◆−クリスマスキャロルをやろうっ☆−錫杖(12/26-20:11)No.8403
 ┣第一章 過去の幽霊−錫杖(12/26-20:35)No.8404
 ┣第二章 現在の幽霊−錫杖(12/26-20:51)No.8405
 ┣第三章 未来の幽霊−錫杖(12/26-21:05)No.8406
 ┗そして……−錫杖(12/26-21:10)No.8407


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8403クリスマスキャロルをやろうっ☆錫杖 E-mail 12/26-20:11


出来ればクリスマスキャロル、原作読んでみてくださいね。
考えさせられる名作ですから。

ゼロス「というわけです!みなさん、クリスマスキャロルやりましょう」
リナ「あのね……」
ゼル「待てリナ、俺が言う。ゼロス。遅すぎだ」
ゼロス「はっはっは。クリスマスキャロルは別にクリスマスに読まなくてもいいでしょう」
アメリア「前回の『シンデレラ』覚えてる人いるんでしょうか」
リナ「いるわけないじゃない。あんなの、過去の記事の奥の奥で眠ってるわよ」
アメリア「……えーと……」
ゼロス「つべこべ言わずに始めてください」(にっこり)
ガウリィ「まさか、また、ぶっつけ本番か……っ?」
ゼロス「もちろんです!それでは配役発表いたしますっ

スクルージ役:リナさん
(どういう意味よっっ)
過去の幽霊役:ゼラス様
(いたの……?)
現在の幽霊役:フィルさん(笑)
(……幽霊が一番合わない……)
未来の幽霊役:アメリアさん
(幽霊……?)
リナさん、いちいちコメントしないで下さい。
スクルージの秘書役:ガウリィさん

とりあえずこれだけ決めておけば十分でしょう」
ゼル「ってことは俺は出なくていいんだな?」
リナ「甘いわよ、ゼル……どうせ後から追加の役が出てくるに決まってんだから」
ゼロス「それではいっちゃいましょうっ!れっつクリスマスキャロル〜♪」

ていうか……この人たち……どうして劇やってるの……?

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8404第一章 過去の幽霊錫杖 E-mail 12/26-20:35
記事番号8403へのコメント

町はクリスマス。
明るい笑い声とカップルたちの甘い雰囲気に包まれている。

「ったく……どーしてクリスマスだからって騒いでるのよ。あたしが儲かるわけでもなし」
 リナは舌を鳴らして書類をめくりました。暖房も入ってない隣の部屋では秘書が独り仕事をしています。
 リナはとっても金持ち。だけど、その金を貧乏な人たちに恵んでやろうなんて露ほどにも思わないドけちです。
「リナァ……寒いぜ〜……?」
「やかましいっこんだけ暖かければ十分でしょ。それとも、火炎球が欲しい?」
 かわいそうなガウリィ。彼は週給500円でこの冷血リナのもとで働いているのです。

「ガウリィ、仕事は終わった?」
「はい、終わりました……」
 げっそりとした様子のガウリィ。しかし、これで休みがもらえると思えば自然と動作は速くなり、表情も明るさを増していきます。
「明日はクリスマスだから、休みたいっていってたわね」
「ああ」
「じゃ、明後日はいつもより早く来るのよ」
 ガウリィは頷くと、大急ぎで家路へつきました。

「ほんとーに。クリスマスおめでとうって何よ。何がめでたいんだか誰か教えてくれないかしら」
 愚痴りながらリナは自分の家へ帰りました。電気をつけると余計なお金がかかるので、『明り』が最小出力で弱々しく部屋を照らします。
「リナ。お前はクリスマスの意味を知らなくてはならない」
 突然の声にリナは驚きました。
「誰っ?」
「ナレーター兼スクルージの親友役ゼロスです」
「アホかっ」
「そういわずに演技演技♪……リナ、お前は、クリスマスの意味を……」
「はいはい。えーっと、それは、どういう意味?あたしは、どうすればいいの?」 驚くリナに親友の幽霊はいいました。
「今夜お前は三人の幽霊に会うだろう……彼らはお前にクリスマスを見せてくれるだろう……」

 鐘が一時を打ちました。リナははっと目を覚ましました。
「一時……?」
 と、そこに頭がぴかぴか光る幽霊が現われました。 
「私はゼラス……過去の幽霊」
「ノッてるじゃない……」
「私についてくるがよい」
 ゼラスは身を翻し、窓の外へ消える。
「ちょっと待ちなさいよっ『飛翔』っ」
 リナも彼女を追って外へ飛び出した……。

ギャァァァァァァッッッ

 以上、特別出演のリナさんのお姉さんでした。
「……か、過去のクリスマス、バンザイ……」
 リナの全身から力が抜けていきました。
「まだ終わらないぞ」
 ゼラスは無情にもいい、またリナを連れ出そうとします。
「いい加減にしてよっあたしの過去には触れないでっ姉ちゃんを連れてこないでっ(涙)」
「いいから、来い」
「こーなったらどうにでもなれ、よっ『竜破斬』っっ!!」
 あぁっゼラス様っあっさり吹き飛ばされないで下さいっっ。

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8405第二章 現在の幽霊錫杖 E-mail 12/26-20:51
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 ぼーん
 また、鐘が一時を打ちました。リナは目を覚まし、そして幽霊が来るのを待ちました。
「っていうか、まじ来ないで欲しいんだけど……」
 心底震えつつ、幽霊の姿を探してリナは待ちました。暫くたってから、隣の部屋が明るいことに気がつきました。
 仕方なく、隣の部屋に行くリナ。

「何やってんですかっフィルさんっっ」
 リナが絶叫しました。
「おお。いつぞやの魔道士娘っ」
「その反応絶対おかしいって……」
 リナの台詞が終わらないうちに、フィルはリナの手を引いて窓の外へ飛び出ました。
「わしは現在の幽霊。現在のクリスマスを見るぞ〜」
「はぁ……」
 町は明るく、人々は笑っています。全てが幸せそうです。
「おいしいご飯。みんな貧乏でも今日だけは幸せそうだな」
 うむ、と満足そうに頷くフィリオネルおうぢ。
「まぁ……確かに幸せそうだけど……」
「よし、次はここだ!」
 フィルが次にリナを引っ張っていったのは、ガウリィの家でした。

「あなた〜」
 どっかからやってきたシルフィール。
「ごちそうの準備が出来ましたわ」
「あぁ」
 ガウリィはそういうと、足の悪い子供、ヴァルガ―ヴを肩車して居間にやってきました。ヴァルはにこにこと笑っていいました。
「めりぃくりすます……」
 シルフィールは、不憫なヴァル、と目を覆います。ガウリィが声をかけました。
「可愛いヴァル、いい子にしてたか?」
「……フィリアどこ?」
「……ゼロス」
 すみません、彼、まだ母親離れしてないんですね(笑)
「どーしてシルフィールとヴァルガーヴがいるのよ」
「わしを責めんでおくれ」
 何か文句ありますか?リナさん。
「大有りよ……次の台詞行くわよ。現在の幽霊様、あの子は助かるんですか?」
「あの子ってあの半竜の少年か?正義を愛する心があれば……」
「……次いこ、次……」

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8406第三章 未来の幽霊錫杖 E-mail 12/26-21:05
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「さーさっさと来なさい、アメリア」
 リナはやる気まんまんです。
「そーぢゃなくて、早く終わらせたいのよ」
 と、リナの前に暗闇が現われました。
 見ると暗闇から手が生えています。その手が窓の外を指したので、リナはまた、窓の外へ出ました。

「なんかしゃべりなさいよ、アメリア……」
 無理ですよ。未来の幽霊は言葉をしゃべらないんです。
「どーして、そうやってアメリアいじめるの、あんたは……」
 シュミです。
 そういうわけで、何も話さない未来の幽霊は独りの人が死んでいる部屋へとリナを連れてきました。

「ここは?」

人々の声が聞こえます。
「全くあの人といったら、あんだけのお金を持ちながら、誰にも優しくなかったから、死ぬときだって独りなんだよ」
「いい気味だね」
「葬式なんて誰が行くもんか」

「うっわ……なんていうか、かわいそうな人ね」
 リナが同情したように言うと、アメリアは黙ってその死体を指差しました。
「あ〜、つまり、あたしも心入れ替えてなければ、こうなっていたかもしれない、っていうのね……誰なのよ、この人。っていうか、未来のあたしはどこにいるのよっ」
 アメリアはリナを手招きし、ふっと空間が歪めます。

「墓場・・・?」
 墓石役はゼルさんです。
「さっきの人の墓があるの?」
 リナはアメリアの指す墓にゆっくり歩み寄ります。
「ねぇ、アメリア。これであの人の名前確認したら、あたし帰るからね。ガウリィにクリスマス特別手当出してやるんだから。あの男の子のためにね」
 アメリアは何もいいません。
 リナは墓石に刻まれた名前を見ました。

リナ・インバース。

「……嘘でしょ」
 アメリアは黙ったまま。
「うそっていってよ……今から心を入れ替えたら、もっといろんな人に愛される人間になれるわよね?あんな寂しく死んだりしないわよね?」
 アメリアは……
「許せません!」
 叫びました。
「現在のクリスマスを見たところでスクルージは十分反省してるじゃないですか!なんでこんな絶望的な未来を見せる必要があるんですかっ!?」
「いや、えーっと……」
「それよりなによりっどーして未来の幽霊は話さないんですかっ?スクルージに最後の正義の説得をするのは、未来の幽霊の役目ではないんですかっ?」
 そんな怒られても。
「っていうかどうしてスクルージってあんなにあんなに許せない男なんですかっっ!!!」
 どうやら、正義の血が騒いでいたようですねぇ……。
「どーすんのよ、この子……」
 暴れさせておきましょう。
「……ま、いいか……」
 アメリアは墓場を荒らして暴れつづけました。

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8407そして……錫杖 E-mail 12/26-21:10
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そして……。
 リナは次の朝、クリスマスを祝い、貧しい人にお金を分けて、かわいそうなガウリィの給料を上げてやって、誰からも好かれるいい人になったとさ。

リナ「だーっ疲れたっっ」
ゼロス「みなさん勢いが足りませんねぇ。……次は白雪姫でもやりますか?」
ゼル「遠慮しておく」
ガウリィ「アメリアどこ行ったんだ???」
全「……どこ、行ったんだろう……」

アメリア「許せません!困っている人が居るのにほうっておけるあなたの冷血っっっ」
 未だに墓場で説教してたりして。







うわぁ、つまらん(;;)
良かったら、昔書いた「シンデレラをやろうっ☆」も読んでやってください。
あっちは結構面白かった……かな?(;;)
しかも時期外れ……。
楽しんでいただければ幸いです。
錫杖。