◆-約束・その1-明美(10/15-22:23)No.61
 ┣読みました♪-マミリンQ(10/15-23:51)No.65
 ┃┗ありがとうございます-明美(10/16-03:59)No.70
 ┣約束・その2-明美(10/16-03:44)No.69
 ┃┣読みに来ました☆-AKIE(10/16-07:14)No.73
 ┃┃┗ありがとうございます-明美(10/16-15:35)No.80
 ┃┗Re:約束・その2-マミリンQ(10/16-15:01)No.78
 ┃ ┗ありがとうございます-明美(10/16-16:12)No.81
 ┣約束・リナsideその1-明美(10/16-15:21)No.79
 ┗約束・リナsideその2-明美(10/18-05:09)No.99
  ┣Re読みましたよー-みーやん(10/19-06:48)No.126
  ┃┗ありがとうございます-明美(10/19-23:56)No.137
  ┗読みました♪-マミリンQ(10/19-13:30)No.131
   ┗ありがとうございます-明美(10/20-00:10)No.138


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61約束・その1明美 E-mail 10/15-22:23

はい、明美です。
今回ガウリナ書きました。私にしては珍しいガウリイ一人称です。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「剣士殿ですな」
その時オレは一人で酒を飲んでいた。
リナはもうとっくに眠っている。『睡眠不足は美容の大敵!』なんだそうだ。
そのくせ、よく夜中に盗賊いじめに行っているが。
「一つ仕事を引き受けては下さらんか」
オレに声をかけてきた老人はせっかちに言葉を続けた。
「仕事?オレは……」
「頼む。年寄りと助けると思って……もう他に頼めそうな奴はおらんのじゃ。
引き受けてくれないと明日の朝には、わしは腹を切らにゃならんのだ」
「おいおい、じいさん。穏やかじゃないな」
――この時のオレは、すっかりじいさんのペースに乗せられていることに気がついていなかった。

――結局――
次の日の朝、朝もやの煙る中、宿まで迎えに来たじいさんとじいさんの道場とやらに向かっていた。
先に立って歩くじいさんは、年の割には姿勢がよくしゃんとしていて足が早い。
「連れに一言断ってから来たかったんだが」
「その連れとやらはまだ眠っていたのじゃろう?」
「そうなんだが……あいつ怒らせると後が怖いからなあ」
後の方は人に聞かれないように小声でつぶやく。
「誰にも言うてないじゃろうな」
「誰にも言うヒマなかったぞ。どうして人に言うなって言うんだ?」
「昨日説明したと思うがな……。
道場破りに助っ人を頼んだ事がばれたら、わしの道場の看板に傷がつくのでな。壁に耳ありと、昔から言うからの。用心のためじゃ。
その分、依頼料は上乗せしたはずじゃ」
「じいさん……」
額に血管浮き出てるぞ。
「わしはじいさんではない、ホーナーじゃ。いい加減覚えてくれ。
……さあ、着いたぞ」
じいさんはやたら大きな、変な形の建物の前で止まった。
(日本風の建物だと思ってください。時代劇に出てくる剣道の道場みたいなものです)
「門を開けるからここで待っていてくれんかの」
「ああ」
頷くとじいさんは建物の裏の方に消えて行った。

「リナ、いるんだろ?」
「あれっ、バレてたの?気配消したのに」
声と共にリナが歩いてくる足音が聞こえる。
「気配消して町の大通り歩く奴がいるか?普通」
「う゛っ……そうかも。ガウリイにしちゃ、よく頭が働いてるじゃないの」
をい。
しかし、次の瞬間オレは大きく目を見開くことになった。
「お前さん、何だってそんな格好してるんだ」
「ああ、これ?一応変装なんだけど」
朝もやの中から現れたリナはいつもの魔道士姿じゃなかった。
町娘風の服を着て、髪を三つ編みにしている。スカートをはいたりして珍しい。よく似合ってはいるが。
「何?なんか言いたい事でもあるの」
「い、いや、なんでもない、なんでもない。……今のじいさんの話聞いてただろ」
ちゃんと女の子に見えるって言ったら何されるか……。
リナは今一つ釈然としてない顔でこっくり頷いた。
「まあねー。あのおじいさん、声が大きかったし」
「道場破りを追い払ったら帰るから、おとなしく宿屋で待っててくれよ」
いつものように、リナの頭にポンっと手を置く。
「おとなしくって、あたしは猛獣か……あっ」

「ガウリイ殿、待たせたな」
リナが物影に隠れると同時にじいさんが門を開けて顔を覗かせた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
続きまーす。

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65読みました♪マミリンQ E-mail 10/15-23:51
記事番号61へのコメント
こんにちわ♪

わぁい♪明美さまのガウリナ。(はぁと)

おもしろかったですよ♪♪
続きが気になります♪

では、また感想書かせていただきますねっ。


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70ありがとうございます明美 E-mail 10/16-03:59
記事番号65へのコメント
マミリンQさんまた、読んでくれてありがとう!

>こんにちわ♪
>わぁい♪明美さまのガウリナ。(はぁと)
うわ〜明美さまと言うのはやめて下さいよ〜〜。そんなたいした話書いてないんで、恥ずかしいよお。

>おもしろかったですよ♪♪
>続きが気になります♪
>では、また感想書かせていただきますねっ。
ありがとね(はあと)下に続き書きました。
リナSideも書く予定ですので、また読んでください。

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69約束・その2明美 E-mail 10/16-03:44
記事番号61へのコメント
はーい、続き読みに来てくれてありがとう!さくさくいきます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あっさりと道場破りをノして宿に帰りつくと、もう昼になっていた。
一階の食堂は、客で一杯になっている。
「ガウリイっ!こっち、こっち」
リナが食堂の隅っこの方に陣取って妙にニコニコしながら手を振っている。
すぐには見つからなかったはずだ、リナはまださっきの服のままだ。
――もう、変装の必要はないだろうに。
オレが近寄って行くと、リナは側に立っていた男に向き、
「と言う訳で、あたし連れがいるから」
バイバイと手を振る。

「今の誰だ?」
オレはリナの向かいに座りながら、男が出て行った方を目で指して聞いた。
「知らない人」
「知らない人って……」
「ううっ……あの人しつこかったあ。もーちょっとでキレそーだった」
リナは疲れたようにぱたっとテーブルに突っ伏した。
「ほんとにおとなしく待ってたんだな」
「そうっ!そーなのっ!だから、お昼はガウリイのおごりね(はあと)」
がばあっと身を起こすと、リナは目を輝かせて一気にまくし立てた。
「はあ?なんでそーなるんだ?」
「だって、ちゃんとおとなしく待ってたし……」
「そりゃ、そうかもしれないが」
「いいじゃないの。依頼料入ったんでしょ?」
「ああ、あれならもう無い」

がきょっ

リナは椅子ごと真横にコケた。
「おいおい。大丈夫か」
「ちょっとガウリイっ!どーゆー事よっ。お金落としたの?盗まれたの?どうしたのよっ!黙ってないで、なんとか言いなさいよっ!」
「ぐ…ぐる…じい」
オレは首に巻きついたリナの手を振り解くと、小さな包みを取り出した。
「お金は全部使ったんだ。これ買うのに」
「何?これ」
「あー、しいて言えば……約束の印かな」
リナはよく分からないと言った顔で、オレの顔と包みを見比べている。
「開けてみろよ」
「え?うん……まさか、びっくり箱って言う訳じゃないわよね」
そうっと包みを開けて中身を見る。
「……ちょっと、これって……約束って……」
驚いて包みを持ったまま固まったリナの左手を取り、中身を薬指にはめた。
「ちょうどいいな。よく似合ってるよ」

リナは指輪についている赤い宝石よりも、真っ赤な顔になっていた――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はーい、リナ=インバースさん売約済みでーす(笑)
これは一応、これで終わりとして。リナSide書きます。
やっぱガウリイ一人称は難しかった。もうちょっと修行します(泣)
ほんとは、ガウリイがリナに内緒で仕事する話を書こうとしてたんですけど、こんな話になっちゃいました(笑)

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73読みに来ました☆AKIE E-mail 10/16-07:14
記事番号69へのコメント
>はーい、続き読みに来てくれてありがとう!さくさくいきます。
はい、読みに来た来たAKIEです〜☆

>あっさりと道場破りをノして宿に帰りつくと、もう昼になっていた。
道場の人かわいそう・・・・(笑)

>「ううっ……あの人しつこかったあ。もーちょっとでキレそーだった」
ううっ・・・キレると、怖いぞ〜・・・

>>「そうっ!そーなのっ!だから、お昼はガウリイのおごりね(はあと)」
>がばあっと身を起こすと、リナは目を輝かせて一気にまくし立てた。
やっぱり、これか・・・・

>「ちょっとガウリイっ!どーゆー事よっ。お金落としたの?盗まれたの?どうしたのよっ!黙ってないで、なんとか言いなさいよっ!」
>「ぐ…ぐる…じい」
ううう・・・・がうりぃ・・・・(笑)


>「……ちょっと、これって……約束って……」
>驚いて包みを持ったまま固まったリナの左手を取り、中身を薬指にはめた。
>「ちょうどいいな。よく似合ってるよ」
>
>リナは指輪についている赤い宝石よりも、真っ赤な顔になっていた――
ガウリィにしては、よく知ってたな〜・・・(核爆)
ついでに、甘いぞ〜!!!

>ほんとは、ガウリイがリナに内緒で仕事する話を書こうとしてたんですけど、こんな話になっちゃいました(笑)
面白かったですよ!!
次回作楽しみにしてます〜!何時までも、待ちますよ〜(フフフ・・・)
それでは、また!!

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80ありがとうございます明美 E-mail 10/16-15:35
記事番号73へのコメント
AKIEさんっ毎度どうも!

>はい、読みに来た来たAKIEです〜☆
律儀に毎回コメントくれてありがとです。

>道場の人かわいそう・・・・(笑)
道場破りって、道場の人じゃないよ。この道場に挑戦しに来た人……って、分かってた?ごめん。

>ううっ・・・キレると、怖いぞ〜・・・
そーそー、キレると町ごと……(笑)

>>がばあっと身を起こすと、リナは目を輝かせて一気にまくし立てた。
>やっぱり、これか・・・・
そりゃーもー(笑)

>>「ぐ…ぐる…じい」
>ううう・・・・がうりぃ・・・・(笑)
ううう……ガウリイ可哀想(自分で書いててなに言ってるんだか)

>>リナは指輪についている赤い宝石よりも、真っ赤な顔になっていた――
>ガウリィにしては、よく知ってたな〜・・・(核爆)
>ついでに、甘いぞ〜!!!
あはは、書いてる本人が砂糖吐きました(爆)

>面白かったですよ!!
>次回作楽しみにしてます〜!何時までも、待ちますよ〜(フフフ・・・)
>それでは、また!!
また、がんばって書いてまーす。

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78Re:約束・その2マミリンQ E-mail 10/16-15:01
記事番号69へのコメント
明美さまっ(あくまでも・・・”さま”付けで呼ばせて
ください・・・それかせめて”さん”で・・・)

読みましたよっ!

ということで、まともな感想いきますっ!

はう、よかったですぅ〜〜〜。(はぁと)
ガウリイくん自分で稼いだお金で”約束の印”買っちゃって
ちゃっかりリナさんの左薬指にはめちゃって♪♪
んもう、ガウリイくんったら、キザねぇ♪(めろめろ)
(ぽそり)・・・いいなぁ、リナさん。(爆)

ほのぼのらぶらぶで素晴らしかったですっ♪

>はーい、リナ=インバースさん売約済みでーす(笑)

あ、まってくださいっ!
ここに売れ残りがっ!(爆)

>やっぱガウリイ一人称は難しかった。もうちょっと修行します(泣)

でも自然でしたよ♪

では、リナSide待ってます♪♪

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81ありがとうございます明美 E-mail 10/16-16:12
記事番号78へのコメント
マミリンQさん、またまたありがとう!!

>明美さまっ(あくまでも・・・”さま”付けで呼ばせて
>ください・・・それかせめて”さん”で・・・)
さまはちょっと……さん付けにして下さいっ!

>読みましたよっ!
>ということで、まともな感想いきますっ!
まともだなんて……感想もらえて、すごく励みになります♪

>はう、よかったですぅ〜〜〜。(はぁと)
>ガウリイくん自分で稼いだお金で”約束の印”買っちゃって
>ちゃっかりリナさんの左薬指にはめちゃって♪♪
>んもう、ガウリイくんったら、キザねぇ♪(めろめろ)
>(ぽそり)・・・いいなぁ、リナさん。(爆)
いいなあ(はあと)←自分で書いてて何を……(笑)

>ほのぼのらぶらぶで素晴らしかったですっ♪
あんまり、誉められると舞い上がっちゃいますよ〜〜

>>はーい、リナ=インバースさん売約済みでーす(笑)
>あ、まってくださいっ!
>ここに売れ残りがっ!(爆)
売れ残りって、若いでしょうに。って年知らないけど。

>>やっぱガウリイ一人称は難しかった。もうちょっと修行します(泣)
>でも自然でしたよ♪
>では、リナSide待ってます♪♪
はーい、がんばって、早目に書きます♪♪

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79約束・リナsideその1明美 E-mail 10/16-15:21
記事番号61へのコメント
はい、毎度どうもありがとうございます。リナsideのお話、お届けにあがりました。えっ?頼んでない?まあまあ、そーおっしゃらずにどうぞー。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
朝の目覚めはけっして不快なものではなかった。
昨日は早く寝たから、朝早く目が覚めた。
――まだ、寝てるわよね。
ミルク色の町をぼんやり眺めていると、今頭の中に浮かんでいた、くらげの自称『あたしの保護者』がどこかのおじいさんと歩いて行くのが見えた。
ふっふっふ、ガウリイ。このあたしに内緒で出かけるとは、いい度胸よね。後でこのことネタにおごらせてやる。
別に、どこに行こうと勝手なんだけど……面白そうだから、跡つけてみよ。

「………断ってから来たかった……」
「………とやらはまだ眠っていたのじゃろう?」
「そうなんだが……」
あたしは急いで身支度を整え、通りに出ると途切れ途切れにしゃべってるのが聞こえてきた。着替えてる間にだいぶ離されたようだけど、あたしの耳はエルフ並でよく聞こえるのだ。
あたしは用心してそおっと近づいて行った。

「……言うてないじゃろうな」
「誰にも言うヒマなかったぞ。どうして人に言うなって言うんだ?」
「昨日説明したと思うがな……。
道場破りに助っ人を頼んだ事がばれたら、わしの道場の看板に傷がつくのでな。壁に耳ありと、昔から言うからの。用心のためじゃ。
その分、依頼料は上乗せしたはずじゃ」
なるほど、このおじいさんは道場の主かなんかで、道場破りにびびって助っ人を頼みに来たのね。
――依頼料上乗せだって♪口止め料も入ってるのね。
これでめいっぱい、ご飯が食べられる(はあと)
「じいさん……」
「わしはじいさんではない、ホーナーじゃ。いい加減覚えてくれ。
……さあ、着いたぞ」
ガウリイ……頼むから依頼主の名前ぐらい覚えてよ。
「門を開けるからここで待っていてくれんかの」
「ああ」
おじいさんが立ち去る気配がして、あたしを呼ぶ声が聞こえた。
「リナ、いるんだろ?」
「あれっ、バレてたの?気配消したのに」
気づかれちゃしょうがない。足音を殺して離れていても意味がないのでやめた。
あきれたような声でガウリイが言う。
「気配消して町の大通り歩く奴がいるか?普通」
「う゛っ……そうかも。ガウリイにしちゃ、よく頭が働いてるじゃないの」
時々みょーなところでスルドイんだ、ガウリイは。

「お前さん、何だってそんな格好してるんだ」
「ああ、これ?一応変装なんだけど」
ガウリイが目を丸くしてあたしを見ている。
なっ、何よ。そんなに驚かなくてもいいじゃないの。あたしがこんな格好してたら変だって言うのっ!?
「何?なんか言いたい事でもあるの」
「い、いや、なんでもない、なんでもない。……今のじいさんの話聞いてただろ」
なんでもないって事はないでしょっ!
スリッパあたりでどつきたいところを何とかこらえて頷いた。
「まあねー。あのおじいさん、声が大きかったし」
「道場破りを追い払ったら帰るから、おとなしく宿屋で待っててくれよ」
おとなしくって、どーゆー意味じゃっ。あたしはこっそり、後ろ手にスリッパを握り締めた。
でも、頭にぽんっと手を置かれて……なんだか、少しほっとした。
「おとなしくって、あたしは猛獣か……あっ」
やばい。おじいさんが出てくるみたい。
あたしが物影に隠れる、と同時におじいさんのガウリイを呼ぶ声がして。
そして、あたしは一人町角にとり残された。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はーい、まだ続きます。
あーっ、そこの人!電源切らないで――っ!!
その2はガウリイsideとは少し違う感じの話になりますので、是非読んで見てください。
まだ、書けてないけど(汗)

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99約束・リナsideその2明美 E-mail 10/18-05:09
記事番号61へのコメント
はいっ!毎度ぉ!!続きお届けに参りました。いい加減にしろって?あはははっ
まあまあ、読んでくださいよ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

おとなしく宿屋で待っててくれ、だって。
待つのは苦手なんだけど。それも、おとなしく、だなんて。
まあ、ここにいてもしょーがないし、一応宿屋に帰っていよう。

時間と共に朝もやは晴れてきて、町には人通りが多くなってきた。
で、人が増えてくると……
「よーよー、兄ちゃんよー。人にぶつかっといて、それで済むと思ってるのかよー」
こーいうガラの悪いのも出てくる。
絡まれてる兄ちゃんは、まあ顔は並ってところだけど、三人に取り囲まれて顔面蒼白になっている。周りの人は見て見ぬふりだ。
――しかたないわねー。ちょっと助けてやるか。
「爆煙舞(バースト・ロンド)!!」

ちゅどどばこばこぉんっ!!

「人通りの多い所でぶつかったのなんのって大人げないわねー……あっ、らっきー♪こんなにお金持ってる(はあと)」
「あのー……それって泥棒じゃ……」
絡まれてた兄ちゃんが、少しおびえた表情であたしに意見した。
「違うわよ。あんた、被害者だから半分ね。こっちはあたしのよ。助けたお礼だとでも思って頂戴ね(はあと)」
「はあ……」
ガラの悪い兄ちゃんから没収したお金を持って、あっけに取られた顔であたしを見た。

「リナさん」
「…………」
「リナさん」
「…………」
「リナさ…」
だあーっ、うっとおしー。
「なによ」
「もう少しちゃんとお礼をしますから、僕の家に来ませんか?」
「いや」
「そう言わずに……」
この兄ちゃん、あれからしつこくしつこくあたしの後を付いてくる。そして、堂々巡りの会話を繰り返している。
さっき助けた時は気づかなかったが、この兄ちゃん怪しい雰囲気を漂わせている。家には、リカちゃん人形が並んでいるに違いない。毎日話し掛けたりしてるんだわ、きっと。←偏見。
町の人が見て見ぬふりしてた訳がよーく分かった……。
とうとう、宿屋の近くまで来た。
ここは――逃げるが勝ちっ!
あたしは、翔封界(レイ・ウイング)で、兄ちゃんを撒く事に成功した。

「リナさん……」
今、一番聞きたくない声だった。
宿屋の食堂でフルーツセットをぱくついていると、ソレは影を背負ってあたしの横に立ち尽くした。
――なんで、ここがバレたんだろう。
「お礼……」
――それにしても、こいつストーカーか?
「僕の家に……」
――しつこい、しつこい、しつこいっ、しつこ――いっ!!
もうダメ、限界。おとなしくなんてできないっ。こいつ呪文で夜空のお星様にしてやるっ!!
こっそりと呪文を唱え出したその時、ガウリイが帰ってきた。

「ガウリイっ!こっち、こっち」
ガウリイの顔が見れてこれほど嬉しかった事はない。
これでやっと、厄介払いが出来る。
あたしは側に立っていた変態に向きなおり、
「と言う訳で、あたし連れがいるから」
にっこり笑ってバイバイと手を振ってやる。

「今の誰だ?」
あたしの向かいに座りながら、ガウリイは例の変態の出て行った方を見て聞く。
気になるの?少しは大人に見られるよーになったのかな。
「知らない人」
あっさりと一言で済ませる。名前は聞いたけど、もう忘れた。
「知らない人って……」
「ううっ……あの人しつこかったあ。もーちょっとでキレそーだった」
今度会った時は、迷わず即呪文で吹き飛ばす!!
そんなあたしの心中を知らずに、えらく、感心したような口調で言う。
「ほんとにおとなしく待ってたんだな」
「そうっ!そーなのっ!だから、お昼はガウリイのおごりね(はあと)」
「はあ?なんでそーなるんだ?」
「だって、ちゃんとおとなしく待ってたし……」
爆煙舞(バースト・ロンド)なんて、おとなしい方よ。うんうん。もちろん内緒にするけど。
「そりゃ、そうかもしれないが」
「いいじゃないの。依頼料入ったんでしょ?」
「ああ、あれならもう無い」

がきょっ

「おいおい。大丈夫か」
ちょっと痛かった……じゃなくってっ!
お金を粗末にするとは言語道断、天罰覿面!!
思いっきしガウリイの首を締め上げる。
「ちょっとガウリイっ!どーゆー事よっ。お金落としたの?盗まれたの?どうしたのよっ!黙ってないで、なんとか言いなさいよっ!」
「ぐ…ぐる…じい」
苦しいと言いながらもあたしの手をあっさり振り解くと、小さな包みをあたしの手に乗せた。
「お金は全部使ったんだ。これ買うのに」
「何?これ」
「あー、しいて言えば……約束の印かな」
約束って何の?何言ってんの?
「開けてみろよ」
「え?うん……まさか、びっくり箱って言う訳じゃないわよね」
おそるおそる包みを開けてみる、と――
え……指輪……って、もしかして……
頭が真っ白になって、言葉が勝手に口から出る。
「……ちょっと、これって……約束って……」
つまり……約束の印って……

「ちょうどいいな。よく似合ってるよ」
満足げににっこり笑うガウリイ。
指輪はしっかりあたしの左手薬指にはまっていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい、終わりました。最後までお付き合いいただいてありがとうございます。
書いていくうちに、リナに付きまとっていた男の人が変な人になってしまいました。最初は普通にナンパされただけ、のつもりが……。なんでこんなになったんだろう?(笑)
さて次のお話は、っと……アイデアだけはいっぱいあります。また、書きますのでよろしくっ!

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126Re読みましたよーみーやん 10/19-06:48
記事番号99へのコメント
明美様。読みにきましたよー
いやーやっぱりリナが相手じゃナンパも普通じゃいられないんですね。
まさしく"類は友を呼ぶ"。
みーやん自身も友達によく言われますが・・・
リナちゃんはどこにいっても波瀾万丈。
おとなしくといってもムリな話。
それがリナの魅力。
ガウリィ君にこれからも苦労してもらいましょう。

なんかよく分からないコメントになっちゃっいましたけど。
続きドンドン書いてください。
みーやんもいきづまってますけど・・・がんばります。

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137ありがとうございます明美 E-mail 10/19-23:56
記事番号126へのコメント
みーやんさん、ありがとう!

>明美様。読みにきましたよー
ありがとー。コメントもらえると、また、書こうって気になりますね。

>いやーやっぱりリナが相手じゃナンパも普通じゃいられないんですね。
>まさしく"類は友を呼ぶ"。
書いていくうちにだんだん変な奴になってきたんですよ、あの兄ちゃん。
こんな奴、周りにいたら怖い(汗)

>みーやん自身も友達によく言われますが・・・
>リナちゃんはどこにいっても波瀾万丈。
>おとなしくといってもムリな話。
>それがリナの魅力。
>ガウリィ君にこれからも苦労してもらいましょう。
そうそう、ガウリイがんばって。自分の選んだ道だ(笑)

>なんかよく分からないコメントになっちゃっいましたけど。
>続きドンドン書いてください。
>みーやんもいきづまってますけど・・・がんばります。
私も、行き詰まってるんですよ。お互いがんばりましょう!!

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131読みました♪マミリンQ E-mail 10/19-13:30
記事番号99へのコメント
読みましたよ♪

おもしろかったです♪
ラストが見えていても、ガウリイSideで描かれなかった
空白が最高でした♪
リカちゃん人形に話し掛けてそ〜な、(あくまでも、”らしい”)
怪しいナンパ男、ナイスでしたよっ。
しつこくリナさんにまとわりつくとは度胸のある方ですね。(ニヤ)
知らぬが仏ってとこでしょうか。町娘ルックって危険なものだったんですね。
でも、彼、ただのナンパ男からひとつもふたつもランクアップ
しちゃったんですねっ。
キャラとはひとり歩きしだしてしまうもの・・・。(にやり)

では、どうもありがとうございました♪

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138ありがとうございます明美 E-mail 10/20-00:10
記事番号131へのコメント
マミリンQさん、度々コメントくださってありがとう(はあと)

>読みましたよ♪
>
>おもしろかったです♪
>ラストが見えていても、ガウリイSideで描かれなかった
>空白が最高でした♪
そう言ってくれると、書いたかいがありますう(はあと)

>リカちゃん人形に話し掛けてそ〜な、(あくまでも、”らしい”)
>怪しいナンパ男、ナイスでしたよっ。
>しつこくリナさんにまとわりつくとは度胸のある方ですね。(ニヤ)
>知らぬが仏ってとこでしょうか。町娘ルックって危険なものだったんですね。
そうとう似合って、可愛らしかったんだとおもいます(笑)

>でも、彼、ただのナンパ男からひとつもふたつもランクアップ
>しちゃったんですねっ。
>キャラとはひとり歩きしだしてしまうもの・・・。(にやり)
このキャラは、私の予想をはるかに越えて暴走してしまいました。初めは、ナンパ男二人ぐらい出る予定だったんですけど、このキャラが暴走してしまったおかげで一人出られなくなりました。

>では、どうもありがとうございました♪
どうも、ありがとう!そんな言葉では追いつかないくらい、感謝&感激です。
また、読んでください。