪」(実際この様に歌ったりはしませんけど)って。
そーいうわけなんで・・・それじゃまた☆

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7958前夜祭〜即興曲2〜ほーんてっど・ざ・みらー URL9/28-20:39
記事番号7913へのコメント

前夜祭〜即興曲2〜

ここは先ほどの保健室。4間目が始まってたりするのだが、リナは一向に起きる気配を見せない。すやすやと眠るリナの横に腰掛けている闇色の髪の男子生徒はもちろんゼロス。どうやらまたサボってきたらしい。
そして何やら楽しそうにリナの髪をもてあそんでいる。
「ん・・・」
邪魔なのか、少し顔をしかめながら寝返りをうつリナ。
「おやおや・・・」
言いつつ新たに髪を一房掴んで軽く引っ張るゼロス。
すると、今度は引っ張られるのが嫌なのか再びこちらに寝返りをうち直す。
「ほんとかわいいですねリナさんは・・・」
言ってリナの上にかがみ込み額にかかる髪をどけ、軽く唇を落とす。
「・・・ん・・・」
少し身じろぎしてからリナはゆっくりと目を開けた。

くすぐったい・・・
その感覚にあたしは深い眠りから浅い眠りへと転じさせられた。
誰かがあたしの髪を触っているのが分かった。しかし、強烈過ぎる睡魔のせいで思考も上手くまとまらない。どころか動くのすらめんどくさい。
「ん・・・」
とりあえずは邪魔なので今いるのとは逆に寝返りをうった。
しかし、今度は髪を引っ張ってくる。さすがにこんな事をされ続けたんじゃやっぱし寝られないので、仕方なくされるがままもとの位置に戻った。
「・・・・・・」
あたしの髪を引っ張ってた人が何か言ったようだった。気にはなったがやっぱし寝ようと思ったときにあたしの額に何かが軽く触れた。
「・・・ん・・・」
やっぱり何か気になったのでめんどくさいながらもあたしはしぶしぶ目を開けた。
「おはようございます、リナさん」
目を開けるとすぐ上にゼロスの顔があった。
「・・・おはよ」
あたしはそれに答えてからまだ眠たい目をこすった。
「・・・今何時?」
ともすればもう1度眠りそうになるのを堪えてあたしは言う。
「えーと今は・・・11時40分です」
自分の腕時計を見つつゼロスが言ってくる。
「そう・・・11時40分ね・・・」
・・・11時40分・・・えーと4限目は30分に始まるはずだから・・・
あたしは眠い頭でぼんやりと考えて・・・
「ああ―っ!!よっ4限目始まってるじゃないっ!!」
叫ぶと同時にがばっと跳ね起き急いでベッドから降りる。同時に眠気もいっきに覚めていく。
「おや、リナさんもう行っちゃうんですか?寂しいですねぇ」
「なぁにしみじみと言ってんのよ!あんたも居たんなら起こしてくれたっていいじゃないっ!!」
ゼロスのセリフにおもわず彼の襟首を掴んでがくがくと揺さぶる。
「いやぁ、リナさんの寝顔があまりにもかわいかったもんでつい・・・」
「なにがついなのよぉぉ!!」
「あ、ほらリナさん、急がないともう11分オーバーですよ」
「げげっ、やばいっ!じゃ、そーいうことであたし行くからっ!」
ダッシュで扉のとこに行き、ふと思いついて尋ねる。
「そーいえばゼロス。あんたちゃんと明日の学園祭の準備してるの?」
「ええ、もちろん。ほら、さっきだってちゃんと文化祭用の書類を取りに行ってたんですから」
そーいえばそんな事もあったよ―な・・・
「ま、してるんならいーわ。じゃあね!」
「あ、リナさん」
走り出そうとしたあたしに呼び声がかかる。
「何?」
「今日の放課後代表者会議ですからね」
「・・・・・・」
「もしかして忘れてました?」
「・・・や、やーねゼロスッたら・・・これっぽっちも忘れてなんかいないわよ!」
・・・きれいさっぱり忘れてた・・・ま、思い出したからよしとしとこう。
「ま、いいですけど」
「・・・じ、じゃあ、あたし遅れるから行くわねっ!」
言ってあたしは保健室を後にした。

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7963前夜祭〜奇想曲〜ほーんてっど・ざ・みらー URL9/30-21:09
記事番号7913へのコメント

前夜祭〜奇想曲〜

「すーは―・・・よしっ!」
自分の教室の前に立ち、あたしは大きく深呼吸をした。そして、覚悟を決めて教室の扉を開けた。
がらがらがらっ
なかなかに威勢のいい音がした。しかし、その後に続くのは不気味なほどの静寂と、皆の視線に晒されているあたしだった。
(ああ・・・こーいうのが嫌だったのにぃ!!おにょれゼロスめ・・・許すまじっ!!)
あたしは心の中で毒づくと、何か言わねばと口を開いた。
「えーと・・・」
しかし、あたしが何か言うより先に、クラスには元の騒がしさが戻っていた。
「・・・・・・」
思わず立場を無くして戸口に佇むあたし。と、そこへ
「リナさん!遅かったじゃないですか!」
少し怒った顔をしたアメリアがやって来た。
「早く明日の準備をしなきゃならないんですから。なのにリナさんったら・・・」
そーいえば4限目からは明日の文化祭準備に当ててあったよーな・・・
「ねえアメリア、先生は?」
そう、今この教室には先生がいなかったのだ。遅刻したんだから怒られるだろ―なーとか思って入ったのにこれでは拍子抜けである。まあ、怒られないに越した事はないけど・・・
「先生なら少し遅れてくるとかいってましたけど」
「らっきー☆それなら今の遅刻の件もばっちしおっけーね!さ、始めましょうか、アメリア」
「それって悪ですよリナさん!」
「いーじゃない、硬いこと言わないで・・・ね」
「・・・今回だけですよ」
「ありがとっ!」
少し顔をしかめて言うアメリアの手をぎゅっと握り、感謝の意もこめて上下に振ってから離した。
「さあて、じゃあまず何から・・・ってどーしたのアメリア?」
これから始めるかって時に、いきなりなんの前触れもなくアメリアがあたしの正面に回り込んできた。そして、顔を少し紅潮させながら小声で一言。
「リナさん、ブラウスのボタン二つ外れてますっ」
「・・え・・・ああああっ!!」
言われてはたと見てみれば、本当に上から二つ外れてて、おまけにシャツまで少し見えてたりするもんだからたまったもんじゃない。あたしは速攻でブラウスのボタンを締めた。
「朝は締めてましたよね?」
「もちろんよ!アメリアだって見たでしょ?」
「ええ。あ、リナさんネクタイは?」
「え?あれ?ネクタイもあたし朝ちゃんと着けてたよね?」
「えーと・・・はい、確かに着けてましたよ」
「・・・とすると・・・」
さっき寝たときにでも置いてきてしまったのだろうか。んな簡単に外れる物でもないと思うんだけどなぁ・・・
「ま、いっか。後で探しに行くわ。とりあえず今は明日の準備しましょ」
「そーですね。あ、リナさんこれ着てみてくれません?」
わいわいがやがや・・・
いたって平穏に4限目は過ぎていった。
今思えばこれが束の間の休息と言うのかもしれない・・・。
そして昼休み・・・

「そーいえば、今日の午後って文化祭準備よね全部」
「ええ、なんでも今日は特別で泊まり込みもおっけーだとか」
「泊まり込みもあり?!」
「なんでもここの学園は異様にこういった行事に力を入れてるらしくって。まあ生徒が楽しければそれで良しという事らしいですけど」
つくづく変わった学園である。しかし、ここの学園を統率する理事長の顔を見たものは一人もいないという。実に不思議な話だと思う。
あたしは机に突っ伏すとおっきなため息をついた。と、そこへ、
「リナ・インバース君。リナ・インバース君」
「・・・はい?」
ふと顔を上げればあたし達の担任の先生が、書類を片手に斜め前に立っている。
「実はさっきこの書類を生徒会長と副生徒会長に渡しそびれてな。ちと行って来て欲しいんだ。今から私もやる事があってな」
「・・・はあ」
「じゃ、頼んだぞ」
それだけいうと先生は書類をあたしの机の上に置き、何処かへ去っていった。
「わたしも行きましょうか?」
アメリアが律義にも声を掛けてきてくれる。
「いいわ別に。すぐ済むから」
が、あたしはその申し出を断った。すぐ済むとは思ったし、何よりアメリアまであれの巻き添えにするわけにも・・・
そして、あたしは心配顔のアメリアに手を振ると、書類を手に二階への階段へと足を向けた。


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7993ゼロスって・・・変態・・・?葉夢 E-mail 10/1-19:17
記事番号7963へのコメント

 こんにちわ! また見にきちゃいました☆

 おお〜な〜んか意味ありげな続き方だ〜(^_^;)
 リナちゃんちょっちやばくない?
 やっぱアメリアについてきてもらった方がよかったんじゃあ?

 それから! こんの変態ゼロス!!
 リナのネクタイがないのも、ボタンがはずれてんのも、み〜んなあんたのせいでしょ!?
 と、私はふんでるんですが……あってますか? (←ちょっと自信ない奴)
 絶対それしか考えられないって!
 女のコの寝込みを襲うなんざ、ゼロスってサイテーな奴やなっ! (←ゼロスがやったと決め込む奴)

 ま、それはさておき、みらーさん。ゼルとガウリイは? 出ないんでしょーか?
 いや〜、リナとアメリアは出てるんで、ちょっと気になっちゃって(笑)

 気になるといえば、どんな学園祭になるのかも楽しみです!
 がんばって! 続きを4649! (←死語かもしんない……)
 それでわ! 葉夢でございました〜!

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8002え・・・いや・・・あはは・・・(汗)ほーんてっど・ざ・みらー URL10/3-11:58
記事番号7993へのコメント

> こんにちわ! また見にきちゃいました☆
どーもっ!きてくれてありがとーですっ☆
> おお〜な〜んか意味ありげな続き方だ〜(^_^;)
> リナちゃんちょっちやばくない?
> やっぱアメリアについてきてもらった方がよかったんじゃあ?
まあ、アメリアついて来てもよかったんですけどそーすると後々大変になるんで・・・
> それから! こんの変態ゼロス!!
> リナのネクタイがないのも、ボタンがはずれてんのも、み〜んなあんたのせいでしょ!?
> と、私はふんでるんですが……あってますか? (←ちょっと自信ない奴)
> 絶対それしか考えられないって!
> 女のコの寝込みを襲うなんざ、ゼロスってサイテーな奴やなっ! (←ゼロスがやったと決め込む奴)
ぴんぽーん。正解です♪(ほんとは先にばらしちゃいけないんですけどね)
> ま、それはさておき、みらーさん。ゼルとガウリイは? 出ないんでしょーか?
> いや〜、リナとアメリアは出てるんで、ちょっと気になっちゃって(笑)
ちゃんと出ますよ。次の話で。まあ、でも出番は少ないかもしれないけど。
> 気になるといえば、どんな学園祭になるのかも楽しみです!
> がんばって! 続きを4649! (←死語かもしんない……)
> それでわ! 葉夢でございました〜!
どーもありがとうございましたっ!またのご来店お待ちしております〜☆(わけわかんない・・・)

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8015前夜祭〜奇想曲2〜ほーんてっど・ざ・みらー URL10/5-20:31
記事番号7913へのコメント

前夜祭〜奇想曲2〜

扉を開けて、あたしは思わず絶句した。
今あたしがいるのは2―B。つまり副生徒会長ヴァルガ―ヴの教室である。先ほど頼まれた書類を渡しに来たのだが、すでにここは入れる状態ではなかった。戦場と化していると言っても過言ではないかもしれない。
「そこっ!ぼさっとしてないで働くっ!!」
気の強そうな女子その一が叫ぶ。
「誰か金槌とって!!」
また別の誰かが叫ぶ。
「いきますよっ!」
金槌が中を舞って・・・
「あああっ!!大道具係がまた1人減りましたぁ!!」
その大道具係とやらが床に倒れふす。金槌に頭を直撃されて。
「あーもうっ!時間がないのにっ!!誰か、そいつを保健室まで運んでやって!!」
「手があいてる人お手挙げっ!!」
どこからも手が上がらない。
「じゃ、終わるまで放置!!1時間後のリハーサルにはなんとか間にあわすわよっ!!」
『おうっ!!!!』
教室中から威勢の良い声が上がる。床に倒れ付した数名以外の声が。
「・・・どーしよっかなー・・・」
あたしは思わず呟いた。2―Bが劇をやる事は知っていたがここまで力を入れてるとは・・・この状態では入るに入れない。ついでにざっと見渡すがヴァルガ―ヴはここには居ない様だった。
「・・・後で渡そ・・・」
あたしはくるりと踵をかえして3階へ向かった。

ざわざわっ
3階へ行くと周辺の生徒からの視線があたしに集まる。男子からは奇異と好奇心の視線。女子からは恨みがましい殺気のこもった視線・・・理由はだいたい分かるのだが、今はそれを気にするよりも書類を届ける方が先である。あたしはそれらの視線に晒されながら3階の廊下を歩き出した。
「ふう・・・やっぱしアメリア連れてこなくて正解だったなー・・・」
女子の視線を前後左右から感じながら小声で呟く。これにアメリアを捲きこまいとしたのも一つだが、理由はもうひとつ。
(アメリアが来るとこの女子からの視線が倍増するのよね・・・)
実はアメリアはゼロスと同じ3年に入るゼルガディスの事が好きなのだ。向こうもまんざらではない様だし、それはそれで良いのだが、女子からの視線が痛いのなんのって。まあ、それはそれで置いといて。
考え事をしながら歩くと廊下は短い。あたしは、思わず通りすぎそうになって、慌てて引き返した。
「失礼しまーす」
あたしは一応そう声をかけてから扉を開く。
「生徒会長は居る?」
さすがに女子に声をかけるほどの勇気は持ち合わせていなかったので、手近な男子に尋ねる。しかし、そいつが答えるより早く、別の所から声がかかった。
「あれ?リナじゃないか」
「なにやってるんだこんな所で」
「ガウリイにゼル!あれ?二人ともここの教室だったんだ」
「言ってなかったっけ?」
「それはそうと、3階は嫌いと言ってたのにどういう風の吹きまわしだ?」
「あたしだって来たくなかったわよ。先生にこれを渡すように頼まれて・・・」
言ってあたしは書類を振って見せる。
「で、ゼロスはどこ?」
あたしの問いに顔を見合わせる二人。どうしたというのだろう。
あたしが不思議に思っていると、いきなし誰かが後ろから抱きついてきた。
「お呼びですかリナさん?」
「うわっ・・・って、ゼロス?!」
「・・・さっきから後ろに、って言う必要ないな」
「ああ」
「会いに来てくれるなんて嬉しいですねぇ」
「違うわよっ!あんたらも気付いてたんならもっと早くに言えっ!!」
「だってなぁ・・・」
「だってじゃないっ!・・・ほら、ゼロスもさっさと離す!!」
あたしは、なんとかゼロスの腕から抜け出すと、書類を彼につきつけた。
「これを届けに来たのよ!」
ゼロスはあたしから書類を受け取ると、それに目を通し始めた。
・・・と、あたしはそこでふと気付いた。ここ3−Gの空気が凍り付いてる事に。そして、あたしを見る女子の視線がさっきの3倍はきつくなってるという事に・・・
「うっわー・・・間違いなく今の行動のせいよね、これって・・・」
誰にも聞かれぬように呟く。思わず大きなため息が漏れる。その時、にわかに入り口付近の人込みが騒がしくなる。顔を上げて、その正体を悟ったあたしは言葉を無くした。
「リーナ―!!」
びくりと自分の肩が震えるのが分かった。おそるおそる視線を上げたその先には予想通り、大学の制服を着た姉ちゃんの姿。
「ね、姉ちゃん・・・たしか大学って午後ないから遊びに行くって・・・」
あたしは必死で思考を巡らす。しかし、次に聞いた言葉は、あたしにとってかなり絶望的なものだった。
「そ。だ・か・ら、高校に遊びに来たの」
「私達も来てるわよ☆」
新たに姉ちゃんの後ろから姿をあらわすゼラスとダルフィンに、もはや言うべき言葉も見つからず立ち尽くすあたし。
「っていうわけで、早速あんたの教室に行きましょ」
「今って文化祭の準備をしてるのよね?」
「楽しみねー☆」
あたしの両腕を取り、歩き出す3人。あたしはほとんど引きずられる様に連行されていく。ゼロス達の方に視線で助けを求めたが、3人とも困った顔をこちらに向けていた。殺気立っていた女子達も怒りのやり場を無くして戸惑っている。まあ、無理も無い事である。この3人に口答えできる奴はいないのだから・・・
かくて、あたしは3―Gの生徒達の見守る中1―Bまで連行されていった。