◆−リナ、受難の日(前)−かたつむり(11/9-15:38)No.8144
 ┣はじめましてです−飛来 鳳(11/9-18:54)No.8147
 ┃┗Re:はじめましてです−かたつむり(11/11-15:27)No.8157
 ┗リナ、受難の日(中)−かたつむり(11/12-17:13)No.8159
  ┗お待ちしておりました−飛来 鳳(11/13-00:37)No.8160


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8144リナ、受難の日(前)かたつむり E-mail 11/9-15:38





ぴぴちちちちち・・・・・・

小鳥の声が聞こえる。
窓から日の光が入り込んでくる気配。

う〜ん、のびをひとつ。
朝かぁ、階下から朝ご飯のいい匂いが漂ってくる。
ふと、隣のベッドを見ると、すでにアメリアはいない。


コンコン。

部屋がノックされ、元気よくアメリアが入ってきた。
「リナさん、おはよ〜ございま・・・・・・」

ん?どうしたのよ?
「おはよ〜アメリア。どうしたの?固まってるわよ?」
ドアノブに手をかけたまま硬直しているアメリア。目が真ん丸である。

あれ?なんかおかしい。
ベッドから起き出そうとした私は確かな違和感を感じた。
ふと、下を見る。・・・・・・パジャマがぶかぶか・・・・・・・あれ?

「・・リナさん、ですよね?・・・・」
「へ?なに言ってんのよ。」
固まっていたアメリアが言った。
「リナさん・・・ちっちゃいです・・・・」
は?
「リナさんっっ!!ちっちゃくなってますぅぅ〜〜!!」


え?あ、えええええええええええっっ

「あれ?嘘、ちょっと待って!」
ベッドに腰掛けている状態で、床に足がつかない。

・・・・・ホントに小さくなってる!?

すたすたと呆然としているあたしのところに来るアメリア。
ジ〜っと、あたしを見てる。

「な、なによっ」
なんか、目が・・・・

「リナさん・・・・・ミニサイズで・・・とってもかわいいですぅ!!そうだっ!!ゼルガディスさんと、ガウリイさんにも知らせましょうっ!!」
「えっちょっと待って!」
「ちょっと待ってて下さいね〜♪」
「アメリアっ!」
暴走するなっ
「みなさ〜ん!!すごいんですぅ〜!!」
バタタタタタタ・・・・・遠ざかる足音。

・・・・・はぁ〜、少しは聞いてくれ。人の話。





「リナ、今度は何やったんだ?」
あたしを見るなりそういうゼル。
どういう意味よそれ。
「知らないわよ。朝起きたらこうなってたの。」
ふくれっつらで答えるあたし。
「しっかし、見事にどっからどう見ても5歳児だなぁ」
うるさいガウリイ。

「でもでもっすっごく可愛いですよねぇ、リナさん。あ、でも、このままじゃ外に出られないですねぇ。・・・わかりました!ちょっと待ってて下さいっ服屋さんで、子供服買ってきますからっ。さ、ゼルガディスさんも一緒に選んで下さいよっ」
「え?あ、ああ。」
ゼルの背中をぐいぐい押しながら部屋を出るアメリア。
ミョーにはしゃいでる気がする・・・・・
・・・・楽しんでない?あんた・・・・

「楽しみにしててくださいね〜」
絶対、遊んでるっ





はあ〜。深いため息をつく。
なんで?なんなのよ。あ”〜〜〜〜〜っ!!
頭を抱えるあたし。
「なぁ、それでなんでそんな子供になったんだ?あ、前も子供・・・っと何でもない。」
途中あたしの燃える殺意に気がついたのか視線を外すガウリイ。
殴りたいがなんかそんな気力も無い、今は。

「・・・・わかんないわよ。朝、目が覚めたらこうなってたんだから。」
「何か変なもん食べなかったか?拾い食いとか。」
「しないわよっ!昨日食べたのなんて・・・みんなと同じ物しか・・・と、あれ?・・」
もしかして・・・・・
「ん?なんだ、心当たりでもあるのか?」
「心当たり・・・・あるかも・・・」




昨日の夕飯のときである。
いつものように、ガウリイと<夕飯争奪!負けても恨みっこ無しよ(はあと)>戦を終え、香茶をすすっていたとき食堂のお姉ちゃんが一つのお皿を運んできた。


「え?これ頼んでないわよ。」
「あの、さっき若い男の方があなたにと。」
と、あたしの前に置く。

「へ?誰が?」
ウェイトレスはきょろきょろと食堂を見回すと、
「もう出て行かれたようですけど・・・・・けっこうハンサムな方でしたよ。」

あたしに、なんて見る目あるわね。誰だか知らないけど、ちょっと嬉しい、かな。
ちら、とお皿を見る。
黄色いぷるぷるしたものが皿の中央にのっている。その上に琥珀色をしたソースのようなものをかけてある。
「これ、うちの店のオリジナルデザートなんですよ。うちでしか食べれないんです。」
「へぇ、こんなのあったんだ。」
「リナさんやるじゃないですか。でも、ホントのリナさんを知ったら逃げてくんでしょうけど。」
アメリア・・・・・
「ほう、物好きもいたもんだな。わざわざリナを選ぶなんてどうかしてるんじゃないか。」
ゼル・・・・・・
「あれじゃないか?ロリ・・・なんとかっていうやつ。」
ガウリイ・・・・・

ごごごごごごごごごごごごごごごごごご・・・・・・

ぴきぃ!!
3人の顔があたしの方を向いたまま凍り付いた。

「さっきから聞いてれば言いたい放題言ってくれたわね・・・・モチロン覚悟はできてんでしょうねぇ(にっこり)・・・・黄昏よりもくらきもの・・・・」
「あっあの、今のは冗談ですぅ!信じて下さいっ」
「・・・血の流れより赤きもの・・・・」
「そっそうだぞ!リナ!ちょっとした可愛いジョークってやつだっ!」
「・・・時の流れに埋もれし・・・・」
「リナっ!ここを潰したら他に泊まるとこないぞっ」
「・(ぴくっ)・・偉大なる汝の名において・・・・」
「リナさんっせっかくいただいたデザートを無に帰すんですかっ」
「・(うっ)・・それもそうね、デザートに罪はないし」
はぁ〜、3人が安堵のため息をつく。

「ふぅ、リナが食欲大魔神のおかげで助かったなぁ」

ぷち。

「モノ・ヴォルトォォォォ!!!」
ドゴォォォォ!!

「ガウリイ・・・・」
「ガウリイさん・・・・」

ふんっだ!!


くらげは置いといてどこぞのハンサム君がよこしたデザートでも食べるとしますか。
スプーンですくって、まずひとくち。
ぱく。
「お、おいしいっなにこれっ!やだ、こんなの初めて食べたわよっ。甘くて・・・(ぱくっ)ん〜〜っくせになる味ねっ」
ぱくぱくぱくぱくっ
「あ〜リナさぁん、わたしも食べてみたいですぅ。」
「俺にもくれよ。」
もう復活してるしガウリイ。
「ふふ〜ん、もうなくなっちゃったわよ。これ量少ないし。でも、もっと食べたいわねぇ。すみませ〜ん、これ、おかわりくださ〜いっ」
答えるウェイトレスさん。
「ごめんなさい、今日はもう売り切れなんです。また明日頼んで下さいね。」
残念。
「仕方ないわね。明日の楽しみに取っときましょうよ。」
「明日は必ず食べてみせますっ」
だんっと、椅子に片足を乗せ天を見るアメリア。
・・・こんなのことでガッツポーズしないでよ。


え〜と、ぷるぷるしてて・・・たしか名前が・・そうっ!「ぷりん」!
あたしがみんなと違うものを食べたとしたらこれしかないはずである。
少なくともそれ以外はガウリイと同じ物を食べていたのだから、彼も小さくなってなきゃおかしい。・・・・・まぁ、ガウリイだからってのもアリかなぁ・・・
・・・でも、デザートで幼児化するってのも聞いたことないけど・・・・
って、あたりまえよね。
そいじゃぁ、あに、ハンサム君ってのがあやしいか。



「リナ。」
びくっ
「うひゃっ」

「あ〜驚いた。いきなり話しかけないでよ。びっくりしたじゃない。」
「そんなに驚くほどでもないだろ。」
「で、なによ。」
「それ、戻るのか?」
「・・・あたしに聞かないで。わかるわけないでしょ〜が。」
「・・・そうか。」
ぽんぽんっといつものようにあたしの頭を叩く。
なんかむかつく
最近あたしはこれをされるたびに胸がむかむかしてくるのを感じていた。
「子供扱いしないで。」
「けど、ほんとに子供じゃねーか、今。」
むかむかっ

ばんっ!その時勢いよく扉が開いた。
「リナさんっ!お待たせしましたっ買ってきましたよっ!」
後ろに続くゼル。その両手には・・・
「って、なんなのその包みの大きさはっ!一体どんだけ買ってきたのよっ」
でかい包みがひとつ。
「ふっふっふ、ちょっと待ってて下さい。」
アメリアはゼルからそれを受け取るとガサガサと中身を出し始めた。
「最近の子供服っていろんなのがあるんですねぇ。すっごい迷っちゃいました。でも、すっごく可愛いのを見つけたんですぅ!ねっゼルガディスさんっ」
「あ、ああ・・・・」
なぜかあたしの方を見ないゼル。

ん?

アメリアが白いふかふかした生地の服を包みから出した。
「これですっ!じゃ〜〜んっ!!見て下さいこれっ可愛いでしょう!」

・・・・・はい?
アメリアの手の中にあるもの・・・・・ど〜見ても・・・・真っ白のうさぎの着ぐるみにしか見えない。
しばし呆然としたのち、はっと我に返る
「あ、そっかアメリア。あんたあたしにケンカ売ってんだ」
「ちがいますよぉ。絶対似合ってますって!はやくリナさんがこれを着たとこが見たいんですからっ早くきがえましょうよ〜」

「なっなに言ってんのよっあたしがそんなのきれるわけないでしょ!ほら、ガウリイあんたもなんか言いなさいよっ!」
「俺、それ着たとこ見たい。」
がくぅ〜
こうなったらゼルに止めてもらおうと、ゼルの方を見るが、
しかし、ゼルは沈痛な面持ちであたしにこう言った。
「リナ・・・・あきらめろ。」
はぁ〜(泣)
「リナさん、朝食まだでしょう?早く着替えて食べましょうよぉ。」
あ、さっきからせつなかったのは、そのせいか。
それにしても、このあたしが食事を忘れるなんて・・・自分でも思ってた以上にショック受けてるみたい・・・
「さあっ!ゼルガディスさんとガウリイさんは出ててくださいよっ!着替えるんですから」
「ホントにこれきるのぉ〜!?」

・・・・・田舎の姉ちゃんに見られたら・・・・けど、なんかもう、誰にもアメリア止めらんない・・・・



結局、あたしはアメリアの用意したうさぎさんを着ることになってしまった。
だって、このままじゃどこにもいけないんだもん。シクシク・・・・


んしょっと。
・・・ぴってりでやんの。
案外着心地はいい。ふかふかだし暖かい。
くるり。鏡の前で一回り。
あたしってば、ぷりちー(はあと)
はっ!はまってど〜すんのよあたし・・・・
さっきから横でアメリアが目を輝かしている。
「リナさんっほんっっとーに可愛いですぅ!」
ぎゅむむむむむっっ
いきなり後ろから羽交い締め・・じゃなくて抱きしめられる。
「ア、アメリア、苦ちい・・・・」
「あ、ごめんなさい、つい。でも、本当に可愛いですよ♪」

こんこん。
「リナぁ、もういいかぁ?」
「いいですよ、入ってきて下さい」
がちゃり。
入ってくる3人。
・・・・って、3人!?
「おお!うさぎさんだっ!ぷぷっかわいいぞっリナ。」
「なかなか似合ってるじゃないか。ずっとこれでいたらどうだ。」
「いやぁ、さすがリナさん。何を着ても似合いますねぇ。とっても可愛いですよ♪」
ぷち。
「なあ〜んで、ゼロスっあんたがここにいんのよっ!」
「あ、そういえば、どうしてここにいるんだ?ゼロス」
「今更何を言ってるんだ・・・さっき下でいきなりあらわれたんだ。」
「ってぇことはやっぱり!あんたの仕業なのっ!?」
黒髪の神官はにっこり笑うと、
「いいえ、残念ながら僕じゃないんです。」
「そんな嘘があたしに通じるとでも思ってるのっ!」
「嘘じゃないですよ。犯人は、昔、リナさんに潰された盗賊団の生き残りの人たちです。復讐するために薬で小さくしたところをねらうおつもりのようですよ。」
「なんであんたがそんなこと知ってるのよ。」
「通りすがりに耳にしまして。」
「・・・・うそくさい。」
「僕は嘘はつきません」(にっこり)
(ただし、その人たちに薬を渡したのは僕ですけどね)
こっそりと心の中でつぶやく。

「ふ〜ん・・・とにかくそれは本当なのね。・・・・おにょれぇぇ!!許さんっ!あたしをこんな目にあわすなんてっっ!見〜〜て〜〜ろ〜〜〜!!!」
うさぎさんのバックに炎が広がる。
「う、うさぎさんが怒ってるっぷぷっ」

むかっ
すぱこぉぉぉん!!
奥義・スリッパアタック!!ガウリイ専用鉛入りっ!!

「・・・小さくなってもやることは変わらんな・・・・」

ぴくついてるガウリイはほっといて、これからどうしたらいいか話し合った結果、何もしないことになった。
・・・別にあきらめてるわけじゃない。
相手がどこにいるのかわからない以上、下手に動かない方がいいのだ。

あたしを狙ってくるっていうなら、受けて立つわっ!
そもそも、幼児化させたくらいであたしに勝てると思うのが大間違いなのよっ!!
ふんっだ!






=================================−

どうも、こんにちわぁ。かたつむりと申します。
こりずにやってまいりました(^^;
予定ではラブラブものにするつもりだったんですが・・・・
ギャグになりそうです。
やっぱ、自分自身がギャグ体質だから・・・(^^;
(でも、無理矢理しちゃおっかなぁ)
それでは、また!
感想お待ちしておりまする・・・・
























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8147はじめましてです飛来 鳳 E-mail 11/9-18:54
記事番号8144へのコメント

 はじめまして〜。「ちびうさリナちゃん(はぁと)」のかわいらしさを頭の中に
想像(妄想)し、おもわずコメントを付けさせていただきました。
 
 うろたえるリナちゃんがとにかく可愛いです。せっかく5歳児サイズになったのだから、
どんどん着せ替えさせてくださいな(^^)個人的には、お姫様ドレスのような
ぴらぴらフリルのお洋服なんかも可愛いかと思います。あ、でも、着ぐるみ系も捨てがたいですね。
ウサギさんはもうやったので、次はピ○チュウとか(笑)

 ・・・なんだかコメントではなく、むしろリクエストのほーが正しかったですね(^^;)
続きも楽しみにしていますので、頑張ってください(^^)

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8157Re:はじめましてですかたつむり E-mail 11/11-15:27
記事番号8147へのコメント

>
> はじめまして〜。「ちびうさリナちゃん(はぁと)」のかわいらしさを頭の中に
>想像(妄想)し、おもわずコメントを付けさせていただきました。
はじめましてぇ〜!!(^^)読んでくださってありがとうございます!
あはは、どんどん妄想してください(笑)
>
> うろたえるリナちゃんがとにかく可愛いです。せっかく5歳児サイズになったのだから、
>どんどん着せ替えさせてくださいな(^^)個人的には、お姫様ドレスのような
>ぴらぴらフリルのお洋服なんかも可愛いかと思います。あ、でも、着ぐるみ系も捨てがたいですね。
>ウサギさんはもうやったので、次はピ○チュウとか(笑)
お姫様ドレスかぁ・・・いいかも(笑)
アメリア暴走させちゃおっかなぁ〜?(笑)

>
> ・・・なんだかコメントではなく、むしろリクエストのほーが正しかったですね(^^;)
いえいえ、なんでもいいですよぉ。遠慮なく書いてくださいませ。

>続きも楽しみにしていますので、頑張ってください(^^)
>は〜い!ちょっと今日は駄目ですが・・・
8割がたできてるので、中編は明日には・・・(いいのか?そんなこといって!?)
それでは、また!!

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8159リナ、受難の日(中)かたつむり E-mail 11/12-17:13
記事番号8144へのコメント




「ん〜、満腹満腹〜♪」

とにかく、朝から何も食べてなかったあたしは階下の食堂へ行きお腹を満たす事にした。
さすがに、5歳児の体では少ししか食べれなかったが。

「・・・リナさんすごいですねぇ。その体のどこに定食後人前が入るんですか?」
アメリアが目を真ん丸にして言う。
これくらいで驚いてちゃだめよっ!
「かなり燃費が悪そうだな。」と、ゼル。
それは言わないで。
「うさぎさんはよく食べるなぁ。」
「ガウリイ、さっきからなんであたしのことうさぎさんっていうのよっ」
「だって、うさぎさんじゃないか」
う。
「そうですよ、うさぎリナさん。」
ゼロスまで・・・・。
そう、あたしはずっとうさぎの着ぐるみを着たままなのだ。いいかげんやめさして・・・・。
おまけにさっきからちらちらとこっちをみる視線を感じるし・・・
どうせあたしはうさぎさんよっ・・くすん


「うさぎのおじょうちゃん可愛いねぇ。」
食堂のおばちゃんが話し掛けてきた。
「あ、あはは、ありがと。」
もこもこの白い手を振るあたし。
「よしっうさぎちゃん可愛いから食事代ちょっと負けてあげるよ。」
え!
「きゃあ!おばちゃんありがとぉ♪」
結構いいかもしんない。このかっこ、はは。



「あ。」
いきなりゼロスが小さく声をあげた。
「どうしたのよ。」
「ええ、うさぎリナさん。さっき宿の外に出ていった人、盗賊の方のように見えたんです。」
「なんですって!」
こうなったらっ

「レイ・ウィング!!」

「・・・と、思ったんですが違ったようです。と、あえ?もういませんね。」

「ちょっ待てリナ!!」
「どこ行くんです!」
「おいっおまえ小さいんだぞっ」
慌てて追いかける3人。

くすくすくす・・・・
「せっかちさんですねぇ」






その日、まちなかでは空飛ぶうさぎが見れたという・・・

「おいっ向こうの方からなんか白いのが飛んでくるぞっ!!」
「はぁ?ああ、ほんとだ。何だぁりゃ・・・・・うさぎかっ!?」
「っておいっ!うさぎって空を飛ぶもんなのかっ!?」
「しっ知らねーよっ」

「きゃぁ!うさぎが空を飛んでるわっっ」

「わしゃ、この歳まで知らんかったのぅ。うさぎが空を飛ぶものとは・・・」

「ママぁ。見てぇ、うさちゃんだよぉ」
「まぁ?どこにうさちゃんが・・・きゃあ〜〜う〜さ〜ぎ〜が〜そ〜ら〜を〜〜!」
「ママぁ?」

数々の人々を混乱させたうさぎことリナは結局ゼロスの言うところの盗賊を見つけることは出来なかった・・・・・・当たり前だが。

くすくすくす・・・・
「本当に楽しませてくれますねぇ、リナさんは。」




はぁ、はぁ、はぁ・・・・・

傍らにある木に手をついてしばし休む。

もうっ結局見つからなかったじゃないのっ
2時間も探し回ったのにぃ〜っ

「あ〜あ」
ぺたん、とその場に尻餅をついて座る。
「いつまで、この姿なんだろ」
ぽろっとこぼれる疑問。
しゃれになんないよ。
こんなの・・・

普段でも、子供扱いなのに。
これじゃあ・・・・

でも、変わらないのかもしれないな。
あいつにとって、あたしは。

コドモなのよ
女として見てもらえない
気づきもしないんだから、あたしの気持ちなんて

思って、ふと淋しい笑みがこぼれる。
あれじゃあ、気づきもしないか。

二人の位置は決まってる。
それ以上近くもないし遠くもない。
この関係を壊したら・・・・
どうなるんだろうか。


まだ、しばらくは・・・このままで。



「リナ」
いきなり背後からあたしを呼ぶ声が聞こえる。
!!この声は・・・
「なに?ガウリイ」
内心の動揺を隠すべく、努めて平静をよそおって答える。

「いや、探したぞ。お前、今小さいんだから無理すんなよ」
「はいはい、わかってるわよ」
「・・・お前それ全然わかってないだろ・・・はぁ、少しは心配するこっちの身にもなってくれよな」
あたしの横に腰をおろしながら言うガウリイ
「わかってるわよ、保護者さん」
言って、自分の言葉に傷つく
言わなきゃよかった・・・・
不意に、ふわっと、身体が持ち上がる。

ええっ!
あたしはガウリイに抱き上げられ、投げ出したガウリイの足の上に座っていた。
「ちょっなっなにすんのよっ」
なに考えてんのっ!?
「いやあ、なんか、ちいこくて可愛いなぁと思って」
言いながらあたしの頭をおっきい手でなでる。
「なっあっあたりまえでしょっ!あたしを誰だと思ってんのよっ!美少女魔導士リナ・インバースよっ」
「顔、赤いぞ。うさぎさん」
くすくす笑いながら言うガウリイ

いきなり、そっと、抱きしめられる。
「リナ」
え?ガウリイ?
何か言おうとして口を開こうとした瞬間、朗々と歌い上げるように響く声が聞こえてきた。

「は〜っはっはっは!リナ・インバース!どうだその姿はっ!気に入ってくれたかな!?我が同胞の恨み!今日こそはらさせてもらうぞっ!」
チっと小さく舌打ちして、すっく、とあたしを抱っこしたまま立ち上がるガウリイ。
・・・今の舌打ちどういう意味?

と、それより今のがあたしをこんな姿にした奴等か・・・あたしとした事が柄にもなく落ち込んじゃったじゃなのっ!!・・・・・・ぶちのめすっ!!

ばらばらばら・・・と、20名ほどのごろつき土もが出てくる。
一応精鋭らしくいい体格をしている・・・・が、甘い!
「ふ、少ないわね」
鼻で笑うあたしにガウリイが一言
「抱っこされたままで言っても全然決まらないぞ、そのセリフ」
ごめしっ
よっしゃ決まったぁリナちゃんスクリューアッパ〜!
すとん、と地面に降り立つあたし。
「お、お前なぁ、それ痛いんだぞぉ」
アゴをさすりさすり言うガウリイ。


一方、ぼそぼそと、話しているごろつきさん。
「な、なぁ、どこにあのリナ・インバースがいるんだ?」
「え?今のアッパーかましてたやつじゃねえのか?」
「まさか、あれはうさぎだろ?」
「おいおい、うさぎがしゃべるかよ」
「いや・・根性でなんとか・・・」
「どこの世界に根性でしゃべるうさぎがいんだよ」
「そ、そうか・・・じゃあ、あれがあのリナ・インバースか・・・・」
「そう、あのちびうさぎが・・・・」
「うさぎが・・・・」
「うさぎが・・・・」
「うさぎが・・・・」

おいおい・・・

「え〜いっ!!何をぼそぼそ言ってるんだ!あれこそが、我が同胞たちを苦しめた、あのっリナ・インバースなのだぞっ!今、ヤツを倒さんでいつ倒すのだっ!!」
リーダーらしき中年親父が叫んでいる。

「いやぁ・・・うさぎさんだから・・・」
ごろつきのひとりが答える。
「は?」
「うさぎさんは可愛がれっておふくろが・・・」
ずりっ
こけかけてるおっさん。
・・・後悔してんだろうなぁ、こんなやつらが部下なの・・・

「ええいっ!お前はマザコンかっ!?アレはうさぎの皮をかぶった偽物だっ!別にやっつけてもいいんだっ!」
「え、う〜ん・・・でもなぁ?」

ちょっと・・・うさぎの皮って・・・・

「・・・仕方ない、お前たちっ!あれは、うさぎじゃなくて、耳の長い白いねずみだっ!やれぇっ!!」
「おぉっ!なるほど!」
「そうかっ」
「いくぞっ」
「「おおぉ〜〜!!」」

「おもしろい連中だなぁ」にこやかに見物してたガウリイ

ねずみだったらいいんかい・・・・それもかなり無理があるでしょ・・・

「はあ、とにかくさっさと片づけちゃいましょか」
ため息をついてガウリイに言うあたし。
「おうっ」
答えながらもう走り出しているガウリイ。

一人、二人と次々にガウリイの剣に倒れる敵

よしっ呪文完成っ!
「ファイヤーボール!!」
ごごぅっっ!!
うっしゃ!
相手が固まっていたためかなりの数を戦闘不能に追い込んだっ
「ね・・・ねずみにやられた・・・・」
・・・・まだ言うか・・・

こうなったら!
「ゼラス・ブリッド!!」
光の帯が確実に的を狙うっ
あたしが狙ったのは、もちろんリーダーらしい中年親父である。
「うぎゃあああぁぁああ!!」
ぱたっ。
派手な叫び声・・・
威力は弱めてあるが、痛いのに変わりはないんだろう。

「あぁ!ゴンザレスさんっ」
声が上がる。

「で?まだやる?」

「ひ、ひぃいいいっ」
「に、にげるぞっ」
半数以上やられたうえ、頭をやられては仕方ない、と悟ったか、倒れている仲間を抱えて逃げ出す彼ら。

その彼らを横目に見ながらこっちに歩いてくるガウリイ。
「リナにしては手加減してたな。いつもなら容赦ないのに」
うるさい
「こいつに、元に戻る方法を早く聞きたかったからね」
と、足元に転がる中年男、ゴンザレスとか呼ばれていた奴を見る。
さあ、どうしてくれようか?




「・・・・う・・・・!」
ゴンザレスは小さなうめき声をあげると、うっすら目を開けた。
「気づいたようね(にっこり)」
「・・・くっくそっ・・」
あたしの声で自分の今の立場に気がついたようである。
逃げ出そうとしたようだが、あたしの呪文を受けた後に動ける奴なんてガウリイくらいなもんである。

「さあて、ゴンザレスさん?あたしの身体を元に戻す方法、モチロンしってるんでしょうねぇ?」
笑顔で問うあたしに、何故か顔を引きつらせるゴンザレス。

「え・・・あの・・・」
「まさか、知らないなんて言わないわよねぇ?」
「その・・・」
「言わないわよね?」
「・・・・・・知らないです」

・・・・・・・・

「なっ・・・なんですってぇっ!!あんたいうにことかいて知らないだぁ〜!?そんなこと通じるわけないでしょっっ!!」
ぐわしっと胸ぐらをわしづかみ、よれよれのゴンザレスを振り回す。

「や、やめ・・・」
涙を流しながら訴えるゴンザレス

かまわず続けるあたし
「それより、一体どっからそんな薬手に入れてきたのよっ!それぐらい言えるでしょっ!」

ようやく振り回すのを止め、返事をまつあたし。
・・・・・・あれ?

「あ・・・」
「あ〜あ、気絶しちゃった・・・・」
一部始終を横で見ていたガウリイが、ポツリ、とつぶやく。
「うっうっさいわねっ、ああ〜っこれからどうしよぉぉ〜」
頭を抱えて叫ぶあたし
「お、落ち着け、リナ」
「これが落ち着いてられますかって〜のっ!!」


「お困りのようですねぇ」
すぐ近くの樹の影からひょっこり姿を現わすゼロス
「う、うあっいきなりあらわれないでよっゼロス!!」
「いやだなぁ、リナさん。僕がいままで普通に現われたことがありましたか?はっはっは」
う。
「ははは、そういえばそうだなぁ」
なんか、二人で笑ってるし・・・

「もうっそれで?なんの用よ」
「いえね、困ってらっしゃったようですから、なにかお手伝い出来ることがあるかと思いまして」

・・・・・・・・・

「・・・なに企んでんの?」

「はっはっは、何を言ってるんですか。何も企んでませんよ」
・・・・・こいつあんまし表情変わんないから読めないのよねぇ・・・
って言うか魔族だし・・・

「・・・念のために聞くけど・・・あんた、元の姿に戻す方法・・・なんて知らないわよねぇ」
ふぅ、とため息をつく
「あ、知ってますよ」
そうよねぇ、知ってるわよねぇって!?
「ちょっ・・あっ・・・ほっ・・・」
「「ちょっとあんたほんとに知ってるの?」って言いたいらしい」
解説するガウリイ
なっなんかむかつく・・・

「ええ、知ってますよ。こういうのには取って置きの方法があるじゃないですか」
へ?
「魔法で姿を変えられたお姫様を元の姿の戻す方法といったら一つしかありませんよ♪」

・・・な〜んかいやな予感が・・・・

「なんだぁ?その方法って?」
首をかしげるガウリイ

「ま、まさか・・・」

「王子様のキスです♪」

なっ
かぁああああああああっっ!!

「へぇ〜そうなのか」
納得すんなっガウリイ!!

「やっぱ、王道じゃないですかぁ♪」
くすくす笑いながら言うゼロス
「ちょっとまっ待ってよっ!そんな馬鹿なことがあるわけないでしょっ!そんなんで元に戻るわけないじゃないっ」
「なら、試してみたらいいじゃないですか。ちょうどここにガウリイさんもおられることですし」
だあああああっ!!にっこりしながらなんてこと言うかなぁっあんたわぁっ!!
ガ、ガウリイの方見れない・・・・

「・・・・そうだな、試してみるか?リナ」

!!!!!

「う・・・・あ・・・?」
あたしが答えるよりも早くその辺で気絶していたゴンザレスが小さくうめき声をあげた。

ぴく、と反応するガウリイとゼロス。

「あ、じゃあ、僕はお邪魔のようですから失礼させていただきます。」
そそくさと立ち去ろうとするゼロス
「あ・・あんたは・・・・あの薬をくれた人かい・・?」
ぼやけてるのか目をこすりながらゼロスの方を見て言うゴンザレス

・・・・・なんですって?

「ゼロス、待ちなさい」

立ち去ろうとしてあたしに背を向けていたゼロス
ぎぎぎぃっと、あたしに顔を向ける
その頬に流れる汗ひとすじ・・・・


その場に流れる空気にびびったか、這いずりながら逃げるゴンザレス
もうこいつにかまってるヒマはない。

〜四界の闇を統べる王
 汝の欠片の縁に従い
 汝ら全員の力もて
 我にさらなる魔力を与えよ〜

「あ、あははは・・・いやだなぁリナさん。そ、そんな小さい身体で無理は禁物ですよ?」

〜悪夢の王の一片よ
 天の戒め解き放たれし

「だ・・だから、無理をしては・・・」

〜凍れる黒き虚無の刃よ

「ガ、ガウリイさんっ止めてくださいっ」
ガウリイの方を振り向いて言うゼロス

〜我が力 我が身となりて 
 共に滅びの道を歩まん

「・・・・我慢しろ」
容赦なく言うガウリイ
「も、元にっ元に戻して差し上げますからっ!!やめてくださひ・・・」

〜神々の魂すらも・・・・

すっ・・・・と、闇に紛れるゼロス

ちちぃっ!!
アストラル・サイドに逃げ込んだかっ
あとちょっとだったのにぃ!
仕方なく、せっかく唱えた呪文を中断する
「ゼロスっ!いるんでしょっ早く元に戻しなさいよっ!!でないとそこら中ぶった斬るわよっ!!」

「おや、いいんですか?今、元に戻して」
さっきとはうって変わったゼロスの余裕の声が虚空から聞こえてくる
むっむかつくぅ〜!

「何で今元に戻したら駄目な・・・あ・・」
思い付いて赤面する

今、元の大きさに戻ったら・・・・服・・・・どうなるんだろ・・・

「あ、別にそれでよろしいんでしたら今すぐにでもやりますけど」
くすくすくす・・・ささやくような笑い声が聞こえてくる

「うあああああっ!!ちょっちょっと待って!や、宿!そう、宿に戻ってからにして!」

「え〜、もう元にもどるのかぁ〜?うさぎさん可愛いのに」
今まであたしとゼロスのやり取りを横で見物していたガウリイが急にそういった

「なっなにを言い出すのよ、あんたはっ!」
「だって・・・ホントに可愛いぜ?」
臆面もなく言い出すガウリイ

「なっ・・・・!!!」
ぼんっ!!
顔が、身体が熱い。

「おや、リナさん顔が赤いですよ?風邪でもひきましたか?」

こっこいつ・・・いけしゃあしゃあとぉ〜〜〜!!!
くっくやちぃ・・・・



「とっとにかくっ!宿に帰るわよっ!宿に!」

いきなりダッシュするあたし
「いっちゃん最後の奴は晩飯おごりよぉ〜〜!」
照れ隠し(?)のセリフを残して

「えぇっ、待てよ〜ずりいぞリナぁ〜」



「くすくすくす・・・・僕、魔族なんですけどねぇ」




<つづくっ!!>

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はぁ、つ、疲れたぁ・・・(^^;
予想以上に長くなってしまった中編でした。
読んでくださった方、お疲れさまです(笑)
つたない文で、ほんと申し訳ない・・・
次で、終わりです。(多分)
待っててくださいね〜

できれば、感想などお待ちしております。
文句でもリクエストでもいいっす。
メールも待ってるんでよろしくです。
んでは!








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8160お待ちしておりました飛来 鳳 E-mail 11/13-00:37
記事番号8159へのコメント

 おおぅ、お待ちしておりました(^^)今回もウサギさんのかわいさ大爆発ですね♪
 いいなぁガウリィ。私もウサギさんだっこしたいですぅ。ふわふわのもこもこ・・・うっとり(いっちゃってます)

 ゼロス君の仕業とばれたとこであっさりと元に戻れるのかと思いましたが、もう一波乱ぐらいありそうですね。
果たしてリナちゃんにキスをする王子様は誰になるのでしょうか♪わくわくしながらお待ちしてますです(^−^)