◆−りとる・しあたぁ《第一幕》−神代  桜(11/18-12:52)No.8184
 ┣わ―――――い♪−ユノア(11/18-17:25)No.8190
 ┃┗いらっしゃいませ天使さま♪−神代  桜(11/19-23:59)No.8195
 ┣りとる・しあたぁ《第二幕》−神代  桜(11/23-14:47)No.8206
 ┃┗嬉しい!!と同時にすみません・・・・−ユノア(11/27-00:11)No.8227
 ┣りとる・しあたぁ《第三幕》−神代  桜(11/28-00:55)No.8232
 ┃┣幸福の絶頂〜−庵 瑠嬌(11/28-14:40)No.8238
 ┃┃┗罪悪感〜・・・−神代  桜(11/29-00:36)No.8243
 ┃┗最高でしたぁ!!−ユノア(12/1-00:02)No.8250
 ┃ ┗すいませんんんん。−神代  桜(12/2-21:48)NEWNo.8259
 ┗りとる・しあたぁ《第四幕》−神代  桜(12/4-22:39)NEWNo.8283
  ┗きゃ――――!!嬉しすぎぃぃっ!!!−ユノア(12/5-04:18)NEWNo.8289


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8184りとる・しあたぁ《第一幕》神代 桜 11/18-12:52


こちらにいらっしゃったとっても心優しい天使のような皆様へ。
こんにちは神代 桜です。はい♪ コンチェルトはどうなったのかと白い目で見つめられること覚悟でなんか別物だしちゃってます。
タイトルが音楽系じゃないところからピンときた方はすばらしい☆ ええ、今回は学園モノです。でもただの学園モノじゃないのでよく、下記の設定をご参照くださいましね。↓
☆ 個人個人の設定は原作と変わっておりません。リナちゃんは魔道士。ゼロス
は魔族です。
☆ リナちゃんたちのいる学園は全寮制の魔道や剣術を学ぶところです。
☆ スレイヤーズのパラレルワールドだと思ってくださいまし♪ 以上です。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

「学園祭?」
言われてリナは椅子の上で勢いよくふりかえった。
窓からさしこむ光の前に、栗色の髪が乱舞のように散り、その大きな緋色の瞳にはわずかに驚きの色がはいっていた。
「そうですよ、明後日ですよ?」
「………そ、そうだっけ…?」
「そぉですってば。もう、ちゃんと準備にでてた割にはちゃんと聞いてないんですね。」
対して少女は、まるで鉱石のような、張りのある艶やかな黒髪を手櫛でときながら、ぷうっと頬を膨らませてみせる。
「明日の劇の主役、リナさんなんですよぉ。」
白の寝間着に身を包み、柔らかい綿の布団の上でころころと転がりつつ、責めるような声をあげる彼女。
そんな彼女から視線をずらして何気に部屋を見渡してみる。
丈夫そうな漆喰の白いかべに、大きな木枠をはめこんだガラス張りの窓。付属の机とテーブルはシンプルながらも素材はよさそうである。
日の沈んだ今は、明かりの光源は四つの壁にとりつけられたランプのみだが、それでも充分に明るい。
(ま・学園の寮としてはけっこうシャレた部屋よね)
リナは背もたれに手をのせるとその上に顎を置き、軽く天井を仰いだ。
「聞いてるんですか!? リナさんてばっ!」
「ああ、はいはいごめんね、アメリア。聞いてるわよ続けて。」
いつになく詰め寄ってくる彼女相手に、ぱたぱたと手をふりながら促す。
(――にしてもなんでこの子こんなムキになってんだろ……。)
いつもは面倒くさくてサボる魔術の論文も、今回ばかりは学園祭で発表するため、早くに提出している。今朝の朝ご飯だって、彼女の好きなデザートはさすがにとっておいてあげた……。
「だいたいセリフはちゃんと覚えてるんですか? 《真紅の塔》の主役志望、多かったんですからね。それにゼルガディスさん相手にヘマはできませんよっ」
(あっそっかあ…)
とたんピンとくるものがあってリナはアメリアに対してにまにまと笑みを浮かべた。対してアメリアはひたと行動をとめてずりずりと後ずさっている。
「な・なんですか、急に…」
「あんた、ゼルがあたしの相手役だってことにヤキモチやいてんでしょ。」
「なっ!? そ、そんなコト……」
みるみるうちに彼女の顔が紅潮してゆく。白い寝間着のすそをもじもじと指に巻きつているあたり、図星のようだ。
「だぁいじょうぶよ! キスシーンがあるわけじゃないし。お芝居よ、お芝居。」
ね? といってリナはけたけたと笑いながらアメリアの背中をぽんぽんと叩いた。彼女はおずおずと顔をあげると、そんなリナを見上げて
「でもリナさん。くれぐれも気をつけてくださいよぉ」
「? なにが?」
「なにが…って、だって――!」
首をかしげるリナに、アメリアは思わず目を見開きながら、大きく身を乗り出し…
「《真紅の塔》って、主人公が二人の男の人から同時に求愛される、なんともおいしい話なんですよお!! しかもその役はガウリイさんたちだし……!」
「だからなによ?」
「ああー、もぅ!」
一向に事の重大さに気付かないリナに思わずベットを叩くアメリア。
「いいですか? 学園の二大プリンスに求愛される役ですよ! 当然周りの女の子たちから反感かうに決まってんじゃないですかあ! いままでだってトラップだらけの毎日でしたし……。ホント、リナさんが呪術士クラスの女生徒とだけは仲良くてよかったですよ。」
「だけってなによだけって…」
「だってえ、呪術士なんか目ぇつけられたらそれこそ人生終りですよ! ああ、わたしなんだか心配になってきました。」
言って胸元を押さえながら額に手の甲をおしつけ、ふらりとよろめいてみせた。(たしかこの動作、《真紅の塔》の振りだったと思うんだけど……。)
思いながらも少々の罪悪感。
別に主役を希望したわけではなかったのだが、全員平等に。ということで全員でくじをひいたところ…
(当たっちゃったんだもんなあ…)
コンコン。
思った矢先、不意にノックがされた。
「リナさん? よろしいですか?」
「どうぞ、開いてるわよフィリア。」
扉のむこうからかかった声にそう返事をかえすと、キイ、と軽い音をたてて戸が開いた。
入ってきたのは見た目二十歳前後の金髪の女性。一見清楚な雰囲気を漂わせてはいるが、その瞳にはどうみても気の強そうな色がさしている。
「どーしたの? こんな遅くに。」
「あの、まだ月もでてませんが…」
「あたし達にとってはもう寝る時間なの。ついでに言っておくと今日は寝待ち月だから出てくるのが遅いのよ。」
ちらりとリナの机の上に置いてあった時計に目をやりつつ、フィリアにリナはすっかり寝る用意のできたベットを指さしてみせた。
じっさい時刻はまだ午後の八時前ではあったが、ここのところの学園祭に向けての準備を考えると、やはり寝ておきたいところである。
「でも珍しいですね。管理人さんがあたし達の部屋に遊びに来るなんて。」
「遊びに来たんじゃありません!」
無邪気にベットの上でうつ伏せに両手で頬杖をつくアメリアに、フィリアは訂正を告げるとすいっとリナの方に向き直った。
「男子寮の寮長が、こちらの寮長にお話があるそうです。」
「あたしに?」
その言葉を理解するのはた易かったが、リナは思わず聞き返していた。


「わざわざこんな時間に、ご苦労様なことねー。」
ふわりと、栗色の髪が歩くと同時にやわらかくゆれだす。
ゆったりとした裾の長い若草色のワンピースを着た彼女は、ゆっくりと歩を進めていく。
一階にある入り口前のロビーは、夏休みに実家に帰る際、迎えの馬車待ちでごった返すだけで、普段はいたって静かな場所となっていた。
「いえいえ、こちらこそ。わざわざお呼びたてしてしまって申し訳ありません。」
そこに置いてあるソファーの上。やはり静かに座っていた男は、やってきたリナの姿を確認すると、すっと立ち上がり、軽く礼をしてみせた。
細身の黒いシャツに、すとんと下まで落ちた黒のスラックス。
言葉だけをみればなかなか紳士的ではあったが、その得体のしれない笑みを浮かべたままではかえって妖しく見えるというものだ。
顔を再びあげた際にぱらりと顎のラインで揃う髪はよどみのない夜色をしており、それは見るものの瞳に美しく映る。
「えーえー、おかげで様でわざわざ着替える羽目になったわ。――で? 一体あたしに何の用?」
「やだなあリナさん。そんなツレないこと言わないで下さいよう。僕がせっかく会いにきたっていうのに…」
「用かないなら帰るわよ、あたし。」
「リナさんてばー」
「ええぃ、くっつくな!!」
オッホン。
結果的には抱きつかれ、もみ合っていたところに……なにやらわざとらしい咳払いが聞こえてきた。
――フィリアである。
管理人の受付口からジト目で睨むと、トトトトトン! と窓口横の張り紙をペンで叩くのである。張り紙の文句は次のとおり。
『寮内での男女交際。および男子生徒の女子寮へは侵入、押し掛け、硬く禁ず』
「ゼロス。そういう卑猥な目的でリナさんに近づくのなら、そっこく学園長に報告してその寮長の座、剥奪させていただきますよ!」
「その前にあなたの管理人としての職の方が先に取り上げられると思いますよ?」
ぷち
(あ、キレた。)
音など聞こえるはずもないのだが、なんとなくそんな音がしたように思えてリナはとりあえずカヤの外へと非難した。
「っっっっったく、あなたって人はちょっと自分が理事長のお気に入りだからって寮長の座に居座ったばかりでなくいけしゃあしゃあと魔道士クラスにいつのまにか転入しあまつのさえ職権濫用をはたらくなんて!!! たかが…たかが魔族のクセにいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「さ、リナさんこんな爬虫類はほっといて待ち合い室でゆっくりと続きを…。」
「あ、待ちなさい! ゼロス、ゼロスうぅぅぅぅぅぅぅ!」
バタムン!
管理人の絶叫も空しく、二人は――というより片方は無理矢理引きずられながら――来客用の待合室へと姿を消した。


「――ではとりあえず本題にはいりましょう。」
一体何時の間に用意したのやら、ゼロスはソファーの上で紅茶をトポトポ注ぎながら、得意の薄笑いを浮かべていた。
「リナさん明日の衣装、どうなさっています?」
「はあ?」
カチャリ…。とさしだされたカップを前に、リナは間の抜けた声をあげる。
待合室は普段使われることが少ない分、いまやフィリアのコレクションにうめつくされてはいるが、配置はなかなかセンスがあるようで、そう息詰まるようなほどでもない。
「それのドコが本題なのよ」
「いえ、つい今しがたこのようなものが届きまして…」
かさ…。
足の低いテーブルの上に差し出されたのは、一枚の薄っぺらい白の封筒。特ににどうといった縁取りもなにもない簡素なものである。
「……これ…」
緋色の瞳が大きくひらかれる。それをとろうと手を伸ばして、やはり躊躇の意志がはいったのか寸でで手を止めてしまった。
しかし驚きの色にそまったその目はすぐに半眼にとうってかわり…。
「もしかしてこれって…例のお約束ともいうべき……」
「ええ、脅迫状です。」
さらりと告げられる。
あう。
リナは思わずうめいた。額に手の甲を押し当て、漆喰の天井を仰ぐ。
視界にはどこで調べたのかは知らないが、ゼロスがきっちりとリナの好みの分量のミルクと砂糖を彼女のカップにいれていた。
「でも、どうせそんなのウチのクラスの女生徒でしょ? とっとと筆跡から犯人割り出しなさいよ。」
「それは無理なんですよ。」
「?」
その言葉に、リナはテーブルについていた頬杖を崩し、やや斜めに向けていた体をまっすぐにゼロスの方へとむけた。
すると彼もまたそんな彼女の姿に満足げに笑みを浮かべると、ひらひらと封筒を持ち上げ
「封筒、便箋、ペン、インクはもちろんのこと、文字は改行されるたびに筆跡すらばらばらでして。
――つまり、グループで動いているようですね。」
にこり。
(をい。)
思わずそのままテーブルをひっくり返してしまいたい衝動に駆られたが、なんとか堪えて彼から手紙をうけとった。
そこまで徹底しているのならばおそらくリーダーは頭のキレる人間というわけだが……
「ウチのクラス。みんな頭いいのよね」
「仮にも魔道士のクラスですからねえ。」
「中には魔族もまじってるしね…」
「おや、それは初耳ですよ。」
――とぼけてんじゃないわよ。そう口の中で呟くが、向こうは相手にする気はないらしい。
窓をみればようやく、月が東の空へとのぼりはじめていた。
「――まあ、とりあえずそういうわけですので、やはり定番としては最初に狙われるのは衣装となるわけですので…」
「大丈夫よ。衣装ならちゃんとあたしの部屋においてあるから。つくったのはアメリアだしね。虫ピンが仕込まれてるなんてことはまずないわ。」
さらりと肩にかかった髪を後ろに払った。
口に運んだ紅茶の香りはどこの店のものかはわからないが、ほんのりと薔薇の匂いが鼻孔をくすぐる。
「ならいいんですけどね。」
「あんたねえ、あたしがそこらへんの魔道士のにでもやられると思ってんの?」
「いえただ――。」
言葉をきって紅茶のカップを口へはこぶゼロス。
腕が持ち上げられると同時にシャツに刻まれるしわを何気に見つめながら、リナは言葉をまっていた。そして…
「リナさん、次に勢いあまって学園の備品壊したら、退学ですよ?」
ぱきん。
思わずリナは空になったカップを握力で割ってしまった。破片が手に刺さらなかっただけ、まだ幸運というものであろう。
忘れていたことを思い出させられてジト目で向かいを見やっている。
しかしゼロスの方は、そうして表情をころころと変えてみせる彼女に、くすくすと笑いながらゆっくりと席を立ち
「まあせいぜい気をつけてください。」
振り返りざまにそう一言放つ。
中身のなくなったティーカップがふたつ、いつのまにやらきれいにトレイの上に並べられていた事に首をかしげながらも、リナはすっと上を――つまりゼロスを見上げた。
「ねえ」
「はい?」
今度は右手の掌に左の肘をつき、それで頬杖をつくと
「その忠告、寮長としてのお言葉として受け取ってもいいわけ?」
なぜそう言ったのかは、彼女自身わからなかった。ただ、そういう衝動に駆られたのである。
「――いいえ?」
扉に向けていた身体が、再びこちらに向いた。
二人の間を遮っているのテーブルの幅など、ゼロスの身長ならばこちらに手をのばすのにも差し支えることはない。
ゆっくりと、彼がこちらにかがんでくるのが正面からその瞳にはっきりとうつっていた。
しかしそれはどこか客観的な…劇のワンシーンにも似た一瞬。
(ああそうか…)
気がつけば伸ばされたその腕は顔のすぐ横を既に通りすぎていた。必要以上に近づけられる身体と同時に、こちらも思わずソファーの背もたれにその身を沈める。
(あたし…)
彼の手が頭の横のソファーにやわらかく押し付けられるのが判った。
べつに警戒していたわけではない。目の前男が、これ以上彼女になにかをするというようなことは、あまりにも常識の範疇(はんちゅう)から超越しすぎていたからだ。
そしてそう思う一方で、リナはまた、別の言葉を胸中に解き放っていた。
(こいつを挑発したかったんだ…)
――理由なんてどこにも見当たらないけれど…。
「僕はただ、個人的に心配なだけですよ。」
耳元で囁かれた響き。
それは決して甘やかなものではなかった。冷たく――無機質な声。ただそれに……、リナは抵抗を覚えなかった。
月光がほのかに窓からさし込んでいる。それでも、白く輝くその月ですら、彼のもつ漆黒は侵せないようで――。
ただ少女の髪だけを、薄く透かしている。
それはさながら一枚の絵画のようでもあったのだが、当人たちには気付かぬことである。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ひゃー、続いてますよう。でも大丈夫! こんな私なんかの小説をわざわざクリックしてくださっている、べりぃ・びゅでぃほぅな皆様を待たすことなく、ちゃんと完成してから投稿しました!(私ってばえらい)
でもいっぺんに投稿するのはなんだか長くて皆様の首が痛くなりそうという配慮のもと、ちょっと間隔開けて投稿しますね♪(単にコンチェルト8を少しでも遅らせたいだけです…すいません。)
ではでは感想など、なくても下さいね♪(おい…)
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

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8190わ―――――い♪ユノア E-mail 11/18-17:25
記事番号8184へのコメント

> こちらにいらっしゃったとっても心優しい天使のような皆様へ。

こんにちは、ユノアです!!
って、私も天使だと思ってよいのでしょうか?(笑)

> こんにちは神代 桜です。はい♪ コンチェルトはどうなったのかと白い目で見つめられること覚悟でなんか別物だしちゃってます。

そんなことは、絶対に思いません!!
それどころか、神代さんの小説が読めるってだけで、喜んでおりますもの!!

> タイトルが音楽系じゃないところからピンときた方はすばらしい☆ ええ、今回は学園モノです。でもただの学園モノじゃないのでよく、下記の設定をご参照くださいましね。↓
>☆ 個人個人の設定は原作と変わっておりません。リナちゃんは魔道士。ゼロス
> は魔族です。
>☆ リナちゃんたちのいる学園は全寮制の魔道や剣術を学ぶところです。
>☆ スレイヤーズのパラレルワールドだと思ってくださいまし♪ 以上です。

ピンとこなかった、私は馬鹿者ですねぇ・・・・・
やっぱり、私って、限りなく、想像力ないんですよ。
けど!!学園ものだときいて、わくわくしております。
それでは、読まさせて頂きます!!

>「学園祭?」
> 言われてリナは椅子の上で勢いよくふりかえった。
> 窓からさしこむ光の前に、栗色の髪が乱舞のように散り、その大きな緋色の瞳にはわずかに驚きの色がはいっていた。
>「そうですよ、明後日ですよ?」
>「………そ、そうだっけ…?」
>「そぉですってば。もう、ちゃんと準備にでてた割にはちゃんと聞いてないんですね。」

さすがは、リナちゃん。
そういう細かいことは、気にしないのね。
って、何か違うような気もするのですが・・・・・

> 対して少女は、まるで鉱石のような、張りのある艶やかな黒髪を手櫛でときながら、ぷうっと頬を膨らませてみせる。
>「明日の劇の主役、リナさんなんですよぉ。」
> 白の寝間着に身を包み、柔らかい綿の布団の上でころころと転がりつつ、責めるような声をあげる彼女。

アメリア姫って可愛いですよねぇ♪
見ていて、あきませんし・・・・・

>「聞いてるんですか!? リナさんてばっ!」
>「ああ、はいはいごめんね、アメリア。聞いてるわよ続けて。」
> いつになく詰め寄ってくる彼女相手に、ぱたぱたと手をふりながら促す。
>(――にしてもなんでこの子こんなムキになってんだろ……。)
> いつもは面倒くさくてサボる魔術の論文も、今回ばかりは学園祭で発表するため、早くに提出している。今朝の朝ご飯だって、彼女の好きなデザートはさすがにとっておいてあげた……。
>「だいたいセリフはちゃんと覚えてるんですか? 《真紅の塔》の主役志望、多かったんですからね。それにゼルガディスさん相手にヘマはできませんよっ」
>(あっそっかあ…)
> とたんピンとくるものがあってリナはアメリアに対してにまにまと笑みを浮かべた。対してアメリアはひたと行動をとめてずりずりと後ずさっている。

私も、勿論!ピンと来ました!!
丸分かりですよねぇ。

>「な・なんですか、急に…」
>「あんた、ゼルがあたしの相手役だってことにヤキモチやいてんでしょ。」
>「なっ!? そ、そんなコト……」
> みるみるうちに彼女の顔が紅潮してゆく。白い寝間着のすそをもじもじと指に巻きつているあたり、図星のようだ。
>「だぁいじょうぶよ! キスシーンがあるわけじゃないし。お芝居よ、お芝居。」
> ね? といってリナはけたけたと笑いながらアメリアの背中をぽんぽんと叩いた。彼女はおずおずと顔をあげると、そんなリナを見上げて

こういう時のリナちゃん、楽しそうですよねぇ。
自分が言われちゃ、絶対に、大変なことになるだろうに・・・・
それにしても、やっぱり、アメリア姫は可愛いですぅぅぅ(はぁと)

>「でもリナさん。くれぐれも気をつけてくださいよぉ」
>「? なにが?」
>「なにが…って、だって――!」
> 首をかしげるリナに、アメリアは思わず目を見開きながら、大きく身を乗り出し…
>「《真紅の塔》って、主人公が二人の男の人から同時に求愛される、なんともおいしい話なんですよお!! しかもその役はガウリイさんたちだし……!」
>「だからなによ?」
>「ああー、もぅ!」
> 一向に事の重大さに気付かないリナに思わずベットを叩くアメリア。
>「いいですか? 学園の二大プリンスに求愛される役ですよ! 当然周りの女の子たちから反感かうに決まってんじゃないですかあ! いままでだってトラップだらけの毎日でしたし……。ホント、リナさんが呪術士クラスの女生徒とだけは仲良くてよかったですよ。」

リナちゃんだからこそ、回避できたんでしょうけど、
一体、どんなトラップがあったんでしょうねぇ?
壮絶なものを、ついつい、創造してしまいました。

>「だけってなによだけって…」
>「だってえ、呪術士なんか目ぇつけられたらそれこそ人生終りですよ! ああ、わたしなんだか心配になってきました。」

呪術士さん達とは、波長があったんでしょうか?
って、かなり、おバカで、間抜けな質問してますが・・・・
すみません!!

> 言って胸元を押さえながら額に手の甲をおしつけ、ふらりとよろめいてみせた。(たしかこの動作、《真紅の塔》の振りだったと思うんだけど……。)

これって、やっぱり、とっても、アメリア姫もやりたかったってことですよね?

> 思いながらも少々の罪悪感。
> 別に主役を希望したわけではなかったのだが、全員平等に。ということで全員でくじをひいたところ…
>(当たっちゃったんだもんなあ…)

えてして、別に望んでない人が、そうなっちゃうもんですよねぇ。
って、また、勝手に決め込んでしまってますけど・・・・
けど、リナちゃんだったら、主役ピッタリ!!

>「男子寮の寮長が、こちらの寮長にお話があるそうです。」
>「あたしに?」
> その言葉を理解するのはた易かったが、リナは思わず聞き返していた。

この流れ・・・・ゼロスさんですね!?
根拠は、無いのですが、なんとなく、思ってしまいました。
思わず、聞き返していたってところが、みそでしょうか(私的に)。

>「わざわざこんな時間に、ご苦労様なことねー。」
> ふわりと、栗色の髪が歩くと同時にやわらかくゆれだす。
> ゆったりとした裾の長い若草色のワンピースを着た彼女は、ゆっくりと歩を進めていく。

ワンピ−スですかぁ。
可愛いです♪

> 一階にある入り口前のロビーは、夏休みに実家に帰る際、迎えの馬車待ちでごった返すだけで、普段はいたって静かな場所となっていた。
>「いえいえ、こちらこそ。わざわざお呼びたてしてしまって申し訳ありません。」
> そこに置いてあるソファーの上。やはり静かに座っていた男は、やってきたリナの姿を確認すると、すっと立ち上がり、軽く礼をしてみせた。
> 細身の黒いシャツに、すとんと下まで落ちた黒のスラックス。
> 言葉だけをみればなかなか紳士的ではあったが、その得体のしれない笑みを浮かべたままではかえって妖しく見えるというものだ。
> 顔を再びあげた際にぱらりと顎のラインで揃う髪はよどみのない夜色をしており、それは見るものの瞳に美しく映る。

きゃ―――――――――――!!(←また発狂してますし・・・)
ゼロスさん、登場ですね!!
かっこいいですわぁぁぁぁ!!!!
かなり、クラクラってきておりますぅぅぅ!!!
神代さんの、表現力って凄いんですもの!!
うっとりと、トリップするほどに・・・・・・・・・
と、下では、更に、発狂する場面ありです(笑)。

>「えーえー、おかげで様でわざわざ着替える羽目になったわ。――で? 一体あたしに何の用?」

わざわざ?
本当は、嬉しかったのでは?
と、またしても、根拠のない思いこみですぅ。

>「やだなあリナさん。そんなツレないこと言わないで下さいよう。僕がせっかく会いにきたっていうのに…」
>「用かないなら帰るわよ、あたし。」
>「リナさんてばー」
>「ええぃ、くっつくな!!」
> オッホン。
> 結果的には抱きつかれ、もみ合っていたところに……なにやらわざとらしい咳払いが聞こえてきた。

もう、早速ですかぁ。ゼロスさんったら。
いくら、リナちゃんが可愛いからって、人目のあるところでは、いけませんよ!!
二人っきりのときに、ね(って、かなり暴走してます・・・・すみません)


>「さ、リナさんこんな爬虫類はほっといて待ち合い室でゆっくりと続きを…。」

とうとうですね!!
キラキラキラ・・・・・・・・

>「――ではとりあえず本題にはいりましょう。」

え―――――――!!
さっきの続きは?


>「ウチのクラス。みんな頭いいのよね」
>「仮にも魔道士のクラスですからねえ。」
>「中には魔族もまじってるしね…」
>「おや、それは初耳ですよ。」
> ――とぼけてんじゃないわよ。そう口の中で呟くが、向こうは相手にする気はないらしい。

惚けるゼロスさん、大好きです♪
可愛いですよねぇ。

>「あんたねえ、あたしがそこらへんの魔道士のにでもやられると思ってんの?」
>「いえただ――。」
> 言葉をきって紅茶のカップを口へはこぶゼロス。
> 腕が持ち上げられると同時にシャツに刻まれるしわを何気に見つめながら、リナは言葉をまっていた。そして…
>「リナさん、次に勢いあまって学園の備品壊したら、退学ですよ?」

そうか、それだけ、リナちゃんは問題起こしてるのかって思いました(笑)。
さすがは、リナちゃんですねぇ。

> 忘れていたことを思い出させられてジト目で向かいを見やっている。
> しかしゼロスの方は、そうして表情をころころと変えてみせる彼女に、くすくすと笑いながらゆっくりと席を立ち

ここ、何か好きです!!
ほのぼのというか、かわいらしくって。
二人だからだよねぇ。と、意味不明なこと言ってますけど・・・・

>「ねえ」
>「はい?」
> 今度は右手の掌に左の肘をつき、それで頬杖をつくと
>「その忠告、寮長としてのお言葉として受け取ってもいいわけ?」
> なぜそう言ったのかは、彼女自身わからなかった。ただ、そういう衝動に駆られたのである。
>「――いいえ?」
> 扉に向けていた身体が、再びこちらに向いた。
> 二人の間を遮っているのテーブルの幅など、ゼロスの身長ならばこちらに手をのばすのにも差し支えることはない。
> ゆっくりと、彼がこちらにかがんでくるのが正面からその瞳にはっきりとうつっていた。
> しかしそれはどこか客観的な…劇のワンシーンにも似た一瞬。
>(ああそうか…)
> 気がつけば伸ばされたその腕は顔のすぐ横を既に通りすぎていた。必要以上に近づけられる身体と同時に、こちらも思わずソファーの背もたれにその身を沈める。
>(あたし…)
> 彼の手が頭の横のソファーにやわらかく押し付けられるのが判った。
> べつに警戒していたわけではない。目の前男が、これ以上彼女になにかをするというようなことは、あまりにも常識の範疇(はんちゅう)から超越しすぎていたからだ。
> そしてそう思う一方で、リナはまた、別の言葉を胸中に解き放っていた。
>(こいつを挑発したかったんだ…)
> ――理由なんてどこにも見当たらないけれど…。
>「僕はただ、個人的に心配なだけですよ。」
> 耳元で囁かれた響き。
> それは決して甘やかなものではなかった。冷たく――無機質な声。ただそれに……、リナは抵抗を覚えなかった。
> 月光がほのかに窓からさし込んでいる。それでも、白く輝くその月ですら、彼のもつ漆黒は侵せないようで――。
> ただ少女の髪だけを、薄く透かしている。
> それはさながら一枚の絵画のようでもあったのだが、当人たちには気付かぬことである。

もう、ここ最高ですぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!
私の一押し!!
って、私に一押しされても、とってもご迷惑でしょうが。
言いようがないほど、陶酔しきって、浸っております!!
もう、リナちゃん、大胆!って思ったり、ゼロスさん、かなりかっこいいって思ったり。素晴らしすぎます!!
はぁ、うっとりです。もう、幸せ!!
続きが、かなり、気になりますです!!

> ひゃー、続いてますよう。でも大丈夫! こんな私なんかの小説をわざわざクリックしてくださっている、べりぃ・びゅでぃほぅな皆様を待たすことなく、ちゃんと完成してから投稿しました!(私ってばえらい)

わざわざじゃなくって、とっても読みたくってクリックさせて頂きました!!
もう、とっても、面白かったです!!読めて、果報者の私。

> でもいっぺんに投稿するのはなんだか長くて皆様の首が痛くなりそうという配慮のもと、ちょっと間隔開けて投稿しますね♪(単にコンチェルト8を少しでも遅らせたいだけです…すいません。)

ということは、すぐに次が読めるのですねぇ。楽しみ♪
私個人の勝手な言い分ですが、私はいつでもOKです!!
明日でも、明後日でも。
続きが、かなり気にってますもん!!

> ではでは感想など、なくても下さいね♪(おい…)

感想ではない感想ですが、書かせてもらいました。
でも、私なんかで良かったでしょうか?
と、悪かったとしても、次も!絶対に読んで、感想書かさせて貰います!!
かなり、無理矢理ですねぇ。私・・・・・

それでは、これで、失礼させて頂きます。


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8195いらっしゃいませ天使さま♪神代 桜 11/19-23:59
記事番号8190へのコメント

>こんにちは、ユノアです!!
>って、私も天使だと思ってよいのでしょうか?(笑)

こんにちは、ええもちろんあなた様が天使でなくて誰が天使だというのでせうか?

>そんなことは、絶対に思いません!!
>それどころか、神代さんの小説が読めるってだけで、喜んでおりますもの!!

のおぉ〜、ごめんなさい。オチが果てしなくしょーもないんです。この話。なにせ「コンチェルト」の穴埋めに即興でつくった話ですから(さめざめ)

>ピンとこなかった、私は馬鹿者ですねぇ・・・・・
>やっぱり、私って、限りなく、想像力ないんですよ。

いえ、それで普通だと思います。というよりピンときた方なんていないと思いますので・・・

>アメリア姫って可愛いですよねぇ♪
>見ていて、あきませんし・・・・・

でしょう♪(自画自賛かよ・・・)アメリアはもう私の大天使ですよう☆ なにせ書いてて一番ラクですもの。

>こういう時のリナちゃん、楽しそうですよねぇ。
>自分が言われちゃ、絶対に、大変なことになるだろうに・・・・

人はいいけど自分はだめ。リナちゃんとはそおいう人ですからねー。
《赤い糸切りのリナ》の二つ名は、ひとえにいままで彼女にそのテの経験がなかったからこそついたモノでしょう。

>リナちゃんだからこそ、回避できたんでしょうけど、
>一体、どんなトラップがあったんでしょうねぇ?
>壮絶なものを、ついつい、創造してしまいました。

以前いやがらせで上から落ちてきた植木鉢五個を優雅なターンとステップで避けたお姫さまの小説はみたことありますけど・・・。
うーん彼女の場合はやはり、その都度魔術をぶっぱなしていたのではないかと・・・

>呪術士さん達とは、波長があったんでしょうか?

いえ、なんとなくミニ文庫のミシェールのお話からそう思っただけですが、案外呪術士クラスの方はリナちゃんに「普通の人」に振る舞うレッスンをうけているかもしれません(おひ・・・)

>ワンピ−スですかぁ。
>可愛いです♪

パラレルですからこのくらいはやはりしないと・・・(にやり)

>きゃ―――――――――――!!(←また発狂してますし・・・)
>ゼロスさん、登場ですね!!
>かっこいいですわぁぁぁぁ!!!!
>かなり、クラクラってきておりますぅぅぅ!!!

うーん、ゼロスくんはやはり誰がお書きになられてもクラクラしてしまうでしょう。なんせ元がよろしいですから♪
実際書いてて私もニヤけてます。(あぶな・・・)

>とうとうですね!!
>キラキラキラ・・・・・・・・

え、いやなにを期待なさっているのでしょうか(汗)ああ、そんな見つめられてもっっ、キス以上はいきませんよおぉぉぉ(神代:ひとり芝居をする・・・)

>え―――――――!!
>さっきの続きは?

ですから健全なじょしちゅうがくせいに何をお望実でっっ。
――というより私は一体なにを考えて受け答えしているのでしょう・・・。

>もう、ここ最高ですぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!
>私の一押し!!
>って、私に一押しされても、とってもご迷惑でしょうが。
>言いようがないほど、陶酔しきって、浸っております!!
>もう、リナちゃん、大胆!って思ったり、ゼロスさん、かなりかっこいいって思ったり。素晴らしすぎます!!
>はぁ、うっとりです。もう、幸せ!!
>続きが、かなり、気になりますです!!

そうですね、よくよくみれぱリナちゃんが大胆〜。をを、珍しい。でもでもホンットーにオチがしょーもないのですよぅ。自分で書いててはうっと後ろに倒れ込むほどに。そう、あくまでつなぎですからね。
ですから「りとる・しあたぁ」なわけですし・・・。
はは、小劇場になんの期待も持たないでくださいまし。って最初から誰もそんなものもってませんね。

>ということは、すぐに次が読めるのですねぇ。楽しみ♪
>私個人の勝手な言い分ですが、私はいつでもOKです!!
>明日でも、明後日でも。
>続きが、かなり気にってますもん!!

うう、すいません。なまけものの私は次の投稿を少しでも先送りにしようとしていますううう。
今年の冬はこれで持ちこたえようかと・・・。(むりむり)
コンチェルト。二月まで保留にしてたいナー、な・ん・て♪ 許してください。

>感想ではない感想ですが、書かせてもらいました。
>でも、私なんかで良かったでしょうか?

いいに決まっているではありませんかあ、本当に感想ありがとうございました。
それでは☆


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8206りとる・しあたぁ《第二幕》神代 桜 11/23-14:47
記事番号8184へのコメント


「かっわいいです! リナさんっ!!」
翌日の寮の部屋にてそう潤んだ瞳をこちらに向けているのは、言わずと知れたアメリアである。
開会式の服装にとくに指定はない。どうせ制服などないのだから衣装のまま出たとしてもなんら差し支えはないのである。
「さ、学園にはこれ着ていってくださいね。劇が始まるまでぬいじゃダメですよ。後でのお楽しみなんですから。髪は直前に結いますからね。」
言っててきぱきと動く彼女。さっと青みのかかった裾の長い灰色のローブをもってくる。
「ふーん、あんたにしては地味な色ねえ。あたしはまたてっきり衣装に合わせてすごいのもってくるのかとおもったわ。」
「なにいってるんですかリナさん。この上着を脱いだ時のギャップが印象深くていいんじゃないですか。それにこの色だと人ごみの中、目立ちませんしね。」
おそらくは昨日話した脅迫状のことを気にしているのだろう。彼女はくれぐれも気をつけるようにと念を押して、リナを学園へと連れ出していった。


学園の講堂内に響く生徒たちのざわついた声。
「――にしてもなぁんであんたがウチのクラスにいるのよ、ガウリイ。」
「なんでっていわれいもなぁ……」
その舞台袖にて観客の様子を伺っていたリナは、同じくひょっこりと頭を幕からだしている金髪の男にジト目で抗議の声をあげていた。
こんなぼけぼけした彼でも一応、今日一日は彼女の相手役の一人である。アメリアを筆頭に、衣装係の女生徒たちによって丁寧に縫われた衣装は、刺繍の施された藍の上着と銀の簡単な鎧。彼の容姿も手伝って金髪の姿によく映えている。
「ほら、ガウリイさんはもう剣士のクラスで学ぶよりも、魔道士クラスで社会的常識を学ぶ方が本人のためだって、アルス先生にこちらへの移転願いが出たんですよ。今更なにいってるんですかぁ。」
「だってこいつ、授業中一回でも先生の抗議マトモに聞いてたことないじゃない。」
「マトモに聞いてる方が不自然だと思うぞ。」
「あ、ゼルガディスさん。どうですか? 衣装の方。」
「いや、悪くはないが……」
不意に話に加わってきたゼルガディスは、アメリアのこぼれんばかりの笑顔とともに向けられた問いに、やや面食らいながら答えた。
リナも彼の登場に気付くと、じっと上から下まで眺めておもわず口笛を短く吹く。
「へぇ、いいじゃんゼル。男前に一層磨きがかかるわねえ。」
「冷やかすな。」
言ったもののややリナたちの方から顔をそらしてしまうあたり、彼も一応人の子である。
そのことにリナはアメリアと二人、くすくすと笑うともう一度彼女にデザインした衣装に目をやった。
ガウリイが青系できたのならば…という考えだろうか、ゼルガディスの方は深緑のベルベットに身を包み、その肩には長いマントが足元まで流れ落ちている。
ガウリイとの違いをあげるとすれば、それぞれの鎧とマントの有無だろう。襟の刺繍はガウリイに比べて細かい。
ぱっと見ればこれでゼルガディスの方が身分は上だとうかがえる。
「やはり劇といえばこれですよねー。
とある美しい娘がその天性の予知能力から、巫女として城に迎えられ、しかし! そこの王子は娘の虜となり罪悪感に駆られながらも塔に娘を監禁してしまうっ! ああ、悲しきヒロインは王子の愛に心をうごかされそうになるがやはり受入れられない……!!
はぁ〜、衣装作った甲斐がありましたあ! ゼルガディスさん! ガウリイさん! 頑張ってくださいね!!」
見ればアメリア。真剣な面持ちで、劇のあらすじを言いながら二人の手をがしっとばかりに握っている。
(アメリア。こーゆー恋物語に弱いからなぁ…)
役者と仕事の終わった衣装係以外は相変わらず舞台裏でごった返している中、リナは思わず嘆息した。そしてちらりとその中の生徒達へとまんべんなく視線を這わせることも忘れはしない。
一応《魔道士クラス》とひとまとめにされてはいるが、魔術の講義をうける講師やステータスによってそれぞれ授業内容がちがうため、実際リナも会ったことのない人間は結構いる。
(とくにあたし白魔術なんか習わないからなあ…)
しかも人数が多いためその中で五グループ程に分けられているが一体どの人間が自分と同じグループで劇をやるのかなど、それこそ知ったことではないというものだ。
かさり…
昨夜ゼロスから受け取った脅迫状を開いてみる。
『利口な寮長方。泣きを見たくなければ『真紅の塔』を。三度の忠告までに、ストップしておいた方が。君たちのためだ。でないと。すぐに後悔する。落ち。着いて。決めろ。あまり大げさにするな、静かに劇の公演を。撤回しろ。悔やみたくはない。だろう。賽は、投げられた。♪。』
丁寧な綴りで書いてあるこの手紙。唯一不可解といえばこの文体である。おかしなところで打たれている読点もまるでわけがわからない。
「しかもなんなのよ。この最後の『♪。』ってヤツは…。」
「やはり気になりますよねえ…」
ずざざっ!
思わずリナはかなり遠くまで身を引きつつ振り返った。理由は他ならぬ、後ろからかかった声のせいではあるが…。
「あ、あんたねえ! いきなりそうやって人の背後に現れんじゃないわよっ!」
「おや、なにかお気にさわりましたか?」
「ったり前でしょーが!?」
どうせこれだけどたばたと周りがうるさいのだ。客席のほうもまだ席を空けて友人たちと話し込んでいる者が多い。大音量で叫んだところで迷惑はかからないだろうと思い、リナは大声で目の前で微笑を浮かべている男にさけんだ。
今日は昨夜とはまた少しデザインが異なるものの、やはり黒のスラックスに同色の首の詰まった長袖である。
「あんた、いちおー演出なんでしょ? んな悠長にしてていーわけ?」
「いやあ、もう一人の原作者兼演出のシルフィールさんがよく動いてくれますから。僕の方に仕事はまわってこないんですよ。はっはっは。」
「笑ってる場合かぁっ!」
言って大きくゼロスに詰め寄った瞬間――
「リナ!?」
「?」
後ろでゼルガディスの警告の声がする。
ふわり。
しかし彼の切羽つまった声とは裏腹に、次の瞬間には、リナはいともた易くゼロスの腕によって軽く抱き寄せられていた。
「ちょっと――!」
ッッドシャン!!!
(――…なに?)
全員の視線がリナたち――いや、彼女の真後ろに落ちてきた舞台の袖のライトにあつまった。
それを確認したのは、音が盛大に鳴り響いてから暫くして、ゼロスが腕をゆるめた時であったが…
「リナ!」
再び自分の名を呼ぶ声がする。今度はガウリイだ。
「リナ、大丈夫か?」
「あ…、うん。平気…」
答えると、タイミングよくリナが彼らの許へ行けるように、ゼロスが完全に彼女から腕を放した。
「…………」
リナがガウリイ達のところへとやってくる。
しかしその光景は、まるでゼロスからリナを受け渡されたような、そんな感覚に襲われて、ガウリイは一瞬戸惑っていた。
「ん? どうしたのガウリイ?」
「ん、いや、あんなもんが落ちてくるなんてなあと思ってさあ。」
こちらを覗き込んでくる少女に彼は軽くそう言う。
そして彼女の肩に手をおいたままゼロスの方を向くと
「悪かったなあ。リナを助けてもらって…」
(…?)
ガウリイの口から出た言葉に、思わず訝しげな表情をしてみせたのは隣りにいたアメリアだった。
『悪かった』と言ったのだ。彼は。『ありがとう』ではなく『悪かった』と…。その言葉にこめられた響きはまるで…
(まるでリナさんを…自分のものだと主張してるみたいじゃないですか…)
しかし言われた本人は、何も気に留めるようすもなくただ張り付いたような笑みを浮かべただけだった。
「いいえ。どういたしまして」


やや開演は遅れたものの、ほぼ劇の準備は滞りなく進められた。そして役者は各自の持ち場へと散っていく。
「…ガウリイさんて……」
「なにか言ったか? アメリア?」
舞台上手(かみて)の袖にて。不意に呟きを漏らした黒髪の少女に、ゼルガディスは顔をそちらへと向けた。
「…いえ、ガウリイさん、なんかゼロスさんにヤキモチやいてませんでしたか…?」
「――ヤキモチ? あのガウリイがか?」
これはゼルガディスにしてみればとんだ笑い話である。しかし真剣な面持ちで話し掛けてくる彼女に対して、笑うわけにはいかない。
彼は極力ポーカーフェイスを崩さないようにすると、アメリアの言葉を待った。
「…さっき、リナさんがゼロスさんに助けられた時、なんだかガウリイさんひどく傷ついてたみたいなんですよね…。こう、なんていうんでしょうか……」
「自分がリナを守れなかったことに対しての嫌悪か?」
「あ、そんな感じです。」
まだ幕の上がっていない舞台中央ではリナがシルフィールから立ち位置の確認を受けている。
それを横目に、アメリアはブラウスの襟あたりに手をやりうつむきながら
「後二回、さっきみたいなことが起こることですし、わたしなおさら……」
「あと二回…?」
「あ゛」
おもわず息を呑むアメリア。脅迫状のことは彼らには告げるなとリナから釘をさされていただけに、今の発言は非常にまずかった。
「どういうことだアメリア?」
「あ、えと…。いえ、一度あることは二度あるっていいますし…ホラ、二度あることも三度あるって…。あは、あははははははは」
「アメリア。」
「…はい。」
(うう、リナさんごめんなさい)
胸中での謝罪などしたところで意味はないが、アメリアは仕方なく、ゼルガディスに打ち明けるより他なかった。


はじめのスタンバイは椅子に座っているところからである。
「――それでは宜しくおねがいしますね。あとはゼロスさんにもう一度セリフの確認をとっておいてください。台本は彼がもっていますから。」
演出家とは常に忙しいものである。
シルフィールはそうリナに告げるとぱたぱたと今度は下手の方へと急いだ。
「さっきのライトが、まず一回目の忠告というやつですかねえ。」
「多分ね…。」
本番五分前。少し肌寒いため灰色のローブは羽織ったままだ。
リナは椅子の後ろに立つ彼を気配で感じながら小さく呟いた。
「それにしてもわっかんないわ、あの文体。他のとこならまだ単に言語能力のない奴がかいたのかなー。でおわるけど、なんだって落ち着いて≠フ文で落ち≠ニ着いて≠フあいだに読点が打ってあんのよ。」
「いや、僕に怒られましても…」
後ろから何気に両肩に手が添えられているが、なぜか今日はその手を払う気がしない。リナはそのまま耳元で囁くようにして言葉を紡ぐゼロスの声をゆっくりと目を閉じて聞いていた。
しかしその二人の姿も、公演直前の主役と演出ということを踏まえれば、はたから見た所でせいぜい演出が緊張した主役をリラックスさせている程度にしか見えないだろう…。
「本番まで後一分でーす! リナさーん、用意はいいですかー?」
「あ、はあい。」
返事とともに照明が消える。
「悪いけどゼロス、ローブもってってくれる?」
「ええ、いいですよ。」
言って自分の前へと回り込んできたゼロスに、リナは手早く座ったままローブを脱ぎはじめた。
彼女の着ているアメリア自慢のドレスは開幕まで誰も見ることができない。だが…
(魔族に、暗いもなにもありませんしねえ…)
思うゼロスの目には、しっかりとリナの姿が映っていた。
『真紅の塔』の名にふさわしい紅のドレスは、デザインがオリジナルなせいか、一見風変わりなものであった。
ドレス自体の基本となっているのは、ぴったりとした丈の長い真紅のタイトドレスだが、その上に幾重にも紅いサッシュが全体的にふんわりと重ねられ、かすかに身体の細いラインが浮かび上がる。
首のチョーカーは嫌味のない金細工で。
左右一房ずつ丁寧に編まれ、後ろでベルベットのリボンによって結われた栗色の髪は緩やかに弧を描いている。
『美女』。そう称される女性は探せばそれなりに星の数ほどいる。
しかし、彼女がドレスを纏う(まとう)姿は、決してそういった類のものではなくて。
そう、喩えるならば――
(虹…ですかね。きっかけはなんでもなくとも、なかなか見ることはできず、そして……)
――束の間の幻想のようにして、七色の光を翻す。
「ん、なに?」
ローブを渡そうとしてリナの手が止まった。するとゼロスはああ、と気付いたように彼女の手からそれを受け取り…
「リナさん…」
「?」
見上げられた緋色の瞳に彼の紫紺の瞳が映る。
ゼロスは少しかがんだ。暗がりの中、リナには彼がほとんど見えていないはずである。
「――お綺麗ですよ。」
彼女の頬に触れた唇。同時にリナは何をされたのかとおもわずびくんっと反射的に肩をすくめる。
その反応に彼はくすくすと笑うと、しゅんっと空間を渡って姿を消していった。
図ったようにぱちんと照明が彼女を照らし出す。
(く…)
ようやく何をされたかに気がつき、体温が急激にあがるのを自覚する。
(くそおぉ〜)
もう舞台は始まっているのだと自分では言い聞かせるが、つい片手で顔を覆ってしまうのは仕方のないことだ。
(帰ったら絶対ころすっ!)
がこんと幕が上がり出した。
ここまでくればもう《真紅の巫女》として静かに座っているしかない。
『それは古(いにしえ)の遠い物語…』
ナレーターの軽い前振りが講堂に響いた…。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
はい★ お付き合いありがとうございました。ただ今この文字をながめていらっしゃる木漏れ日なような心暖かい数名の皆様! 神代は思わずハンカチを目元に当ててしまいまする。
でもでも! 今回のこの話はわたくしめが今まで書きました駄文の中では一番ゼロリナらしいきがするのですよぅぅ! どこが? とつっこまれそうですが…
パラレルものは書きやすくて好きです。何も考えなくてもいいので。
てはでは感想、書かなくてもいいですが、やることなくてとってもお暇になった時はつれづれなるままにチコチコっと書いてくださいね☆
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

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8227嬉しい!!と同時にすみません・・・・ユノア E-mail 11/27-00:11
記事番号8206へのコメント

こんばんは、神代さん。
ユノアです。

まず、始めに・・・すみません!!!
前の感想にも、神代さんの都合を考えず、すぐにでも続きを読みたい!!等とふざけたことをぬかしておきんがら、そんなことを言ってたのにも関わらず、読みにくるのが遅々としてしまいまして・・・・・
本当にごめんなさいぃぃっっ!!!

>「かっわいいです! リナさんっ!!」

きっと、すっごく可愛い♪んでしょうねぇ。
でも、今は見れない?のが残念です。

>「ふーん、あんたにしては地味な色ねえ。あたしはまたてっきり衣装に合わせてすごいのもってくるのかとおもったわ。」
>「なにいってるんですかリナさん。この上着を脱いだ時のギャップが印象深くていいんじゃないですか。それにこの色だと人ごみの中、目立ちませんしね。」

更に気になりますですぅ。
どんな衣装をまとってらっしゃるんでしょうか。リナちゃんは。

>「冷やかすな。」
> 言ったもののややリナたちの方から顔をそらしてしまうあたり、彼も一応人の子である。

照れてるんですね?
可愛いです、ゼルくん。

>「やはり劇といえばこれですよねー。
> とある美しい娘がその天性の予知能力から、巫女として城に迎えられ、しかし! そこの王子は娘の虜となり罪悪感に駆られながらも塔に娘を監禁してしまうっ! ああ、悲しきヒロインは王子の愛に心をうごかされそうになるがやはり受入れられない……!!

ひたってますねぇ、アメリア姫。
そこが、彼女の魅力であり、可愛いところですねぇ。

> かさり…
> 昨夜ゼロスから受け取った脅迫状を開いてみる。
>『利口な寮長方。泣きを見たくなければ『真紅の塔』を。三度の忠告までに、ストップしておいた方が。君たちのためだ。でないと。すぐに後悔する。落ち。着いて。決めろ。あまり大げさにするな、静かに劇の公演を。撤回しろ。悔やみたくはない。だろう。賽は、投げられた。♪。』
> 丁寧な綴りで書いてあるこの手紙。唯一不可解といえばこの文体である。おかしなところで打たれている読点もまるでわけがわからない。

本当に、変な文体ですよねぇ。
この文章が何を意味してるのか、ちょっと気になる私・・・・
でも、おバカな私には、一行に理解不能でして・・・・
ということで、私は、回答してくれるのを待つしかないと。

>「しかもなんなのよ。この最後の『♪。』ってヤツは…。」
>「やはり気になりますよねえ…」

きゃ―――――――――!!
やっぱり、ゼロスさんの登場は良いですわぁ!!
もう、それだけで、幸せいっぱいです!!

> ふわり。
> しかし彼の切羽つまった声とは裏腹に、次の瞬間には、リナはいともた易くゼロスの腕によって軽く抱き寄せられていた。

ゼロスさんに抱き寄せられるリナちゃん。
理由はどうであれ、やっぱり、こういう光景は最高(はぁと)
いつまでも、ひたっていたい気分。

>「ちょっと――!」
> ッッドシャン!!!
>(――…なに?)
> 全員の視線がリナたち――いや、彼女の真後ろに落ちてきた舞台の袖のライトにあつまった。

危機一髪ってやつですね。
流石は、ゼロスさんです!

> それを確認したのは、音が盛大に鳴り響いてから暫くして、ゼロスが腕をゆるめた時であったが…
>「リナ!」
> 再び自分の名を呼ぶ声がする。今度はガウリイだ。
>「リナ、大丈夫か?」
>「あ…、うん。平気…」
> 答えると、タイミングよくリナが彼らの許へ行けるように、ゼロスが完全に彼女から腕を放した。
>「…………」
> リナがガウリイ達のところへとやってくる。
> しかしその光景は、まるでゼロスからリナを受け渡されたような、そんな感覚に襲われて、ガウリイは一瞬戸惑っていた。

ここ、何か好きなんですよねぇ。
上手く言えないのですが、三人の関係が微妙?でして、何か良いのですよぉ。
ああ、本当に表現力、なさすぎの自分を恨んでしまいます・・・・

>「ん? どうしたのガウリイ?」
>「ん、いや、あんなもんが落ちてくるなんてなあと思ってさあ。」
> こちらを覗き込んでくる少女に彼は軽くそう言う。
> そして彼女の肩に手をおいたままゼロスの方を向くと

リナちゃんの肩に手をおいったままってのが、私的にちょっとポイントです。
ガウリイの彼女への独占欲?みたいなものがかいま見れたようで。

>「悪かったなあ。リナを助けてもらって…」
>(…?)
> ガウリイの口から出た言葉に、思わず訝しげな表情をしてみせたのは隣りにいたアメリアだった。
> 『悪かった』と言ったのだ。彼は。『ありがとう』ではなく『悪かった』と…。その言葉にこめられた響きはまるで…
>(まるでリナさんを…自分のものだと主張してるみたいじゃないですか…)
> しかし言われた本人は、何も気に留めるようすもなくただ張り付いたような笑みを浮かべただけだった。
>「いいえ。どういたしまして」

ゼロスさん、冷静!大人!!かっこいい!!(←やはり意味不明・・・)
ここ、お二人の静かなる、牽制&戦いのような気がして、好きです!!
いいですよねぇ、一人の女性を巡っての男の戦い・・・・(←トリップ真っ最中(笑))

>「後二回、さっきみたいなことが起こることですし、わたしなおさら……」
>「あと二回…?」
>「あ゛」
> おもわず息を呑むアメリア。脅迫状のことは彼らには告げるなとリナから釘をさされていただけに、今の発言は非常にまずかった。
>「どういうことだアメリア?」
>「あ、えと…。いえ、一度あることは二度あるっていいますし…ホラ、二度あることも三度あるって…。あは、あははははははは」
>「アメリア。」
>「…はい。」
>(うう、リナさんごめんなさい)
> 胸中での謝罪などしたところで意味はないが、アメリアは仕方なく、ゼルガディスに打ち明けるより他なかった。

アメリア姫、うっかりさんですぅ。
でも、そこが彼女の良いところ(←かなり勘違い?)

>「いや、僕に怒られましても…」
> 後ろから何気に両肩に手が添えられているが、なぜか今日はその手を払う気がしない。リナはそのまま耳元で囁くようにして言葉を紡ぐゼロスの声をゆっくりと目を閉じて聞いていた。

このシ−ンも好き!
やっぱり、お二人が仲良く寄り添ってる所は最高ですもん。
こういう場面に遭遇する度に、心の中でかなり発狂する私です。


> 彼女の着ているアメリア自慢のドレスは開幕まで誰も見ることができない。だが…
>(魔族に、暗いもなにもありませんしねえ…)
> 思うゼロスの目には、しっかりとリナの姿が映っていた。

特権♪ですねぇ。
ふふふふふ。自分だけが最初に見れる特別って良いですわ。

> 『真紅の塔』の名にふさわしい紅のドレスは、デザインがオリジナルなせいか、一見風変わりなものであった。
> ドレス自体の基本となっているのは、ぴったりとした丈の長い真紅のタイトドレスだが、その上に幾重にも紅いサッシュが全体的にふんわりと重ねられ、かすかに身体の細いラインが浮かび上がる。

ステキなドレスですぅ。
私、こういうの考える能力が皆無に等しいので、かなり羨ましいです。

> 首のチョーカーは嫌味のない金細工で。
> 左右一房ずつ丁寧に編まれ、後ろでベルベットのリボンによって結われた栗色の髪は緩やかに弧を描いている。
> 『美女』。そう称される女性は探せばそれなりに星の数ほどいる。
> しかし、彼女がドレスを纏う(まとう)姿は、決してそういった類のものではなくて。
> そう、喩えるならば――
>(虹…ですかね。きっかけはなんでもなくとも、なかなか見ることはできず、そして……)
> ――束の間の幻想のようにして、七色の光を翻す。

す、素敵すぎぃ!!
もう、うっとりって感じでしょうか。はい。
ゼロスさん、良いこといいますねぇ。

> 見上げられた緋色の瞳に彼の紫紺の瞳が映る。
> ゼロスは少しかがんだ。暗がりの中、リナには彼がほとんど見えていないはずである。
>「――お綺麗ですよ。」
> 彼女の頬に触れた唇。同時にリナは何をされたのかとおもわずびくんっと反射的に肩をすくめる。

キスぅぅぅ!!!
もう、ゼロスさんったら、やってくれます!!!
ほっぺってのが、ちょっと残念のような気はしますが、それでも良いです!!!

> その反応に彼はくすくすと笑うと、しゅんっと空間を渡って姿を消していった。
> 図ったようにぱちんと照明が彼女を照らし出す。
>(く…)
> ようやく何をされたかに気がつき、体温が急激にあがるのを自覚する。
>(くそおぉ〜)
> もう舞台は始まっているのだと自分では言い聞かせるが、つい片手で顔を覆ってしまうのは仕方のないことだ。
>(帰ったら絶対ころすっ!)

照れてるのね、リナちゃん♪
本当は、嬉しいくせしてさぁ!

> はい★ お付き合いありがとうございました。ただ今この文字をながめていらっしゃる木漏れ日なような心暖かい数名の皆様! 神代は思わずハンカチを目元に当ててしまいまする。

私なんかの読者でも、もし、喜んでいただけたら、光栄のいたりです。
とっても、楽しんで読まさせて貰いました。有り難うございます♪

> でもでも! 今回のこの話はわたくしめが今まで書きました駄文の中では一番ゼロリナらしいきがするのですよぅぅ! どこが? とつっこまれそうですが…
> パラレルものは書きやすくて好きです。何も考えなくてもいいので。

いえ、立派にゼロリナでした!!
でも、他の作品のゼロリナも素敵で大好きですよ。私は。

> てはでは感想、書かなくてもいいですが、やることなくてとってもお暇になった時はつれづれなるままにチコチコっと書いてくださいね☆

凝りもせず、感想でない感想を書かせてもらいました。
で、やっぱり、すっごく面白かったです。
続きも、すっごく気になりますので、楽しみに待ってますねぇ。
それでは、この辺で失礼させて頂きます。


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8232りとる・しあたぁ《第三幕》神代 桜 11/28-00:55
記事番号8184へのコメント


〔私の愛する姫巫女よ。私の振る舞いを許しておくれとは言わない。ただお前をどこへもやりたくはないのだ。〕
講堂いっぱいに広がるややナルシストぎみのセリフは王子ことゼルガディスから。
シルフィールに泣きながら懇願されて演ずるそれはまさにすばらしい演技ではあったが、その愛しの君を見つめる瞳はどこか投げやりだ。
〔いいえ、哀れな王子よ。それでは私は手に入らない。いくら空につづく高い塔に私を閉じ込めようと、鎖で縛ろうと。私の心までは縛れない。〕
対して真紅の巫女ことリナも、表情こそ真剣な面持ちではあれ、顔を観客から背けた瞬間の顔は《かったるい》の文字が殴り書きされている。
〔それでも、こうせずにはいられないのだ!〕
ゼルガディスがいやいやそのセリフを叫んだ時。
ふしゅっ
((吹き矢っ!?))
音とともにきらりと光りつつこちらに向かう針に、気付くものの慌てるのはこの二人である。
「リナ許せ!」
「は?」
ゼルガディスは小声で言うと、半ばやけくそ気味にリナを押し倒した。
『おおぉー。』
一斉に声をあげる観客たち。
「やっぱすごいわねー。」
「迫真の演技よねぇ」
他のクラスやグループからの女生徒の声もあるが、当の本人たちはそれどころではない。
「な、なんとかセーフだな。」
「う、うん。」
床で頭をうたなかっただけまだマシかもしれない。思いつつリナは正規のセリフへと軌道修正できるようアドリブでセリフを運んでいった。


――どうやらうまく切り抜けたようだ。舞台下手(しもて)で待機のガウリイはそっと胸をなでおろすと再びリナの演技に魅入った。
「いやあ、波乱の舞台となっちゃいましたねえ。」
しゅんっと完全に彼の後ろをとって現れた魔族の気配に、彼は思わず間合いの外まで飛びのいた。
「おお、えんしゅつってゆーもの大変そうだなあ。」
「いえいえ、僕はあくまでシルフィールさんのサポーターですからね。そう大変でもありませんよ。」
黒ずくめで現れた男はそういうとぱたぱたと手を振ってかるく笑った。
「へー、で、どんなことするんだ?」
「そうですねえ、いろいろとありますが、大道具に注文をだしたり、照明にサスを使うかピンスポを使うかを指定したり……。ああ、そうだ。」
なにかを思い出したような、けれどもわざとらしい声は、常に抑揚もなく静かな波のようだった。
「役者のすべて≠管理することも、演技を指導する上では重要な仕事…でしたっけねえ。特に――」
向けられた紫紺の鋭い瞳。しかしその中にはどこか面白がるような色を宿していた。
「身の安全は絶対ですからねえ。」
「!」
一瞬にしてガウリイの脳裏に照明器具の真下でゼロスに抱き寄せられた少女の姿が映る。
誰が忘れようか。あのライトが落ちた瞬間、音に驚いてきゅっと目の前の男の服をにぎりしめ、頭を埋めていた彼女の姿を…。
「――おや、もうすぐリナさん達が上手(かみて)にひっこむところですね。それでは僕はこの辺で。次のシーンはがんばってくださいね。」
言うと、瞬く間にゼロスの姿は掻き消えていった。後にのこるはガウリイのみ。
表舞台には美しく真紅に飾りたてられた少女が優美に振る舞う姿が映る。
(…俺は――)
「ガウリイさん?」
不意に届いた声はアメリアのものだった。
「んー? なんだアメリア。セリフの付け足しなんて言われても困るぞお。ただでさえもう半分忘れてんだからな。」
「いばらないでください…。いえ、そうじゃなくて」
「?」
「あの、リナさんのことですけど。」
つと、ガウリイが顔をあげた。表情に変化があったわけではないが、『リナ』の一言に反応したことは間違いない。
(やっぱり――)
アメリアは嘆息した。
「…ガウリイさん、ゼロスさんに嫉妬…してません?」
「はあー?」
間の抜けた返事がすぐさま返ってくる。それの本意が単に嫉妬の意味がわからなかったのか誤魔化しているのかは定かではなかったが……。
まあどちらにせよまともな答えが聞けるとは思っていなかったから、彼女にとってはどちらでもいいのだが。
「あ、あの…」
言葉がすぐさま浮かび上がってこない。こういうことをお節介というのだとは自分でもわかっていたが、それでもアメリアにこのまま見ているだけというのはどうもできそうになかった。
「うまくいえませんが、ガウリイさんはリナさんにとって大切な人だと思います!」
「…はあ。」
「だから、それはリナさんも自覚してると思います。」
「あ、ああ。」
「ですからっ、なにがあってもリナさんの中にあるガウリイさんは絶対ですし、かけがえのないものなんです。――きっと…。あ・いえ絶対そうです!」
自分で滑らせた本心に心底後悔しながらも、黒髪の少女は必死になってまくしたててくる。見ればいつのまにか服の裾まで強くひっぱられている勢いだ。
「あー、そろそろ俺出番だから…」
「う゛…、すいません。」
しゅんと落とされた肩。おそらく言い足りないのだろう。
ガウリイはそんな彼女を見て小さくため息をもらすと、とんと肩を叩いた。
「ありがとな、アメリア。」
「は、はいっ」
ぱっと彼女の顔に花がほころぶ。と同時に引っ張られていた服も彼女の手から放たれ、しわをつくったままとれんともとに戻った。
照明が消え暗転となる舞台。
舞台裏の二階では音響係が次の音楽を流すべく作業しているのが小窓からみえた。リナ達はもう上手(かみて)にひっこんだようだ。
ガウリイもそれを確認すると指定された舞台の位置へとでていった。
「――シルフィールさん。」
「へっ?」
突然のアメリアの呟きに、やけにすっとんきょうな声が後ろから聞こえてきた。
「知ってましたよ、ちゃんと盗み聞きしてたの。っていっても、こんな人の多い所ですからしてて当たり前なのかもしれませんけど…」
言いつつ振り返る。やはりシルフィールだ。台本をにぎりしめたまま、藤色の足首まであるジャンバースカート姿の彼女を確認すると、アメリアは周りで各自の仕事に没頭しているクラスメイトたちを視界にいれて少し笑ってみせた。
「あ、ごめんなさい。わたくしそういうつもりじゃ…」
「いいんです。べつにそれを責めてるわけじゃないですし。」
そういうアメリアの瞳にシルフィールは映ってはいなかった。なにか虚空を見つめるかのようにあさっての方向へ首をあげ
「……………。」
「ア、アメリアさん?」
「シルフィールさんて、ガウリイさんのこと好きなんですよね?」
「え? ……ちょっと、いきなり何を言い出すんですか。そんな、わたくしはただ…」
「だったらもしもの時、ガウリイさんことよろしくお願いします。」
「…は、はい?」
「じゃあわたし、リナさんのお化粧直ししてきますんで。」
ついっと彼女の横を摺り抜けて裏の通路から上手(かみて)へと行ってしまった。
「――アメリアさん?」
残された者とは、常に空しいものである。
シルフィールは暫くアメリアの後ろ姿を眺めると。かるく台本を握り締めていた。
「それって、リナさんの瞳に…ガウリイさまは映っていない……ということですよね」
我知れず嘆息してしまった。
それが歓喜の吐息だったのか憂いだったのかは、彼女自身も理解していない。


〔さあ行こう!〕
劇は後半クライマックス。ガウリイ扮する王室騎士団長の真紅の巫女への求愛シーン。
(けっきょくなんだかんだいって、歳の割に大人よね。この主人公。)
自分で演じつつそんなことを思うリナ。
後半のストーリーは自己中心的な王子と独占欲の強いこの騎士団長との巫女の取り合いになるのだが、結局のところ巫女の予知能力を信じない一部の民衆によって王国はクーデター。巫女は二人の求愛を振り切り
(塔から飛び降りてジ・エンドか…。ま・それまでのやりとりがけっこうよくできてるからいいんだけどさ)
舞台のセットはすべて寮の空き室の家具を運び込んだものだ。これでなかなか手が込んでいる。
〔反王国軍はすでにこの塔まで向かっている。我が軍ももう追いつめられて後がない。だから――!〕
〔ならばなおさら、ご自分の使命を果たさなくてはならないのですか?〕
〔今の俺の仕事は戦況の指揮をとることじゃない、君を護りぬくことだ!!〕
言うと、若き騎士は巫女の腕をつかんだ。
「すごい、ガウリイさん。セリフちゃんと言えてる…」
それをみて驚くのはアメリアである。舞台の袖の柱に背中をついているゼルガディスの隣で思わず身を乗り出してしまう。
「…後一回だな。」
「? なにがですか?」
「リナへのいやがらせだ。」
言われてアメリアはあっと声をあげた。劇とガウリイのことできりきりまいしていたが、そうだ。そもそもはあの脅迫状がことの発端だったのだ。
「…わたし思うんですけど」
「なんだ?」
「あの手紙、ゼロスさんの狂言なんてことありませんよね…」
「さあな。」
ふん、と冷たく受け流される。
「しかしもし奴だとしたらこんな回りくどいことはせん。」
「ですよねえ。あ、ゼルガディスさん、次ですよ次。」
「ああ。」
マントがふわりと翻る。その姿に一瞬目を奪われながらも、アメリアは静かに見送った。
「もしあと一度なにかあるとしたら、巫女が塔から身を投げるシーンですね。」
「やっぱり立ち聞きするんですね。シルフィールさん…」
「人聞きの悪いこといわないでください。」
先程と同様、やはり後ろから台本片手に現れる長い黒髪の女性を見て、アメリアは嘆息していた。
「宜しければ詳しくきかせていただけませんか? この舞台の演出として、このままなにも知らずに舞台を終わらせるのには納得がいきませんっ。」
ずいっと迫られてしまう。シルフィールもシルフィールで言い出したら聞かないところがあることは、リナからも重々聞かされているし、自分もまた幾度か身をもって経験している。
それだけに結局、彼女にはそれを断る術(すべ)をもちあわせていないのだ。
(わたし、口が軽いのかな…?)
彼女の言葉にもう一度、深い嘆息を重ねた。
「…わかりました。ここまできちゃったことですしね…。」

「おーい。この木枠、一体なんに使うやつだ?」
「ああん? 知らねえよ。大道具の奴等にでも聞きな。」
そんな会話が舞台裏から聞こえてきたのは、ちょうどアメリアがシルフィールへの説明を終わらせた時だった。
「あの、どれです?」
アメリアに軽く断りをいれると、彼女は薄暗い舞台裏へと足をはこんだ。
「あ、コレです。なんかおっきいから大道具かと思ったんですけど…」
「こんなのなんにも使わねえしなあ…」
言って裏方の二人が差し出したのは、大人の身長ほどもある太い木枠だった。
四角やら三角やらと、全部で四つほどある。
「なんでしょうねー?」
これは後ろからついてきたアメリア。膝に手をついてのぞきこんでくる。
と、いきなり硬直しだしたシルフィールを不思議そうにして見上げた。
「…シルフィールさん?」
「……の骨組みです…」
「――は?」
声が震えていて上手く聞き取れない。
裏方の男子生徒二人もぼけっと彼女を見上げている。
するとシルフィールはきっと顔をあげ舞台を指し――
「《塔》の人が乗っても大丈夫なように支える骨組みです!」
………………………………。
情況理解に要した時間はきっかり十秒だった。
舞台をみれば、今まさに大道具の《塔》の窓に立ったリナが最後のセリフを言っているところである。
「ど、どおするんですかあ! って、ちょっとシルフィールさん!」
向き直ってみれば、すでに彼女はあうとかなんとか呻いてとせ、と卒倒しているところだった。
そして無責任にもあさっての方向へと手を伸ばすと
「脅迫状の……ことです…が……」
「話をそらさないでください!」
「いえ…、わかったんです」
「?」
言い方がたとたどしい割には、けっこう元気そうなシルフィールの言葉に、アメリアは首をかしげた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
まあ、だらだらと長いお話ですこと。ちょい昔に書いたお話ですからもう変変変! すばらしく変なストーリー。ええ、ええ、自分でも自覚してますよ。
書いててだんだんと目がすわってきましたもの。これでいままでの中で一番ゼロリナっぽいと本人がいうのですから、もう笑うしかありませんね。
コンチェルトは……多分来年だと……。あああっ、すいません! でもあのような頭をつかう(私だけでしょうけどそれは)ストーリー。受験で疲れた今の私には書けませんんんんん!! そのうち注意書きに《投稿は作品ができてからしてください》と書かれそうで心配…。
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8238幸福の絶頂〜庵 瑠嬌 11/28-14:40
記事番号8232へのコメント


 こんにちは、庵 瑠嬌でございますっ!!
 きゃぁぁぁぁっ、素敵素敵素敵ですわ―――っ!
 舞台の上で、ゼルガディスさんとガウリイさんの取り合い、現実では密かに水面下でリナさん争奪戦っ!
 なんて美味しいのでしょう!読んでて幸せですわ!
 ああテスト明けてすぐ、こんなに幸せになっていいのだろうか……。

 それにしても、出ているキャラ、全員が魅力的ですわねっ!
 ゼルガディスさんとリナさんの演技で、

>〔私の愛する姫巫女よ。私の振る舞いを許しておくれとは言わない。ただお前をどこへもやりたくはないのだ。〕
> 講堂いっぱいに広がるややナルシストぎみのセリフは王子ことゼルガディスから。
> シルフィールに泣きながら懇願されて演ずるそれはまさにすばらしい演技ではあったが、その愛しの君を見つめる瞳はどこか投げやりだ。
>〔いいえ、哀れな王子よ。それでは私は手に入らない。いくら空につづく高い塔に私を閉じ込めようと、鎖で縛ろうと。私の心までは縛れない。〕
> 対して真紅の巫女ことリナも、表情こそ真剣な面持ちではあれ、顔を観客から背けた瞬間の顔は《かったるい》の文字が殴り書きされている。

 ここまで、すらすらとこういう台詞を言えるようになるまで、ゼルガディスさんの内面の葛藤はどれほどのものだったのでしょう……。
 やっぱり、ヒロインの役は、クジとはいえリナさんに決まって正解でしたわよ。
 リナさんだからこそ、ゼルガディスさんもそれほど照れずに済むでしょうし。
 ヒロインの方も、リナさん以外の人だったら、思わずどきどきして演技どころじゃなくなってしまうでしょう(笑)
 お二人のやる気の無い情熱的な会話が、とてもらしくて笑えます。
 それにしても、神代さんのお話は、地の文まで面白い。

 で、ゼロスさんとガウリイさんの会話。
 よく、この二人の会話が書ける人って凄いと思うんですけど、神代さんも凄いですわよね。

>「おお、えんしゅつってゆーもの大変そうだなあ。」
>「いえいえ、僕はあくまでシルフィールさんのサポーターですからね。そう大変でもありませんよ。」
> 黒ずくめで現れた男はそういうとぱたぱたと手を振ってかるく笑った。
>「へー、で、どんなことするんだ?」
>「そうですねえ、いろいろとありますが、大道具に注文をだしたり、照明にサスを使うかピンスポを使うかを指定したり……。ああ、そうだ。」

 この辺りの、表面上いつも通りの平穏な会話がっ!
 お互い感情隠すのが得意な男たちだと、もう、大人っぽくて格好よくてめろめろになってしまいますわっ!(狂)

>「役者のすべて≠管理することも、演技を指導する上では重要な仕事…でしたっけねえ。特に――」
> 向けられた紫紺の鋭い瞳。しかしその中にはどこか面白がるような色を宿していた。
>「身の安全は絶対ですからねえ。」

 ああ、完璧な挑発!楽しそうに瞳を細く開いた姿が、目に浮かびますわ。この後のガウリイさんが思い返して、複雑な心境になっているのも、リナさん愛されてて幸せ♪

>「あ、あの…」
> 言葉がすぐさま浮かび上がってこない。こういうことをお節介というのだとは自分でもわかっていたが、それでもアメリアにこのまま見ているだけというのはどうもできそうになかった。
>「うまくいえませんが、ガウリイさんはリナさんにとって大切な人だと思います!」
>「…はあ。」
>「だから、それはリナさんも自覚してると思います。」
>「あ、ああ。」
>「ですからっ、なにがあってもリナさんの中にあるガウリイさんは絶対ですし、かけがえのないものなんです。――きっと…。あ・いえ絶対そうです!」
> 自分で滑らせた本心に心底後悔しながらも、黒髪の少女は必死になってまくしたててくる。見ればいつのまにか服の裾まで強くひっぱられている勢いだ。

 アメリアさん、……可愛い。必死な様子が伝わりますわ。優しくて一生懸命な方ですよね。彼女は。
 ゼルガディスさんのことで、舞いあがったりヤキモチやいたりするのも可愛いですけれど、リナさんとガウリイさんのことを、真剣に考えて良かれと思う事をする様子が、とても頑張っている感じで、可愛いですわ。

> シルフィールは暫くアメリアの後ろ姿を眺めると。かるく台本を握り締めていた。
>「それって、リナさんの瞳に…ガウリイさまは映っていない……ということですよね」
> 我知れず嘆息してしまった。
> それが歓喜の吐息だったのか憂いだったのかは、彼女自身も理解していない。

 素直に大喜びしないところで、シルフィールさんもいいひとなんですのよね。
 複雑な感情を抱えているんでしょうね――他の人に恋している人を好きになるって、大変そう。
 たぶん、今までにいろんなことがあって、ガウリイさんの心が完全にリナさんのものであること、この上なくはっきりとシルフィールさんには判っているんじゃないかと思います。

>(けっきょくなんだかんだいって、歳の割に大人よね。この主人公。)

 ――すいませんちょっと。わたくしが子供だからか、どうしてこのお姫様が大人なのかわかりません……(馬鹿)。
 や、話の本筋にはたぶん関係ないんでしょうけどっ。気になってしまった……。
 教えていただけると嬉しいんですけれど。

> これは後ろからついてきたアメリア。膝に手をついてのぞきこんでくる。
> と、いきなり硬直しだしたシルフィールを不思議そうにして見上げた。
>「…シルフィールさん?」
>「……の骨組みです…」
>「――は?」
> 声が震えていて上手く聞き取れない。
> 裏方の男子生徒二人もぼけっと彼女を見上げている。
> するとシルフィールはきっと顔をあげ舞台を指し――
>「《塔》の人が乗っても大丈夫なように支える骨組みです!」

 ――――――っっ! 誰が助けるんですかっ!?
 リナさんがそこから落ちて大怪我して魔道士できなくなっちゃう、などという展開は絶対に考えたく無いので、誰かが助けてくれると信じて、そちらの方に焦点をあてますわ!
 ゼロスさん!?ガウリイさん!?でなきゃ、ゼルガディスさん……大穴で突如フィルさん出現でしょうかっ!

>「脅迫状の……ことです…が……」
>「話をそらさないでください!」
>「いえ…、わかったんです」
>「?」
> 言い方がたとたどしい割には、けっこう元気そうなシルフィールの言葉に、アメリアは首をかしげた。

 次回クライマックス!ですわね!
 リナさんの身の危険、ガウリイさんの精神状態の危険、そして、脅迫状の犯人の正体!
 あぁぁぁぁっ!なんでこんなところで続いているの――――っ!
 だけど、誰なのでしょう。大道具のものが外されていたから、犯人は大道具の人なんだろうか。脅迫状は女の子かららしいけれど、あの骨組は大きくて女の子が一人で動かすのは大変そうだから、実行犯は複数……!?いや、ちょっと怖いけれど、ガウリイさんやゼルガディスさんに惚れている『男』がいるのかもしれないっ!
 あーんっ、気になりますううううっ! 

>♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
> まあ、だらだらと長いお話ですこと。ちょい昔に書いたお話ですからもう変変変! すばらしく変なストーリー。ええ、ええ、自分でも自覚してますよ。

 変なんですか―?何を基準に変とおっしゃるのでしょう。
 たしかに、これほどお上手で、わたくしとのレベルの差が大きすぎるのは(同い年の筈なのに!)、理屈を超越して常識を逸してますけど!

> 書いててだんだんと目がすわってきましたもの。これでいままでの中で一番ゼロリナっぽいと本人がいうのですから、もう笑うしかありませんね。

 コンチェルトは、もっとクールで冷徹で、このお話に比べて甘い感じの会話が少ないですからね。
 あちらの方では、ひたすら格好よくて、駆け引きの妙でうっとりするのですが、こちらの方は、張り巡らされた人間模様とテンポのいい会話で、どきどきはらはらですわ。

> コンチェルトは……多分来年だと……。あああっ、すいません! でもあのような頭をつかう(私だけでしょうけどそれは)ストーリー。受験で疲れた今の私には書けませんんんんん!! そのうち注意書きに《投稿は作品ができてからしてください》と書かれそうで心配…。

 来年ですかー……しかたありませんよね。
 格好いい―と喜んでいるわたくしは、楽しいだけですけれども、そういう文章書かれている方は、考えてみれば大変なんですのよね。
 あまりにさらっと書かれていたから、わかりませんでしたわ。
 ええ、来年を楽しみにしております。すくなくとも、今わたくしには、このりとる・しあたぁがある!
 完成しているそうですから、それほど焦れずに待てそうですわね♪
 ―――まだ、蓄えているおはなしがおありでしたら、また出してくださると嬉しいですわ……。

 さて、お互いゼロリナも勉強も頑張りましょうっ!
 それでは失礼をば……



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8243罪悪感〜・・・神代 桜 11/29-00:36
記事番号8238へのコメント


> こんにちは、庵 瑠嬌でございますっ!!

こんにちは! いつもいつも新作の度に、わざわざ感想をくださるので思わず菓子折りなどをもってそちらにお伺いしたくなる私です。

> きゃぁぁぁぁっ、素敵素敵素敵ですわ―――っ!
> 舞台の上で、ゼルガディスさんとガウリイさんの取り合い、現実では密かに水面下でリナさん争奪戦っ!
> なんて美味しいのでしょう!読んでて幸せですわ!
> ああテスト明けてすぐ、こんなに幸せになっていいのだろうか……。

はは、もうテスト終わったのですね。私は明後日(11月30日)ですよ。ああ、何もしてないし・・・。
・・・って、なにが素敵・・・? と聞きたくなる私。ああそうですね。ここまでならばまだ話にスジが通ってますものね。ふふふ、ラストを知らないからそのようなお言葉を頂けるのでしょうねー。
もうもうもう! 庵さまにはたいっっへん申し訳ないのですが、オチは過去最低です・・・。ええもぉそりゃ、《幾千年》よりもしょぉぉぉぉぉぉぉもないオチです。あーもう罪・悪・感・・・。

> ここまで、すらすらとこういう台詞を言えるようになるまで、ゼルガディスさんの内面の葛藤はどれほどのものだったのでしょう……。

やはり「なんで俺がこんなことを」と呟きながら練習に励んだことと思います。ま・それでも【乙女の祈り】よりはマシでしょう。

> お二人のやる気の無い情熱的な会話が、とてもらしくて笑えます。
> それにしても、神代さんのお話は、地の文まで面白い。

あらん。庵さまのお話の方こそ、地文まで愛に満ち満ちておられるではございませんか。ゼロスくんは美人に書かれますし♪

> この辺りの、表面上いつも通りの平穏な会話がっ!
> お互い感情隠すのが得意な男たちだと、もう、大人っぽくて格好よくてめろめろになってしまいますわっ!(狂)

ふっ、ガウリイは単に何も考えていないだけです。リナちゃんへの想いは100%本能から来るものですから☆
そう。ですから・・・ですから間違ってもガウリイさんがゼロスくんと同じラインで会話をしているなどとは――アリの触角ほども思わないでくださいね♪(人はそれをえこひいきといふ。)

> ああ、完璧な挑発!楽しそうに瞳を細く開いた姿が、目に浮かびますわ。この後のガウリイさんが思い返して、複雑な心境になっているのも、リナさん愛されてて幸せ♪

ガウリイいじめて私も幸せ♪ ――ってなにか間違ってますね、私。性格歪んでるわ・・・。
でもゼロスとガウリイの会話とくれば、やはりここはゼロリナ派としては彼を挑発させたくなるのが性というもの!(だから私だけだってばそりは。)

> アメリアさん、……可愛い。必死な様子が伝わりますわ。優しくて一生懸命な方ですよね。彼女は。
> ゼルガディスさんのことで、舞いあがったりヤキモチやいたりするのも可愛いですけれど、リナさんとガウリイさんのことを、真剣に考えて良かれと思う事をする様子が、とても頑張っている感じで、可愛いですわ。

アニメ版のアメリアはこのかわゆさがなによりです♪ もう彼女はお話に詰まった時の私のよき助け船と化していますう。
本人もけっこう芯は強い女の子のはずなのですが・・・、私がかくとただのマスコットキャラに成り下がっていますね。はあ、男性陣にチカラを入れすぎたでしょうか。

> 素直に大喜びしないところで、シルフィールさんもいいひとなんですのよね。
> 複雑な感情を抱えているんでしょうね――他の人に恋している人を好きになるって、大変そう。
> たぶん、今までにいろんなことがあって、ガウリイさんの心が完全にリナさんのものであること、この上なくはっきりとシルフィールさんには判っているんじゃないかと思います。

たとえ手に入れることができたとしても、不安は残りますしね・・・。今思えば彼女ってかなり大変な役回りですもの。

> ――すいませんちょっと。わたくしが子供だからか、どうしてこのお姫様が大人なのかわかりません……(馬鹿)。
> や、話の本筋にはたぶん関係ないんでしょうけどっ。気になってしまった……。
> 教えていただけると嬉しいんですけれど。

ごめんなさい。私の書き方が悪いのです。いえ、べつに今までにチコチコっとでてきたセリフや、アメリアの言ったあわすじからみてそう言っているのではなくて、単に劇の付け足しとして、『主人公は歳の割にしっかりした大人な人なんですよー』という設定をさりげなく(どこらへんが?)文中に入れただけなので・・・。

まあ、あえて言うのであれば、16歳の少女が、生まれもった予知能力のせいで、周囲から化け物あつかいされつづけるわ、王家の人間にその力を知られて、強制的に政治の道具にするよう巫女として王宮に連れて行かれ、半分拷問みたいな形で国の未来を延々と問い詰められるわ、色ぼけした王子に見初められて塔に監禁されるわの大変な中で、たったひとりでよく耐えてるなあ・・・みたいな感じでそう言ったのであって・・・。長くてすいません。
これでもまだわからないのであれば、それはただ単に神代の文才と感覚がおかしいだけですので気にしないでください。どうせ即興でつくったお話ですから・・・(^^;;)

> ――――――っっ! 誰が助けるんですかっ!?
> リナさんがそこから落ちて大怪我して魔道士できなくなっちゃう、などという展開は絶対に考えたく無いので、誰かが助けてくれると信じて、そちらの方に焦点をあてますわ!

というか「魔道士できなくなっちゃう」の展開にはいると多分話がそこで終わっちゃうと思います・・・。

> ゼロスさん!?ガウリイさん!?でなきゃ、ゼルガディスさん……大穴で突如フィルさん出現でしょうかっ!

あっはっはっは☆ いいですねえ、フィルさん。書き直しちゃいましょうか(おい。)《人助けジャーンプ!》とかいってリナちゃんを受け止める!? って展開?

> 次回クライマックス!ですわね!
> リナさんの身の危険、ガウリイさんの精神状態の危険、そして、脅迫状の犯人の正体!
> あぁぁぁぁっ!なんでこんなところで続いているの――――っ!
> だけど、誰なのでしょう。大道具のものが外されていたから、犯人は大道具の人なんだろうか。脅迫状は女の子かららしいけれど、あの骨組は大きくて女の子が一人で動かすのは大変そうだから、実行犯は複数……!?いや、ちょっと怖いけれど、ガウリイさんやゼルガディスさんに惚れている『男』がいるのかもしれないっ!
> あーんっ、気になりますううううっ! 

・・・・・・・・・・・・ごめんなさい。ここまで盛り上げておいてホンット――――――にごめんなさい。犯人も脅迫状の真意も、めっっっっちゃしょーもないですうぅぅぅぅ!!! もう思わずなんじゃそりゃぁぁぁぁ! ってちゃぶ台ひっくり返したくなっちゃいますよ。マジで。
穴埋め用ですからね。しつこいようですけれど。

> 変なんですか―?何を基準に変とおっしゃるのでしょう。

オチとラストを基準にしてです(きっぱし)。

> コンチェルトは、もっとクールで冷徹で、このお話に比べて甘い感じの会話が少ないですからね。
> あちらの方では、ひたすら格好よくて、駆け引きの妙でうっとりするのですが、こちらの方は、張り巡らされた人間模様とテンポのいい会話で、どきどきはらはらですわ。

はははは・・・。いまこの作品を折りに庵さまに見放されたらどうしようかと真剣に悩んでいます。けれどラストを書き直す時間もありませんし。

> 来年ですかー……しかたありませんよね。
> 格好いい―と喜んでいるわたくしは、楽しいだけですけれども、そういう文章書かれている方は、考えてみれば大変なんですのよね。

私、頭悪いからなおさらなのですよう。

> ええ、来年を楽しみにしております。すくなくとも、今わたく
しには、このりとる・しあたぁがある!
> 完成しているそうですから、それほど焦れずに待てそうですわね♪
> ―――まだ、蓄えているおはなしがおありでしたら、また出してくださると嬉しいですわ……。

あ、もうさすがにないです。他に貯金は。ネタならなんとか一本あるのですが、もうこの時期になってかいてられませんんんん。

> さて、お互いゼロリナも勉強も頑張りましょうっ!

そして来年は更にゼロリナな高校生活を送りましょう! あーあ、ついに「じょしこうせい」と呼ばれる歳なのですね。私たちの学年ではいったい何が流行り出すのでしょうか・・・?

それでは♪

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8250最高でしたぁ!!ユノア E-mail 12/1-00:02
記事番号8232へのコメント

こんにちは、ユノアです。
ま、またしても、神代さんの小説を読めることに嬉しさを覚えております。
では、さっそく読まさせて頂きますね。

>〔私の愛する姫巫女よ。私の振る舞いを許しておくれとは言わない。ただお前をどこへもやりたくはないのだ。〕
> 講堂いっぱいに広がるややナルシストぎみのセリフは王子ことゼルガディスから。
> シルフィールに泣きながら懇願されて演ずるそれはまさにすばらしい演技ではあったが、その愛しの君を見つめる瞳はどこか投げやりだ。

ゼルガディスさんらしいです。
それにしても、シルフィ−ルに懇願されたとはいえ、よく上のセリフを言ったものだと、妙に感心すると同時に、何故かにやけて参りました。

> ふしゅっ
>((吹き矢っ!?))
> 音とともにきらりと光りつつこちらに向かう針に、気付くものの慌てるのはこの二人である。
>「リナ許せ!」
>「は?」
> ゼルガディスは小声で言うと、半ばやけくそ気味にリナを押し倒した。

きゃ―――――――――!!!やってくれます!ゼルガディスさん!!
と、意味不明なことを思いました。
まぁ、吹き矢のせいとは、重々承知なんですが、やっぱり、発狂せずにはいられませんでした(笑)。

> ――どうやらうまく切り抜けたようだ。舞台下手(しもて)で待機のガウリイはそっと胸をなでおろすと再びリナの演技に魅入った。
>「いやあ、波乱の舞台となっちゃいましたねえ。」
> しゅんっと完全に彼の後ろをとって現れた魔族の気配に、彼は思わず間合いの外まで飛びのいた。

こういうところ、さすがはガウリイさんって思っちゃいました。
頭のことはおいとくとして(笑)、こういうことには、敏感、素早いですよねぇ、やっぱり。

>「そうですねえ、いろいろとありますが、大道具に注文をだしたり、照明にサスを使うかピンスポを使うかを指定したり……。ああ、そうだ。」
> なにかを思い出したような、けれどもわざとらしい声は、常に抑揚もなく静かな波のようだった。
>「役者のすべて≠管理することも、演技を指導する上では重要な仕事…でしたっけねえ。特に――」
> 向けられた紫紺の鋭い瞳。しかしその中にはどこか面白がるような色を宿していた。
>「身の安全は絶対ですからねえ。」
>「!」
> 一瞬にしてガウリイの脳裏に照明器具の真下でゼロスに抱き寄せられた少女の姿が映る。
> 誰が忘れようか。あのライトが落ちた瞬間、音に驚いてきゅっと目の前の男の服をにぎりしめ、頭を埋めていた彼女の姿を…。

ここ、もう最高!!!
ガウリイさんには、お気の毒ですけど、やっぱりリナちゃんはゼロスさんを!!って思えて仕方ない所です!!私にとっては。
それに、ゼロスさんも、ちゃっかりガウリイさんにクギをさすというか、リナちゃんを守るのは自分だと言ってらっしゃるし・・・・・あ、理解間違ってたら、申し訳ないですけど。

>「ガウリイさん?」
> 不意に届いた声はアメリアのものだった。
>「んー? なんだアメリア。セリフの付け足しなんて言われても困るぞお。ただでさえもう半分忘れてんだからな。」

そうそう、私、ガウリイさんってよくセリフ覚えられたもんだなぁって思ってたんですよ。
けど、案の定?もう、半分忘れてるっていってらっしゃいますけど・・・・・
あ、でも、リナちゃんの相手役ってことで、頑張ったんでしょうかねぇ。

>「……………。」
>「ア、アメリアさん?」
>「シルフィールさんて、ガウリイさんのこと好きなんですよね?」
>「え? ……ちょっと、いきなり何を言い出すんですか。そんな、わたくしはただ…」
>「だったらもしもの時、ガウリイさんことよろしくお願いします。」
>「…は、はい?」
>「じゃあわたし、リナさんのお化粧直ししてきますんで。」
> ついっと彼女の横を摺り抜けて裏の通路から上手(かみて)へと行ってしまった。
>「――アメリアさん?」
> 残された者とは、常に空しいものである。
> シルフィールは暫くアメリアの後ろ姿を眺めると。かるく台本を握り締めていた。
>「それって、リナさんの瞳に…ガウリイさまは映っていない……ということですよね」
> 我知れず嘆息してしまった。
> それが歓喜の吐息だったのか憂いだったのかは、彼女自身も理解していない。

ここ好きです。
色んな意味で、悲しくて?辛い場面ですが、やっぱり、リナちゃんはゼロスさんを好きなんですよねぇと思えてきますから。
ああ、私って、ゼロリナ以外には冷たいんだろうか?
あ、いやそんなはずないんですけどねぇ(汗)

>「《塔》の人が乗っても大丈夫なように支える骨組みです!」
> ………………………………。
> 情況理解に要した時間はきっかり十秒だった。
> 舞台をみれば、今まさに大道具の《塔》の窓に立ったリナが最後のセリフを言っているところである。
>「ど、どおするんですかあ! って、ちょっとシルフィールさん!」

だ、大丈夫でしょうか?
ああ、リナちゃんどうなる!?って、すっごく気になりますぅぅぅっっ!!
でも、絶対!ゼロスさんが助けてくれるんだ!!って信じてますけど。って間違ってたら、思いっきり、恥ずかしいですけどね・・・・・

> 向き直ってみれば、すでに彼女はあうとかなんとか呻いてとせ、と卒倒しているところだった。
> そして無責任にもあさっての方向へと手を伸ばすと
>「脅迫状の……ことです…が……」
>「話をそらさないでください!」
>「いえ…、わかったんです」
>「?」
> 言い方がたとたどしい割には、けっこう元気そうなシルフィールの言葉に、アメリアは首をかしげた。

なぜ、シルフィ−ルさんが脅迫状のこと、分かったんでしょうか?
ここも、すっごく気になりますっっ!!!

>♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
> まあ、だらだらと長いお話ですこと。ちょい昔に書いたお話ですからもう変変変! すばらしく変なストーリー。ええ、ええ、自分でも自覚してますよ。

すっごく面白かったですよぉっ!!最初から、最後まで、びっちし楽しませて貰えましたもん。それに、やっぱり、神代さんの表現は、す、素晴らしい!!ってうっとりしちゃってますし。もう、最高でしたぁぁ!!

> 書いててだんだんと目がすわってきましたもの。これでいままでの中で一番ゼロリナっぽいと本人がいうのですから、もう笑うしかありませんね。
> コンチェルトは……多分来年だと……。あああっ、すいません! でもあのような頭をつかう(私だけでしょうけどそれは)ストーリー。受験で疲れた今の私には書けませんんんんん!! そのうち注意書きに《投稿は作品ができてからしてください》と書かれそうで心配…。

コンチェルトの方も、かなり気になってはいるんですが、こっちが読めるので、とっても満足してます♪
次の作品、いつ読めるのだろうかと、わくわくしながら待ってます。

と、今回も、かなり変な感想になってしまって申し訳ありません。
それでは、これにて失礼させて頂きます。



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8259すいませんんんん。神代 桜 12/2-21:48
記事番号8250へのコメント

>こんにちは、ユノアです。

こんにちは。ううう、すいません。申し訳ありませんんんんん!! 期末テストだったのでとりあえず投稿はしておこうと思い、三章めを入れてしまいましたので、ユノアさまのお返事を書けずという、要領のわるいことになってしまいましたあぁぁぁ!! ああ、私ってば数少ない大切なお方になんてことをっ! ホントにすいません―――。

>ゼルガディスさんらしいです。
>それにしても、シルフィ−ルに懇願されたとはいえ、よく上のセリフを言ったものだと、妙に感心すると同時に、何故かにやけて参りました。

登場回数に比例してちゃめっけのでてくる彼。もう何をさせてもアリでしょう。

>きゃ―――――――――!!!やってくれます!ゼルガディスさん!!
>と、意味不明なことを思いました。
>まぁ、吹き矢のせいとは、重々承知なんですが、やっぱり、発狂せずにはいられませんでした(笑)。

ここはあんまり意識しなかったのですが・・・。よくよく見ればなんだかゼルリナっぽかったのかも。つまるところ、ガウリイ以外の人はリナちゃんを護りぬけるの
よー。みたいなことを書きたかったもので(私ってば鬼・・・)

>頭のことはおいとくとして(笑)、こういうことには、敏感、素早いですよねぇ、やっぱり。

ガウリイからこれをとったら何も残りませんからねえ。ああ、なんだか私って言い方にトゲが・・・っ。

>ここ、もう最高!!!
>ガウリイさんには、お気の毒ですけど、やっぱりリナちゃんはゼロスさんを!!って思えて仕方ない所です!!私にとっては。
>それに、ゼロスさんも、ちゃっかりガウリイさんにクギをさすというか、リナちゃんを守るのは自分だと言ってらっしゃるし・・・・・あ、理解間違ってたら、申し訳ないですけど。

もお、お好きなように解釈してくださいまし。リナちゃんはきっとガウリイを一番好きだとは思うのですけれども。微妙な心の隙間にね。こうゼロスくんがなんとなく滑り込んでくるというか・・・。ふふふふふふふ。

>ここ好きです。
>色んな意味で、悲しくて?辛い場面ですが、やっぱり、リナちゃんはゼロスさんを好きなんですよねぇと思えてきますから。
>ああ、私って、ゼロリナ以外には冷たいんだろうか?
>あ、いやそんなはずないんですけどねぇ(汗)

あ・私はゼロリナとゼルアメ以外にはとことん冷たいです。いけない傾向ですねっ・・・。

>だ、大丈夫でしょうか?
>ああ、リナちゃんどうなる!?って、すっごく気になりますぅぅぅっっ!!
>でも、絶対!ゼロスさんが助けてくれるんだ!!って信じてますけど。って間違ってたら、思いっきり、恥ずかしいですけどね・・・・・

うう、私も読んでる人の予想を一度でいいから裏切ってみたいです。なんて王道をつっぱしってるんだろうと我ながら嘆息。あぁ、許してくださいいい。

>なぜ、シルフィ−ルさんが脅迫状のこと、分かったんでしょうか?
>ここも、すっごく気になりますっっ!!!

貴女にそう言われていま書き直してます。そこら辺の処理はなにもしてなかった・・・・・・。うーん。さすがインスタントストーリー。矛盾と雑で溢れかえってる。期末テスト終わった当日に書き直しする私。
あーあ。なにやってるのかしら私。

>すっごく面白かったですよぉっ!!最初から、最後まで、びっちし楽しませて貰えましたもん。それに、やっぱり、神代さんの表現は、す、素晴らしい!!ってうっとりしちゃってますし。もう、最高でしたぁぁ!!

ご、ごめんなさい。お情けでもそこまで言って頂けてうれしいれす。でも、でもラストとオチが〜。(私これしかいってませんね)
最終話見てもまだ見捨てないでくださると、さ・・・幸いです。

>と、今回も、かなり変な感想になってしまって申し訳ありません。

そんなことないです。もう、毎回感想を楽しみに(なんかずうずうしいですね)よんでるのですから。ありがとうございますう。

それではでは♪


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8283りとる・しあたぁ《第四幕》神代 桜 12/4-22:39
記事番号8184へのコメント

〔民は私を捕らえることを革命の証とす…。ならば、私は戒めの鎖のとどかぬところへこの身を委ねましょう。〕
セリフは台本どおりだとあと二・三行だった。
後一回、なにかあるとしたらこの場面しかない。
《塔》の高さは舞台より二、三メートルほどである。ここから浮遊(レビテーション)を用意して飛び降りればリナの役目は終了だ。着地までは観客からは死角となっている。
(順調よね。今んところ)
思い、二人の王子と騎士の前で次の言葉を紡ぐべく息を吸い込むと。
「――?」
なんだろう。そういった疑問の表情で足元を見た。
確かに今足元がぐらついた気がして、とんっと軽く《塔》を足で叩いてみた。
きし…。そんないやな音がひとつ。
しかしここで動揺しているわけにもいかない。リナは訝しげな顔をしつつ、仕方なしに顔をあげた。照明のせいで舞台の客席は、黒い頭の影しか見えない。
(崩れる……なんてコトないわ…よね。あたし何回も本番前に確認したし…)
言い聞かせたところでどこから答えが返ってくるのかは判らなかったが、取りあえずリナは少しの沈黙の後に、セリフを紡いだ。
〔私は声≠伝えし者。世に運命の鐘を告げし者。しかし世が私を必要としないのならば、それもひとつの選択……〕
(やた! 終わった終わった。これであとは浮遊〈レビテーション〉を用意して……)
思い、リナが安堵の吐息を漏らした時…
「爆煙舞(バーストロンド)、――黒霧炎(ダークミスト)」
ちゅどどどど…
ぶあっ
(なっっ!?)
呪文の声は間髪いれずに舞台にいたリナの耳に届いた。


「ふ・ふ・ふ・ふ〜。みなさあん。お部屋の抜打ちチェックですよぉぉ〜。」
学園の校舎より、歩いて百メートル弱の距離に佇む女子寮の中。無人の廊下を一人、怪しげな呟きで俳諧(はいかい)しているのは当然、管理人ことフィリアである。
「学園祭で誰もいないこの今! そう、この今という時間を活用せずに一体何をすればいいというのでしょう! というわけでまずは一階、シルフィールさんからっ」
ドバン!
開け放たれた扉は大げさに音をたてつつ、思いもよらぬ来訪者を向かえ入れた。
部屋は綺麗に掃除され、埃一つたたない。本棚に並べられた魔道書も、ジャンルとサイズ別にきちんと整頓されていた。
「さすがシルフィールさん。やっぱり部屋はその人の人格を表してるのねー。」
言って扉を――今度は静かに――閉めようとして…
「はっ! こ、これは…!!」
なにやらベッドの上に置かれた一冊の雑誌のような物を発見し、フィリアは思わずよろめいた。
「シ、シルフィールさんの部屋にこんな物が……。いえ、これは彼女の物のはずないわ! こんな、こんな《必見! 好きな人にウケる謎掛けラブレター百!》なんていう不純な雑誌が、シルフィールさんの物なわけがありません! こんなモノを我が神聖な寮内に持ち込む人といえば……」
きらりと彼女の目が光る。そしてその視線の先にはもう一つの机。
「同室のマルチナさんね! まったくあの人はわたしが何度注意すればわかるのかしらっ。とりあえずこれは没収です!!」
「っっあ―――――――!! 管理人さんっ。なにやってんのよおぉ!」
「マ、マルチナさん。何時の間に。」
みれば戸口にはフィリアのいう通り、きつくかかった巻き毛が印象深い少女が腰に手を当て、憤然と立っている。
「ひどいじゃない! あたしたちが出かけてる間に勝手に入って!! ゾアメルグスター様のバチが当たっても知らないわよっ」
「な…、確かに失礼かと思いますけど…。マ、マルチナさんこそなんですかこの雑誌は! それに今は学園祭の真っ最中のはずですよ!」
言ってずいっとばかりに雑誌を突き出す。しかしマルチナは口をとがらせるとそっぽを向き
「だあって。あたし、あんな三流お芝居に興味ないもの。ホラあたしってば《王女》だから、一流の劇団のヤツじゃないと見る気しないのよねー。」
ふふん、と鼻で笑い返す。ついでに指にくるくると髪を巻き付け、鼻歌などを歌い出す始末だ。
「それにその雑誌、あたしのじゃないもぉん。」
「じゃあ一体誰のだっていうんです! そんな言い訳は通用しませんよ」
「“L・F・C”の子たちよ。なんか一昨日あたりに預かってくれっていって持ってきたのよね。その日、その子たちの部屋のチェックがあったから。」
「え…、えるえふしぃ…。ですか…? 」
はたとフィリアの口調がペースダウンした。そんな単語は今まで聞いたことがない。
すると、それを見たマルチナは以外そうな顔をして腰に当てた手を下ろすと
「なに、しらないの? “L・F・C”――《リナさまファンクラブ》よ。」
このひとことで、フィリアの思考は完全に止まった。
「ふぁ……ファンクラブうぅぅぅぅぅぅ!?」


「わたくし…、一昨日同室のマルチナさんにクイズみたいなものをだされたんです。」
「…クイズですか?」
アメリアは聞き返した。
リナの方に対してはいま裏方が数名、舞台袖で《塔》のことを書いたボードを役者に見えるように掲げている。
クライマックスに入った今、舞台の劇において死人でもでない限り中断することは不可能である。あとは三人の内の誰かが気付いてくれることに賭けるしか打つ手はない。
「ええ…。なにかの雑誌に載っていたもののようでしたが、取りあえず不可解な文面が書かれてあるんです。おかしなところで読点があって……」
「あ…、リナさんに届いたのとおなじです。それ。」
「それで…、わたくしもなんて書いてあるかわかるか≠チて言われて、首を傾げたところ……」
「なんだったんですか?」
そろそろ抱き起こされている体制も苦しくなってきたのか、シルフィールは答える前に、頭を片手でおさえつつ一度きちんと起き上がると、
「なんでも、――」
「爆煙舞(バーストロンド)、――黒霧炎(ダークミスト)」
『!?』
声はどこから聞こえてきたものかは判断がつかなかった。ただ、舞台は一瞬にして彼女たちの目の前で炎のヴェールに覆われ、そしてそれもまた闇に包まれていったのだった。
「リ…」
「リナさん!!」
とたん、アメリアは舞台に駆け出そうと立ち上がり――
それを止めたのはシルフィールだった。
「今行っても、この闇の中ではなにもできません。」
「でも、リナさんの乗っている《塔》は――!」
「さっき、ちらりとでしたがガウリイさまの駆け出す姿が見えました。それに爆煙舞(バーストロンド)では命にかかわるようなことにはなりません。
わたくしたちは、わたくしたちにできる事をしましょう。」
「……はい。」
アメリアが頷くと、シルフィールは動揺のざわめきが広がる舞台裏のスタッフたちに向かって叫んだ。
「照明は消してください。闇が晴れたら指示をだします。音響はすぐに音楽を変更。前に使ったNO,4の曲でお願いします。他の方はなにか水系などの消化用の呪文を唱えておいて下さい。二次災害はなんとしても防がなくてはいけません!」
凛とした表情が舞台裏用の微量の光に照らされた。
スタッフはそれを見ると、再び慌ただしく動き出したのだった。


「ファンクラブって…、ファンクラブのことですか!?」
「なにわけわかんない事いってんのよ…。そーよ。あのリナ・インバースのファンクラブ。なぁんであんな胸ナシ女にファンクラブなんかができんのか、あたしには理解できないんだけどね。ま・しょせんはたかがリナ一匹。あたしの敵じゃないわ。なにせあたしは……」
あんぐりと口をあけるフィリアの前で、マルチナはぺらぺらとしゃべりたくると今度は如何に自分に魅力があるかを延々と話しはじめた。
その間にもフィリアの中では彼女の常識と現実による複雑な葛藤が、大きく繰り広げられていた。
「――っというわけで…って、ちょおっと聞いてるの? 管理人さん。頭なんか抱えちゃって。
…あー、そういえばあの子たち、結局今日の舞台見に行ったのかしら?」
「…? リナさんのファンなんですから見に行くに決まってるじゃないですか?」
「んー、なんかでもアレって途中まで恋愛モノでしょ? ファンの子たちは気に入らないみたいよ。リナが他の男とそーゆーコトすんの。さっきだってゼロスの上にライト落っこって来てたし…」
「ライト!?」
そこで思わずフィリアはマルチナに詰め寄った。
「本当なんですかそれ!」
「ほ、ホントよお。でもゼロスがリナを呼んだせいで結果的にリナの上に落ちたんだけど…」
「リナさんの上にい!!」
「く、くるしいんだげど……」
言われてはじめてフィリアはマルチナの首を絞めている事に気付き、ぱっと手を放した。
「そ、それでリナさんは?」
「無事よ。ピンピンしてるってば。今頃がんばって巫女役やってんじゃないのお?」
「そんなわけないじゃないですか! 今もきっと舞台は大騒ぎに決まってます! おおかたランダムにいたずらしてリナさん本人を窮地に追いやってるかもしれませんよ!!」
言ってづかづかと部屋を出ていくフィリア。言っている事はかなり的確だったりする。
そしてくるっと振り向くと
「とりあえずその生徒たちの名前とクラスをおしえてください。」
「あ、あー、うん。」
その迫力に気おされて、マルチナはわたわたとメモとペンを机から取ったのだった。


炸裂した術は音量からして講堂内に響き渡っていることだろう。
舞台に出現した光球はあたりに炎を撒き散らしていたが、その光も黒霧炎(ダークミスト)の闇の中に溶けて消えていったのが見えた。
「リナ!」
お得意の小声はガウリイから。しかし今はその姿も闇に包まれており、彼女には確認できない。
「ちっ、これが最後の忠告というやつか…」
毒づくゼルガディスの声も聞こえてくる。
しかしこちらはそうそう周りのことに気もつかってはいられないのだ。
ミシ…めきみきぃ…!!
(しまっっ…!)
足場が完全に崩れた。
ニ・三メートルのこの高さでは呪文を唱えているうちに床に叩き付けられるのがおちだ。
しかもタイトドレスのこの姿では着地の受け身もとれないことに付け加えて、先に崩れ落ちた《塔》の破片がどうなっているかも判らない。いくら木でできているとはいえ、折れた木片の先で肌などはた易く裂ける。先程の爆煙舞(バーストロンド)のことを考えると引火している可能性も高い。
(どうしろってのよ!!)
最後に毒づいた言葉はもう誰に対してむけた怒りなのかはわからなかった。
ただ、落ちてゆく自分の姿はなぜか、ひどくゆっくりと客観的に見えたことだけが、小さく疑問として頭にその残像を残した。
「リナ!」
それは一瞬であったが、確かにガウリイがこちらへと滑り込むのが気配と踏み込んだ足音で知れる。
しかしこの距離ではどんなに彼が走ってきたところで間に合いはしない。まして彼女の身体はすでに傾きつつあるのだ。
(ごめん、ガウリイ…)
呟くと、きつく瞳を閉じた。
(間に合わないよ)
伸ばされたガウリイの手が腕をかすめたような気もしたが、どのみちただそれだけのことだった。
別にあきらめたわけではない。ただ、今の彼女にできる最善の行動はこうして火の粉や木の破片による失明をさけるために目を閉じることしかない。
この高さで命にかかわるようなことにはまず間違いなくならないことくらいは、彼女は充分わかっていた。それでも――
(脅迫状の相手には、ちょっと悔しいけどね…。)
――それは本当に、長い一瞬に思えて…
「やだなあリナさん。こういう時こそ僕の名前を呼んでくれるのが、ヒロインの鉄則というものでしょう?」
…とさ……。
大きく、瞳を見開いた。
少女の細い指にはさらりと肌を滑らせる服の冷たい感触。
(…漆黒だ……)
リナはふと胸中で呟いていた。
黒霧炎(ダークミスト)の闇に浮かぶ、さらに昏い闇が彼女の瞳に映っていた。
今その影はしっかりと、しかし優しく自分を抱きかかえていることに気付いたのは、なぜだかかなり後だった。
「ゼロ…ス?」
「やはりアドリブで切り抜けるしかありませんねえ。」
「へ?」
とたん闇の霧が晴れる。
照明の光りをもろに浴びてリナは思わずゼロスの方に顔を向けた。
爆煙舞(バーストロンド)の炎はやはり《塔》に燃えうつり、ぱちぱちと火をはぜていたが、浮いているリナ達には関係のないことである。
観客の方はそれを見て、この騒ぎが演出だと思ったのか興味深々といった表情で舞台に釘づけとなった。
音響係の流す曲はきちんと情況に合わせて変更され、きれいに音を奏でている。
もう、あとにはひけない情況だ。
「苦手なんですけれどね。ホントはこういうの。」
舞台の上、唖然とするゼルガディスとガウリイをよそに、ゼロスは囁きよりもさらに小さくリナの耳元で呟いてみせた。頬に薄っすらと朱がさすリナを見て、口元を少しばかりゆるめる。
そして冷ややかな視線を観客になげつけると、芝居がかった、それでもよく通る謎めいた調子の声で劇のアドリブをはじめたのだった。


「ううう、ですからあ、あの手紙の『。』で読点が打たれている文は、頭文字をひとつだけとり『、』が打たれいてる文は頭文字を二文字とって順番につなげるんですうぅぅぅ。」
舞台終了後。フィリアに突き出され、さんざんリナにどつきまわされた少女たちは、ひくひくとしゃくりあげながらそういって、未だ目の釣り上がったドレス姿のリナを上目使いにみあげた。
「――で?」
「それで…ならべると【リナさんすきですおつきあいしてください♪】ってなるんですぅぅ。う、う…、私達、ほんのおちゃっぴいのつもりでえぇぇぇ」
「――で?」
びくっ。
すでに目のすわっているリナを前に、返って来た冷ややかな返事に身を震わせる少女その二。
全部でおよそ十人ほどだろうか。いずれも普段は品行方正で消極的な少女たちばかりである。
「だ、だってあの雑誌には《一見脅迫状に見せかけて実はラブレター♪ ってやると、安堵感に包まれた中だからOKをだしてもらえやすい》って書いて…」
「んなわけあるかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
ちゅどごおぉぉぉんっっ!
「ああああ! リナさんリナさん。次なにかしたら退学ですよう。」
「ええいっ。とめるなアメリア。こいつらは悪よ悪!」
「そうですけどお…」
少女たちはみるも空しく悲鳴をあげながら、見事に一人ずつふっとんでいく。
「あんたたちねえ、そう言いながらライトも吹き矢もみんなあたしを狙ってたじゃないの!!」
「ちがいますうううぅぅぅ。私たちはあくまで男子寮の寮長とゼルガディス先輩に重傷を負わせようと! ただちょっとリナ様の運が悪くて当たりそうになっただけなんです。」
「なにが『だけなんです』だあぁぁぁぁ! 取りあえず! ゼルにはきっちし謝んなさいよ」
「あの、リナさん僕は別にどうなってもいいと…?」
「口だすんじゃないよ、ゼロス。」
ぎろっと睨まれすごすごとゼロスは後退する。
そのやり取りの中、嘆息を先程から繰り返しているのはゼルガディスである。
リナによって突き出されてきた、脅えた表情の少女たちを一瞥し、なんだか自分が悪者のような気がして気が引ける。
「ゼ、ゼゼゼっっ、ゼルガディスっ先パっっ、うっく…」
「ご、ごめんなさっ、あ、いえ……ひっく、申し訳…ありませんでし…っっく。」
「も、もうしませんんんんん」
などと言いながら順に謝ってくる。
付け加えて全員が彼より身長が低いため、さらに自分が見下しているような錯覚におそわれてしまうことに、ゼルガディスは更に嘆息を重ねた。
「い、いや、わかればそれでいいんだが…」
「だめよゼル! こーゆーことはきっちしみっちししつけとかないと!」
「しつけるってリナさん…」
「そうですよう。もういいじゃないですか、こんだけやったんですし…」
「よくなああぁぁぁぁぁい! 第一……!」
言いかけたリナの肩に、不意に止めに入るように手が置かれ、彼女は動きを止めた。
「それくらいにしておいてやろーぜ、リナ。もう充分だろ?」
「だってガウリイ――!」
「ただし……」
ガウリイはまだ抗議の声をあげるリナを遮ると、少女達相手には少々きつかったかも知れないが、あきらかに怒気を含んだ視線を投げつけた。
「『塔』の細工は、少しばかりやり過ぎたんじゃないか…?」
「あ…!」
「あれは私たちじゃありません!」
「ここまできて嘘をついても仕方ありませんよ!」
「本当なんです! わたしたちはライトと吹き矢しかやってません!!」
必死でそう言ってくる少女たち。
窘めようとしたアメリアは、思わずガウリイを見、そしてその場にいたゼルガディスたちに向かって首を傾げた。
「…本当に、あなた方ではないのですか……?」
「私たち、いくらなんでもあそこまでやりません。」
きっと顔をあげる少女たち。どうみても嘘をついているようにはみえない。付け加えてここまで来て今更シラをきる理由も見当たらないのである。
シルフィールは仕方なくフィリアを見ると
「……どうしましょうか、管理人さん…。」
「…取りあえず、後は理事長――はご不在ですので理事長代理にまかせましょう。いいですね。リナさん。」
「はーいはい。反省しなさいよ、アンタ達!」
『は、はいいぃぃ』
大人しく、彼女たちはフィリアによって寮へと連れて行かれようとし。
「あ、あのリナさま…」
「あによ? まだなんか…」
「またがんばって、学園破壊してくださいね♪」
『私たち、破壊の女王なあなたにひかれたんでーす!!』
言ってL・F・Cの少女たちはウインクひとつ。
………………。
「だ…。誰が破壊の女王だああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ちゅっっどおぉぉぉん…!
「きゃ――――――☆」
一斉にしてわきあがる黄色い声。
彼女たちはそのまま青ざめた顔つきのフィリアにずりずりと引きずられていった。
「…すごい、今の一瞬でリナさんの攻撃に免疫をつけたなんて……」
「世の中いろんな人間がいるもんだ。」
誰もが呆然とする最中、アメリアとゼルガディスの呟きが響くが、それはもう誰にもどうでもいいことだ。

「…取りあえず、皆さん打ち上げにでもいきましょうか。」
「そうね…。」
暫くの沈黙の後呟かれたシルフィールの言葉に、力なく頷くリナ。
気がつけば他の生徒はもうすでに移動にはいっていた。
「ほら行くわよガウリイ。」
「ああ、でもちょっと待った!」
「?」
リナが振り返った矢先だった。少し強めに腕を掴まれ、思わず驚いたような表情でみあげる。
「これからは、こういう事があったら必ず俺に言え。いいか、お前を守るのは――」
リナは大きく目を開く。
その視界に、傷ついたような瞳で二人を眺める女性は入っておらず、そしてまた、アメリアとゼルガディスはそのどちらにも気付いていた。
「お前を守れるのは、俺だけだからな。」
しかし言った金髪の青年の視界には、誰が映っていたのかは誰も気付きはしなかったが……。
「さあ、それでは僕はこの辺で……」
「え、あ・ゼロスさん打ち上げパ―ティー行かないんですか? きっと今日は話題の主役ですよお」
さっと黒に身を包んだ男が踵をかえす。
「いえいえ、これからちょっと所用がありまして…」
「でも――」
「放っておけ、アメリア。行きたくないヤツを無理に誘うこともない。」
冷たく突き放すいつもの言葉。それにゼロスは満足したように頷きと
「そういうことです。ではリナさん。」
「?」
緋色の瞳に漆黒がうつる。
「また次の寮長会議に…。といっても、いつも二人の雑談で終ってしまいますがね…。あなたのお好きな紅茶、新しく入れておきますよ」
「な……」
静かに足音も立てずに、リナの目の前を本人はゆっくりとすれ違っていく。
同時に、彼女の肩に置いたガウリイの手に僅かにこもる力。
ただしそれも、感情の揺らぐ種が消え去る一瞬のことではあったが…。
「ちょっとゼロス――! なによそ…」
「ほらリナ。俺たちも行くとするか。なんかもう誰も残っていないらしいぞ。な、アメリア」
いきなり振られて一瞬言葉の対処に遅れる彼女。
いつになくガウリイが急かすようにリナの腕を引くのに気付きながら
「あー、そ、そうですね。はやくしないとお料理がなくなっちゃいます。行きましょう、シルフィールさん。」
「あ、はい。って…ちょ・ちょっと待ってください。アメリアさん」
「?」
なにやら慌てて呼び止められ、アメリアはくるん? と振り返った。
「劇中におっしゃった言葉ですが……」
くいっと軽く彼女の腕をひっぱり、そっと耳打ちするようにしてシルフィール。
その声はどこか控えめなものだったが、きっぱりと意志を貫く響きがあり、アメリアもまた真剣な表情で聞く。
「言っておきますけれどわたくし、リナさんのおこぼれをいだたくつもりはありませんから。」
(あ…)
アメリアは思わず胸中で舌打ちした。悪いことを言ったかもしれない。リナとガウリイのことしか考えていなかったが、確かにシルフィールにしてみれば余計な一言であったに変わりないのだから…
「あの、ごめんなさ…」
「だから例えリナさんの気持ちがどうであれ、わたくしはわたくしの力でガウリイさまを振り向かせてみせます。」
「へ?」
「ではわたくし先に行っておきますね。一応幹事ですから。」
意外な面持ちで見上げるアメリアに、シルフィールは明るい笑顔でトンと彼女の肩を叩き
「いつか必ずアメリアさんたちのような幸せをつかんでみせますから。」
ぽつりと呟かれた。年下の少女は思わず赤面する。
そしてさらに彼女はそばにいたゼルガディスによろしくお願いしますね、とばかりに礼をしていった。当然セルガディスにとっては理解しがたい行動にしかうらなかったが…。
ぱたぱたと走る音だけがあたりに響き…。それはやがてリナたちを追い越したようだった。
「…行くか。」
「そ、そおですね。」
心なしか歩調が早くなっているアメリア。赤くなった顔は下にむけるしかない。
「…ゼルガディスさん。」
「?」
「…人のことって、あまり首をつっこむべきじゃないですけど、わたし思うんです。」
つたたたたたと、料理に釣られて急いでいるリナたちの後ろを、なぜか彼女が早足で進むのでゼルガディスは首をかしげつつついていく。
「いっそのことリナさんとゼロスさん、急展開でくっついてくれないでしょうか…? このままじゃ………」
彼は歩調を彼女に合わせてやる。
ガウリイのことを案じているのだろう。そう思い、ふう、とため息を漏らすと
「あのな、アメリア…」
「このままじゃ、ラブラブカップルは私たちだけですからダブルデートができないんですよね。」
「・………………。」
――学園は今日も平和に幕を閉じた。


後日談はもうひとつある。
コンコン。
「どうぞ。」
ノックの向こうからは落ち着いた女性の響き。
「失礼します。」
男は言うとカチャリと扉を手前に開いた。
そして、奥の大きな椅子に腰掛けた彼女の姿を確認する。広い机に肘がつかれ、組んだ指が線の細い顎を軽くささえている。
「あなたの上司様は相変わらずお忙しいようね…。おかげでわたしがほとんどの仕事をする羽目になったわ。」
ぎし…と鳴る椅子。背に重心かけた女は、そう言うと目の前ですっと立っている男を下から覗き込むようにして伺った。
「学園祭なんて初めてでしょう? どう? 人間との戯れは。」
「ええ、楽しいですよ。今日の劇も、ああして貴女が盛り上げてくれたことですし。」
「あら、ちゃんとリナ宛てに届いていたあのファンからの手紙を、わざわざ抜き取って意味ありげにあの子に渡したのは貴方の方でしょう? まあ、もっともあんな手紙を書く奴も書く奴だけれど。」
くつくつと、女は笑ってみせた。
「でも、よかったんですか?」
「――何が?」
「黒霧炎(ダークミスト)はともかくとして、爆煙舞(バーストロンド)で焦がした舞台はまずかったのでは?」
「ああ、」
自分の薄い夕闇色の髪をさらりとなでる。
「どうせ一週間後には新調する予定だもの。理事長には承諾はとってあるのよ。」
「なら、いいんですけれどね。それでは僕はこれで…。」
「あら、何か用があったんじゃないの?」
ふい、と踵をかえす男に、女は小さく首をかしげた。
振り返った男の顔には、薄い微笑が浮かんでいる。
「いいえ、ただ《塔》の細工と、劇中に放たれた魔術の確認をしにきただけですよ。やはり貴女だったようですしね。では、理事長代理。」
きれいに礼をしてみせると、彼はそのまま闇に消えていった。
ふむ…と女は頬杖をつく。そしてしばらくして天井を仰ぐと、
「ゼラス、さっさと帰ってこないかしら? こんなに面白い話、滅多にないのに…」
はう、とため息が漏れたのだった。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
はいはーい、エンドですよお★ ここまでお付き合いしてくださった方はおそらくいないことでしょう(笑)
ああ、なんてしょーもないお話。自分で書いてて自覚せさせるをえませんわ。疲れてるんですねー、私きっと。
長い割にゼロスとリナは絡みが少なく、かつオチはめちゃめちゃくだらない。もおストーリー性のカケラもないこのありさま…。
そして、やはり出ました。ルナさん。なんかもう私の書くものでは王道となりましたね。
マルチナは一体なんのためにでてきたのやら。都合よく私に使われてしまった…。もう、だめよだめよ、こんな少女漫画ちっくな展開。やはり私にはシリアスが、いってもまだ向いてる方…?
はあ、それではこれで☆
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8289きゃ――――!!嬉しすぎぃぃっ!!!ユノア E-mail 12/5-04:18
記事番号8283へのコメント

こんばんは、ユノアです。
きゃっ!!もう、最終話が出たんですね♪嬉しすぎ!!
早速、心して読ませて頂きます!!

>〔民は私を捕らえることを革命の証とす…。ならば、私は戒めの鎖のとどかぬところへこの身を委ねましょう。〕
> セリフは台本どおりだとあと二・三行だった。
> 後一回、なにかあるとしたらこの場面しかない。
> 《塔》の高さは舞台より二、三メートルほどである。ここから浮遊(レビテーション)を用意して飛び降りればリナの役目は終了だ。着地までは観客からは死角となっている。
>(順調よね。今んところ)

今のところはね♪
ああ!!ごめんなさいぃぃぃぃ!!!リナちゃん!!
挑発してるつもりはないんですぅっっ!!

> 思い、二人の王子と騎士の前で次の言葉を紡ぐべく息を吸い込むと。
>「――?」
> なんだろう。そういった疑問の表情で足元を見た。
> 確かに今足元がぐらついた気がして、とんっと軽く《塔》を足で叩いてみた。
> きし…。そんないやな音がひとつ。
> しかしここで動揺しているわけにもいかない。リナは訝しげな顔をしつつ、仕方なしに顔をあげた。照明のせいで舞台の客席は、黒い頭の影しか見えない。
>(崩れる……なんてコトないわ…よね。あたし何回も本番前に確認したし…)
> 言い聞かせたところでどこから答えが返ってくるのかは判らなかったが、取りあえずリナは少しの沈黙の後に、セリフを紡いだ。
>〔私は声≠伝えし者。世に運命の鐘を告げし者。しかし世が私を必要としないのならば、それもひとつの選択……〕
>(やた! 終わった終わった。これであとは浮遊〈レビテーション〉を用意して……)
> 思い、リナが安堵の吐息を漏らした時…
>「爆煙舞(バーストロンド)、――黒霧炎(ダークミスト)」
> ちゅどどどど…

ビックリしちゃいましたぁ!!と同時に誰が?って、とも。

> ぶあっ
>(なっっ!?)
> 呪文の声は間髪いれずに舞台にいたリナの耳に届いた。
>
>
>「ふ・ふ・ふ・ふ〜。みなさあん。お部屋の抜打ちチェックですよぉぉ〜。」
> 学園の校舎より、歩いて百メートル弱の距離に佇む女子寮の中。無人の廊下を一人、怪しげな呟きで俳諧(はいかい)しているのは当然、管理人ことフィリアである。

フィリアさん、妖しすぎ(笑)。
何か、そこはかとなく、楽しそうですねぇ。彼女の趣味!?

>「シ、シルフィールさんの部屋にこんな物が……。いえ、これは彼女の物のはずないわ! こんな、こんな《必見! 好きな人にウケる謎掛けラブレター百!》なんていう不純な雑誌が、シルフィールさんの物なわけがありません! こんなモノを我が神聖な寮内に持ち込む人といえば……」
> きらりと彼女の目が光る。そしてその視線の先にはもう一つの机。
>「同室のマルチナさんね! まったくあの人はわたしが何度注意すればわかるのかしらっ。とりあえずこれは没収です!!」
>「っっあ―――――――!! 管理人さんっ。なにやってんのよおぉ!」
>「マ、マルチナさん。何時の間に。」
> みれば戸口にはフィリアのいう通り、きつくかかった巻き毛が印象深い少女が腰に手を当て、憤然と立っている。

マルチナさん、登場(パチパチパチ)。
私は、彼女の縦巻きロ−ルが頭から離れません(笑)。

>「ひどいじゃない! あたしたちが出かけてる間に勝手に入って!! ゾアメルグスター様のバチが当たっても知らないわよっ」

やっぱり・・・・ゾアメルグスタ−なんですねぇ。
彼女の信念?には敬服いたしますです。

>「それにその雑誌、あたしのじゃないもぉん。」
>「じゃあ一体誰のだっていうんです! そんな言い訳は通用しませんよ」
>「“L・F・C”の子たちよ。なんか一昨日あたりに預かってくれっていって持ってきたのよね。その日、その子たちの部屋のチェックがあったから。」
>「え…、えるえふしぃ…。ですか…? 」
> はたとフィリアの口調がペースダウンした。そんな単語は今まで聞いたことがない。
> すると、それを見たマルチナは以外そうな顔をして腰に当てた手を下ろすと
>「なに、しらないの? “L・F・C”――《リナさまファンクラブ》よ。」
> このひとことで、フィリアの思考は完全に止まった。
>「ふぁ……ファンクラブうぅぅぅぅぅぅ!?」

ええぇぇぇぇ!!!!!!私も驚きました(笑)。
よもや、リナちゃんにファンクラブがあったなんて・・・・・と。
あ、いや、可愛いから分からないでもないけど♪(←身の危険を感じ、とりあえずフォ−ロ−するヤツ(笑))
でも、本当に以外でしたねぇ。

>「わたくし…、一昨日同室のマルチナさんにクイズみたいなものをだされたんです。」
>「…クイズですか?」
> アメリアは聞き返した。
> リナの方に対してはいま裏方が数名、舞台袖で《塔》のことを書いたボードを役者に見えるように掲げている。
> クライマックスに入った今、舞台の劇において死人でもでない限り中断することは不可能である。あとは三人の内の誰かが気付いてくれることに賭けるしか打つ手はない。
>「ええ…。なにかの雑誌に載っていたもののようでしたが、取りあえず不可解な文面が書かれてあるんです。おかしなところで読点があって……」
>「あ…、リナさんに届いたのとおなじです。それ。」
>「それで…、わたくしもなんて書いてあるかわかるか≠チて言われて、首を傾げたところ……」
>「なんだったんですか?」
> そろそろ抱き起こされている体制も苦しくなってきたのか、シルフィールは答える前に、頭を片手でおさえつつ一度きちんと起き上がると、
>「なんでも、――」
>「爆煙舞(バーストロンド)、――黒霧炎(ダークミスト)」

もう!いよいよってところで、お邪魔ですねぇ。お約束!?
気になって、気になって、仕方なかった私。

> アメリアが頷くと、シルフィールは動揺のざわめきが広がる舞台裏のスタッフたちに向かって叫んだ。
>「照明は消してください。闇が晴れたら指示をだします。音響はすぐに音楽を変更。前に使ったNO,4の曲でお願いします。他の方はなにか水系などの消化用の呪文を唱えておいて下さい。二次災害はなんとしても防がなくてはいけません!」
> 凛とした表情が舞台裏用の微量の光に照らされた。
> スタッフはそれを見ると、再び慌ただしく動き出したのだった。

こういう時のアメリア姫って、テキパキしていて、かっこいいと思っちゃいます。
さすがは、一国をになう姫ですねぇ。

>(どうしろってのよ!!)
> 最後に毒づいた言葉はもう誰に対してむけた怒りなのかはわからなかった。
> ただ、落ちてゆく自分の姿はなぜか、ひどくゆっくりと客観的に見えたことだけが、小さく疑問として頭にその残像を残した。
>「リナ!」
> それは一瞬であったが、確かにガウリイがこちらへと滑り込むのが気配と踏み込んだ足音で知れる。
> しかしこの距離ではどんなに彼が走ってきたところで間に合いはしない。まして彼女の身体はすでに傾きつつあるのだ。
>(ごめん、ガウリイ…)
> 呟くと、きつく瞳を閉じた。
>(間に合わないよ)
> 伸ばされたガウリイの手が腕をかすめたような気もしたが、どのみちただそれだけのことだった。
> 別にあきらめたわけではない。ただ、今の彼女にできる最善の行動はこうして火の粉や木の破片による失明をさけるために目を閉じることしかない。

きゃ――――――!!!やっぱりこういうリナちゃん、かっこいい!!
いかなる時も冷静で、最前の方法をとるところが。
けど、ガウリイさんに謝るところが、ちょっぴし、嫉妬しちゃいましたけど・・・・

> この高さで命にかかわるようなことにはまず間違いなくならないことくらいは、彼女は充分わかっていた。それでも――
>(脅迫状の相手には、ちょっと悔しいけどね…。)
> ――それは本当に、長い一瞬に思えて…
>「やだなあリナさん。こういう時こそ僕の名前を呼んでくれるのが、ヒロインの鉄則というものでしょう?」

もうっっっ!!!やっぱりゼロスさん(はぁと)
そうですぅぅぅっっっ!!こんな時にゼロスさんにたよらなくってどうするんですか!!リナちゃん!!
常にゼロスさんは、リナちゃんのために、いるんですから♪

> …とさ……。
> 大きく、瞳を見開いた。
> 少女の細い指にはさらりと肌を滑らせる服の冷たい感触。
>(…漆黒だ……)
> リナはふと胸中で呟いていた。
> 黒霧炎(ダークミスト)の闇に浮かぶ、さらに昏い闇が彼女の瞳に映っていた。
> 今その影はしっかりと、しかし優しく自分を抱きかかえていることに気付いたのは、なぜだかかなり後だった。
>「ゼロ…ス?」

ここ、とっても大好きです!!!
この状況を目に浮かべると、クラクラぁってきちゃってます。
もう、かっこよくって、なおかつ、ほのかな?二人の愛の絆を感じられて・・・・・
って、また、一人勝手に解釈間違って暴走してるし・・・・・

>「やはりアドリブで切り抜けるしかありませんねえ。」
>「へ?」
> とたん闇の霧が晴れる。
> 照明の光りをもろに浴びてリナは思わずゼロスの方に顔を向けた。
> 爆煙舞(バーストロンド)の炎はやはり《塔》に燃えうつり、ぱちぱちと火をはぜていたが、浮いているリナ達には関係のないことである。
> 観客の方はそれを見て、この騒ぎが演出だと思ったのか興味深々といった表情で舞台に釘づけとなった。
> 音響係の流す曲はきちんと情況に合わせて変更され、きれいに音を奏でている。
> もう、あとにはひけない情況だ。
>「苦手なんですけれどね。ホントはこういうの。」
> 舞台の上、唖然とするゼルガディスとガウリイをよそに、ゼロスは囁きよりもさらに小さくリナの耳元で呟いてみせた。頬に薄っすらと朱がさすリナを見て、口元を少しばかりゆるめる。
> そして冷ややかな視線を観客になげつけると、芝居がかった、それでもよく通る謎めいた調子の声で劇のアドリブをはじめたのだった。

ああ、ゼロスさんと共演できるなんて、なんて幸せ者のリナちゃんなんでしょう!!
私が変わりにご一緒したいぃぃぃ!!!って思っちゃいました(笑)。
「苦手なんですけどね。ホントはこういうの。」ってゼロスさんおっしゃってますけど、きっと、当たり前でしょうが、つつがなくこなすんでしょうねぇ。うっとり。

>「ううう、ですからあ、あの手紙の『。』で読点が打たれている文は、頭文字をひとつだけとり『、』が打たれいてる文は頭文字を二文字とって順番につなげるんですうぅぅぅ。」
> 舞台終了後。フィリアに突き出され、さんざんリナにどつきまわされた少女たちは、ひくひくとしゃくりあげながらそういって、未だ目の釣り上がったドレス姿のリナを上目使いにみあげた。
>「――で?」
>「それで…ならべると【リナさんすきですおつきあいしてください♪】ってなるんですぅぅ。う、う…、私達、ほんのおちゃっぴいのつもりでえぇぇぇ」

おちゃっぴぃ?おちゃっぴいで脅迫状?
それにしても、そんな回りくどいことしなくっても・・・・

>「――で?」
> びくっ。
> すでに目のすわっているリナを前に、返って来た冷ややかな返事に身を震わせる少女その二。
> 全部でおよそ十人ほどだろうか。いずれも普段は品行方正で消極的な少女たちばかりである。
>「だ、だってあの雑誌には《一見脅迫状に見せかけて実はラブレター♪ ってやると、安堵感に包まれた中だからOKをだしてもらえやすい》って書いて…」
>「んなわけあるかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

ごもっとも(笑)。
でも、そんな本を出す、出版社って一体・・・・・?

>「あ、あのリナさま…」
>「あによ? まだなんか…」
>「またがんばって、学園破壊してくださいね♪」
>『私たち、破壊の女王なあなたにひかれたんでーす!!』
> 言ってL・F・Cの少女たちはウインクひとつ。
> ………………。
>「だ…。誰が破壊の女王だああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
> ちゅっっどおぉぉぉん…!
>「きゃ――――――☆」
> 一斉にしてわきあがる黄色い声。
> 彼女たちはそのまま青ざめた顔つきのフィリアにずりずりと引きずられていった。
>「…すごい、今の一瞬でリナさんの攻撃に免疫をつけたなんて……」
>「世の中いろんな人間がいるもんだ。」
> 誰もが呆然とする最中、アメリアとゼルガディスの呟きが響くが、それはもう誰にもどうでもいいことだ。

お、面白い!!面白すぎです。この場面。
破壊神リナちゃんを思い出してしまいました(笑)。
やっぱり、リナちゃんが惚れれられる理由って・・・・あ、いえ、何でもありません(汗)。

>「…取りあえず、皆さん打ち上げにでもいきましょうか。」
>「そうね…。」
> 暫くの沈黙の後呟かれたシルフィールの言葉に、力なく頷くリナ。
> 気がつけば他の生徒はもうすでに移動にはいっていた。
>「ほら行くわよガウリイ。」
>「ああ、でもちょっと待った!」
>「?」
> リナが振り返った矢先だった。少し強めに腕を掴まれ、思わず驚いたような表情でみあげる。
>「これからは、こういう事があったら必ず俺に言え。いいか、お前を守るのは――」
> リナは大きく目を開く。
> その視界に、傷ついたような瞳で二人を眺める女性は入っておらず、そしてまた、アメリアとゼルガディスはそのどちらにも気付いていた。
>「お前を守れるのは、俺だけだからな。」
> しかし言った金髪の青年の視界には、誰が映っていたのかは誰も気付きはしなかったが……。

きゃ―――!!そこはかとなく、危険ですわぁぁぁ!!!
本当にガウリイさんって、ゼロスさんに挑戦的?です!!
でも、ダメですよ。リナちゃんはゼロスさんのものなんだから♪

>「さあ、それでは僕はこの辺で……」
>「え、あ・ゼロスさん打ち上げパ―ティー行かないんですか? きっと今日は話題の主役ですよお」
> さっと黒に身を包んだ男が踵をかえす。
>「いえいえ、これからちょっと所用がありまして…」

やっぱり、ゼロスさんって大人。
あんなことがあっても、別にリナさんにベッタリする訳じゃなく、そこが、また良いんですよねぇ。

>「そういうことです。ではリナさん。」
>「?」
> 緋色の瞳に漆黒がうつる。
>「また次の寮長会議に…。といっても、いつも二人の雑談で終ってしまいますがね…。あなたのお好きな紅茶、新しく入れておきますよ」
>「な……」
> 静かに足音も立てずに、リナの目の前を本人はゆっくりとすれ違っていく。
> 同時に、彼女の肩に置いたガウリイの手に僅かにこもる力。
> ただしそれも、感情の揺らぐ種が消え去る一瞬のことではあったが…。
>「ちょっとゼロス――! なによそ…」

ああ、ゼロスさんとリナちゃんの、甘い二人の語らいですねぇ(←思考、どっかにいっちゃってるし)。
あの時の場面を思い出してしまいましたです。
そういえば、あのリナちゃんがゼロスさんを挑発?してた時、あの後、どうなってんでしょうか?すっごく気になってるんですよぉ。ねぇ?

>「いつか必ずアメリアさんたちのような幸せをつかんでみせますから。」
> ぽつりと呟かれた。年下の少女は思わず赤面する。

アメリア姫可愛いですぅ!!

>「…行くか。」
>「そ、そおですね。」
> 心なしか歩調が早くなっているアメリア。赤くなった顔は下にむけるしかない。
>「…ゼルガディスさん。」
>「?」
>「…人のことって、あまり首をつっこむべきじゃないですけど、わたし思うんです。」
> つたたたたたと、料理に釣られて急いでいるリナたちの後ろを、なぜか彼女が早足で進むのでゼルガディスは首をかしげつつついていく。
>「いっそのことリナさんとゼロスさん、急展開でくっついてくれないでしょうか…? このままじゃ………」
> 彼は歩調を彼女に合わせてやる。
> ガウリイのことを案じているのだろう。そう思い、ふう、とため息を漏らすと
>「あのな、アメリア…」
>「このままじゃ、ラブラブカップルは私たちだけですからダブルデートができないんですよね。」
>「・………………。」
> ――学園は今日も平和に幕を閉じた。

そ、そんな理由なんかい!!って思わず、ツッコミをいれてしまったです・・・・
でも、それがかえって?とっても可愛いって思えましたけど。

>
>
> 後日談はもうひとつある。
> コンコン。
>「どうぞ。」
> ノックの向こうからは落ち着いた女性の響き。
>「失礼します。」
> 男は言うとカチャリと扉を手前に開いた。
> そして、奥の大きな椅子に腰掛けた彼女の姿を確認する。広い机に肘がつかれ、組んだ指が線の細い顎を軽くささえている。
>「あなたの上司様は相変わらずお忙しいようね…。おかげでわたしがほとんどの仕事をする羽目になったわ。」
> ぎし…と鳴る椅子。背に重心かけた女は、そう言うと目の前ですっと立っている男を下から覗き込むようにして伺った。
>「学園祭なんて初めてでしょう? どう? 人間との戯れは。」
>「ええ、楽しいですよ。今日の劇も、ああして貴女が盛り上げてくれたことですし。」
>「あら、ちゃんとリナ宛てに届いていたあのファンからの手紙を、わざわざ抜き取って意味ありげにあの子に渡したのは貴方の方でしょう? まあ、もっともあんな手紙を書く奴も書く奴だけれど。」
> くつくつと、女は笑ってみせた。
>「でも、よかったんですか?」
>「――何が?」
>「黒霧炎(ダークミスト)はともかくとして、爆煙舞(バーストロンド)で焦がした舞台はまずかったのでは?」
>「ああ、」
> 自分の薄い夕闇色の髪をさらりとなでる。
>「どうせ一週間後には新調する予定だもの。理事長には承諾はとってあるのよ。」
>「なら、いいんですけれどね。それでは僕はこれで…。」
>「あら、何か用があったんじゃないの?」
> ふい、と踵をかえす男に、女は小さく首をかしげた。
> 振り返った男の顔には、薄い微笑が浮かんでいる。
>「いいえ、ただ《塔》の細工と、劇中に放たれた魔術の確認をしにきただけですよ。やはり貴女だったようですしね。では、理事長代理。」
> きれいに礼をしてみせると、彼はそのまま闇に消えていった。
> ふむ…と女は頬杖をつく。そしてしばらくして天井を仰ぐと、
>「ゼラス、さっさと帰ってこないかしら? こんなに面白い話、滅多にないのに…」
> はう、とため息が漏れたのだった。

はぁ。ゼロスさんとルナさんのやり取りかっこいいですぅぅぅっっ!!
それにしても、ルナさん、やってくれますわ!!
でも、おバカな私なんで、理解出来ないのですが・・・・・ルナさんは何であんなことやったんでしょう?すみません!!教えて頂ければ、幸いなのですが・・・・・

>♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
> はいはーい、エンドですよお★ ここまでお付き合いしてくださった方はおそらくいないことでしょう(笑)

そんな訳はありません!!
ここに、神代様の作品に陶酔しきって、死ぬまで(←危ないってその言葉・・・)ついていくことを決めたヤツがいることをお忘れ無く!!

> ああ、なんてしょーもないお話。自分で書いてて自覚せさせるをえませんわ。疲れてるんですねー、私きっと。

しょ−もないお話なんて、滅相もない!!素晴らしい作品でしたもの!!
もう、すっっっっっっっごく面白かったです!!!
読みたくって、読みたくって仕方なかった私ですから、最後まで読めて満足でした。

> 長い割にゼロスとリナは絡みが少なく、かつオチはめちゃめちゃくだらない。もおストーリー性のカケラもないこのありさま…。

何故、何故、そんなことばかり・・・・・
神代様の作品は、秀逸なものばかりなのにぃ・・・・・・
本当に、毎回、良いものばかりを読ませて頂けて、幸せを感じてるんですよ?

> そして、やはり出ました。ルナさん。なんかもう私の書くものでは王道となりましたね。

はい、はい、はいぃぃ!!
もう、神代様のルナさん、大好きですぅぅぅっっっ!!!
だって、かっこいいんですもの♪

> マルチナは一体なんのためにでてきたのやら。都合よく私に使われてしまった…。もう、だめよだめよ、こんな少女漫画ちっくな展開。やはり私にはシリアスが、いってもまだ向いてる方…?

いえ、今回の話、可愛らしくって、楽しめましたよぉ。
それに、マルチナさんは、重要な役目をになってましたし・・・・・

> はあ、それではこれで☆

本当に、こんな素晴らしい作品を読ませて頂けて、有り難うございました。
連載ものの方は、来年とかおっしゃられてましたが、そちらを楽しみに待たせていただきますねぇ。
それでは、これにて失礼させて頂きます。