◆−古都の約束−CANARU(4/9-00:07)No.9437
 ┗ガウリイくんの手なづけ方(笑)−P.I(4/10-00:32)No.9457
  ┗純粋ガウリイ〜〜♪−CANARU(4/10-11:22)No.9464


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9437古都の約束CANARU E-mail 4/9-00:07


やっとこの事でこのシリーズも14回目を迎えました。
今回は専門外のことばかりで少々遅くなりました〜〜(汗)
*********************************************

「や〜♪リナさん、ガウリイさん。お待ちしていましたよ。」
ナポリ、ヒチリアを仕切るまだしも合法的なマフィア・・・。
そして其処の若き総帥ゼロスの妹にして・・・。
シエナの名門女子大を主席、特待、飛び級で卒業。
さらには七ヶ国語、古代ギリシャ、ラテン語を解して欧米諸国の企業から
のヘッドハンティングも絶えない・・・。
そういえば・・思い出される一人の人物・・・・・・。リナ=インバース。
そして・・・・・・。
「何でよ!!何で馬鹿兄がココにいるのよ!!」
ずべ・・・・・・・・・・。
そう・・その肝心な兄総帥ゼロス事態は『ナンだか知らないがココにいるイヤな奴』
程度にしか妹に認識されていなかったのである・・・・。
「随分と・・ご挨拶ですね・リナさん。それにガウリイさんって・・・・。」
「リナさ〜ん。此方誰ですか?」
「うん。ガウリイの弟のガストンよ、アメリア。」
「兄より賢そうだな・・・。」
「ゼル〜〜(涙)・・・・。」
「あの・・。皆さん・・僕の話を・・聞いて頂けませんか・・・・?」
かくして・・体良く無視されているゼロスであった・・・・・・。

「ともあれ・・ここ、ハイデルベルク・・ドイツに来たのは単なる観光旅行では
ありません。」
「分かってるわよ。あんただけじゃなくって。ゼルとアメリアが来た所を見ると。」
「はい!!リナさん。ついに『ミッドガルズ』と総力戦を行うときが来たんです!!」
さすが・・アメリア・・。
こ〜ゆ〜台詞を言わせれば・・。右に出るものは居ないはずである・・・。
「まあ・・・。別に良いけど・・・。所で、今回は何を調査すれば言いの?」
「流石リナさん。お察しがよろしいですね〜♪」
アンタがココに居ると言うことは・・・そ〜ゆ〜指令アリ・・と言う事だろうが・・・。
そう言いかけてリナは沈黙する。
言った所でメリットは無いと悟ったからである。
「此方の方々は・・・ご存知ですか?」
不意にゼロスは在らぬ方向を指差す。
『あ!!』
ガウリイとガストンの声がハモる。
「お久しぶりです。ガウリイ殿。」
雰囲気からして・・・。
ガウリイやガストンと同じ・・・・・・・・。
「おお〜〜!!ホズルじゃないか!!」
見なれないガラス製の眼帯を着けた年の頃なら20代後半のその男にガウリイは
歩み寄る。
「その目・・どうした・・真坂・・・・。」
不意にそのホズルと呼ばれた人物を見やりながらガウリイは言う。
「いや・・。単なるモノモライです・・。いや〜・・。あの白い眼帯捲くの・・。
格好悪いでしょう?」
おい・・・・・・・・・・・・・・(汗)
「まあ・・。確かに。モノモライと口内炎は勘弁願いたいな・・・。」
「ああ・・。ガウリイ殿・・。私、今その口内炎も持ってるんですよ〜〜(涙)」
なんだかなあ・・・・・・。
「内輪で盛り上がるの・・やめてくんない?で、誰よ、その人。」
「父の・・と言うか俺達ルクセンブルクの『フレイの騎士団』団長フェンリスの補佐・・。
騎士団の副旅団長のホズルです。」
馬鹿はほっとけ・・とでも言いたげな冷めた口調でガストンがリナに説明する。
「で?その副旅団長様が何の用事な訳?」
「はい・・。実は・・・。先日・・。『ミッドガルズ』の『ヨハン』とか言う
男の手下・・と名乗るものを捕らえまして・・・。その者が持っていた暗号と
思われる文章を・・・・。」
「『無理』言って僕が見せてもらったんですよ。で・・。ついでに調査協力も
お願いしたって訳ですよ〜♪」
楽しげに言うゼロス・・・・。
かくして・・・・・。


「アルト・ハイデルベルグ・・ねえ・・・。」
ジョヴァンニが以前会ったときリナにそう告げたのだからゼロスはココと判断
したのだろう。
「なあ〜〜。リナ、ど〜ゆ〜事だ?」
廃墟となったハイデルベルクの城壁を散策しながらリナにガウリイは尋ねる。
「『新たなる王朝の機械機能を持つ物に12の宝石を埋め込むべし』ねえ・・。」
これだけじゃ何がナンだか判った者もんじゃないのだが・・・。
「ともあれ・・。その『機械』が何かを探す事が肝心ね・・。宝石は・・・。」
「ああ・・・。それなら。リナならネコババしかねないからってゼロスが俺に
渡してくれたぞ?」
「何ですって!!?ちょっと!!見せなさいよ!!」
「駄目だ〜〜!!ネコババする気だろ〜〜!!そしたら・・・。」
「そしたら・・。何よ・・・・。」
「・・・・。ナンでも無い・・・。」
リナを嫁にはあげませんよ・・なんて脅されているのである・・・。
万が一彼女の手にこれらの宝石が渡るようになれば。だが。
「・・・。別に。チョト聞くだけよ。盗みはしないし・・。アンタが持ったまま
アタシに見せてくれれば良いわ。」
溜息をつきながらリナ。
「まあ・・。そ〜ゆ〜事なら・・・。」
言いながらガウリイはコソコソと手渡された宝石を袋から取り出して見せる・・・。
「これって・・・・。」
24個の宝石・・・か・・・。
以前見たことの在る『サロメのエメラルド』を始めとする・・・。
ガーネット、アメジスト、アクアマリン、ダイヤモンド、パール、ルビー、ペリドット、
サファイヤ、オパール、シトリン、トルコ石・・・・・。
「2対の・・誕生石ね。」
ボソリとリナは呟く。
「ふ〜〜んん・・・。で・・。こんな廃墟に・・。それに見合った機械があるのか?」
「・・・・・・。破壊されてる可能性はあるわ・・・・。」
苦々しい口調でリナは言う。
「破壊って・・どう言う事だよ・・・?」
「もともとハイデルベルクはドイツ諸侯のヴィッテルスバッハ家の血を汲む『プファルツ・ジンメル
家』が治めていた公国なんだけど・・・。その家系があるとき絶えてね・・・。
同じ分家の『プファルツ・ノイブル家』に統治の権利が移行したのよ・・・。
それに口を挟んだのが当時ルイ14世が治めていたフランス王国。」
「・・・・。何でフランスが口挟むんだ?」
「ルイ14世の弟にココの姫君・・リーゼロッテ=フォン=プファルツが嫁いでいたのよ。
でもって・・ノイブル家の新選帝侯は非常に評判が悪くてね。ハイデルベルクの人々は
このリーゼロッテが公国を統治する事を望んだの。けど、ルイ14世が送ったのは
彼女の名による大量の軍団・・。無論凄まじい戦争が起こり・・ココは廃墟になったの。」
「でもよ〜〜。その・・ココの権利があるのは弟の嫁の・・その・・。
リゼ・・ナンだかって姫だろ?何でルイ14世が口出しするんだ?」
「・・・。良い質問ね。当時、ドイツ諸国では女性の相続権が認められていたんだけど・・。
フランスの制度では完全な家父長制度。まあ・・。言ってみれば妻のものは夫のもの。
夫のものは夫のものって考えだったのね。つまり・・。体良く彼女は利用された挙句
財産全部を巻き上げられる・・て言う不条理な状況だったのね。」
「へえ・・・。あんまり感心できないな・・・。」
そんなこんなで廃墟にされたんじゃ・・ねえ・・・。
「ココで見つけ出すのは難しいのかもしれないわね。」
苦笑しながらリナは言う。
「マンハイムへ行きましょう。」
ふと思い出した様にリナはガウリイに言う。
「へ・・・・??」
不意打ちとも言って良い提案にガウリイは困惑する。
「最終的にこのプファルツ継承戦争に勝利した選帝侯、カール・フィリップは
このハイデルベルクから首都をマンハイムに移したのよ。『新たなる王朝』・・。
それってマンハイムの事じゃないかしら?」
急に言い出されたその一言。
「でも・・リナ・・。」
言いかけてガウリイは黙る。
『ジョヴァンニとの約束の場所はココだろ・・・』と・・・。


「マンハイムへ・・。ですか。これはまた・・。急な思い付きですね。」
ゼロスが暢気に機械を分解しながらリナとガウリイに言う。
「・・・。文句在る?」
「別に。ありませんよ。まあ・・・。僕は僕の調査がありますし。今アメリアさんと
ゼルガディスさんに行ってもらってます。」
「・・・・・。人工ニューロン・・ね・・。」
「ええ・・。見てくださいよ。シナプスまで精密に作られてますよ。」
これも・・『ミッドガルズ』の仕事なのだろうか?
「まあ・・。良いわ。ガウリイとアタシには関係の無いジャンルのようだし・・。」
そう言いながらリナはガウリイと連れだって宿所の外に出る。
「よお・・・。遅かったじゃねえか・・。」
「あ・・・。ガストン・・・・。」
「馬鹿兄、アンタはともかく・・。リナさんが心配だから俺もついていくよ・・。」
退屈そうにそうとだけ言い放つガストン。
「おい・・・・・(激怒)・・。」
なにやら不満そうな声を漏らすガウリイ。
「で・・。ガストン。もう一人のお仲間は?」
ホズルのことだろう・・と判断しガストンは・・・。
「父上と一緒に現在行動しています。」
と答える。
「おい!!ガストン!!ど〜ゆ〜つもりだよ!!」
なおも不満そうにガウリイはガストンに詰め寄る!!
「判らないのか?俺達、狙われてるんだぜ?そうなれば。『姫』である
リナさんを守るのは俺達騎士の役目だろ?」
まったくもってその通りであるのでさしものガウリイも沈黙せざるおえないのであった。

「リナさん!!ガウリイさん!!」
ハイマンに3人が向かおうとしたその時だった。
「アメリア!!ゼル!!」
ガウリイとガストンの重い雰囲気に堪り兼ねていたリナは救われた思いで
二人のほうを仰ぎ見る!!
「今すぐ直ちに来てください!!」
有無を言わせない口調でアメリアはリナの腕をグイグイと引っ張って行く。
「おい!!アメリア!!リナとガウリイには・・・。」
他の任務があるだろ・・と言いかけるゼルを振りきり・・・。
「悪の集団を完全潰滅させるためです!!そのためには・・絶対にリナさんと
ガウリイさんにも見せなくてはなりません!!」
意気込むアメリアにゼルも手がつけられない・・と仕方なく判断する。
「旦那。それにそこの坊主。悪いが一緒に来てくれ。」
「・・・・・。坊主・・・・・・・。」
自分の事に間違いが無い一言に・・ガストンはやおら顔を引きつらせる。
「ははは・・・いい気味だな〜♪ガストン坊や!!」
嫌味たらしく自分に良く似た弟の淡い金髪をグシャグシャと撫ぜまわしながらガウリイは
アメリアに引っ張られて行くリナの後に続いた。


「これって・・・・・・・。」
人工ニューロンに・・切り刻まれた『何か』・・・・。
「人間の人工培養さえたさ細胞に・・・。人工ニューロンを組み込んだ
実験だ。」
嫌悪感を丸出しにしてゼルが言う。
「この実験室・・・。良くないです。向こうのほうでは『クローン』の
実験までやってましたよ!!」
「・・・・・・。リナ・・・・・・。」
吐き気を催しかけたリナを気遣いながら周囲に目を配るガウリイ。
「人工頭脳やさらには神経・・・。ついでに言えば・・・・。」
これくらいな事・・ましてやクローン実験すらしているのなら・・。
「『死滅』した細胞を復活させる事くらいなら・・。出来るかもしれないわね・・。」
不意に脳裏に『あの時』の事が蘇る。
「でも・・。真坂ね・・・・・。」
或いは・・単に『否定』したいだけなのかもしれないが。
「『ミッドガルズ』は。何を企んでこんな実験をしてるんだかな・・・。」
嫌悪感がさらにガウリイの言葉に毒を含ませるが、リナは・・。
「犯罪組織よ?何でもアリで当然じゃないの。」
苦りきった口調ながらアッサリとそうとだけ言ってのける。
「こんな物作るなんて!!まさに死刑モノです!!倫理に反します!!」
息巻きながらアメリア・・・。
「なら・・。してもらおうじゃないか・・・・。」
やおら背後から声が聞こえる。
「・・・・・。敵か・・・・。」
その気配にゼル、アメリア、ガウリイ、ガストン・・そしてリナも動く。
「言われずとも!!」
やおらミッドガルズの団員らしき男にアメリアが蹴りかかる!!
それに引き続きゼル、ガストンも戦闘の態勢に入り敵を蹴散らして行く。
「リナ!!ガウリイ!!早く行け!!」
「判った!!行くぞ!!リナ!!」
言いながら二人を逃すまいとして襲いかかってきた男を腕の拳の一撃で倒すガウリイ。
「判ったわ!!」
言いながらリナは床に落ちている一つの黄金のメダルを拾い上げる。
どうやら・・このミッドガルズの団員の男の一人戦闘の最中に取り落としたものらしい。
・・・・・北欧神話の『世界樹』・・・ユグドラシルの紋章・・・???
「リナ・・・。どうした?」
振りかえりながら言うガウリイに・・。
「何でも無いわ。」
咄嗟に・・自分でも分からずリナはそのメダルをガウリイの目の届かないポケットに
隠していた・・・・・。

「ハイマンには行かない?まったく・・。コロコロ態度変えるなよ・・。」
突如言い出したリナの言葉に困惑気味に答えるガウリイ。
「ええ・・。アメリアの・・。『死刑モノ』の一言で思い出したの。
今から其処に行くわ。」
はあ・・・。と考え込んだようにガウリイ。
「死刑と今回の事件・・。ナンの関係があるんだよ?」
「この宝石を生め込む『動物』を模った彫刻が『中世の死刑場』にはあるはずよ。」
「は・・・・・・?????」
ますますガウリイは訳がわからなくなってリナに尋ねる。
「どう言う事なんだよ・・・。」
すでに其処には観光客すら居ない中世の死刑広場だった場所に辿りついている。
2対セットの動物・・・。強いて言えば獅子、鷲、一角獣と言った主に
王家の紋章に使われた動物達が其処に並んでいる。
「と・・ある哲学の考えでは・・。動物は人間の魂とは違い・・・。
単なる『機械仕掛けの人形』である・・と考えられていたのよ。」
「・・・。それが・・『機会機能』ねえ・・。で・・。『新たなる王朝』
ってのはどう言う解釈になるんだ?」
困った様にガウリイ。
「・・・。簡単な事よ。『死刑執行人王朝』の事よ。」
「・・・・・・・・。お前・・。すっごく物騒な事言ってるって・・・。」
「自覚はあるわよ・・。ともかく・・。死刑執行人の一族は同業の人間の娘、ないしは息子
しか結婚相手が居なくてね・・・。同業者同士の政略的な結婚が繰り返されたのよ。
その複雑さは王侯貴族の政略結婚とタメが張れるので・・。別名『裏王朝』なんて
呼ばれてたりするのよね。」
アメリアに言われるまで気付かなかった自分の迂闊さを呪いながらリナ・・・。
「ガウリイ。宝石、もう良いでしょ?貸して。」
「あ・・ああ。」
そう言ってガウリイはゼロスから預かった『鍵』である宝石をリナに渡す。
ガーネット、アメジスト、アクアマリン、エメラルド、ルビー、サファイヤ、
オパール、シトリン、をリナはそれらに填め込んで行く。
「リナ!!ペリドットとパール!!それにダイヤモンドは填め込まないのか!!?」
少々怒ったようにガウリイ。
「ええ。ついでに言えば。トルコ石もアタシのよ。」
言いながらリナはちゃっかりそれらの宝石を貰ってしまう。
「あああ〜〜〜!!一番高ダイヤモンドだけならまだしも〜〜〜!!」
場違いな情けない声をガウリイは出す。
が・・リナは一向にガウリイの方を見向きもしない。
「・・・・。居るんでしょう?ジョヴァンニ・・・・・。」
不意にリナは物陰に向かって声をかける・・・。
「・・・・・・・・。く・・・・・・・。」
その人物を一瞥し・・ガウリイは一応身構える。
「約束の地に来たわ・・・。トパーズ、ジャスパー、めのう、ラピスは持ってきてくれたんでしょう?」
いいながらリナは・・・。実の兄に微笑むかける。
「ああ・・・。」
言いながらジョヴァンイはそっとリナの髪を撫ぜる。
「リナ・・。どう言う事だ・・・?」
コイツはリナを殺そうとしていたのに・・今は殺気所か敵意すら感じられない?
「手短に話す。俺が・・俺で無くなる前に・・・。」
辛そうにジョヴァンイは言う。
「ええ・・。貴方は・・。確かに私の目の前で『ミッドガルズ』の連中に殺されたわね・・。」
言いながらリナは兄から渡された残りの宝石を動物の彫刻に埋め込む・・・。
開かれて行く封印・・・・・。
「ああ・・・。俺は・・。その後・・・。『人工ニューロン』を脳細胞に埋め込まれ・・・。
傷ついた細胞は最新の技術によって完全修復させられた・・・。」
「・・・・。そうね・・。今まで気付かなかったあたしも迂闊だったわ。貴方が・・。
連中によってまったくの別人格にされていた事に気がつかなかった・・・。」
今となっては悔やむしかない。
「本来の誕生石はガーネット、アメジスト、アクアマリン、エメラルド、ルビー、サファイヤ、
オパール、シトリン、・・それにトパーズ、ジャスパー、めのう、ラピス・・。
パールとダイヤとペリドットにトルコ石は・・・。アメリカの企業が営利目的に
勝手に決めた誕生石だって。アンタが教えてくれたわね。」
言いながらリナは解き放たれた封印を見やる。
「ガウリイと言ったな・・・・?」
不意にジョヴァンニはガウリイを見やりながら言う。
「何だ・・・・?」
「妹のタメに・・・・・・・。」
「お前を殺せ・・と言うのなら断るぞ・・・。早く本当のお前になって帰って来い。」
そうとしか言いようは無い・・・・。
「リナを・・。頼む・・・・。」
「判っている・・・・。」
それが・・今精一杯言い合えるガウリイとジョヴァンニの言葉だった。

「危ない!!」
不意に崩れ落ちる巨大な広場の城壁を察知し、ガウリイはリナを引きずる様に
してその場を離れる!!
「・・・。ミッドガルズか・・・?」
「いいえ・・。多分・・そういう作りなのね・・。」
妙に落ち着いた口調でリナ。
「ねえ、ガウリイ・・。フレアの騎士団って・・。どう言う連中なの?」
不意に理リナの質問にガウリイの脳裏に一人の人物が蘇る。
「あ・・・・・。」
リナの義母であった・・ルクセンブルク、フレアの騎士団旅団長の女性・・。
ガードルードの顔が頭に過る。
「彼女を戸籍上ながら・・。アタシの母親にしたのは・・。彼女に・・。
強いて言えば彼女の作った『犯罪組織』にあたしの敵意と注目が行くための
『ミッドガルズ』の罠だったのよ・・。今にして思えばね。」
エレクトラコンプレックス・・・娘が母親に対して抱きがちな感情を利用した
巧妙な隠れ蓑である。
「結局・・。『封印』はナンだったんだ・・・?」
「『ミッドガルズ』の手掛かりよ。ねえ・・。ガウリイ・・・。
貴方達の所属する騎士団と・・フレアの騎士団・・・。対立しているようなことは無かった?」
少々考えてガウリイは・・・。
「ああ・・。ソレは・・。大昔からしてたって聞いたな。今でも対立はある・・。
でもって・・・。それを上手く調整したのが『幻の騎士団』と呼ばれたワルキューレ騎士団
だと聞いている・・。それが・・・??」
ガウリイの前では言いにくいが・・。
万が一予想が正しければ・・・・・・・・。


「兄貴!!リナさん!!」
不意に響き渡るガストンの声。
「どうしたの・・・・?」
その背後からゾロゾロとアメリア、ゼル、ゼロスも続く。
「どうしたんだ?ガストン?」
はあはあと荒い息遣いでガストンがガウリイとリナにすがり付く様に言う。
「ホズルが・・。急に意識を失って・・倒れた・・・。親父達は・・・。
その後行方不明になったんだ!!」
「ナンだって!!!?」
調査中の騎士団長が消え・・その片腕である副旅団長が倒れた・・?
「それが・・。かなりホズルさんの容態は・・不自然なんです・・・。」
「でしょうね・・・。」
ビンゴ・・・。最悪の事態は確実になった・・と言う事である・・・。
「・・・・・・。親父・・・・・・。」
ガウリイは・・・気がついている様子は無い・・・・。
「口内炎が出来ていると・・。ホズルさんは言っていましたね。」
不意にゼロスがガウリイに聞こえない程度の声で言う。
「ええ・・・。恐らく・・水銀製の物質を投与されていたことは確実な症状ね・・。
麦粒炎も・・気に掛かる所だし・・。かなり長期にわたって・・って事は確かね・・。」
そんな事が出来るのは・・。
『安心しきっている人物』しか出来るはずが無い。
「リナ・・・・・・・・。」
「判っている・・・・。」
ガウリイにとっても・・・自分に問っても・・。
けじめが必要となる時が来た事は疑い無い。
「行きましょう、ガウリイ・・・・・・。」
因縁の地・・・。ルクセンブルクへ・・・。
「ああ・・・・・。」
リナが何かをためらっていわわないでいる事は疑い無い。
が・・ガウリイとしてもリナと一緒に行く決意は変わらなかった。
ジョヴァンニとも・・そして自分自身ともやくそくしたのだから・・・・。


(15に続きます!!)



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9457ガウリイくんの手なづけ方(笑)P.I E-mail 4/10-00:32
記事番号9437へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
「気まま」シリーズもいよいよ大詰めですね〜!
ゼロス兄、ガウリイくんを完っ璧に掌握してる・・・(^^;)
たしかにあ〜言われたら逆らえませんねぇ。(>嫁)
生まれたときから権謀術数の中で生きてきたのに、こーゆー純粋さを失わない
ガウリイって、やっぱ好きだな〜♪
今回解けた封印のなかから見つかったものって、結局何だったんでしょ?
陰謀の裏にはどーやらミッドガルズだけでなくフレイ騎士団の影もあるみたい
ですね。ガウリイ&ガストン兄弟には辛い結末が待っていそうでちょっと
心配です・・・
次回は因縁の地、ルクセンブルクですか。ついに最終話なのですね〜!
はっぴーえんどだといいなぁ〜・・・
あと一息、頑張って書いて下さいね!!
それではまた〜!

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9464純粋ガウリイ〜〜♪CANARU E-mail 4/10-11:22
記事番号9457へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!
>「気まま」シリーズもいよいよ大詰めですね〜!
はい〜〜♪
今回はちょっと専門外な事も多くてかな〜@り
てこずりました〜〜(汗)
>ゼロス兄、ガウリイくんを完っ璧に掌握してる・・・(^^;)
>たしかにあ〜言われたら逆らえませんねぇ。(>嫁)
ですね〜〜!!
不意にリナに宝石を渡したがらないガウリイ・・・。
その理由は・・・と考えたらこ〜んな結末が出来ました〜♪
>生まれたときから権謀術数の中で生きてきたのに、こーゆー純粋さを失わない
>ガウリイって、やっぱ好きだな〜♪
ですねえ〜〜♪
その点ガストン君のほうが世間ずれしているフシ書いてる
本人までしてしょうがないです〜〜(汗)
>今回解けた封印のなかから見つかったものって、結局何だったんでしょ?
ふふふ・・・。
それが次回のキーワードです〜〜♪
>陰謀の裏にはどーやらミッドガルズだけでなくフレイ騎士団の影もあるみたい
>ですね。ガウリイ&ガストン兄弟には辛い結末が待っていそうでちょっと
>心配です・・・
う〜〜みゅ・・・。
結末はだいたい考えてあるんですが・・・・。
やっぱりガウリイ&ガストン・・・。
リナには頑張ってもらわないと・・ですね・・途中経過ですが☆
>次回は因縁の地、ルクセンブルクですか。ついに最終話なのですね〜!
>はっぴーえんどだといいなぁ〜・・・
>あと一息、頑張って書いて下さいね!!
>それではまた〜!
はい〜〜♪
出来るだけ早く書きますね!!
ではでは〜〜!!