◆−ある夜の出来事 (ゼルアメ)−八極(11/23-18:45)No.8207
 ┣Re:ある夜の出来事 (ゼルアメ)−魚の口(11/23-20:15)No.8208
 ┃┗初めまして、魚の口さん−八極(11/24-07:58)No.8209
 ┗闇なべ戦記 (1)−八極(11/28-11:33)No.8235


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8207ある夜の出来事 (ゼルアメ)八極 E-mail 11/23-18:45


どうも。
えーと最初にちっとお知らせをば、前の「回想」ツリーに書かれている
めーあど間違ってました。今回のが正解です。自分のめーあど
間違えるなんてお馬鹿やってすいません。

今回はゼルアメです。ほのぼのになってれば良いなぁ
では、どうぞ。

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「ある夜の出来事」


うす明かりの月が街灯代わりに静かに町中を照らしている。
そんな中を、ゼルガディスがせかせかと歩いていた。何かさがし物でもしているのか時折
キョロキョロと辺りを見回している。

「・・・ちいっ、どこなんだ?」

軽く舌打ちをし、再び歩み始めながら彼は今日の事を改めて回想する。

−たまたま寄ったこの町では、今日から収穫際が始まるのだった。こんなイベントを
お祭り騒ぎが大好きな彼の同行者達が見逃す筈も無く、意気揚々と出かけていったのだ。
しかし、あまり人前に姿をさらす事を嫌い且つ静寂が好みのゼルガディスは宿で帰りを待つ事
にしたのだった。
そして、夜半を少々過ぎた頃、ベロベロに酔っ払ったリナを担いでガウリイが戻ってきた。
アメリアの姿が見当たらないので聞いて見ると。出先でただ酒を振る舞われたのだが、
アルコールが予想以上にキツク、リナとアメリアは速攻で酔っ払ってしまい大暴れを始めた
リナをガウリイが止めている間に姿を見失ってしまったのだ。
アメリアも相当に酔っ払っていたという話を聞いて心配になったゼルは自分が捜しにでたのだ。−

−サアアアアアッ−

ちょうど上空から差し込んできた月光がゼルを回想から引き戻す。
月光に照らされ銀青(シルバーブルー)に映えながら佇む姿は一枚の絵の様だが、ゼルには
気に入らないらしく疎ましげに月を見上げて見る・・・・・・と、

−ばふっ−

「わっ?!」

いきなり上から降って来た黒い物体がゼルにしがみつき、バランスを崩した彼と一緒に地面に
転んでしまう。

「えへへ〜♪ゼルガディスさんらぁ♪」

降ってきたのは探し人、アメリアだった。
相当に出来上がっているらしく、吐く息はアルコールの存在をいやという程主張し、語尾には
やたら「♪」がついている。

「ち、ちょっ・・ちょっと待て。一体今までどこに行ってたんだ?」

しがみついたまま一向に自分からどこうとしないアメリアを脇に置き、何とか立ち上がるゼル。

「ふにゅ〜ぅ?・・・何らきろんが良かったんれあろこの屋根のうへぇでお月しゃま眺めてたん
ですぅ〜。そひたれ、ゼルガディスさんがみえたらら〜くふふふふふ〜〜〜〜〜」

呂律の回らない声でややこしい状況説明をしながら何が可笑しいのかクスクス笑い出す。

「わかった、わかった。さ、取り合えず宿に戻ろう。」

そう言って、アメリアを引っ張って行こうとすると

「やですぅ〜!もうちょっと遊んで行くですぅ〜」

駄々っ子の様にぶんぶか腕を振り回す。

「駄目だっ!もう夜も遅い。それに他の奴等も心配している。」

無事見つかった安心の反動か少しキツイ言い方をしてしまう。
しかし、彼は甘かった。酔っ払いに時間と論理は存在しない。

「うえぇぇぇ〜〜〜〜〜ゼルガディスさんが怒っら〜〜〜〜〜」

大粒の涙を流しながら泣き出してしまった。もはや子供レベル・・・

「ばっ、って・・・俺がお前に怒る筈がないだろう。・・だから泣き止んでくれ、な?」

情けない程オタオタしながら必死であやす。その甲斐あったのか

「え、ひっく・・・・ほ・・ほんろうれふか?」

しゃくりあげながら上目遣いにゼルを見上げるアメリア。

「ああ、本当だ。」

かなり無理をして微笑みを作りながら、アメリアの頭に手を乗せてなでる。

「わ〜い♪らからゼルガディスさんらい好きでふ〜」

−ぎゅ〜う−

喜んで抱き着いてきたアメリアにちょっぴり鼻の下が伸びてしまったゼルだった。


−しばらくして

く〜か〜
あれから何だかんだと振り回され、ようやく寝込んだアメリアを背におぶさって帰路につく
ゼルの姿が夜道にあった。

「やれやれ、今日はかなり疲れたな。」

そう言いつつも、自分の背中で寝息を立てている幸せそうなアメリアの寝顔を見ると
・・・ま、これはこれでOKかな・・・
とまんざらでもないようだった。

奇麗な月明かりの下、彼の足音がゆっくりと遠ざかって行った。


−終了−



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ふぅ−。
う−ん、ちゃんとほのぼのしてたかな。駄文書きには難しいです。
さて次はなんにしようかな?とりあえずまた何かふざけ物書こうかなって
思っとります。よろしければ感想下さいね。
それでは。


八極

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8208Re:ある夜の出来事 (ゼルアメ)魚の口 11/23-20:15
記事番号8207へのコメント

初めまして魚の口と申します。
ゼルアメの文字に惹かれて飛び込んで参りました。
ほのぼのな二人の姿が良かったです。
酔っぱらってしまった姫をおんぶしたゼルやん。
まんざらでもないっていうところが、にやり(笑)。

とても短い感想ですが、この辺で。
でわでわ

魚の口

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8209初めまして、魚の口さん八極 E-mail 11/24-07:58
記事番号8208へのコメント

>初めまして魚の口と申します。
こちらこそ初めましてです。
駄文マシーンの八極です。

>ゼルアメの文字に惹かれて飛び込んで参りました。
>ほのぼのな二人の姿が良かったです。
ほのぼのになってました?良かった−

>酔っぱらってしまった姫をおんぶしたゼルやん。
>まんざらでもないっていうところが、にやり(笑)。
原作版のゼルなら間違ってもこんな行動には出ないだろうけど(^^;
TV版のゼルはかなりオチャッピーな性格なので、
そのつもりで書いてました。

>とても短い感想ですが、この辺で。
>でわでわ

とんでもないです。時間を割いて頂き非常に感謝です。
次は多分、ふざけ物書くと思いますのでよろしければ
また見てくださいね−
そりでは。


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8235闇なべ戦記 (1)八極 E-mail 11/28-11:33
記事番号8207へのコメント

どうも、
この話は八極が体験した事アレンジしとります。
多分、二つのパートで終わるんじゃないかと思ってます。
それでは、どうぞ

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「闇なべ戦記」(1)


み〜ん、み〜ん、みん、み〜ん・・・・・・・・

真夏の熱気あふれるトトカンタ市。
セミ達も残り少ない命を使いフルオーケストラ演奏をしている。

「む−、うるさいわねぇ・・・オーフェン、あいつ等黙らしてくれる?」

ここいつもと同じ、バグアップの宿
日陰に面した食堂のテーブルに突っ伏しながらコギーがダルそうに呟く

「このクソ暑いのに、何が楽しくてセミ相手に喧嘩せにゃならん。自分でやれ、自分で。」

目つきの異様に悪い男−オーフェンも似たように壁にもたれかかったまま答え返す。

「むー」

別に納得した訳ではなかろうが、
文句をつけるのもダルイので黙り込む。

「暑いわね・・・」

「ああ・・・」

本日32回目の不毛な会話が交される。
と、

「そんな貴方にご朗報ーーーーーーーーっ!」

−たんっ−

何を考えているのか背中に大輪のバラを背負ったキースが両手を広げ、
「一粒で300メートル」のポーズで側まで走って来ると、ちょっと驚いたように

「おや、魔術士殿。いつものやさぐれた格好ではありませんな。」

「・・・やさぐれてるってのは聞き捨てならんが、この暑いのに熱を吸収する黒系の服なんか
着てられっかよ。俺は苦行僧じゃねえんだ。」

確かにいつもは、それしか服がねえんじゃ?なんて疑いを抱かせる程、同じ黒ずくめの格好しか
しないオーフェンだが、流石に今日の暑さには耐えられないのか珍しくストーンウォッシュの
ジーンズに薄青のTシャツとラフな格好である。

「てめえこそ、暑いんだからそのタキシードは止めろ。見てるだけで暑苦しい。後、背中の
バラも鬱陶しいぞ。」

「しかし、このバラはタキシードが吸収した熱を放出するデバイスなので。」

「嘘つきやがれ!」

普段ならここで蹴りや魔術の一発でも出る所だが、動くのも嫌なのかツッコミだけで終わらせる。
別にツッコミを聞き入れた訳でもないだろうが、
ガサガサと背中のバラを外しながら

「ま、そんな事は実の所どうでもいいのです。今日はこの暑さを一気に回避する素晴らしい
アイデアをお持ちしました。」

「ほう。」

「なになに。」

暑さを避けられるとの言葉にかなり興味を掻き立てられるオーフェン達。

「では。」

と、何やら勿体ぶりながらゴソゴソと懐から折りたたまれた半紙を取り出す。

−ばっ−

目の前に広げられた半紙には墨の字も鮮やかに

「闇なべ」

「何で、この暑いのに鍋なんかしなきゃいけないのよっ!」

「俺はそれより[闇]の部分が気になる・・・」

「ふ、甘いですよコンスタンス様。暑い時に熱い物を食するのも古から伝わる暑気払いの一つ。」

「・・・説明は分かったけど、その憐れむような視線なんかむかつく。」

「いや、だから聞けって。」

−ここで闇なべを知らない方にご説明−
闇なべとは各自それぞれがアイテムを持ち寄り(何でもあり)、鍋にぶち込みます。この時
誰が何を入れるのかは分かりません。そして食べる時に一端ハシで掴んだモノは、それが
何であれ食わなければならないという、ロシアンルーレットのような鍋の事です。
因みにこれを開催する時はメンバー構成を慎重に考えないと後でえらい目に遭います。

−んばっ−

大袈裟に右手を振り上げ、
意味のないリアクションをしながらも、キースの説明は続く。

「ですが、ここで普通の鍋をしても面白くもなんと・・・いえ、やはりスリリングな展開を
楽しんだ方が鍋魔王さもお喜びに。」

「そこかかとなく本音出しやがったな。」

「鍋魔王って何よ?」

コギーの当然過ぎる質問を無視するキース。

「で、如何でしょうこの案?」

「却下。」

「いや。」

1ミリ秒の迷いも無く否定する二人。
無理もない、誰だってゲタや歯ブラシなんて食べたくない。
しかし、キースは怯んだ様子も見せず

「話は最後までお聞き下さい。勿論今回の目的はあくまで暑気払い、ですから持ちよるものは
最低限、人間の食べ物という事でどうでしょう?」

「・・・それなら」
「まあ、いいかもね。」

まとも状態なら、こんなアイデアなんぞ無視するのだろうが
やはりこの熱気で二人とも脳細胞がやられたのかそのアイデアがそこそこナイスに思えて来る。

「後、私めが考案いたいました新システムも導入されては?」

「「新システム?」」

「はい、どうせなら鍋の出し汁も各自が調味料を持ち込みそれを混ぜ合わせようと名づけて
[カクテル出汁]!」

「・・・面白そうじゃねえか。」

「キースにしてはナイスよ。」

気の毒に、最早熱でオーバーハングした頭には自分達がそれを食べるという事が全く認識
されていないようだ。

「さてと。」

椅子につかまりノロノロと起き上がりながら

「じゃ、ちょっくらメンバーかき集めて来るわ。」

「あ、あたしも行くわ。」

「行ってらっしゃいませーーー。」

犠牲者を狩り集めに行く二人に
どこから取り出したのか白いハンカチをピラピラ振るキースの顔は
・・・・・とっても喜んでいた。


かくして地獄の闇なべ大会の幕が開くのだった。



−(2)に続く−




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えーと、(2)の方も出来るだけ早く書き上げますね。
それではまた(2)の方もヨロシクです

八極