タイトル : 裏で手を引く者の周り【番外編U】(召使いその一編)
投稿者 : コウ
投稿時間 : 2009年6月4日20時56分43秒
自分が造った刃に貫かれる。
探し続けていた器を見つけ出し、主へと伝えた。
会心の笑みを浮かべ、混沌へと帰った。
わたしは、滅びた。でも、………きっと、魔王は復活して、……わたしの名を馬鹿にした人間も、その仲間も、そして同族も部下もそして敬愛する主も、……滅びる。
わたしは、ただ先に滅びるだけ、………無能に滅びるわけではない。大切なことを伝えるから、あたしは、………あの方に道具としていたとしてもきっと、名前を覚えていてくれる。
………滅びるまで………きっと、………。
滅びるときの夢を見た。
彼女=シェーラは、布団から起きる。
シェーラは金色の魔王から創られた赤眼の魔王が創り出した五人の腹心。
その中の一人、覇王グラウシェーラから創られた四人の直属の部下の一人。
覇王将軍シェーラ。
覇王が冥王の昔の作戦を模倣した作戦で赤い竜神によって七つに分けられた魔王の内一つの封印を見つけ出して、滅びた。
その後、どうなったのかそれは甦ったとき聞いた。
魔王は復活したが、それは偶然だった。覇王の手によってではなく覇王は傷を負った。
そして、魔王は滅びた。ある、魔道士の手によって、………。
なぜ自分が甦ったのかそれは混沌の主である金色の母、金色の魔王の暇つぶしの召使いとして甦った。
………情けない。そう思いたくなる。
金色の母によって与えられた衣装=猫耳しっぽに鈴つき首輪のメイド服を着て、朝食を創っている。
ベーグルサンドを作り終えた時、
「よー。シェーラちゃん。今日もかわいいね。」
と、金色の魔王=L様が見つけた手下ネズミ男がそこにいた。
地獄という場所のアジトの持ち主だ。
「………おはようございます。」
妖怪という存在らしいが、はっきり言って貧相という言葉が似合う男だ。
ここは、自分がいた世界とはあえて言うなら世界を本に他のたとえるなら、自分がいた世界が一つの本。ほかに三つの本がある。
そして本棚があるとしよう。
今いる場所は、別の本棚の本。
と、言う場所なのだ。
「召使いその一〜。朝ご飯まだ〜。」
L様に名前を呼ばれないが、あの方なら覚えてくれるはずもない。
魔王様の名前も省略している。
「はい。ただいま。」
と、シェーラは朝食を用意した。
グラウシェーラだからシェーラなんて単純。
ある魔道士=リナにそう言われ覇王に聞きに行ったときシェーラは覇王に、自分を道具のような者と言われた。
そのリナも、この世界に呼ばれた。
リナはおもちゃとしてこの世界でべつのおもちゃ=ゲゲゲの鬼太郎に出会った。
あのお方はなにかまた別のおもちゃを呼び寄せようとしている。
べつの召使いとして甦ったその二の魔竜王ガーウに冥王フェブリゾもいる。
二人とも猫耳メイド服で特にガーウが犯罪的に似合っていなかったりした。
L様の娯楽旅行につきあわされ、買い物をもつ。
この前は遊園地と言う者につきあうことになった。
さすがに遊園地には、普通の服を着ていった。
ジェット・コースターを十五回ものりすっかり酔う羽目になったのだった。
だが、なぜか滅びる前よりも充実感があった。
シェーラはそれを気づいていなかったが………。
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