◆−初投稿です。(ガウリナ)−雪畑(3/29-21:23)No.9211
 ┣いや〜ん♪−MIGU(3/29-23:12)No.9215
 ┃┗Re:コメントありがとうっ!−雪畑(3/30-10:35)No.9220
 ┣はじめまして−一坪(3/30-05:53)No.9219
 ┃┗Re:2人もっ−雪畑(3/30-10:39)No.9221
 ┣女神の冒険 2−雪畑(3/30-12:29)No.9223
 ┣女神の冒険 3−雪畑(3/30-17:29)No.9239
 ┣女神の冒険 4−雪畑(3/31-10:18)No.9255
 ┃┗待ってました!!−MIGU(4/1-10:50)No.9274
 ┃ ┗Re:ありがとうっ!!−雪畑(4/1-12:42)No.9277
 ┗女神の冒険 −雪畑(4/1-14:37)No.9278
  ┗上は『女神の冒険 5』です−雪畑(4/1-14:38)No.9279


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9211初投稿です。(ガウリナ)雪畑 E-mail 3/29-21:23


女神の冒険 1

【問題107.盗賊に出会ったときの対応の仕方を答えよ】
死なない程度にぶちのめして金品強奪。後にアジトをぶっ潰す。

「これで合格したんですか?」
アメリアが疑惑を隠そうともせず問い掛ける。
「合格するには100問正解すればいい。」
そう言ってゼルガディスは別の紙をアメリアに渡した。

【問題76.「弓」という武器がもたらす危険について答えよ】
急所に受ければ命さえ危ういが簡単な魔法で防ぐ事が出来る。
ただし毒が塗ってある事もあり掠った場合でも迅速な処置が要求される。

「こういう事は良く知ってますよね。」
当たり前の事だと言ってから気づいた。
「あいつが何者か忘れたのか?」
ゼルガディスの科白に溜息が漏れる。
「思い出しました。
 リナさんは知恵と戦争の女神でしたね。」


--------------------------------------------------------------------------------


「光?」
唐突な呪い師の言葉にガウリイは眉をひそめた。
ガウリイ=ガブリエフ。
この国の皇太子であり民衆からも支持を得ている。
金髪碧眼の美男子、なのだが何故か結婚を決めようとはしない。
「遠方に光在り。その光、闇を遥かに圧倒す。
 との信託でございます。」
「信託ね……」
ガウリイは信託や迷信などは信じない人間だった。
神様を見た事が無いから、というのがその理由である。
ただこの呪い師が言う事の信頼性は高い。
「兄上は何と?」
「ガウリイ様の指示を仰げ、と申されました。」
確かに次期国王としての責務に追われる者がじっくり考える事ではない。
だからといってオレに押し付けなくても。
ガウリイは思う。
只でさえ考えるのは苦手なのだ。
「どう致します?」
「とりあえず様子を見て、何か変わったことがあれば言ってくれ。」
「分かりました。」
呪い師――名前は忘れた――が深く一礼する。
「下がっていい。」
ガウリイの科白に呪い師は部屋を出て行った。
「光、か……」
何不自由ない生活を送ってきたが、
その生活はまさに一寸先は闇。
窮屈な王宮生活を強いられて、いつ謀反で自分が殺されるとも分からない。
自嘲的な笑みを浮かべる。
ろくな死に方はしないだろう自分を思い浮かべたせいでもあった。


「姐ちゃん。痛い目見たくなかったら金目のもの出しな。
 金の代わりにその体でもいいぜ。」
下卑た笑いを上げながら目の前の少女に近づく盗賊達、総勢6名。
今の時期何処にでも見られる平凡な一場面である。
取り囲まれた少女は紅い瞳に栗色の髪。
かなりの美少女である事は間違いない。
「大人しくしろよ。」
久々の上玉に喉を鳴らす盗賊達。
普通の少女は逃げるか怯えるか――
「本物っっ!?」
しかしその少女の瞳は輝いていて期待に満ち溢れていた。
「へ?」
意外な展開に盗賊のほうが驚く。
「うっわ〜初めて見た本物の盗賊!!
 思ったとおりのお約束な科白っ!これを待ってたのよっ!!」
心から嬉しそうに言う。
呆然とする盗賊達。
しばしして自分達が失礼な事を言われたと理解する。
「て、てめえっ!このアマ!」
手に手に剣やら槍やらを構える。
「Dear三流盗賊さん☆
 火炎球っっ(ファイヤーボール)!!!」


――街は何時になく騒がしかった。
何でも昼間街道から爆発音が聞こえたとか。
そういえば重臣達がそういうことを言っていたような気もする。
どちらにしろオレには関係ないか。
街をぶらつきながらガウリイは思った。
皇太子であるという身分を隠して傭兵の服を着て街へ赴く。
何時しかそれが彼の日課になっていた。
「放しなさいよっっ!!」
そんな彼の耳に甲高い―おそらく少女の声が聞こえた。
反射的に目を向ける。
「しつこいわね、嫌だって言ってんでしょっ!」
見た目はおそらく15,6才。
男に絡まれても文句のつけられない容姿をしている。
「おい、やめとけよ。嫌がってるじゃないか。」
自分でも気づかぬうちに声を掛けていた。
「なんだとてめ……っ」
言いかけた男が黙り込む。
傭兵の姿をしていてしかも剣を持っている、逆らわない方がいいと思ったのだろう。
舌打ちをして人込みの中に紛れていった。
「大丈夫か?お嬢ちゃん。」
ガウリイの言葉に少女の体が震える。
怖かったんだろうな…
その様子がガウリイの保護欲をくすぐる。
「あ……ありがとうございました。」
「いやいや。それよりも家は何処だ?送っていってやるよ。」
震えた声で言う少女に優しく声を掛ける。
「……い、いえ、あたしは旅人ですから。」
嘘だ。
一方的にガウリイは決め付ける。
声が裏返っているし、
何よりこんな可愛らしい女の子が一人旅など出来るはずが無い。
何か言い知れぬ事情が……?
ガウリイの推理はとどまる事を知らない。
「じゃ。そゆことで。」
「待った。」
少女の手を掴む。何故か放してはいけないような気がした。
「な、何?」
「じゃあ、信頼できる宿屋まで案内するさ。
 今日も街道で爆発があったとかで物騒だし。」
少女の頬を伝う汗。
可哀想に……理由なき深い同情を覚えるガウリイ。
「そういうことなら……」
渋々ながら納得する。
こんなんで納得するなんて無防備な。
知らない男について行く気か。
オレだからいいものの……でも可愛いよなこの子。
いやいやいや。オレは何を考えて……
「え〜と…」
「ガウリイだ。ガウリイ=ガブリエフ。ガウリイでいい。」
妄想に突っ走りそうになったガウリイを少女の声が引き止める。
「あたしはリナ。リナ=インバースよ。」

∇続く

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9215いや〜ん♪MIGU E-mail 3/29-23:12
記事番号9211へのコメント

はじめまして♪MIGUというものです♪
最近ココでガウリナが少なかったので「(ガウリナ)」を見つけて、
嬉々として飛びついてしまいました。そして内容を読んで更に
喜びにのたうちまわりました(笑)
はじめにでてきている「問題」とは、一体!?
ガウリイはやっぱりおうぢサマ!?
これからどうなっていくんだろう?とすごく楽しみです。
ていうか、続く・・・な・生殺し・・・早く続きが読みたい〜〜〜!!!
ぐはぁ・・・
(す・すいません壊れで・・・(汗)m(__)m)

壊れな文章ですみませんでした。(逃)
                          MIGU

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9220Re:コメントありがとうっ!雪畑 E-mail 3/30-10:35
記事番号9215へのコメント

>はじめまして♪MIGUというものです♪
はじめましてっ!雪畑ですっ

>最近ココでガウリナが少なかったので「(ガウリナ)」を見つけて、
>嬉々として飛びついてしまいました。そして内容を読んで更に
>喜びにのたうちまわりました(笑)
あ〜恥ずかしいっ
私の駄文を読んでくれてありがとうございます〜〜〜☆

>はじめにでてきている「問題」とは、一体!?
>ガウリイはやっぱりおうぢサマ!?
>これからどうなっていくんだろう?とすごく楽しみです。
実は展開なんも考えてない!!(爆)

>ていうか、続く・・・な・生殺し・・・早く続きが読みたい〜〜〜!!!
期待をぶち壊さないよう頑張ります!

>ぐはぁ・・・
>(す・すいません壊れで・・・(汗)m(__)m)
おお仲間。(こら)

>壊れな文章ですみませんでした。(逃)
いえいえ。
感想ありがとうございましたっ!!

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9219はじめまして一坪 E-mail 3/30-05:53
記事番号9211へのコメント

投稿ありがとうございまーーす!

続きがめちゃ気になります。

ガンバって続き書いて下さいね。
期待してます。

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9221Re:2人もっ雪畑 E-mail 3/30-10:39
記事番号9219へのコメント

>投稿ありがとうございまーーす!
感想ありがとうございますっ!!
2人もの人に感想を書いてもらえるなんて・・・
えいっ私の幸せ者っっ(爆)

>続きがめちゃ気になります。
あははは。考えてないかも。

>ガンバって続き書いて下さいね。
>期待してます。
応援ありがとう!
でわでわ♪

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9223女神の冒険 2雪畑 E-mail 3/30-12:29
記事番号9211へのコメント

女神の冒険 2

「リナに声を掛ける男が居るとは……」
「……リナさんも黙ってたら美少女に見えますから。」
冷や汗を流しつつ笑顔で言葉を返すアメリア。
「ガウリイさん……ですよね。
 リナさんに惚れちゃうよう仕向けますか。」
「出来るのか?って言うかやめたほうがいい……」
ゼルの科白の後半部分は聞かずにアメリアは胸を張る。
「私は愛と正義の女神ですよ。
 それに私が幾ら仕向けても結ばれない者は結ばれません。
 結ばれる人は何があっても結ばれます。」
「そんな事したらリナに何されるか……」
2人の動きが止まる。
「こ、ここここ、ここから温かい目で見守りましょう。」
「……そうだな。」


--------------------------------------------------------------------------------

案内されたのは小奇麗な宿屋だった。
ガウリイ=ガブリエフ。
ハンサムだしいい人だとは思うけど……
「いいの?ご飯まで奢ってもらって。」
「気にせず食べろって。大きくなれないぞ。」
完璧に子ども扱いされてる。
その事実を否定できなくてリナの額に青筋が浮かぶ。
「ガウリイ何歳?」
「21だけどどうかしたか?」
あたしより年下じゃない――言いかけて自制する。
「いや……何でも……」
ここに居るのは少しの間――その間は何とか誤魔化さなければ。
自分が女神であるという事を。
そう思いつつリナは食事に没頭した。
初めて食べる人間の食事はなかなかの味だった。


「よく食ったな〜」
そう言うリナとガウリイの前には皿の山が出来ていた。
特にリナの細い体の何処に入ったのかは謎である。
「美味しかったわ。ありがと。」
そう言ってにっこりと笑ったリナに思わず見とれるガウリイ。
頭を振って思いとどまる。(何を?)
「これからどうするんだ?リナは?」
困った時の話題転換。
ガウリイの内心の葛藤を知らないリナは食後のお茶を飲んでいた。
「そうねぇ。とりあえずこの国を見て回って、それからはそのとき考えるわ。」
「じゃあ、オレが案内してやるよ。」
何故かリナと別れたくなかった。
「いいよ、そこまで……」
「どうせ暇だし。2人で行ったほうが楽しいだろ?」
どうしてもリナと居たくて、遠慮するリナを言いくるめる。
「そだね 。」
頷くリナに言い知れぬ感情が湧く。
今まで知らなかった感情。忘れてしまった事。
――幸福感。
「ガウリイは傭兵なのよね。」
リナの科白に少し胸が跳ねる。
知られたくなかった。自分がこの国の王子であるという事を。
「……そんなもんだ。」
「今夜は何処に泊まるの?」
お誘いかぁっ!!って違うっっ!!
一人で突っ込みを入れつつも期待を膨らませるガウリイ。
「別の宿を取ってあるから。迎えに来るよ。」
なんとか冷静にそれだけは言う事が出来た。


「ふうっ」
疲れた体をベットに横たえる。
今日一日を振り返って、色々あったはずなのに浮かぶのは何故かガウリイの顔。
まあ、あんだけ自分を子ども扱いしたのはあいつが初めてだろう。
自分を守ろうとしたのも。
「っと。」
何かを思い出したようにリナはベットから身を起こし自分の荷物を漁った。
取り出したのは輝く水晶。
素人目に見てもこの世の物ではないと分かる。
輝きを増した水晶に問い掛ける。
「アメリア?ゼル?」
『リ、リリリリリナさん?』
水晶の中から友達であり仲間であり妹分でありついでに部下でもあるアメリアの声が聞こえる。
「何慌ててんのよ……?」
『何でもない。どうだそっちの様子は。』
代わって聞こえたのはゼルの声。
何処となく上ずってるような気がするのは気のせいだろうか。
「楽しいわよ〜ってそんな事じゃなくて。
 見つかった?」
『一日で見つかると思うか?』
冷静な声。
少しながらもリナは落胆する。
「とり合えずこの国には居るんでしょ?」
『それは間違いありません。』
はっきりと断定する。
正義おたくですぐ暴走するアメリアだが優秀である事は否めない。
「姉ちゃんは何て?」
『何も……御言葉を承っていません。』
同じ女神といえどアメリアとルナの実力には天地の差がある。
ルナやリナのような実力を持った女神とタメ口を利くなど本当は言語道断な事である。
ちなみにリナはそのような事はまったく気にしていない。
「りょーかい。何かあったら連絡を。」
『分かりました。おやすみなさい。リナさん』
「おやすみ。アメリア、ゼル。」
水晶を鞄にしまいこみリナは眠りについた。

∇続く

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9239女神の冒険 3雪畑 E-mail 3/30-17:29
記事番号9211へのコメント

女神の冒険 3

「私も試験受けてみよっかなぁ…」
アメリアの何気ない一言にゼルが凍る。
「ア、アメリア?」
「人間の世界に行って正義を広めるんです!!」
慌てるゼルをよそにやたらとヤル気を出し始めたアメリア。
「…リナが帰ってきてからにしろ。」
「分かってます♪まずは……」
「あいつを見つける。」
ゼルが真剣な顔に戻る。
アメリアの相棒である彼は位こそ無いものの。
かなりの力を持った軍神であり、リナから全幅の信頼を寄せられている。
「妙だな。」
そのゼルの呟きにアメリアが視線で問い掛ける。
「この反応は……烈光の剣(ゴルンノヴァ)……」
「それってっ……」
「……リナが創った剣だ。」


--------------------------------------------------------------------------------


「ね、ガウリイ。あれは?」
「ノビゼの紋章。
 ザナッファーとかいう魔獣がこの国に現れた時……」
無邪気に質問してくるリナに言葉を返すガウリイ。
ガウリイにとって今が人生で一番幸せな時なのかもしれない。
リナに集まる男の視線と、自分に向けられる嫉妬の目。
自分の容姿に自信が無いわけではなかったが、
そのときとは違った優越感と―不安を感じる。
「その英雄の末裔がこの国の王家なんだ。
 その英雄は一説によると光の剣を持ってた……リナ?」
リナの表情が強張った。
「光の……剣?」
「ああ。」
リナのもらした呟きに答えるが――その呟きが自分に向けられたものでない事に気づく。
「その剣はどうなったの?」
「さあ?城の何処かに保管されてるんじゃないか?」
少なくともガウリイは光の剣を目にした事は無い。
「それがどうかしたか?」
「う、ううん。何でも。」
笑って駆け出したリナ。
その瞳はどこか翳ってるように思われた。


初めに、神は天地を創造された。
天地は生きとし生けるものの巣となった。
神ハ何処カラ来テ 今此処二存在スルノカ。


「疑問があればすぐ偵察。
 ふっ。当然よね。」
なにやら無茶な事を言いつつ音を立てずに屋根へ降り立つ。
リナほどの実力を持つものにとっては朝飯前の事である。
平和なご時世――表向きは――に厳しい警備など敷かれていない。
「……」
駄目でもともと。
分かっていても期待してしまう。
「……烈光の剣(ゴルンノヴァ)」
頭を振って感傷を打ち消す。
手掛かりはつかめた。
あいつがこの国に居るのは多分烈光の剣(ゴルンノヴァ)が目的。
もし。
あの剣の意味をあいつが知っているなら。
「厄介な事になりそうね。」
こうしてリナ=インバースは城への侵入を成功させた。


城にあるガウリイの自室で。
「新たな信託?」
「『光は汝の傍にあり。
 更に近くに闇の陽炎。』との事で……」
呪い師の告げた言葉を胸中で反芻する。
「意味は?」
「存じかねます。」
オレにどうしろと……言い掛けた言葉を飲み込む。
「こういう事についてはお前のほうが詳しいだろう。
 どう思う?」
ガウリイの言葉にしばし黙考する呪い師。
「神を信じますか?」
「信じない、が本音だ。」
唐突な質問に戸惑いを隠して答える。
「神は存在しますよ。ガウリイ様。
 神々の長、ルナ。掟と秩序の女神、ミリーナ。
 武器と防具の武神、ルーク。愛と正義の女神、アメリア……」
「伝説だろう。」
神々の名前を紡ぎだす呪い師にガウリイは嫌な予感を覚えた。
「伝説ではございません。貴方も会っておられる筈ですよ。
 知恵と戦争の女神――いえ、破壊と創造を司る存在。
 神々の長であるルナの妹――リナ=インバース。」
「貴様…何者だ。」
呪い師の言葉に驚く前に予感は現実となった。
直感で察する。
この呪い師が人間でない事に。
「彼女は女神としても非常識なくらい強い力を持って生まれてきた。
 自分でも制御できないほど。
 その力は神々の長であるルナでさえ太刀打ちできなかったと言います。」
質問に答えず淡々と言葉を紡ぐ呪い師にガウリイは寒気を覚えた。
「彼女はその力の一部――創造の力を一本の剣に注ぎました。
 それが烈光の剣……ゴルンノヴァ。」
腰の剣を抜くガウリイ。
ガウリイの剣の腕は確かに超一流だが、ガウリイの持つ剣は普通の剣である。
人間以外のものに剣で斬りかかって効くとは思えない。
「ルナさんはあの剣に触れる事を特級の禁忌としました。
 そして剣はリナさん自身の手によって何処かへ封印された。」
斬りかかる――
手応えはあった。顔を隠していたフードが千切れ舞う。
「でもあの剣の意味は他にあるんです。」
その下から現れたのは驚く事に若い青年の顔だった。
にっこり笑って一礼する。
「初めましてガウリイさん。ゼロスといいます。」
 
∇続く

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9255女神の冒険 4雪畑 E-mail 3/31-10:18
記事番号9211へのコメント

女神の冒険 4

「アメリア?」
「ミリーナさんから。この世の秩序が乱れつつある、と。」
水晶を通して話していたアメリアがゼルに報告する。
「何が起きてる?」
「分かりません。」
苦々しげな表情で頭を振るアメリア。
『ゼロスって一体どんな奴なんだ?』
「強い事だけは確かだ。」
ルークの問いかけにゼルはあっさりきっぱり答える。
ルークが二の句を告げれずに居るうちに――
「ゼルガディスさん!!見つけました!!」
アメリアが叫んだ。


--------------------------------------------------------------------------------


『見つけましたっ!城の中!』
「やっぱりっ!何処の部屋っ!?」
アメリアの声に水晶を通しリナが答える。
『アメリア。この部屋は……』
「ゼル?」
いつもと様子の違うゼルの声に思わず足を止めるリナ。
『……ガウリイさんの部屋です。』
「それどこっ!?」
何事も無かったかのように歩き出す。
『驚かないんですか?』
「驚くのは何時でもいいのよっっ!!
 ガウリイが危ないんでしょっ!?助けるわ。場所を!」
リナには敵わない。
こんな時アメリアはひしひしと感じるのだ。
短気に見えて実は何時も冷静に構えていられる。
場所の説明をゼルに任せ――
「ルークさん。ガウリイさんに正義の武器を!」
別の水晶に向かってアメリアは呼びかけた。


「何が目的だ?」
恐る恐る呪い師――ゼロスに呼びかける。
「使い古された手です。貴方を人質に。」
ニコニコしながら怖い事を言う。
「リナ――か?」
リナの名前を口に出しただけで――それだけで心が軽くなった。こんな状況でも。
「ええ、実は僕も追われてる身でして。
 そろそろリナさんも気付いたんじゃないかと思いますので……」
「リナとどういう関係だ?」
どうやらオレはリナに心を奪われたようだな。
場違いな事を考えながら一歩後ずさる。
「後でゆっくりと。では行きましょ……」
『ガウリイ=ガブリエフに我が力の欠片を与えん!』
遠くから響く声。若い男のものだった。
「ルークさん!?」
ゼロスの声が響く。
ガウリイの剣から光が溢れた。
考える暇も無く――ガウリイはゼロスに斬りかかっていた。


「光あれ。」こうして、光があった。
光の影には闇が在り。消して消え去る事は無い。
闇ハ何処二行ッタノカ。


「ガウリイっ!?」
部屋に飛び込む――ゼロスの姿は見当たらない。
「リナ?」
ガウリイは無事、そのことに安堵する。
「怪我は?」
気が抜けて座り込みたくなるのを、飛びつきたくなるのを抑えて言う。
「いや……無い。」
「そう……おかしいわね警備兵が来ない。」
その事実に気付いて思考をめぐらせる。
皇太子の部屋で物音がしたら飛んで来るのが普通だろうに。
「リナ。」
「ガウリ……っ!?」
ガウリイの声に振り向く暇も無く、
リナの体はガウリイの胸の中に収まっていた。


柔らかい髪に顔を埋める。
さっきゼロスの言った事が事実ならば
「オレは女神を抱いてるって事か……」
腕の中のリナの体が強張る。
もしかしたら何事にも勝る罪かもしれない。
女神を自分だけの物にしたいと願うのは。
「がうり……」
「ゼロスから聞いた。」
リナの言いたい事を察して答えるガウリイ。
「隠し事をしてたのはオレも同じ。それでいいだろ?」
小さく頷くリナ。
その顔は傍目にも分かるほど真っ赤に染まっていた。


「状況は?」
『さっきまでいちゃいちゃしてたくせに何言ってるんですか。』
いい加減呆れたのか溜息交じりにアメリアが言う。
「アメリア?」
リナの声には底冷えする響きが伴っていた。
顔を染めたままでは説得力皆無だが。
『ゼロスは行方不明。烈光の剣(ゴルンノヴァ)位置不明。
 警備兵は全員魔法をかけられていた。』
事務的なゼルの説明。それだけに分かりやすい。
「アメリア、ゼルは引き続きゼロスを探して。
 ルーク?」
『感謝しろよ。俺のおかげでガウリイは助かったんだ。』
ルークの声が水晶から響く。
「礼を言おうとした時に言われるとその気もなくすわね。
 でも、ま、誉めたげる。流石は武器の神様。」
「居るもんだな。神様って。」
横から傍観していたガウリイが感心したように言う。
「それで納得するあんたも凄いと思うけど。」
今度はリナが感心する。
「こっちは夜明けまで烈光の剣(ゴルンノヴァ)探しとくわ。OK?」
『了解しました。何かあったら連絡を。』
アメリアの声を最後に水晶の光が消える。
「道案内が必要だよな。」
「行くわよガウリイ!」
ガウリイの言葉にリナは微笑んで答えた。

∇続く

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9274待ってました!!MIGU E-mail 4/1-10:50
記事番号9255へのコメント

こんちは♪MIGUっす♪
や〜、もう待ってました!!てかんじで、読み漁ってしまいました♪(笑)

>「ルークさん。ガウリイさんに正義の武器を!」
>別の水晶に向かってアメリアは呼びかけた。

さすが、アメリア(笑)愛と正義の女神。ぴったりすぎですね(笑)


>「リナ。」
>「ガウリ……っ!?」
>ガウリイの声に振り向く暇も無く、
>リナの体はガウリイの胸の中に収まっていた。
>
>柔らかい髪に顔を埋める。

>女神を自分だけの物にしたいと願うのは。
>「がうり……」
>「ゼロスから聞いた。」
>リナの言いたい事を察して答えるガウリイ。
>「隠し事をしてたのはオレも同じ。それでいいだろ?」
>小さく頷くリナ。
>その顔は傍目にも分かるほど真っ赤に染まっていた。

>「行くわよガウリイ!」
>ガウリイの言葉にリナは微笑んで答えた。

きゃ〜〜〜〜!!!(喜)らぶらぶ〜〜〜〜〜!!!
照れてるリナがかわいいですね♪しかもくらげじゃないガウリイ。
蕩けそうです〜〜〜〜〜(壊)

すいません。短いのにまた訳の解らん壊れた文章で。
では〜。

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9277Re:ありがとうっ!!雪畑 E-mail 4/1-12:42
記事番号9274へのコメント

>こんちは♪MIGUっす♪
こんにちわ。MIGUさん♪(ふれんどり〜)
雪畑です。

>や〜、もう待ってました!!てかんじで、読み漁ってしまいました♪(笑)
あああっ!!嬉しいですっっ!!

>さすが、アメリア(笑)愛と正義の女神。ぴったりすぎですね(笑)
うん自分でも「これだぁっ!!」とか思って書いてましたね。(笑)

>きゃ〜〜〜〜!!!(喜)らぶらぶ〜〜〜〜〜!!!
>照れてるリナがかわいいですね♪しかもくらげじゃないガウリイ。
>蕩けそうです〜〜〜〜〜(壊)
恥ずかしいっ!
あそこら辺は自分でも壊れながら書いてましたからね〜
書いてから「ガウリイ、性格違うじゃん。」(爆)

>すいません。短いのにまた訳の解らん壊れた文章で。
感想もらえて嬉しいです♪

>では〜。
でわでわ♪

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9278女神の冒険 雪畑 E-mail 4/1-14:37
記事番号9211へのコメント

女神の冒険 5

「アストラル・サイドからの探索、及びLF捜索。
 どちらにおいてもゼロスさんの存在は確認できません。」
「効果無しか。分かってはいたが…」
ゼルとアメリア。2人の溜息が見事に重なる。
「どう思います。ミリーナさん?」
『秩序の乱れの原因がはっきりしないわ。』
水晶からミリーナの静かな声が響く。
「ゼロスじゃないのか?」
ゼルが問いにミリーナが水晶の向こうで考え込んでいるのが分かる。
沈黙の後で慎重に言葉が紡がれる。
『あの時に似てる……リナさんが生まれた時の……』
それが何を意味するのか、誰にも理解する事は出来なかった。


--------------------------------------------------------------------------------


「まずは地下室ね。」
「何で?」
廊下を歩く影が二つ。
勿論リナとガウリイである。
ゼロスの魔法から覚めた警備兵達とすれ違う事もあるがガウリイが隣に居るため怪しまれるような事も無い。
「隠し事は地下室とか崩れそうな塔の天辺とかにあるものよ。」
指を立てて説明する。
そのしぐさにガウリイが悶えてる事にリナは気付いていない。
「封印したのはお前だろ?」
「人間の世界のどこかにね。
 それに封印ならもう解けてるわ。
 ザナッファーと戦った英雄が持ってたのが光の剣ならね。」


「ここが地下室への扉、っていうか開かないぞこの扉。」
やたらと強固な地下室へと繋がる扉。
あたりは薄暗く人も滅多にこない場所。
ムードはばっちしである。
「封除(アン・ロック)」
リナの呪文で簡単に鍵は外れる。
「たいしたもんだ。」
ガウリイに笑いかけるとゆっくりと扉へと足を踏み入れる。
「明りよ(ライティング)」
光があたりを照らすと同時にリナは眉をひそめた。
「階段…?」
「お約束ね〜」
この城造ったのは余程のバカね…
そんな事を思いつつリナは階段を下りていった。


アノ瞳ヲ見ヨ 燃エ盛ル炎ノ如キ。

「何か言った?ガウリイ?」
「いや?」

紛レモ無イ真ノ神ノ証也。

「また扉か……」
「いかにも何かありそうね。」

我ガ王ヲ祝福セヨ。


「扉に何か彫ってあるぞ。」
「よく気付いたわね。え〜
 『創造ト破壊。
  伝説ハ繰リ返ス。
  廻レ歯車 永遠二。』?」
知識を司るリナでもいまいち意味がわからない。
「開けるぞ。」
扉に手を掛けながらガウリイが言う。
「罠に気をつけて。」
言ったもののガウリイはルークの力のこもった鎧を纏っている。
余程の事が無い限りは無事だろう。
罠も無く扉は開き――
「ゼロス?」
其の存在に最初に気付いたのはガウリイだった。


「どうしたんですかリナさん。
 人間如きに軽々しく姿を見せるなんて……」
ガウリイの存在を意に介さずゼロスが言う。
「あんたこそ何で此処に?」
「真実を知るためです。」
その声を合図にしてか地下室が光に満ち溢れる。
リナとガウリイは言葉を失った。
「な……」
その地下室は途方も無く広かった。
奥行きを見ることができないほど。 
もしかしたら街一つがすっぽり収まるかもしれない。
そしてリナの視線の先には、一振りの剣が浮かんでいた。
烈光の剣――ゴルンノヴァ。

∇続く

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9279上は『女神の冒険 5』です雪畑 E-mail 4/1-14:38
記事番号9278へのコメント

すいません。書くのを忘れてしまいました。