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Re: 漆黒に踊り出る5
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元記事
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>カフェで簡単な食事を終え、彼女が外へ出ると、灰色がかった緑色の車体が、信号待ちで止まっていた。
>チラリと、車内を見れば、助手席に、ウェーブの掛った、長い黒髪の男が見え、彼女は内心、モテモテねぇ。などと、その男がご執心している相手を、思い出して笑う。
>何食わぬ顔で、その横を通り、彼女は、ビルとは反対の、駅へと向かう。
>盗聴機の電波は、直ぐに届かなくなるが、事態は把握出来たので、問題はない。
>「インターポールの方が、わざわざ、有難うございます」
>新たな客に、ビルの最上階に居る男は、目の前の、ウェーブ掛った、長い黒髪の男を見る。
>年の頃なら、20代半ばを過ぎた位か、くたびれた黒いコートの下には、白いシャツとジーンズ、血走った目を、ギラリと光らせ、身分証を懐にしまい、口を開く。
>「リッチ逮捕の為に、インターポールに派遣されたんだ。どこにでも駆けつけるぜ」
>「それは頼もしい」
>笑みを浮かべる、ビルの主に、インターポールの男は、眉をピクリとさせた。
>その部屋に、新たな気配が。
>「失礼する。警備体制の確認に……」
>開いていたドアから、入って来た男は、インターポールの男に気付き、言葉を止めた。
>「ザングルス殿?」
>「ん?ああ、ワイザー警部」
>背後からの声に、インターポールの男=ザングルスが振り返る。
>その視線の先には、年の頃なら、40過ぎ、短いブラウンの髪を後ろに撫で付け、柔和さの中に鋭さを持った渋い顔、キャメル色のスーツに、履き潰した靴の男が居た。
>「耳が早いですな」
>「港署随一の切れ者と噂高いワイザー警部がいるなら、俺の出番はなさそうだ」
>差し出されたワイザーの右手、それを握り返し、ザングルスはニヤリと笑う。
>それに、とぼけた表情を浮かべ、顎を撫でるワイザー。
>「いやはや、困りましたな。実は今回、私は補佐でしてな。警備会社が中心となっておるのですよ」
>「ほぉ?どういう事だ?ライアンさん」
>鋭い眼光を、背後に立つ男に、ザングルスは向ける。
>そこには、困った笑みを浮かべる、ビルの主=ライアンの姿。
>「どうもこうも、警察に連絡したのは、一市民として、当然の事。普段出入りする警備の者と、初めてお会いする警察の方。信頼出来るのは、前者では?」
>「警察が、信用出来ないて事か?」
>「勘違いされては困る。警察あってこそ、平和が保てるというもの」
>ザングルスの言葉に、笑みを浮かべ返したが、直ぐに困った表情を、ライアンは浮かべる。
>◆◆◆
>続く

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