◆−女神の冒険 6−雪畑(4/4-18:51)No.9345
 ┣あれ……?−雪畑(4/4-18:53)No.9346
 ┗女神の冒険 7−雪畑(4/5-14:29)No.9367
  ┗Re:女神の冒険 7−seria(4/5-16:22)No.9372
   ┗おお・・・−雪畑(4/5-18:12)No.9376


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9345女神の冒険 6雪畑 E-mail 4/4-18:51


女神の冒険 6

「ゼロスと烈光の剣(ゴルンノヴァ)の位置確認。」
「了解しました。鏡に出します。」
ゼルとアメリアの声に導かれるようにリナ達の姿が鏡に映し出される。
「ルークはガウリイさんの武器、防具の強化を」
落ち着いた声でミリーナが指示を出す。
リナが居ない時の指揮権はミリーナが持つのである。
「嫌な予感がします。」
アメリアがポツリと漏らす。
「何か感じないのか、ミリーナ。」
掟や秩序を司る彼女は法則を崩すような事については敏感である。
そのことをルークは知っている。
リナが生まれた時も何故かその力ははたらいた。
ミリーナが口を開く。
「さっきからずっと違和感が。
 この世界とは違う存在を感じます。」


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「ゼロス……あんた何者?」
ゆっくりと――言葉を選んでリナが問う。
何処からか現れリナにも匹敵する実力を持つゼロス。
特級の史料を許可無く除いて逃亡。
ゼロスを捕まえるため送られた者は死体となって帰ってきた。
「神に仕えるものです。」
「その神様の名前が知りたいわね。」
ガウリイが剣に手をかける。
ガウリイの剣の腕は知らないが人間が勝てる相手ではない。
ゼロスがゆっくりと言葉を紡ぐ。
「金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)……」


「……」
ゼロスとリナが何を話しているのかは理解できなかったが、
――自分はリナを守る。
それだけはガウリイの中で確かなことだった。
「普通の神―アメリアさんとかなら知らないでしょうね。
 でも貴女は知ってるはずです。」
「目的は?」
リナの体が何時もより小さく見えた。
獣に怯える小鳥のように。
「あの御方の復活――」
「させない。」
リナの言葉と同時にガウリイが剣を抜いた。


「ガウリイ!逃げてっ!」
ゼロス相手にガウリイを守りながら戦えない。
そう判断したリナの言葉は次の瞬間裏切られた。
ゼロスの攻撃を全て剣で払い、目にも止まらぬ速さで斬りつける!
「なっ……」
予想していなかった出来事にゼロスの動きが止まる。
リナが叫んだ。
「烈光の剣(ゴルンノヴァ)!
 我が名において、ガウリイ=ガブリエフを新たな主と認める!!」
ガウリイの手へと剣が飛ぶ。
「リナ?」
「『光よ!』って言って!!」
「ひ、光よ……!」
ガウリイの言葉と同時に光の刃が生まれ出る。
そして
――リナの体が崩れ落ちた。


「烈光の剣(ゴルンノヴァ)を使うのは貴女だと思いましたが……
 まあ、いいでしょう」
冷たい笑みを浮かべてゼロスが呟く。
「リナに何をしたっ!!」
リナの傍らに付くガウリイが叫ぶ。
「知ってた……のね…」
ガウリイに支えられながら苦しげにリナが息を吐く。
支えた手からリナの熱い体温が伝わってくる。
「何となく、ですがね。」
「こんな事してなんになる……って言うの?」
顔を上げたリナは傍目にもかなり憔悴して見えた。
「今の世界は滅茶苦茶です。
 やはりこの世を治められるのは彼女しか居ないんですよ。」
一歩、また一歩こちらに寄ってくるゼロス。
「彼女が残した最後の布石。それがリナさん、貴女です。」
「ふざけるなっ!リナをどうする気だっ!?」
リナを庇うように立ち剣を構える。
しかしゼロスは臆した様子も無く――
「いいんですか?リナさんに最後の挨拶をしなくて。」
ガウリイの背筋が凍る。
直後、リナが悲鳴をあげた。


―――……
『平和ね〜』
通りを行き交う馬車と人間。
暖かさに包まれた世界。
それが彼女の目の前にあった。
『貴女が創られたのです。この世界を。』
突如現れた青年。
普通なら驚くところだが彼女まるで動じない。
『いきなり出てこないでよ、ゼロス。』
長い金髪が揺れる――彼女がこちらを向いたのだ。
『貴女は何を考えていらっしゃる?』
その問に彼女が答える事はなかった。
ただ――何故か知っていた。
『ゼロス、一つ頼まれてくれない?』
彼女のこの姿は仮のものであることを。
必要ならば何時でも脱ぎ捨てる仮面をかぶって……
この日、青年は見ることになる。
彼女が王に戻る時。
世界に何が起こったか。

∇続く

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9346あれ……?雪畑 E-mail 4/4-18:53
記事番号9345へのコメント

何が起こったんでしょう?
何故か2つ投稿した事に・・・・
必要ないのでどっちか一つ消しといてください。一坪さん。

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9367女神の冒険 7雪畑 E-mail 4/5-14:29
記事番号9345へのコメント

女神の冒険 7

『人を治めるのが我であってはならない。
 獣は獣。人は人が統治する。
 人を生かすのが神であってはならない。
 神は人を見守る人である。』   
                       史料【伝承歌-終焉の章】より抜粋。


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「リナっ!リナぁっ!!」
果てしなく広い地中の空洞にガウリイの声が響き渡る。
「ガウリイさん。神話をご存知で?」
「ふざけるなっ!リナを……」
「貴方の頭の中はリナさんでいっぱいのようですね。」
それも仕方ないかもしれない。
溜息をつきながらもゼロスは思う。
リナには人を惹きつける魅力がある。
高位神でありながらも気取らない態度。
自分の魅力に気づかないほどの鈍感さ。
それらがその理由だろう。
「神が天地を創り、人を創り統治した。といった内容でしょうね。
 でもおかしいと思いません?
 神様はいっぱい居るんですよ?
 その内の一体誰が天地を創って、誰が人を創ったんでしょう?」
笑みを絶やさずに言う。
ガウリイは聞いていないが――別に聞かせるために言っているわけでもない。
――烈光の剣(ゴルンノヴァ)の光が増した。


「リナ……」
ガウリイの声に導かれたかのようにリナが目を開く。
しかしその目は生気に満ちたリナのものではなかった。
「ゼロス。」
「はい。」
リナがゼロスの名を呼びゼロスがそれに答える。
その声の冷たさにガウリイは身を竦ませた。
リナが静かに立ち上がる。
金色に染まった髪がガウリイの手をすり抜けた。
「リ…ナ……」
「彼の者に真実を知らせる。」
「なっ……」
リナの姿をしているリナではない誰か。
その言葉にゼロスが驚愕するのを呆然としつつもガウリイは認識した。
「汝は『リナ』を愛しているか?」
それが自分に向けられたものだと理解するのに多少時間がかかった。
だが――
「愛してる。」
それだけは確かなことに安堵する。
たとえ誰がなんといおうと自分はリナを愛しているのだ 。
「だから――リナを返してくれ。」
出会ってから幾年も経った訳ではない。
それでもリナの存在がガウリイの人生すら変えてしまった。
「汝には真実を知る資格がある。」
不思議な事に恐怖は感じなかった。
彼女の言葉に自分の意識が遠のくのを何処かで見ている自分が居た。


記憶に棲み付いた科白。
『貴方はこの国の第2位王位継承者であられるんですよ。』
オレは兄上のおまけじゃない。
オレはガウリイ=ガブリエフという人間なんだ!
何時も叫びたかった。
誰もオレを見れくれない。
見ているのはオレの前にある『皇太子』の地位。
ただ生きてるだけの意味の無い日々。
リナの存在が全てを変えた。
彼女を守りたいと思った。
誰よりも人間らしい女神。
彼女を自分のものにしたいと願った。


――目の前に光が広がる。
『人を治めるのが我であってはならない。
 獣は獣。人は人が統治する。
 人を生かすのが神であってはならない。
 神は人を見守る人である。』   
女の声――リナの声に良く似ていた。                       
光に慣れてきた目が2人の姿を捉える。
片方は間違いなくゼロスだった。
もう一人は長い金髪の女性。瞳も髪と同じ金色に輝いていた。
『人間を自立させる……?』
『人の中から強き魂を選び神とする。
 神は人を見守り、心の支えとなる。
 人が神を必要としなくなった時、神も人に戻るだろう。』
彼女が何を考えているのか窺い知る事はできない。
まさしく彼女はこの世の王なのだ。
その王が、
『世界を根底から覆す気ですか?』
『変化の無い世界に意味は無い。
 世界を変えるのは人でなくてはならぬ。』
そして彼女は世界を変えた。


「……どうしてなんだ……」
思わず漏れた掠れた呟き。
自分に視線が集まるのをガウリイは感じた。
「要するに…世界を創ったのはあんたで
 あんたに頼りっぱなしの人間を自立させようと人間の中から強い奴選んで神にしたんだろ?
 人間が自立できたら神も人間に戻るんだろ?
 それとリナとどう関係があるんだよ!」
こんな時でもリナの事しか考えてない自分を笑いたくなる。
もとよりこんな話信じるつもりは無い。
「人間は愚かな生き物です。
 自分で自分たちの住む世界を滅ぼしてしまうかもしれない。
 だから……」
「人間の魂の中から最高の輝きを持つ者を選び、我と同じ力を持たせた。
 即ち破壊と創造――
 烈光の剣(ゴルンノヴァ)を鍵として我は目覚める。」
『納得できませんっっ!!』
リナ――金色の魔王――の言葉が遮られる。
ガウリイも何度か耳にした声。
反射的に声のした上を見上げる。
「まだこの世界は滅んでません!!
 それに!如何なる理由があろうがリナさんを乗っ取る。それ即ち悪!!
 このアメリアが正義の鉄槌を下します!!」
見上げた先には声の発生源を含めて4人の人影。
「人を信じて世界を変えたのなら世界が滅びるその時まで信じ続けるべきよ。」
「ミリーナの言うとおりだ!
 それにリナには恨みがあるんだっ!勝手に体を持ってかれちゃ困るね!」
「考え方はどうあれやり方が気に食わんな。」
女神が2人に軍神が2人。
流石のゼロスも顔色を変える。
「どうして……この世界に下りてくるのには試験を受けなければいけないはず……」
「『仲間の命が危ない時は各自の判断で自由に下りても構わない。』
 ついさっき降臨法に付け足しました。」
ミリーナが静かに言う。
掟を司る女神の言う事、逆らう神は居なかった。
「公私混同の上に職権乱用では……」
「正義のためです!!」
気弱なゼロスの突っ込みにアメリアが返す。
「とにかくリナを返して―…」
「くっ……あはははははっっっ!!!!」
突如響いた笑い声にその場が静まり返る。
「最高……っ!あんた達って……!」
笑っていたのは誰であろう金色の魔王その人であった。

∇続く。(何かギャグ路線に戻ってるよーな・・・(汗))

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9372Re:女神の冒険 7seria E-mail URL4/5-16:22
記事番号9367へのコメント

こんにちは!seriaでっす!!

読みましたぁ!
んで、生意気に感想文(小学生っぽいv)など書いてたりします。

読んでてNEXTの最終回思い出しちゃいました。
(絶対にやけてたな、顔・・・)

そういえば。。。
金色の魔王様ってシリアスっていうよりギャグっぽいのの方が合いそう・・・
とか思ってるのは私だけなんでしょうか??
そう考えると部下Sって結構大変なんだろうなあ・・・、とか思ったりv

ではでは、続き楽しみにしてます〜♪


P.S  全然意味不明な文でごめんにょ〜vv




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9376おお・・・雪畑 E-mail 4/5-18:12
記事番号9372へのコメント

>こんにちは!seriaでっす!!
おう、seria!感想センクス!

>読みましたぁ!
>んで、生意気に感想文(小学生っぽいv)など書いてたりします。
感想文・・・私も苦手だな・・・
授業とかで出るとがふぅ・・・

>読んでてNEXTの最終回思い出しちゃいました。
>(絶対にやけてたな、顔・・・)
これからギャグ路線で突っ走り。(笑)
暗いとこは書くの遅いのにギャグになったとたん早くなるんだもんな。(笑)

>そういえば。。。
>金色の魔王様ってシリアスっていうよりギャグっぽいのの方が合いそう・・・
>とか思ってるのは私だけなんでしょうか??
あとがきの影響かも。
ギャグっぽいのも似合うけどシリアスL様もらぶ。
TV版とかかっこよかったし。

>そう考えると部下Sって結構大変なんだろうなあ・・・、とか思ったりv
きっとガウリイと同じ境遇なんだよ。
そう考えると部下Sも結構幸せ?(笑)

>ではでは、続き楽しみにしてます〜♪
ありがとうっ!!