◆−もっと強く生きらる? きっと夢は叶う? #19−浅島 美悠(5/3-19:27)No.9838 ┗おめでとう!パチパチパチ!−セラフィーナ(5/3-21:15)No.9839 ┗Re:おめでとう!パチパチパチ!−浅島 美悠(5/5-14:16)No.9856
9838 | もっと強く生きらる? きっと夢は叶う? #19 | 浅島 美悠 | 5/3-19:27 |
「あんた、これからどうするの?」 あたしは、やたらとデカイ魔方陣を書いているリディスに聞いてみた。 なんでも、これがその問題の天使の歌声=時を越える術だそーだ。 「しばらくここに留まろうと思う…。魔道の研究を少ししたいからな…。 それから……群狼の島へ…。ゼルガディスを………助ける」 ざ。がりがり。 チョークと地が触れ、音を出す。 「…………帰れるかどうかはわからんがな…」 「帰りなさい。あんたには、その資格があるわよ」 「…フン……言うと思ったぞ…」 「だったら言わないの!」 笑って、ばしんとリディスの背を叩く。 「いてっ! もーちょっと力加減できんのか? お前は……」 背中をさすりさすり、リディスがぶつぶつと不平を呟く。う〜。なんかゼルに言われてるみたい…。 あ、そーいえば。 「ゼルガディスとレインは?」 「さっき、二人きりで話があるとか言ってたが…」 「………お前なあ…」 「どこか気に入らない所でも?」 額を片手で覆うゼルガディスと、いぶかしげな顔をするレイン。 よく見ると、なぜかゼルの顔が完熟トマト…。 「どこでこんなモン…」 「リナ・インバースの所持品はすべて排除してあったんですが、奇跡的にこれだけは」 涼しい顔で言い放つ娘の従者に対し、ゼルガディスはますます赤くなる。 「オレからの、感謝の印とでも」 にこ、と笑顔を見せる。 「ま、とりあえずもらっておくぜ」 しょーがない、とでも言いたげな顔で呟く。 「そうそう、あいつを落とすのなら早めにしておけよ。 どこぞの女魔道士の血を色濃く受け継いでいるらしく、鈍感ボケボケ娘だからな。あいつは」 お返しとばかりにゼルガディスが付け足す。それに、今度はレインが赤くなった。 ………魔族に赤くなる、とかいう動作があるのかはともかくとして。 「ゼルー!! どこ行ったのよー!! 置いてっちゃうよぉーー!?」 遠くで、リナの声が聞こえる。少し怒っているな。あれは。 ぷんと頬をふくらませているリナの顔が目に浮かぶ。 「……行くか」 「はい」 「中心に立ってくれ。それと…これ以後、何があっても手を離すなよ」 出来上がった魔方陣の中のあたしたちに、リディスが指示をする。 う……手を繋ぐってゼルとぉぉぉぉ? 嫌じゃないけど…なんかなぁ〜…。 そう思っていると、ゼルがあたしの耳元で囁いてきた。 「手が嫌だったら腕でもいいんだぞ?」 「ばっ馬鹿!! いじわる!」 なんちゅーこと言うのよ! あんたは! 「お前ら………漫才はあとでやってくれ…頼むから」 あ、リディス脱力してる。 えぇ〜い! もぉどーとでもなれ!! あたしはヤケクソ半分でゼルの手を握る。 「いっ…いーわよ!」 声がうわずっているのは無視よ! そこ! 笑わない!! にっとリディスが笑う。そして、両手を掲げ、詠唱に入る。 ──遥かな夢よ 闇に浮かぶ星 蒼き流れが 静かに灯る 等しく 優しく 其の祈りは ぬくもりの象徴── 薄い──本当に薄い蒼い光が魔方陣を取り込む。 レインが、リディスの真横で口を動かしているのが見える。 二人がかりの……呪文なんだ…。 ──現実より現実に近く 過去より遠い 汝らの在るべき<場所>に 汝らの帰るべき<場所>に 祈りが届くように── ──我は── ──ここに── 『誓願す』 フィィィィィィ……。 光が輝きを増す。リディスの顔も、もう見えない。 ぎゅっと、あたしはゼルの手を握りしめる。 岩でできているハズのその手は、冷たいのに暖かくて。あたしは少し安心した。 元の時代に戻れなくったって、このまま光の中にいたって、隣にゼルがいるなら。 あたしはどんなことでもやっていける。 主よ 願わくば この者たちに 加護のあらんことを── フィン……。 それからどれくらいたったのだろうか。あたしたちは、見知らぬ草原に立っていた。 「……もど、れた?」 「さあな」 あたしの問いに、答えるゼル。さあなって………。 「ん〜…これからどーしよっかな〜」 思い切り伸びをする。いろんなことがあったからな〜。 リディスや、レイン。アミエラや、未来のゼルにあたしのこと。 まだごちゃごちゃしてるけど── 「とりあえず、ガウリイ達と合流しよっか。心配してると思うし」 「そうだな…あ、リナ」 ゼルがふと思い出したようにごそごそと懐を探る。 そして取り出したのは。 「……ロケット?」 何の変哲もなく、何の飾りっ気もない銀のロケットペンダント。だった。 「レインが俺たちに、だとさ」 あたしたちに…? 疑問に思いながら中を見ようと── 「リナさーーーーーーん!! ゼルガディスさーーーん!!」 「リナーーー!!」 聞き覚えのある声が、後ろから聞こえた。 振り向けば、こちらに駆け寄る二つの影。 「アメリア! ガウリイ!!」 「も〜! なんでこんなとこにいるんですか!? 私達あれからずいぶん探したんですよ?」 アメリアが怒った口調であたしに言う。 「アメリア、よね?」 「? 私ですけど?」 きょとんとするアメリア。そっか……よかった…戻れたんだ。 ほぅっとため息をつく。 「俺たちがいなくなって…何日たった?」 「へ? まだ二、三時間ぐらいしかたってねーよなぁ? アメリア」 「ええ。いきなりお二人が消えてしまったので、手分けして探していたら、蒼い光が村の裏手に見えて…」「(時間の経ち方がずれているらしいな)」 ゼルがあたしに耳打ちしたその瞬間。 「あれ、これなんですか?」 アメリアがひょいと何かを…銀色に光る何かを拾う。……ってげっ!? 「お、おいそれは…!!」 あたし以上にあわてて、ゼルが何か。すなわちロケットを奪おうと手を伸ばす。 いっ…いつのまに落としたんだろ!? っつーか…何が入っているんだろうあの中…。 かち。 ふたを開け、中身を見るアメリアとガウリイ。 ぴきききききききっっ!!! そして二人同時に硬直する。なっ…何々? あたしは中を見ようと顔を── ……え── 「……だからよせって言ったんだ…」 照れたような、ゼルの声が聞こえる。 中には。 ゼルと……赤ん坊を抱いたあたしが映っていた。 ………この子は…。 「り、りりりりりりりりりリナさん……!! ゼルガディスさんとこんな関係に…!」 「ぜ、ゼル〜。お前さん意外とやるなぁ〜」 「なっ! 何言ってるのよ!! これはそのっ…」 「おっ…俺は別にそんな……」 「大丈夫です。リナさん。もぉこーなったら私、諦めます。その赤ちゃん大事にして下さいね…」 「ちょっ……ちょっとアメリア!!」 「ゼルガディス…。リナのことよろしくな…俺の保護者の役目はここまでだ……」 「だ、旦那! これはちがっ…」 現実逃避に入るアメリアたちと、狼狽するあたしたち。 「…で、その子のお名前は?」 アメリアが覇気のない声で問う。 う……。 「……」 「……」 あたしとゼルは顔を合わせて……小さく笑う。 この子は──あたしたちの子。 『リディス──』 #19・了 もっと強く生きられる? きっと夢は叶う?・了 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ちょっとした言い訳でーすわ。 最終回なのに、こんな変な終わり方してごめんなさいですわ!! ふぇぇぇ〜〜〜ん…ですわ〜。 とりあえず、月並みですがここでこのお話はおしまいでーすわ。 応援&感想下さった方。 そしてセラちゃんときょん君っ(はぁと)今までありがとですわっ。 こんな駄文を最後まで読んでくれた方にも、心からお礼申し上げますわ。 またお会いする日を楽しみにしてますわ。 でゅわっ!! Miyu Asazima |
9839 | おめでとう!パチパチパチ! | セラフィーナ | 5/3-21:15 |
記事番号9838へのコメント みゅへ 最終回おめでとう!! よかってよ。最後のロケットのシーンほのぼのしてて好きです。 声が二人で『リディス』って言う所もいいです〜〜〜〜!! とにかくお話終わらせられて、おめでとう! また、次も頑張ってね!! |
9856 | Re:おめでとう!パチパチパチ! | 浅島 美悠 | 5/5-14:16 |
記事番号9839へのコメント セラちゃん、感想どもどもサンクスですわっ♪。 ふみぃ〜〜〜それとお返事遅れてゴメンですわ〜。 でもよかったですわっ。セラちゃんが感想書いてくれて、ですわ。 とっても嬉しかったですわ。 あのロケットの部分…あたしはなんか気が進まなかったんですけど、 セラちゃんがそう言って下さったおかげで、吹っ切れましたでーすわ。(オイ) でゅわでゅわっ。『雨の中の天使』もよろしくでーすわ。(ちゃっかり宣伝) Miyu Asazima |