. ツリー表示 . 番号順表示 . 一覧表示 . 新規投稿 .
お姉さんが教えてあ・げ・るv ←ここをクリック    読みまくれ1  読みまくれ2  著者別  練習
カテゴリー別検索 ツリー内検索 過去ログ検索 ▼MENU
<<< BACK 3 / 5 NEXT >>>

18564Re:水蓮華 後編友貴 E-mail URL2010/1/24 23:21:10
記事番号18562へのコメント

天海さん今晩は!
やっとお邪魔&拝見することが出来ました…!!
(仕事の忙しさをどれだけ恨んだことかっ!)

水蓮華、凄く素敵でした!
幻想的な舞台、そしてゼルの飄々とした性格にリナの可愛さ!
天海さんの描かれる文章、凄く好み、というかフィーリングにあうというか…とにかく大好きです!!
特に天海さんの描かれるゼルは結婚したいくらい好みです(笑)

数少ない(涙)ゼルリナスキーとして次作も期待&楽しみにしております!


それでは、お邪魔しました!失礼します。

追伸)毎度わたくしの妄想ブログにコメントありがとうございます!
本当に嬉しいですー!

18563Re:漆黒に現る4匿名 2010/1/19 14:06:54
記事番号18559へのコメント

アクションが物足りないと思う。
良く分からない箇所もあるし、情景が分かりづらいかも。

18562水蓮華 後編新月 天海 E-mail 2010/1/12 23:14:39
記事番号18561へのコメント

こんばんわ。

何度も言いますが、生粋のゼルリナです。
予想外に甘く出来上がってしまいました。
それを含めて読んでください。

では、どうぞ。



ふわり、と唇に何かが触れた。

(あま、い…)

あたしの口の中に蜜のようなものが―…!?

そこで思考が完全に目覚めた。

目を開けると、そこにはゼルの顔のどアップ。

「目が覚めたか」

「い、い、ま…あ、たしに……?」

何をしたのかはなんとなく理解は出来るが、動揺のあまり思うようにしゃべれなかったりする。
ついでに彼の顔を間近でなんて見たことあまりないものだから、顔が赤くなり、心臓がこれでもかと音を立てている。

「あぁ、眠ってたんでな。
 夜が明けそうだったし、そろそろ起こした方が良いんじゃないかと思ったんだが」

言われれば確かに、東の空が白み始めていた。
しかし、今はそれどころではない。
彼の手元には水蓮華。
舌に残る甘い…感覚。
ゼルのうっすらと濡れた唇…

ま、まさか…

「理性が持たなかった…」

「あっ!のねぇ!理性が持たないで済むかぁ!!
 あたしのっ――!」

ファーストキスをっ!なんておとめちっくなこと口には出せなかった。

自分で無理やり口元を抑えて言葉を飲み込んだ。
効果がないとは知りつつ、思いっきり彼を睨む。

どうやら水蓮華の華の蜜をゼルが…く、口移しで…飲ませたようだけど…///

起こすんなら普通に起こしなさいよ!

「お前、それが逆効果だってわかってるか?」

呆れた様にため息をついて、ゼルがあたしに手を伸ばす。
我知らず、あたしは身を引いた。

「な、なに…?」

「怯えるな、頼むから」

そ、そんなこと言われても…

彼の縋るような瞳。
翡翠色の透き通ったそれは、まっすぐにあたしを射抜く。

ひたり、と頬に手が添えられる。

「好きだ…」

え…?

「ゼ、ル……?」

声が震える。
これは幻聴…?
それとも夢の続き?

「ごめん、ちょっと、待って…」
「リナ?」

どうにも混乱してうまく言葉が繋がらない。
ゼルが説明も理由も単刀直入でしか話さないのも知っている。
だけど、あたしが落ち着くために時間が欲しかった。

「あたし?が、好き…なの?」

「こんな早くに伝えるつもりも、困らせるつもりも無かったんだ…
 だが、どうにも抑え切れなかった」

すまない、と呟いて頬から手を離し、瞳を伏せる。

「ほんと…?」

「ん?」

「好き、って…」

呆然とするあたし。
まだ信じられない。
てっきりゼルはアメリアが好きなんだと感じていたから。

「俺は冗談でこんなことが言える人間じゃない」

確かに。
ゼルはこの手の冗談が嫌いだ。

「あ、あたしは…」

心臓がうるさい。

体が震える。

ゼルに聞こえてないかしら。
こんな間近で顔を付き合わせているのに。

「あたし……き…」

「リナ?」

「〜〜〜〜!…ゼルが…っ、好きって言ったの!」

恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
だけど、今機会を逃したら絶対に、一生後悔する。
目の前で驚愕している彼の顔を見る限り、きっとお互い嫌な勘違いをしていたに違いない。

「……なによ、その顔」

むすっと膨れてゼルを睨む。

「いや、意外だったな…」

彼は苦笑して今度は両手で頬を包む。
とっさにあたしはぎゅっと瞳を閉じ―…

ちゅ

唇にあたしのよりちょっと低めの温度が重なる。
頬にある彼の手が背中に移動し、抱きしめられるのを感じながらも甘く深いキスに頭がぼーっとする。
いつしかあたしも腕をゼルの首に巻きつけ、さらなる熱を求める。

「…ん………は、ぁ…」

ようやくキスから開放され、大きく息を吸い込む。

「…リナ…」

あたしを抱きしめながらゼルが囁く。
後頭部に回された手が髪を優しく撫でてゆく。
心地よさに酔いながら、あたしもゼルを抱きしめた。

「ね、ゼル、夜が明けるわ…」

ゼルの肩越しに顔を上げれば、水蓮華の波の向こうから朝日が顔を出そうとしていた。

「…っ、ホントだな」

ゼルも目を細め、東の空を見遣った。

さわ、さわ…

風が流れだしたようだ。
虹色の絨毯もそれに合わせて揺れている。

「確かに、今回の『伝説』はガセじゃなかったけど…まぁ、いっか!」

なんだかどうでもよくなってしまった。
この『奇跡』だけで十分満たされてしまったから。
ゼルも苦笑し、肩を竦めている。

「帰るか、街に」

言って立ち上がると、あたしに手を差し出した。

「……そうね」

きゅっとゼルの手を掴んであたしも立ち上がる。

世の中にはいろんな『奇跡』がある。

だけど、きっと全部『起こり得る』ことなのだ。

『有り得ない』とあたしたちが決め付けているだけで。

可能性はいつだって無限大なのだから。

「いつかきっと、見つけるわ…」

「リナ?」

「あなたをきっと、元の身体に戻す方法があるはずなんだから」

隣に立つ白銀色の戦士を見上げ、あたしは不敵に笑った。
あっけに取られたように瞳を見開くゼル。
その表情は一瞬で恥ずかしそうな笑みへと変化した。

「そうだな」

旅はまだまだこれからよ。
そして、あたしたちは街への道を歩き出した――


fin




はい。すみません。
前回に引き続き、妄想が暴走しております。

こんなので良ければ感想などお待ちしております。
ゼルリナ仲間なら尚のこと大募集です。(切実?)
ではでは。




18561水蓮華 前編新月 天海 E-mail 2010/1/9 15:40:50


新年明けて、初投稿。

でも、一つご注意。
この話はゼルリナです。

苦手な方は即退場をお勧めいたします。
読んだあとの苦情は受け付けませんので、ご了承の程を。
それでは、前編。
お楽しみいただければ幸いです。



その日、あたしはガウリィやアメリアと別れてとある場所に来ていた。

合流は明日と伝えてあるから、ゆっくりしていても問題は無い。
そこにはまだ花弁を閉じたままの蕾が一面に広がっていた。

「百年に一度、か…」

苦笑交じりの小さな呟きは誰にも聞こえることなく、地面に吸い込まれる。

「咲くかしら…」

あたしは水蓮華という花の百年に一度の開花を見にやってきたのだ。
その花弁は七色を放ち、月光に当たればこの世とは思えないほどの美しさ。
開花を見た者は永遠の幸運を手に入れ、その朝露は願いを叶えると伝えられていた。

あたしは幸運を手に入れたいわけじゃない。
叶えたい願いは自分の手で掴みたい。

ただ、伝説の水蓮華がどんな輝きを放つのか、見てみたかった。

そして、ちょっとだけ期待していた。

逢えるかもしれない、もう一人の仲間に。

「もう終わったかしら」

旅のもう一人の連れ―ゼルガディス―は裏の依頼で3日前から別行動を取っていた
しかし開花までに依頼が終われば、一緒に見ようと約束していたのだ。

どうにも闇からの依頼ということで、事情を良く知らないあたしたちは巻き込めないとの事だった。
もちろんあたしはそんなことは気にも留めなかったのだが。

(お前を闇に染めたら俺は首掻っ切らにゃならん)

俺を自殺させたいか?

意地の悪い笑みを浮かべながら言われたら、おとなしく待つしかなかった。

「行ってくる」

(そう言ったからには帰ってきなさいよ…)

あたしは翻る白いマントに呟いた。

そろそろ月は中天へ昇ろうとしていた。

咲き始めただろうか。
辺りに香りだすのは花の蜜…?

懐かしいような。
でも切なくて、泣きたくなるような香り。
心が…揺らされている…

この感情を、あたしは知っている。


花畑の中央辺りにたった一本聳え立つ巨木に近づき、その幹の根元に腰を下ろす。

まだ蕾の水蓮華。
その高さはおよそあたしの腰の辺り。
固く閉ざされたその中に何を抱えているのか。
そして、その花弁を開いた時、なにが生まれるのか。

あたしは木の幹に身体を預け、一面の景色を眺めていた。

闇夜に淡い緑色の絨毯
これだけでも十分幻想的だけど。

かさり

―――!

「誰!?」

「そんな怖い顔で出迎えとは随分だな」

身構えて振り返ったそこには長身の白ずくめ、ゼルガディスが呆れ顔で立っていた。

「ゼル!」

仕事終わったの?

あたしは構えていた姿勢を解いて再び木の根に腰を下ろす。

「あー疲れた」

どかっと音を立ててゼルも隣に座る。
顔には言葉通り、疲労の色が伺える。
そんなに疲れたんなら、宿にいれば良かったのに。

「だいじょうぶ?」

「あぁ、心配いらん。
 ちょっと傲慢な魔導師を葬ったら、雇い主に気に入られて、会ったことも無い娘の相手にさせられそうになって、
 嫌だと断ったら、どこで聞いてたのか知らんが娘が現れて…」

「も、もういい…ごめん」

聞いたあたしが間違ってた。
その先はたぶんきっとおそらく絶対に聞かないほうがいい。

あたしの勘はそう告げていた。

「すまん」

「ううん。お疲れさま」

項垂れて肩膝を付いていたゼルは、髪をかき上げて目の前の景色を見つめた。

「開花はまだなのか?」

あたしは小さく頷き、

「さっき咲き始めの香りがしたから、もうちょっとかな」

視線を目の前の花畑に戻していく。

沈黙があたしたちを包む。

けど、ゼルとなら嫌じゃない。
むしろ好き。

彼は普段かなり寡黙。
自分のことも話さないけど、相手にも踏み込まない。
最初は冷たい人だと思っていた。
でも、一緒に旅をしていくうちに、それが大きな勘違いだと気が付いた。

冷静ぶってお茶目。
言葉は不器用なのに手先は器用。
真面目なのに、意地悪。
理性的に見えて…情熱派。
現実主義なのに、案外ロマンチスト…とか。

ひやり

「にゃっ!?」

「大丈夫か?」

ほえ?

隣を見れば心配そうに手をあたしの頬に寄せているゼル。

「ぼーっとしてたから、疲れてるのかと思ってな」

付け加え、意外と心配性。

物思いに耽っていたから気付かなかっただけなのに。
あたしは肩を竦めて「平気よ」と返した。

そのとき。

ぽぉ…

―光が、うまれた。

足元で。

そして、それは波紋のように広がってゆく…

ざぁぁぁぁ…!

「きゃっ!」
「うわっ!」

あまりの眩しさに目を腕で覆う。

な、なんなの!?

突然のことに頭が混乱する。
そして微かに甘く、懐かしい香りがより一層強くなるのを感じる…

こおぉぉぉ……

しばらくして、光の洪水が収まったのを感じ、恐る恐る目を開ける。

「ゼル…」

「あ、あぁ…」

あたしたちは言葉をなくし、辺りを見渡した。

まさにそこは…一面のエメラルドの海…

ぷっくりと大きく膨らんだ蕾のひとつひとつが淡い光を放っていた。

「リナ!」

ゼルが指差すほうを見ると、固く閉じていた花弁がゆっくりと開いていくのが見えた…

ドレスの裾のように優雅に。
カーテンよりもやわらかな動きで。
宝石より透明な花弁が…

それを待っていたかのように、次々と花開いてゆく水蓮華。

七枚の花弁で一つとされている水蓮華は、七色ではなく一色で構成されていた。
でも、ひとつひとつの華は違う色を放っていた。
そして、その色は…全部で七色あった。

一面が水蓮華の光で満ちて、まるで…―

「虹の中にいるみたい…」

あたしは掠れた声で呟いた。

「そう、だな…」

ゼルの声は震えていた。

本当にチープな例えだけど、奇跡を見ているようだ…

「すごいな…」

「…うん…」

あたしたちはそれ以上何も言えず、目の前の光景を眺めていた。
奇跡はまだ、始まったばかり――


後編はかなり甘くなる予定です。

ではでは。
感想などいただければ嬉しいです。


18559漆黒に現る4井上アイ URL2010/1/4 16:38:49
記事番号18558へのコメント

着古したコートを愛用する、その男は、リッチ逮捕に、命を掛けている、インターポールの人間だ。
屋上で、見張ろうか、としたのだが、ビルの持ち主が、それを拒んだので、こうして、地上で張っていたのだ。
後ろに、パトカーが続き、深夜のオフィス街には、サイレンが鳴り響く。
暗闇を走るヘリコプターに、もう一つ、追跡者が登場する。
「来やすったな。頼むぜ……」
ヘリコプターを操る男は、レーダーに現れた一つの光に、ニヤリと笑い、予定通りのルートを選ぶ。
後方から、鋭い物が迫り、ヘリコプターは、衝撃に揺れる。
新たに現れた追跡者は、武装したヘリコプターであった。
「おいおい、気が早いだろうが」
揺れる機体を制御し、ヘリコプターは、夜空を走る。
地上と空の追跡者を連れ、ヘリコプターは、ビルの谷間を通過。
「頼むぜ……」
「頼んだぞ」
奇しくも、パイロットと、禿げ頭の声が、ハモる。
ビルの屋上で、一つの影が、迷いもなく、跳躍、追跡しているヘリコプターに、着地すると、銀の軌跡が走らせ、機体を蹴り、近くのビルの屋上へ、跳躍。
「ふん、また、つまらないものを斬ったな……」
夜空を滑る巨体に視線をやり、銀髪の男が呟くと、巨体が、バランスを崩し、降下しだす。
銀髪の男が、仲間達との合流地点である、廃ビルの1室で、30分程待つと、ノックが、決められたリズムで、叩かれる。
鍵を開けると、不機嫌を露な男が、まず入って来て、その後を、困った顔の、禿げ頭が続く。
「聞いてくれよ!こいつ、また、あのチンクシャに、やられたんだぜ!!」
目付きの悪い男は、言いながら、タバコに火をつける。
「そう言うな、て。全部持って行かれた訳じゃないんだし」
のほほんと言いながら、禿げ頭は、頭をベリベリと剥がす。
下から出て来たのは、幾つもの宝石と、整った顔に、金糸の様な髪。特殊メイクの身体にも、宝石は隠されていて、ボロボロと、出てくる。
「服に隠したの、全部持って行かれたんだと」
ガリガリと、赤い髪を掻く男と、溜め息を吐く銀髪。
この3人こそが、世界を騒がしている、怪盗リッチのメンバーだ。
◆◆◆◆
え〜、何のパロか、分かりますか?
奴に、「つまらないものを斬った」と、言わせたいが為の、キャスティングです。
起伏が足らん○子ちゃんの出来上がり(笑)
ブログに載せた物ですが、投稿用に、作品がつくれなかったので……
一応、お年始代わりです。何故、こんな内容なのか(汗)

18558漆黒に現る3井上アイ URL2010/1/4 16:25:42
記事番号18557へのコメント

グッ!と、腕の力で、上ろうとすると、一本のワイヤーが、その視界に入る。
視線を、上に転じると、月をバックにした、細い影。
「たく……あいつの仕業か」
呆れた声を漏らしたその声は、警備員の男と話をしていたのとは、比べられない程、違う。
キュゥと、左手にグローブを着用し、手首の所にある金具に、ワイヤーを引っかけ、クイクイと、ワイヤーを引っ張る。
それを合図にか、巨体が、夜のビルを、駆け上り、数分もしない内に、屋上へと辿り着く。
「はぁいv素敵な月夜ね♪」
「また、どやされちまうな」
屋上で待っていた人物の、可愛らしい声に、禿げ頭は、苦笑を浮かべてしまう。
この後の展開が、目に見えてしまう程、相手の事を、知り尽くしているからだ。
「あら、感謝して欲しい位よ?下に、あんたの、愛しの彼が居るんだもの」
「知ってる。つうか、お前さん、また、そんな格好を……」
クスクスと笑う細い身体に、困った様な声が、掛けられる。
ピッチリとした、黒い皮のボディスーツが、華奢な身体を、更に華奢に見せているのだ。
身長が低く、起伏が乏しいとはいえ、男ではありえないその曲線と、服装が、酷くミスマッチで、危うい美しさがある。
特に、今日の様に、月明かりが、眩しい下では、いつも以上に、際立って、良く見えてしまう。
「動きやすいのよ」
禿げ頭の心配をよそに、栗色の髪を、ふわりと掻き上げ、華奢な身体が、巨体に近付く。
その時、バリバリバリ、と、轟音と、風を伴って、金属の巨体が、2人に近付く。
「じゃ、お勤め有難うね♪」
踊る髪の毛を押さえ、華奢な身体は、ワイヤーを滑り、あっと言う間に、視界から消える。
それを見送り、禿げ頭は、夜空に浮かぶ、巨体を見上げた。
「怒るだろうな……」
降りて来た梯子を、素早く上ると、運転席には、目付きの悪い男が。
「どうよ?」
「上手く行ったんだけどな……」
「おい、まさか……」
自分の問いに、返って来た、不景気な声に、目付きの悪い男が、更に目付きを悪くする。
「ああ……」
「ああ。じゃねぇだろが!後で、みっちり話するからな!」
不機嫌を露に、男は、機体を、操る。
夜空を舞う、ヘリコプターに、地上で隠れていた男が、車に乗り込んだ。
「リッチだ。追え!!」
運転をしている若者の隣で、窓から身を乗り出し、ウェーブの掛った黒髪を踊らせ、男は叫ぶ。
「待て〜!リッチ〜!!」
◆◆◆◆
キャラがやっと……

18557漆黒に現る2井上アイ URL2010/1/4 16:11:44
記事番号18556へのコメント

「上か?!!」
誰かが、鋭い声を上げると、ガァン!と銃声が鳴る。
部屋中の視線が、天井へと向けられ、緊迫する空気、天井から、水が滴り落ちる。スプリンクラーに、弾丸が当たったのだ。
天井を、慌てて移動しているのか、バタバタと音が響く。その音を目安に、幾つもの銃声が鳴り響くが、外から応援は来ない。
警備主任は、焦った。
廊下に居た警備が、来ない事と、天井から、絶え間なく降る水、混乱している銃声に。
ここを突破されては!と。混乱する頭を、叱咤し、金庫室への扉の前で、身構える。
足元が、水に濡れ。
そして、バチバチと、音を立て、何かが走る。
靴底は、ゴムだが、発生源は、天井。
そして、そこから、絶え間なく降る水。
部屋中の人間に、等しく訪れた静寂。
いや、一人だけ免れていた。
「よっと」
金庫室の前で、伸びている警備主任を、禿げ頭が、退かす。
静かになった室内。静めたのは、死なない程度の電流。それを、禿げ頭は、免れていたのだ。
禿げ頭の前には、金庫室への、電子キーのキーパッド。それを、何の迷いもなく、太い指が、ピピピ、ピピと、5桁の数字を押す。
ドアノブを捻ると、抵抗も無く開き、当然の様に、禿げ頭は、扉を潜る。
金庫室は、2畳分の空間を、頑丈な檻に隔てられ、丁度半々に分けられている。
檻の向こう側には、重厚な扉の金庫。
が、そちらには、見向きもせず、禿げ頭は、左を向く。
入って来た扉を左手に、1歩行けば、壁の真ん前に、辿り着く。
禿げ頭の目線の高さにある、社訓が書かれた額縁を、武骨な手が、時計回りに回し、90度回り、垂直になると、右に少しずらし、今度は上にずらし、そして左にずらす。
ガチリと、手応えを感じ、禿げ頭は、額縁を手前に持ち上げる。
額縁の掛けてあった場所には、隠し金庫があった。
「……左目?ああ…」
ポツリと溢すと、禿げ頭は、金庫にある、暗い円の所に、左目を当てる。
ピピッと、電子音がしたのを確認し、金庫の扉に、手が掛る。中に入っていたのは、幾つもの宝石。
それを、全て取り、代わりに一枚の、名刺サイズの紙を忍ばせ、金庫を締め、額縁を元通りに戻し、禿げ頭は、踵を返す。
廊下は、夜のオフィスだけあって、静かであったが、所々に倒れている警備員と警察が、その景色を異常なものに。
そこを、音も無く、突っきり、窓のある廊下に出ると、直ぐに窓を開け、身を乗り出す。
◆◆◆◆
文字制限が………

18556お久しぶりの投稿です。カプ無し井上アイ URL2010/1/4 16:00:59


2年ぶりの投稿……
名前が、出て来ないですが、スレイヤーズの、現代パロ
◆◆◆◆【漆黒に現る】◆◆◆◆
深夜のオフィス街を、ワンボックスカーが、走行している。警備会社の社名が、プリントされたその車は、迷う事なく、一つのビルへ。
地下駐車場には、同じ車が何台もあり、パトカーさえも、何台も止まっていた。
「よお」
「あれ、お前、今日は休みじゃ?」
声を掛けられた男は、首を傾げ、相手を見る。
禿げた頭に、鋭い眼光、高い背と、幅のある身体、それだけでも十分だが、身を包む警備服で、更に迫力を増している。
「緊急召集掛ったんだよ。たく、バイトがあるって〜のによ」
「まだ、バイトしてたのかよ?禁止されてるから、辞めろて、言ってんだろ?」
「借金返すまでだって」
「ギャンブル止めれば、済む話だろうが」
「当たった時の、高揚感、知らねぇのか?」
「で、ぱ〜!と使ってんだろうが」
「そこ!喋ってないで、仕事しろ!!」
離れた場所からの、上司の叱責に、話に盛り上がっていた2人が、肩を竦める。
「ピリピリしてんな」
ポソリと、禿げ頭が溢す。
ポソリと、禿げ頭が溢す。
10畳程の部屋には、警備服姿が7人。
25階建てのビルの、17階にある、金庫室の前が、その部屋で、地上からも、屋上からも、そこに辿り着くまでに、警察と警備員・警備システムが、待ち受けている。
で、金庫室の前を、警備主任が、廊下側に、禿げ頭と、先程の男が、扉を挟んで立っている。
「当たり前だろ。怪盗リッチからの、予告状が、届いたんだ」
『怪盗リッチ』、人を馬鹿にした様な名前だが、世界を股に掛けた泥棒で、これまた、人を馬鹿にした様に、予告状を出し、どんなに警備を固めても、狙った物を、盗んで行ってしまう。
変装が得意らしいと、有名なので、予告状が届いた先の警備の者達は、身体検査をされるのが、通例である。
噂は、それ以外にも、拳銃の腕が良い、剣の腕が良い、頭脳明晰、実は吸血鬼であるとか、胡散臭い物まで数えれば、きりがない程、『怪盗リッチ』は有名だ。
「ん?何か、変じゃないか?」
不意に、禿げ頭が、眉根を寄せる。
当然、すぐそばにいる男が、扉の向こうに、警戒をし、他の者は、拳銃を取り出す。
プシューと、風船の空気が抜ける様な、そんな音が、天井から漏れ………
◆◆◆◆
いきなり続く。すみません、携帯からなんで、文字制限が!!

18555だいじょうぶだからみやび 2009/12/3 03:00:14
記事番号18536へのコメント


お久しぶりです。みやびです。
1話読みきり、のつもりなんですが毎回続いていますね。
しかも、今回、1ヶ月に1本ペースを更新しました。自分でもびっくりですが、単に仕事やってるんですが、なんか暇な時間がふえt(鯖
ともかく、今回でようやく一人称を採用した理由がよく判ると思います。
ちなみに、見直しを全くしてないのはいつものことですが、前回書き直しの影響でこっちも多少書き直しが発生してますので荒いところが多々あるかと思いますが気にしないの精神で、お願いします。








だいじょうぶだから





 眩しい…。
 思わず腕で目を覆いながら──────薄っすらと瞳を開ける。
 まだ完全に覚醒していないのか頭がぼうっとして、再び眠りに落とそうとしているかのように瞼が、体が、ものすごく重い。それでいて影を作っても尚差し込む日差しが、眠気を飛ばしてくる。起きろと、寝てはいけない、と。
 いつまでぼうっとしていたのか。もしかしたら少しだけだったかもしれないし、かなり長い時間だったかもしれない。そんな時間の流れさえも把握できないほどに頭が回っていない。

 ………………? 

 何か違和感を感じる。それが何かがわからないもどかしさを感じながら目を細めると、少しずつ光に目が慣れ始め、ゆっくりと青い空が見え始める。
 雲ひとつない青空を眺めながら、出てくるのは疑問だけ。

 ここは………どこ……?

 前後がはっきりとしない。
 ここはどこだろう? なぜここにいるんだろう?
 そんな思考しか浮かばないほどに今の私は思考の回転すらも落ちている。
 そう、自分でこんなにも自覚しているのにそれ以外のことをまるで考えられないという事態に陥っていた。
 ゆっくりと眩しさに慣れていくのを感じながら、同時になんとも言えぬ違和感がせりあがってくる。何かがおかしいという違和感が徐々に膨れ上がっているのにその違和感の正体がわからずに頭の中にハテナマークが大量に浮かんでいく。
 すっかりと眩しさにも慣れ、頭もすっきりとし始めてようやく今日の空が青くて、雲ひとつもないいいお天気だということに気がついた。ずっと空を見上げていたというのに今更気づくというのもどうなのかしら。
 そう思いながら、ふう、とため息をついて上体を起こそうとして────微かに体に痛みが走り顔を顰める。
 そしてようやく思い出した。私が船から海に飛び込んだのだと。
 痛みはそのときに、流れているときにどこかにぶつけでもしたのだろう。
 まあ、正直なところそんなことはどうでもよかった。ここがどこだか認識するのが最優先だと思ったからだ。少なくとも私は空の景色だけで現在位置を把握できるほど優れた方向感覚をもっているわけではないので…………ゆっくりと、できるだけ体に痛みを与えないように今度こそきちんと起き上がり、自分の足で立ち上がる。
 多少はふらふらするが、特に問題なく歩けるだろう。
 私が流されただろう青い海を見てからその場を立ち去ろうとして─────何かがひっかかった。
 先ほどからある違和感がもう少しでわかりそうな気がして、辺りを見渡す。
 青い空にどこまでも続きそうな青い海。所謂海の光景がそこに広がっていて、思わず丘でも探したくもなるがぐっと堪えて、ただ考えることだけに集中する。
 海鳥が空を舞い、潮風が吹き、心地のよい波の音が─────聞こえない…?
 思わず両手を耳に当て、瞳を閉じる。聴覚だけに集中して周りの音を少しでも取り込もうとするが……結果はやはり何も聞こえない。
 世界の音が、確かに私から消失していた。
 船から落ちる前は確かに聞こえていたはずだ。ゼロスとも普通に会話をしていたし、波の音もきちんと聞こえていた。ならば、海に落ちたことが音が聞こえないことの原因だろうが……どうやったら治るのかがわからない。ともかく、魔法医にかかればすべては解決するだろう、とその場は自分自身の混乱を極度に抑え、落ち着こうと息を大きく吸い込み、吐く。
 潮風を含んだ心地のよい空気を肺一杯に吸い込み、頭の中がスッキリするのを感じる。

 よし……っ!

 軽く気合を入れ、声に出したつもりだが………自分自身聞こえないのでなんとも言えないが────ともかく、私は一歩を踏み出しどこにいこうか迷う。
 迷った理由はとてもシンプルだ。
 まず、道がわからないこと。どこに流れたかもわからないのに道がわかるわけもない。
 次に、道がわからないので何か建物でも近くに見えればよかったのだがそれもない。適当に歩いてもよかったけど……それで1日近く歩く羽目なる、ということも有り得るから無闇にできるだけ動きたくはない。ただでさえ耳が聞こえない不慣れな状況で、困るような状況下にはなりたくないという理由も入ってる。
 誰かが通りかかってくれればそれで解決する問題なのだが……とても誰かが通るとは思えないほどに静まり返っている。
 困った、だけどもここから動かないという選択肢は論外なわけで………

 どうしようかしら………?

 と、頬に片手を当てて少しばかり考えて思い当たる。

 浮遊(レビテーション)────

 ふわり、と体が持ち上がるのを感じる。浮かび上がる手ごたえを感じるということは特に体の変化から魔法も使えなくなる、といったことはなさそうでひとまずは安心した。
 ぐんぐんと高度を上げ、まずは海岸沿いに伸びる整備されていない道を見つけ、更に高度を上げると深い森を見つける。本当に無闇に歩かなくてよかった、と思いながら辺りをぐるりと見渡す。
 森に、道に、遺跡らしきものが見える。
 が、特に人が住んでそうな場所は特に見当たらない。
 もう一度ぐるりと周囲を見渡すが結果は同じで、ため息を吐きながら高度を落とす。ゆっくりと足が砂の上に付き、風の魔法がすっと解ける。その瞬間少しばかり砂埃が舞うが特にはきにならない程度だったので、無視して歩き始める。
 人のいる場所が見当たらないならば、道に沿って動くしかない。だけど、なんとなく…ただ漠然と先ほど見えた遺跡に何かあるような気がして、そちらに向かって歩みを進める。
 大体の位置関係は把握したから、そう簡単に迷うことはないと思うが─────ともかく遺跡の方向へ一直線で進んでいけば特に迷わずに着けると………思う。幸い森にも面していないし、変な方向へ行くことはない………と思う。
 私は多少の方向音痴であるらしく、たまに仲間に───特にリナが多いが───よく突っ込まれていた。だが、その仲間はいまここにはいない。
 そう考えると、すごく不思議だ。
 私の周りには常に誰かが存在した。
 それが護衛であり、仲間たちであり、町の人たちであったり。でもいまは、本当に一人ぼっちで。
 側に誰もいないというのは自由であり、どこか寂しさすらも感じ─────少しばかり辛い。

 でも、私が全て置いてきたんじゃない。

 あの船の上に。
 仲間であり護衛でもある人と、付き人も。
 全部置いて、ようやく一人になれた。だから、辛いなんて言っていられない。
 きっと耳が聞こえなくなって精神的に少しばかり弱っているだけなんだ。
 地面をしっかりと踏みしめて、前へ向かって歩き続ける。
 だって私は、歩くしか道がない。

 一人だって、だいじょうぶだから。






あとがきという名の何か。

耳が聞こえないというネタは、あんまり見かけなかったんでやってみたかったんです。記憶喪失やたいむすりっぷはよく見ます。ですが、耳が聞こえないって見たことないなあ、とおもい難題に挑戦してみました(会話が発生しなくなるので一人称じゃないときついですね)
ちなみに私は一時期右耳が聞こえなくて会話聞くのにすら不便した時期があるので…少しばかり難題も軽くなりますが、やっぱ会話なしってきついです…。

てことで、会話を出して少し軽くしよう、と思ってる節がちょっとばっかしありまして、次にそれが表れるかもしれませんが…。やっぱりきにしないの精神でお願いします。

ここまで読んでくださりまことにありがとうございます。また次回も目を通してくださると幸いです。

18553Re:海に消えるみやび 2009/11/21 20:27:06
記事番号18552へのコメント


>お久しぶりです、みやびさん。
>

お久しぶりです、セスさん。毎度読んでくださり本当にありがとうございます。

>>「ゼロス…っ」
>> そう、ゼロス。
>> 来るとは確信していた。群狼の島に住む5人の腹心の一人、獣王ゼラス=メタリオムの直属の配下である獣神官。その力は自他共に認めるほどに強い。5人の腹心の直属の部下の中では一番強いだろうこのゼロスに対して私の勝算などゼロに等しい。いや、勝算など最初からありえないだろう。
>「後姿がゴキブリ似」「パシリ魔族」と名高い(違う)ドラゴンスレイヤーですからね・・・
>> 一人でも、構わない。
>> ただ訪れた自由を手放したくなかった。
>> だからこそ、私は、海に消える。
>このあとアメリアはどうなるんでしょうか・・・
>短いコメントしか書けない奴ですが、続きを楽しみにしております。

続きは……実を言うとあまり考えてなかったりします。
オリジナルキャラクターなどはあんまり出したくないけど、出さないわけにはいかないという。

ちょっとやっぱりどこまで続くかわかりませんが、お付き合いいただけたら幸いです(4つめまでは確定してるとおもう)


18552Re:海に消えるセス 2009/11/16 21:14:40
記事番号18550へのコメント

お久しぶりです、みやびさん。

>「ゼロス…っ」
> そう、ゼロス。
> 来るとは確信していた。群狼の島に住む5人の腹心の一人、獣王ゼラス=メタリオムの直属の配下である獣神官。その力は自他共に認めるほどに強い。5人の腹心の直属の部下の中では一番強いだろうこのゼロスに対して私の勝算などゼロに等しい。いや、勝算など最初からありえないだろう。
「後姿がゴキブリ似」「パシリ魔族」と名高い(違う)ドラゴンスレイヤーですからね・・・
> 一人でも、構わない。
> ただ訪れた自由を手放したくなかった。
> だからこそ、私は、海に消える。
このあとアメリアはどうなるんでしょうか・・・
短いコメントしか書けない奴ですが、続きを楽しみにしております。

18551The song of a dragon. The requiem to darkness. 第39章紫清 月季花 2009/11/16 13:53:50
記事番号18547へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】





















―――俺は認めない!
















   覚えているのは優しくて、あったかくて、そして・・・・・・
















                                 過去を思い出すたび、胃の腑がねじれる様な気がする
















         猛き焔
















                                    無力な過去
















                    焼けつく人の臭い
















                                               守れなかった俺
















                    感覚が狂う世界
















     守らなかった全て
















                                                 だから
















                  だから・・・・・・


















「俺はこの世界が嫌いだ」
深い森の奥、大木に根元に転がる落ち武者か、野武士のような成りをした幼さを残した青年が言う。
その顔には左半面を覆うように火傷の痕があり、左目は刃物による裂傷によって潰されいる。
「・・・流鬼・・・またそんなこと・・・」
その青年の側に立つ小袖に袴姿の同じ年頃に見える女が、たしなめる様に声をかける。
「無力な俺が嫌いだ。
人を殺して平気な奴が嫌いだ。
裏切る奴が嫌いだ」
「・・・・流鬼・・・」
「そして・・・・何もしない奴が嫌いだ」
「・・・・流鬼、そろそろ戻ろう・・・・
日が暮れるよ、獣や妖の時間になるよ」
女は青年――流鬼に声をかけ、戻るように促す。
流鬼は軽くため息をつくと起き上がり、女の方を見て小さく肯く。
そして二人はさらに森の奥に分け入るようにその場を後にした。









「ここの名物は?」
「みたらしだんご≠轤オいです」
「一度だけ食べた事がありますけど、おいしかったです」
「じゃあ、どっかで食ってくか」
「「はい」」
何処の観光客だ?



























<続>


【あとがき】

ども、謎の怪奇植物です。
続きです・・・・って、みぢかい(泣)

流鬼をやっと出せた・・・・・最初に考えていたのと性格とかは変わりそうですが・・・・
小袖の姉さん名前考えてたのに・・・・ど忘れした(汗)すまぬ・・・・;;
新キャラ出すたびにやってるキャラ設定です。


■流鬼(るき)
[本名]
不明
[種族]
人間
[性別]

[年齢]
二十歳くらい
[容姿]
黒髪黒目
左半面火傷の痕、隻眼、スカーフェイス
[武器]
不明
[備考]
やさぐれ青年(笑)




続きがいつになることやら;;
気が向いたら読んで見てみて下さいませ。

18550海に消えるみやび 2009/11/11 20:54:57
記事番号18536へのコメント

こんばんわ。みやびと申します。
友人からお前は某オンラインゲームのペットだ、とか夜に勝手に髪が伸びるとか言われますが。

私人形じゃないしっ!
髪伸びるの普通だしっ!

と、よく突っ込んでおります。
今回2弾目を即座に投稿できる運びとなったのは………大幅修正、ほぼ書いてた話を全部書き直し、ということをしたので構成時間がかなり短くて済んだからです。
3弾? なあにそれ美味しいの?(これも大幅修正を余儀なくされて全削除したらしい)
4弾なんてまだ影も形もありません。
どこまで続くかわかりませんが、とりあえず、1年ぐらい(以上?)かかると予想してるので…ゆっくりお付き合いください。








海に消える




 盛大に見送られ、のんびりとした船旅を満喫するつもりは元よりもなかった。
 ずっと甲板に居続け、来訪者の存在を待った。
 絶対に来る。なんとなく、それが分かってしまう。説明しろ、といわれたら出来ないが、確かに来訪者はここへ来る。
 そして来訪者は思った以上に早く、私の目の前に現れた。
 港を出港し、2時間経つか経たないかしてからふわりと甲板にそれは姿を現した。
「ゼロス…っ」
 そう、ゼロス。
 来るとは確信していた。群狼の島に住む5人の腹心の一人、獣王ゼラス=メタリオムの直属の配下である獣神官。その力は自他共に認めるほどに強い。5人の腹心の直属の部下の中では一番強いだろうこのゼロスに対して私の勝算などゼロに等しい。いや、勝算など最初からありえないだろう。
 とはいえ、群狼の島まではまだ少し距離がある。ゼロスが出てくるにはまだ早いとは思うのが………。
 この場をどう切り抜けるかなど考えてすらもいなかった。ゼロスがでてきてから考えよう、という無計画のなさにあきれつつ、この状況の切り抜け方を考えようとし────船員たちの慌てる声に、他の人物がこの場にいることを思い出した。
 確かにイキナリ現れた人影に何も知らない乗組員達が慌てるのは仕方がないことで。「この人には何があっても絶対に手を出してはだめよ」と忠告しておく。ゼロスは命令には忠実だが、命令以外のことは進んで行いはしないだろう。もちろんどんな命令を受けているかはしらないが、乗組員たちをそう簡単には殺しはしないだろう。
 手を出さない限りは。
「何の御用です?」
 ゼロスの視界から別の人間たちを守るように中間へと移動しながら声をかけてみる。
 知識面で頼りになる彼はいまここにはいない。いたところで勝てる可能性などはあり得ないが。
「いやですねぇ。そんなに警戒しないでもらいたいものです」
 前に別れた時と変わらない笑顔で、変わらない姿で、いつもの調子で話しかけてくる。
 一瞬でも旅をしていたころに戻ったような気持ちになった自分を叱咤する。
 こんな気持ちでは戦えない。目の前の魔族は今は敵なのだ。そう、今はあの時と違って共通の目的があるわけでもない。だから、敵だ。
 一度でも敵だと認識すると、瞬時に頭が切り替わる。戦うための思考ではなく、騙すための思考へと。
 戦いを挑んだところで負けるのが目に見えているのだから、時間を稼ぎ、ここから逃げる算段をする時間が稼げればそれでいい。私一人で即座に逃げれば、船内にいる彼は間違いなく死んでしまうから。
 これでも私は王族の一員。化かしあいや騙しあいはお手の物だ。時間稼ぎをしてみせる。
 いや。絶対に引き伸ばす。生き延びるために。
「警戒なんて…。私はただ何の御用です、って聞いただけよ」
「折角貴方にお会いしに来たんですから、そう身構えないでくださいよ」
 怖い怖い、とばかりに肩を竦めてみせるゼロスに対して
「…正確には私とゼルガディスさんに会いに来て、すべては命令です。じゃないの?」
 そう、ため息を吐きながら訂正してやるとゼロスは顔をしかめてみせた。
 ほら、やっぱり間違ってない。
 とはいえ、群狼の島に近づく前に出てきたとなれば、その海域を通って欲しくはない、ということだろうか…。
「そんなにあっさり言わなくてもいいじゃないですかー。
 確かに今回は命令ですがまずは説得に来たんですよ」
 まずは、という言葉にぴくりと眉が反応する。
「説得…?」
 言葉の意味を理解しかね、真意を計るかのように鸚鵡返しに返す。
「えぇ、そうです。
 これはセイルーン所有の小型船で、航路についてはすべて貴方に決定権が存在する。
 決定権を持つアメリアさんにこの船の航路を変えていただきたいんですよ」
 海域を通るのをやめろ、とでもとっていいのだろうか? 思わず考え込みそうになるのをぐっと堪えて
「航路を、どこへ変えろって言うの?」
 と聞いてみる。
 聞いてみるものの航路を変えるつもりはない。何故ならば、結界の外の世界で唯一陸が確認されているのが滅びの砂漠の向こう側だけ。無謀にもあるかどうかも知れない大陸を探すためだけに直進したりするなど自殺行為に等しい。
 大陸の存在を確認できるからこそ、この航路での移動なのだ。易々と変えろという案に乗る気はない。
「もちろん、出航した港へ、ですよ」
 にこやかな笑みのままで返ってくる。
 ここまではまだ説得の範囲内、いや、私がする質問の想定内ということだろうか。
 だから、想定の範囲内でも構わないから、純粋な興味で問いかける。
「どうして戻せ、なんていうの?」
 もちろん回答が返ってくるとは思ってない。
 いつものポーズをしようと動こうとするのを見て
「秘密です、はいらないわよ」
 と、先に釘を刺すと苦虫を噛み潰したような顔に一瞬だけなり──────わざとらしい、苦笑の見え隠れする笑みを浮かべる。
「いやあ。出来れば言わせて頂きたかったんですがねぇ。あっはっは」
 何があっはっは、だ。
 秘密です、を封じても言う気などさらさらない癖に。
「まあ、その問いにお答えすることは出来ません。
 これもしがない中間管理職の悲しいところです」
 ………ゼロスの場合は中間管理職、というものを抜きにしても何も語らないとは思うのは私だけなのかしら………。
「兎も角、これ以上船を進めるのであれば僕はこの船を壊してでも、動きを止めるつもりですよ」
 ……要するに、船員の命を生かすも殺すも私の選択次第、とでもいいたいのだろうか。この海域で海の中に放り出されて無事な可能性は、少ないだろう。
 ここは死の海。すべての生者を飲み込む魔性の海。そんな海に船員たちを落とすことなど、できるはずもない。かといって、ゼロスの交渉など飲みたくもない。
 どうするべきか…。
「ならば、この海域を迂回すればいいのかしら?」
 迂回する気もない。だが、状況が悪ければそれも頭に入れなければならない。
 だが─────
「迂回もなしです。帰航してもらいたいわけですよ」
 あっさりと切られる。
 何故………? 帰航しろということは外の世界に出るな、ということだろう。私たちが外の世界に出て、何か弊害がでるとは考えにくいのだが……。
 それでもゼロスがでてきたとなれば、魔族にとっては無視できない何かがあるのかもしれない。
 どうしようか? 
「さて、これ以上お話を引き伸ばしても仕方がないのでそろそろお答えをいただけませんかねぇ?」
 いつもは隠されている紫の瞳が、魔性の瞳が私を射抜く。それだけで、ピリピリとした視線が私に刺さる。本当に射殺されてしまうのではないかというほどに痛い。
 このまま、下手なことをいえば殺されそうなそんな雰囲気に当てられ冷や汗が背中を伝う。無表情を突き通してきたつもりだが、顔が引きつるのを抑えることができない……。
「…………最終的な確認をさせてほしいのだけど」
「ほう?」
「このまま私が逃げたらどうなるのかしら?」
 有り得ない。ゼロスもそんなことなどわかっているのだろうが、一瞬だけ興味をそそられたようなそんな瞳をこちらに向けた。
 リナ達と旅をしていた頃の私ならこんなことは言わない。だが、ここにいるのは王女としての私なのだ。ゼロスの知る私とは多少違って当然だろう。いや、王女という名の皮を被ったアメリア、なのかもしれないが。
「ありえませんね。
 ですが、そんなことがあるならこの船に乗っている方々の命は保障しません」
 ……その脅しは先ほどと同じで。
 だが、ゼロスは本当にやる。知り合いを殺すことなど造作もないだろうし、ドラゴンスレイヤーという二つ名を持つゼロスがこんな船の乗員全てを殺すまでにそう時間もかかるはずがない。
 だから私は────
「舵を! この船は直ちに帰航します!
 繰り返す、この船は直ちに帰航します!」
 船内放送用の筒を握り締めて叫ぶ。
 そして、慌しくバタバタと人が動き、船員の一人がゼロスに聞こえないように私に耳打ちをする。イキナリの帰航命令に一応の確認をしにきたという船員に声のトーンを低くして返す。「貴方たちの命を助けるためによ」と。
 船内に響いた私の声でゼルガディスさんも甲板に上がってくるのは時間の問題だろう。
「これでいいでしょう?」
 くすりと笑ってみる。
「えぇ、感謝しますよ。アメリアさん」
 と、ゼロスもいつもの笑顔を貼り付けて答える。
 これでいい。あとは、あとやることはもうない。
 ゆっくりと歩み、ゼロスの横を通り過ぎ─────船の手すりに手をかける。
 私はまだ帰るわけにはいかない。いや、帰りたくない、のほうが正しいかもしれない。
 だから────
「私は貴方の要求を飲んだわ。
 もう誰にも手出しはできないわよね」
 だから、私は逃げられる。
「もう二度と会わないことを願ってるわ」
 味方としても、敵としても。もう二度とゼロスには会いたくはない。
 そして私は誰の言葉を聞く前に体を船の外へと投げ出す。魔法の詠唱などすることなく、全てを運に任せて、私の体は海の中に沈む。
 海の中に何が存在するかもしらない。だが、なんとなく助かる気がするからこそ恐怖などはない。ただ海の海流に自然に流され、体が運ばれていくのを受け入れる。
 どこへ着くかもわからない。もしかしたら船と同じように自分たちの大陸に帰ってしまうかもしれないが、全てを運に任せると決めたのだ。
 ゆっくりと視界が黒く染まっていくのを見ながら、私の意識は徐々に沈んでいった。


 一人でも、構わない。
 ただ訪れた自由を手放したくなかった。
 だからこそ、私は、海に消える。








あとかぎらしきもの

大幅修正した理由は二つありました。
実は途中からアニメ版ぽくなってしまったことと、Wらてぃるとーが発生してしまったことが一つ目です。
えぇ、アニメ版はゼルアメ思考ですよ。ですが、原作版はWらてぃるとーはいくない! と思い修正。ホントは岩も海に落ちる予定が、船に残る結果に。

第二に、駆け引きが短すぎた! 駆け引きが短いために、SSS並に短くなってしまったからです。
というわけで駆け引きを追加して、いまの長さになりました。

てことで、元々あった文と付け加えた文の、荒さがものすごい目立っているかと思います。かなり雑に書いた気がするし…。
あんまり気にしないで見ていただけるとうれしいです。

ここまで読んでくれてありがとうございました

18548The song of a dragon. The requiem to darkness. 第38章紫清 月季花 2009/11/6 12:55:15
記事番号18547へのコメント

【The song of a dragon. The requiem to darkness. ―竜の謳・闇への鎮魂歌―】





















―――時を巻き戻せたら良いのに・・・・そう思うだろ?・・・・・・・・ねえ、リーザ・・・・・













「僕は・・・」
青年――ゼクスは一瞬目をふせ、すっと目をあけるとふわりと微笑む。
「僕はエリック。
よろしくね、アイズさん」

――リーザが生きていれば・・・この位の年かな・・・・
















あれから、アイゼリナルは出会った青年・・・・エリックと名乗るこの青年と、街道を進んでいた。
「じゃあ、エリックさんは町から町へ移動しながら先生をしてるんだすか?」
「うん、都市部や大きな町はともかく、小さな町や辺境の村じゃ、
ろくに文字の読み書きも出来ない人が居るんだ。
だから、僕はそう言う所を回って、移動教師みたいな事をしてるんだ」
「あの、失礼ですけど・・・・報酬とかって貰ってるんですか?」
「そうだね、金銭的な報酬はほとんど無いけど・・・・別に、寝食に困った事は無いなあ。
寝るとこや、食事は行った先で用意してくれる事が殆どだから。
文字の読み書きが出来るってことは、色々便利だから」
「・・・よく解らないんですけど?」
「うん、普通に大きな町で平凡に生活してる人には縁が無い話だけど・・・・・
辺境に行くとね、当たり前のように人を売り買いするんだ・・・・
それだけ、収入が無いってことなんだけど・・・・・
そこで、交わされる契約書に何が書いてあるか、文字が読めないと、
何が書いてあるかわからない訳」
「人身売買!?
そんなっ・・・・」
「あ、一応弁解させて貰うと、結果としてそうなってるって事で、
売られる側は、契約書内容は文字が読めないせいで、
自分たちが商品にされた事に、すぐには気づかないんだ。
商品にされた人の家族も、自分たちが家族を売ったと気づかない。
契約書さえ読めれば、その内容さえわかれば、そんな馬鹿な事はしないよ」
「えーと、それって・・・・自分達の家族を知らずに人身売買の商品にしてるって事ですか?
で、その契約書は身元保証書のような物だと思ってるとか?」
「うん、そんな感じ」
「なんだか・・・酷い・・・」
「うん、酷いよね・・・・だから僕は少しでもそういう被害が出ないようにって思って。
そういう背景があるから、僕みたいな所謂よそ者≠ナも、読み書きを教える先生≠ヘ欲しいんだよ」
「で、これから行くのが、そういった村の一つななんですね」
「うん」









朝起きたら、目が腫れていた。
何かの予知夢だと思うが、そのせいで涙が止まらなかったのだ。
「・・・・この顔で出て行ったら・・・ヨシユキ殿に何言われるか・・・・
アガレス様は見て見ぬ振り位はしてくださるかもしれないけど・・・・」
瑠璃――ラピスは思わず眉根を寄せる。
「はあ・・・・どうしよう?」


「なかなか起きてきませんね・・・・姫様は」
「ヨシユキだっけか?
その姫様≠チてのはやめろ、一応お忍びってやつだからよ」
美雪の言葉にヴァルはポツリと突っ込む。
本当は初日に言うべきだったが、ラピスに振り回され言う機会の逃していたのだ。
「ではなんと?」
「普通に名前を呼べばいいだろ」
「えーと、ラピス様?」
「意地でも様付けか・・・」
美雪の言葉にヴァルは僅かに呆れながらも、仕方ないかと思い直す。
自身でさえ、ガーヴをいまだに様付けで呼んでいるのだから。
「あんまり起きてくるのが遅いようなら、呼びに行ってやれ」













ゼクス――エリックはアイゼリナルと小さな村に訪れていた。
どうやら彼は定期的にこの村には訪れているらしい。
あっという間に子供達に囲まれ、連れて行かれてしまった。
一人ぽつーんと置いてけぼりを食らったアイゼリナルは、村をゆっくりと見て回る。
最初に訪れた大きな町もそうだが、どうも自分たち結界内の国々とは違う文化を持っているらしい。
そして、例に漏れずここにも天竜王ゆかりの神殿があるが、流石にこじんまりとした建物である。
すれ違う人々の服装も自分とは明らかに違う。
が、自分達の世界と似たような服の人も居る。
結界内では、貫頭衣や釦がけ、ローブめいたものが主流だが、この国ではバスローブのように前を合わせて、
それも二・三枚重ねてから、帯で締める様な服が多い。
丈も様々で、その下に穿くズボンだと思うが形が変わっている。
キュロットに似ているが、それよりはるかに丈が長い、くるぶしが隠れるまである。
「色んな文化が混ざってるって事かしら?」
そうして色々観察していると、漸く開放されたのか、エリックがこちらに歩いてくる。
「九竜皇国に近いからね・・・・・って、ごめんね、ほっぽり出しちゃって」
「いえ、いいんですか、向こうは?」
「うん、大丈夫。
あ、君の泊まるとこだけど、村長さんが泊めてくれるって。
他所の国の事色々聞いてみたいって」
「私でよければ・・・」

――彼女が何者であれ、ここでの活動を邪魔されないようにしないと・・・・

エリック――ゼクスは人のいい穏やかな笑みを浮かべながら、彼女をどう煙に巻くか考える。
ゼクスにとって、恋とは呼べないほど淡い想いを抱いた相手に・・・・リーザによく似た彼女と居るのは
色々辛いが、同時に側にずっと居て欲しいという感情さえわく。

――・・・・ああ、僕もどこか狂ってるんだろうな・・・・・










――――――――――――――・・・・・・・・また君に会いたいよ・・・・・・・・・・・昔みたいに・・・・・・・












<続>


【あとがき】


こんにちは、月季花です。
えー・・・・・かなりほったらかしていた『竜の謳』です。
ゼクスの偽名は「オペラ座の怪人」のファントムの名前です。

ステフ:お久しぶりダネ。

ぬお!?

ステフ:ボクの出番は?

えーと、またそのうち(汗)

ステフ:楽しみにしてるヨ。

はははは・・・・・
ではこの辺で。

ステフ:次がいつのなるか解らないケド。
次もよろしくネ。

18547The song of a dragon. 紫清 月季花 2009/11/6 12:53:41


これって・・・何年ぶりに続きを載せるんだっけ・・・・
書いてる本人が話を忘れかかってるし・・・・・・
最初考えてたラストと変わる可能性が濃厚だし・・・・
えーと、色々思う事はあるが、続きです。




相変わらずカタツムリ以下の歩みだよな・・・・・・


18544おまけ。紫清 月季花 2009/10/30 13:36:07
記事番号18539へのコメント

ども、月季花でございます。
とてつもなくお久しぶりでございます。(^^;
『竜の血の連なり・・・か?(修正版)』、いかがなもんでしょうね?

L:本格的に久しぶりね。

うおっ!?L様・・・・(汗)
何故ここに居るのでしょうか?

L:暇だからvv

はははは・・・・・
久々なんで、いまいちノリがつかめんが;;
えーと、ちょっとしたコネタばらしでもしようかな・・・・

L:良いわけ?

話のネタばらしじゃ無く、オリキャラなんかの設定で、ばらしても問題無さげなのを

L:で?

例えばですね、色とか。

L:色?

髪とか目とかの色ですね。
人間以外は好き勝手な色にしてますが、人間はありえない色は避けるようにしてます。

L:ありえない色って?

簡単に調べてみたんですが、人間の目の色は、「ブラウン」「ブルー」「グリーン」の三色が基本で、それぞれの濃淡で、眼の色が決まるらしいです。

L:ふむふむ。

で、その基本の三色が「ブラウン(濃褐色)」「アンバー(琥珀)」「ヘイゼル(淡褐色)」「ブルー」「グレー(灰色・ダークブルー)」「グリーン」「レッド」「ヴァイオレット」の色に分かれて見えるそうな。

L:ヴァイオレットって・・・紫?

そうです・・・・が、紫という色素があるわけじゃないですよ。
アルビノを患うブルーアイの人がそう見えるだけで、まず現実で見る事はほとんど無いでしょう。
イメージとしては、赤い紙の上に青いガラスを置くような感じでしょうかね。
血の色が透けた、青い目の人ってことですね、因みに、女優のエリザベス・テーラー氏がこの珍しい目をしてます。

L:アニメや漫画なんかじゃ、珍しくも無いけど、現実じゃトコトン珍しいってことね。

さいです。
日本人の基本的な眼の色はブラウンですね。
黒とも表されますが。

L:髪にもいろいろあるわけ?

そーですね、髪の色は基本的に暖色系で、寒色系は自然には生まれてこないってことですか。

L:ピンクの髪や、オレンジの髪は?

赤毛や、金髪でそういう風に見える色になることはあるそうですが・・・
髪の色も基本的には「黒色」「栗色」「赤色」「金色」だけですから。
これまた、眼の色と一緒で、交じり合いや濃淡で見え方が変わる位ですかね。
ブルネットって表現も、青い髪じゃなくて、黒髪や栗色の髪のことを言うみたいですし。

L:なんか、人間て派手な色より地味な色が多そうね。

薄い色、明るい色ほど遺伝し難いですからね・・・・・私が出してるオリキャラ、イモータル一族はかなり特殊な扱いかと。
まあ、あれは純粋な人間とは言いづらい一族だからいいかなあとか?

L:あれは規格外でしょ(^^;

まあ、こんな感じでオリキャラの容姿を決めるときに色を決めたりするんですが。
その反動で、人外の方たちがどんどんありえん色になっていくんじゃなかろうかと;;;

L:おいこらまて!

ま、それは置くとして。
ほったらかしになってる話ですが・・・・『沙』とか・・・・『竜の謳』とか・・・・・・

L:どーすんの?

一応、終わらせる気はあるんで、気長に待ってもらうしか;;;
『竜の謳』とかは、当初考えていたのと違う終わり方になりそうで・・・・・何処できどうしゅうせいしようかなあと(滝汗)

L:あんまりほっとくと存在自体忘れられるわよ(呆)

うう、善処します(TT)




18542竜の血の連なり・・・か?(修正版) 後編紫清 月季花 2009/10/30 11:02:11
記事番号18539へのコメント




 ―『竜の血の連なり・・・か?(修正版)』―



希望と絶望の意味を知らないものがいた


竜王の名を持つものを親に持ち、祝福を受ける者がいた。
双子の竜神、水竜神ディアと火竜神ザード、水竜王と火竜王の二神の間に生まれしものだ。
双子の神が生まれたばかりの頃は、神と魔の争いも無く安定した状態にあった、
人の中に封印された魔王は今だ目覚めることなく、静かな時代でもあった。


「・・・・平和・・・ですな」
お茶など飲みつつポツリとつぶやくのは天竜王バールウィン。
魔族たちにこれと言って動きも無く、平穏無事な日常に慣れているどこぞの縁側で、
日向ぼっこする老人のように、のんびりとした時を過ごしていた。
「それにしても、我々竜王に子供が出来るとは・・・かなり意外だったな」
水竜王と火竜王の子供たる双子神。
まだ幼いが故に、未だに不安定なところがある。
が、その代わりその力は七分の一シャブラニグドゥと互角程度の力はあるとみえた。
「あの、『天然素ボケのバカップル』の子供にしては、しっかりしてる方だな・・・あの二人は」
魔族に比べて自分達竜王はまだしも、その下に従う竜族たちは力が弱い。
それゆえ新たに生まれた双子神は神側にとって希望でもあるのだった。

「ディア、フレイ・・・フレアロードと他の竜王のところへ行ってもらえる。
嫌な感じがするの、これから言う事を伝えにいって、お願いね」
「はい、母様」
「いいちゃんと伝えてね・・」

ディアが最初にたどり着いたのは、父王でもある火竜王のもとだった・・・
ただただ伝えなければならないと、母王が感じる気配そして魔族の思惑。
それら全てを伝えなければ、この世のバランスが崩れるのを留められない気がするから。
水竜神は告げる、水竜王の言葉を。
世界が大きく変わろうとしている事を・・・



ガーヴは不機嫌だった。
同僚であり兄弟でもある冥王フィブリゾの立てた計画、一通り聞いてはみたものの、
何か他にも隠しそうで嫌な感じがぬぐえないでいた。

――魔王様を復活させる

フィブリゾはそう言い、計画を自分達腹心に話して見せたが・・・
海王と覇王の二人は表情を変えることなく、淡々と聞いていたが、
獣王だけはいかぶしげな表情か微かだが浮かべていた。

「畜生!」
「どうした?ガーヴ」
思わずついてでた呟きに、ゼラスが問いかける。
「・・・いや、何でもねえ・・・」
「何でもない訳なかろう、どうしたガーヴ。
フィブリゾの立てた計画が気に入らんのか?」
「相変わらず勘がいいというか・・・・魔王様を復活させるのが気にいらねえワケじゃねえ。
ただあの陰険野郎が他に何か企んでそうで・・・」
ガーヴは他の同僚の中では、割とゼラスと話すことが多かった。
何より、自分の神経を逆なでするような事を言わなかったし、気のあう部分もあって、一緒いても苦にならない相手でもあった。
「まあ、あのフィブリゾが魔王様を覚醒させた後のことを、まったく考えて無いとは思えん。
ついでに竜王の一体でも滅ぼそうとでもするだろう。
聞けば水竜王と火竜王の間に新たな竜神が生まれたそうではないか」
「ああ、俺は実際会ったこともあるがな」
「まあ、あった事は責めずにいてやる。
で、どんな感じだ、その竜神は?」
「すまん;
まず、そいつらは双子で力は竜王ほどは無い、がかと言って俺ら五人の腹心束になってかかっても、
勝てないぐらいに力はあるだろな。
ただ、あらゆることの経験が足りねえから策を弄して、罠にでもはめてやれば倒せん事はねえと思うが・・・」
「そうか・・・」
「炎の時きたる!
俺達、魔族が動こうとしてる時に、世界が、神が、変わるだろうさ!」




世界が揺れる、世界が震える・・・・それは魔が降り立つ時!
魔は嘲笑う・・・闇が蠢く・・・破滅への道を



冥王フィブリゾは機嫌が良かった、思ったように事が運ぶ事が。
あちこちの国に部下を送り込み、不安を煽り国同士に諍いを起こさせ、世界全体に争いの炎を上げさせた。
この世に生きる者達が、不安になればなる程、魔族の力は大きくなっていくもの・・・
「魔王様の封印はかなり強固だからね、人々の不安こそが魔族の糧・・・
その不安、世界を覆うほどの負の感情は、魔王様復活の贄になる」
負の感情を食らい、人の中の魔は目を覚ます・・・
世界を覆う程の負の感情を生むには、死の匂いのする戦乱こそが相応しかった。
「そろそろ次の段階かな?」
人間同士の諍いに更なる不安を与える、レッサーデーモン等の下級の亜魔族を大量に召喚しばら撒く。
「まだだよ・・・まだまだ足りない・・・もっとの負の感情を!」


「フィブちゃん楽しそうねv」
「まあ、あいつはこういう策略めぐらすのが、趣味みたいなものだし・・・」
「ゼラスちゃんは楽しくないの?」
「・・・楽しいとか、楽しくないとかじゃない。
これは魔王様を覚醒させるためのものだろう」
「お堅いわね、折角フィブちゃんのおかげで、負の感情の食べ放題になってるんだからv
おいしく味わって、人間どもの苦しむさまを楽しめば良いのに・・・」
「・・・」



――僕の部下達も良くやってくれる、ふふっ、タナトスもヒュプノスも上手い具合に、水竜王の神殿を破壊してくれたみたいだね

タナトスとヒュプノスの二人は、巧みに人間達の中に潜り込み、水竜王の力を高める要所ごとの神殿を破壊していく・・・
「フィブリゾ様、タナトスです戻りました」
「お帰り、タナトス。よくやってくれた・・・竜族の動きは?」
「竜族の動きはヒュプノスが現在も監視中です。
解っているところで、かろうじて残った神殿に竜族やエルフが集まりつつあります。
ただ、人間の魔道士達に中に一人気になるものが居りますが、ヒュプノスが探りを入れていると思われます」
「そう・・・ご苦労様。
それから、ガーヴ以外の腹心達に次の計画に移って貰うように伝えといて。」
「御意」

――楽しみだね・・・


暗い炎が照らすのは赤い闇・・・





力とは何であろうか・・・答えの出ぬ問いは空に消え
世界は混乱を極めた。
溢れる間族たちに多くの者達は疲弊し、恐怖が不安が世界を覆い始めた・・・


ミルガズィアは一人の魔族と対峙していた・・・
突如現れ、圧倒的な力を見せつけられ、すでに幾人かの竜族やエルフ達が、
物言わぬ冷たい骸と化していた。

「っく、魔族一匹にこれほど苦しめられるとはな・・・」
「我ら魔族を軽く見すぎているのではないか?
このヒュプノス、冥王様の直属たる冥将軍なのだぞ。
お前ら如きが、どうにかできる相手だとでも思ったか!」
薄い笑みを貼り付けたまま、ヒュプノスは手近にいるエルフの腹に穴を開ける。

――どうする・・・このままでは

「さあ、永遠の眠りを与えよう!
このヒュプノス(眠り)の名において!」
ヒュプノスが黒い霧を生み出していく、その霧に触れたものが次々と倒れ伏していく。
――これは・・・まさか毒か!?
「くくく、これは死ぬ訳ではない。
夢を見るだけだ・・・・そう、目覚める事の無い悪夢(ゆめ)をな・・・」
生かさず殺さず・・・負の感情を得るための悪夢を与える悪魔・・・

――他の魔族毛色が違う・・・

普通、大抵の魔族は負の感情を得るために、肉体的な苦痛を与える事が多い・・・

――っく!眠気が・・・!!

「・・・うぅ・・」


少しの間だが気を失っていたらしい・・・
ミルガズィアは意識を右手に意識を集中させ、何時でも呪文を発動させられる状態にしておく。
「あっけない。
神の眷属どもはこの程度でしかないのか・・・つまらん」
つまらなそうに呟き、立ち去ろうとして踵を返し背中を見せた時・・・

どごぉっ!

「カオティク・ディスティングレイト!!」

うがああああああああああああああ!!

声ならざる悲鳴が響く・・・

ヒュプノスは己を貫く腕を見た。
「止めを刺さずにいた事が、お前の敗因だ・・・・」
ミルガズィアは、自分達に興味を失っって、背を向けた時に、殆ど捨て身で攻撃したのだ。
拳に魔力を込めて体をぶち抜き、自らの右腕を媒介に呪文を発動させたのだ。
ありったけの魔力を込めて・・・
「ふむ、もう右腕は使い物にならんな・・・」
呪文を使った余波で、肉が削げ落ち千切れかけた自らの腕を見て、ため息混じりに呟いた。

――この程度で済んだか・・・

ヒュプノスの体は黒い霧となって消えていった。





「ヒュプノスが滅んじゃったか・・・戦力低下はちょっと痛いなぁ」
「よお、冥王(ヘルマスター)。
もおすぐ結界が完成するらしいな」
「もうすぐ君の出番さ、ガーヴ。
もうすぐ魔王様がこの地に降臨する」
「勝ち目はあるのか?」
「とーぜん。
僕の計画は完璧さ」

――そう、完璧なんだよ


その日、水竜王の下より使者が発った。
それは水竜神ディアの姿だった・・・・



狼煙が上がる、戦いの時!
炎の竜が動く・・・焔色の風を起こして・・・


ディアの言葉を聞いてヴラバザードは動いたが、既に水竜王ラグラディアの住むカタートを中心に、
魔族の結界が張られ、近づく事が出来なくなっていた。
だが、諦めの悪さが火竜王にはあった。
魔族の張った結界を強引に破ろうとし、ボロボロになりながらも結界の一部に隙間を作り、
天竜王と地竜王の二神が水竜王に力を送り、魔王を氷付けにする事が出来た。
その代償は大きかった・・・



「大丈夫か、ヴラバザード。
魔族の張った結界破るのに無茶しすぎだ」
「・・・アクア・・助けられなかった・・・」
「・・・・・フレアロード・・・」





魔族の張った結界に炎を纏った王・・・・・・火竜王が力を放つ・・・
「うおおおおおおおおお!!!!」
見えぬ壁を壊し、抉じ開けるかのように力を込めた手を撃ちつけると、白い閃光に辺りが包まれる。

・・・その余りの力の凄まじさに、空が炎の色に染まる・・・

単純に考えれば、結界の力は魔王の腹心4人分の力に相当すのだが、
結界を張るための魔法陣が結果として腹心達の力を共鳴させ、増幅させていた。
その結界の中にある者、触れる者は神の力をそがれ、本来の出す事が出来ないのだ・・・

――アクアを助ける!助けるんだ!!

力と力のぶつかり合いで、火竜王の体には幾つモノ傷が出来、血が噴き出していた。
結界に中で水竜王の力が、弱まっていくのが感じられ、火竜王の理性は焼きいれていく・・・


・・・愛を知らぬものが、神として命ある者を守れるとは思わない・・・


誰が最初に言ったか忘れてしまったが、火竜王も水竜王もこの言葉を大事にしていた。
それは・・・自分達の親たる赤の竜神スィーフィードの言葉だったのかもしれない・・・
愛するもの・・・火竜王ヴラバザードにとってそれは・・・・・水竜王ラグラディア。


ヴラバザードの捨て身とも思えるような、力のぶつかりで生じた隙間から、天竜王と地竜王は魔王を呪縛する。
そして、残された最後の力で水竜王は溶ける事の無い氷で魔王を大地に縛り付け、
水竜王は倒れた・・・それがこの戦いの最後だった・・・





「なあ・・・バールウィン・・・頼みがある」
「ん?」
「私が狂ったら・・・・・・・殺してくれ」
「!!!」









・・・声が聞こえた・・・愛しい人の声が・・・・


・・・・・・泣かないで・・・・


・・・・・憎まないで・・・・・


・・・・・・生きて・・・・・・・と・・・


・・・・・・狂いそうだ・・・・・


・・・・・・けど・・・・・


・・・・・・・私は生きる・・・・・・














「狂ったら・・・殺してくれ・・・私を・・・」




・・・・・・・・・アクアのところへ・・・・・




狂う事さえ許されぬ王は・・・ただ・・・血を流す・・・












それは、沈黙と呼ぶものだった。


ガーヴの話が終った時、ヴァルは泣いていた・・・
否、泣いている事に気づいていなかった。
「降魔戦争後の火竜王は、精神が酷く不安定になった。
かろうじて正気なだけで、紙一重なとこにいるのさ・・・あいつは・・・」
ヴァルは言葉なくガーヴの話を聞いている。
「ゴールドドラゴンのエンシェントドラゴンへの事も、奴の精神が余りに不安定なために、
奴が気づいて止めようとした時は既に手遅れになってたのさ・・・
ゴールドドラゴンを憎むのは止めねえ、だがな、あいつを憎むのだけは止めてやれ。
あいつはその事を、自らの罪として背負ってるんだからよ・・・」
「・・・・火竜王は失う痛みを知ってたのか・・・・」
「もう寝ろ・・・あんまり時間はねえけどな」
「・・・・・・・はい」



願わくば、哀しき神に救いがあらん事を・・・




神でも魔でもない・・・全ての者の母に祈る・・・哀しい竜が迷わぬように・・・
ガーヴは、そう思わずには居られなかっった、狂って死ぬ事の出来ない友の為に。






竜の名を持つものたちはただ旅を続ける・・・当て無き旅を・・・


<終>

18541竜の血の連なり・・・か?(修正版) 中編紫清 月季花 2009/10/30 11:00:11
記事番号18539へのコメント




 ―『竜の血の連なり・・・か?(修正版)』―





誰かが言っていた、そう簡単にシリアスせちゃもらえないのさ・・・と









ガーヴを連れ神殿に戻ると、余りの有様に二人して目が点になった。
何をやったらここまで神殿を破壊できるのか・・・



ヴラバザードがガーヴとあっていた時、神殿に残されていた者たちで適当に寛いでいたのだが・・・
何がきっかけだったのか、ゴールドドラゴンとエンシェントドラゴンが、喧嘩を始めてしまったのだ。
ただ余りの五月蝿さに、リナがキレてドラスレを連打して黙らせたため、神殿の中身はボロボロになってしまっていたが・・・

「ったく!でかい図体してんだから暴れないで欲しいわよね!」
「リナに言われたくないと思うぞ(ぽそ)」
「何か言ったかしら?ガウリイ(怒)」
「・・・;;」
フィリアが何処からとも無く出したお茶を飲みながら、近況報告のようなことをしていた。
「ところでさ、アメリアたちってどうやってここに来たの?」
「わたくしが連れてきたのです」
藍色の髪と淡い蒼の瞳を持つ女性が答える。
「そう言えば、あなた方にはまだ自己紹介してませんでしたね。
わたくしは水竜王と火竜王の娘で水竜神ディア。
火竜神ザードの双子の姉です」
「双子?あんまし似てないみたいだけど・・・」
ザードはどちらか言えばきつい目鼻立ちをした美丈夫で、ぱっと見はヴァルっぽい。
かたや、ディアは優しげな雰囲気の美少女で、ザードほどきつい顔だちはしていないのだ。
「ん〜、別に人間形体の時は結構性格が反映されててな。
似てねーのは性格が違いすぎるからじゃねーの」
「そうゆうもんなんですか?」
「そう言うモンなんでしょ。
神様のわりにえらく砕けてるわね、貴方は」
「そーか?
・・・まあ、親父と一緒にガーヴのオッサンと酒盛りとかしてたしなv」
「・・・・は?
ガーヴって(滝汗)・・・まりゅうおうがあぶ?」
目が点になる一同(ガウリイとディアを除く)
普通、神様と魔族が酒盛りなんぞするとは思わないだろう。
世間一般的な常識から外れたリナ達でさえ、流石に非常識だと思うのだから。
「こいつらホントに神か?」
ゼルガディスの問いに答えるものは無い。




「で?この有様の説明は誰がしてくれるのだ?」
ヴラバザードの問いで改めて周りに目をやる。
神殿の内部の大広間は、リナが連打したドラスレの熱の余波で、石材の殆どが変形し、
床のあちこちに小型のクレーターが出来上がってたりする。
付け加えると、呪文で吹っ飛ばされたドラゴン達が、目を回してそこらじゅうにぶっ倒れているのだ。
「喧しいから黙らせた、以上」
「おい(怒)」
リナの簡潔な説明にヴラバザードは額に青筋浮かべる。
「他に説明しようがねえんじゃねーの、やりすぎだけどな」
すぱぱぱぁぁぁん!
ザードの投げやりな追加の説明(?)に何処から出したのか、ヴラバザードはハリセンでザードをシバキ倒す。
「お前は一応それでも神だろうが!!
止めるぐらいせんか!!
バカ息子があ!!!」

――神様でも親子漫才ってするんだ;;;

当事者以外が同時思ったことかどうか、それは謎。


「ガーヴ様・・・・
生きてたんならどうして・・・連絡一つよこしてくれなかったんです・・・俺は・・・俺は・・・」
「んな泣きそうな面すんなって。
俺も動けるようになったのは、ついさっきだからな。
俺が生きてることを教えてやれなくて悪かったな」
ヴァルの頭に手をやり、青みを帯びた銀髪をわしゃわしゃとかき混ぜる。
自分と同じように同族に追われた青年・・・だが今は・・・
「ガーヴ様、今度はちゃんと連れて行ってください。
置いてかれるのはもう嫌です、また俺の知らない間に死なれるのは本気で嫌なんです」
金にも見える琥珀の瞳が真っ直ぐにガーヴを見る。
置いていったら、呪いの一つや二つはかけられそうな勢いを持って。
「しゃーねーか。
そんなに言うなら一緒に来い」

――ここで置いてったらマジで呪とかかけそうだしな(汗)

「行く前に、あの親子漫才止めてからだけどな(-_-;」

延々続いていた親子のドツキ漫才をガーヴが止めて(両者を問答無用でドツキ倒した)、
ようやく話が出来るようになった、両者の頭にデカイたんこぶをつくって・・・
「ガーヴ、もっと穏やかな止め方は出来んのか?」
目に薄っすら泪が浮かんでいる、よほど痛いらしい。
ザードは完全に沈没している、ガーヴが本気で殴った為に脳震盪を起こしてる様で、ぴくりとも動かず突っ伏している。
「だったら馬鹿やってんじゃねーよ。
天然ボケの親父が(ぽそ)」


「不思議な光景だな・・・・火竜王と魔竜王がのんきに茶を飲んでる姿ってのは」
「そーねー」


「名前はどうする?
置いてくんだろ、ヴラバザードの名前はよ」
「フレイ・・・アクアがそう呼んでたしな」
「・・・・尻に敷かれただろ・・・お前;;」
「本気で失礼だぞ(怒)
見捨てときゃ良かったかなこいつ(怒)」
「・・・;;;」
「ま、アクアがこの時代に転生してるかどうか、私にも解らんが探すだけだ。
何しろあの方の命でもあるし、意地でも探さんと;;;」
「・・・手伝ってやるって、俺も結構長生きするだろうしな」
似たもの同士はで旅にでる、炎を纏った赤い竜が二匹。黒い翼の竜を従えて・・・









・・・いっそ・・・狂ってしまえたら・・・良かったのに・・・



宿のベッドの上。
夢見の悪さに目を覚ませば、纏わり付く不快な汗に舌打ちを付く。
消えることの無い悪夢、降魔戦争の記憶・・・守ることも出来ず伸ばした手は空を切る虚しさを無力感。
「アクア・・・」
愛しながらも失われたもの、万能ならざる異形の存在。
竜王などと呼ばれ敬われてはいても、守りたかったものは既に無く、己の無力さだけが目に付くだけ・・・
唯思うことは、感情が無ければ苦しまなかっただろう事だけ・・・


悪夢の名残を消すかのように、外の空気を吸いにでる。
神殿から離れ、旅をする様になって一月近くたっていた。
旅立ちの時に元巫女のフィリアが付いてこようとして、一悶着あったのを思い出す。
ただ、付いてこようとした理由を聞いて本人には悪いが笑えてしまった、曰く

「やくざな赤毛魔族にヴァルを任せられるわけ無いでしょう!不良ドラゴンになるのを、見逃せません!」

――あの魔竜王ガーヴを恐れずに言い切る勢いも凄いが・・・不良ドラゴン・・・何か変な表現なような気もするが・・・まあ、あの「竜殺し」のゼロスに向かって生ゴミ呼ばわりしているしな。

微かに苦笑が浮かぶ。
余りに五月蝿くしつこかったので、ヴァルがフィリアに当身を食らわせ気絶してる間に出てきたのだ。
所かまわず鈍器を振り回されたら、はた迷惑なだけだろう。


一人、外へ行くフレイ(元火竜王ヴラバザードの人間バージョン)にガーヴは気づき深いため息をつく。
あの様子では忘れていない、降魔戦争の事を・・・水竜王ラグラディアが死んだ時の事を。
「難儀な奴だ」
消えない記憶に苦しみ続ける友、救いを拒み続ける孤独な神。
「ガーヴ様・・・まだ起きてるんですか?」
半分寝ぼけたような声でヴァルが聞いてくる、物音に目を覚ましたのだろう。
「ヴァル、お前降魔戦争の事どの程度知ってる?」
「・・・?あんまり知らない・・・かも。
復活した魔王と水竜王が相打ちになったって程度しか・・・」
不思議そうに首をかしげながらポツリと答える。
「聞く気はあるか?
降魔戦争の事・・・あいつが何に囚われてるか・・・」


囚われた思いは何処に行くのか、赤い竜は泪を流さず泣きつづける・・・

<続>

18540竜の血の連なり・・・か?(修正版) 前編紫清 月季花 2009/10/30 10:56:40
記事番号18539へのコメント


 ―『竜の血の連なり・・・か?(修正版)』―





よく晴れた日のこと、リナとガウリイの前に一人の青年が現れた。






その日は本当に良く晴れていた、雲ひとつ無く吸い込まれるのでは思えるほどの蒼さで。
何時もの様に、リナ達が食堂の料理を制覇中に現れた、金髪交じりの紅い髪に金の目をした青年は。
「リナ=インバースだな?」
青年の問いかけをさらりと無視するリナ。
食事中の彼女に話しかけたとて、大概はろくに聞いてもらえ無いのだ・・・
「返事をする気は無しか・・・まあいいか、親父には無視されたから置いてきたと言えば・・・」
「って、ちょっと待ちなさいよ!」
「・・・なんだちゃんと聞いてたのか」
「とりあえず、あんた誰よ?」
香茶を飲みつつ聞いてみる
「俺か?俺は・・・火竜王ヴラバザードと水竜王ラグラディアの息子で火竜神ザード。
先に言っとくが名前が安直とか言うな、親父の名前の一部を貰ってるから、名前自体に力があるんだ」
さらりと返された答えに、リナは飲みかけていた香茶を吹き出す。
ガウリイの方といえば、いかにもよく解らんといった表情を浮かべ、リナに説明を求める視線を送る。
「火竜王の・・・息子ぉ!!!?」
リナ絶叫。
無理も無い事だろう、あの火竜王に息子がいるとは誰も思わないだろう・・・多分・・・




例のごとくどつき漫才でガウリイに説明した後、ようやく本題に方に移った。
なおガウリイがボケて「でっかいトカゲの親玉か?」と発言したため、
ザードにどつき倒され、ガウリイの顔が地面にメリコミ、地面に顔型が出来てたりする、
微笑ましいエピソードがあったりするが。
「・・・で、本題に入るけど。火竜王があたし達を呼んでるのね?」
「ああ、親父はあんたらに証人になってもらいたいらしい」
「あたしとしてはもう火竜王に関わりたくないないんだけど」
ザードは微かに顔を顰める、リナの気持ちも解らなくは無いのだ。
父である火竜王の使いたるゴールドドラゴンの所業を考えれば・・・彼らの行きすぎた行動の結果が、
先の異界の魔王の召喚という騒ぎになったのだから。
だがその火竜王はそれらの償いの為に、当事者となった者達に自らの償いを見届けてもらいたいのだ。
「・・・気持ちは・・・解らんでもない。
だが、親父にいい加減けりをつけさせてやってくれ、親父は辛いんだよ・・・」
抑揚の無い声に滲むのは悲しみと、無力感・・・
「・・・・解ったわよ、神様のお願いなんて蹴ったりしたら、姉ちゃんにばれた時に殺されかねないし・・・。
行ったげるわよ」
「・・・礼を言う・・・」





「で、いきなり転送されたけど、ここは何処なワケ?」
其処は、祭壇のようなものが置かれた無駄に広い場所だった。
「おい、リナ。あれ・・・」
ガウリイに振り向くと、其処には既に死に絶えたはずのゴールドドラゴンとエンシェントドラゴンが居た。
「何で・・・生きてんのよ・・」
声が掠れている・・・
「私の力だ、リナ=インバース。
私の償いなのだ・・・」
其処に居たのは、ザードによく似た壮年の男性。
「・・・まさか・・・火竜王?」
「そうだ」
いきなり現れ、さらりと爆弾発言するのは血筋なのだろうか?
その火竜王の後ろには、見知った顔と見知らぬ顔が居た。
「久しぶりね、ゼル、アメリア。
フィリアも久しぶり、それと・・・ヴァルガーヴも・・・」
「なあ、リナ、何でヴァル何とかがここに居るんだ?
あいつって卵になったんじゃなかったけ?」
「あたしが知るわけ無いでしょう(怒)」
「説明がいるかい?
リナ=インバース」
「いい加減そのフルネームで呼ぶのを止めてよ。
それと、きっちり説明してよ」

ヴァルガーヴの説明によると、ヴァルガーヴを卵の状態で再生させたのはヴォルフィード。
かの神が残された最後の力を使ってヴァルガーヴをこの世界に留めたのだ。
そうしなければ彼も混沌の海へと帰る事になるから。
彼の絶望に惹かれてこの世界に来たとはいえ・・・巻き込んでしまったことは事実であり、
利用したとも言えるから・・・勝手ではあっても償おうとしたのだ。
「ああ、それと。
俺の名はもうヴァルガーヴじゃなくてヴァル=アガレスだ。
魔族の力は残ってないしな」
「あんたが卵になったとこまでは解ったけど・・・
何で卵だったものが、ここまででかくなるのよ??」
「ああ、そりゃあのオッサンの力だ」
火竜王を指差しオッサン呼ばわりに、流石にフィリアが抗議しているが、
当のヴァルは、しれっと聞き流していたりする。
「ところで良いか?
私の方の話をしても」
火竜王は自らの罪と償いを語った。

火竜王の罪は、自らに仕えるゴールドドラゴン族が、エンシェントドラゴン族を滅ぼすのを、
止めることが出来なかったこと。
そしてそこから産まれた嘆きと憎しみが、この世界に破滅に呼び込む鍵となったこと。
その結果が自らに仕えるものを失わせることとなり、この世界に多大な被害を与えたこと。
火竜王の償いは、失われた命の再生。
火竜王の役を息子の火竜神ザードに引き継がせ、最後の審判を仰ぐこと。
その審判を仰ぐ相手は・・・全てのモノの母・・・金色の魔王
ヴラバザードは自らの血で魔法陣描き、かの王を召喚した。声と気配のみの・・・

――我を呼ぶは何故か・・・赤き竜の末裔よ――

「貴女の裁きを受けるためです。全てのモノの母よ」

――裁き?――

「私は・・・」

ヴラバザードはリナ達に話したのと同じ事を繰り返し、裁きを待った。

――汝、審判を下す。
汝が力を封じ、汝が伴侶たるラグラディアを探すが良い。
神では無く唯人して生きよ――

「!!」

――これより火竜王は汝らの子、火竜神ザードが勤めよ!
水竜王の座は汝らの子、水竜神ディアに継がせよ!――

そう告げると気配は消え、ヴラバザードの力は封じられた、そして、古き友に会う。
元火竜王は告げた。



リナ達が連れてこられたのは、火竜王自身が住まう神殿だった。
外から見ればそれほど大きな建物に見えないのに、中は恐ろしく広いのだ。
ヴラバザードは一人神殿の外にいた、古き友に会うために。
どれほど待ったのか、何時の間に現れたのか、腰まである緋色の髪を靡かせた二十代後半くらいの男が居た。
「久しいな、ようやく動けるようになったか・・・ガーヴ」
言われて男は・・・ガーヴは唇の端を上げて笑みを刻む。
かつて、魔族から離反し冥王フィブリゾに滅ぼされたはずの男・・・魔竜王ガーヴ。
「・・・何故・・・俺を助けた?放って置けば滅び消えてゆくだけの俺を・・・」


神話の時代、神と魔は激しい戦いの中にあった、互いの存在を許さず消し去るかのように・・・
やがて時は流れ、竜の名を持つ魔があった、名は魔竜王ガーヴ。
彼は戦いを好んだ、だがけして神を憎んだわけではなく、全力を持って戦う相手だと思っていた。
彼だけが自由だった、何かに囚われることなく在り続けていた。
「何故だろうな・・・私にも良く解らん。
ただ、お前のような男が居なくなると、つまらなくなりそうだったからな・・・・
お前と飲む酒は旨かったしな・・・」
何時からだろうか、似ていることに気づいたのは・・・何時からだろうか、酒を酌み交わすようになったのは・・・
「・・・まあいいさ」
言って静かな、紅蓮の炎と評される程の男が、穏やかとも言える静かな笑みを浮かべる。
「生きてられるんだしな」
紅い男の二人の前に何時から居たのか、ブロンドの髪を短くまとめた女性が立っている。
濃紫のシンプルなラインのドレスを着た、若い女性・・・
どことなく雌豹を思わせる雰囲気を持っている。
「懐かしいな・・・・・何年ぶりだ?・・・・ゼラス」




「千年ぶりか・・・変わらないな、ガーヴ」


「そんなになるか?」


「降魔戦争いらいだろ?」


「そうだったな」


「ガーヴ、戻る気は無いか?」


「・・・・すまねえ・・・・無理だ」





ゼラスが浮かべる笑みは作られた笑み、感情のこもらない作り物の表情――今までそうだった、これからも・・・

「・・・・・・・・・そうか」
つぶやく声は淋しげで、浮かべた表情は脆く壊れそうな儚い微笑み。
解っていたのだ、ガーヴは二度と戻らない。
魔族から永遠に離れていこうとしていることに・・・ただ、認めたくなかっただけなのだ。
失われた同胞を・・・
ふとガーヴが何かを投げてよこした。
「・・・やるよ、それ」
艶を消した金の縁飾りの付いたペンダント。
嵌められている石はファイヤーオパール、炎のような美しい石。
「約束・・・してたろ?お前にやるって」




まだガーヴが魔族の側に居た頃
ゼラスはガーヴが手に持って遊んでいる石をみてルビーかと尋ねたのだ。
「こいつはファイヤーオパールつって、ルビーとは違う石さ。
いるならやるぜ?
お前に」
「良いのか?」
「こういう綺麗なモンは男の俺が持つより、お前みたいないい女が持つモンだ」
そういって笑う顔は子供のような無邪気で、惹き込まれるほどの魅力を持っていた。
「でもこのまま渡すってのは芸がねえな・・・ペンダントかブローチかに加工してからお前にやるよ」
「楽しみにしていよう」


「覚えていたのか・・・あの約束・・・」
忘れていた・・・いや・・・忘れたと思っていただけ・・・

沈黙が支配していく・・・互いに敵同士になりながらも、憎むことの出来ない相手がいる。

互いに目指すものが違ってしまったから

望むものが変わってしまったから

それでも変ることのない者もいるから・・・あらゆるものを飲み込んで

滅びの海へと堕ちゆく事を望む者と

足掻き続け前に進み生き続けようとする者に。


「ゼラス」

「何だ」

「いい女だよ、お前・・・昔も・・・今も」

「・・・」

「行くんだろ?」

「・・・ああ、次に遭うときは・・・」

やがて、景色に溶け込む様にその姿を消した。

・・・・ありがとう・・・さようなら・・・

「声が聞こえた気がしたな、ガーヴ」
「そうか?」

妙なところで不器用な友を見やってため息をつく。
この男は何処までも人を惹き付けながらも、全く気づいていないのだ。
だからこそ・・・友と呼べるのだろう・・・
「で、お前はどーすんだ?」
「・・・アクアを探す」
「ラグラディアをか?」
「んん〜、あのお方の命であるしな」
「マジか;;」





「俺も行くからな」
「頼りにさせてもらうからな」


何時か会えるだろうか、大切な人に・・・・


<続>

18539竜の血の連なり・・・か?を修正、再掲示。紫清 月季花 2009/10/30 10:51:39


こんにちはのかた、はじめましての方。
紫清 月季花です。

一番最初にこちらに投稿させてもらった、『竜の血の連なり・・・か?』を誤字脱字を修正して再掲示しようかと思います。

もしかしたら、他のギャグ物以外の話も修正して、再掲示とかするかもしれません。

では、『竜の血の連なり・・・か?(修正版)』です。

18538Re:利用される関係みやび 2009/10/21 15:13:22
記事番号18537へのコメント


>
>はじめまして、みやびさん。セスと申します。
>原作のアメリアの、熱血に見えて意外にドライな面が出ていて素敵です。
>私はアメリアはアニメ版のほうが印象強いのですが、原作の彼女も好き・・・なのですが、うまく書けないのでうらやましいです。
>
>
初めまして、こんな小説にお付き合いいただいてありがとうございます。

リナの前だと熱血が多いと思っていますが、利用できそうな岩の前だと……黒いですね。ドライてよりも黒くなりすぎました。
私もアニメ版の印象が強いので、たまに混ざったりもしてますが、そこはご愛嬌です。
とりあえず、原作版ではカップリングなんてイラン。岩なんて利用しまくってしまえ。って感じで書いたらこうなりました。

出航して、帰航するまでを書こうと思うのでまだまだ続きますが。ローペースなので………がんばれる範囲でがんばります。

18537Re:利用される関係セス 2009/10/18 22:21:38
記事番号18536へのコメント


はじめまして、みやびさん。セスと申します。
原作のアメリアの、熱血に見えて意外にドライな面が出ていて素敵です。
私はアメリアはアニメ版のほうが印象強いのですが、原作の彼女も好き・・・なのですが、うまく書けないのでうらやましいです。


18536利用される関係みやび 2009/10/9 18:41:12


初めまして。雅(みやび)と申します。漢字一文字では寂しいので平仮名で書かせて頂いてます。
1年ほど前からこちらのサイトにお邪魔しておりましたが…っ。投稿したい、と思いながら文才はないわ、時間はないわで。1年でSS2本しか書けなかったというローペースですが…。折角なので投稿させて頂こうと思います。

尚、原作(2部)という設定で書かせて頂きますが、私は原作についてはカップリングは認めていない派です。しかもアメリアは黒い! と思ってます。うん。
そこがSSにも現れていると思います。

乱文、拙い文でも宜しいと思う方はどうぞ読んでやってください。
(ちなみに時間ないので見直し、書き直し一切やってないです)
本人は先に逃走しておきます。見て下さり、ありがとうでした。









利用される関係




 リナとガウリイさんは未だに旅をしているのだろう。色々な地域で噂が流れてくるのを耳にしながら、相変わらずね。などと思ってしまう。
 どうしてそんなことを考えたかというと、資料に二人の名前がトップで記入されていたからだ。

 リナ=インバース
 ガウリイ=ガブリエフ

 天才的な魔道士と天才的な剣士。
 確かに危機回避能力は高い。その才能の高さは今まで私が出会ってきた人の中では最高ランクに位置する。
 だが………兵を動かして連絡するなど、無粋だろう。
 そう、無粋だ。
 折角の二人旅に水を差したくはないし、二人に頼めば私がお城の外に出る口実を失ってしまう。
 そうよ、それにあのリナが破壊活動に出ないなんてあり得ないし、今回の人選としては間違っているわ!
 今回の会議用の資料に書かれていた名前を羽ペンでぐしゃぐしゃに消し、見えないようにする。
 ごめんね、リナ。無粋なことはしないから、ガウリイさんと一緒に旅を楽しんでてください。セイルーン近くに来なくていいから、寧ろしばらく近寄らなくていいわよ。

 コンコン。

 控えめなノックの音が聞こえるが、特に声は聞こえない。
 ……あぁ、ここにも相変わらずな人が居たみたいね。
 思わず苦笑が漏れるのを止めることは出来なかった。
「鍵は開いてますので、入ってくれて構いませんよ」
 がちゃり、と入ってきたのは白ずくめの男の人。一見するとすごーく怪しい人だが、その中身はとても誠実で真面目。
 自称、残酷な魔剣士と言っていたりもするが実際はお茶目すぎる魔剣士のゼルガディス=グレイワーズさん。
 部屋に入り、ドアを完全に閉めてから被っていたフードとマスクを脱ぎ、こちらに顔を見せてくれる。
「会議の招集だそうだ」
 と、それだけ言う姿に肩をすくめた。
 たったそれだけを伝えるためだけにこの男を動かす人などそうはいないだろう。ましてやこの城の中に限定してしまえば二人ぐらいしかいないだろう。私と、もう一人は────
「父さんにでも捕まりましたか?」
 私の父さんのみだろう。
「ぁぁ、ついでだから呼んできてくれと、な」
 彼がどこにいたかはまったく知らないが、何処かに行くついでに私を呼ぶという用事を頼まれたのだろう。通り道だったのか、それとも何か別の……なんて考えても仕方ないわよね。
「なるほど…。
 っと、ゼルガディスさんはこれから蔵書室ですか?」
「まだここに来てから足を運んでないもんでな」
 …目が物語っている。誰かさんのせいで。と……。
 まあ確かに彼をここまで引っ張ってきたのは私に違いない。
 なんとなく彼の気配を感じたのは昨日の話。仲間だから、挨拶だけでもしたい………という理由も確かに一割ぐらいはあったとおもう。だが、それ以上にこれから城を出るための計画に一役買ってもらおうと思い、招き入れた。城にくれば、蔵書室や国立図書館の本は見放題ですよ、と餌をぶら下げて。
 4人で旅をしていた実績もあるし、知らぬ仲でもない。剣も魔法も一流の腕で、ボディーガードとして雇うにも彼ほどの人材はあまり見つかるまい。確かに合成獣というレッテルから批判される可能性もありえるが、父さんに関しては旅から戻ってから仲間たちの強さと、正義の志を語っておいたので反対はすまい。
 ………。要するに、城の外へでる時に護衛でゾロゾロと家臣が付いてくるよりも、ちょうど良く現れた彼を側に置くほうがよっぽどマシ。もちろん一人で出るほうが気楽でいいが、今回はそうもいかない。旅に出向こうとしているのは滅びの砂漠の更に東、陸が続いてるはずの結界の外だから。
 どこまで砂漠が続いているかわからないのだから徒歩で向かうには危険極まりない。となると、船が必要になる、というわけだ。
 もちろん昨日現れたばかりの彼はそんな私の思惑などまったく知らないだろう。むしろ、今回の会議の内容すら知っているかさえも怪しいところだ。会議が進行し、私が派遣されることが決まったときに彼には再び餌で釣りながら教えようと思っているのだから。
 結界の外は私たちの知らない世界が広がっているに違いない…。そこへいけるチャンスをゼルガディスさんが逃すとは考えにくかった。




「お考えを改めてください、姫様!」
 いつものように書斎で事務仕事をこなす私の前に、もう何度目か忘れた訪問者が現れる。それも、毎回同じ台詞を吐いて、みな悲痛な声を上げながら訴える。
 最初からばっさりと言葉で切り捨てていったが、数を数えるのも馬鹿らしくなったあたりから頭痛の種になり始めていた。正直なところ、心配してくれるのはありがたい。だけど、今回の調査を見送り、城で待つということはもう出来ない。
 冥王(ヘルマスター)フィブリゾが滅ぼされた影響で解けたのであろう(確認されたのがここ最近のことだから推測でしかないけど……)私たちの世界を包んでいた結界の外、私たちにとっては未知でしかないその世界の一端を確認し、外の世界との交流を図るための外交特使。先ほどの会議でその任を受けたばかりだというのに、それを今更手放すことなどできるわけがない。
「船が通る海域には群狼の島もございますっ。
 万が一姫様が命を落とされでもしたら──────」
「それは他の者が担当しても同じことです。
 そんな理由で任を降りるということは致しません」
 獣王(グレータービースト)ゼラス=メタリオムの住まう群狼の島の近くを通ることになる船は確実に危険が伴う。…もちろん、そんなことは初めから承知の上だし、こうして会議や準備の期間にその配下である獣神官(プリースト)ゼロスが姿を現すかと思っていたのだが────特に今のところは見かけてもないし、そんな気配も特には感じてはない。
 とんとん、と終わった書類を纏めて一息つく。
「ところで、先客がいるということに気づいていましたか?」
 私に即座に却下されたことで、慌てふためいていた家臣にそういってみる。その言葉にハッと我に返り、部屋の中をぐるりと見渡す。………そんなことをしなければ見つからないほど隅に、壁に背を預けて、それでいて気配までもご丁寧に殺して、先客は不機嫌な顔でこのやりとりをずっと見守っていた。なにも気配まで殺さなくてもいいとおもうのだが、それでいて不機嫌なオーラは痛いほど伝わってくるのだから不思議な感じがする。まあ、単に完全に気配を殺しきれてない証拠だろうが、そんなことはどうでもいい。
「こ、これはっ…失礼致しました」
 ばたばたと慌てて執務室から出て行く家臣を完全に見送ってから、不機嫌な彼に言葉をかける。
「すいません、騒がしくて」
「さっさと用件を言わないからだろう」
「確かにその通りです。ごめんなさい」
 会議が終わって、すぐに蔵書室を訪れ、大切な用事があると執務室まで否応無しに連れてきたというのに既に10分以上彼を放置している気がする。そろそろ怒り出すのも時間の問題だろう。すぐさま本題へ入る。
「ゼルガディスさんは結界の外の世界をどう思ってますか?
 外の世界に、行ってみたいですか?」
 行ってみたい…なんておかしな話だ。既に彼は私の護衛としてついていくことが決まっているというのに、その本人意思は事後確認なんて……。
 ふと、彼が人の悪い笑みを浮かべた。………ような気がする。ここからだと少しばかり離れていて、顔色さえ伺うことは出来ないがなんとなくそんな気がした。
「俺がそんなところには行きたくもない、といったらどうするつもりなんだ?」
 一瞬、何を言っているのだろうと。頭が彼の言葉を正しく変換しなかった。
 そして次の瞬間、その裏に込められた意味も理解した。
「知っていたんですか?」
 今回の会議の内容と、その任を受けようと躍起になっていたことを。
 ─────彼を多少であれ利用してたことを。
「あぁ。フィルさんに全部な」
 なるほど。
 小言の一つでもついでに言われるかと思ったが、それ以上何も言ってはこない。かといって話を終わらそうとしている気配もない。
「それで? そんな話をしてくるということはその役割はお前で決まったんだな?」
「えぇ、ぶーぶー文句言われてるみたいですが」
 先ほどのように何度も何度も。私が止めるわけがないとわかっているにも関わらず、何度も何度も。
「なら俺は何も言わん。
 だが、俺はお前をとことん利用させてもらうぞ」
 一瞬、呆けた顔をしていたかもしれない。
 驚いた顔をしていたかもしれない。
「……王族を利用するなんて…いい立場ね」
 彼の言葉の意味を真に理解しているかはわからない。
 私はいつだって誰かを利用する。
 周りも私を利用しようと近づいてくる。
 だが────
「はっきり言われたのは初めてだわ」
 誰もが思惑を隠して、中に潜む影を隠して近寄ってくるというのに。
「お前は俺を利用すればいい。
 だが、俺もお前を利用するだけだ」
 まっすぐに、影すら隠さずに近寄ってくるこの男。
 だから信用できるのかもしれない。
 仲間、という言葉を抜きにしても。
「言われなくても思いっきり利用するわ」
 私はお城の外に出るために彼を利用する。
 彼は外の世界に出るために私を利用する。

 私たちは利用し、利用される関係だ。

18535Re:のまれた心 望んだ景色のこもこ 2009/8/18 23:06:50
記事番号18532へのコメント


初めましてラディスさん!
のこもこというものです!!
2のほうでは初顔の新米ですけどよろしくおねがいします!
いやー。いまだスレの熱は残っているものですよね!
レスがわりといいますか、ERでレゾさんにちなんだものも、ついでにくっつけちゃいます!
返品も可!
>
>望んだことがあった
>この世界を見ること
>この開かぬ目に光がさすこと
>望んだ
>渇望した
>しかし、私の目が開くことはない

あれほどまでに
心震わされるものだとは思わなかった。
一度は黄昏の暗き闇
その中に写る刹那の風景
焦がれんばかりの衝撃
大地の息吹
脈打つ木々の息遣い
小川を流れる澄んだ水の青き色

>なぜだ
>なぜだ
>ありとあらゆる魔術を得とくし
>ありとあらゆる知識をそろえた
>それでもまだ開かない
>億の知識も千の魔法も私を助けてくれない

そして
そして
あらゆる魔術を手段とし
あらゆる知識を施した
慈愛と自愛の入り混じる
まなこを開かせるための
私の狂気の実験台へ

>私は怨んだ
>目が見えるものたちを
>私は憎んだ
>見えることを当たり前と思うものたちを
>私は妬んだ
>私の魔術によって光を得たものたちを
>私は絶望した
>この世界に
>人間に
>この世の全てに

人は貪欲に
何かを求める
人はどこまでも
『次』を求める
人は欲深く
堕ちてゆく
私も人か
私は望んだ
世界に
私の世界に
再び光を

>愛おしい呼び声ももう届かない
>愛おしいその手を振り払った
>愛おしいその瞳に嫉妬した
>何か気づいていたのかも知れない
>何も分かっていなかったのかも知れない
>強き体を与えた
>大きな魔力を与えた
>望む通りに
>怒りをぶつけるように
>実験のために
>私に守れなくなっても良いように
>どれが本当の私なのだろう

私を慕う愛おしい呼び声
私を蔑る狂おしいほどの憎悪
私を覚え続ける血縁者ゆえの葛藤
私の望みを知りながらも
望みの本質をわかろうともしなかった
その愛情が深ければ深いほど
湧き出る黒い感情は御することもできず
混ざり合った愛憎
愛ゆえに身を守るカラダを
憎悪ゆえに異形のカラダを

>紅い闇が笑った気がした

闇の中で光が見えた
やはり世界はすばらしい







ERはレゾさんの人間くさいところがいいですよねー
この人は二面性を併せ持っているのが魅力的なおじさま
ゼルの先祖だからおじいさんじゃん!
すごいやじーちゃん!(瞬殺)
>レゾです。もう、EVOLUTION-Rのレゾに再び胸を撃ち抜かれましたvv
(復活)ラディスさん…のこもこは(よろよろと立ち上がり)…もう…だめかもしれま―――(ぷつ)

赤い法衣の人物がにこやかに。
金髪の美女と謎の魔道士姿の男が笑顔で割り込みホワイト・アウト


18534Re:裏で手を引く者は何を企む その十七(ゼロスが現れた編)コウ 2009/8/18 12:28:36
記事番号18533へのコメント

コウ ゲゲゲの鬼太郎の劇場版dvdをみれました。
部下S そうですかそれは良かったですね
>「いやぁ〜。魔を滅ぼす者………デモン・スレイヤーと呼ばれているリナさんにそう言われると照れますねえ」
> と、声が聞こえたのはその時だった。
部下S まぁ、『わたし』を二回も滅ぼしたくらいですからね。
> のほほんとした声をまわりを見ると部屋の隅の方に前から居たかのように当然の顔でその青年が居た。
> 漆黒の神官服に黒いおかっぱ頭の笑顔の青年だが作り物めいた仮面のような笑顔に鬼太郎には見えた。
コウ まぁ、あの笑顔と言うかあの姿事態が作り物だしね。
>「どっからわいて来たのよ。このゴキブリ魔族」
>「ゴキブリ扱いはやめてくださいよ。」
>「じゃ、パシリ魔族」
>「それもやめてください!!………て、いうかリナさんからかって楽しんでいませんか?」
部下S はぁ、お前も苦労するなぁ
コウ 貴男ほどではないと思います。
部下S ………
>「やかましぃ。っと、いうか何を企んでいるのよ。エルって何者よ。
> 言わないとアメリアの正義の歌を聴かせるわよ。さらに、ミルカディアさんが言っていた魔王も認めた寒いギャグを言うわよ。」
>「……どこの魔王が認めたんですか?」
> 鬼太郎がおもわず質問してしまう。
コウ スレイヤーズ世界のルーク=シャブラニグドゥです。十五巻参考の事で
部下S たしかに、寒いというか………精神攻撃の一種ですね
> 丁度その頃その光景を見ているエルは
>「あははは。まぁ、ドラゴンのギャグのセンスはどこを作り間違えたのか知らないけれどあれは失敗よね。ん〜〜長生きしすぎるとセンスがずれるのかしら?
コウ エル様も失敗と言いますか
> 魔族は、根本的に感性が違うのよね」
> と、エルはパイナップルを食べながら言う。
>「まぁ、妖怪もピンからキリまであるけれどあの妖怪はそれほど強力と言えば強力だけど、……ゼロスを従えるほど強い訳じゃ無いしね。」
> と、言うとトロピカル・パイナップルジュースを飲むエルだった。
部下S なじんでおられますね………。
>「と、まぁ確かに変わった方々は居ましたね。
コウ たしかに、真実だな。魔王を二回も倒すし五人の腹心の二人を滅ぼす原因になったり魔族のペットを探したり乙女チックなリビングメイルを助けたり変わったと言うか個性的というか
> でも強力な妖怪では無いですよ」
部下S 強力な力を持った人間ですしね
> と、ゼロスは自分を命令している妖怪という存在の悪魔に報告した。
> 悪魔と言っても、かなり力の弱い存在なのだが一緒についてきた金色の石の力で強力になっている。とはいえ、増幅した力でゼロスを甘く見ているのだが………。
コウ 典型的な有頂天になってしまうタイプ
部下S 悪魔って言うだけなんですか。
コウ いや、どんな種類にしようかというのが思いつかなくて………
部下S ………(あきれ)

18533裏で手を引く者は何を企む その十七(ゼロスが現れた編)コウ 2009/8/18 12:19:28
記事番号18530へのコメント

「いやぁ〜。魔を滅ぼす者………デモン・スレイヤーと呼ばれているリナさんにそう言われると照れますねえ」
 と、声が聞こえたのはその時だった。
 のほほんとした声をまわりを見ると部屋の隅の方に前から居たかのように当然の顔でその青年が居た。
 漆黒の神官服に黒いおかっぱ頭の笑顔の青年だが作り物めいた仮面のような笑顔に鬼太郎には見えた。
「ぜっ、………ゼロス!?」
 リナの言葉に全員がおどろく
「どっからわいて来たのよ。このゴキブリ魔族」
「ゴキブリ扱いはやめてくださいよ。」
「じゃ、パシリ魔族」
「それもやめてください!!………て、いうかリナさんからかって楽しんでいませんか?」
「やかましぃ。っと、いうか何を企んでいるのよ。エルって何者よ。
 言わないとアメリアの正義の歌を聴かせるわよ。さらに、ミルカディアさんが言っていた魔王も認めた寒いギャグを言うわよ。」
「……どこの魔王が認めたんですか?」
 鬼太郎がおもわず質問してしまう。
「エル?って誰ですか。僕としては気がついたらこの世界にいてどうやらこの世界では魔族は長く存在できないみたいでしてね。
 存在するための力の固まりを持っている方の言うことを聞かないといけないんですよ。いやぁ〜と、言うわけで倒す手伝いをしろと言われた相手………ゲゲゲの鬼太郎さんを見に来たんですよ。
 そしたら、リナさん達が居るんですからおどろきましたね。」
「……僕を倒すといった相手はだれですか?」
 鬼太郎の言葉にゼロスはにっこりと笑って
「それは、……秘密です。」
 と、言うと姿がかき消えた。
「ゼロスの方は、あんまりやる気はなさそうだったわね。」
「なさそうだったの?」
 リナの言葉に猫娘が聞き返す。
「みりゃわかるでしょ。なにしろ手伝いよ。手伝い。
 ゼロスにしてみれば自分の力を甘く見られてようなもの………言うこと聞かなきゃいけないと言うことでも十分いらついているんじゃないの?
 あいつが無条件で言うこと聞くとしたら………自分を作り出したゼラスかその上の魔王か………もしくは『あれ』だけね」
 と、リナはつぶやいた。

 丁度その頃その光景を見ているエルは
「あははは。まぁ、ドラゴンのギャグのセンスはどこを作り間違えたのか知らないけれどあれは失敗よね。ん〜〜長生きしすぎるとセンスがずれるのかしら?
 魔族は、根本的に感性が違うのよね」
 と、エルはパイナップルを食べながら言う。
「まぁ、妖怪もピンからキリまであるけれどあの妖怪はそれほど強力と言えば強力だけど、……ゼロスを従えるほど強い訳じゃ無いしね。」
 と、言うとトロピカル・パイナップルジュースを飲むエルだった。

「と、まぁ確かに変わった方々は居ましたね。
 でも強力な妖怪では無いですよ」
 と、ゼロスは自分を命令している妖怪という存在の悪魔に報告した。
 悪魔と言っても、かなり力の弱い存在なのだが一緒についてきた金色の石の力で強力になっている。とはいえ、増幅した力でゼロスを甘く見ているのだが………。
 そして、ゼロス……魔族は嘘は言わない。実際リナ達は変わった方々と言うのは本当である。そして強力な妖怪では無いというのも事実だったりする。彼らは人間だから妖怪では無い。ゼロスの得意な嘘ではないが本当でもない、誤解するような言い回しだった。
「けっけっけっけ。本当か。それは安心した。
 ゲゲゲの鬼太郎のもつ地獄の鍵も手に入れてこの石も使えばバックベアードにだって勝てるようになる」
 と、その悪魔は言った。

18532のまれた心ラディス 2009/8/16 13:36:52




望んだことがあった

この世界を見ること

この開かぬ目に光がさすこと

望んだ

渇望した

しかし、私の目が開くことはない

なぜだ

なぜだ

ありとあらゆる魔術を得とくし

ありとあらゆる知識をそろえた

それでもまだ開かない

億の知識も千の魔法も私を助けてくれない

私は怨んだ

目が見えるものたちを

私は憎んだ

見えることを当たり前と思うものたちを

私は妬んだ

私の魔術によって光を得たものたちを

私は絶望した

この世界に

人間に

この世の全てに

愛おしい呼び声ももう届かない

愛おしいその手を振り払った

愛おしいその瞳に嫉妬した

何か気づいていたのかも知れない

何も分かっていなかったのかも知れない

強き体を与えた

大きな魔力を与えた

望む通りに

怒りをぶつけるように

実験のために

私に守れなくなっても良いように

どれが本当の私なのだろう


紅い闇が笑った気がした





******************************
何年振りでしょう
たぶん、4、5年ぶりでしょう
覚えている方がちらほらいらっしゃいますが、
お久しぶりでございます!ラディスです!
そして大多数の皆様はじめまして!

レゾです。もう、EVOLUTION-Rのレゾに再び胸を撃ち抜かれましたvv

18531Re:裏で手を引く者は何を企む その十六(ゼロスが現れた編)コウ 2009/8/9 15:51:32
記事番号18530へのコメント

コウ しまったぁぁぁぁレスが遅くなっています。
部下S どうするんですかL様のお仕置きがぁぁ
コウ とにかく書き終えてしまいましょう。
> 妖怪横町の妖怪長屋の一室の入り口に【ゴキブリ・生ゴミ・陰険根暗魔族のゼロス対策本部】と、書かれていた。
コウ 暴利暴言罵詈雑言の嵐ですね。
>「ずいぶん、悪口が書かれている看板だね。」
>「全くだなぁ」
> と、アマビエとカワウソが言う。
部下S たしか彼らは長屋に住んでいるんですよね。
>「ほんとだから良いんだよ。」
> と、ゼルガディスが言う。
> そして、その中では
>「まずは、魔族に対しての勉強から始めましょう。」
> と、リナがホワイトボードに天才美少女魔道士リナちゃんの魔族について学ぼうと書いて言う。
コウ 教えてリナ先生ですね。イメージはライト・マジックですね。
>「あたし達の世界には、魔王が居てその魔王が魔族を生み出したのよ。」
> と、リナが魔王と書いているでっかい目玉の絵を描く。
>「ちなみに、魔王の名前はルビーアイ、シャブラニグドゥと言うのよ。
> で、魔王が手下として魔族を生み出した。
> 魔族には単純に分けると二種類あるわ。」
> ボードに半魔族と純魔族と書く。
部下S 実際には彼らは魔族と言うことすら恥なんですけどね。
>「魔族って言うのは、精神だけで肉体のない精神体の事よ。
> その中でも、力が弱くって現実世界に実体化できない下級魔族は肉体のある精神の弱い小動物あたりに、憑依して実体化するのよ。
> これでも、駆け出しの戦士や魔道士じゃ苦戦を強いられて死ぬこともあるわね。でも、肉体があるから剣で切れば傷がつくし、ちょっと強力な呪文で燃やせば体が灰になるわ。
> あたしならたとえダース単位になったとしてもすぺぺのぺーよ。」
> と、リナがふんぞりかえって言う。
コウ すぺぺのぺーと本当に攻撃しますよね。山ごとね。
>「……でも、そんなのが大量にいたらそちらの方々は危険じゃないんですか?」
> と、鬼太郎が聞くとリナは、
>「普通の人生を送っておけば大丈夫なのよ。」
> と、リナが言う。そして、
>「ただし、その上の純魔族はめちゃくちゃやっかいな奴だよ。
> 純魔族は精神体だけを具現化する根性をもつ魔族よ。剣で切っても切れなくて魔法も一部の魔法しか効果がないのよ。」
部下S まぁ、普通の人生を送れば無関係なんですけどね。
> ホワイトボードに純魔族の文字の周りに線を引いて重要と書く。
>「で、ゼロスは純魔族よ。」
> ホワイトボードにゼロスは純魔族と書いてある。
>「その中でも魔族の王魔王が腹心として作り出した五人の腹心という高位魔族が存在するのよ。
> それは、冥王フェブリゾという陰険根性悪と魔竜王ガーウって言う乱暴単細胞凶悪にあと覇王グラウシェラーというパクリ魔のオリジナリティなしと、あと、あんまり知らない海王ダルフィンに獣王ゼラス=メタリオムよ。」
> と、全員の名前を書く。
コウ 悪意まみれの言葉だね。
>「リナさん………。その方達になにか恨みがあるんですか?」
> と、猫娘に聞かれてリナは笑顔で
>「別に、命や仲間を狙われて死にかけたり殺されかけたり地獄を見たりしただけよ。」
> と、言ったがその目は笑っていなかった。
コウ 恨みなら売って捨ててさらに燃やしてしまってもまだ残るぐらいのyらみがありますね。
部下S そうですねぇ。でもみんな良い子ですよ
コウ そりゃ、魔王のあなたの主観でしょうが
>「で、五人の腹心はそれぞれ部下に将軍と神官を作り出したのよ。
> そのゼラス=メタリオムの直属の部下がゼロスよ。」
> と、リナが言う。
>「実力は五人の腹心と魔王をのぞけば間違いなくトップよ。
> 千年前の降魔戦争の時、竜族の中でも戦闘能力が高い黄金竜をたった一人で、壊滅まで追い込んだのよ。
コウ 別名ドラゴンスレイヤーまたは笑顔の似合う好青年、謎の神官、後ろ姿はゴキブリ似、パシリ魔族。
> 直接戦うことはしないけれど、まず戦ったところで間違いなく……勝てないわね。」
> と、リナが言った。
部下S あれ?コウさんですか?って、うわぁっぁぁぁ
 沈黙のあと風が吹き荒れた。

18530裏で手を引く者は何を企む その十六(ゼロスが現れた編)コウ 2009/8/2 12:09:43


 妖怪横町の妖怪長屋の一室の入り口に【ゴキブリ・生ゴミ・陰険根暗魔族のゼロス対策本部】と、書かれていた。
「ずいぶん、悪口が書かれている看板だね。」
「全くだなぁ」
 と、アマビエとカワウソが言う。
「ほんとだから良いんだよ。」
 と、ゼルガディスが言う。
 そして、その中では
「まずは、魔族に対しての勉強から始めましょう。」
 と、リナがホワイトボードに天才美少女魔道士リナちゃんの魔族について学ぼうと書いて言う。
「あたし達の世界には、魔王が居てその魔王が魔族を生み出したのよ。」
 と、リナが魔王と書いているでっかい目玉の絵を描く。
「ちなみに、魔王の名前はルビーアイ、シャブラニグドゥと言うのよ。
 で、魔王が手下として魔族を生み出した。
 魔族には単純に分けると二種類あるわ。」
 ボードに半魔族と純魔族と書く。
「魔族って言うのは、精神だけで肉体のない精神体の事よ。
 その中でも、力が弱くって現実世界に実体化できない下級魔族は肉体のある精神の弱い小動物あたりに、憑依して実体化するのよ。
 これでも、駆け出しの戦士や魔道士じゃ苦戦を強いられて死ぬこともあるわね。でも、肉体があるから剣で切れば傷がつくし、ちょっと強力な呪文で燃やせば体が灰になるわ。
 あたしならたとえダース単位になったとしてもすぺぺのぺーよ。」
 と、リナがふんぞりかえって言う。
「……でも、そんなのが大量にいたらそちらの方々は危険じゃないんですか?」
 と、鬼太郎が聞くとリナは、
「普通の人生を送っておけば大丈夫なのよ。」
 と、リナが言う。そして、
「ただし、その上の純魔族はめちゃくちゃやっかいな奴だよ。
 純魔族は精神体だけを具現化する根性をもつ魔族よ。剣で切っても切れなくて魔法も一部の魔法しか効果がないのよ。」
 ホワイトボードに純魔族の文字の周りに線を引いて重要と書く。
「で、ゼロスは純魔族よ。」
 ホワイトボードにゼロスは純魔族と書いてある。
「その中でも魔族の王魔王が腹心として作り出した五人の腹心という高位魔族が存在するのよ。
 それは、冥王フェブリゾという陰険根性悪と魔竜王ガーウって言う乱暴単細胞凶悪にあと覇王グラウシェラーというパクリ魔のオリジナリティなしと、あと、あんまり知らない海王ダルフィンに獣王ゼラス=メタリオムよ。」
 と、全員の名前を書く。
「リナさん………。その方達になにか恨みがあるんですか?」
 と、猫娘に聞かれてリナは笑顔で
「別に、命や仲間を狙われて死にかけたり殺されかけたり地獄を見たりしただけよ。」
 と、言ったがその目は笑っていなかった。
「で、五人の腹心はそれぞれ部下に将軍と神官を作り出したのよ。
 そのゼラス=メタリオムの直属の部下がゼロスよ。」
 と、リナが言う。
「実力は五人の腹心と魔王をのぞけば間違いなくトップよ。
 千年前の降魔戦争の時、竜族の中でも戦闘能力が高い黄金竜をたった一人で、壊滅まで追い込んだのよ。
 直接戦うことはしないけれど、まず戦ったところで間違いなく……勝てないわね。」
 と、リナが言った。

18529裏で手を引く者の玩具達 【番外編W】(次の暇つぶし用意編)コウ 2009/7/15 10:29:30
記事番号18528へのコメント

 それは、ちょっとした悩みだった。
「やっぱ別の名前にしてみたいのよねぇ。
 ………んー、部下Sは人間だった頃の名前にしたらいいんだけれど………千年前の有名人から名前をもらって………と、言えばね。」
 と、エルは部屋でコンソメ味のカ○ビーの○テト○ップ○を食べながらうめく。
「と、言うか………グラウシェラーが問題よ。
 略してもグラウだもんね。どう聞いても男の名前にしか聞こえないのよ。」
 と、うめいていると
「だぁぁぁぁ。最近発売されたドラ○エを買ったのに無いぃぃ。
 これだけ手に入れれば横町でたとえこの騒動が終わった後だろしても高値で売れると思って大量に手に入れたのにぃぃ。」
「ああ、あれの事。邪魔だから隅の方においといたよ。」
「ああん。あれならゴミだと思って外に置いといたぞ。」
「なにぃぃぃ。どうするんだ。地獄の死者にとられでもしたら………。」
 と、やかましい声が聞こえてきて
「やかましぃぃぃ」
 と、響かんばかりのエルの怒鳴り声が響いた。

「考えてみると猫耳メイド服はちょっと痛いかなぁと思っちゃったりもしたのよ。」
「はぁ。」
 と、様子を見に来ていた部下Sに言う。
「と、言うわけで………、猫耳だけにしといて放浪の旅五十年ね。」
「……猫耳はつけたままなんですね。………しくしく………。」
 と、泣いている部下Sの向こうで
「っつっつ。えぇぇと、ダイナストグラウシェラーだろ。
 人間の時の偽名を考えろって言われたってなぁ。」
「適当に、ありがちな名前で良いんじゃないの。」
「………でも、適当に決めたらエル様に怒られますよ。」
『っう。』
「すみませーん。生きたモモンガとカラスと蛇をもってきましたけれど、………これをどうするんですか。」
 と、言う声が響いていた。


<<< BACK 3 / 5 NEXT >>>

MENU 大辞典  [登録方法] 全著者リスト
投稿小説1の過去ログ 投稿小説2の過去ログ
修正・削除 依頼 投稿の仕方 表示設定
▲TOP