◆−強く儚い約束 〜 守られる時 −輝日 朔夜(5/3-00:24)No.9827 ┣復活宣言&感想、でーすわ−浅島 美悠(5/3-15:51)No.9837 ┃┣きゃ〜!!!!−天海鳳凰鳥(5/8-11:54)No.9905 ┃┃┗Re:あわわわわ・・・・−輝日 朔夜(5/8-20:21)No.9907 ┃┗Re:遅くなってすみませ〜ん(泣)−輝日 朔夜(5/8-20:14)No.9906 ┗強く儚い約束 〜 フェアリー・テイルがみていた約束−輝日 朔夜(5/8-22:28)No.9915 ┣うみゅ〜〜〜〜〜〜〜〜!!! ですわぁぁ!!−浅島 美悠(5/9-16:31)No.9923 ┃┗Re:お許し、ありがとうございますv−輝日 朔夜(5/11-20:38)No.9953 ┗強く儚い約束 〜 明かされる刻−輝日 朔夜(5/11-22:46)NEWNo.9956 ┣貴方のママはマシューおじさんの……。(くすっ)−浅島 美悠(5/13-08:31)NEWNo.9970 ┃┗Re:あはははははは−輝日 朔夜(5/14-20:27)NEWNo.9990 ┗強く儚い約束 〜 過去との訣別、そして未来へ−輝日 朔夜(5/14-22:44)NEWNo.9995
9827 | 強く儚い約束 〜 守られる時 | 輝日 朔夜 | 5/3-00:24 |
はじめましてorおひさしぶりです。 いや、もう覚えていらっしゃる方いないでしょうけど。 なぁんか、頭にまけまけ様が刺激を下さって思い付きました。 駄文なんですが、ぐぎょぎょーっと書いてみたいと思います。 あ、ちなみに今回ゼルリナです。前とははっきり言って、別世界なんで、もし覚えててくださった方はそこんとこお願いします。 では、私にしばし付き合ってくださる方が、お楽しみいただけると幸いです。 *************************** 待ってるわ 待っていてくれ あなたが 俺が あたしを お前を 迎えに来るのを 攫いに行くのを ずっと 「よおっ、リナ!久しぶりだなぁ!」 「リナさん、お久しぶりです!」 「久しぶり、アメリア、ガウリイ。何年ぶりかしら。」 あたしは、覇王軍の1件の後、ゼフィーリアに戻ってきていた。 そして、姉ちゃんがバイトしているレストランで働いていた。 もう、そんなこんなで今年24になる。 「ちょうど1年です。この季節は葡萄が美味しいんですよねぇ。」 「そうね、今年はロバートのとこがいいみたいよ。」 「わあ、とうさんにお土産にしよう!」 店長に断って休憩をとり、2人とテーブルにつく。 「それにしてもアメリア、あんた今婿のこととかで大変なんじゃない?こんなとこに来ていいわけ?ちゃんとフィルさんに言ってきたんでしょうね?」 「もちろんです!結婚の事もあるし、気楽に旅なんてもうそうそうできないですし、最後の思い出ですよ!」 「あっそ。で、なんでガウリイと一緒な訳?」 「いや、実はな、たまたまセイルーンに寄ったら、フィルさんに、アメリアの護衛を頼まれて・・・どーせこっちにもそろそろ顔出そうとおもってたから、一緒に来たんだ。」 「へえ、フィルさんも相変わらずねぇ。」 「ああ、あいかわらずムサい顔だったぜ。」 「あんた、それはアメリアの前で言う事じゃないでしょう?」 「そうですよ!あんまりです!」 「はは、悪い悪い。」 相変わらずだ。もうアメリアも20はとっくに過ぎてるのに子供みたいで・・・ま、これは遺伝かな。ガウリイも相変わらずぼけてるし。 「ところでリナさん。」 「ん?なあに?あらたまっちゃって。」 「リナさんは、結婚しないんですか?」 ぶぶぅ〜っ!!! 「な、なにをいきなり!」 うああ、吹いちゃったよ、思いっきり。勿体無い、あたしの香茶。 「だって、私はもうすぐしますし、ガウリイさんは、シルフィールさんと今度の春することに決まってますし。」 「ええ!?うそ!?ついに!?」 ちょっと聞いてないわよ!? 「ああ、そういや、いってなかったっけ・・・」 のおんびりとケーキをたべるクラゲ。 「あんたねぇ・・・まあいいわ。おめでとう、ガウリイ。けど、シルフィール放っておいていいわけ?」 仮にもアメリアは年頃の女なんだし。 「シルフィールさんとは、ついそこまで一緒だったんですよ。ここの1つ前のテミスっていう街に用があって、こっちにも来るって、言ってましたよ。」 「あ、そう。ならいいけど。」 「そ・れ・よ・り!リナさんのことです!いい加減結婚したらどうですか!?」 「んな事、あんたまで言わないでよ!とうちゃんやかあちゃんにさんざんいわれてんだから!」 「相手がいないなら、探すべきです!リナさんは綺麗なんだから、想いを寄せている人の1人よ2人、いなくてどうしますか!?」 「あんた、文法ムチャクチャよ?って、そうじゃなくって!ガウリイ、あんたも黙ってないで何とか言いなさいよ!」 1人でたべてるガウリイに振ってやる! 「んあ?ああ。アメリア、そういうなって。リナにはちゃんと好きな奴はいるさ。なあ、リナ。」 そう言われて驚く。 「な、なんで知ってるのよ!?」 「んー、だってオレ、それ知ってっからリナを諦めたんだぜ。」 「どうして知ってるんですか!?」 「んー。なんとなく。」 チリンチリン まだ何か言いたそうなアメリアが口を開く前に、ドアが開いた。 そしてそこから、長い黒髪の神官姿の美人と、数人の街の子供達が入ってきた。 「リナ姉!お客さんだよ!」 「リナ姉、美人のお客さん!」 「隣街から来た、神官さんだって!」 街の子供達が連れてきたのは、シルフィールだった。 「お久しぶりです、リナさん。」 「シルフィール!」 「シルフィールさん、速かったですね。てっきり明日以降になると思ってました!」 「ええ、思ったより速く用事がすんだので。」 「どうしてあんたたちがシルフィールを?」 子供達は、店によく来る子で、あたしとも顔見知りだった。 「その人が道に迷ってたから連れてきたんだぁ。」 「聞いたら、リナ姉のお友達だっていうし。」 「偉い?偉いでしょう?」 誉めて欲しいというのが丸分かりの子供達に苦笑してしまう。 「分かった分かった。偉い偉い。ジュースでもおごったげるわよ。」 「ええ、リナ姉、それより、歌ってよお。」 「ききたあい。歌ってえ。」 「私たちも聴きたいですわ、ねえ、アメリア様、ガウリイ様。」 「ああ、聴いてみたいな・」 「歌ってください、リナさん!」 皆の要望に、仕方なく歌う事にすろ。といっても、歌うのは結構好きだったりして。 「じゃあ、1曲だけよ。」 前置きして、歌い出す。 「今でも時々思う 強く儚い思い出は あなたに会えたのは現実だったのか あの日の場所に行ってみても あなたの痕跡はなくて あれは夢だったのだろうか それとも・・・ あなたがのこしたのは 1つの約束と1つの想い 夢というには儚すぎて 現(うつつ)というには強すぎて だから私はいつまでも 夢見る少女でありながら 恋する乙女でいられる だけどそれは辛すぎて 夢見る少女でいれなくて 恋する乙女でいれなくて ただ約束にすがってる 約束は守るためにあるのだと そんな言葉にすがってる 夢というには儚い 現というには強い 私の1つの夢と想い 強く儚い思い出を抱く私も強く儚い存在(もの)だから」 しーんとした店内に思わずびびってしまう。 な、何よ、なんか文句あんの? 「すっご〜い!リナ姉、いつもの歌よりすっごい良かった!」 「きれ〜い!」 「感動しちゃったぁ!」 口々に叫ぶ子供達とは反対に、黙ってしまったアメリアたち。 騒ぐ子供達を押し出して、静かになった店内で。 「何よ、なんか文句でもあんの?」 と低い声できくと、みんな、我に返ったようになる。 「リ、リナさんって・・・」 「リナさんって本当に・・・」 「うまいもんだなぁ。びっくりしたぜ。」 口々に誉めてくれる。ふふ、結構嬉しい。 「それに、歌もすごく良かったです。」 「ああ、あれ?あれ、あたしが作ったのよ。」 「やっぱり。ということは、そういう思い出があるんですね?」 「まあね。実は、あたしがずっと待ってる人って、この人よ。」 「ええっ、ほんとですか!?なんか、ロマンチックですう!」 女3人で盛り上がっているところに、ガウリイが爆弾を落とした。 「あれ?リナの好きな奴って、ゼルガディスじゃないのか?」 しーん 空白の後、同時に叫び声をあげた。 「何であんたはそこまでしってんのよぉぉぉっっっっ!!??」 「ええええええぇぇぇぇぇっっ!!??」 [そうだったんですかあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!??」 「なんであんたはぁぁぁ・・・」 「いや、ほら、オレって前はリナの事好きだったから、みてたら、なんとなく・・・・かな?」 あんた、シルフィールの前で・・・ぁ、気にしてないみたい。 「ふう。あんた、ほんっとミョーなとこで鋭いわよねえ。正解。そうよ。あたし、ゼルが好き。」 「え?リナさん、それじゃあ思い出の男の子は?」 「まだわかんないの?」 ちょっといってみる。 「?」 「ああっ、まさか!」 シルフィールは気付いたみたいだ。 「まさか、その男の子とゼルガディスさんは、同じ人ですか!?」 「ぴいんぽおん。あったりぃ。よくわかったね。」 にっこり笑ってみせる。 「ええええっっっっ!!」 驚きまくってる3人に、あたしは話してあげることにした。 「まだ、あたしは10にもならないころだったわ。 東の森に、1人で遊びに行った時、1人の男の子に会ったの。その子、怪我してて、あたしが手当てしてあげたの。それがゼルよ。 それで、色々話して、一緒に遊んで、そのうちに日が暮れて迷子になったのよ。で、ありきたりだけど2人で励ましあって1晩一緒に過ごして。で、別れる時に約束したのよ。」 「約束ってなんなんですか?」 興味津々のアメリアにちょっと笑って、できるだけさらっと言った。 「ふふ。ま、セオリー通りよ。 「「いつかかならずむかえにくるから。それまで、まっていて。」」 っていうね。笑っちゃうほど可愛いでしょう。」 「でも・・・・」 「分かってるわよ。それだけで待つなんて、でしょ?ま。あたしのキャラじゃないしね。はっきりいって、歌の通りよ。待とうか待つまいか。結構悩んで、旅に出る時、探してたのよ。で、大きくなって合成獣になったゼルに会って。」 「すぐに、分かったんですか?」 「最初はわかんなかったけどね。2人でレゾの所から逃げ出した 時に、分かったの。で、それから色々あったでしょ?ガウリイを助 けに行く時、打ち明けたの。その時は違うって言ってたけどね。」 「何でだ?」 「合成獣になってしまったからに決まってるじゃないですか!」 「うん。そうよ。で、やっと認めたのがフィブリゾの後。その時、約 束の更新をしたの。」 「きいてもよろしいでしょうか?」 「もちろん。内容は、こうよ。 「「必ず元の姿で帰ってくる。その時まで、待っていてくれ。」」 あたしは、だから待ってるの。強く儚い存在として、約束が守られる日を。」 「それで、ずっと、待つつもりなんですか?」 「そうね、でも・・・」 チリンチリン レストランのドアが開いた。そこから入ってきたのは、旅装束に身を包んだ青みがかった髪と鋭い目を持つ長身の若い男だった。 「ずいぶん、待たせてくれたじゃない。」 振り向くこともせず、リナは言い放った。その男は、リナの方を向くと、苦笑を浮かべて。言った。 「無茶を言うな。こんなに早く戻れるなんて奇跡だと思ってくれ。」 「全く、仕方ないわねえ。」 リナは、ゆっくりと振り向いた。そして、最高の笑みを浮かべた。 「やっと迎えに来てくれたわね、ゼルガディス。」 待っていたわ 待たせたな あなたが 俺は あたしを お前を 迎えに来てくれた 攫いに来たんだ やっと *************************** な、長いです〜(泣)切れば良かったかなぁ。 うぁ、ごめんなさい。ゼルでてないや。 ほんとにゼルリナか?これは。 これ、coccoの「強く儚いものたち」聴いてた時に思い付いたんですが・・・なんっか違うなぁ・・・う〜ん(悩)ま、いっか。 ここまで私の駄文に付き合ってくださった方。 本っ当にありがとうございました&お疲れ様でした。 感想など頂けると、小躍りして喜びますんで、下さい。(おいおい) 輝日 朔夜 |
9837 | 復活宣言&感想、でーすわ | 浅島 美悠 | 5/3-15:51 |
記事番号9827へのコメント はじめまして、でーすわ。 あたし『あさじま みゆ』と申しますしがない小娘でーすわ。 つい最近までキーボードが壊れて、小説を書くどころか感想すらかけない状態だったんですわ…(うるうる) これ、兄貴のキーボードですわ。 ま、そんなわけで(何が?) 歌の部分凄いですわ!! 感動でーすわぁぁぁぁ!! あたしなんて駄文+ヘボいし…ですわ。 題名見た時点で、『Coocさんの歌っ?』とか思って……。 しかも感激なゼルリナ…(しみじみうっとり) おっしゃ〜〜〜!! あたしもがんばって最終章(私物)upするぞでーすわ!! これからもがんばって(はぁと)でーすわっ。 でゅわっ! Miyu Asazima |
9905 | きゃ〜!!!! | 天海鳳凰鳥 | 5/8-11:54 |
記事番号9837へのコメント めっちゃ感動ものですぅぅぅぅぅ!!! みんな本当に上手ですよね… 神無月紗羅ちゃんの所において(あった)あるのなんてもうヘボくて…(涙) 私も見習わなくてわ! それでは、また頑張ってくださいね!応援してます(はあと) |
9907 | Re:あわわわわ・・・・ | 輝日 朔夜 | 5/8-20:21 |
記事番号9905へのコメント 天海鳳凰鳥さんは No.9905「きゃ〜!!!!」で書きました。 > >めっちゃ感動ものですぅぅぅぅぅ!!! ありがとうございます!ありがとうございます!(なぜか2回) >みんな本当に上手ですよね… ホントですよねぇ。もちろん天海鳳凰鳥さんもですよ! >神無月紗羅ちゃんの所において(あった)あるのなんてもうヘボくて…(涙) そんなこと!そんなことありません! >私も見習わなくてわ! そんな・・・見習わせてください。 >それでは、また頑張ってくださいね!応援してます(はあと) いやああん!どうしましょう!応援されちゃいました!わ、私ごときが、そんな、お、応援なぞされてしまってよろしいのでしょうか・・あああ、ありがとうございますう。 輝日 朔夜 |
9906 | Re:遅くなってすみませ〜ん(泣) | 輝日 朔夜 | 5/8-20:14 |
記事番号9837へのコメント 浅島 美悠さんは No.9837「復活宣言&感想、でーすわ」で書きました。 > > >はじめまして、でーすわ。 はじめましてぇ。感想、超ありがとうございます!遅くなって、申し訳ありません・・・ >あたし『あさじま みゆ』と申しますしがない小娘でーすわ。 私なんて、しがないおこちゃまですわ!(自慢) >つい最近までキーボードが壊れて、小説を書くどころか感想すらかけない状態だったんですわ…(うるうる) >これ、兄貴のキーボードですわ。 >ま、そんなわけで(何が?) > >歌の部分凄いですわ!! 嬉しいですうっっっ!!あそこ、いっちばん!頭使ったんですよ。 ほんとに歌えるのかってつっこみは、ご遠慮願いますね。うふっv >感動でーすわぁぁぁぁ!! あたしなんて駄文+ヘボいし…ですわ。 そんなことありませんっ! >題名見た時点で、『Coocさんの歌っ?』とか思って……。 Coccoさんごめんなさいってカンジです・・・ >しかも感激なゼルリナ…(しみじみうっとり) ゼロリナなのに、ゼルがほっとんどでてないのは・・・・ま、いっかv(おひおひ) > >おっしゃ〜〜〜!! あたしもがんばって最終章(私物)upするぞでーすわ!! >これからもがんばって(はぁと)でーすわっ。 > >でゅわっ! > >Miyu Asazima すっごいありがとうございました。めっちゃめちゃ嬉しかったです。お返事遅れたのは、広ーい心でゆるしてください。てへっv では。 輝日 朔夜 |
9915 | 強く儚い約束 〜 フェアリー・テイルがみていた約束 | 輝日 朔夜 | 5/8-22:28 |
記事番号9827へのコメント こんにちは。輝日 朔夜です。 今回は、幼い頃のリナちゃんゼルくん出会い編を書こうかな、と。 今日はまけまけ様はいらっしゃいませんが、その妹君のもけもけ様が頭の刺激をしてくださいます。 では、心の広い方はどうぞご覧下さい。 *************************** リナはその日、ゼフィーリア近くの森に来ていた。 街にいても退屈なので、こっそり探検に来たのだ。 手に持ったバスケットには、おやつと怪我をした時のために救急箱が入っている。 「ふんふーん。やあっぱ森は良いわねぇ。空気はきれいだし、姉ちゃんはいないし!」 鼻歌を歌いながら森の奥にずんずん入っていく。 「ここら辺ってあんまり来たことないのよねぇ。でも、姉ちゃんの話だと、そろそろ泉があるはずなんだけど・・・」 がさがさ 「あ、あった・・・ぁ・・」 リナの声が小さくなっていく。 その理由は、泉のほとりで座り込んでリナと同じように目を真ん丸にしてリナを見つめている少年だった。 「だれ・・・?あんた・・・?」 思わず呟いてからはっとした。 少年は、足から血を流していたのだ。 それを見るとリナは、少年の返事など待たずに駆け寄った。 「なっ、あんた、どうしたのよ、これ?」 「い、岩で転んで、その時に打ち付けたんだ」 驚いているらしく素直に答える少年。 「ちょっとじっとしてなさいよ。」 リナはバスケットから救急箱を出すと、手当てをした。 「はい、できたわよ」 落ち着いて見ると、少年はリナより2,3歳年上に見えた。 しかも、青みがかった黒い髪と深い青の目を持った美少年だ。 (あんたなんて言って、マズかったかしら・・・) 「ありがとう。俺はゼル。お前は?」 「あたし、お前じゃないわ。リナよ」 「そうか、リナ、1つきいていいか?」 「なあに、ゼル?」 「その薬箱、どうやって入ってたんだ?」 本当に不思議そうな顔。まあ、無理もあるまい。 リナのバスケットより、救急箱の方が大きいのだ。 リナは、胸を張ると、きっぱりと言った。 「おとめのひみつっ!」 「そ、そうか・・・」 思わずちょっと引いてしまうゼル。 「ところで、あんた、ゼフィーリアの人じゃないでしょう?どうしてここにいるの?」 「旅の途中なんだ。そしたら、レゾ・・・連れとはぐれて探してたんだ」 「ふうーん。じゃあさ、あたしも一緒に探してあげる!」 「本当か!?」 「うん!そうときまればさっそく・・・」 ぐううー ぎゅるるー 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・おやつにしよう!」 「・・・・・そうしよう」 しかし 世の中そううまく行かない。 おやつを食べたまでは良かったのだ。 しかし、その後、リナとゼルは、レゾを探すことをしなかった。 「ねえ、今鳥が飛んでたよ!」 「あ、リスだ!」 「ねえねえ見て見て!きれいな花ぁ」 「しぃーっ。うさぎが寝てるぞ」 つまり、遊びに夢中になってしまったのだ。 おまけにゼルの足があるので、走ったりはしなかったが、あちこちを歩きまわっているうちに、すっかり迷子になってしまったのだ。 「どおしよう・・・」 「姉ちゃんに怒られる・・・」 ルナのお仕置きを思い出して泣きそうなリナと、レゾの静かなしかしきっちり怒った声を想像して顔を顰めているゼルのまわりは、もうすっかり暗くなっている。 「どうしよう、ゼルゥ?」 「とりあえず、最初の泉まで戻れればみちはわかるんだけどな」 「ひっく・・・」 ついに泣き出したリナを見て、ゼルも泣きたくなった。 「レゾ・・・」 思わずそう呟いた時。 ふわああああっ あたりが明るくなった。 「「へ・・・?」」 リナもゼルも驚いて、周りを見回すと、あたりには、フェアリー・テイルが飛び交っていた。 「そっか・・・そういえば姉ちゃん、そろそろフェアチー・テイルの季節だって言ってたっけ・・・」 「けど、普通フェアリー・テイルって洞窟にいるんじゃ・・・?」 「この森は、フェアリー・テイルの群棲地なの。だから、季節になると、森中何処でもフェアリー・テイルが見れるのよ。」 「へえ、すごいなあ・・・」 「あ、ねえ、見て!さっきのきれいな花!」 リナが指差す方には、確かにさっき見つけた花があった。 「本当だ!じゃあ、そうすると、泉は・・・」 「こっち!」 それは、幻想的な光景だった。 無数のフェアリー・テイルの中を、少女と少年が手をつないでかけていく。 フェアリー・テイルは、2人を守るように漂っていて・・・ そんな中を2人は、笑いながら昼間見つけた宝物をたどっていく。 そんな、夢のような光景。 「あったあ!泉だぁ!」 「これで帰れるな。」 「あ・・・・帰っちゃう・・・よね。」 「ぁ・・・まあ、な。ここまで来たら、俺も道分かるし・・・」 「やだ、な。別れちゃうの・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 沈黙を破ったのはゼルだった。 「俺、強くなる!」 「?」 「今日は、フェアリー・テイルに助けられたから、今度は俺がリナを守ってやる。だから、強くなる」 「どういうこと?よく、わかんないんだけど」 「だから、待っててくれ。強くなって、必ず会いに来る。リナを守れる男になって迎えに来る。だからそれまで、待っててくれ」 リナは似やっと笑っていった。 「あたしはね、守られるだけなんてまっぴらごめんだわ。」 リナの言葉にゼルは、表情を暗くした。 しかしリナは、笑みを深くして続けた。 「だから、あたしも強くなるわ。そして、ゼルを守るの。」 ゼルは驚いた顔をした。 「だから、ゼル。迎えに来てね。必ずよ。」 ゼルもにっこりと笑った。 「ああ。絶対に迎えに来る。それまで待っててくれ。」 「早くこないと、あたしが迎えに行くからね!」 「わかった。」 2人は向き合って笑うと、同時に後ろを向いた。 「じゃあね、ゼル」 「またな、リナ」 2人は歩きはじめてから決して後ろを振り返らなかった。 2人の約束は、フェアリー・テイルが見届け人となった。 後日、リナがルナに連れられて森へ行っても、フェアリー・テイルは現れなかった。 再びフェアリー・テイルが現れたのは、例年通り3週間後だった。 待っているわ 待っていてくれあなたが 俺があたしに お前を 会いに来るのを 守りに行くのを きっと *************************** あれ?な、なんか違うう〜!!! なんでこんなにフェアリー・テイルが出てるの? 思い付きで出したのにぃ〜!! なんか、超雰囲気も違っちゃって。 別人ゼルと別人リナ・・・どうしよう・・・ まけまけ様ぁ。やっぱり私の守護神はあなただけですう。 浮気してごめんなさい。帰ってきてえ。 ・・・と、失礼しました。私信を入れてしまい・・・ ここまで読んでくださったあなた。本当にありがとうございました。 この「強く儚い約束」、あと1・2話かきたいんですけど、どうでしょうか? ご感想、お待ちしておりまあす。 輝日 朔夜 |
9923 | うみゅ〜〜〜〜〜〜〜〜!!! ですわぁぁ!! | 浅島 美悠 | 5/9-16:31 |
記事番号9915へのコメント いぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!! マジマジマジ!! 感激×一兆〜〜〜!! くはぁっ……(吐血) い…いかん……取り乱してしまったでーすわ…。 ちびゼル君かわいーですわ!!! 続きかくんですわ!? どーぞどーぞ! あたしが許しますわ! あたしの(妄想)ちびゼル君は一人称『ボク』で、弱虫・泣き虫・強がりなんですわ(はぁと) でもこっちのゼル君マジかわいーやんけぇぇぇぇ!! ゼルリナって……やっぱしさいこ……(どごっ!!) 『人様の小説見てにへにへ笑うんじゃないわよ! とっとと自分の物語書きなさい!!』 『まったくだ』 『よっと……さて、びしばし書いてもらうわよぉ〜』 うやぁぁぁぁ!! まだ下書き書いてな…。 『だったら今から書け!!(×二)』 ────ま、とりあえず、がんばってでーすわ。(ずるずる…) 幕。 |
9953 | Re:お許し、ありがとうございますv | 輝日 朔夜 | 5/11-20:38 |
記事番号9923へのコメント 浅島 美悠さんは No.9923「うみゅ〜〜〜〜〜〜〜〜!!! ですわぁぁ!!」で書きました。 > > > >いぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!! >マジマジマジ!! 感激×一兆〜〜〜!! > >くはぁっ……(吐血) > >い…いかん……取り乱してしまったでーすわ…。 >ちびゼル君かわいーですわ!!! >続きかくんですわ!? どーぞどーぞ! あたしが許しますわ! ホントですか?嬉しいなあ。頑張って書きたいと思いまっすv > >あたしの(妄想)ちびゼル君は一人称『ボク』で、弱虫・泣き虫・強がりなんですわ(はぁと) >でもこっちのゼル君マジかわいーやんけぇぇぇぇ!! ボクもいいんですよねえ・・・ 弱虫泣き虫ですか・。私はどっちかってーと、強がりだけど甘えん坊、普段は泣かないけど、ここぞという時に泣く要領良し(?)さんかなあ・・・(何か違う) > >ゼルリナって……やっぱしさいこ……(どごっ!!) > >『人様の小説見てにへにへ笑うんじゃないわよ! >とっとと自分の物語書きなさい!!』 >『まったくだ』 >『よっと……さて、びしばし書いてもらうわよぉ〜』 > >うやぁぁぁぁ!! まだ下書き書いてな…。 >『だったら今から書け!!(×二)』 > >────ま、とりあえず、がんばってでーすわ。(ずるずる…) いいなあ・・・浅島さんとこの2人はつっこみいれてくれるんだぁ。 うちのキャラ達はまけまけ様に弱いから来てくんないんです・・ > >幕。 > なにはともあれ、ありがとうございました!またのご利用をお待ちしてまぁす! 輝日 朔夜 |
9956 | 強く儚い約束 〜 明かされる刻 | 輝日 朔夜 | 5/11-22:46 |
記事番号9915へのコメント こんにちは!約一名のお許しを得たので調子に乗って書きます。 え〜っと、今日は、ゼルサイドと、約束の更新を書こうかな、と。 ほっとんど、ゼルの語りになると思いますが、ま、今までの出番の無さを思えば、当然でしょう。ですよね?そう思ってください(泣) 今日は、友達をまけまけ様に捧げたら、超ご機嫌になってくれたんで、頑張りまーすv では。本日もお付き合いくださいな。 *************************** 驚いた。本当に驚いた。 ゾルフに連れられて「賢者の石を奪った奴」の所に行った時、そ こにいたのは「リナ」で。 あの頃よりもずっと大人になって、しかしその瞳の輝きだけは変 わらず、誰をも魅了する、強い光を放っていた。 危うく、リナ、と呼びかけそうになったのを堪えられたのは、リナ の隣にいた男の存在と、レゾに変えられた己の姿だった。 初対面の振りをうまくできた時は、己の表情の乏しさと、(全ての 元凶であるにもかかわらず)合成獣の身体に感謝してしまった。 「ふ、まいったな・・・」 「ゼルガディス殿、どうなされた?」 「いや、なんでもない、ロディマス」 そう。今更明かせる訳が無いんだ。こんな合成獣の身体になっ て、どうして明かせようか。 もし、リナが覚えていたとしても、遠い思い出を汚す必要は無い。 あんな約束、覚えている訳がないのだから。 「それに、守護者もいるようだしな。」 ロディマスとゾルフが心配げにこちらを伺っているのに、苦笑を浮かべて目を瞑る。 もう、俺はリナに必要でないのだから。 そう、心にいいきかせて。騒ぐ心を押さえつけた。 全てが終わった。レゾは、シャブラニグデュは滅びた。 ロディマスとゾルフも散っていった。 「じゃあね」 リナと握手をする時、無意識に右手を差し出していた。 ロディマスにも、許さなかったのにな。 「じゃあな」 それからオレ達は、何度もであった。 3人だけでなく、で正義かぶれのセイルーンの姫アメリアとも。 運命のいたずらとしか思えない。 本当に、リナは敵が多い。重破斬のせいなんだろうが。 だから、俺は心に誓った。 俺は、リナの隣にはいれないけど。 他の奴がもういるけど。 それでも。 それなら、俺はリナの後ろを守ろう。 幼い頃に夢見たリナの隣で守れなくても。 リナが誰を想おうとも。 リナの後ろで、誰にも知られずに、愛する存在を守ろう。 誰にも見られることのない、哀れな道化として。 リナを愛しつづけよう。 そして、リナを想って死のう。 誰にも知られない想いを抱え。 1人満足して死に逝こう。 ただ、リナの幸せを祈りながら。 「ゼルガディス」 宿の食堂で1人、チビチビと酒を飲んでいるとリナが降りてきた。 「隣、良い?」 頷くと、隣に腰掛ける。 表情は暗い。 無理も無い。ガウリイがフィブリゾに連れ去られたのだ。 これで平気に顔をしていたらどうかしている。 「ゼルは、さあ・・・」 リナが、ぽつりと呟く。 「フェアリー・テイル覚えてる?」 いきなり呟く。 どきりとした。あの時のことを思い出したからだ。 「サイラーグのフラグーンで見たあの時か?」 自分の心を誤魔化し、そう尋ねてみる。 告げたいのに。リナに、俺が「ゼル」だと告げてしまいたい。 「ああ、あれ、すごく、綺麗だったわねえ」 俺は、知ってる。もっと美しいフェアリー・テイルを。 「知ってる、ゼル?フェアリー・テイルの下で交わされた約束は、決して違うことはないんですって。どんなことがあろうとも、フェアリー・テイルが必ず叶えてくれるんですって。」 リナがこちらをみる。穏やかな口調とは裏腹に、瞳は激しい光を放っている。 リナが何が言いたいのか分からない。 いや、分かりたくないのかもしれない。 俺は、努めて冷静に言った。瞳の光に気付かない振りをして。 「そうか。残念だな。俺は何の約束もしたことがない」 「したわ」 即座に返す。 まるで、そう答えるのを待っていたように。 いや、実際待っていたのかもしれない。 「したじゃない!昔、ゼフィーリアの森で! 一緒に遊んで、一緒に迷子になって、2人で約束したじゃない! 迎えに来るって、言ったじゃない!強くなって迎えに来るって! 守ってくれるって・・・必ず来るって・・・言ったじゃない! なのに、どうして・・・どうしてなにも・・・!」 驚いた。本当に驚いた。 リナは、俺に気付いていた。 そして、俺が打ち明けるのを待っていた。 嬉しかった。本当に嬉しかった。 俺のことを覚えていてくれた。 約束を覚えていてくれた。 悲しかった。何よりも、本当に悲しかった。 俺の合成獣の身体が。 レゾが与えた最強の武器と防具が。 だから、だから俺は。 「リナ。何のことだ。俺はゼフィーリアの方に行ったことはない。人違いだろう。」 そう答えるしかなかった。 リナは、俺を睨み付けて何かを言おうとしたが、ぎゅっと唇を引き結んで、押し黙った。 「リナ、ガウリイのことで疲れてるんだ。早く寝ろ。」 「・・・・・・・・・・わかったわ・・・・・・・・・」 それだけ言うと、上がっていった。 まさか、気付いていたなんて。 もしも、もしもリナが俺を受け入れてくれるなら・・・ いや、そんな事を言ってもリナの負担になるだけだ。 今は、ガウリイのことだけを考えれば良い。 その後は? 俺は、どうすればいいのだろうか? その答えが出ることはなかった。 ガウリイをフィブリゾから取り替えし、フィブリゾも滅んだその夜。 俺は、明日にも仲間と別れて旅立とうと準備していた。 周りはみな寝静まり、俺は準備も終わり、月を見ていた。 「良い月ね」 「リナか」 不思議と驚きはなかった。 「明日、出るつもりだったのね」 リナが、当然のことのようにいった。 「ああ」 沈黙が降りた。2人ともただ、月を見上げていた。 「ねえ、ゼル」 「・・・・・なんだ」 「あの日も、こんな満月だったかしら」 あの日がいつのことだかは、すぐに分かった。 「ああ、そうだったな」 無意識に唇から言葉が零れた。 リナが、嬉しそうに、静かに微笑った。 「やっと、いってくれたわね」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 何も言わない俺に、それでもリナは笑っていった。 「いいのよ。なんでゼルが言わなかったのか、分かってるもの。 ただ、1つだけ、言わせて」 リナの笑みが変化した。 悲しそうな、嬉しそうな、儚くて、強い笑みへと。 「待ってるわ、あたしは。ずっと。たとえゼルが迷惑に思っても、でも、お願いだから、待つのだけは、許して。帰ってこなくても良いから。」 その笑みを見た時、俺は迷いを捨てた。 リナを、腕の中にひき込む。 そしてその耳に言葉を吹き込む。 「 」 風に溶けて消えたその声を、リナは聞き取ったようで、腕に力を込める。そして、呟く。 「約束よ、ゼル。あたし、待ってるわ。いつまでも、きっと」 「ああ、約束だ」 俺から離れ、リナは声を上げた。 「フェアリー・テイル」 振り返ると、たしかにフェアリー・テイルがとんでいた。 「一つだけだがな。しかし、どうしてこんなところに?」 「いいじゃない」 リナがそっと身を凭せ掛けて来る。 「どんな理由があるにしろ、この約束は、フェアリー・テイryの下で交わされたんだもの。必ず叶うわ」 「そうだな」 俺達は、ずっとみていた。 フェアリー・テイルが消えるまで。 *************************** とりあえず、今回は終わりでえす。 あとはねえ、ゼルとリナが再会してから(1話)の後です。 それで終わる(とおもう)んで、よろしくお願いします。 まけまけ様、途中で寝ちゃったんで、途中から(最初からの説もあり)へんですが、ふっか〜い心で許してくださいねvうふっv では、このへんで。感想待ってまぁす。 輝日 朔夜 |
9970 | 貴方のママはマシューおじさんの……。(くすっ) | 浅島 美悠 | 5/13-08:31 |
記事番号9956へのコメント きゃいきゃいきゃ〜〜〜〜〜〜〜ぃぃっっ☆☆ ですわっ。 はぅっ……ゼル君カッコいい! よすぎですわ! あたしの……あたしのゼル君なんて……(しくしく) 乱暴でがさつで、リナちゃんにだけ優しくて……。 一人分けてでーすわ。(笑) 次もありますわ!? しかも終わり!? 悲しいですわ……。 待ってますわ! ちゃんと! だから早くですわ〜(待ちきれない〜) でゅわぁ〜。 Miyu Asazima |
9990 | Re:あはははははは | 輝日 朔夜 | 5/14-20:27 |
記事番号9970へのコメント 浅島 美悠さんは No.9970「貴方のママはマシューおじさんの……。(くすっ)」で書きました。 > > >きゃいきゃいきゃ〜〜〜〜〜〜〜ぃぃっっ☆☆ ですわっ。 > >はぅっ……ゼル君カッコいい! よすぎですわ! >あたしの……あたしのゼル君なんて……(しくしく) >乱暴でがさつで、リナちゃんにだけ優しくて……。 うーん、うちのゼルくんは、超!照れ屋なんですよお。 >一人分けてでーすわ。(笑) ちょっと、なんとも・・・リナちゃんに直接交渉してください! > >次もありますわ!? しかも終わり!? です。・・・たぶん・・・きっと・・・おそらく・・・ >悲しいですわ……。 >待ってますわ! ちゃんと! だから早くですわ〜(待ちきれない〜) > >でゅわぁ〜。 がんばらせていただきます! > > Miyu Asazima 輝日朔夜 |
9995 | 強く儚い約束 〜 過去との訣別、そして未来へ | 輝日 朔夜 | 5/14-22:44 |
記事番号9956へのコメント こんにちは。やあっと最終話です。こんなにも長い間、おつき合いいただいてありがとうございます。 あ、ちなみに、時間的には一番最初の話のすぐ後に当たります。 そーいう訳で、、行ってみたいです。 *************************** リナとゼルガディスは、約束の森を歩いていた。 アメリアも来たがったのだが、シルフィールの説得とリナの脅し、そしてルナの、「お願い」により、スポットの世話をしている。 「しかし、ディルギアがお前の姉貴に飼われてるとはなぁ。しかもスポットとは、なんというか・・・」 ディルギアの哀れな末路をリナに見せられた時、たっぷり10分は笑ったゼルガディスは、思い出して、また少し笑った。 ちなみにディルギアは、最初ゼルガディスが分からなかったが、リナに言われて気付くと、ゼルガディスに飛び掛かって、ルナにたっぷりとお仕置きをくらった。 「あたしも最初に見た時、お腹がよじれて痙攣起こすまで笑ったわよ」 リナはさすがに慣れている。 「まあ、9,10年ぶりだったか。ちっとも変わってなかったな」 「あいつは一生進歩しないわよ」 リナのキツい一言にさっきのとは違う笑みを浮かべる。 「・・・なによ」 上目遣いに睨み付けて言う。 「なんでもないさ・・・ああ、着いたぞ」 2人が目指していたのは、2人が出会い、別れた泉だった。 泉は相変わらず静かにそこに在った。 「ここに、ゼルが座ってたのよね」 リナが、ゼルが座っていた辺りに座って言った。 「ここからリナが現れたんだな」 2人が通った辺りをさして言って、リナの隣に腰を下ろす。 「驚いたぞ。いきなり手当てを始めたんだからな」 「こっちだって驚いたわよ。いきなり怪我してるし」 少しの間、2人は何も言わなかった。 「ねえ、ゼル」 「なんだ・」 「ゼルは、あたしと別れてから何してたの?」 「なんだ、いきなり」 「知りたいの。ゼルが何処でどうやって、何をしてきたか。どうやって元の姿に戻ったのか、全部」 ゼルに寄り掛かり、目を閉じてリナが呟く。 ゼルも木々の向こうを見て、静かに答える。 「長くなるぞ」 「かまわないわ」 「その後、お前も言うんだぞ」 「当然よ」 「なら・・・」 そして、歩つりポツリと話し出した。 リナと会う前各地を回ったが、収穫が無かったこと。 レゾの研究所にも何も手がかりが無かったこと。 クレアバイブルの存在を知ったため、目標をそれに定めたこと。 竜族を尋ねたこと。 ミルガズィアさんとの再会。 そして、クレアバイブルとの遭遇。 リナは静かに聞いている。 「ミルガズィアのおかげでクレアバイブルに辿り着くことができた」 「あたしたちもミルガズィアさんに会ったわよ。妙なエルフと一緒だったでしょう」 「ああ、なんだか良く分からんが、妙ということだけは確かなエルフだろう?」 「そう。しっかし、竜族のセンスって良くわかんないと思わない?」 「確かにな。リナに言われてプライドが傷ついたとか言われてギャグ100連発とかやられたぞ・・・・」 げっそりといった様子で呟く。 「うわ、ゼルどうしたの?1発でも即死もんだったでしょ?」 「まあな。1つ聞かされた時点で耳栓をしたが・・・それでも1週間は寝込んだぞ・・・」 哀れというのが相応しい表情で言う。 「あちゃあ」 可哀相というように顔を顰める。 「それより、リナはどうしてたんだ」 ゼルの言葉に、リナも話しはじめる。 ガウリイの剣のこと。 ルークとミリーナという2人組みの宝捜し屋に出会ったこと。 覇将軍シェーラのこと。 覇王グラウ・シェラーのこと。 最後には魔族と化した青年のこと。 ミリーナの死。 ルークが実は魔王シャブラニグデュだったこと。 そして、その最期。 ゼルガディスは黙って聴いていた。 そして、黙ってリナを抱き寄せた。 何も言わずに、ただリナが零す涙を受け止めていた。 しばらくたって、ゼルガディスはぽつりと呟いた。 「ルーク・・・たぶんそいつは「赤のルーク」だろう」 「しってるの、ゼル?」 「ああ。鮮やかな赤毛と魔法で生み出す紅い剣。そしてなにかを求めるように、餓えたように血を求めた暗殺者。確かある一件を受けた時、相手方の護衛の銀髪の娘と共に姿を消したはずだ。2人で逃げたとも死んだとも言われていたが・・・そうか、生きてたか」 どこか懐かしそうに喋る。 「ゼル、知ってるの?」 「ああ。一度だけ会ったことがある。その時思ったんだ。ああ、こいつは同類だって。俺と同じで、なにかを求めて、なにかを探して、見付からなくて苛々して血を求めているって。向こうもそう思ったらしくな。一緒に酒を飲んだんだ」 「暗殺者と魔剣士が、飲み会?」 からかうように、リナがきく。リナの瞳には、光が戻っていた。 「まあ同類ってことでな。けど、あいつは最後で見つけたんだな。生まれた時から求めていた、たった一つの、「なにか」を」 どこか、羨むような響きを感じて、リナが尋ねる。 「ゼルは、見つけたの?その、「なにか」を」 不安そうなリナの声に、微笑して、リナの耳元に囁いた。 「俺の「なにか」はお前だ、リナ」 そして顔を上げると、辺りはもう暗くなっていた。 そしていちめんに漂うフェアリー・テイル。 「そんな・・・馬鹿な・・・」 ゼルガディスの声に顔を上げたリナも声を失う。 今はもう、秋も盛り。夏に出てくるはずのフェアリー・テイルがいるはずがない。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 2人はしばし絶句していたが、同時に笑った。 「理由なんてどうだっていいわ」 「そうだな」 「綺麗ね・・・」 「ああ・・・」 2人は再びフェアリー・テイルを見ていた。 やがてゼルが口を開いた。 「レゾの研究所で、ある、ノートを見つけたんだ」 リナは黙って聴いている。 「それは、俺の成長記録だったんだ。いや、子育て記録か。それには、俺の成長ぶりや、様子が事細かに書かれてたんだ。目には見えない分、気配や、触った様子・・・そうそう、俺が初めて喋った言葉はな、「レゾ」だったんだそうだ」 リナはそっとゼルガディスの顔を見上げたが、表情は分からなかった。 「最後の方に、レゾの夢が書いてあったんだ。俺が、死んでいく夢だ。力が欲しい。大切な人を守る力が欲しいといいながら死んでいくんだそうだ。そこで、その記録は終わってた。ただ、一番最後のページに、「すまない」とだけ書いてあった」 そこまでいうと、ゼルガディスはリナを抱きしめた。 「それを見た時、どうしていいのか分からなかった。いまは・・・!」 「ゼル・・・」 リナは、ゼルガディスを抱いていった。 「レゾは、本当に、あなたのことを想っていたのよ。だから、そこをシャブラニグデュにつかれたの。例えあなたに嫌われても、あなたを護りたいっていう想いを、シャブラニグデュが歪めて、利用したの。レゾは、きっともっと違う方法を探してたんじゃないかしら」 ゼルガディスはリナの言葉を聞いていた。 「俺は、嬉しかったんだ。レゾが、俺のことを想ってたことを知って・・・俺は、強くなりたかっったんだ。リナを守るために。レゾの役に立つために・・・だから、傷ついた。レゾが俺との約束を忘れたんだと思って・・・だから、もういい。もういいんだ。もう、過去に縛られたりしない。未来を見つめて生きていく。だから・・・」 そこから先は、リナの耳に直接吹き込まれた。 フェアリー・テイルの見ているその下で。 「俺の隣で歩いていってくれないか」 <終> *************************** 終わりましたぁ。やっと。やっとです!ほんとに長くお付き合いいただきありがとうございました。 なんか、未来へ!てカンジにしようと思ったら、さようなら過去!て感じになりました。まあ、いっか。(いいのか、おい) にしても、ゼル君ったら、ジジコン〜。 もとい、ファザコンにしときましょうか。 あはは、これ、私の理想なんです。 ゼルを溺愛するレゾと、レゾ大好きなゼルって。 だからこそ傷ついた〜みたいな。 はは。閑話休題。 リナちゃんの出番が減ったのは、私も不思議です。 まあなにはともあれおわりです! 本当に長い間ありがとうございました。 ご感想、おまちしております。 輝日朔夜 |