◆−聖剣の墓3−扇(4/23-19:05)No.9736


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9736聖剣の墓34/23-19:05



 ・・・扇でせう。こんちゃ&こんばんちゃです。
 そろそろ書くかな〜・・・と重い腰(かなり重い)をあげて書き出したのは・・・聖剣の墓。
 そろそろ物語も中盤(?)。
 いーかげんリナの行方の手がかりもつかめたようです。
 しかし・・・相変わらず、オリキャラが多い話ですね・・・(^^;)
 かなり難しい(?)話だし・・・。
 とゆーわけで、どーぞお読み下さいマセマセm(__)m
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  『聖剣の墓 〜第三話・聖剣が導くもの〜』

 紅に染まっていく空。
 白かった雲も、わずかに朱に染まっていく。
 霞がかった空が晴れていく。
 朝日が、山の間から顔を出す。
 ようやく、闇に支配されていた時が消え去っていく。
 ひとときの魔の時間は、こうして終わりを告げていく。
 明かりに空が包まれていく・・・。
 だが・・・それもわずかな間だけ。

 ザァァァァァァァァァ・・・・・・
 雷と雨を含んだ漆黒の雲が、再び魔の時間を引き連れて現れる。
 遠くで響く雷鳴、絶え間ない雨音・・・。
 人々の不安をかき立てるために現れたのか、はたまた天の気まぐれか・・・。
 この土砂降りは、当分の間はやみそうにない。

 俺とゼルガディスは頭からマントをかぶり、街道を走り抜けていく。
 魔の時間に強い者・・・ゼロスとデーヴィドは何故か一切雨に濡れず、俺たちの後をヒタヒタとついてくる。
 ヴァルはと言うと、何故かのんきに鼻歌混じりで俺たちの先頭を歩いていく。
 この街道を歩いているのは、もう俺たちぐらいだった。
「なぁ・・・どこかで雨宿りしないか?」
 俺は、もう十回くらい言った言葉を繰り返す。
「だめです。早くしないとアメリアさん達に殺される」
 それだけは絶対にいや、という風にヴァルは頭を振って、再びのんきに歩んでいく。
「止まるのが嫌なら、急いで行こうとしてくれないか?」
 今度はゼルガディスが言うが、ヴァルはいたって急ごうとはしない。
「雨は神の恵みです」
「・・・・・・は?」
 俺とゼル、果てはゼロスまで、その言葉に目を丸くする。
「雨により作物は育ち、人々は生きていくことが出来るんです。
 それを邪険にすることなど、どうして出来ましょう」
「・・・・・・フィリアの『完全いい子』教育でどこか壊れたか・・・?」
「頭でも打ったかもしれませんね・・・」
 ヴァルの『ラヴ・アンド・ピース』的な言葉に、小さく身震いするゼルとゼロス。
「昔はあんなんじゃ無かったのに・・・」
「ヴォルフィードあたりに変なウイルスでも付けられたのでしょうか・・・?」
 なにげにひどい感じのことを陰でこそこそ話し合うゼル達。
 なんだか・・・こいつらにはついていけないな・・・。

「・・・・・・でけぇ・・・・・・」
 セイルーン城を見た俺は、思わずそう呟いた。
 さすが、このあたりでは一番の大きさを誇る白魔術都市の城だけある。
「さぁ、早くして下さい」
 おもわず見とれている俺の肩をたたき、ヴァルは門を開けて中に入っていく。
 俺はあわてて後を追う。
 中は・・・今まで見たことのないくらいの大きさ、広さだった。
 壁には金と銀の装飾が施されたろうそく立て、タペストリー、歴代の王の肖像画・・・。
 剣を構えた鎧兵士が、一定の距離をあけて立っている。
 真っ赤の絨毯に、泥の足跡をつけないように注意しつつ、俺たちは階段を上っていった。
 行き着いた先に待っていたのは、それは立派な客室の扉。
 コンコン、と軽くノックをして、ヴァルは扉を開けた。
「つれてきたよ、フィリア」
「あ・・・ありがとう、ヴァル」
 そこには、イスに座った金髪の美女が待っていた。
 清楚な白のドレスは、彼女に見事に合っている。
 その彼女に、まるで子供のように(と言っても、まだマジで子供だろうが)ヴァルが駆けていく。
「まぁ、びしょ濡れじゃない。どうしたの?」
 彼女が言う。
 まぁ、雨にあれだけ当たっていれば、十分びしょびしょになるだろう。
「フィリア、ガウリイは・・・」
 ゼルが一歩前に出る。
「・・・ここです」
 フィリアと呼ばれたその女性は、イスごと身体をどける。
 そこには、大きな豪華な寝台があった。
 そこに、一人の男が横たわっている。
 金髪の長い髪がざんばらにあたりに散らばる。
 かなりの美形だが、今は目覚める気配は一切しない。
「・・・寝てるのか?」
「かれこれ3日くらい、ずっと」
 その言葉に、ゼルは何かに弾かれたように寝台の傍らへと向かう。
「4日くらい前に、突然この城の前に現れたんです。
 そのときからもう意識がもうろうとしていたようで・・・。
 『西のエルミラーアがリナのことを知っている』と言ったきり、ずっとこのまんまで・・・」
「エルミラーア・・・?」
「聞いたことがあります」
 デーヴィドが、ずいっと一歩前に進む。
「西のエルミラーアって言ったら、あの天才占い師のことですよ。
 『魔族の結界』の中で最西の町、ソーンに住んでいるから、西のエルミラーアって呼ばれているんです」
「リナの行方を占ってもらう、と言うことか?」
「違うと思います」
 ゼルの言葉を、フィリアが否定する。
「そうだったら、『リナのことを知っている』という表現は変ですから」
 たしかに、こんな言い方はしないだろう。
「ともかく・・・そのエルなんとかって人に会えば、リナの行方が分かるかもしれないんだな?」
「おそらく・・・」
「よしっ!」
 俺は、パシっと手を合わせる。
「だったら善は急げだ、さっさとその人のところに行こうぜ!!」
「待って下さい!!」
 俺の言葉を、ヴァルが遮った。
「その前に、アメリアさんに会ってからでないと・・・」
「王女様なんかに会って、どうするんだ?」
「礼金が出ます」
 ぴくっ。
 その言葉に、俺が反応する。
「だいたい貴方・・・リナさんの顔を知らないでしょう」
 ぎくっ。
 デーヴィドの言葉に、俺は違う意味で反応する。
「アメリアさんにリナさんの人相書きでも見せてもらってはどうですか?」
「・・・目に画鋲は押されてないよな?」
「・・・たぶん」
 俺の言葉に、ゼロスは力無く言った。
 自信ないんかっ!!

 その夜、俺は王宮の客室に泊めてもらったが・・・機嫌はかなり悪かった。
 王女に、『無料奉仕は素晴らしいことですっ!!』やらなにやら延々語られ、結局報酬はたったの金貨十枚・・・。
 しかも。
 この旅にデーヴィドだけでなくゼルとヴァルも連れていくことになったのだ。
 ゼルは剣と魔法の腕が達者らしいからいいが、ヴァルはただの(?)ガキ。
 何の役に立つのやら・・・。
 連れていけば分かる、と言うが・・・。
 ・・・さい先不安・・・・・・。


 続くのだ!
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オ:あ゛ー・・・ヴァル君のですます口調、怖いよ・・・(笑)
セ:お前がそうしたんだろーが。
オ:でも、次回あたりからきっとタメ口でさぁ。仲いい人には容赦なさそうだし。
セ:・・・早く書けよ。
オ:あう〜〜(泣)
セ:泣くなぁぁぁぁっ!!