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  ┗行い…………ですか?(笑)−T−HOPE(4/13-23:07)NEWNo.9547


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9477たどり着くために(22)T−HOPE E-mail URL4/10-23:08


 終わらないったら終わらない〜♪ ちょぉっと哀しくなるのは何故でしょう(^^;)
 まぁ、今回一応どこかの誰かさん出ましたが……出た割にちゃんと動かないのは、待たせ過ぎた弊害?(汗)

***************


    たどり着くために
       ――もう一人の「私」へ――


 その店は、一見、何処にでもありそうなたたずまいを見せて、表通りから僅かに一本外れた人気のない路地の端にひっそりと建っていた。
 まだ中空にたどり着かない太陽の、白い陽射しを浴びて、白々とガラスが反射する。
 あまりにありふれていて、妙に現実離れしたその店の前に立ち止まり、リカは首をかしげた。
(ここ……の、筈だけど……)
『ふぅぅぅぅぅん???』
 リナは、それに応えて、じろじろと店の外見全体を眺め渡した。そして、眉をひそめる。
『ここが、その、現れちゃ消える妙な占いの店、な、わけね?』
(う、うん…………多分)
 リカは、その声に、少し弱い声で答えた。
 何故なら、彼女もその疑わしそうなリナの声に、賛同したい気分だったからだ。
 店の外見は、本当に何処にでもありそうな、白っぽい外壁の普通の家。ただ、無造作にかけられた看板に、「謎の占いの店」とだけ書いてある。
(……確か、ここだけど……)
『…………あっそ』
 リナは、深々と溜息をついた。
『……なぁぁぁにが、謎の占いの店なんだかっ。
 とに、本当にあいつここにいたら、一発ひっぱたいてやんなきゃっ! いっくら何だって、芸なさすぎよ!』
 ――は?
 リカは、一瞬、呆気にとられた。
(あ、あの、リナ、それってばいったい……?)
 引き留めたいと切実に思う彼女を無視するように――というか、目前の店しか視界に入っていないようだったが――リナは、ずかずかと前に進んだ。そのまま、躊躇いもせずに、ドアを引き開ける。
(えぇぇぇぇとっっっ?)
 できれば穏便に……などという言葉は何処に行ったのだろうと、呆然とする頭の隅で考えながら、リカは、リナが後ろ手で閉めたドアのがちゃりという音を、死刑執行直前のような気分で聞いた。
 ……が、もうこうなっては、リナが止まるとも思えない。
(まぁ……無事に済めばいいんだけど……)
 そう、諦め混じりに呟いて、ぐるりと店の中を見回すリナに意識を合わせた。
 リナは、店の中を見やって、ふぅんと感心だか納得したように、首をかしげた。
『結構、普通じゃない』
(……そだね)
 店の外の、あまりに普通すぎて浮き上がるような様子とはうって変わって、内部はよくある普通の妖しげなアイテムショップらしく見えた。
 ずらりと並べられた、粉上の物体が入った小瓶。硬質な光を放つ鉱物。何を干したのだか、茶色っぽくひからびた姿をさらす、乾物類。
 それ以外にも、ちゃちな魔法陣や呪文らしきものが縫い取られたり刻まれた、布だの貴金属だのが、一見雑然と、そのくせ乱れもなく置いてある。
 まるで、殆ど手に取られたことがないように。
(…………普通、かなぁ……?)
 二度見回して、リカはまた、首をかしげた。
 ところどころに、何やら見たことがないような物が置いてあるのに気づいたのだ。
『にしても、店番一人いないわけ?』
 リナも同じ物を見た筈だが、殆ど気にも止めずに無視し、ずかずかと店の奥へと足を運んだ。
(変だ、ね……)
 誰も答えない店内に、リカは不思議そうにそう言った。
 これだけ大きな声でリナが喋っているのだ。奥にいるにしても、気づいて出てきそうなものだが。
『………………』
 リナが、不機嫌そうに眉を寄せた。
『……いーけど。
 出てこないなら、この辺にある高そうな代物持ち出して、勝手に売りさばかしてもらうし』
(リ、リナ!?)
 いきなりの不穏当な台詞に、思わずリカは焦る。
 それも当然だろう。この身体はリカのものなのだから、リナが何かやらかせば、それはリカの責任ということになってしまう。
 けれど、そうリカが心の中で叫ぶのと同時に、
「その場合、売り上げの9割はこちらに渡して下さいね」
(…………!?)
 いきなり、人気がなかった筈の背後から響いた柔らかな声に、リカはびくりとした。
(な……っ)
『やーよ。当然、こちらが9割でしょっ』
 焦るリカを尻目に、リナは悠然と、まるで何事もなかったように振り返り、きっぱりとそう言い放った。
(…………あ、あのぉぉぉ?)
 リカは呆れたようにそう言ったが、リナに無視され、がっくりと落とせない肩を落とす気分で黙り込んだ。
 そして、目の前に立つ青年をまじまじと見やる。
(……この人…………)
 闇色の髪。黒を基調にした、かっちりとした服装。そして、白い面に浮かべられているのは、穏やかそうに見える、不可思議な笑み。
 リカは確かに、この青年を見たことが、あった。
(この人だ…………)
 ――リナの、夢の、中で。
 その青年は、穏やかそうに見えるが感情の色のない笑顔で、リカ達に向かい合っていた。
「嫌ですねぇ。9割も持って行かれたら、こっちの儲けがパーじゃないですか」
『そぉ?』
 ふん、と、リナが鼻先で笑った。
 伏せられた夜色の瞳に映る彼女の瞳が、リナの感情をそのまま映してきらりと光っていることを、知覚ではなくリカは悟っていた。
 腕組みをして、リナは小首をかしげた。
『食べる必要もないくせに』
「まるで人をヒモか七光りのぼんぼんみたいに言わないで下さいよ〜」
 軽く頬をかいて苦笑しながら、呑気に青年が応じる。
 リナが、『へぇ?』と、わざとらしく目を丸くして見せた。
『……あんた、魔族のくせに、ご飯そぉぉぉんなに食べる気なの?』
「…………」
 にっと笑ったリナの前で、青年は、白い、変わらない笑みのまま佇んでいた。
(リ、リナ!?)
 リカが、慌てたように叫ぶ。
 この青年が魔族であることは、大体、リカにも判っていた。判ってはいたが……。
(何だって、目の前でんなこと言うだなんて滅茶苦茶危ないことやらかすの!?)
 リナは、くすりと笑って肩をすくめた。
 青年が、困ったように笑う。
「……さて、何のことですか?」
『あーっそ。
 少しは焦ってみせりゃいいのに、可愛げないのも、ぜんっぜん変わらないわねぇ……。
 ……ねぇ、ゼロス?』
 真っ直ぐに、白い面の中隠された夜の色を見据えて、リカの中にいる少女は言い切った。
 青年の変わらない表情に、一瞬、不審げな色が混ざり込む。
「…………あなたは……?」
 リナは、その言葉に、にぃぃぃっと笑みを大きくした。細い指を伸ばし、遠慮の欠片もなく自分よりかなり背の高い青年の襟首をひっつかんで引き寄せる。
 きらりと、油断ない瞳が楽しげに光った。
『忘れたとは言わせないわよ?
 あんたと魔血玉“適正価格”で商売して、あんたに引きずり回されて、挙げ句冥王フィブリゾなんてぇ大物と引き合わされちゃったか弱い乙女なんて、多分あたしっきゃいないだろうと確信してるんだから!』
「…………。
 …………そりゃ、滅多にいられちゃ困りますからね……」
 青年の笑みが消え、瞳がさらに深く伏せられ、感情全て消した能面のような面が曝される。そこに徐々に感情に似た色が戻り、また、笑みに真似た表情を取り戻した。
 そうして、答えが返るまでには、たっぷり1拍以上の時間があった。
「ついでにいうなら、か弱いかどうかは、多分、かなり疑問の余地があると思いますし」
(だよねぇぇぇ……)
 肩をすくめさらりと吐かれた台詞に、思わずリカは力一杯同意してしまい、リナは憮然とした表情になった。
『あーそぉっ。
 ……たぁく、どいつもこいつもっっっ』
「……リナさん?」
 穏やかな笑みを浮かべたまま、青年は、きょとんと首をかしげてみせた。
 リナは、ふんと片目を細めて相手を見やると、その細い指にかける力を増した。
『まぁ、いいわ。
 んな愚痴聞かせるためにわざわざあんた探し出すほど、あたしだって暇じゃないわけだし』
「まぁ、そうでしょうねぇ……」
 ぎりぎりと、襟首を締め上げられながらも、にこにこと笑みを浮かべ続ける青年。が、リカはともかくリナは、そんな様子には全く注意を払おうとはしなかった。
 青年に負けず劣らずにっこりと、異様に友好的な笑みをその頬に浮かべ、相手の顔をのぞき込む。
『そぉ、判ってくれて嬉しいわ。
 ……てことで早速、あたしの話を“ま・と・も・にっっっ”聞いてくれるわねぇ、ゼロスく〜ん?』
(……リナ……あのぉ……)
「リナさん、何かその顔と声が怖いんですけど……」
『どやかましいっっっ!
 判ったの!?』
 乾いた笑みで呟く青年――プラス、自分の中でひきつった笑みを浮かべる少女――に、リナはひきっと顔をひきつらせて怒鳴った。
 が、青年はまるで動じた風もなく、ことんと首をかしげた。
「まぁ……ねぇ。
 答えられることでしたら、別に、答えても構いませんけど……」
 そう言いながら、一歩、足を退いた。
(え……っっっ?)
 その途端、リナが力を抜いた様子もないのに、するりと指が離れ、リカは目を見張る。
 リナは、眉をひそめた。
『何なの、その含みありまくりな台詞は?』
「それはですねぇ…………」
 にっこりと笑みを浮かべ、人差し指を軽く降って青年がそう言った。

 ――その、刹那。

(………………!?)
『何……っっっ!?』
 虚空から伸びた腕が、ぎりりっとリカ達の首に掛かり、力一杯締め上げてきた。
 呼吸が途切れ、ぐるりと視界が揺れる。リナが、激しく身をよじった。
『いったい何が……っ』
 リカとリナの凝視の先で、闇色の青年が、くすりと笑った。
 艶やかに……楽しそうに。
「……つまりは、こういうことなんですね」
 引きずられるように、視界が乱れる。
 そして、リカは、再び何らかの結界の内に自分がいることを、知った。
 ――目の前で、昨日出会った、リナ言うところの“馬鹿丁寧な上に鬱陶しい態度と口調”の魔族と対峙しながら……。

***************

 えとぉ……妙なところで切ったかなぁとかそういう気がしないでもない、です、が(((^^;)
 あぁぁ、すみません。しかもまだ終わりませんし、ゼロス君何か動いてないですし(;;)
 えーと、次もゼロス君は動かないとは思いますが……とりあえず、話先に進めたいです(汗)
 もし、こんなんでも続きが読みたいだなんて奇特で非常に心優しいことを思って下さる方、いらっしゃいましたら……え〜と、次もよろしくお願いいたします〜(本気で(((−−;)

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9500たどり着くために(23)T−HOPE E-mail URL4/11-23:03
記事番号9477へのコメント

 あと……2,3回で終わるとは思い……たいんですが、どうでしょう(^^;)
 とりあえず、まぁ、今回ほんの僅かに動の部分混ざりましたけど……う、うぅぅぅぅん……次が……。

**************


       たどり着くために
         ――もう一人の「私」へ――


 揺らいだ景色が、半瞬も待たずに店の中を以前と同じように露わにする。けれど、その差異は、判るものにはあまりにも明らかだったようだ。
「……結界を……」
 いきなり襲ってきた魔族が、それに戸惑うような表情を見せた。
<リカ!>
 喉首を締め上げる手が緩む。
 リナは、当然その隙を見逃すことなく、無理矢理に振り払って、急いで後ろに下がった。
 そして、鋭く、身体の主である少女を、呼ぶ。
(リナ……何だって、こいつ、また……)
<さぁね。
 昨日の決着、とでも言うつもりかしら?>
 締め上げられ乱れた息を、軽く肩を上下させて整えつつ、リナは、新たに現れた魔族とゼロス、双方を視界に収める位置に立った。
 無論、こんなことをしても、魔族特有の空間移動でもされた場合には、全く意味を持たない。けれど。
 ――たとえ、そうであっても。
 何等抗うことなく、自分の、そしてリカの命をくれてやるわけにはいかない。
<まぁいいわ。どちらにせよ、人の首の骨軋むくらい締め上げた、礼は、きっちりしてあげるからっ>
(…………。
 ……うん……)
 リカは、そのキッパリとしたリナの語調に、僅かに遅れて頷いた。
 当然、リカとしては、この状況が怖くないと言ったら嘘になる。それでも、リナが側にいる。
 そして、リナは、諦めてはいない。
 ――だから……。
(判った……頑張ってね……)
<ちょぉっと! 他人事みたいに言わないのっ>
 軽く憤慨したように、たしなめるように、リナが言う。多分、目の前にいたら、腰に手をあて、勝ち気に瞳を光らせて、のぞき込んでいることだろう。
 冗談半分に笑みを刻んだ口元まで見えるような気がして、リカは、微かに笑った。
(大丈夫。
 ……わたしは、集中してればいいんでしょ?)
 リナが、何処かで柔らかく微笑んだような、そんな幻影が脳裏を横切る。
<理解が早くて嬉しいわね>
(うん)
<よっしゃ! いくわよっ>
 内側で頷くリカにもう一度励ますように気持ちを沿わせて、リナは完全に外界へと意識を切り替えた。
<この結界……あいつのあの慌てようからすると、張ったのは、ゼロスか……>
 けれど、その意図がまだ読めない。
 探るような視線を投げると、ゼロスはにっこりと笑って首をかしげて見せた。
 昨日の魔族が、その様子に、苛立ったような声をあげた。
「またも邪魔立てなさるか、獣神官殿!?」
「おや、何故?」
 くすくすと、楽しげに笑みをこぼしながら、ゼロスは同族である筈の相手に、冷たい視線を投げた。ふわりと、夜の色が外にこぼれる。
 すぐにそれは、いつもの笑みに紛れたけれど。
「僕はただ、予防措置をとっただけですよ。
 あなた方にここでドタバタやられたら、どう考えたって、商品どころか店ごと壊されそうでしょう?」
「何をおっしゃって……っ」
「……それに」
 にっこりと、空虚なほど柔らかで穏やかな笑みを頬に咲かせ、ゼロスは、軽く人差し指を乱入してきた魔族に振ってみせた。
「よもやまさか、こんな結界程度で、覇王様の側近く使えた程の魔族であるあなたが、人間相手に不利になる、とは……。
 ……とても、思えないでしょう?」
「…………それは……まぁ……」
<……なんだかな〜……>
 それを聞いていたリナは、思わず、小さく溜息をこぼしていた。
 確かに、己の精神を基にする魔族にとって、人間相手に不利になる自分など想像も付かないのだろうが……まんまと、引っかけられているようだ。
<まぁ、ねぇ。
 魔族であるゼロスの性格が、たかだか1700年で変わるなんて、期待もしてなかったけど……>
 というより、もし変わっていたら、その方が衝撃を受けただろうと、気づいてリナはさらに脱力しかけた。もっとも、今はそんな時ではないことも判っていたので、その感情はまるで表にはこぼさなかったが。
<に、しても、だ……>
 ――この話の動かし方だと、まるでゼロスはリナを利するために結界を張ったように思える。
 だが、その意図がやはり判らない。
 もっとも、まともに聞いてもまず答えないことも、リナには判りきっていた。
<それから、もう一つ判らないこと……>
 そう、心の内に呟いて、リナは、きっと顔を上げ、新たに現れた魔族を睨み付けた。
『……不利とかどーとか、そんなことはどうでもいいわ。
 けど、あんた、何だって今いきなり現れて、あまつさえあたしの首、遠慮なしに締め上げたりなんかしたのよ!?』
 睨まれた魔族は、その言葉にゼロスから視線をそらし、リナへと向き直った。
 冷笑が、その唇に浮かんでいた。
「貴女に消えていただこうと思いまして」
 押し込められた殺気が、結界内に渦巻く。
 普通の人間ならば、顔色を変えるかあるいは瘴気にやられて戦意など欠片も持てなかっただろうが、リナは、ふぅんと笑って、首をかしげて見せた。
『理由としては弱すぎるわ』
「何を……」
『あたし消すの理由なら、今日ここに来るまでにいくらでもばっさりやるチャンスはあった筈よ。
 それを、わざわざここで襲ってきたんだもの。何か、それなりに意味があってしかるべきと思ったのよ。
 それとも、んなこと考えることも出来ないほどの、無能? あんた?』
「そんなことは……」
 立て板に水とばかりに一気に言い切ったリナに、笑みを消し苛立った表情を、魔族は見せた。が、続きをさらに言葉にする前に、
「まぁ、そうして頂けたら、僕の手間も一つ省けたでしょうねぇ」
 のんびりした声が、割って入った。
『……手間って程の手間?』
 殆ど高見の見物というような態度の青年に、リナは顔をしかめた。
 が、この言葉に、リナ達を狙う魔族の方は、さらに苛立ったようだった。
「何を悠長な……。
 昨日、貴方が止められたからこそ、私は一時退きました。
 それがどのような状況を引き起こしたか、貴方はまるでお判りでない!」
「はぁ……まぁ、この人が野放しってことは、そりゃまぁ騒ぎの一つや二つで収まれば良い方だと、思うことは思いますがねぇ」
『ちょっとっっっ!
 よりもよってあんたにんなこと言われる筋合い、ないわよっ!?』
「そうですかぁ?」
『あーんーたーねぇぇぇっっっ!』
 ちらりと投げられる疑わしそうな視線に、だんっと床を足で一回蹴って、リナはぎりりときつい目で答えた。
『よりにもよってあんたに言われるとはっっっ、て気がすんだけど?』
「僕だけじゃなく、順当な評価だと思うんですけどねぇ。
 ……ねぇ?」
(…………え?)
 一瞬、投げられた視線が何故か“リナ”ではなく自分に投げられていたように感じて、リカは首をひねった。
(……そんな筈は、ないと思うけど……)
 昨日とは違い、今日はリカは全く表には出ていない。気づかれる筈は、ないと思うのだが……。
<リカ?>
(ううん。何でもない)
 どうしたのかと呼びかける声に、とりあえず声を返して、リカはキッパリとそんな埒もない考えを振り払った。
 何故か、このゼロスと呼ばれる魔族は、この緊迫した空気を引っかき回して、話を進めさせているようだが……今が、非常に危険な状況だというのは変わらない。
 余計な物思いに捕らわれている時ではなかった。
 リナもそう思ったらしい。一つ溜息をついて、ゼロスを睨み付けるのをやめた。
『ったく。
 ……だいたいねぇ、あたし別に、大した騒ぎなんて起こしてないわよ?
 起こしたっつったら、精々あんたら絡んできたんで、“仕方なく”! 応戦したくらいで……それを引き起こしたなんて言うのは本末転倒ってもんでしょ!?』
「何もそんなことを言っていない」
 リナの台詞に、魔族の男は、即座にそう返した。
「私が問題にしているのは、お前が黄金竜と接触を持ったことだ」
「黄金竜と?」
「左様です」
 僅かに首をかしげたゼロスに、魔族は大きく頷いて見せた。
「それはまた……まだ物好きな方が生息してたってことですかねぇ」
「何を呑気な!」
 のほほんとした答えが、魔族には気に入らなかったらしい。ぎりっと唇を噛みしめるという、妙に人間めいた動作をした。
 その一方、リナは僅かに目を細めた。
<成程、ね。先刻あの黄金竜の接触切れたのは、こいつに邪魔されたから、か……>
 そして、そのまますぐこの魔族が襲ってこなかったのは……。
「まぁまぁ」
 ゼロスが、苦笑混じりに――何処まで本気かはかなり不明だが――そう、なだめるような声をかけた。
「どうせ、その物好きな方は、あなたがどうにかなさったんでしょう?」
 ――僕としては、ご苦労様なことでとしか、言えませんが。
 くすくす笑いながら、ゼロスは、リナの想像を裏付けるような質問を発した。
 魔族は、さらに嫌そうな表情になりながら、「当然」と答えを返す。
 リナはまた、溜息をつきたくなった。
「黄金竜と接触を持つような人間を、野放しにしておくわけにはいきません。
 ……今度ばかりは、如何に貴方が制止なさろうと……」
「別に、僕は止めちゃいませんよ」
 あっさりと、肩をすくめてゼロスは言い放った。
「ただ本当に、面倒なことをご苦労様とは思いますけどねぇ……。
 あぁ、あと、せっかく、獣王様がご復活なさるまでの退屈を紛らわそうと作ってみたこのお店を、壊されるのも嫌ですね」
「…………貴方は…………っ」
 何か言いかけた魔族は、飄々としたゼロスの様子に、そのまま苦々しげに黙り込んだ。
 そして、振り払うように、リナに向き直る。
「結構。
 では、今回は邪魔立てなさらない、と。
 ……では……」
 僅かに嗜虐的な色が、魔族の瞳に宿ったのが、リカにもはっきりと見て取れた。その手の内に光が集う。
 勝利を確信し、なぶることすら求める冷ややかな笑みが、唇の端にのぼる。
 ……けれど。
<それに付き合う義理は、こっちにはないのよ>
 光が集うより早く、リナは、ぴんと背筋を伸ばした。
 瞳に深い光が浮かび、唇が引き結ばれる。
 頬が、僅かに白くなった。
<……リカ……>
(うん)
 リカは、昨日見出した流れに、躊躇いなく身を任せた。
 全身をめぐり、額の一点に集う、熱い熱い力。側にある筈のリナの、燃え立つような生命そのものの燃焼。
 自分の心全て溶けるようなその恐怖すらも超える一体化。
 リナが、ふと、唇をほころばせたのが判った。
 瞳がふわりと付せられ、まつげが頬に影を落とす。細い腕が、静かに上がった。
『――悪夢の王の一片よ……』
 凛とした声音が、閉じられた空間に響く。
『世界のいましめ解き放たれし
 凍れる黒き虚無の刃よ』
「……な……まさかっっっ!?」
 魔族が、ぎょっとしたように目を見開いた。
 けれど、リナの呪文の方が早い。
『……神滅斬!!』
「そんな……そんなまさかそんな……っっっ…………っ!!」
 一瞬、魔族の姿がぶれる。まるで、その場から逃れようとしたように。
 ……けれど。
「何故…………っっっ!?」
 ざんっ。
 移動もできないまま、顔に焦りの色を張り付けて……そうして、魔族は闇の刃に縦に切り割られた。
 断末魔の絶叫が遠く高く響く中、リナはそのまま、真っ直ぐに虚空へと刃を突き立てる。
 ……ばしゅっ。
(結界が…………)
 静かに、解けていく。
 以前と変わらぬ店の中に、肩で息をして立つ自分――というより、リナ――と、僅かに面白そうな色を目元に滲ませてその様子を見ている青年姿の魔族に気づき、リカは、ほぉっと息を付いた。
 ……安堵か、それとも気が抜けたのか、自分でも判らないままに。

****************

 というわけで、読んで下さる方のうち何人の方が覚えていて下さってるか謎ですが……一時ゼロス君と紛らわしいような登場の仕方した魔族さん、始末しちゃいました(笑)
 次回は〜、リナちゃんとゼロス君の化かし合い〜…………に、なるといいなぁと思ってます(^^;)
 えぇ、切実に(((^^;)
 ということで、ものすご〜くお暇でお気が向かれましたら、できれば続き、読んでやって頂けると嬉しいです。

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9524たどり着くために(24)T−HOPE E-mail URL4/12-23:02
記事番号9500へのコメント

 リナちゃん&ゼロス君の化かし合い〜……をするには、ちょっとリナちゃんカードが足りなかったみたいです。ごめんね、リナちゃん(笑)
 何か、みょぉぉぉぉっっっに前にも思ったんですが、日帰りクエストじゃないけど人間批判が(汗)
 まぁ、いつも思ってたりすることですけど……でも、それに、リナちゃんはどう答えるかなぁと思ったら私の意見とはちょい違いましたね。
 ……とりあえず……リナちゃんゼロス君の会話(掛け合いだなんて口が上下に引き裂けても言えない(^^;)です。お暇でしたら読んでやって下さい(^^)

**************


       たどり着くために
          ――もう一人の「私」へ――


 僅かに瞑目して、リナはすっとかがめていた背を真っ直ぐに伸ばした。
 乱れていた呼吸も、もう、押さえ込まれ、視線は真っ直ぐに目の前のゼロスへと向けられている。
 そうして、視線を向けられた方は、といえば、
「やれやれ。わざわざ結界まで破壊して下さらなくても、良かったんですけどねぇ」
 リナは、ふんと鼻でその台詞を笑い飛ばした。
『じょぉっだん!
 あんたみたいなのの手のひらの上で、悠長にお話し合いなんぞやってられるもんですか』
「そうですか〜? うーん、信用ないですねぇ」
『あると思ってたの?』
「いいえ、全然」
 呆れ果てたようなリナの台詞に、さらりと答えて、ゼロスはにっこり笑ってみせた。
 リナの視線が、さらに冷たくなる。
『……まぁったく、変わっちゃいないわね、あんた』
「リナさんもね」
 ゼロスはそう答え、リナを手招きして店の奥へと歩を進めた。
「まぁ……せっかく、千何百年かぶりにお会いできたことですし、お茶でもいかがですか?」
『…………人間の口に合うものだったら、頂くわ』
 一つ、溜息をこぼして、リナはあっさりそう応えた。
(リナ!?)
 その無造作な言葉に、リカは、驚いてリナの内で叫んだ。
 が、リナは小さく頭を振り、
<こいつがその気になりゃ、薬盛るだの何だのそんな陰険な手口使わなくたって、きれいさっぱりあたし消せるわよ。
 それに、あたし、大抵の薬は判別付くしね>
(そ、そういうもんなの……?)
<そぉ、よ>
 きっぱり答えられ、リカはそのまま口をつぐんだ。
 ……とはいえ、納得は、しかねていた。
 目の前の青年は、魔族だという。結界はれるだの何だの、妙な力を持っているようでもあるし、確かに、そうなのだろう。さらに言うなら、先程の男が一歩引いて接していたことから考えても、かなり強いのではないかと思う。
 だから、警戒してもある意味無駄というリナの言葉も、判らないでもない。
 ……けれど。
(…………信用、してるの?)
 もしこれが先程の魔族だったなら、リナは絶対こんな台詞には応じなかっただろうと、そうも思えて、リカは、小さく小さく呟いた。
 リナは、何も答えない。ただ、唇の端を僅かにつり上げた。
『…………んで?』
 ややあって、かちゃんと、テーブルの上に置かれた白磁の茶器が、硬い音を立てた。
 その音にかぶせるように、放り投げるように無造作に、リナは頬杖をついて相手を見やりながら、問いかけた。
「……で、とは?」
 ゼロスは、茶器を片手ににこりと笑いかける。
 それをきれいに無視して、リナは、軽く目を細めた。
『あんた、こんなトコでこんないかにも怪しげな店開いて、何やってんの?』
「怪しげ、ですか?
 う〜ん、いい考えだと思ったんですけどねぇ。
 先程も言ったように、獣王様ご復活をお待ちする間の暇つぶしとしては、ですけど」
『ふぅん?』
 それを聞いてリナは、僅かに身体を反らし、ゼロスを検分するように視線を走らせた。
 唇が、皮肉げな笑みをたたえる。
『まぁ、一千万歩譲ってそれが本当だとしても、よ?
 どうして暇つぶしなんて悠長極まりないこと言ってられるのか、それが謎よね』
「おや。それはどうして?」
 と、こちらは穏やかそうな笑みを1ミリも動かさないまま、ゼロスが尋ねた。
 リナの笑みが、消える。
『覇王は1700年ほど前の第二次降魔戦争で滅び、獣王と海王は倒され、一時この世界から姿を消した……。
 それは、間違いないわね?』
「よくご存知で」
『でも、神もまた傷を負ってこの世界から姿を消した。
 …………なのに』
 言葉をそこで切り、茶器を手に、リナはきらりと瞳を光らせた。
『何故か、魔族は、ナリをひそめている』
 ゼロスは、くすりと笑うと、手にしていた茶器を静かに置いた。
「人間にとっては良いことでしょう?
 何故そんなに、怖い顔をなさるんです?」
『良いこと、ねぇ……』
 一口、揺れる琥珀色の香りと味を楽しむと、リナは軽く肩をすくめた。
『“本当に”そうなら、何も問題はないでしょうけど、ね』
 ――実際、リナは、本当にそうであることを願っていた。
<こんな奴の絡めてきた糸を、早々簡単に切れるとも思えないし……何事もないに、越したことはないけど……>
 けれど、それが望み得ないことも、判っていた。
『魔族の望みは、全ての破壊、滅び。全てとともに混沌へ還ること。
 ……それが、主がいないとはいえ、こうも姿を隠しているとはあまりにも信じ難いわね』
「でもほら、僕は中間管理職ですしね」
 リナは、『ふぅん』と、その言葉に眉をつり上げて見せた。
『自分で言う、普通?
 ……でも、そう、よね。あんたは、いわゆる、中間管理職なわけだ』
 ゼロスが、僅かに首をかしげた。
「それが、何か?」
『つまり、上の命令を下に伝えて従わせるのが仕事よね〜。
 いまいち、以前のあんた見てると、自分でへこへこ動いてるから、もっと下っ端っぽいイメージあるけど』
「下っ端は酷いですよ、リナさん?」
 にこにこにっこり、柔和な、けれど空虚な笑みを浮かべる白い面を一瞥して、リナは、僅かに首をかしげた。
『獣王は、何を狙ってるの?』
「おやおや。
 何故、獣王様の命だと?」
『他にいる?
 お役所仕事のあんたに、重石ない現在でまで仕事を継続させ得る相手が』
 ひらひらと手を振って、リナは、呆れたような声音でそれに答えた。
「成程?
 でも、それだけでは話が通じませんよね。
 何故僕が、下っ端魔族の統括なんて七面倒くさいこと、やらなきゃいけないんです?」
 リナは、肩をすくめた。
 呆れた風を装っているが……瞳は鋭く、相手の様子を、細分漏らさず観察している。
 ゼロスはそれに気づいているのかいないのか、相変わらずにこにこと、テーブルの向かいで笑っていた。
『“何故”、は、こっちの聞いたことでしょ。
 でも……そう、ね。そうでなきゃ、こうも破壊や滅び、負の感情を好む筈の魔族が、人間相手にその手のお遊びしない理由が、納得いかないわ。
 神々がまだ在った頃でさえ、魔族の脅威は小さな村の人間ですら語り継がれ知っていた。
 ……てのに、今のこの現状は、どう?』
 とん、と、細い指で一回テーブルを叩き、リナは、にっと笑った。
『でもって、だ。
 魔族を制止する……それだけの影響力を持ち得るのは誰かって考えた時、腹心クラスみ〜んな引っ込んじゃってるっていうじゃない。
 てことは残るはあんたっきゃいないでしょ、将軍+神官の力持つあんたしか、ね』
 言うと、長い台詞で渇いた喉を潤すようにゆっくりと、茶を口元へ運んだ。そして、片目をつむって、『違う?』と悪戯っぽく念を押す。
 ゼロスは、「はぁ」と応えると、軽く頭をかいた。
「いやぁ、リナさんにそこまで評価していただけるのは嬉しいですけどねぇ」
『いまいち、嬉しそうに聞こえないわね』
 やれやれと溜息をつきながらリナが言うと、ゼロスは僅かに苦笑に近い表情を見せた。
 何故か、それまでの笑みよりも、人間くささが混じる。
「そうですか?
 まぁ……相手がリナさんですから、その程度のことは読みとってしまうだろうと思ってましたし」
『ふぅん?』
 リナは、小さく呟くと、細い指に髪を絡めた。ふっと一瞬視線を遠くへ飛ばし……そしてまた、真っ直ぐにゼロスを見る。
『それじゃさくさく答えてもらいましょうか。
 獣王が、いったい何を目論んでるか、ね』
「それがですねぇ……」
 その強い瞳の光に対し、ゼロスは困ったように頬をかいた。
「僕、実は、獣王様より先にいったん倒されてまして、実はその命、直接受けたわけじゃないんですよ」
 リナが、一瞬きっと唇を引き結ぶ。
『……それで?』
「なので、獣王様が何をお考えになっていらっしゃったかは、うかがっていない、と」
『あーのねぇぇぇ。
 ……またなの?』
 身体全体で吐息を吐き出すようにして、嫌そうに、リナは呟いた。
 ゼロスが、くすくすと笑う。
「前回も今回も、僕、嘘はついてませんよ?」
『隠し事はしてるけど?』
「さぁ? それは何とも……」
 嫌味なほど優雅に首をかしげ、ゼロスはまた、にっこりと笑った。だが、一瞬だけ、夜の色をした昏い瞳が露わになる。
 リナはそれを一瞥して、ふむと考え込んだ。
『……判ったわ。んじゃ、質問を変えましょ。
 獣王は、あんたに、具体的に何て指示出したわけ?』
 ――それはさすがに知ってるでしょう!?
 にぃぃぃっこりと、全開で微笑みかけながらリナが尋ねかけると、ゼロスが、僅かに椅子を後退させた。
「リナさん……。何か、怖いですって……」
『あぁぁぁらぁ?
 どぉぉぉしてぇぇぇ?』
 にこにこにぃぃぃっこり、それこそ満開の花のような笑み……の、筈なのだが、何故背後におどろ線が見えるのだろうか。
 その辺、ゼロス同様リカも不思議だったが、とりあえず今は口を挟む時ではない。
 ゼロスは、暫くそんなリナの顔を見ていたようだが、やがて、やれやれと肩をすくめた。
「まぁ、いいですけどね。
 今のあなたに喋ったところで、さして問題ある内容でもなし」
『そりゃ有り難いわ』
 皮肉だか本気だか、判別つけ難い声で、リナが返す。ゼロスがまた、くすりと笑った。
「お礼はそのうち頂こうかと考えてますけど」
『無い袖は振れないわよー』
「振れるものを選びますよ」
 さらりと切り返し、「さて」とゼロスは茶器を持ち上げた。
「獣王様のご命令ですが……ただ一つです。
 『人間を、増長させよ』」
『…………人間を……?』
 ――増長……?
 どういう意味かと呟きかけて、リナは、はっと瞳を見開いた。
<つまり……>
 ――……人は、世界を制することを、望んだ……。
 影を送りつけてきた黄金竜の、苦々しげな声音が、耳に蘇る。
『人間に、世界を制させろって?』
「ご名答」
 パチパチと、形だけの拍手をする相手を、リナは睨み付けて止めさせた。
『ふざけないで。
 ……それで、あんた達魔族に、いったいどんな得になるっての?』
「どんな、でしょうねぇ……」
 ゼロスは、くすくすと、楽しげに笑っていた。毒のある波長が、その笑みの中隠されている。
 ……まるで、嘲るように。
 リナは、眉を寄せた。
<……こいつらが、何の意味もなくそんなマネをする筈がない。
 それを、現在も継続してるってことは……得になる事象が、続いて……>
『………………っっっ!』
 不意に、びくりと電気にでも打たれたように、リナは身体を強張らせた。瞳が大きく見開かれ、虚空を見つめる。
 顔色が、一気に透けるほど白くなり、柔らかな頬の線が強張った。 
(リナ? ……リナ!?)
 あまりの動揺に、リカの心まで揺さぶられ、呼びかける声が何処まで届いているのか、判断も付かなかった。
 けれど、リナはややあって、静かに頭を振り、目を伏せた。
<……大丈夫、よ…………>
(でも…………)
 かすれてすら聞こえる心の声に、リカが心配してさらに語をつなぐより、早く。
「リナさん?」
 柔らかな声と同時に、冷たい指が、リナの頬に触れていた。
「どうなさいました?」
 まるで案じてでもいるような、優しげな表情と声。
 けれど、その瞳の奥に、喜悦にも似た残酷な色が揺れているのに気づき、リナは思いきりその手を振り払った。
 きっ、と相手を睨み据える。
『生憎だけど、早々易々とあんたの食料供給源になってやるほど、あたしは、心優しくないの!』
「それでこそ、リナさんですね」
 魔族は楽しそうに微笑むと、リナの頬に触れた手を、ひらひらと振ってみせた。
「でも、その様子だと……もしかして、お気づきになられました?」
 くつくつと、何処か満足げに笑い声をこぼして……。
『……そう。
 あたしがそれを読み解くとこまで、あんたの計算通り?』
 リナは、テーブルの下でぎゅっと手を握りしめ、唇を噛みしめた。
 ゼロスの唇の作る笑みの形が、きゅっと、嘲りの色を宿す。
「そうだとして?
 どうなさいます?
 ……いずれにせよ……僕が為したのは、道標を置くことだけ。実際に起こった事象の責任は、何処にあります?」
『………………』
 謎かけにも似た言葉に、リナは一瞬の沈黙で応えた。
『エルフは滅び、竜族は衰退した…………。
 ……確かに、魔族にとっちゃ、有り難い状況でしょうね』
「それだけじゃありませんよ」
 かたんと椅子を元の位置に戻し、ゼロスは長い指でふわりと茶器を持ち上げながら、笑み混じりにそう付け加えた。
「もしかしたら、あなたはまだお気づきでないかもしれませんが……世界は、人に制されることによって、異常なまでにその様相を変じました」
『……異常?』
「えぇ。
 幸いなことに……“異常に”、です」
 リナは、その台詞にゼロスの顔をねめつけ……ふっと息をついた。
 目に見えて、肩に入った力が抜ける。けれど、瞳の力は、逆に増していた。
『誰にとって幸いなのか――聞く意味、あまりなさそうね』
「もしかしたら、人間にとっても幸いなのかもしれませんけど?
 ……時々、そうは思えない節もありますが……」
 香りを楽しむように口元で微かに茶器を揺らし、笑みを刻んだ唇が嘲りの色を宿さないまま、侮蔑の台詞を吐き出す。
「何故、人は、気づかないのでしょうね?
 水も、大気も、木々も……そして大地も。あなたが知るあの頃の“力”は持っていません。
 ……あるいは、エルフやドワーフを、人は意図して排斥したのではなかったのかもしれない。
 ただ、そうでなかったとしても……人が呼ぶ“技術”が世界を席巻し、全て覆い尽くした昨今、彼らが無事生き延びることは、奇跡に等しかったでしょうね」
『…………。
 …………何故、か……』
 リナは、ゼロスの言葉を吟味するように、沈黙を落とした後、静かにそう呟いた。
 ゼロスが、首をかしげる。
「リナさん?」
 リナは、くすっと悪戯っぽい笑みを頬に閃かせた。
『あたしが会った黄金竜が、ね。言ってたのよ。
 ……何故、って』
 ふと、また、脳裏を、あの影が吐き捨てるように叫んだ言葉がよぎる。
 ――……何故、人間は……生きているのに、生きようとしているのに、何故、世界を滅ぼしかねない真似を為して、躊躇わぬのだ……っ?
『何で……だろうねぇ……』
 リナは、ふと視線を遠くへと投げた。
<幸せに、生きて、生きていきたい。
 ……それだけの筈だったのに……>
「リナさん?」
 唇に浮かんだ少女の笑みに、ゼロスは僅かに眉をひそめ、問いかけた。
 リナは、くすくす笑いながら、肩をすくめた。
『……獣王も、いいとこ目を付けたわね。
 そうよ、人間は……人間だけは、世界を滅ぼすことと自分を秤に掛けて、自分を選べる。
 ううん、選んだことに、気づかない……』
「何故?」
『あまりにも、その命が短いから』
 あっさりと答え、リナは、茶を口に含んだ。
『竜族、エルフ族は、その長い命の中、世界が変わっていくのを具に見届けることが出来るわ。
 でも、人間には出来ない。人間の視界の中では、世界も大地も変わり様がない。
 それに、人間、自分が短い命って知ってるからね。効果を、急ぐのよ。
 ……生きるのを急ぐみたいに』
「故に、劇薬を選択する、と?」
『かもねー』
 大きく溜息をついて、リナは、椅子の背もたれに寄りかかった。
(……リナ……)
 愕然としたように今まで沈黙を守っていた、“今この時代の人間”である少女が、呟くような声でリナの名を呼んだ。
<気にするこたーないわよ>
 先程の動揺が嘘のように、リナは明るさを失わない瞳と表情を保っていた。
(でも…………もし、それが本当なら。
 ……本当かもしれないから……)
<そうね。
 こいつ嘘つかないから、本当なんでしょうね。
 ……でも、ね>
 リナは、つんと、顎をあげた。
『見方を変えればいいのよ。
 ……もし、人間が馬鹿じゃないなら、1700年で世界を変貌させるだけの力が本当にあるのなら……』
 リカとゼロスは、同時に目を見張った。
(……あるの、なら……?)
「滅びへの道を、転化できるかも、と?」
『可能性の問題だけどね』
「…………相変わらずですねぇ、リナさん」
 ゼロスが、感心とも呆れともつかない口調で、眉を跳ね上げ驚いたふりをしてみせた。
 リナが、ふふんと笑いながら、いつの間にか空になった茶器を振った。
『あたしを見りゃ判る通り、人間、為せば為るのよ。
 ……つーことで、おかわり。お茶菓子ないの?』
(…………。……あのねぇ……)
 感動した自分を返せ、と、思わずリカは突っ込みたくなった。けれど、何処か苦笑に似た感情が、胸の中にはある。
 リナの、この迷いから真っ直ぐ前に進んでいける毅さ。それは……まるで、太陽のように。
「……ぜんっっっぜん変わってらっしゃらないようで……」
 ゼロスも、似た感情を覚えたのか。ふと、動かない笑顔の中、目元を和ませて、やれやれと首をかしげた。
 一つ吐息をつき、音もなく立ち上がると、リナと自分の茶器に茶を新しく注ぐ。湯気が立ち上り、また香りが、ほっと肩の力を抜くような気配を漂わせた。
 そんな、柔らかな空気の中、
「まったく……。
 今思い返しても、そういうあなたによくもあの方達、平気で付き合っていられたなぁと、感心する思いですよ」
 くつくつと笑いながら、ゼロスが言う。
 リナは、むぅっと頬を膨らませた。
『あんたが言う? だから?』
「おや、そうですか?」
 ゼロスは、唇の端を、きゅっとつり上げた。
「じゃぁ…………今、あなたが間借りしている身体の、その主の方に、聞いてみましょうか?」
『………………』
(…………え!?)
 リナが、すぅっと片目を細めた。
 リカが、リナの内で叫ぶ。……けれど、その声は、外には漏れ出ていない……筈だ。
 ……なのに。
(…………わたしを、見てる……)
 その、夜の色は、鋭い冷たさを孕んで真っ直ぐに、リナの中を貫いているようにリカには感じられた。
(どうして……)
 まるでそれが、自分の芯の部分まで凍らせるような、そんな錯覚に捕らわれて、リカはリナの中、身を竦ませ縮こまった。
 その瞳から、逃れるように……。

********************

 まだ続くんです、何ででしょう(汗)
 一応、終わりが見えてきてはいるんですけど〜。えぇ、これ以上何処かへ移動したりは……この一連の時間の流れの中では、しないですし。
 ということで、後少し、後少しです(何か選挙のPRのやうだ(((^^;)
 お気が向かれましたら、また目を通してやって下さいませ〜。

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9551ほんっとうに毎回1番乗りです(笑)紅葉 4/14-11:07
記事番号9500へのコメント

 なぜこうも毎回一番乗りなのでしょう(^_^;)
 昨日メールの嵐に襲来され、一度に感想を書き上げるのが無理だったので、1日一つ〜と決めましたのに(笑) はっ!
そういえば某Kさまはテストで天上人になっておられるのでしたわね。学生さんは皆さんテストなのでしょうか…。
 
> あと……2,3回で終わるとは思い……たいんですが、どうでしょう(^^;)
> とりあえず、まぁ、今回ほんの僅かに動の部分混ざりましたけど……う、うぅぅぅぅん……次が……。

 ふふふふふふ。頑張って下さいましね♪
 でも、終りが見えている筈なのに終わらないというのは良く分かりますわ、えぇ。紅葉も終りが見えてから既に二週
間以上経過した小説とか…ありますし(T_T)

>**************
>(…………。
> ……うん……)
> リカは、そのキッパリとしたリナの語調に、僅かに遅れて頷いた。
> 当然、リカとしては、この状況が怖くないと言ったら嘘になる。それでも、リナが側にいる。
> そして、リナは、諦めてはいない。

 やはりこういう状況の時にリナちゃんが居てくれるのって心強いですよねぇ…。何せ非常”識”事態ですし(笑)
 リナちゃんが魅力的なのって絶対に諦めない所ですわね♪ 無謀とも思える相手に立ち向かっていって…勝てるかもしれないと思わせる所が彼女の強さでしょうか。そしてまた実際に勝ちますし(^_^;)

> ――だから……。
>(判った……頑張ってね……)
><ちょぉっと! 他人事みたいに言わないのっ>
> 軽く憤慨したように、たしなめるように、リナが言う。多分、目の前にいたら、腰に手をあて、勝ち気に瞳を光らせて、のぞき込んでいることだろう。
> 冗談半分に笑みを刻んだ口元まで見えるような気がして、リカは、微かに笑った。
>(大丈夫。
> ……わたしは、集中してればいいんでしょ?)
> リナが、何処かで柔らかく微笑んだような、そんな幻影が脳裏を横切る。
><理解が早くて嬉しいわね>
>(うん)
><よっしゃ! いくわよっ>

 一緒に戦っている〜という感じですねっ♪ リカちゃんも、他力本願ではなくて、自分に出来る精一杯のことをしようとする姿勢がとても格好良いです。勿論巻き込まれてしまってしかも自分の体なわけですから、頑張るのは当然なのですけれど、それでもパニックに陥ってただ恐いと泣くだけしかできない子もいるでしょうし。そういう意味でも凄く格好良いですね♪♪♪


><まぁ、ねぇ。
> 魔族であるゼロスの性格が、たかだか1700年で変わるなんて、期待もしてなかったけど……>
> というより、もし変わっていたら、その方が衝撃を受けただろうと、気づいてリナはさらに脱力しかけた。もっとも、今はそんな時ではないことも判っていたので、その感情はまるで表にはこぼさなかったが。

 確かに…1700年かそこらでゼロスさんの性格が変わるとは思えませんよねぇ…。1700年のうちに気弱になっているゼロスさんとか…わいるどになっているゼロスさんとか(一人称は俺です(-_-;))嫌ですしねぇ…(笑)


><に、しても、だ……>
> ――この話の動かし方だと、まるでゼロスはリナを利するために結界を張ったように思える。
> だが、その意図がやはり判らない。

 ゼロスさんの事ですから、ただ助けた…のではなさそうですよねぇ……。今回のお話は、恋愛感情があまり絡んでいないようですし(笑) でもやはりリナちゃんを助けるゼロスさんの姿に狂喜乱舞するあたりで、すでにゼロリナ菌に頭をヤラレちゃっているらしいですわ…。


>「はぁ……まぁ、この人が野放しってことは、そりゃまぁ騒ぎの一つや二つで収まれば良い方だと、思うことは思いますがねぇ」
>『ちょっとっっっ!
> よりもよってあんたにんなこと言われる筋合い、ないわよっ!?』
>「そうですかぁ?」
>『あーんーたーねぇぇぇっっっ!』
> ちらりと投げられる疑わしそうな視線に、だんっと床を足で一回蹴って、リナはぎりりときつい目で答えた。
>『よりにもよってあんたに言われるとはっっっ、て気がすんだけど?』
>「僕だけじゃなく、順当な評価だと思うんですけどねぇ。

 あはははははは(笑) 野放しって…獣じゃないのですから(笑) でもリナちゃんをほぉっておくよりは、虎やらライオンやらを徘徊させていたほうがまだしも危険レベルが低い気がするのは……どぉしてでしょうねぇ(笑) ゼロスさんにここまで言わせる程の実力の持ち主ですし。これってある意味(ゼロスさんにとっては)からかい半分の誉め言葉だったりするのでしょうか。だって…人間相手に…ですし。

> ……ねぇ?」
>(…………え?)
> 一瞬、投げられた視線が何故か“リナ”ではなく自分に投げられていたように感じて、リカは首をひねった。
>(……そんな筈は、ないと思うけど……)
> 昨日とは違い、今日はリカは全く表には出ていない。気づかれる筈は、ないと思うのだが……。

 おぉ…ゼロスさん聡いですね。それともリカちゃんに何かキーになる役目でもあるのでしょうか。
 あぁ本当に気になりますわっ♪


> ……だいたいねぇ、あたし別に、大した騒ぎなんて起こしてないわよ?
> 起こしたっつったら、精々あんたら絡んできたんで、“仕方なく”! 応戦したくらいで……それを引き起こしたなんて言うのは本末転倒ってもんでしょ!?』

 仕方なく……の割には結構楽しそうな気が…する……のは気のせいでしょうか(笑) だってほら、戦うとお腹が空きますしっ(笑)


>「ただ本当に、面倒なことをご苦労様とは思いますけどねぇ……。
> あぁ、あと、せっかく、獣王様がご復活なさるまでの退屈を紛らわそうと作ってみたこのお店を、壊されるのも嫌ですね」
>「…………貴方は…………っ」
> 何か言いかけた魔族は、飄々としたゼロスの様子に、そのまま苦々しげに黙り込んだ。

 暇つぶし……ですか………。暇つぶしに人を不幸に陥れてみたり、暇つぶしに家庭を壊してみたり、暇つぶしに精神を崩壊させてみたり…位はやってのけそうなところがとっても恐いです(-_-;) 獣王様…倒されてしまったのですね…。
 あの方が倒されるって…イメージ的に…なにかこぉ……強気な姿勢を崩さないままで倒されるという感じがしますわね(笑)


> リナが、ふと、唇をほころばせたのが判った。
> 瞳がふわりと付せられ、まつげが頬に影を落とす。細い腕が、静かに上がった。
>『――悪夢の王の一片よ……』
> 凛とした声音が、閉じられた空間に響く。
>『世界のいましめ解き放たれし
> 凍れる黒き虚無の刃よ』
>「……な……まさかっっっ!?」
> 魔族が、ぎょっとしたように目を見開いた。
> けれど、リナの呪文の方が早い。
>『……神滅斬!!』
>「そんな……そんなまさかそんな……っっっ…………っ!!」
> 一瞬、魔族の姿がぶれる。まるで、その場から逃れようとしたように。
> ……けれど。
>「何故…………っっっ!?」
> ざんっ。
> 移動もできないまま、顔に焦りの色を張り付けて……そうして、魔族は闇の刃に縦に切り割られた。
> 断末魔の絶叫が遠く高く響く中、リナはそのまま、真っ直ぐに虚空へと刃を突き立てる。

 おぉ…神滅斬ですか…。しかも…魔血玉なしに……。
 名前も出なかった敵役さん…以外にあっさり倒されてしまいましたねぇ…。まぁ…リナちゃん……ですしね(^_^;)
 それにしても呪文を唱えている最中の描写が滅茶苦茶格好良いのですぅぅぅ♪ きっと綺麗なのでしょうねぇ…ウットリ……。


> 以前と変わらぬ店の中に、肩で息をして立つ自分――というより、リナ――と、僅かに面白そうな色を目元に滲ませてその様子を見ている青年姿の魔族に気づき、リカは、ほぉっと息を付いた。

 ゼロスさん、只見はいけません。ちゃんと見物料を払いませんと(笑) リナちゃんが怒りますわ(^_^;)
 それにしてもゼロスさん、本当に変りませんよねぇ……。面白がりつつ手を出さずに観察しているあたりがいかにもゼロスさんっ、という感じで、良かったです♪♪♪
 さてさて、続きが楽しみですわねっ。後一つ感想を書けば終りですが……。本日中に書けるでしょうか(^_^;)
 ツリーが落ちてしまう心配さえなければ、1日一つというのが…紅葉にとってもT−HOPE様にとっても理想的だと思うのですが………。しかし明日は土曜日。ツリーが落ちるスピードがUpすることはまず間違いなしです(−_−;) 
 はぅ、悩みます(笑)

>****************
> というわけで、読んで下さる方のうち何人の方が覚えていて下さってるか謎ですが……一時ゼロス君と紛らわしいような登場の仕方した魔族さん、始末しちゃいました(笑)

 ふっ。紅葉も某K様お二人もS様も他沢山のファンが覚えておりましてよ♪(何か最初の4人は特殊な気も致しますが、とりあえずその問題は無視しまして・笑)

> 次回は〜、リナちゃんとゼロス君の化かし合い〜…………に、なるといいなぁと思ってます(^^;)
> えぇ、切実に(((^^;)
> ということで、ものすご〜くお暇でお気が向かれましたら、できれば続き、読んでやって頂けると嬉しいです。

 暇ではありませんが(多分)、勿論読ませて頂くのですわ♪ すとぉかぁ第2号といたしましては、読み逃すなどという事は出来ませんしっ。えぇ、1号様はすでにいらっしゃる様ですので、紅葉は2号で甘んじますわ(笑)
 ではっ、タイムリミットが迫っておりますが…頑張って下さいましねぇ……。でも…過ぎても大丈夫な気も…するのですが(笑) さぁ紅葉も頑張らねばです〜。ちなみに昨日は電車の中で爆睡したため、三行しかすすみませんでした(殴)
 人生〜、色々♪ というわけでまた感想書かせていただきますわねっ(満面の微笑み)

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9564それは読んでる方がいないから……(笑)T−HOPE E-mail URL4/14-23:02
記事番号9551へのコメント

> なぜこうも毎回一番乗りなのでしょう(^_^;)
> 昨日メールの嵐に襲来され、一度に感想を書き上げるのが無理だったので、1日一つ〜と決めましたのに(笑) はっ!
>そういえば某Kさまはテストで天上人になっておられるのでしたわね。学生さんは皆さんテストなのでしょうか…。

 簡単です。ただ単に、お優しくも物好きな紅葉様くらいしか読んでらっしゃらないから(笑)
 テスト、ですか? でも、中間の季節にはまだ早いような……???
 
>> あと……2,3回で終わるとは思い……たいんですが、どうでしょう(^^;)
>> とりあえず、まぁ、今回ほんの僅かに動の部分混ざりましたけど……う、うぅぅぅぅん……次が……。
>
> ふふふふふふ。頑張って下さいましね♪
> でも、終りが見えている筈なのに終わらないというのは良く分かりますわ、えぇ。紅葉も終りが見えてから既に二週
>間以上経過した小説とか…ありますし(T_T)

 というか……終わりなら最初から決まっていた筈なのに、そこへの順番もある程度定まっていた筈なのに、何故1年度ころの話でなく終わらなかったのか、激しく謎です(^^;)
 まぁ……できれば今度こそ、真っ当に終わってほしいのですが(汗)

>>(…………。
>> ……うん……)
>> リカは、そのキッパリとしたリナの語調に、僅かに遅れて頷いた。
>> 当然、リカとしては、この状況が怖くないと言ったら嘘になる。それでも、リナが側にいる。
>> そして、リナは、諦めてはいない。
>
> やはりこういう状況の時にリナちゃんが居てくれるのって心強いですよねぇ…。何せ非常”識”事態ですし(笑)
> リナちゃんが魅力的なのって絶対に諦めない所ですわね♪ 無謀とも思える相手に立ち向かっていって…勝てるかもしれないと思わせる所が彼女の強さでしょうか。そしてまた実際に勝ちますし(^_^;)

 やっぱり、リナちゃんは毅然としていてくれなくては……というのが、私の願望(笑)
 絶対、どんな時も、諦めないのがリナちゃんですよね(^^)

>> ――だから……。
>>(判った……頑張ってね……)
>><ちょぉっと! 他人事みたいに言わないのっ>
>> 軽く憤慨したように、たしなめるように、リナが言う。多分、目の前にいたら、腰に手をあて、勝ち気に瞳を光らせて、のぞき込んでいることだろう。
>> 冗談半分に笑みを刻んだ口元まで見えるような気がして、リカは、微かに笑った。
>>(大丈夫。
>> ……わたしは、集中してればいいんでしょ?)
>> リナが、何処かで柔らかく微笑んだような、そんな幻影が脳裏を横切る。
>><理解が早くて嬉しいわね>
>>(うん)
>><よっしゃ! いくわよっ>
>
> 一緒に戦っている〜という感じですねっ♪ リカちゃんも、他力本願ではなくて、自分に出来る精一杯のことをしようとする姿勢がとても格好良いです。勿論巻き込まれてしまってしかも自分の体なわけですから、頑張るのは当然なのですけれど、それでもパニックに陥ってただ恐いと泣くだけしかできない子もいるでしょうし。そういう意味でも凄く格好良いですね♪♪♪

 リカは……多分、かなりリナに感化されちゃってます(ある意味怖いかも〜(笑)
 というか、リナちゃんって、側にいると段々その前向きなところとか強いところの影響、太陽みたいに周りに及ぼしそうな気がしません?(^^)
 ……なので、リカもそーゆー感じで……。……影響受けてくれないと後々困りますし〜(笑)

>><まぁ、ねぇ。
>> 魔族であるゼロスの性格が、たかだか1700年で変わるなんて、期待もしてなかったけど……>
>> というより、もし変わっていたら、その方が衝撃を受けただろうと、気づいてリナはさらに脱力しかけた。もっとも、今はそんな時ではないことも判っていたので、その感情はまるで表にはこぼさなかったが。
>
> 確かに…1700年かそこらでゼロスさんの性格が変わるとは思えませんよねぇ…。1700年のうちに気弱になっているゼロスさんとか…わいるどになっているゼロスさんとか(一人称は俺です(-_-;))嫌ですしねぇ…(笑)

 そ、それはちょぉぉぉぉっと……(汗)
 でも多分、そんなのは久々に獣王様復活して見た途端に、お叱りを受けるのではないかと(笑)
 なのできっとゼロス君(密かに)変わらないようイメージトレーニング……してたら怖いですね(^^;)

>><に、しても、だ……>
>> ――この話の動かし方だと、まるでゼロスはリナを利するために結界を張ったように思える。
>> だが、その意図がやはり判らない。
>
> ゼロスさんの事ですから、ただ助けた…のではなさそうですよねぇ……。今回のお話は、恋愛感情があまり絡んでいないようですし(笑) でもやはりリナちゃんを助けるゼロスさんの姿に狂喜乱舞するあたりで、すでにゼロリナ菌に頭をヤラレちゃっているらしいですわ…。

 はぁ……まぁ……でも、リナちゃんだから助けた、ということではあったみたいですよ(^^;)
 ついでにいうなら、あの魔族さんがいまいち気にくわないとか……(笑)

>>「はぁ……まぁ、この人が野放しってことは、そりゃまぁ騒ぎの一つや二つで収まれば良い方だと、思うことは思いますがねぇ」
>>『ちょっとっっっ!
>> よりもよってあんたにんなこと言われる筋合い、ないわよっ!?』
>>「そうですかぁ?」
>>『あーんーたーねぇぇぇっっっ!』
>> ちらりと投げられる疑わしそうな視線に、だんっと床を足で一回蹴って、リナはぎりりときつい目で答えた。
>>『よりにもよってあんたに言われるとはっっっ、て気がすんだけど?』
>>「僕だけじゃなく、順当な評価だと思うんですけどねぇ。
>
> あはははははは(笑) 野放しって…獣じゃないのですから(笑) でもリナちゃんをほぉっておくよりは、虎やらライオンやらを徘徊させていたほうがまだしも危険レベルが低い気がするのは……どぉしてでしょうねぇ(笑) ゼロスさんにここまで言わせる程の実力の持ち主ですし。これってある意味(ゼロスさんにとっては)からかい半分の誉め言葉だったりするのでしょうか。だって…人間相手に…ですし。

 いやまぁ、でも……世間の噂的には、ねぇ?(^^;)
 きっと、虎やライオン……または、虎男さんとかよりも……(笑)
 で、ゼロス君のこれは……う〜ん、誉めてる、の、かもしれませんが……(((^^;)

>> ……ねぇ?」
>>(…………え?)
>> 一瞬、投げられた視線が何故か“リナ”ではなく自分に投げられていたように感じて、リカは首をひねった。
>>(……そんな筈は、ないと思うけど……)
>> 昨日とは違い、今日はリカは全く表には出ていない。気づかれる筈は、ないと思うのだが……。
>
> おぉ…ゼロスさん聡いですね。それともリカちゃんに何かキーになる役目でもあるのでしょうか。
> あぁ本当に気になりますわっ♪

 それは秘密です♪
 いやぁ……だって、ほら、せっかくリカ出したんですし〜、色々と〜(笑)

>> ……だいたいねぇ、あたし別に、大した騒ぎなんて起こしてないわよ?
>> 起こしたっつったら、精々あんたら絡んできたんで、“仕方なく”! 応戦したくらいで……それを引き起こしたなんて言うのは本末転倒ってもんでしょ!?』
>
> 仕方なく……の割には結構楽しそうな気が…する……のは気のせいでしょうか(笑) だってほら、戦うとお腹が空きますしっ(笑)

 まぁ、その辺はリナちゃんのリナちゃんらしいとこ、と♪
 もしかしたら、日常生活のようにしていたちんぴらさん吹っ飛ばしが出来ずに、ストレスたまってたのかもしれませんし(笑)

>>「ただ本当に、面倒なことをご苦労様とは思いますけどねぇ……。
>> あぁ、あと、せっかく、獣王様がご復活なさるまでの退屈を紛らわそうと作ってみたこのお店を、壊されるのも嫌ですね」
>>「…………貴方は…………っ」
>> 何か言いかけた魔族は、飄々としたゼロスの様子に、そのまま苦々しげに黙り込んだ。
>
> 暇つぶし……ですか………。暇つぶしに人を不幸に陥れてみたり、暇つぶしに家庭を壊してみたり、暇つぶしに精神を崩壊させてみたり…位はやってのけそうなところがとっても恐いです(-_-;) 獣王様…倒されてしまったのですね…。
> あの方が倒されるって…イメージ的に…なにかこぉ……強気な姿勢を崩さないままで倒されるという感じがしますわね(笑)

 えぇ、やってると思いますよ。怪しい噂を聞きつけてやってきたお客さん相手に……色々と(^^;)
 それはそれなりに、暇つぶしになっているのではないでしょうか……あぁぁ、何処までも傍迷惑な(笑)
 獣王様は……まぁ、でも、倒されたのであって、滅んだんじゃないんで、そのうちまた復活なさって下さるでしょう(^^)
 ……さすがに、神3体相手取ったらそのくらいに犠牲は……ねぇ。

>> リナが、ふと、唇をほころばせたのが判った。
>> 瞳がふわりと付せられ、まつげが頬に影を落とす。細い腕が、静かに上がった。
>>『――悪夢の王の一片よ……』
>> 凛とした声音が、閉じられた空間に響く。
>>『世界のいましめ解き放たれし
>> 凍れる黒き虚無の刃よ』
>>「……な……まさかっっっ!?」
>> 魔族が、ぎょっとしたように目を見開いた。
>> けれど、リナの呪文の方が早い。
>>『……神滅斬!!』
>>「そんな……そんなまさかそんな……っっっ…………っ!!」
>> 一瞬、魔族の姿がぶれる。まるで、その場から逃れようとしたように。
>> ……けれど。
>>「何故…………っっっ!?」
>> ざんっ。
>> 移動もできないまま、顔に焦りの色を張り付けて……そうして、魔族は闇の刃に縦に切り割られた。
>> 断末魔の絶叫が遠く高く響く中、リナはそのまま、真っ直ぐに虚空へと刃を突き立てる。
>
> おぉ…神滅斬ですか…。しかも…魔血玉なしに……。
> 名前も出なかった敵役さん…以外にあっさり倒されてしまいましたねぇ…。まぁ…リナちゃん……ですしね(^_^;)
> それにしても呪文を唱えている最中の描写が滅茶苦茶格好良いのですぅぅぅ♪ きっと綺麗なのでしょうねぇ…ウットリ……。

 えぇ、ゼラス・ブリッド使える状態ですので、神滅斬OKと(^^)
 その辺の説明も……次回か次々回入る、かも、しれません……もし上手く進めば(笑)
 さっくりやられちゃった敵役さんは〜……まぁ……さすがにここで粘られると、ちょっと(((^^;)
 リナちゃんの力もかなり付いてきたということで、あっさりと消えていただきました(^^)
 でもって、勿論、呪文唱えてるリナちゃんはとっても綺麗なのですっ(私の描写だとそうでもないですが(−−;)

>> 以前と変わらぬ店の中に、肩で息をして立つ自分――というより、リナ――と、僅かに面白そうな色を目元に滲ませてその様子を見ている青年姿の魔族に気づき、リカは、ほぉっと息を付いた。
>
> ゼロスさん、只見はいけません。ちゃんと見物料を払いませんと(笑) リナちゃんが怒りますわ(^_^;)
> それにしてもゼロスさん、本当に変りませんよねぇ……。面白がりつつ手を出さずに観察しているあたりがいかにもゼロスさんっ、という感じで、良かったです♪♪♪
> さてさて、続きが楽しみですわねっ。後一つ感想を書けば終りですが……。本日中に書けるでしょうか(^_^;)
> ツリーが落ちてしまう心配さえなければ、1日一つというのが…紅葉にとってもT−HOPE様にとっても理想的だと思うのですが………。しかし明日は土曜日。ツリーが落ちるスピードがUpすることはまず間違いなしです(−_−;) 
> はぅ、悩みます(笑)

 只見ですか(^^;) まぁ……だからといって、見物料払うゼロス君でもないですしね。
 ……見物料と称して何をするか判りませんし(^^;)
 続き、続きは……またも終わらない病にかかっております。まぁげぇむやってるせいもありますが。(笑)
 多分、続きのせる前にツリー落ちちゃうでしょうねぇ、私土日いませんし(;;)

>> というわけで、読んで下さる方のうち何人の方が覚えていて下さってるか謎ですが……一時ゼロス君と紛らわしいような登場の仕方した魔族さん、始末しちゃいました(笑)
>
> ふっ。紅葉も某K様お二人もS様も他沢山のファンが覚えておりましてよ♪(何か最初の4人は特殊な気も致しますが、とりあえずその問題は無視しまして・笑)

 と、特殊???(笑) 否定は致しませんが〜えぇと〜(^^;)
 まぁ、本当に、覚えていて下さって有り難うございます(^^)

>> 次回は〜、リナちゃんとゼロス君の化かし合い〜…………に、なるといいなぁと思ってます(^^;)
>> えぇ、切実に(((^^;)
>> ということで、ものすご〜くお暇でお気が向かれましたら、できれば続き、読んでやって頂けると嬉しいです。
>
> 暇ではありませんが(多分)、勿論読ませて頂くのですわ♪ すとぉかぁ第2号といたしましては、読み逃すなどという事は出来ませんしっ。えぇ、1号様はすでにいらっしゃる様ですので、紅葉は2号で甘んじますわ(笑)
> ではっ、タイムリミットが迫っておりますが…頑張って下さいましねぇ……。でも…過ぎても大丈夫な気も…するのですが(笑) さぁ紅葉も頑張らねばです〜。ちなみに昨日は電車の中で爆睡したため、三行しかすすみませんでした(殴)
> 人生〜、色々♪ というわけでまた感想書かせていただきますわねっ(満面の微笑み)

 すとぉかぁ……って……(((−−;) 2号って……(汗)
 何やら、もの凄く買いかぶられているというか、怖いというか、いえ、有り難うございます(と言っていいのかな?(笑)
 えぇもぉ、頑張り……たいと、思います。
 ですので、是非とも! 紅葉様にも頑張っていただきたいなぁぁぁ! と(^^)
 とっても期待しておりますね。
 それでは、これで失礼いたします……。

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9535ふっ、いよいよもって行いの良さが証明されました紅葉 4/13-10:21
記事番号9477へのコメント

 というわけで紅葉ですわ♪ う〜ふ〜ふ〜。昨日も一昨日も来ておりませんでしたのにこのタイミング♪♪♪ というか本当に一番にレスをつけようと狙っているわけではありませんのよ……。単なる暇人かというと…ここ2,3日は仕事で忙しいですし。やはり行いが良いのですわ、えぇ(^_^;)←何か抗議が来そうな台詞ですが…。
 では、つたないものですが感想ですわ。


>***************

>『ここが、その、現れちゃ消える妙な占いの店、な、わけね?』
>(う、うん…………多分)
> リカは、その声に、少し弱い声で答えた。
> 何故なら、彼女もその疑わしそうなリナの声に、賛同したい気分だったからだ。
> 店の外見は、本当に何処にでもありそうな、白っぽい外壁の普通の家。ただ、無造作にかけられた看板に、「謎の占いの店」とだけ書いてある。
>(……確か、ここだけど……)
>『…………あっそ』
> リナは、深々と溜息をついた。
>『……なぁぁぁにが、謎の占いの店なんだかっ。
> とに、本当にあいつここにいたら、一発ひっぱたいてやんなきゃっ! いっくら何だって、芸なさすぎよ!』

 あはははははは(大爆笑) 「謎の占いの店」…ぶふーっ! _(__)ノ彡☆ばんばん! 確かに…芸はないですわね(笑)
 ゼロスさん…1700年間の間にネーミングセンスは向上しなかったのですね(爆笑) リナちゃんが溜息をつきたくなる気持ちもわかりますわ、えぇ(^_^;)
 でも……ゼロスさんの占いって……不幸な結果ばかり出しそうな気がするのですけれど…(-_-;) しかも当たりそうですし…。嫌な結果を教えて負の感情を吸いとってそうですわね(笑)


> リナが、不機嫌そうに眉を寄せた。
>『……いーけど。
> 出てこないなら、この辺にある高そうな代物持ち出して、勝手に売りさばかしてもらうし』
>(リ、リナ!?)
> いきなりの不穏当な台詞に、思わずリカは焦る。
> それも当然だろう。この身体はリカのものなのだから、リナが何かやらかせば、それはリカの責任ということになってしまう。
> けれど、そうリカが心の中で叫ぶのと同時に、
>「その場合、売り上げの9割はこちらに渡して下さいね」
>(…………!?)
> いきなり、人気がなかった筈の背後から響いた柔らかな声に、リカはびくりとした。
>(な……っ)
>『やーよ。当然、こちらが9割でしょっ』
> 焦るリカを尻目に、リナは悠然と、まるで何事もなかったように振り返り、きっぱりとそう言い放った。

 きゃ〜♪ ゼロスさんが出てまいりましたわねっ♪♪
 それにしても9割ってリナちゃん…(爆笑) いえ、気持ちは分かりますが(←分かるのか) 5:5ではなくて、お互いに9割と言い張る所が実にゼロスさんとリナちゃんですわね(^_^;) しかもリナちゃんのことですから、確実に高いものだけを取って(この場合字は「盗る」の方が正しいのでしょうか(-_-;))いきそうですしねぇ(笑)


> 闇色の髪。黒を基調にした、かっちりとした服装。そして、白い面に浮かべられているのは、穏やかそうに見える、不可思議な笑み。

 うっ。三つ揃いですかっ!? スーツですか!!?? ちょっとかなり凄く見たいかもですぅぅぅ。あぁどんなお洋服だったのでしょう。きっと妖しげに格好良かったのでしょうねぇ…。あ、でもスーツを着ていたら職業柄おかしいでしょうか…。


>『……あんた、魔族のくせに、ご飯そぉぉぉんなに食べる気なの?』

 り…リナちゃん……突っ込んでも無駄かもしれませんけれど…生活していく上ではご飯以外にもお金は必要なんですよぉぉぉぉ(爆笑) お金=食費、という式が出来あがっているあたりが実に実にリナちゃんですわね(笑)


> リナは、その言葉に、にぃぃぃっと笑みを大きくした。細い指を伸ばし、遠慮の欠片もなく自分よりかなり背の高い青年の襟首をひっつかんで引き寄せる。
> きらりと、油断ない瞳が楽しげに光った。
>『忘れたとは言わせないわよ?
> あんたと魔血玉“適正価格”で商売して、あんたに引きずり回されて、挙げ句冥王フィブリゾなんてぇ大物と引き合わされちゃったか弱い乙女なんて、多分あたしっきゃいないだろうと確信してるんだから!』
>「…………。
> …………そりゃ、滅多にいられちゃ困りますからね……」
> 青年の笑みが消え、瞳がさらに深く伏せられ、感情全て消した能面のような面が曝される。そこに徐々に感情に似た色が戻り、また、笑みに真似た表情を取り戻した。
> そうして、答えが返るまでには、たっぷり1拍以上の時間があった。
>「ついでにいうなら、か弱いかどうかは、多分、かなり疑問の余地があると思いますし」
>(だよねぇぇぇ……)
> 肩をすくめさらりと吐かれた台詞に、思わずリカは力一杯同意してしまい、リナは憮然とした表情になった。

 きゃぁっ♪ ゼロスさんとリナちゃんのカラミです〜♪♪♪ 
 ゼロスさん……動揺していらっしゃるんでしょうか。それにしても…う〜ん。リカちゃん=リナちゃんだと気づいていなかったのですね。でもまだ何かを隠していそうな感じがするのですが…ゼロスさん……。
 「か弱い乙女」という言葉には紅葉も疑問を感じますが(笑) えぇ、”外見は”か弱いのですよね。外見は……。リカちゃんも力一杯同意しておりますしっ(笑)
 強くなったものですわね、リカちゃん(爆笑)


>「まぁ……ねぇ。
> 答えられることでしたら、別に、答えても構いませんけど……」
> そう言いながら、一歩、足を退いた。
>(え……っっっ?)
> その途端、リナが力を抜いた様子もないのに、するりと指が離れ、リカは目を見張る。
> リナは、眉をひそめた。
>『何なの、その含みありまくりな台詞は?』
>「それはですねぇ…………」
> にっこりと笑みを浮かべ、人差し指を軽く降って青年がそう言った。

 ゼロスさんらしい発言ですわねぇ…。裏がありまくりで、それを隠すつもりもないけれど、教えるつもりも無い…ような……。あぁあああっ、気になるぅぅぅ…。
 気になります………。あのいかにも人の良さそうな笑みを浮かべてのせりふなのでしょうねぇ……。


> 虚空から伸びた腕が、ぎりりっとリカ達の首に掛かり、力一杯締め上げてきた。
> 呼吸が途切れ、ぐるりと視界が揺れる。リナが、激しく身をよじった。
>『いったい何が……っ』
> リカとリナの凝視の先で、闇色の青年が、くすりと笑った。
> 艶やかに……楽しそうに。
>「……つまりは、こういうことなんですね」

 あうっっ、こんなところで終るなんてぇぇえ…とは申しませんわ。すでに続きがアップされておりますもの(^_^)ニコニコ  これで1週間とか…1ヶ月とかおかれたら…ハンカチを噛み千切りつつ待たねばならないことになったでしょうけれども(笑)
 あぁそれにしても面白いです楽しいです〜。流石望実様ですわ♪
 それにしてもこのスピードなら…予定通りに終るのではないでしょうか?


> もし、こんなんでも続きが読みたいだなんて奇特で非常に心優しいことを思って下さる方、いらっしゃいましたら……え〜と、次もよろしくお願いいたします〜(本気で(((−−;)

 もちろん滅茶苦茶楽しみにしておりますわっ♪♪♪
 どうぞがんばってくださいましね。えぇほかの色々な事でお忙しいでしょうけれども(^_^;) 
 紅葉も……頑張りますわ(遠い目)
 では、感想になっていない妙な感想でもうしわけありませんm(_ _)m

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9547行い…………ですか?(笑)T−HOPE E-mail URL4/13-23:07
記事番号9535へのコメント

> というわけで紅葉ですわ♪ う〜ふ〜ふ〜。昨日も一昨日も来ておりませんでしたのにこのタイミング♪♪♪ というか本当に一番にレスをつけようと狙っているわけではありませんのよ……。単なる暇人かというと…ここ2,3日は仕事で忙しいですし。やはり行いが良いのですわ、えぇ(^_^;)←何か抗議が来そうな台詞ですが…。
> では、つたないものですが感想ですわ。

 えとぉぉぉ……行いですか、そーですか(^^;)
 いえ、あえて何も申し上げないことに致しますけど〜(笑) えぇ、まぁ。
 それに、感想は掛け値なしに有り難いですし♪

>> 店の外見は、本当に何処にでもありそうな、白っぽい外壁の普通の家。ただ、無造作にかけられた看板に、「謎の占いの店」とだけ書いてある。
>>(……確か、ここだけど……)
>>『…………あっそ』
>> リナは、深々と溜息をついた。
>>『……なぁぁぁにが、謎の占いの店なんだかっ。
>> とに、本当にあいつここにいたら、一発ひっぱたいてやんなきゃっ! いっくら何だって、芸なさすぎよ!』
>
> あはははははは(大爆笑) 「謎の占いの店」…ぶふーっ! _(__)ノ彡☆ばんばん! 確かに…芸はないですわね(笑)
> ゼロスさん…1700年間の間にネーミングセンスは向上しなかったのですね(爆笑) リナちゃんが溜息をつきたくなる気持ちもわかりますわ、えぇ(^_^;)
> でも……ゼロスさんの占いって……不幸な結果ばかり出しそうな気がするのですけれど…(-_-;) しかも当たりそうですし…。嫌な結果を教えて負の感情を吸いとってそうですわね(笑)

 きっと自己紹介する時は「謎の占い師です」と言う……と、リナちゃんもっと脱力してくれるでしょうねぇ(笑)
 えぇ、芸はないです。まぁ、ゼロス君、あえて変えずに遊んでる……という確率、かなり大ですし。EXE、色々とあるので……(^^;)
 え? ゼロス君の占いですか? そもそもちょうどよくエサになりそうな人間引っかからない限りは、まともにお仕事してないみたいですけど……。
 占いだのアイテムだので、人の望みを叶えると見せてさらにどん底不幸に陥れてるみたいですよ?(^^)

>> リナが、不機嫌そうに眉を寄せた。
>>『……いーけど。
>> 出てこないなら、この辺にある高そうな代物持ち出して、勝手に売りさばかしてもらうし』
>>(リ、リナ!?)
>> いきなりの不穏当な台詞に、思わずリカは焦る。
>> それも当然だろう。この身体はリカのものなのだから、リナが何かやらかせば、それはリカの責任ということになってしまう。
>> けれど、そうリカが心の中で叫ぶのと同時に、
>>「その場合、売り上げの9割はこちらに渡して下さいね」
>>(…………!?)
>> いきなり、人気がなかった筈の背後から響いた柔らかな声に、リカはびくりとした。
>>(な……っ)
>>『やーよ。当然、こちらが9割でしょっ』
>> 焦るリカを尻目に、リナは悠然と、まるで何事もなかったように振り返り、きっぱりとそう言い放った。
>
> きゃ〜♪ ゼロスさんが出てまいりましたわねっ♪♪
> それにしても9割ってリナちゃん…(爆笑) いえ、気持ちは分かりますが(←分かるのか) 5:5ではなくて、お互いに9割と言い張る所が実にゼロスさんとリナちゃんですわね(^_^;) しかもリナちゃんのことですから、確実に高いものだけを取って(この場合字は「盗る」の方が正しいのでしょうか(-_-;))いきそうですしねぇ(笑)

 ……きゃ〜と言ってもらえるような登場ですか、これ……?(笑)
 そ、そうですか、9割と言い切っても紅葉様の同意は得られちゃうのですね。ならばいっそ10割と言わせておけばよかったかな(それは無理がありすぎますが(^^;)
 リナちゃんは……ほら、目利きさんですし♪
 …………もっとも、ゼロス君の店のアイテム下手に世間に流出させると、後が怖いような気もするのですけどね(笑)

>> 闇色の髪。黒を基調にした、かっちりとした服装。そして、白い面に浮かべられているのは、穏やかそうに見える、不可思議な笑み。
>
> うっ。三つ揃いですかっ!? スーツですか!!?? ちょっとかなり凄く見たいかもですぅぅぅ。あぁどんなお洋服だったのでしょう。きっと妖しげに格好良かったのでしょうねぇ…。あ、でもスーツを着ていたら職業柄おかしいでしょうか…。

 どんな格好なんでしょーねぇ。そもそもまともに商売してないんで、何着ててもいいようなもんですが、やはしTPOてもんがあるので、昔の神官服はやめたのでしょう(笑)
 割合スクエアな格好……とは思いますが……あ、紅葉様に絵にしていただくというのもいいかも♪

>>『……あんた、魔族のくせに、ご飯そぉぉぉんなに食べる気なの?』
>
> り…リナちゃん……突っ込んでも無駄かもしれませんけれど…生活していく上ではご飯以外にもお金は必要なんですよぉぉぉぉ(爆笑) お金=食費、という式が出来あがっているあたりが実に実にリナちゃんですわね(笑)

 リナちゃんの場合は、あくまでも生活費(ニアリーイコール)食費なんです(((^^;)
 えぇ、ということで、たとえミニだろうと彼女を養うためには、かなりのエンゲル指数の上昇が……多分……(笑)
 ……でも実際ゼロス君、生活費なんて必要としてないとは思いますけどねぇ。あ、お茶代くらいかな?(笑)

>> リナは、その言葉に、にぃぃぃっと笑みを大きくした。細い指を伸ばし、遠慮の欠片もなく自分よりかなり背の高い青年の襟首をひっつかんで引き寄せる。
>> きらりと、油断ない瞳が楽しげに光った。
>>『忘れたとは言わせないわよ?
>> あんたと魔血玉“適正価格”で商売して、あんたに引きずり回されて、挙げ句冥王フィブリゾなんてぇ大物と引き合わされちゃったか弱い乙女なんて、多分あたしっきゃいないだろうと確信してるんだから!』
>>「…………。
>> …………そりゃ、滅多にいられちゃ困りますからね……」
>> 青年の笑みが消え、瞳がさらに深く伏せられ、感情全て消した能面のような面が曝される。そこに徐々に感情に似た色が戻り、また、笑みに真似た表情を取り戻した。
>> そうして、答えが返るまでには、たっぷり1拍以上の時間があった。
>>「ついでにいうなら、か弱いかどうかは、多分、かなり疑問の余地があると思いますし」
>>(だよねぇぇぇ……)
>> 肩をすくめさらりと吐かれた台詞に、思わずリカは力一杯同意してしまい、リナは憮然とした表情になった。
>
> きゃぁっ♪ ゼロスさんとリナちゃんのカラミです〜♪♪♪ 
> ゼロスさん……動揺していらっしゃるんでしょうか。それにしても…う〜ん。リカちゃん=リナちゃんだと気づいていなかったのですね。でもまだ何かを隠していそうな感じがするのですが…ゼロスさん……。
> 「か弱い乙女」という言葉には紅葉も疑問を感じますが(笑) えぇ、”外見は”か弱いのですよね。外見は……。リカちゃんも力一杯同意しておりますしっ(笑)
> 強くなったものですわね、リカちゃん(爆笑)

 カラミ……って……(爆)
 リナちゃん“が”ゼロス君“に”(暴力団まがいの脅し方で)絡んでいると言えば言えますが〜えぇ(^^;)
 そーです、ゼロス君、この時点ではリカ=リナちゃんに気づいてませんでした。
 前回すれ違った時は殆ど気にも止めてなかったですし、今回も……まぁ、相手人間だ〜と思えば、やっぱりゼロス君レベルからするとねぇ……。
 リナちゃんの“外見”がか弱いのは、きっと皆様否定はなさらないと思います。多分……否定したがるかもしれませんけど(((^^;)
 ……この場合、リカが強くなったと言うよりは、か弱いという単語がどうにも受け入れ難かったのではないかと。
 だって、今現在のリナちゃんの“外見”は、リカのものですし(笑)

>>「まぁ……ねぇ。
>> 答えられることでしたら、別に、答えても構いませんけど……」
>> そう言いながら、一歩、足を退いた。
>>(え……っっっ?)
>> その途端、リナが力を抜いた様子もないのに、するりと指が離れ、リカは目を見張る。
>> リナは、眉をひそめた。
>>『何なの、その含みありまくりな台詞は?』
>>「それはですねぇ…………」
>> にっこりと笑みを浮かべ、人差し指を軽く降って青年がそう言った。
>
> ゼロスさんらしい発言ですわねぇ…。裏がありまくりで、それを隠すつもりもないけれど、教えるつもりも無い…ような……。あぁあああっ、気になるぅぅぅ…。
> 気になります………。あのいかにも人の良さそうな笑みを浮かべてのせりふなのでしょうねぇ……。

 えとぉ……今回の台詞には、そぉぉぉんなに裏はありません、えぇ、いくらゼロス君とはいえ……。
 ……もっとも、人が良さそうな笑みを浮かべながら滅茶苦茶人が悪いこと考えてはいると思いますけど(笑)

>> 虚空から伸びた腕が、ぎりりっとリカ達の首に掛かり、力一杯締め上げてきた。
>> 呼吸が途切れ、ぐるりと視界が揺れる。リナが、激しく身をよじった。
>>『いったい何が……っ』
>> リカとリナの凝視の先で、闇色の青年が、くすりと笑った。
>> 艶やかに……楽しそうに。
>>「……つまりは、こういうことなんですね」
>
> あうっっ、こんなところで終るなんてぇぇえ…とは申しませんわ。すでに続きがアップされておりますもの(^_^)ニコニコ  これで1週間とか…1ヶ月とかおかれたら…ハンカチを噛み千切りつつ待たねばならないことになったでしょうけれども(笑)
> あぁそれにしても面白いです楽しいです〜。流石望実様ですわ♪
> それにしてもこのスピードなら…予定通りに終るのではないでしょうか?

 走っては止まり、止まっては走るポンコツなのです(;;)
 あーもー、続きが手近に見えている筈なのに、何で届かないのか不思議で仕方がありません。
 う〜〜〜、早く終わらせて、メールの山を片付けて、リクを平らげて……あ、その前に、夏のイベントどうなったか考えないと〜(;;)
 しくしく……どうぞ、予定通り終わることを祈ってやって下さいませ(TT)

>> もし、こんなんでも続きが読みたいだなんて奇特で非常に心優しいことを思って下さる方、いらっしゃいましたら……え〜と、次もよろしくお願いいたします〜(本気で(((−−;)
>
> もちろん滅茶苦茶楽しみにしておりますわっ♪♪♪
> どうぞがんばってくださいましね。えぇほかの色々な事でお忙しいでしょうけれども(^_^;) 
> 紅葉も……頑張りますわ(遠い目)
> では、感想になっていない妙な感想でもうしわけありませんm(_ _)m

 えぇ、紅葉様も頑張って下さいませ〜♪ とってもとってもとってもとっても×100 楽しみにしておりますっ♪
 (と、転嫁、転嫁(笑)
 それでは、感想どうも有り難うございました……あまり楽しみになさらずお待ち下さいませ(^^;)