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Re: 竜の血の連なり・・・か?(修正版) 前編
注意!!!!
ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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元記事
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>
> ―『竜の血の連なり・・・か?(修正版)』―
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>よく晴れた日のこと、リナとガウリイの前に一人の青年が現れた。
>
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>その日は本当に良く晴れていた、雲ひとつ無く吸い込まれるのでは思えるほどの蒼さで。
>何時もの様に、リナ達が食堂の料理を制覇中に現れた、金髪交じりの紅い髪に金の目をした青年は。
>「リナ=インバースだな?」
>青年の問いかけをさらりと無視するリナ。
>食事中の彼女に話しかけたとて、大概はろくに聞いてもらえ無いのだ・・・
>「返事をする気は無しか・・・まあいいか、親父には無視されたから置いてきたと言えば・・・」
>「って、ちょっと待ちなさいよ!」
>「・・・なんだちゃんと聞いてたのか」
>「とりあえず、あんた誰よ?」
>香茶を飲みつつ聞いてみる
>「俺か?俺は・・・火竜王ヴラバザードと水竜王ラグラディアの息子で火竜神ザード。
>先に言っとくが名前が安直とか言うな、親父の名前の一部を貰ってるから、名前自体に力があるんだ」
>さらりと返された答えに、リナは飲みかけていた香茶を吹き出す。
>ガウリイの方といえば、いかにもよく解らんといった表情を浮かべ、リナに説明を求める視線を送る。
>「火竜王の・・・息子ぉ!!!?」
>リナ絶叫。
>無理も無い事だろう、あの火竜王に息子がいるとは誰も思わないだろう・・・多分・・・
>
>
>
>
>例のごとくどつき漫才でガウリイに説明した後、ようやく本題に方に移った。
>なおガウリイがボケて「でっかいトカゲの親玉か?」と発言したため、
>ザードにどつき倒され、ガウリイの顔が地面にメリコミ、地面に顔型が出来てたりする、
>微笑ましいエピソードがあったりするが。
>「・・・で、本題に入るけど。火竜王があたし達を呼んでるのね?」
>「ああ、親父はあんたらに証人になってもらいたいらしい」
>「あたしとしてはもう火竜王に関わりたくないないんだけど」
>ザードは微かに顔を顰める、リナの気持ちも解らなくは無いのだ。
>父である火竜王の使いたるゴールドドラゴンの所業を考えれば・・・彼らの行きすぎた行動の結果が、
>先の異界の魔王の召喚という騒ぎになったのだから。
>だがその火竜王はそれらの償いの為に、当事者となった者達に自らの償いを見届けてもらいたいのだ。
>「・・・気持ちは・・・解らんでもない。
>だが、親父にいい加減けりをつけさせてやってくれ、親父は辛いんだよ・・・」
>抑揚の無い声に滲むのは悲しみと、無力感・・・
>「・・・・解ったわよ、神様のお願いなんて蹴ったりしたら、姉ちゃんにばれた時に殺されかねないし・・・。
>行ったげるわよ」
>「・・・礼を言う・・・」
>
>
>
>
>
>「で、いきなり転送されたけど、ここは何処なワケ?」
>其処は、祭壇のようなものが置かれた無駄に広い場所だった。
>「おい、リナ。あれ・・・」
>ガウリイに振り向くと、其処には既に死に絶えたはずのゴールドドラゴンとエンシェントドラゴンが居た。
>「何で・・・生きてんのよ・・」
>声が掠れている・・・
>「私の力だ、リナ=インバース。
>私の償いなのだ・・・」
>其処に居たのは、ザードによく似た壮年の男性。
>「・・・まさか・・・火竜王?」
>「そうだ」
>いきなり現れ、さらりと爆弾発言するのは血筋なのだろうか?
>その火竜王の後ろには、見知った顔と見知らぬ顔が居た。
>「久しぶりね、ゼル、アメリア。
>フィリアも久しぶり、それと・・・ヴァルガーヴも・・・」
>「なあ、リナ、何でヴァル何とかがここに居るんだ?
>あいつって卵になったんじゃなかったけ?」
>「あたしが知るわけ無いでしょう(怒)」
>「説明がいるかい?
>リナ=インバース」
>「いい加減そのフルネームで呼ぶのを止めてよ。
>それと、きっちり説明してよ」
>
>ヴァルガーヴの説明によると、ヴァルガーヴを卵の状態で再生させたのはヴォルフィード。
>かの神が残された最後の力を使ってヴァルガーヴをこの世界に留めたのだ。
>そうしなければ彼も混沌の海へと帰る事になるから。
>彼の絶望に惹かれてこの世界に来たとはいえ・・・巻き込んでしまったことは事実であり、
>利用したとも言えるから・・・勝手ではあっても償おうとしたのだ。
>「ああ、それと。
>俺の名はもうヴァルガーヴじゃなくてヴァル=アガレスだ。
>魔族の力は残ってないしな」
>「あんたが卵になったとこまでは解ったけど・・・
>何で卵だったものが、ここまででかくなるのよ??」
>「ああ、そりゃあのオッサンの力だ」
>火竜王を指差しオッサン呼ばわりに、流石にフィリアが抗議しているが、
>当のヴァルは、しれっと聞き流していたりする。
>「ところで良いか?
>私の方の話をしても」
>火竜王は自らの罪と償いを語った。
>
>火竜王の罪は、自らに仕えるゴールドドラゴン族が、エンシェントドラゴン族を滅ぼすのを、
>止めることが出来なかったこと。
>そしてそこから産まれた嘆きと憎しみが、この世界に破滅に呼び込む鍵となったこと。
>その結果が自らに仕えるものを失わせることとなり、この世界に多大な被害を与えたこと。
>火竜王の償いは、失われた命の再生。
>火竜王の役を息子の火竜神ザードに引き継がせ、最後の審判を仰ぐこと。
>その審判を仰ぐ相手は・・・全てのモノの母・・・金色の魔王
>ヴラバザードは自らの血で魔法陣描き、かの王を召喚した。声と気配のみの・・・
>
>――我を呼ぶは何故か・・・赤き竜の末裔よ――
>
>「貴女の裁きを受けるためです。全てのモノの母よ」
>
>――裁き?――
>
>「私は・・・」
>
>ヴラバザードはリナ達に話したのと同じ事を繰り返し、裁きを待った。
>
>――汝、審判を下す。
>汝が力を封じ、汝が伴侶たるラグラディアを探すが良い。
>神では無く唯人して生きよ――
>
>「!!」
>
>――これより火竜王は汝らの子、火竜神ザードが勤めよ!
>水竜王の座は汝らの子、水竜神ディアに継がせよ!――
>
>そう告げると気配は消え、ヴラバザードの力は封じられた、そして、古き友に会う。
>元火竜王は告げた。
>
>
>
>リナ達が連れてこられたのは、火竜王自身が住まう神殿だった。
>外から見ればそれほど大きな建物に見えないのに、中は恐ろしく広いのだ。
>ヴラバザードは一人神殿の外にいた、古き友に会うために。
>どれほど待ったのか、何時の間に現れたのか、腰まである緋色の髪を靡かせた二十代後半くらいの男が居た。
>「久しいな、ようやく動けるようになったか・・・ガーヴ」
>言われて男は・・・ガーヴは唇の端を上げて笑みを刻む。
>かつて、魔族から離反し冥王フィブリゾに滅ぼされたはずの男・・・魔竜王ガーヴ。
>「・・・何故・・・俺を助けた?放って置けば滅び消えてゆくだけの俺を・・・」
>
>
>神話の時代、神と魔は激しい戦いの中にあった、互いの存在を許さず消し去るかのように・・・
>やがて時は流れ、竜の名を持つ魔があった、名は魔竜王ガーヴ。
>彼は戦いを好んだ、だがけして神を憎んだわけではなく、全力を持って戦う相手だと思っていた。
>彼だけが自由だった、何かに囚われることなく在り続けていた。
>「何故だろうな・・・私にも良く解らん。
>ただ、お前のような男が居なくなると、つまらなくなりそうだったからな・・・・
>お前と飲む酒は旨かったしな・・・」
>何時からだろうか、似ていることに気づいたのは・・・何時からだろうか、酒を酌み交わすようになったのは・・・
>「・・・まあいいさ」
>言って静かな、紅蓮の炎と評される程の男が、穏やかとも言える静かな笑みを浮かべる。
>「生きてられるんだしな」
>紅い男の二人の前に何時から居たのか、ブロンドの髪を短くまとめた女性が立っている。
>濃紫のシンプルなラインのドレスを着た、若い女性・・・
>どことなく雌豹を思わせる雰囲気を持っている。
>「懐かしいな・・・・・何年ぶりだ?・・・・ゼラス」
>
>
>
>
>「千年ぶりか・・・変わらないな、ガーヴ」
>
>
>「そんなになるか?」
>
>
>「降魔戦争いらいだろ?」
>
>
>「そうだったな」
>
>
>「ガーヴ、戻る気は無いか?」
>
>
>「・・・・すまねえ・・・・無理だ」
>
>
>
>
>
>ゼラスが浮かべる笑みは作られた笑み、感情のこもらない作り物の表情――今までそうだった、これからも・・・
>
>「・・・・・・・・・そうか」
>つぶやく声は淋しげで、浮かべた表情は脆く壊れそうな儚い微笑み。
>解っていたのだ、ガーヴは二度と戻らない。
>魔族から永遠に離れていこうとしていることに・・・ただ、認めたくなかっただけなのだ。
>失われた同胞を・・・
>ふとガーヴが何かを投げてよこした。
>「・・・やるよ、それ」
>艶を消した金の縁飾りの付いたペンダント。
>嵌められている石はファイヤーオパール、炎のような美しい石。
>「約束・・・してたろ?お前にやるって」
>
>
>
>
>まだガーヴが魔族の側に居た頃
>ゼラスはガーヴが手に持って遊んでいる石をみてルビーかと尋ねたのだ。
>「こいつはファイヤーオパールつって、ルビーとは違う石さ。
>いるならやるぜ?
>お前に」
>「良いのか?」
>「こういう綺麗なモンは男の俺が持つより、お前みたいないい女が持つモンだ」
>そういって笑う顔は子供のような無邪気で、惹き込まれるほどの魅力を持っていた。
>「でもこのまま渡すってのは芸がねえな・・・ペンダントかブローチかに加工してからお前にやるよ」
>「楽しみにしていよう」
>
>
>「覚えていたのか・・・あの約束・・・」
>忘れていた・・・いや・・・忘れたと思っていただけ・・・
>
>沈黙が支配していく・・・互いに敵同士になりながらも、憎むことの出来ない相手がいる。
>
>互いに目指すものが違ってしまったから
>
>望むものが変わってしまったから
>
>それでも変ることのない者もいるから・・・あらゆるものを飲み込んで
>
>滅びの海へと堕ちゆく事を望む者と
>
>足掻き続け前に進み生き続けようとする者に。
>
>
>「ゼラス」
>
>「何だ」
>
>「いい女だよ、お前・・・昔も・・・今も」
>
>「・・・」
>
>「行くんだろ?」
>
>「・・・ああ、次に遭うときは・・・」
>
>やがて、景色に溶け込む様にその姿を消した。
>
>・・・・ありがとう・・・さようなら・・・
>
>「声が聞こえた気がしたな、ガーヴ」
>「そうか?」
>
>妙なところで不器用な友を見やってため息をつく。
>この男は何処までも人を惹き付けながらも、全く気づいていないのだ。
>だからこそ・・・友と呼べるのだろう・・・
>「で、お前はどーすんだ?」
>「・・・アクアを探す」
>「ラグラディアをか?」
>「んん〜、あのお方の命であるしな」
>「マジか;;」
>
>
>
>
>
>「俺も行くからな」
>「頼りにさせてもらうからな」
>
>
>何時か会えるだろうか、大切な人に・・・・
>
>
><続>
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