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    タイトル : 漆黒に踊り出る7
    投稿者  : 井上アイ
    URL    : http://kibunnya.kakurezato.com/
    投稿時間 : 2010年2月11日17時45分20秒

しかし、インターポールの人間まで、出てくるとは、彼は思っていなかった。
リッチを始末させるのに、とんだ邪魔者が来た。と、内心怒り狂っているが、それを表に出さない。
屋上が、逃走ルートの可能性があるのは、ライアンにも分かっている。
空と陸、どちらを選んでも、確保できる様に、手筈はしてある。
密かに口の端を持ち上げ、ライアンは、腰を上げた。
ワイザーと共に、地下の駐車場へ着いたザングルス。2人が目にしたのは、ボディーチェックを受けている警察達。
20台収容出来る駐車場は、警備会社の車とパトカーで、半数を埋め、空いているスペースで、それは行われていた。
「これだけか?」
「人が多いと、動き難いという、ライアン殿の注文でしてな」
50人程の警備会社の制服姿に、警察の人間は20人。
怪盗リッチを相手するには、少ない人数に、眉を寄せたザングルスの横で、ワイザーは肩を竦めた。
「盗んでくれ。て言っている様にしか、見えんな」
「金庫室のある17階だけを固める警備体制ですからな。これ位で十分だと、判断を下されたのでしょうな」
「ワイザー警部はどちらに?」
「それについて、謝らねばなりませんな。私は、警備体制が整い次第、外れる事になっていましてな」
読めない表情で、自らの顎を撫で、言ったワイザーに、ザングルスが驚愕の表情をみせる。
それに、ワイザーは苦笑を浮かべた。
「先に述べた通り、警備の主導権は、警備会社。当然、指揮を取るのも、あちらにおられる。警察側に指揮官がいては、指揮系統が乱れるという事で、私は、建物に残る事を、許されていないのですよ」
「あり得ない。警察を何だと……」
「まあ、中に居なくとも、出来る事はありますからな。一緒に、夜空でも楽しみましょう」
これ以上無いという程、苦々しい表情をしたザングルス。その肩を叩き、ワイザーは癖のある笑みを浮かべた。
それぞれ、乗ってきた車に乗り、地上へと向かう。
地上と地下を隔てる所で、一時停止、守衛室が、そこにはあり、駐車場が開いている間、警備員が常駐しているのだ。
いつもなら、すでにシャッターが下ろされる時間で、居ない筈なのだが、そこには、2人の警備員が居た。
リッチの侵入を警戒して、閉められたシャッターが、その警備員により開けられ、2台の車は、地上へと出る。
地上には、ビルを囲む様に、パトカーが止められていた。
◆◆◆
話進まないね……
続くっす


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