◆-それが夢ならば-TOM(10/14-00:16)No.26
 ┣Re:それが夢ならば-ひなた(10/14-16:30)No.43
 ┣Re:それが夢ならば-水城守(10/15-00:54)No.48
 ┃┗ありがたうございます!-TOM(10/17-21:37)No.95
 ┣Re:それが夢ならば-理奈(10/15-09:40)No.56
 ┃┗感謝でし☆-TOM(10/17-21:41)No.96
 ┗Re:それが夢ならば-一姫さんちのお嬢さん(10/20-13:39)No.145
  ┗Re:それが夢ならば-TOM(10/20-23:28)No.154


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26それが夢ならばTOM E-mail 10/14-00:16

★はじめに
初投稿みたいなものなので、まずははじめましてです。
TOMと言います。ゼロリナとか書いてます。
明るいものを書きたいのですが、どうも最近バッドエンディングです。
では、行ってみましょう!

★それが夢ならば

 ふと、夜更け過ぎに目を覚ます。
不思議で不安定な間隔が身体中を気怠く支配して、くらくらする。暗幕の夜空に視線を投げると、幾千億の星々がこちらに落ちてくるような錯覚を覚えた。
「…ゼロス」
なんとなく名前を呼ぶ。
呼んだら出てきてくれるのだろうか…、そんな期待を抱いていたのだろうか…。紗が掛かったような意識の中で、ぼんやりと考える。紅い瞳から、ひとすじだけ涙がこぼれて落ちた。
「何でいないのよ…」
理不尽なことを言っている、そんなことは解っている。
それでも、やっぱり会いたいから。
「何でもう会えないのよ」
その華奢な肩を震わせて、喉の奥で嗚咽を殺して…、リナ=インバースは毛布を引き被った。夜空を彩る星の光すらも遮断して。

 月のない夜、闇の夜。闇に紛れて立つ魔族。
漆黒にその身を包んで、それは魔族にあるまじき表情をしていた。
「僕がゼロスで、貴方がリナ=インバースだからですよ」
そっと、彼は言う。
「…僕が、貴方を愛しているから」
再び会うことがあれば、それは僕か貴方が死ぬときだから。決して相見えることのない運命、こうして見守ることしかできない運命。貴方は、まだ死ぬべきでないひとだから。
「だから、泣かないで…」
どうか、悲しまないで。
貴方の隣には、相応しいひとがいるはずだから。

 低い…それは本当に微かな声だった。
嗚咽とも呼べないような、小さな泣き声。
「…リナ?」
振り向いたそこに今までのリナ=インバースはいなかった。ただの16・7の少女が、毛布を被って泣いている。声を漏らさぬよう、喉の奥だけを震わせて…。
 かける言葉が見つからなくて、ガウリィは彼女の細い体をそっと起こしてやった。そのまま、自分の胸に抱きかかえて、栗色のしなやかな髪を撫でつける。驚いたように顔を上げる少女に、彼は微笑して問うた。
「大丈夫か?」
まだ少し肩を震わせつつも、少女はこくんっと小さくうなずく。
満面の笑みを浮かべて、ガウリィはくしゃくしゃと彼女の頭を撫でた。
「強いな、お前さんは」
「…それほどでもないわよ。」
応えた声は、リナ=インバースのものだった。

 微笑みが、浮かんでこない。ゼロスは自嘲気味に口の端を歪めた。己の願ったことが、いま目の前に在るというのに。
「どうか、お幸せに…」
僕が幸せにしてあげたかった。貴方とともにいたかった。
目頭が、熱くなる。喉を突き上げる熱い感情が、魔族の体をじりじりと焦がした。望んだ幸せが目の前にあるのに、涙で霞んで、もう見えなくなった。
 望んでも叶わない、手を伸ばしても届かない。放してしまった小鳥は、もう遠くに飛び立ってしまって、離してしまったあの華奢な手は、もう他の誰かのものになってしまって。後悔は尽きない…悔やんでも仕方ないと、解っているのに。
「愛していたから…」
貴方を、心から愛していたから。だから離れた、それは重々承知なのに。
 夜の気配が、そっと闇を包み込んでいる。
ひんやりとした風が、火照った身体に心地よかった。涙も乾いて、頬の辺りの突っ張った感じ以外はもう何も残っていない。それでいい、そうして少しずつ忘れていく。それでいい。
「…忘れていく…いままでにも覚えてることなんてそうそう無いんだから」
仮面を被る。微笑みを浮かべた、道化の仮面を。
「容易いことですよ。立った一人の取るに足らない少女を忘れるなんて」
僕が愛したのはリナ=インバースではなかった?
「リナ=インバースを忘れられなくとも、あの少女を忘れることぐらい」
違う、彼女はリナ=インバースだった。彼女に焦がれる僕のような、そんなものだった。僕は僕を否定する?
 再び熱いものがこみ上げてきて、ゼロスは慌てて首を振った。
それからさっとローブを翻す。次の瞬間、黒衣の獣神官は見あたらなくなった。
後はただ、さわさわと囁く風が、夜をわたって行くだけで…。
――愛しているから…
だから、悲しまないで。貴方には、貴方の道がある。僕の道は、貴方と一緒じゃない。それだけのことだから。
 風の囁きが彼女に届いたか…それはリナ=インバースだけが知っている。

★あとがき
こっぱずかしーです。似非耽美を書いてしまいました。
いかがだったでしょう?
また時間が空いたら書きに来ますので、見つけたら可愛がってあげてください。でわでわ、TOMでした♪

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43Re:それが夢ならばひなた E-mail 10/14-16:30
記事番号26へのコメント
はじめましてっっ!!こんにちわっっ♪ひなたといいます☆

感想書くのは始めてですが、TOMさんの作品は何回かよませていただきましたよ〜(はあと)
つまり、読んでたけど感想かかなかったって事です。きゃ♪(爆死)
これからは書くようにしますので・・・。ごめんなさい〜へにょ。

って事で・・・感想いきますっっ!!
きゃぁぁぁぁっっ!!ゼロリナだし、ガウリイでてるしっ!!
はにゃ〜しあわせ(はあと)
なんか、表現がとってもいいですよう。
なんだか斬新ってゆーか・・・(何?)
もちろんセリフもいいんですけどっ♪

また書かれたらよませてくださいね☆
楽しみにしてます♪でわでわっっ!!

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48Re:それが夢ならば水城守 10/15-00:54
記事番号26へのコメント

水城です。

相変わらず、ひとり微笑みながら、読ませて頂きました。面白かったです。
ちょっと切ない感じですが、それがまたいいんです(笑)やっぱり、ゼロリナ素敵です。
ゼロスかっこいいし、はぁ〜ため息でちゃいますよ。

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95ありがたうございます!TOM E-mail 10/17-21:37
記事番号48へのコメント
はじめまして、TOMです。

>相変わらず、ひとり微笑みながら、読ませて頂きました。面白かったです。

えへ(照)
あんまり「面白い」という評価を頂けないので、激嬉しいですっ!!

>ちょっと切ない感じですが、それがまたいいんです(笑)やっぱり、ゼロリナ素敵です。

そです。ゼロリナは最高ですっ(断言)
切ない…あぁっ、新鮮な反応っ!!
いっつも「暗い」と言われるのです…

どうも、有り難うございました。
今後とも精進していきますので、よろしくお願いします。
ではでは、次作でお会いできたら嬉しいな♪
TOMでした

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56Re:それが夢ならば理奈 10/15-09:40
記事番号26へのコメント
ゼロリナ、ゼロリナぁ〜(はぁ〜と)
ごめんなさい・・・好きなもんで・・・

はじめまして、理奈といいますぅ〜。よかったですぅ!せつないですねぇ。
ハッピーエンドのゼロリナもすごく好きだけど、こーゆーゼロリナも好きです。

また投稿した時読みますね。であであ。

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96感謝でし☆TOM E-mail 10/17-21:41
記事番号56へのコメント
TOMです、初めまして♪

>ゼロリナ、ゼロリナぁ〜(はぁ〜と)
>ごめんなさい・・・好きなもんで・・・

それは良いことです(断言)

>せつないですねぇ。
>ハッピーエンドのゼロリナもすごく好きだけど、こーゆーゼロリナも好きです。

そういう人が一人でも増えてくれるととても嬉しいです。
私の中で、ゼロスとリナは「ロミオとジュリエット」なので。
(でも死なない…(^ ^;)

>また投稿した時読みますね。であであ。

よろしくお願いします。
では、またお会いできることを楽しみに。

TOMでしたぁ♪

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145Re:それが夢ならば一姫さんちのお嬢さん 10/20-13:39
記事番号26へのコメント
TOM様

わーーーーーーーいっっ、ゼロリナゼロリナーーーーーーっっ(はぁと)
とってもとっても寂しいラストでしたぁっ(泣)
けどけどっっっ!!
流れるような文章の美しさが、特に印象に残ってますっっ!!
やっぱし…、この二人は悲劇が似合いますねぇっ(はぁと)
こんどはラブラブが見たいなっっ(殴)
とかとか、思っていたりする一姫都でした(はぁと)

それでわっっ


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154Re:それが夢ならばTOM E-mail 10/20-23:28
記事番号145へのコメント
どうもぉ、TOMです。

毎度ありがとうございます。
今回のラストはちょっぴり冒険だったのですが、
好評みたいで嬉しいです。

ちなみに、当初の予定ではゼロスさん死んでたりします。
さすがにゼロス様を殺すには忍びないので、
あ−ゆうラストになりました。ふぅ。

では、またお会いできることを楽しみに。
TOMでしたぁ。