◆−アラバスターの淡い夢−CANARU(5/1-23:13)No.9820
 ┗アラバスターって漢字どう書くんだっけ?(笑)−P.I(5/5-12:37)No.9853
  ┗みょ〜〜〜〜(汗)−CANARU(5/6-10:37)No.9874


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9820アラバスターの淡い夢CANARU E-mail 5/1-23:13


ども!!
突発小説です・・・。
そのせ〜かかなり話の展開が分かりにくいんですが・・。
ご勘弁をおおおおおお〜〜〜〜!!
***********************

くらぼったい・・・・。
古代の遺跡を抜ける。
一目間違えれば『倉庫』と思われても仕方が無いような貧相・・・と
までは言わないが・・・。
質素で小さな建物だった。
「すっごいな・・・・・・。」
言いながらアラバスターから漏れる僅かな光が暗黒を微かに照らす
のをガウリイは眩しく、目を細めながら眺める。
しばらく・・・・。
その暗さにも目が慣れてくれば。
一面の美しいモザイク画の部屋が浮かび上がってくる。
「これは・・・・?」
「霊廟。」
「・・・・・。嘘だろ?」
「本当だよ。」
いちいち質問に答える声。まるで・・ココに眠っていると言う人物が
蘇ったかの錯覚すら覚えるが・・・・。
「リナ・・・。ナンでお前そんな事知ってるんだよ?ガイドブックにも
そんな事書いてないぜ?」
「・・・・・。興味無いわね、ガイドブックなんて。この部屋中を
埋め尽くす絵画・・・。そして、アラバスターの窓と採光は。あんたが作ったのよ?」
「・・・・・。誰のタメに?」
「ココで・・。眠っている人のため。」
「・・・誰だよ?それ・・・。」
「アタシよ。」
狭い、石造りの室内にリナの朗々とした声が響き渡る。
「・・・・。馬鹿言えよ?お前は生きてるし・・。第一・・眠っている人間は
ココにはいないぜ?」
「500年前に馬鹿な観光客がアタシを良く見ようとしてね。火を近づけて・・。」
そうとしか言いようが無い。
「はあ・・・。何が言いたいんだか・・・。」
ミラノの売れない見習画家・・・・・・。
ハッキリ言って絵をかくよりも運動のほうが遥かに得意であろう
この男・・ガウリイとその幼馴染・・・(本人曰く)リナが生きぬきに滅亡寸前の
西ローマ帝国の遺跡にやってきたのは三日前だった。
「ま・・・。ちっとは息抜きと言うか・・。創作活動の参考には
なったが・・。悪ふざけはよせよな、リナ・・って?リナ・・・???」
隣にさっきまで居た筈だった・・リナが居ない?
それどころかアラバスターの窓に囲まれて美しいモザイク画に囲まれていた
室内は一変し・・・。
窓一つすらない・・・。単なる石造りの冷たい風景の建物に変貌している?
それどころか・・・・遺跡ではない????
「どうなってるんだよ・・・?一体!!」
不思議に思いながら咄嗟にガウリイは石造りの建物から飛び出した!!


「な・・・・・・????」
これは・・・・誰がナンと言っても古代ローマの風景だった。
行き交う人々は滅亡寸前の大帝国・・西ローマ帝国そのものだった・・。
頽廃的かつ享楽的。「パンとサーカス」のみで生きる。
そして・・何よりも弱体化した帝国を象徴するかのように西ゴード人、フランク人・・。
異民族の侵入が目立っている。
「まじかよ・・・・。オイ・・・・。」


「ねえ・・。ガウリイ。」
バスの中の隣の席でうとうととしかけたガウリイにリナが言う。
「う〜〜ん・・・・。」
髪の毛がこしょこしょと耳の裏を撫ぜつけるので痒くて仕方が無い。
髪を掻き揚げながらついでに耳を指一本でポリポリとかく。
「古代ローマへ通じる道が遺跡の何処かにはあるんですって。」
「へえ〜〜〜・・。そりゃ〜〜すっごいなあ・・・・。」
「・・・・・・。聞いてよ、人の話!!で、古代に旅立って帰る方法は・・・。
って!!聞いてるの!!ガウリイ!!」
「ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ・・・・・・・・・・。」


「あの時真面目に聞いてはいなかったが・・・・・・。」
真坂・・リナの言った事が本当になるとは・・・・・。
そうこうしているうちに警備兵がこちらに向かってくる???
どうやら・・・。
少なくとも自分の外見はこの時代のローマ人には見えない。
しかも異民族の侵入が絶えない弱体国家と来た日には連行される事は目に見えてる・・・。
「やばい・・・。」
ガウリイが言い終わるそれより前の事だった。
グイ・・・・・・・。
軽くだが・・何者かがガウリイの腕を引っ張る。
「こっちよ!!」
言うが早いか植え込みの中にガウリイを隠し、指だけで避難する場所を指定して
自分がさっさと植込みの中からさっさと兵士達の方に向かって行く。
「・・・・リナ??」
その後姿にガウリイは指定された場所に逃げる事すら忘れてその後姿を
じっと見入ってしまう。


「どうしたのよ?」
「ああ・・・。リナ様。ここに不審な人物は・・・?」
「・・・・・。アンタ達の方がよっぽども不審よ?ココはあたしの庭じゃないの。
ソンな所に、他人が侵入出来る筈無いでしょう?」
いけしゃあしゃあとリナは言ってのけ・・・。
とりあえずそれに納得するしかない兵士達は敬礼しながら去って行く。


「・・・・・。リナ・・・・・????」
「・・・・・。はあ・・・・。逃げろって言ったでしょう?それに、滅多にあたしの名前は
呼んでは駄目。」
どうやら。リナにそっくるだがこの世界の・・古代のリナのようである。
「でも・・・?何で?」
「言いおくれたわね。あたしの名前はもう知っているらしいからあえて言わないけど・・。
身分は殺された西ローマ帝国皇帝・・・叔父なんだけど。その妹と東ローマ帝国
皇帝の娘よ・・・。もっとも・・今は何の権力も持たない単なるローマの囚われ人よ。」
言いながらリナは肩をすくめる。
大方、政治上の被害を蒙っているのだろう・・・・・・。
「貴方は?」
「へ・・・・?」
唐突に面白そうな顔をしてリナがガウリイに問いかけてくる。
「だから!!貴方の名前と素性よ!!見たとこ・・・敵じゃないみたいだけど・・。」
物珍しげにリナはガウリイを眺める。
「ああ・・・。俺はガウリイ。まあ・・単なる絵描きって!!おい!!」
「へえええええええええ〜〜〜〜〜〜♪」
気付いたときには既にスケッチブックはリナに引っ手繰られていた!!?
「こんな景色って・・何処にあるの?」
「こら〜〜〜!!返せ!!」
ミラノ、フィレンツェ、シチリアの野原の絵・・・。
ヴェネツィアの海や旅行で言ったイスタンブールの都市の絵・・・。
ガウリイの抗議を無視しながらリナはぺらぺらとページを操って行く・・・・。
「ああ!!其処!!見ちゃ駄目って!!」
「・・・・・。もう・・・。遅いわよ・・・。」
さっきまでのふざけた口調が一変している。
不意に・・・・「ソレ」を見たリナの目が真剣な光を放っている。
「ガウリイ・・・・・。」
その声が・・長年一緒に居た、現在に居て。
急に消えたガウリイを探しているであろうリナを一瞬思い起こされる。
「何だ・・・・???」
「・・・・・。万が一。アタシは死んだら・・・。アタシの霊廟と・・。
絵を書上げてくれない?」
ふっと概念的な口調でリナはそうガウリイに微笑みかけながら言い、スケッチブックを
彼に返す。
「・・・・・。何を言ってるんだ?」
不意に・・さっきまでリナと居たあの場所の・・・。
アラバスターの淡い光が脳裏を過る。
「お願い・・・・。」
言いながら渡しかけたスケッチブックを不意に取り上げ。
最後の一枚の部分をちぎって折りたたみ懐に仕舞い・・再度残りの
本体をガウリイに返す。
「帰り道はあの位い穴を通りぬけてね。光が見えるわ・・・。
もっとも・・・あんまり昔の事を知りたがって。蝋燭の火を近づけすぎると。
全部燃えちゃうから・・。気をつけてね。」
言いながらリナは微かに微笑んだ。


「お帰りなさい。ガウリイ。」
不意に目の前に刺し込むアラバスターから漏れる淡い光。
だが、暗黒から舞い戻った意識には少々明るすぎるような気がする。
「リナ・・・・。」
間違いが無い。ガウリイが良く知ったリナが其処に居る。
「なあ・・・。リナ、俺さ・・・。」
「古代ローマに行ったんでしょう?」
判りきっている・・と言うような口調で言うリナの一言にガウリイは
微かに頷く。
「彼女はね・・・。リナは・・。政治の犠牲になって。若くして亡くなったわ。」
「そっか・・・・・・・・。」
あの時彼女が言っていた言葉は・・それを象徴していたのかもしれない。
「俺は・・どう約束を果たせば良いんだ?」
「もう、『果たして』いるわよ、ガウリイ・・・・。」

「あ・・・・・・・・・・・・・!!!!」
淡いアラバスター。
見事にびっしりと石造りの部屋を埋め尽くす美しいモザイク画。
更には刺すような淡い光がその室内に満ち溢れている。
そのに・・・眠る古代の・・・・・・・。

「アイツ・・。ちゃっかりココの霊廟のスケッチまで抜き取って行きやがったんだ・・・。
それに・・・・。」
そっそり書上げた・・・。
「古代のリナ」そっくりな・・「現代のリナ」ガウリイの良く知った「リナ」
の肖像画の部分がスケッチブックから毟り取られている。
折角の出品作品として画用紙に書き、このスケッチブックに挟んでおいたこの
霊廟のデッサンと一緒に・・・・・・。
「そう・・・・。残念ながら・・今アタシはソレを持ってはいないけどね。
残ったのは・・。この霊廟だけ。」
「当たり前だろ?何千年も前の話だし・・。産まれたときからお前は俺の傍に
ず〜〜〜と居ただろ?お前の言う所の・・『幼馴染』なんだぜ?俺達?」
一歩譲ったガウリイの一言。
「怒らないの?1500年代のお間抜けな観光客が・・・。アタシの顔を
見ようとして・・・。蝋燭の炎を近づけすぎて・・・。全部燃やしちゃったのよ。
貴方がアタシにくれた絵を・・ね。」
少し寂しそうにリナはガウリイに言う。
「馬鹿!ソンなものより。今のほうが大切だろ?」
「・・・・・。そうね・・・。子供のときから・・。何か私がアンタに言おうとして。
言葉を詰まらせたことあったでしょう?ソレだけが気になってたのよ。でも・・・。」
「あのなあ・・。思い出せなかったんだろ?俺だって、今日までそんな事知らなかったぞ?」
暫しの大笑い。
「それに・・・。」
「それに・・・・???」
ガウリイの言葉にリナが続く。
「あの絵・・悪かった。まだ未完成だったんだよな・・。ま、こっそりリナの事
書いてたって事で・・。その・・なかなか進まなかったし・・・。」
「・・・・。じゃ、今度はこっそりじゃなくって・・。正々堂々書けばいいでしょう?」
あ・・・・・・。
そ〜ゆ〜事も、可能だったか・・・・・・。
「じゃ、霊廟なんぞの絵はもうお終いだ。これからは・・・。」
生きてるリナの絵を書く。それだけだった。
「これからは・・・・?何よ?」
まあ・・あえては言うまい。だが・・・。
「もう、間抜けな観光客に絵を燃やされるなよ〜♪」
そう言ってガウリイは微笑むのだった。


(お終い)

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9853アラバスターって漢字どう書くんだっけ?(笑)P.I E-mail 5/5-12:37
記事番号9820へのコメント

CANARUさん、こんにちは〜!
G・Wに突入して生活のリズムがムチャクチャなP.Iです(蹴!)
「アラバスター〜」のリナ、皇女ガラ・プラキディアなんですね!
とゆーことはアタウルフくんがガウリイ?
画家のガウリイと別れたあと、彼そっくりなアタウルフくんと出会ったとか・・?
(妄想驀進中・^^;)
そーだったらいいな〜。でないと不幸すぎます、過去のリナ。
石棺の中にはきっとガウリイのデッサンも入ってたんでしょうね。
生まれ変わってもまた出会えるように・・・
「物語イタリアの歴史」はPも持ってます〜。(あと「アイルランド」も)
カサノヴァが司書だったことも、これで初めて知ったよーな次第で・・・
かな〜り心中フクザツでしたわ(^^;)
ではでは、また新作楽しみにしてます〜♪




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9874みょ〜〜〜〜(汗)CANARU E-mail 5/6-10:37
記事番号9853へのコメント


>CANARUさん、こんにちは〜!
>G・Wに突入して生活のリズムがムチャクチャなP.Iです(蹴!)
はううう!”
アタシもど〜も体調おかしいです〜〜!!
単に昼寝のしすぎ・・なんですけどねえ〜〜(汗)
>「アラバスター〜」のリナ、皇女ガラ・プラキディアなんですね!
>とゆーことはアタウルフくんがガウリイ?
みょ〜〜〜〜!!
そうなりますねえ〜〜〜!!
何となくボ〜〜と読んでいてそんなシーンも考えたんですが・・。
いかにせん悲恋〜〜(涙)
>画家のガウリイと別れたあと、彼そっくりなアタウルフくんと出会ったとか・・?
>(妄想驀進中・^^;)
あ!!そ〜しちゃいたいでしゅ〜〜♪

>そーだったらいいな〜。でないと不幸すぎます、過去のリナ。
>石棺の中にはきっとガウリイのデッサンも入ってたんでしょうね。
>生まれ変わってもまた出会えるように・・・
ですね!!
でもって生まれ変わってまた出会った!!と!!
>「物語イタリアの歴史」はPも持ってます〜。(あと「アイルランド」も)
>カサノヴァが司書だったことも、これで初めて知ったよーな次第で・・・
>かな〜り心中フクザツでしたわ(^^;)
う〜〜みゅ・・・。
アタシも塩野さんの話に比べてチェーザレの評価が
低かったのが悲しいです〜〜!!
アラバスターって漢字だと凄く綺麗な文字だった覚えが・・。
しかし・・記憶喪失だみょ〜〜〜〜(汗!!)
>ではでは、また新作楽しみにしてます〜♪
はい〜〜!!
近いうちに書きますね!!ではでは〜〜!!