◆−初投稿なんですが・・・・・。−両住 蓮(4/16-01:32)No.9596
 ┗こんばんは−一坪(4/16-23:35)No.9624
  ┗有難うございます。−両住 蓮(4/19-22:36)NEWNo.9670


トップに戻る
9596初投稿なんですが・・・・・。両住 蓮 E-mail URL4/16-01:32


はじめまして。
いつも読むだけでしたので、今とっても緊張してるんですが・・・・・・・。
さっき何故だか、こんな様子が浮んできまして、ちょっと形にして見ました。
つまりは、気紛れで何の考えもなく書いた即席モノです。(爆)
内容はゼロリナ。多分・・・・・。(というより、二人しか出てきてません。)
誤字、脱字きっと沢山あったりするでしょうし、表現的におかしい所も多々ある
でしょう。
でも、そういうところは、笑って受け流してくだされば幸いです。

********************************


 地下に設けられた一室に、リナは一人佇んでいた。
「あの遺跡は、南側の跡に地下室があるんです。そこで待っていて下さい。貴女が着く頃には僕も行きます」
 その言葉を信じ、指定された此処でずっと待っているのだが、約束を取り付けた当人は、未だ表れる気配は無い。
「遅いなぁ………」
 もたれ掛かっていた壁に沿って体を沈める。かれこれ1時間は経つ。すぐに来るだろうと思っていただけに、無駄に過ぎる時間が重く感じられた。
「はぁ………」
 溜息と共に頭が垂れる。
一体いつまで待てば良いのだろう・・・・・・・。
閉じた中で、リナは全身に気だるさが広がってゆくのを感じた。手を翳しながら天井を見上げると、明り取りの小窓より陽が射し込んでいる。植物たちが我が物顔で取り巻いている遺跡内だけに、葉の隙間を縫って入る光は、薄い斑模様をリナの上にゆらゆらと落とすに留まっていた。
 桃の様に白い、それでいて不健康に見えない肌を透かすように。
 長い栗色の、艶やかな髪を輝かすように。
 それでも、地下の薄暗さになれた目には少々きつかった。宝玉にも勝る深紅の瞳が細く閉じられる。それが余計に、自分を惨めに感じさせていた。
「あーあ。せっかく一人で来たのに、あの馬鹿何やってんだか・・・・・・・・・・・・・・・・馬鹿はお互い様か・・・・・・・・」
 小さく呟いて、ふっと笑みを漏らした。
リナは思う。これが普通の相手だったら、自分は間違い無く帰っていただろう。
実際、こうしている内にも、腹立たしさがこみ上げてくる。それでも帰らないのは、やはりどんな感情よりも、「会いたい」という気持ちの方が大きいからだ。
「ったくもうー!!一体何時まで待たせるのよう!」
 リナは声を張り上げた。
「ご心配なく。これ以上、待つ必要はありませんよ」
 空気が動く。僅かに生まれた風に混じって、流れて来る声。柔らかく、それでいてどこか含みのある、魅惑的な・・・・・・・・・。同時にやや離れた場所に一つの影が現れた。
「遅かったわね。ゼロス!」
 怒りの混じった声で名前を呼び、リナは逆光で見えない顔を睨み付けた。
「すみません。ここに来る前に、片付けておこうと思っていたことがありましてね。それに手間取ってしまったのです」
 終始ニコやかな表情を崩さず、悪びれた様子も見せず、ゼロスは言葉を返した。
「所用?人に約束をこじつけといて?ってことは何、私との約束と、あんたの雑用よりしょうもないこと だったわけ!!」
「いいえ、そういう訳じゃありません」
 何処となく困惑しているようにも見られるゼロス。だが、頭を掻こうと腕を上げ、不意に彼の動きが止まった。
「その手!?」
 不自然な行動に気づいたリナだが、その理由に着目するなり一際大きな声をあげた。
――――血……。それも、付着して間もないモノ。
 ゼロスの右手が、肘の辺りから赤黒い鮮血で染まっていたのだ。赤い雫は、彼の指先まで流れ着くと、音も無く床へと消えてゆく。ただ、そのニオイだけが、気づいたとたんに、立ち昇るように部屋を取り巻いていった。
「あぁ、ご心配なく。僕が怪我をしているわけではありませんから」
 事も無げに言う。
 だが、リナとてそんなことは解っている。彼は、ゼロスは人間ではない。精神世界面に属する魔族なのだ。その身には、血等は一滴たりとも流れていない。獣王ゼラス=メタリオムが生み出した闇の神官、それが彼の正体である。人の形を取ってはいても、彼は人間とは全く異なる存在のものなのだ。
「今度は一体何をやらかしたのよ」
「大した事じゃありません。山一つ向こうにいらっしゃった領主に、リナさんに代わってお礼をしてきただけですよ」
 額を抑えて力無く聞くリナ。しかし次の瞬間、血の気が音を立てて急速に引いていくのを感じた。
「山一つ向こうって・・・・・・・・・・」
 知っている人物だったのだ。
 二週間ほど前、ふと立ち寄ったとある町で、リナは一人の男の依頼を受けた。仕事の内容は護衛。彼の屋敷までという約束で引き受けたのだが………
一仕事終わって受け取った報酬は、最初の話とは大幅に違う額であった。
「約束と全然違うじゃない?!」
 今にも噛み付きそうな表情で、詰め寄るリナに、恰幅のいい壮年の男は、
「今回は賊どころか、ごろつきにも縁が無かった。あんたはわしにただ付いて来ただけじゃないか。それだけの事で、あんな法外な額、払う訳にはいかん。その位が妥当であろう。」
 と、ごねたのであった。その上、「報酬が出ただけ有難いと思え。嫌なら役人で払おうか?」などと言われれば、内心はともかく、一応はおとなしく下がるしかなかった。男は此処の領主。なお且つ、自分に纏わる噂を考慮すれば、訴えられた場合、役人の反応は推して知るべし、である。
 もっとも、迷惑なことに、そのとばっちりを受けたのは、近隣の盗賊団であった。
「殺したの………?」
 事実を率直に聞くリナ。
「当然ですよ」
 静かに言うゼロスに、普段の笑みは消えていた。
「どうしてっ!んな、余計な事を」
 呆れ半分、怒りを交えて問い返す。 
「貴女を不快にさせる存在は、必要ないでしょう」
 黒いプリーストの声は正反対に静寂を伴わせた。目を細め、浮かべる笑み。いつものモノとは違う、リナだけが知っているゼロスの真の笑み。しかし、彼の瞳がリナの視線に触れた瞬間、それまで怒りと困惑混じりに見つめていた少女は、びくっと身を震わせて後ろへ退いた。
「貴方の命と人生は、僕のものです。今はどうあれ、いずれはそうなります。断言しましょうか?」
 血祭の壇上に降り立つ獣の心象を、直観的に沸き立たせる濃い紫の鋭い一対の瞳。そこに湛えられた万人を畏慎させるに足る威烈と恐怖。そして、絶望。
熱を持った吐息が口の中に充満する。魅せられるとは、今のこの状態を言うのだろうか。
 いい歩むゼロスを前に、そのまま恐恐然として、動けない。
「忘れないでください。あなたの側にいる者が、誰なのか」
 二人の距離は徐々に無くなってゆく。ゼロスは迎えるように両手を伸ばし、リナの頬を軽く包み込んだ。冷たく滑らかな感触が、頬を通して這ってくる。顔を引き寄せられると、焦り高ぶる心情を裏切って、彼の伏せ目がちな瞳に、リナは更に引き込まれていった。間近に見るゼロスの顔は、何時に無く綺麗に見えた。しかしそれは、見る者の視線から体の芯まで冷えるような麗しさ。一種の快楽。引き付けて放さない威風は、身を食われるようだ。まさに狂喜を誘うほどの・・・・・・・。
 …………………………………………………
 あたし……何を…考えて………
 ゼロスが右手の指を、首に添ってなぞり、滑らせてゆく。ただそれだけの事なのに、躯命がぞくりと疼く。その反応にゼロスが僅かに目を細めた。
「可愛いですよ、リナさん」
 顎をツィっと持ち上げると、閉じられる瞳とは対象に、唇が微かに開いてゆく。
 ゼロスとキス………キス?……へっ?……………………
 みし――っ!
「んにゃっ……」
 間一髪の処で割込んだリナの拳が、ゼロスの顔を無理に引き離した。
「くぉらぁっ、ゼロス!今あたしに何しようとした?まったく、もう。油断も隙も無いんだから」
 一瞬にして夢から覚めたように。唇を死守したリナは顔を真っ赤にしながら叫んだ。
 一方、密かな企みに失敗したゼロスは、
「酷いですよリナさん、イタイケな魔族に何てことするんですか」
 鼻の辺りを押さえて情けない声を出していた。
「やかましい!あんたが悪いんでしょうがっ!」
「そんなぁ、リナさんだって期待してらしたじゃないですか」
 反省の欠片も無い台詞に合せ、ゼロスは床で指を回している。「うっうっ、あと少しだったのに」そんな言葉を漏らす姿には、魔族としての自尊心など欠片も見えない。実に人間臭い仕草であった。
 だが、故意であれ無意識であれ、そんな行動が自然に見えるように出てくるところに、リナは惹かれている。コイツがこんな性格でなければ・・・・・。
「しかし、僕のチャームを寸での処で破るなんて、さすがはリナさん」
「感心してないで、少しは反省しなさいよー!ったく!何で毎回、毎回、こういう行動に出るかなぁ………」
「それはですねぇ、僕が獣神官ゼロスだからですよ」
いつもの顔でゼロスは応えた。無論、論理的には返答になっていない。それでも、「なるほど!」と思わず納得してしまいそうになってしまうのが、ゼロスの不思議さであった。
リナにしてみれば、頭痛の種でしかないのだが………。


*******************************************************
・・・・・・こういうのって書き逃げって言うらしいのですが・・・・・・。

最後に、ダラダラと書いてただ行を稼いだだけの駄文に、ここまで付き合って読んで下さった方、本当にありがとうございました。

トップに戻る
9624こんばんは一坪 E-mail 4/16-23:35
記事番号9596へのコメント

いつもお世話になってます。

ゼロスさんの魔族な部分と、魔族らしくない部分が
よく書けてるなーと思いました。
とにかく、おもしろかったです。



では、これからも相手してやって下さい。

トップに戻る
9670有難うございます。両住 蓮 E-mail URL4/19-22:36
記事番号9624へのコメント

コメント有難うございます。

>いつもお世話になってます。

いえいえ。こちらこそ、一坪様には何時も、いつもイツモ、お世話になっており
ます。

>ゼロスさんの魔族な部分と、魔族らしくない部分が
>よく書けてるなーと思いました。
>とにかく、おもしろかったです。

そっ、そう言って頂けると、とても嬉しいです。
書きながら自分でも、なんか両極端すぎるかな?って思っていただけに、喜び
倍増です。(笑)

>では、これからも相手してやって下さい。

あぁ、暖かいお言葉を・・・・・。
拙い文で場所汚し的な存在ですが、また投稿させていただければ幸いに思います。
今後とも、よろしくお願いします。