◆-再投稿!-魔沙羅 萌(10/18-20:25)No.110
 ┗異界黙示録伝《空白の書》その1-魔沙羅 萌(10/18-20:28)No.111
  ┗異界黙示録伝《空白の書》その2-魔沙羅 萌(10/18-20:29)No.112
   ┗異界黙示録伝《空白の書》その3-魔沙羅 萌(10/18-20:31)No.113
    ┗異界黙示録伝《空白の書》その4-魔沙羅 萌(10/18-20:32)No.114


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110再投稿!魔沙羅 萌 10/18-20:25

どうも、魔沙羅です。異界黙示録伝を再投稿ます!
よろしく!

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111異界黙示録伝《空白の書》その1魔沙羅 萌 10/18-20:28
記事番号110へのコメント
ふと気がつくとそこは知らない世界だった。あたしとガウリイはどうやら寝ている間にここに来てしまったらしい。憶えているのは虹色の光と不思議な夢。そう、あたしに似た小さな少女が世界を滅ぼす夢。ゼロス達が必死に止めているのに難なくその少女が世界を滅ぼす夢だけ。
なぜそのあたしに似た少女が世界を滅ぼしたのかも、なぜゼロスが止めようとしたのかもわからないけど。ガウリイに話してみたが、笑われて「考えすぎだぞリナ」と言われただけだけど。
でも、しっかりとこれからはじまる事件に関係していたのだ。

「でもガウリイ、ここどこだろーね」
あたし達は今、街と思われるところに来ている。建物には変な模様が刻んであったり、人の着ている服の袖裾は長く、下にたれていたり。まさに変な場所だ。
「さあな。確かに見覚えはあるような気がするが……」
「あんたもなのガウリイ。へんよね。」
「おい萌、リナンがいるぜ!どうなってるんだ?」
あたしとガウリイはその声に振り返った。そこには三人の子供がたっていた。
今、あたしの方を指差しているのは黒髪の少年。その隣りに同じく黒髪の目つきのキツイ少女。そして、その少年に、服の裾を引っ張られている「萌」と呼ばれた胡桃色の髪の少女だ。
3人とも、多少変な文様を刻まれているが、よく見慣れる普通の服を着ている。
なんだ、こいつら?と言うようなあたしの目も気にせず、彼らは話を続けている。
「ほんとだ!リナだ。リナ姉がいるよ萌!」
「うそ!………りんちゃん?りんちゃんだ!!」
萌と呼ばれていた少女があたしに飛びついてきた。
「ちょ、ちょっと、あたしはリンでもリナンでもないわよ」
「え?」
「あたしはリナ。リナ=インバースよ!!」
「ええ!!」

「ここは?」
萌と呼ばれた少女につれてこられたところは宿屋らしきところだった。
「ごめんなさい。人違いで。わたしは萌、魔滅 萌です。そこにいる男の子が玉髄。女の子は螢。
あなたたちのお話はそこにいるゼロスに聞いています」
ベッドの上にはなんとゼロスが寝かされていた。
『ゼロス』
「い、いやあリナさん、ガウリイさん、お久しぶりです。」
萌はそれを見て辛そうな顔をしてこういった。
「ごめんなさい……わたしのせいです……わたしが、わたしが………うっ……ひっく」
「ちょ、ちょっと萌?」
萌はなぜだか知らないが泣き出してしまった。どうなってるの?
[続く]

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112異界黙示録伝《空白の書》その2魔沙羅 萌 10/18-20:29
記事番号111へのコメント
――闇……そこはそればかりだった。そこで少女――歳の齢10歳ほどで肩まで伸びた白銀の髪で清流のように澄んだ青い目で耳が細長く尖っている――が1人、人を捜していた。暗い中、不安ばかりが渦巻いている。少女が捜しているのは破壊者。すべてを破壊しかねない者。すでにスィーフィード世界を滅ぼしかけた者だ。少女は彼女が何故そんなことをしたのか、これからなにをしようとしているのかは知らない。しかし、少女にはこれだけはわかった。
――これ以上彼女に破壊をさせてはならない。これ以上は彼女の『ココロ』が壊れてしまう。
そう、このことだけは。
……どうして……あたしは……あたしは罪を……
突然だった。少女の耳に細く彼女の声が聞こえてきた。
「ねえ……何処にいるの?返事してよ……」
彼女の言葉は闇にのまれ、消えていった………沈黙………そして
「見つけた……やっと見つけたぞ!破壊者よ!!これだ……これさえあればすべてが壊せる。すべてを滅ぼせるぞ!!!」
少女の耳に最初に入った言葉はそれだった。
――しまった!
少女は心の中で叫んだ。しかし、そうしたところでどうなるわけでもない。仕方が無しに少女は飛び立った。
――このことをみんなに伝えなきゃ!彼女のことを。
闇……暗黒と沈黙の闇の中でこのことは起こっていた………。


『運命』


ここはとある宿(?)の中。あたしが事情を聞いている最中、萌が泣き出してしまった。
しかもゼロスもいるし。どうなってるの?ここは何処?
「なあ萌、泣くなよ。話してくれなきゃ事情が掴めないぞ」
ガウリイが萌を慰めている。
「そうですよ、萌さん。ひとえに誰が悪いといい切れるものじゃありませんよ。
リナさん、代わりにこの僕たちが説明しますよ」
「怪我はもういいの?いいわよ、私と玉で説明するから!」
黒髪の14ぐらいの少女、螢からの鋭い突っ込み。
け、怪我って……?ふつー魔族ってベッドで寝たりするものだろうか?
よし、聞いてみよう。
「ねえゼロス、怪我って?魔族のアンタがするものなの?」
ゼロスは少し困った顔をして答えた。
「ま、まあ一応しますけど」
「ここはいわゆる『アストラル・サイド』ってとこに近いの。ついでに言うと、ここは昔、現実界にあったんだけど、いろいろあってここに移動してきた世界。言霊と意思力が大半の力を左右する世界なの。本来魔族の入れない世界なんだけど、無理してはいってきたからパワーダウンしちゃって動けなくなっちゃったってわけよ。出るにも出られないし。いろいろあって怪我もしてるし」
「そのいろいろって?」
今度は螢でなく玉髄が答える。
「おれにもよくわかんないんだが、簡単に言うとスィーフィード世界のうち現実界だけが崩壊したってことだな。しかも、ちょっとした魔法の作用でアストラル・サイドには形は残ってるのに滅んじゃったもんで異界にまで被害が及ぶかもしれないんだ。ゼロスについては滅ぼすべき世界がわずか16・7歳のエルフの少女に壊されるのが気にくわなかったからもあるし、獣王さんからの命令でもあったかららしいよ」
世界が滅んだ?あたし達の世界が?
「滅んだって、本当なの!」
「ええ………。現実界では跡形も無く……止めようとしてわたしが放った魔法がどういう作用をしたかわからないけど充分でなかったため暴走しちゃってアストラル・サイドにだけリナさん達の世界が残ってしまって、すべての均衡が崩れそうなんです。ごめんなさい」
さっきまでぐずってた萌がそう答えた。
……な、何だかよくわかんないとこもあるけど凄いことになってしまったなあ。
ガウリイ寝てるし。
「で、そんな訳で玻璃さんが彼女を捜しに行っているんですよ。わかりましたか、リナさん、ガウリイさん」
はあ………
「あたしはわかったけどガウリイは寝てるわ。そんなことよりハリって?あの針?」
………沈黙。
どうやらあたしはとんだ勘違いをしているらしい。
ゼロスも萌たちも何を言っているのかわからなかったらしくキョトンとしている。
「……ああ、玻璃のことですね。ええと、簡単に言うと石英。つまりは水晶とかクリスタルとかいうものです。ついでに言うと螢と玉髄の妹さんなんです。そろそろ帰ってくるかと思いますが……」
「みんな、大変なの!彼女が、彼女が!!」
萌の言ってる側から少女の声と共に澄んだ綺麗な水が天井の辺りからテーブルの上に合った水晶球の上に降り注いだ。すると、銀髪の10歳ぐらいの少女が光の乱舞の中からあらわれてきた。
「玻璃!」
「大変なの、彼女は魔界に!」
ま、魔界?そんなたいそうな所に何故そのヒトが?
「それでは玻璃さん、『刻の森』にある『常磐の座』へ行きましょう。僕にはそれが一番だと思いますけど」
「そうですね、ゼロスさん」
う、また知らない名前。ま、いいか。
「ところでオレの知らない間に何があったんだ?話がちっとも読めんが」
『アンタは寝てたんだろーが!!!』
全員の正義のつっこみによって一つの悪は滅びた!(をいをい)
よし、なんだかよくわかんない事は沢山あるけど頑張るぞ!

〔続く〕

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113異界黙示録伝《空白の書》その3魔沙羅 萌 10/18-20:31
記事番号112へのコメント
――異界黙示録……それはクレアバイブルと呼ばれる水竜王の記憶……。
魔導師協会や民衆は伝説程度に思っているモノ……。
しかし、それだけでは黙示録としての意味を持たない。
そう、黙示録は神が何らかの意志を示したり、あるいは預言書であったりしなくては多少意味が違ってくる。
水竜王の記憶の中に、ただ一つ、恐ろしい伝説と預言がある。それは、神魔戦争の直後に起きたものだった。


「天地創造」


昔、あたし達の世界には、二つの月が在ったといわれている。
一つは今の月『ルナ』。神魔戦争直後ではそう呼ばれていたらしい。
もう一つの月は『リナ』と呼ばれていたらしい。あたしの父ちゃんだか母ちゃんだかがこの伝説が好きで、あたしと姉ちゃんに名前をつけたらしい。
その二つの月にはそれぞれ、『ルナ』には聖霊と聖獣、それから月神族。『リナ』には精霊と人間が住んでいたらしい。
あたし達の世界にはというと、今と同じ様な者が住んでいたらしい。
伝説上では『リナ』の人間達があたし達の世界へ攻めてきて逆に返り討ちに遭って何処か消えてしまったという。その時に『ルナ』の生物達は死滅し、今の月になったという。

しかし、それは果たして本当のことだろうか?
はたしてそんな事がありえるのだろうか?
あれは神々と人間による狂言だったのだろうか?
それを知る方法は最早、クレアバイブルにしかないのだろうか?
疑問ばかりのリラの天地創造。
やはり、『リナ』がリラになったのだろうか?

〔続く〕

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114異界黙示録伝《空白の書》その4魔沙羅 萌 10/18-20:32
記事番号113へのコメント
闇の中、悪夢と共に眠りつづけていた少女が今、まさに目を覚まし始めた。それはとてもゆっくりとした速度であるが……。
悪夢……それは彼女の記憶の底にある真実、そして恐怖と絶望……。
それを知っているのは彼女だけ……あるいは…………。


夢路より


森、それもとても深い森の中、あたし達一行は、刻の森にやっとついたところだ。
が、しかし……
「ねえ、アンタ達、何時になったら常磐の座って言うのに着くのよ?もう半日は歩いてるわよ?」
「なんだよ、もうばてたのかよ。これだから人間の女っていうのはよ」
ぴく。
「お、おいやめろ玉髄、そんなこといったらリナに殺されるぞ!」
ガウリイはとても賢明なことを言う。でも、もう遅い!
「ふざけるなあああーー!」
ガゴッッッ!
……や、やり過ぎたかも。
ガウリイと螢は玉髄の前で合掌してるし、玻璃は泣きついてるし。
あ、ゼロス、楽しんでるな、こいつ。
「リナさん、もっと穏便に扱ってよ、玉髄のこと。このくらいじゃあ死なないけど」
萌は気楽そうにいっている。
「このくらいで死なれたら困るってば。ねえ、本当にあとどれぐらいかかるの?」
「まだまだ青いわね。やはりどんなに魔力が大きくても人間の小娘ね」
「ちょっと螢、どうゆー意味よ」
「私たちは、こう見えてもエルフの一種で、あたしは千五百年、玉は千年、玻璃は五百年生きてるわ。萌だけよ、ここにいる人間の子供は。ふつーとは言い難いけど」
こ、降魔戦争前のイキモンかい!アンタらは。
「と、とにかく、常磐の座までリナさんたちのペースにあわせてると2,3日かかります。萌ちゃんはともかくリナさんたちは普通の人だから」
「玻璃の言う通りなの。近くに村があるからよっていきましょ」
『同感』

「で、ここが村ってわけだな」
まさに、ここしか家が無いと言うような感じな所。
あれから更に、3時間。歩きまくったところに村はあった。
村といっても家が5,6軒あるだけ。はっきしいってすごくさみしい所。
そんな所で萌たちは足を止めたのだ。
「そ、ここが神魔の村。萌の生まれ故郷よ。私たちはもっと奥の方のところに住んでたわ」
もっと奥……ね。
「あら、螢ちゃん達じゃない?遅かったわね。待ちくたびれちゃったわよ、あたしは」
『リ・リナン!!』
「リ、リナが2人いる……」
え?
振り返ったあたしの目の前にいた少女はまさにあたしそのものだった。
しいて言えば服装と目の色だけ違った。その少女の目の色は月を連想させるような黄色。
服装もあたしとは違って蒼をベースにしたローブを着ている。胸のあたりにはなにをあらわしているかわからない魔法陣を持った聖母のロザリオ。
その少女はあたしの方を見てにこっと微笑んだ。
「久し振りだね、リナ。あなたのことならゼロスに聞いたわ。冥王まで倒しちゃったんですってね」
「……あなた、もしかして、リナン=エマ=リバース?!」
「やっぱり憶えててくれたんだね、リナ」

〔続く〕