◆−さがしているものは…(ガウリナです)−まこ(11/5-22:58)No.8113
 ┣はじめまして!−P.I(11/6-00:27)No.8115
 ┃┗ありがとうございます〜!−まこ(11/6-12:27)No.8118
 ┗Re:さがしているものは…(ガウリナです)−CANARU(11/7-14:13)No.8122
  ┗ありがとうです〜!!−まこ(11/8-23:55)No.8138


トップに戻る
8113さがしているものは…(ガウリナです)まこ 11/5-22:58


はじめまして、こんにちは。
ガウリナをこよなく愛するまこと申します。
こちらに…というか、どこかに小説を投稿させて頂くのは初めてです。
最後まで読んでいただければ幸いです。
では、どうぞ。


  『さがしているものは…』

 「なあリナ、おまえの夢ってなんなんだ?」
 うららかな街道で、ガウリイはいきなりリナにそう質問した。
 「は?あたしの夢?」
 リナが面食らうのも無理はない。
 「なんでまた、そんなこと知りたいわけ?」
 「いや、なんとなく思いついたから」
 はぁ、とリナが小さなため息をつく。
 「ずいぶん突然ねぇ。そーね…そりゃやっぱり、おいしいものたくさん食べることと玉の輿になること!」
 きっぱりはっきりそう断言したリナを見て、ガウリイは苦笑いする。
 「おまえらしいな。実現するかどうかは別として」
 その声にほんの少しだけ嫉妬が混ざっているのに、果たしてリナは気づいたのだろうか。
 「ほっとけ!じゃあガウリイはどうなのよ」
 「オレ?」
 きょとん、と自分を指さしたまま固まってしまうガウリイ。
 つられてリナも立ち止まる。  
 「なによ、どうしたの?ガウリイ」
 「…わからん」
 「わからんて…なにが?」
 「だから、自分の夢がなんなのかが、だよ」
 ガウリイはそうとだけ言い、そのまま難しい顔をして考え込む。
 リナには訳が分からない。
 「そんな難しく考えなくたって、例えばやりたいこととか…」
 「オレは今まで特にやりたいことなんてなかったからなあ。…俺の夢ってなんなんだろな」
 困ったように言うガウリイに、リナがはっとした。
 ガウリイの過去がどんなものか、リナは知らないし、知る必要もないと思っている。
 一緒にいた3年間、ガウリイが昔のことに触れなかったのは、恐らくリナには言いたくなかったからなのだろう。
 過去など知らなくても信頼できる。
 それがリナの出した結論だった。
 それでも、 日常の会話の中に、隠された過去が見えることがある。
 今、ガウリイの瞳にあるのは、深い悲しみの色。
 その色を見てとって、リナの心のどこかが痛んだ。
 「…自分の夢もわかんないの?さすがはガウリイよね」
 わざと明るく言って、リナは再び歩き出した。
 「おまえなぁ…」
 落ち込んだようにがっくり肩を落として、ガウリイがその後に続く。
 「でもいいんじゃない?そのうち見つかるわよ、きっと」
 後ろを振り向かずに前を見ながら、リナは言った。
 「…そう思うか?」
 自信がなさそうなガウリイの声に対して、リナは自信たっぷりの笑顔を浮かべてみせる。
 「思うわ。前を向いていれば、ね」
 「前を……?」
 ガウリイはリナの横に並び、リナの視線の先を目で追ってみる。
 そこにあるのは地平線の向こうまで続く道。
 「そう。今まで見つからなかったってことは、さがしているものはガウリイの過去にはなくて、これからの未来にあるのよ。だから後ろを振り返っているだけじゃ見つかりっこないの。しっかりと前を向いて、根性入れて探せば、絶対に見つかるわよ!」
 不敵な笑みを浮かべながら、リナがガウリイを見つめる。
 「見つからなかったら?」
 「それはあんたの探しかたが悪いだけよ。そこまで責任とらないわ」
 「…それもそーだな」
 納得したかのように、ガウリイも笑みを浮かべた。
 瞳にあるのはいつも通りの優しい色。
 リナは一瞬だけ安堵の表情を浮かべ、すぐにいつもの調子に戻って、言った。 
 「さてと、今日中には次の町に着かなきゃ野宿になっちゃうんだから、さくさく行くわよ、ガウリイ!」
 「おうっ!……っと、そうだ」
 何かに気づいて、ガウリイが踏み出した足を引っ込める。
 「なに?まだなにかあるの?」
 いぶかしがるリナをよそにガウリイはにこにこと笑っている。
 「いや、お礼するの忘れたからな」
 言って足下の名前も知らない花を摘み、リナに手渡す。
 「ありがとな、リナ」
 リナは少しだけ頬を赤く染めその花を受け取った。
 「……どーいたしまして」
 そっぽを向きながら、すたすたとリナは歩き出す。
 「あ、おい、リナ。待ってくれよ!」
 ガウリイも少女の背中を追って前へと足を踏み出す。
 さがしているものは、求めている者は、常に自分の一番近くにあったのだということを、改めて感じながら。
 「…見つかるといいわね」
 「え?」
 相変わらずそっぽを向きながら、リナがガウリイに聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で言った。
 「夢、見つかるといいわね」
 口調はぶっきらぼうだが、ガウリイには十分に彼女の思いが伝わったようだ。
 「……そうだな」
 応えて、ガウリイはリナをまぶしそうに見つめる。
 「…しょーがないから、あんたには最後までとことんつき合ってあげるわよ」
 今度はガウリイに聞こえないように口の中でつぶやく。
 それでも彼には聞こえたらしい。
 嬉しそうに微笑んで、それからまっすぐに顔を上げた。

 彼の夢は彼女と共にあること
 夢が永遠の現実となるのはいつのことであろうか ───


 
 おしまい♪

 いかがだったでせうか……。
 感想などいただけたら、とっても嬉しいです。
 それでは。


トップに戻る
8115はじめまして!P.I E-mail 11/6-00:27
記事番号8113へのコメント

まこさん、はじめまして!ガウリナ回遊魚のP.Iと申します。
<さがしているものは・・・>読ませていただきました。
さりげなく明るくガウリイを励ますリナがいいですね〜。
「夢は過去じゃなく未来に」・・・良い言葉です。どきっとしました!
これが初投稿なんですか?他の作品も読んでみたいです〜(^^)
また投稿してください!
それでは!

トップに戻る
8118ありがとうございます〜!まこ 11/6-12:27
記事番号8115へのコメント

P.Iさん、はじめまして!
感想、どうもありがとうございますっ!(感涙)
初投稿って言うどころか、きちんと小説書いたのも初めてなので、本人は決死の覚悟だったのですが、そんな風に言っていただけるなんて、凄く嬉しいです〜。
>さりげなく明るくガウリイを励ますリナがいいですね〜。
そ・・・そうでしょうか・・・。ありがとうございます。
本当はもっと甘くしたかったんですけど、これが私の精一杯のようで・・・。
>他の作品も読んでみたいです〜
>また投稿して下さい!
暖かいお言葉、ありがとうございました!
頑張りますので、これからもよろしくお願いします!

トップに戻る
8122Re:さがしているものは…(ガウリナです)CANARU 11/7-14:13
記事番号8113へのコメント

わーい!!
まこちゃんだ!!
此方にも投稿したんですね。
やっぱり前向きなガウリナって素敵ですよね。
「未来」と「過去」の交錯したところが
ナンとも言えないくらい大好きな話なので
此処にもコメントしてしまいました。
また書いて下さいねー!!

トップに戻る
8138ありがとうです〜!!まこ 11/8-23:55
記事番号8122へのコメント

やったー!きゃなるちゃーんっ!!
コメント、ありがとうございますー!
>やっぱり前向きなガウリナって素敵ですよね。
>「未来」と「過去」の交錯したところが
>ナンとも言えないくらい大好きな話なので
>此処にもコメントしてしまいました。
そこまで言って下さるなんて………(感涙)
ところで、以前に発表したものとは微妙に違うところがあるんですよ〜♪
微妙というわりには結構重要な言葉かもしれないです。
特にラストあたりなんかはそうなんですけどねー。
こちらの方が、少しだけ甘めだと思うのですが、どうでしょうか?
>また書いて下さいねー!!
はい、がんばりますねー!!